明 細 書
活性光線硬化型インクジェットインク、それを用いた画像形成方法及びィ ンクジェット記録装置
技術分野
[0001] 本発明は、様々な記録材料に高精細な画像を安定に再現できる活性光線硬化型 インクジェットインクとそれを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置に関す る。
背景技術
[0002] 近年、インクジヱット記録方式は簡便 ·安価に画像を作成できるため、写真、各種印 刷、マーキング、カラーフィルタ一等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてき ている。特に、微細なインク液滴を出射、制御するインクジェット記録装置と、色再現 域、耐久性、出射適性等を改良したインクジェットインクとインクジェットインクの吸収 性、色材の発色性、表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを用い、銀塩写真に 匹敵する画質を得ることも可能となってきている。今日のインクジェット記録方式にお ける画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
[0003] し力しながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録媒体が制限される こと、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体ヘイ ンクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形 のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体とした インクを用いるソルベント系インクジヱット方式や、記録後に活性光線、例えば、紫外 線 (UV光)を照射して架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式等である。
[0004] 中でも、活性光線硬化型インクジェット方式はソルベント系インクジェット方式に比べ て比較的低臭気であり、例えば、特開平 6— 200204号公報、特表 2000— 504778 号公報等には、紫外線硬化型インクジエツトインクが開示されて!ヽる。
[0005] し力しながら、これらの活性光線硬化型インクジェットインクを用いたとしても、記録 材料の種類や作業環境によって、着弾後のドット径が大きく変化してしまい、様々な 記録材料に対して、様々な作業環境で高精細な画像を形成することは不可能である
[0006] 近年は、カチオン重合性モノマーを用いた紫外線硬化型インクジェットインクが数 多く提案されている。これらの紫外線硬化型インクジェットインクは、酸素阻害作用を 受けることはないが、分子レベルの水分 (湿度)の影響を受けやすいといった問題が ある。また、硬化環境によっては硬化収縮による皺の発生が問題となる。
[0007] 紫外線硬化型インクジェット方式による画像形成は、安価に高品質の画像が得られ ること、インクを吸収しない記録材料へも画像形成が可能であることが特徴である。し 力しながら、この紫外線硬化型インクジェット方式特有の問題も有する。例えば、イン ク吸収能を備えて 、な 、記録材料へ画像を形成した場合、着弾したドットが隣接する ドットと混ざり合うことによる画質劣化が顕著である。特に、高精細な画像形成が必要 とされる場合、着弾した色相の異なるインク間でのドット混ざりは大きな問題となる。 一方、紫外線硬化型インクジェットインクにおいて、光重合性ィ匕合物として、ォキシラ ン化合物、ビュルエーテルィ匕合物、ォキセタン化合物を用いた活性光線硬化型イン クジェットインクが開示されている (例えば、特許文献 1、 2参照)。また、光重合性ィ匕 合物として、脂環式エポキシィ匕合物及びォキセタンィ匕合物を用いた活性光線硬化型 インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献 3、 4参照)。しかしながら、 上記各提案されて 、る方法では、ドット滲みを十分に解決されて 、な 、のが現状であ る。
[0008] 一般的な水系インクジェット方式の場合は、専用紙やインクに各機能を有する添カロ 剤を含有させ、記録材料へのインク浸透性を向上して上記問題を解決してきたが、 紫外線硬化型インクジェット方式にぉ 、ては、インク吸収能を備えて 、な 、記録材料 への画像形成方法では、未だ解決方法が見出されていないのが現状である。また、 高速印刷の場合、形成された画像を巻き取ることが多ぐそのため、形成した画像の 迅速な硬化特性を有する活性光線硬化型インクジェットインクの開発が望まれて 、る 特許文献 1:特開 2001— 220526号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特許文献 2:特開 2002— 188025号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特許文献 3:特開 2002— 317139号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特許文献 4:特開 2003 - 55449号公報 (特許請求の範囲、実施例) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、出射性に優れ、高 速印刷においても着弾した色間でのドット混ざりのなぐかつ迅速な硬化特性を有す る活性光線硬化型インクジェットインク、該インクジェットインクを用いた画像形成方法 および画像形成装置を提供することである。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
[0011] 1.少なくともカーボンブラック系顔料、分散剤、カチオン重合性モノマー及び酸発 生剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクにぉ 、て、該カーボンブラック系 顔料が塩基性であり、かつ該分散剤が酸価とアミン価を有することを特徴とする活性 光線硬化型インクジェットインク。
[0012] 2.前記分散剤の酸価とアミン価が、下式の条件を満たすことを特徴とする前記 1に 記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[0013] 0. 3≤ (分散剤のアミン価) Z (分散剤の酸価)≤ 3. 3
3.前記カチオン重合性モノマーの少なくとも 1種力 ォキセタン環を有する化合物 であることを特徴とする前記 1または 2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[0014] 4.前記カチオン重合性モノマーの少なくとも 1種力 ォキシラン環を有する化合物 であることを特徴とする前記 1〜3のいずれか 1項に記載の活性光線硬化型インクジ エツトインク。
[0015] 5.前記ォキシラン環を有する化合物力 下記一般式(1)で表される化合物である ことを特徴とする前記 4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[0016] [化 1]
'般式 (1)
H2
[0017] 〔式中、 Rは炭素数 1〜10の置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよ
1
い芳香族基またはァシル基を表す。〕
6.前記ォキシラン環を有する化合物力 下記一般式(2)で表される化合物である ことを特徴とする前記 4に記載の活性光線硬化型
[0018] [化 2]
[0019] 〔式中、 Y〜Yはそれぞれ異なっていてもよい水素原子、置換されていてもよいアル
1 8
キル基、カルボニル基またはエーテル基を表す。〕
7.前記ォキシラン環を有する化合物が、 α—ピネンオキサイドであることを特徴と する前記 4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[0020] 8.前記ォキシラン環を有する化合物が、 1, 2 : 8, 9ージエポキシリモネンであること を特徴とする前記 4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[0021] 9.前記ォキシラン環を有する化合物力 エポキシ化された不飽和結合を有する植 物油であることを特徴とする前記 4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[0022] 10.前記ォキシラン環を有する化合物が、下記一般式 (Α)で表される化合物であ ることを特徴とする前記 4に記載の活性光線硬化型
[0023] [化 3]
[0024] 〔式中、 R は置換基を表し、 mOは 0〜2を表す。 rOは 1〜3を表す。 Lは主鎖に酸素
原子または硫黄原子を含んでいてもよい炭素数 1〜15の rO+ 1価の連結基または単 結合基を表す。〕
11.インクジェット記録ヘッドより前記 1乃至 10のいずれ力 1項に記載の活性光線 硬化型インクジェットインクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像 形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクが該記録媒体上に着弾し た後、 0. 001〜1秒後の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
[0025] 12.インクジェット記録ヘッドより前記 1乃至 10のいずれ力 1項に記載の活性光線 硬化型インクジェットインクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像 形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクが該記録媒体上に着弾し 、活性光線を照射して硬化した後の総膜厚が、 2〜25 ;ζ ΐηであることを特徴とする画 像形成方法。
[0026] 13.インクジェット記録ヘッドより前記 1乃至 10のいずれ力 1項に記載の活性光線 硬化型インクジェットインクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像 形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する該活性光線硬 化型インクジェットインクの液滴量が 2〜20plであることを特徴とする画像形成方法。
[0027] 14.前記インクジェット記録ヘッド力 ラインヘッド方式であることを特徴とする前記 1 1乃至 13のいずれか 1項に記載の画像形成方法。
[0028] 15.前記 11乃至 14のいずれ力 1項に記載の画像形成方法に用いるインクジェット 記録装置であって、活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録ヘッド を 35°C〜100°Cに加熱した後、該活性光線硬化型インクジェットインクを吐出するこ とを特徴とするインクジェット記録装置。
発明の効果
[0029] 本発明により、出射性に優れ、高速印刷においても着弾した色間でのドット混ざりの なぐかつ迅速な硬化特性を有する活性光線硬化型インクジェットインク、該インクジ エツトインクを用いた画像形成方法および画像形成装置を提供することができた。 図面の簡単な説明
[0030] [図 1]インクジェット記録装置の要部構成の一例を示す正面図である。
[図 2]インクジェット記録層チォ要部構成の他の一例を示す上面図である。
符号の説明
[0031] 1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料
発明を実施するための最良の形態
[0032] 次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する力 本発明はこれに より限定されるものではない。
[0033] 以下、本発明について詳細に説明する。
[0034] 本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくともカーボンブラッ ク系顔料、分散剤、カチオン重合性モノマー及び酸発生剤を含有する活性光線硬化 型インクジェットインクにおいて、カーボンブラック系顔料が塩基性であり、かつ分散 剤が酸価とアミン価を有する活性光線硬化型インクジェットインクを用いることにより、 出射性に優れ、高速印刷においても着弾した色間でのドット混ざりのなぐかつ迅速 な硬化特性を有する活性光線硬化型インクジェットインクを実現できることを見出し、 本発明に至った次第である。
[0035] はじめに、色材であるカーボンブラック系顔料にっ 、て説明する。
[0036] 本発明に用いることができるカーボンブラック系顔料としては、インク保存性の観点 より、塩基性のものが好ましい。ここでいう塩基性の評価は、 pH測定等公知の方法で 柳』定することができる。
[0037] 例えば、カーボンブラック系顔料の pHは以下のようにして測定される。即ち、適量 のカーボンブラック系顔料をビーカーに測り取り、カーボンブラック系顔料 lgにっき 1 Omlの割合で水を加え、 15分間煮沸する。顔料を濡れ易くするためにェチルアルコ
ールを数滴加えても良い。煮沸後、室温にまで冷却し、傾斜法または遠心分離法に より上澄み液を除去して泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極を入れ、 pHを測 定する。測定上、注意する点としては、電極の挿入位置により測定値がばらつくこと があるため、ビーカーを動力して電極面と泥状面とを充分に接触させ、 pHが一定に なったところで測定値を読むようにする。
[0038] 活性光線硬化型インクジェットインク(以下、単にインクとも 、う)の出射時の課題とし ては、インクの出射不良がある。インクの出射不良を引き起こす原因としては、長期保 存ゃ高温状態での暗反応により生成した重合物による粘度上昇や異物生成に伴う 目詰まり力 Sある。特開 2003— 55563号公報、特開 2002— 188025号公報、特開 2 003— 285546号公報にカチオン重合性モノマーを用いたインクジェットインクが開 示されて!/、るが、暗反応にっ 、ては記載されて 、な!、。
[0039] 暗反応は、インクを長期間にわたり保管した場合だけではなぐ活性光線硬化型ィ ンクジェットインクはモノマー組成等に起因して、水系インクジェットインクに比べて粘 度が高ぐインク加温により減粘した後、出射することが多ぐこの様な場合において も出射不良を引き起こしやす!/、。
[0040] 本発明のインクにぉ 、て、色材として塩基性カーボンブラックが好まし 、理由として は、この暗反応が抑制されるためと考えている。本発明のインクはカチオン重合性モ ノマーにより硬化するため、インク中の酸性物質が暗反応を引き起こすと考えられ、 酸性カーボンブラックの場合は、この暗反応を促進し、その結果、出射不良を引き起 こすものと推測している。
[0041] 塩基性カーボンブラックとしては公知のものが使用でき、例えば、三菱化学社製の
# 2300、 # 990、 # 980、 # 960、 # 950、 # 900、 # 850、 MCF88、 # 750B、 # 650B、 MA600、 # 4000B、 # 4350B、 # 52、 # 47、 # 45、 # 45レ # 44、 # 33 、 # 32、 # 30、 # 25、 # 20、 # 10、 # 5、CF9、 # 95、 # 85、 # 260、 # 3050B、 # 3350B、デグサ社製の PrinteX 95、 PrinteX 90、 PrinteX 95、 PrinteX 7 5、 PrinteX 55、 PrinteX 45、 PrinteX 40、 PrinteX
P、 PrinteX 60、 PrinteX L6、 Printex L、 PrinteX 300、 PrinteX 30、 Pri nteX 35、 PrinteX 25、 PrinteX 200、 PrinteX A、 PrinteX G、 Special Bl
ack 101等が挙げられる。
[0042] 更に、本発明に係るカーボンブラックとしては、 BET比表面積が大きぐ粒子径の 小さなものが好ましぐ 50〜300m2Zgのもの力 s好ましい。 BET比表面積が 300m2 Zgより大きいと顔料粒子径が小さくなりすぎ分散安定性が低下しやすくなり、逆に 5 Om2Zgより小さいと顔料粒子径が大きく吐出が不安定になりやすい。
[0043] 本発明でいう BET比表面積とは、ガス吸着法により粒子の比表面積を算出する測 定方法である。ガス吸着法による粒子の比表面積算出は、窒素ガスの様な吸着占有 面積が分力つているガス分子を粒子に吸着させ、その吸着量から粒子の比表面積を 算出する方法である。 BET比表面積は、固体表面に直接吸着したガス分子の量 (単 分子層吸着量)を正確に算出するためのもので、下記に示す BETの式と呼ばれる数 式を用いて算出される。
[0044] BETの式は一定温度で吸着平衡状態にある時の吸着平衡圧 Pとその圧力におけ る吸着量 Vの関係を示すもので以下の様に表される。
[0045] P/V(P P) = (1/VmC) + ( (C- l) /VmC) (P/P )
o o ただし、 P
0 :飽和蒸気圧
Vm:単分子層吸着量、気体分子が固体表面で単分子層を形成した時の 吸着量
C :吸着熱などに関するパラメータ(>0)
上式より単分子吸着量 Vmを算出し、これにガス分子 1個の占める断面積を掛ける ことにより、粒子の表面積を求めることができる。
[0046] BET比表面積の具体的な測定方法としては、例えば、サンプルを温度 50°Cで 10 時間の脱気を行って前処理をした後、窒素ガスを吸着ガスとして使用してガス吸着量 測定装置にて測定を行う。測定を行う全自動ガス吸着量測定装置としては、オートソ ーブ 1 (湯浅アイォ-タス社製)やフローソープ 2300 (島津製作所社製)が挙げられる 。これらの測定装置では、窒素吸着法の 1点法あるいは多点法により BET比表面積 を求める。
[0047] また、 DBP吸油量としては、 50〜150mlZlOOgのもの力好ましく、 50〜: LOOmlZ lOOgのものが更に好ましい。
[0048] また、上記の DBP吸油量については、カーボンブラック系顔料粉末 lOOgに DBP ( Dibutylphthalate)を少しずつ加え、練り合わせながら顔料の状態を観察し、ばら ばらに分散した状態から一つの塊をなす点を見出したときの DBPの ml数を DBP吸 油量とする。
[0049] また、本発明に用いられるカーボンブラックとしては、上記市販のものの他、各種文 献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス (T he
Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術 協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」 CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技 術」 CMC出版(1984年刊)、 W. Herbst, K. Hunger共著による Industrial Or game Pigments
( VCH Verlagsgesellshaft, 1993年刊)等がある。
[0050] 上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、 アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、 湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
[0051] 本発明に係る分散剤は、酸価とアミン価を有する分散剤であることが特徴である。
本発明で!/ヽぅ酸価ある!/ヽはァミン価は、電位差滴定等の公知の方法で求めることが できる。例えば、色材協会誌 61, [12] 692— 698 (1988)に記載の方法等で測定す ることがでさる。
[0052] 酸価とアミン価を有する分散剤としては、例えば、楠本ィ匕成社製の DA— 234、 DA — 325、 DA— 703— 50、 DA— 7300、味の素ファインテクノ社製の PB822、 PB82 1、エフ力アディティブズ社製の EFKA— 4300、 EFAK—7411、 EFKA—7476、 EFKA— 5244、 EFKA— 6220、 EFKA— 6225、 EFKA— 7544、 EFKA- 756 4、ビックケミ一社製の Disperbyk— 109、 Disperbyk— 106、 Disperbyk— 161、 J 11研ファインケミカル社製のヒノアクト T— 8000、ヒノアクト T— 6000等が挙げられ、 その中でも、酸価がアミン価よりも大きな分散剤が好ましい。
[0053] 本発明にお ヽては、分散剤のアミン価、酸価は以下のようにして求めた。
[0054] 〈分散剤のアミン価の測定〉
分散剤をメチルイソブチルケトンに溶解し、 0. 01モル ZLの塩素酸メチルイソブチ ルケトン溶液で電位差滴定を行い、 KOHmg/g換算したものをァミン価とした。電位 差滴定は、平沼産業株式会社製の自動滴定装置 COM— 1500を用いて測定した。
[0055] 〈分散剤の酸価の測定〉
分散剤をメチルイソプチルケトンに溶解し、 0. 01モル ZLのカリウムメトキシド—メチ ルイソブチルケトン Zメタノール (4: 1)溶液で電位差滴定を行 ヽ、 KOHmgZg換算 したものを酸価とした。電位差滴定は、平沼産業株式会社製の自動滴定装置 COM 1500を用いて測定した。
[0056] 酸価とアミン価を有する分散剤を用いることにより、カーボンブラック系顔料表面の 酸的な部位、塩基的な部位の両方に有効に吸着でき、有利であると推測している。
[0057] さらに、分散剤としては、酸価とアミン価が以下の関係を満たすものが好ましい。
[0058] 0. 3≤ (分散剤のアミン価) Z (分散剤の酸価)≤ 3. 3
本発明に係る分散剤は、カーボンブラック系顔料 100部に対して 10〜: L00部用い ることが好ましぐ 20〜80部がより好ましい。
[0059] 一般に、分散剤は顔料に吸着するための極性基を有しており、過剰に存在すると 硬化性を劣化させるため、上記規定する添加量とすることが好ま 、。
[0060] 一般に、活性光線硬化型インクジェットインクでは、分散媒体は溶剤または重合性 モノマーを用いて行うが、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクでは、インク 着弾直後に、迅速に反応'硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬 化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤の VOCの問題が生じる。よ つて、本発明のインクにおいては、分散媒体は、溶剤ではなぐ重合性モノマー、そ の中でも最も粘度の低 、モノマーを選択することが分散適性上好ま 、。
[0061] 用いる分散剤は、分散媒体に溶解して力 使用することが好ましぐ重合性モノマ 一に溶解して用いることが好まし 、。
[0062] 更に、分散助剤としてシナージストを用いることもできる。シナージストとは、顔料と 同様の構造を有し、かつ酸性基、塩基性基等の極性基に修飾された色素あるいは 有機顔料母核を有する有機物で、直接にまたはジョイントを介して極性基が結合して いるものをいう。これを顔料表面に吸着させ、これと分散剤とを結合させることにより、
顔料の分散性を向上させることができる。
[0063] シナージストによって顔料表面を処理することで顔料分散性を向上させたインクに 対し、紫外線吸収剤は、特に効果的である。シナージストとしてはスルホン酸変性、力 ルポキシル基変性等、酸性変性されたもので、かつアミン価が酸価より大きいものが 好ましい。
[0064] 分散助剤としては、例えば、エフ力アディテブズ社製の EFKA— 6745、 EFKA—6 750等、アビシァ社製の Solsperse5000、 Solsperse 12000、 Solsperse22000等 が挙げられる。分散助剤は顔料 100部に対して 1〜10部用いることが好ましい。
[0065] 顔料の分散は、カーボンブラック系顔料粒子の平均粒径を 0. 06〜0. 5 μ mとする ことが好ましぐ最大粒径は 0. 3〜5 111、好ましくは0. 3〜3 /ζ πιとなるよう、顔料、 分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によ つて、インクジェット記録ヘッドにおけるノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性 、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。顔料濃度としては、インク全質 量の 1質量%〜 10質量%であることが好ましい。
[0066] 〈カチオン重合性化合物〉
本発明に係るカチオン重合性モノマーは、カチオン重合により高分子化を起こすタ イブで、(1)ォキシラン環を有するタイプのもの、(2)スチレン誘導体、(3)ビニルナフ タレン誘導体、(4)ビュルエーテル類、(5) Ν—ビ-ルイ匕合物及び(6)ォキセタン化 合物類等を挙げることができる。
[0067] (1)ォキシラン環を有するタイプのもの
ォキシラン環を有する化合物としては、 1分子内にォキシラン環を 2個以上含有する プレボリマーを挙げることができる。このようなプレボリマーとしては、例えば、脂環式 ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリダリ シジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳 香族ポリオールのポリグリシジルェテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルェ 一テル類の水素添加ィ匕合物類、ウレタンポリエポキシ化合物及びエポキシ化ポリブタ ジェン類等を挙げることができる。これらプレボリマーは、その一種を単独で使用する こともできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
[0068] (2)スチレン誘導体
f列えば、、スチレン、 ρ—メチノレスチレン、 ρ—メトキシスチレン、 13ーメチノレスチレン、 p ーメチノレー βーメチルスチレン、 α—メチノレスチレン、 ρ—メトキシー 13ーメチルスチ レン等
(3)ビニルナフタレン誘導体
例えば、 1—ビュルナフタレン、 α メチル 1—ビュルナフタレン、 β—メチルー 1 —ビニルナフタレン、 4—メチル 1—ビニルナフタレン、 4—メトキシ一 1—ビニルナ フタレン等
(4)ビニルエーテル類
例えば、イソブチルエーテル、ェチルビ-ルエーテル、フエ-ルビ-ルエーテル、 ρ メチルフエ-ルビ-ルエーテル、 ρ—メトキシフエ-ルビ-ルエーテル、 α メチル フエ-ルビ-ルエーテル、 13ーメチルイソブチルビ-ルエーテル、 13 クロロイソブチ ルビ-ルエーテル等
(5) Ν—ビニルイ匕合物類
例えば、 Ν ビュルカルバゾール、 Ν ビュルピロリドン、 Ν ビュルインドール、 Ν ビュルピロール、 Ν ビニノレフエノチアジン、 Ν—ビュルァセトァ-リド、 Ν ビニノレ ェチルァセトアミド、 Ν ビュルスクシンイミド、 Ν ビュルフタルイミド、 Ν ビ-ルカ プロラタタム、 Ν ビュルイミダゾール等
(6)ォキセタンィ匕合物類
ォキセタンィ匕合物ォキセタン環を有する化合物としては、特開 2001— 220526号公 報、同 2001— 310937号公報に紹介されているような公知のあらゆるォキセタン化 合物を使用できる。
[0069] カチオン重合性モノマーとしては、ォキセタンィ匕合物が好ましぐ更にォキシラン環 を有する化合物を含有することが好まし ヽ。
[0070] ォキシラン環を有する化合物としては、前記一般式(1)で表される化合物、前記一 般式(2)で表される化合物、 α ピネンオキサイド、 1, 2 : 8, 9ージエポキシリモネン
、エポキシィ匕された不飽和結合を有する植物油、前記一般式 (Α)で表される化合物 が好ましい。
[0071] 前記一般式(1)で表されるォキシラン環を有する化合物について説明する。
前記一般式(1)において、 Rは炭素数 1〜10の置換されていてもよいアルキル基(
1
例えば、置換されていてもよいメチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロ ピル基、 t ブチル基、へキシル基、 2—ェチルへキシル基、ベンジル基等)、置換さ れていてもよい芳香族基 (例えば、置換されていてもよいフエニル基、ナフチル基等) 、または置換されていてもよいァシル基 (例えば、ベンゾィル基、メタクリル基、ステア リル基等)を表し、その中でもアルキル基が好まし 、。
[0072] 一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定さ れるものではない。
[0073] [化 4]
EPA-1 EPA- cccll
H2C-0-CH H2C— O— CH2C HH2CH3
0 O
EPA EPA -8
[0074] 次!/ヽで、一般式(2)で表されるォキシラン環を有する化合物につ!/、て説明する。
前記一般式 (2)において、 Y〜Yはそれぞれ異なっていてもよい水素原子、置換さ
1 8
れていてもよいアルキル基(例えば、置換されていてもよいメチル基、ェチル基、プロ
ピル基、ブチル基、イソプロピル基、 t ブチル基、へキシル基、 2—ェチルへキシル 基、ベンジル基等)、置換されていてもよいカルボニル基 (例えば、置換されていても よいァセチル基、ベンゾィル基等)またはエーテル基 (アルキルエーテル基、ァリール エーテル基等)を表す。
[0075] 一般式(2)で表されるォキシラン環を有する化合物の好ま 、例としては、下記一 般式 (III)及び (IV)で表される化合物が挙げられる。
[0077] 上記一般式 (III)にお 、て、 R はォキシラン環の α、 β位以外の脂肪族基を表し、
200
m3は 0〜2を表す。 Xは—(CH ) —、または—(O) —を表し、 ηθは 0または 1を表
1 2 ηθ ηθ
す。 pl、 qlはそれぞれ 0または 1を表し同時に 0となることはない。 r3は 1〜3を表す。 Lは主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい炭素数 1〜15の r3 + l価
3
の分岐構造を有する連結基または単結合を表す。
[0078] [化 6]
[0079] 上記一般式 (IV)において、 R はォキシラン環のひ、 j8位以外の脂肪族基を表し、
201
m4は 0〜2を表す。 Xは—(CH ) —または(O) —を表し、 nlは 0または 1を表す。
2 2 nl nl
p2、 q2はそれぞれ 0または 1を表し、同時に 0となることはない。 r4は 1〜3を表す。 L は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んで 、てもよ 、炭素数 1〜 15の r4 + 1価の 分岐構造を有する連結基または単結合を表す。
[0080] 一般式 (III)で表されるォキシラン環を有する化合物について説明する。
[0081] R は脂肪族基を表し、脂肪族基としては炭素数 1〜6個のアルキル基 (例えば、メ
200
チル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数 3〜6個のシ クロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク 口へキシル基、等)、炭素数 1〜6個のァルケ-ル基 (例えば、ビュル基、 1 プロべ- ル基、 2 プロべ-ル基、 2 ブテュル基、等)、炭素数 1〜6個のアルキニル基 (例 えば、ァセチレ-ル基、 1 プロピニル基、 2—プロピ-ル基、 2—ブチニル基、等)が 挙げられる。好ましくは、炭素数 1〜3個のアルキル基であり、メチル基、ェチル基が より好まし 、。
[0082] m3は 0〜2を表し、 1以上が好ましい。
[0083] Xは—(CH ) —または—(O) —を表す。 ηθは 0または 1を表し、 ηθが 0の場合は
1 2 ηθ ηθ
、 Xが存在しないことを表す。
1
[0084] m3+nOは 1以上が好ましい。
[0085] Lは、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数 1〜15の r3 + l価の
3
分岐構造を有する連結基ある!ヽは単結合を表す。
[0086] 一般式 (IV)で表されるォキシラン環を有する化合物について説明する。
[0087] 上記一般式 (IV)において、 R は脂肪族基を表し、脂肪族基としては炭素数 1〜6
201
個のアルキル基(例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル 基、等)、炭素数 3〜6個のシクロアルキル基 (例えば、シクロプロピル基、シクロプチ ル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、等)、炭素数 1〜6個のァルケ-ル基(例 えば、ビュル基、 1 プロべ-ル基、 2—プロべ-ル基、 2—ブテュル基、等)、炭素 数 1〜6個のアルキニル基(例えば、ァセチレ-ル基、 1 プロピ-ル基、 2 プロピ -ル基、 2 プチ二ル基、等)が挙げられる。好ましくは、炭素数 1〜3個のアルキル 基であり、メチル基、ェチル基がより好ましい。
[0088] m4は 0〜2を表し、 1以上が好ましい。
[0089] Xは—(CH ) —または—(O) —を表す。 nlは 0または 1を表し、 nlが 0の場合は
2 2 nl nl
、 Xが存在しないことを表す。
2
[0090] m4+nlは 1以上が好ましい。
[0091] Lは、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数 1〜15の r4+ l価の
4
分岐構造を有する連結基ある!ヽは単結合を表す。
[0092] L 、 Lはそれぞれ置換基を有して!/ヽても良!ヽ。置換基の例としては、ハロゲン原子(
3 4
例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数 1〜6個のアルキル基 (例えば 、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数 1〜6個の アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、 iso プロポキシ基 、 n ブトキシ基、 tert ブトキシ基等)、ァシル基 (例えば、ァセチル基、プロピオ- ル基、トリフルォロアセチル基等)、ァシルォキシ基 (例えば、ァセトキシ基、プロピオ -ルォキシ基、トリフルォロアセトキシ基等)、アルコキシカルボ-ル基 (例えば、メトキ シカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基、 tert ブトキシカルボ-ル基等)、等が挙げ られる。置換基として好ましいのは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基である
[0093] 一般式 (III)または (IV)における主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭 素数 1〜15の 2価の連結基の例としては、以下の基およびこれらの基と O 基、 S 基、— CO 基、—CS 基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。 ェチリデン基 [ >CHCH ]、イソプロピリデン [ >C (CH ) ] 2, 2 ジメチル— 1, 3—
3 3 2
プロパンジィル基 [― CH C (CH ) CH— ]、 2, 2 ジメトキシ— 1, 3 プロパンジィ
2 3 2 2
ル基 [― CH C (OCH ) CH 一]、 2, 2 ジメトキシメチルー 1, 3 プロパンジィル基
2 3 2 2
[― CH C (CH OCH ) CH―]、 1—メチル― 1, 3 プロパンジィル基 [― CH (CH
2 2 3 2 2
) CH CH―]、 1, 4 ジメチル— 3—ォキサ—1, 5 ペンタンジィル基 [― CH (CH
3 2 2
) CH O CH (CH ) CH 一]、 1, 4, 7 トリメチノレ一 3, 6 ジォキサ一 1, 8—ォクタ
3 2 3 2
ンジィル基 [― CH (CH ) CH OCH (CH ) CH OCH (CH ) CH— ]、 5, 5—ジメチ
3 2 3 2 3 2
ルー 3, 7 ジォキサ— 1, 9 ノナンジィル基 [ CH CH OCH C (CH ) CH OC
2 2 2 3 2 2
H CH 一]、 5, 5 ジメトキシ一 3, 7 ジォキサ一 1, 9 ノナンジィル基 [― CH CH
2 2 2
OCH C (OCH ) CH OCH CH一]、 5, 5—ジメトキシメチルー 3, 7—ジォキサ—
2 2 3 2 2 2 2
1, 9 ノナンジィル基 [ CH CH OCH C (CH OCH ) CH OCH CH― ]、イソ
2 2 2 2 3 2 2 2 2 プロピリデンビスー p フエ二レン基 [一 p— C H一 C (CH ) 一 p— C H一]
6 4 3 2 6 4
3価以上の連結基としては、以上に挙げた 2価の連結基力 任意の部位の水素原子
を必要なだけ除いてできる基およびそれらと O 基、 S 基、 CO 基、 CS
—基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
[0094] 一般式 (2)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定さ れるものではない。
[0095] [化 7]
[0096] [化 8]
[0097] エポキシィ匕された不飽和結合を有する植物油としては、ォリーブ油、紅花油、ひま わり油、大豆油、亜麻仁油等の不飽和結合を有する植物油をエポキシィ匕したものを 挙げることができる。また、市販されているエポキシィ匕された植物油を使用することも でき、例えば、新日本理化株式会社製のサンソサイザ一 E— 4030、 ATOFINA C hemical社製 Vf7010、 Vf9010、 Vf9040等が挙げられる。
[0098] 次 、で、前記一般式 (A)で表されるォキシラン環を有する化合物につ!、て説明す
る。
前記一般式 (A)にお 、て、 R は置換基を表し、置換基の例としては、ハロゲン原子
100
(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数 1〜6個のアルキル基 (例え ば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数 1〜6個 のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、 iso—プロポキシ 基、 n—ブトキシ基、 te —ブトキシ基等)、ァシル基 (例えば、ァセチル基、プロピオ -ル基、トリフルォロアセチル基等)、ァシルォキシ基 (例えば、ァセトキシ基、プロピ ォニルォキシ基、トリフルォロアセトキシ基等)、アルコキシカルボ-ル基 (例えば、メト キシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基、 tert—ブトキシカルボ-ル基等)等が挙 げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ -ル基である。
[0099] mOは 0〜2を表し、 0または 1が好ましい。
[0100] Lは、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数 1〜15の rO+ 1価の
0
連結基あるいは単結合を表す。
[0101] 一般式 (A)で表されるォキシラン環を有する化合物の好ま U、例としては、以下の 一般式 (I)または一般式 (II)で表される化合物が挙げられる。
[0102] [化 9]
[0103] 一般式 (I)において、 R は置換基を表し、 mlは 0〜2を表す。 rlは 1〜3を表す。
101
Lは主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい炭素数 1〜15の rl + 1価 の連結基または単結合を表す。
[0105] 式中、 R は置換基を表し、 m2は 0〜2を表す。 r2は 1〜3を表す。 Lは主鎖に酸
102 2
素原子または硫黄原子を含んでいてもよい炭素数 1〜15の r2+ l価の連結基または 単結合を表す。
[0106] 一般式 (I)または(II)で表される化合物について、更に詳細を説明する。
[0107] 上記の式中、 R 、R 、はそれぞれ置換基を表し、置換基の例としては、ハロゲン
101 102
原子 (例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数 1〜6個のアルキル基( 例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数 1 〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、 iso—プロ ポキシ基、 n—ブトキシ基、 tert—ブトキシ基等)、ァシル基 (例えば、ァセチル基、プ 口ピオ-ル基、トリフルォロアセチル基等)、ァシルォキシ基 (例えば、ァセトキシ基、 プロピオ-ルォキシ基、トリフルォロアセトキシ基等)、アルコキシカルボニル基 (例え ば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基、 tert—ブトキシカルボ-ル基等) 等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシ カルボニル基である。
[0108] ml、 m2、はそれぞれ 0〜2を表し、 0または 1が好ましい。
[0109] Lは主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数 1〜15の rl + 1価の
1
連結基あるいは単結合を、 Lは主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭
2
素数 1〜15の r2+ l価の連結基あるいは単結合を表す。
[0110] 一般式 (A)、一般式 (I)、一般式 (II)における L、 L、 Lはそれぞれ置換基を有し
0 1 2
ていても良い。置換基の例としては、ハロゲン原子 (例えば、塩素原子、臭素原子、フ ッ素原子等)、炭素数 1〜6個のアルキル基 (例えば、メチル基、ェチル基、プロピル 基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数 1〜6個のアルコキシ基 (例えば、メトキシ 基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、 iso—プロポキシ基、 n—ブトキシ基、 tert—ブトキ
シ基等)、ァシル基 (例えば、ァセチル基、プロピオニル基、トリフルォロアセチル基等 )、ァシルォキシ基 (例えば、ァセトキシ基、プロピオニルォキシ基、トリフルォロアセト キシ基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ -ル基、 tert ブトキシカルボ-ル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは 、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ-ル基である。
[0111] L、 L、 Lとしては、それぞれ主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素
0 1 2
数 1〜8の 2価の連結基が好ましぐ主鎖が炭素のみ力 なる炭素数 1〜5の 2価の連 結基がより好ましい。
[0112] 一般式 (A)、一般式 (1)、一般式 (II)における、 L、 Lで表される主鎖に酸素原子ま
1 2
たは硫黄原子を含んでも良い炭素数 1〜15の 2価の連結基の例としては、以下の基 およびこれらの基と—O 基、 S 基、—CO 基、 CS 基を複数組み合わせ てできる基を挙げることができる。
メチレン基 [― CH―]ェチリデン基 [>CHCH]、イソプロピリデン [>C(CH) ]1,
2 3 3 2
2 エチレン基 [ CH CH―]、 1, 2 プロピレン基 [― CH(CH )CH―]、 1, 3—
2 2 3 2
プロパンジィル基 [ CHCHCH—]、 2, 2 ジメチルー 1, 3 プロパンジィル基 [
2 2 2
― CHC(CH) CH—]、2, 2 ジメトキシ— 1, 3 プロパンジィル基 [― CH C(0
2 3 2 2 2
CH ) CH―]、 2, 2 ジメトキシメチル— 1, 3 プロパンジィル基 [― CH C(CH O
3 2 2 2 2
CH) CH―]、 1—メチル― 1, 3 プロパンジィル基 [― CH(CH)CHCH―]、 1
3 2 2 3 2 2
, 4 ブタンジィル基 [ CH CH CH CH― ]、 1, 5 ペンタンジィル基 [ CH CH
2 2 2 2 2
CH CH CH ]、ォキシジエチレン基 [ CH CH OCH CH—]、チオジェチレ
2 2 2 2 2 2 2 2
ン基 [― CH CH SCH CH一]、 3—ォキソチオジェチレン基 [ CH CH SOCH
2 2 2 2 2 2 2
CH一]、 3, 3 ジォキソチオジェチレン基 [一 CH CH SO CH CH一]、 1, 4ージ
2 2 2 2 2 2 メチル—3—ォキサ—1, 5 ペンタンジィル基 [― CH(CH)CHO CH(CH)CH
3 2 3
―]、 3—ォキソペンタンジィル基 [ CH CH COCH CH― ]、 1, 5 ジォキソ一 3
2 2 2 2 2
ォキサペンタンジィル基 [ COCH OCH CO— ]、 4 ォキサ 1, 7 ヘプタン
2 2
ジィル基 [― CH CH CH OCH CH CH一]、 3, 6 ジォキサ一 1, 8—オクタンジ
2 2 2 2 2 2
ィル基 [― CH CH OCH CH OCH CH一]、 1, 4, 7 トリメチル—3, 6 ジォキ
2 2 2 2 2 2
サ— 1, 8―オクタンジィル基 [― CH (CH ) CH OCH (CH ) CH OCH (CH ) CH
―]、 5, 5 ジメチル— 3, 7 ジォキサ— 1, 9 ノナンジィル基 [ CH CH OCH
2 2 2
C(CH ) CH OCH CH一]、 5, 5 ジメトキシ一 3, 7 ジォキサ一 1, 9 ノナンジ
3 2 2 2 2
ィル基 [― CH CH OCH C(OCH ) CH OCH CH―]、 5, 5—ジメトキシメチル—
2 2 2 3 2 2 2 2
3, 7 ジォキサ— 1, 9 ノナンジィル基 [ CH CH OCH C(CH OCH ) CH O
2 2 2 2 3 2 2
CH CH—]、4, 7 ジォキソ— 3, 8 ジォキサ— 1, 10 デカンジィル基 [ CH
2 2 2
CH O-COCH CH CO -OCH CH一]、 3, 8 ジォキソ 4, 7 ジォキサ 1,
2 2 2 2 2
10 デカンジィル基 [ CH CH CO-OCH CH O— COCH CH一]、 1, 3 シ
2 2 2 2 2 2
クロペンタンジィル基 [ 1, 3— CH― ]、 1, 2 シクロへキサンジィル基 [ 1, 2-
5 8
CH —]、 1, 3 シクロへキサンジィル基 [ 1, 3-CH ―]、 1, 4 シクロへキサ
6 10 6 10
ンジィル基 [ 1, 4-CH 一]、 2, 5—テトラヒドロフランジィル基 [2, 5— CHO—
6 10 4 6
]p—フエ二レン基 [― p— C H—]、 m—フエ二レン基 [― m— C H― ]、 a, a' ― o
6 4 6 4
—キシリレン基 [― o— CH― C H― CH― ]、 a, ' —m キシリレン基 [ m—
2 6 4 2
CH— CH— CH—]、 a, α' — p キシリレン基 [— p— CH― C H― CH—]、
2 6 4 2 2 6 4 2 フラン一 2, 5 ジィル一ビスメチレン基 [2, 5-CH― CHO— CH―]チォフェン
2 4 2 2
-2, 5 ジィル一ビスメチレン基 [2, 5-CH -CH S-CH―]イソプロピリデンビ
2 4 2 2
ス一p—フエ二レン基 [—p— CH -C(CH ) -p-CH一]
6 4 3 2 6 4
3価以上の連結基としては以上に挙げた 2価の連結基から任意の部位の水素原子を 必要なだけ除いてできる基およびそれらと—O 基、 S 基、—CO 基、 CS— 基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
[0113] 以下に、好まし 、脂環式エポキシドである一般式 (A)、 (I)または(II)で表される脂 環式エポキシィ匕合物の具体例を示す力 本発明はこれらに限定されるものではない
[0114] [化 11]
[0115] [化 12]
分子量: 352.42 分子量: 338.4
分子量: 352.42
[0116] ォキシラン環を有する化合物の添加量としては、インク全質量あたり 10〜80質量% 含有することが好ましい。 10質量%未満であると硬化環境 (温度、湿度)により硬化 性が著しく変化し、安定性に欠ける。 80質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱ぐ 実用上好ましくない。
本発明のインクでは、ォキシラン環を有する化合物の 1種を単独で使用してもよいが 、 2種以上を適宜組合せて使用してもよい。また、これらのォキシラン環を有する化合 物は、その製法は問わないが、例えば、丸善 KK出版、第四版実験化学講座 20有 機合成 II、 213〜、平成 4年、 Ed. by Alfred Hasfner, The chemistry of h eterocyclic compounds― Small Ring Heterocycles part 3 Oxiranes, J ohn & Wiley and Sons, An Interscience Publication, New York, 1985、吉村、接着、 29卷 12号、 32、 1985、吉村、接着、 30卷 5号、 42、 1986、吉 村、接着、 30卷 7号、 42, 1986,特開平 11— 100378号、特許第 2906275号、特 許第 2926262号公報等の文献を参考にして合成できる。
[0117] 本発明のインクの硬化のため、公知のあらゆる光酸発生剤を用いることができる。
[0118] 光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光力チオン重合に利用 される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有 機材料」、ぶんしん出版(1993年)、 187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合 物の例を以下に挙げる。
[0119] 第 1に、ジァゾ二ゥム、アンモニゥム、ョードニゥム、スノレホニゥム、ホスホニゥム等の 芳香族ォ -ゥム化合物の B (C F )―、 PF―、 AsF―、 SbF―、 CF SO—塩を挙げること
6 5 4 6 6 6 3 3
ができる。
[0120] 本発明で用いることのできるォ-ゥム化合物の具体的な例を、以下に示す。
[0121] [化 13]
[0122] 第 2に、スルホン酸を発生するスルホンィ匕物を挙げることができ、その具体的な化合 物を、以下に例示する。
[0123] [化 14]
[0124] 第 3に、ハロゲンィ匕水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその 具体的な化合物を例示する。
[0125] [化 15]
Ij
[0126] 第 4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
[0127] [化 16]
[0128] 更に、本発明のインクにおいては、活性光線照射によりベンゼンを発生しない下記 一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホ -ゥム塩ィヒ合物が好ましぐ S+と結合するべンゼ ン環に置換基をもつものがあれば、上記条件を満たすものであり好ま 、。
[0129] [化 17]
-般式 [1〕 -般式 〔2〕
[0130] 上記一般式〔1〕〜〔4〕において、 R〜R はそれぞれ水素原子または置換基を表し
1 17
、 R〜Rが同時に水素原子を表すことがなぐ R〜Rが同時に水素原子を表すこと
1 3 4 7
がなぐ R〜R が同時に水素原子を表すことがなぐ R 〜R が同時に水素原子を
8 11 12 17
表すことはない。
[0131] R〜R で表される置換基としては、好ましくは、メチル基、ェチル基、プロピル基、
1 17
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、 t ブチル基、ペンチル基、へキシル基等 のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、へキシルォキシ基、 デシルォキシ基、ドデシルォキシ基等のアルコキシ基、ァセトキシ基、プロピオニルォ キシ基、デシルカルボ-ルォキシ基、ドデシルカルボ-ルォキシ基、メトキシカルボ- ル基、エトキシカルボ-ル基、ベンゾィルォキシ基等のカルボ-ル基、フエ-ルチオ 基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シァノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等 を挙げることができる。
[0132] Xは、非求核性のァ-オン残基を表し、例えば、 F、 Cl、 Br、 I等のハロゲン原子、 B
(C F ) 、 R COO、 R SO、 SbF、 AsF、 PF、 BF等を挙げることができる。ただし
6 5 4 18 19 3 6 6 6 4
、 R 及び R は、それぞれメチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル
18 19
基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基、シァノ基、メトキシ基、ェ トキシ基等のアルコキシ基等で置換されて 、てもよ 、アルキル基もしくはフエ-ル基 を表す。この中でも、安全性の観点力も B (C F )、 PFが好ましい。
6 5 4 6
[0133] 上記化合物は、 THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Vol. 71 No . 11 (1998)、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶ んしん出版(1993年)に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法において容易に合 成することができる。
[0134] 本発明においては、前記一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホ二ゥム塩力 下記一般 式〔5〕〜〔 13〕力 選ばれるスルホニゥム塩の少なくとも 1種であること力 特に好まし い。 Xは非求核性のァ-オン残基を表し、前述と同様である。
[0135] [化 18]
[0136] また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性ィ匕合物を用いることが できるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金 属化合物、ァミン等の塩基性有機化合物等が挙げられる。
[0137] 塩基性アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化リ チウム、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩 (例えば、炭酸 リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコラート (例えば、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトシキド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等)が挙げ られる。
[0138] 塩基性アルカリ土類金属としては、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸ィ匕 マグネシウム、水酸ィ匕カルシウム等)、アルカリ金属の炭酸塩 (例えば、炭酸マグネシ ゥム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(例えば、マグネシウムメトキシ ド等)が挙げられる。
[0139] 塩基性有機化合物としては、ァミン並びキノリン及びキノリジン等含窒素複素環化 合物等が挙げられる力 これらの中でも、光重合性モノマーとの相溶性の面力もアミ ンが好ましぐ例えば、ォクチルァミン、ナフチルァミン、キシレンジァミン、ジベンジル ァミン、ジフエニルァミン、ジブチルァミン、ジォクチルァミン、ジメチルァニリン、キヌク リジン、トリブチルァミン、トリオクチルァミン、テトラメチルエチレンジァミン、テトラメチ ルー 1 , 6—へキサメチレンジァミン、へキサメチレンテトラミン及びトリエタノールァミン 等が挙げられる。
[0140] 塩基性化合物を存在させる際の濃度は、光重合性モノマーの総量に対して 10〜1
000質量 ppm、特に 20〜500質量 ppmの範囲であることが好ましい。なお、塩基性 化合物は単独で使用しても複数を併用してもよ ヽ。
[0141] さらに、インクタンク、配管、ヘッド内等インク状態での硬化を抑制するために、水を 添加することもできる。水の添加量としてはインク全質量の 0. 1質量%以上、 8質量
%未満が好ましい。
[0142] また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組合せ、ラジカル'カチオンのノ、イブリツド 型硬化インクとすることも可能である。
[0143] 本発明のインクにおいては、 25°Cにおける粘度が 7〜50mPa' sであること力 硬化 環境 (温度'湿度)に関係なくインクジェットヘッドからの吐出が安定し、良好な硬化性 を得るために好ましい。
[0144] 本発明のインクには、上記説明した以外に、必要に応じて様々な添加剤を用いるこ とができる。例えば、界面活性剤、レべリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するタメ ノポリエステル系榭脂、ポリウレタン系榭脂、ビニル系榭脂、アクリル系榭脂、ゴム系 榭脂、ワックス類を添加することができる。
[0145] 本発明の画像形成方法で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙 、コート紙等の他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそ のフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、 PET (ポリ エチレンテレフタレート)、 OPS (配向ポリスチレン)、 OPP (配向ポリプロピレン)、 ON y (配向ナイロン)、 PVC (ポリ塩化ビュル)、 PE (ポリエチレン)、 TAC (三酢酸セル口 ース)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、 PC (ポリカーボネ ート)、アクリル榭脂、 ABS、ポリアセタール、 PVA (ポリビュルアルコール)、ゴム類な どが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
[0146] これら各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によつ てインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来力も問題となっていた。本発明 の構成では、表面エネルギーの低い OPPフィルム、 OPSフィルムや表面エネルギー の比較的大き!、PETまでを含む、表面エネルギーが 35〜60mNZmの広範囲の記 録材料に良好な高精細画像を形成できる。
[0147] 本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製 効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使 用する方が有利である。
[0148] 本発明のインクジェットインクは、他色の顔料を有するインクとセットとして用いること もできる。少なくともイェローのインクジェットインク、マゼンタのインクジェットインク、ブ ラックのインクジェットインクを有するインクジェットインクセット、 V、わゆるカラーのイン クジェットプリントに一般的に用いられている複数のインクをセットにしたインクセットで 用いられることが好ましい。
[0149] さらにインクジェットで写真画像を形成するために、色材含有量を各々変化させた、 いわゆる濃淡インクを調製して用いることもできる。また、必要に応じて、赤、緑、青、 白等の特色インクを用いることも色再現上好まし 、。
[0150] 次に、本発明の画像形成方法について説明する。
[0151] 本発明の画像形成方法においては、本発明のインクをインクジェット記録方式によ り記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線等の活性光線を照射してインクを硬化 させる方法が好ましい。
[0152] (インク着弾後のインク膜厚)
本発明の画像形成方法では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して 硬化した後の総インク膜厚が 2〜25 mであることが好ましい。スクリーン印刷分野の 活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が 25 mを越えているのが現 状であるが、使用する記録材料が薄 、プラスチック材料であることが多 、軟包装印刷 分野では、記録材料のカール'皺の問題だけでなぐ印刷物全体のこし'質感が変わ つてしまうという問題があるため、過剰な膜厚を形成する多量のインク吐出は好ましく ない。
[0153] 尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味 し、単色でも、それ以外の 2色重ね(2次色)、 3色重ね、 4色重ね(白インクベース)の インクジェット記録方法で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同 様である。
[0154] (インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、インクジェット記録ヘッド及びインクジェットインクを 35〜 100°Cに加熱し、加熱した状態でインクジェットインクを吐出することが吐出安定性の 点で好ましい。一般に、活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大 きぐ粘度変動はそのままインクの液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、 画質劣化を引き起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必 要である。インク温度の制御幅としては、設定温度 ±5°C、好ましくは設定温度 ±2°C 、更に好ましくは設定温度 ± 1°Cである。
[0155] また、本発明では、インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が 2〜20plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、インク液滴 量がこの範囲であることが必要である力 この液滴量で吐出する場合、前述した吐出 安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インク液滴量が 2〜20plのような微小液 滴量で吐出を行っても、吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成できる。
[0156] (インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、記録媒体上にィ ンクが着弾した後、 0. 001秒〜 1秒の間に活性光線を照射することが好ましぐより好
ましくは 0. 001秒〜 0. 5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミン グを出来るだけ早くすることが特に重要となる。
[0157] 活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭 60— 132767号公報に 開示されている。該公報によると、インクジェット記録ヘッドユニットの両側に照射用光 源を設け、シャトル方式でインクジェット記録ヘッドと照射用光源を走査する。照射は 、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光 源によって硬化を完了させる。米国特許 6, 145, 979号明細書では、照射方法とし て、光ファイバ一を用いた方法や、コリメートされた光源をインクジェット記録ヘッドュ ニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている 。本発明の画像形成方法においては、これらいずれの照射方法も用いることが出来 る。
[0158] また、活性光線の照射を 2段階に分け、まずインク着弾後 0. 001〜2秒の間に前述 の方法で活性光線を照射し、次いで、全印字終了後に、更に活性光線を照射する方 法も好ましい態様の一つである。活性光線の照射を 2段階に分けることで、よりインク 硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
[0159] 従来、紫外線硬化型インクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑 制のために、光源の総消費電力が lkW'hrを超える高照度の光源が用いられるのが 通常であった。し力しながら、これらの高照度の光源を用いると、特に、シュリンクラベ ル等への印字では、記録材料の収縮があまりにも大きぐ実質上使用できないのが 現状であった。
[0160] 本発明の画像形成方法では、 254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用 いることが好ましぐこれにより総消費電力が lkW'hr未満の光源を用いても、高精細 な画像を形成でき、かつ、記録材料の収縮も実用上許容範囲内におさめることがで きる。
[0161] 本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が lkW'hr未満 であることが好ましい。総消費電力が lkW'hr未満の光源の例としては、例えば、蛍 光管、冷印極管、熱陰極管、 LED等が挙げられる力 これらに限定されない。
[0162] 以下、本発明のインクジェット記録装置について、図面を適宜参照しながら説明す
る。尚、図面のインクジェット記録装置はあくまでも本発明のインクジェット記録装置の 一態様であり、本発明のインクジェット記録装置はこの図面に限定されない。
[0163] 図 1は本発明のインクジェット記録装置の要部構成を示す正面図である。インクジェ ット記録装置 1は、ヘッドキャリッジ 2、インクジヱット記録ヘッド 3、照射手段 4、プラテ ン部 5等を備えて構成される。この記録装置 1は記録材料 Pの下にプラテン部 5が設 置されている。プラテン部 5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料 Pを通 過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現 できる。
[0164] 記録材料 Pは、ガイド部材 6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図 1に おける手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキヤリツ ジ 2を図 1における Y方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ 2に保持され たインクジェット記録ヘッド 3の走査を行う。
[0165] ヘッドキャリッジ 2は記録材料 Pの上側に設置され、記録材料 P上の画像印刷に用 いる色の数に応じて後述するインクジェット記録ヘッド 3を複数個、吐出口を下側に配 置して収納する。ヘッドキャリッジ 2は、図 1における Y方向に往復自在な形態でイン クジェット記録装置 1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図 1における Y方向に往復移動する。
[0166] 尚、図 1ではヘッドキャリッジ 2がインクジェット記録ヘッド 3を収納するものとして描 図されているが、実際の際にはヘッドキャリッジ 2に収納されるインクジェット記録へッ ド 3の色数は適宜決められるものである。
[0167] インクジェット記録ヘッド 3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光 線硬化型インク(例えば、紫外線硬化型インクジェットインク)を、内部に複数個備えら れた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出ロカ 記録材料 Pに向けて吐出する。 インクジェット記録ヘッド 3により吐出される活性光線硬化型インクは色材、重合性モ ノマー、開始剤等を含んで組成されており、例えば、紫外線の照射を受けることで開 始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性 質を有する。
[0168] インクジェット記録ヘッド 3は記録材料 Pの一端力 ヘッド走査手段の駆動により、図
1における Y方向に記録材料 Pの他端まで移動すると 、う走査の間に、記録材料 Pに おける一定の領域 (着弾可能領域)に対して、活性光線硬化型インクをインク滴として 吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
[0169] 上記走査を適宜回数行い、 1領域の着弾可能領域に向けて、活性光線硬化型イン クの吐出を行った後、搬送手段で記録材料 Pを図 1における手前から奥方向に適宜 移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行いながら、インクジェット記録ヘッド 3に より上記着弾可能領域に対し、図 1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に 対して活性光線硬化型インクの吐出を行う。
[0170] 上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動してインクジェット記録 ヘッド 3から活性光線硬化型インクを吐出することにより、記録材料 P上に活性光線硬 化型インク液滴の集合体力 なる画像が形成される。
[0171] 活性光線硬化型インクが、紫外線硬化型インク (UVインク)である場合は、照射手 段 4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ラン プ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外 線ランプとしては、水銀ランプ、メタルノヽライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レ 一ザ一、冷印極管、熱印極管、ブラックライト、 LED (Light emitting diode)等が 適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもし くはブラックライトが好ま ヽ。特に波長 254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ 、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行え、好まし い。ブラックライトを照射手段 4の放射線源に用いることで、 UVインクを硬化するため の照射手段 4を安価に作製することができる。
[0172] 照射手段 4は、インクジェット記録ヘッド 3がヘッド走査手段の駆動による 1回の走査 によって UVインクを吐出する着弾可能領域のうち、インクジェット記録装置 (UVイン クジェットプリンタ) 1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも 大きな形状を有する。
[0173] 照射手段 4はヘッドキャリッジ 2の両脇に、記録材料 Pに対してほぼ平行に、固定し て設置される。
[0174] 前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、インクジェット記録へッ
ド 3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段 4と記録材料 Pの距離 h 1より、インクジェット記録ヘッド 3のインク吐出部 31と記録材料 Pとの距離 h2を大きく したり(hl <h2)、インクジェット記録ヘッド 3と照射手段 4との距離 dを離したり(dを大 きく)することが有効である。又、インクジェット記録ヘッド 3と照射手段 4の間を蛇腹構 造 7にすると更に好ましい。
[0175] ここで、照射手段 4で照射される紫外線の波長は、照射手段 4に備えられらた紫外 線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することができる。
[0176] 本発明のインクは、非常に吐出安定性に優れており、ラインヘッドタイプのインクジ エツト記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
[0177] 図 2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキヤ リッジ 2に、各色のインクジェット記録ヘッド 3を、記録材料 Pの全幅をカバーするように して、複数個、固定配置されている。
[0178] 一方、ヘッドキャリッジ 2の下流側には、同じく記録材料 Pの全幅をカバーするように して、インク印字面全域をカバーするように配置されて 、る照射手段 4が設けられて いる。照明手段 4に用いられる紫外線ランプは、図 1に記載したのと同様のものを用 いることがでさる。
[0179] このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ 2及び照射手段 4は固定され、記録材料 Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
実施例
[0180] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され るものではない。
[0181] 《顔料分散体の調製》
〔顔料分散体 D— 1の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、 50°Cのホットプレート上で加熱しな がら 3時間加熱攪拌して溶解した。
[0182] PB822 (味の素ファインテクノネ土製分散剤 酸価 18. 5mgZg (KOH)、ァミン価 1 5. 9mg/g (KOH) ) 8部
OXT221 (東亞合成社製 ォキセタン化合物) 72部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、これに以下の顔料を加えて、直径 0. 5m mのジルコ-ァビーズ 200gと共にポリプロピレン製容器に入れて密栓し、ペイントシ ヱ一力一にて 6時間分散処理した後、ジルコユアビーズを除去して、顔料分散体 D— 1を調製した。
[0183] # 52 (三菱ィ匕学社製カーボンブラック pH : 8. 0 塩基性) 20部
〔顔料分散体 D— 2の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、 50°Cのホットプレート上で加熱しな がら 3時間加熱攪拌して溶解した。
[0184] PB821 (味の素ファインテクノネ土製分散剤 酸価 30. 4mgZg (KOH)、ァミン価 1 0. 2mg/g (KOH) ) 8部
OXT212 (東亞合成社製 ォキセタン化合物) 72部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、これに以下の顔料を加えて、直径 0. 5m mのジルコ-ァビーズ 200gと共にポリプロピレン製容器に入れて密栓し、ペイントシ ヱ一力一にて 6時間分散処理した後、ジルコユアビーズを除去して、顔料分散体 D— 2を調製した。
[0185] # 52 (三菱ィ匕学社製カーボンブラック pH : 8. 0 塩基性) 20部
〔顔料分散体 D— 3の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、 1時間攪拌して混合した。
[0186] Disperbykl61 (ビックケミ一社製分散剤 有効成分 30% 酸価 4. 4mgZg (KO H)、ァミン価 10. 9mg/g (KOH) ) 20部
OXT221 (東亞合成社製 ォキセタン化合物) 60部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、これに以下の顔料を加えて、直径 0. 5m mのジルコ-ァビーズ 200gと共にポリプロピレン製容器に入れて密栓し、ペイントシ ヱ一力一にて 6時間分散処理した後、ジルコユアビーズを除去して、顔料分散体 D— 4を調製した。
[0187] # 52 (三菱ィ匕学社製カーボンブラック pH : 8. 0 塩基性) 20部
〔顔料分散体 D— 4の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、 1時間攪拌して混合した。
[0188] EFKA4330 (エフ力アディティブズ社製分散剤有効成分 80% 酸価 7. 5mg (KOH)、アミン価 30. 4mg/g (KOH) ) 10部
OXT221 (東亞合成社製 ォキセタン化合物) 70部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、これに以下の顔料を加えて、直径 0. 5m mのジルコ-ァビーズ 200gと共にポリプロピレン製容器に入れて密栓し、ペイントシ ヱ一力一にて 6時間分散処理した後、ジルコユアビーズを除去して、顔料分散体 D— 3を調製した。
[0189] # 44 (三菱ィ匕学社製カーボンブラック pH : 7. 5 塩基性) 20部
〔顔料分散体 D— 5の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、 50°Cのホットプレート上で加熱しな がら 3時間加熱攪拌して溶解した。
[0190] PB821 (味の素ファインテクノネ土製分散剤 酸価 30. 4mgZg (KOH)、ァミン価 1 0. 2mg/g (KOH) ) 8部
OXT221 (東亞合成社製 ォキセタン化合物) 72部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、これに以下の顔料を加えて、直径 0. 5m mのジルコ-ァビーズ 200gと共にポリプロピレン製容器に入れて密栓し、ペイントシ ヱ一力一にて 6時間分散処理した後、ジルコユアビーズを除去して、顔料分散体 D— 5を調製した。
[0191] MA11 (三菱化学社製カーボンブラック pH : 3. 5 酸性) 20部
〔顔料分散体 D— 6の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、 3時間攪拌して混合した。
[0192] EFKA7500 (エフ力アディティブズ社製分散剤 酸価 322mgZg(KOH)、アミ ン価 OmgZg(KOH) ) 8部
OXT221 (東亞合成社製 ォキセタン化合物) 72部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、これに以下の顔料を加えて、直径 0. 5m mのジルコ-ァビーズ 200gと共にポリプロピレン製容器に入れて密栓し、ペイントシ ヱ一力一にて 6時間分散処理した後、ジルコユアビーズを除去して、顔料分散体 D— 6を調製した。
[0193] # 52 (三菱ィ匕学社製カーボンブラック pH : 8. 0 塩基性) 20部 《インクの調製》
上記調製した各顔料分散体に、表 1に記載の各添加物を順次混合して、これを 1. 0 μ mメンブランフィルターでろ過して、インク 1〜17を調製した。なお、表 1に記載の 数値は質量%を表す。
[0194] [表 1]
表 1に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。
(ォキセタン化合物)
OXT— 221:ジ [1—ェチル(3—ォキセタニル) ]メチルエーテル (東亞合成社製)
OXT- 212:ォキセタンィ匕合物 (東亞合成社製)
(エポキシィ匕合物;ォキシラン環を有する化合物)
ΕΡΑ- 7 : 例示化合物 ΕΡΑ— 7
EPB- 1 : 例示化合物 EPB—1
EPC- 1 : 例示化合物 EPC— 1
EPD- 9 : 例示化合物 EPD— 9
ΡΟ : a ピネンオキサイド
DEP : 1, 2 : 8, 9ージエポキシリモネン
E-4030 : サンソサイザ一 E— 4030 (新日本理ィ匕社製 エポキシィ匕脂肪酸プチ ル)
(光重合開始剤)
SP— 152 :トリフエ-ルスルホ-ゥム塩(「アデカオプトマー SP— 152」旭電化社製
)
(界面活性剤)
F475 : メガファックス F475 パーフルォロアルキル基含有アクリルオリゴマー (大日本インキ化学工業社製)
《インクの評価》
〔硬化性の評価 (指触試験)〕
各インクを PET: polyethylene terephthalateのシート上に、総膜厚が約 5 m となるように塗布した後、 80mWZcm2の照度 (UVPF— A1 (岩崎電気社製)で 254 nm照度)で低圧水銀灯により 30秒照射した。
[0196] 次いで、照射後に画像表面を指触し、下記の基準に従って、硬化性を評価した。
[0197] ◎:ベたつきがない
〇:僅かにベたつきが感じられる
△:ベたつきがあるが、こすっても取れることはな!/ヽレベル
X:硬化せず流動してしまう
〔インクジェット画像の形成及び評価〕
(画像形成方法 A;出射性評価 1)
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図 1に記載の構成かならるキャリッジ方式のィ ンクジェット記録装置に、上記調製した直後の各インク 1〜17及び各インクを 70°C、 5 0%RHの環境下に 1週間放置した後のインクをそれぞれ装填し、厚さ 120 /ζ πι、巾 6 OOmm,長さ 500mの長尺ポリエチレンテレフタレートフィルム上へ、ブラックのべた 画像を印字し、各画像を得た。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直 前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンク力 へッ ド部分まで断熱して 50°Cの加温を行った。ピエゾヘッドは、 2〜20plのマルチサイズ ドットを 720 X 720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。 着弾した後、インクはキャリッジ両脇のランプユニットにより瞬時 (着弾後 0. 5秒未満) に硬化される。記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、 2. 3〜13 mの範囲 であった。本発明でいう dpiとは、 2. 54cmあたりのドット数を表す。なお、インクジエツ ト画像の形成は、上記方法に従って 25°C、 40%RHの環境下でそれぞれ行った。
[0198] (画像形成方法 B;出射性評価 2)
上記形成方法 Aにおいて、インクジェット記録装置として、図 2に記載のラインヘッド 記録方式のインクジェット記録装置を用いたほかは、上記調製した各インク 1〜 17及 び各インクを 70°C、 50%RHの環境下に 1週間放置した後のインクをそれぞれ装填 し同様にして各画像を得た。
[0199] また、上記各画像形成方法で用いた照射光源の詳細は以下の通りである。
記録装置 Aで用いた照射光源:高圧水銀ランプ VZero085 (INTEGRATION TE CHNOLOGY社製 ピーク波長: 254nm 最高照度: 400mWZcm2)
記録装置 Bで用いた照射光源:低圧水銀ランプ (岩崎電気特注品 線光源として 5本 配置、照射面積 120mm (長手方向) X 620mm (幅手方向) ピーク波長: 254nm 最高照度: 50mWZcm2)
なお、上記各照射光源の照度は、岩崎電気社製の UVPF— A1を用いて、 254nm の積算照度を測定して表示した。
[0200] (出射性の評価)
出射性評価 1および 2について、それぞれ形成した各画像について、ベタ画像の印 字部と非印字部の境界を目視により観察、下記評価基準により出射性を評価した。
[0201] ◎:境界部で画像の乱れは見られない
〇:インク滴の曲がり、飛び散りによりわずかに境界の乱れが観察される X:インク滴の曲がり、飛び散りにより境界が乱れている
以上によりえられた各結果を、表 2に示す。
[0202] [表 2]
表 2に記載の結果より明らかなように、本発明に係るインクジェットインクは、比較例 に対し、出射性が良好で、硬化速度も速ぐかつ高温環境下で保存した後でも出射 性に優れて 、ることが分かる。