JP2008001849A - 活性光線硬化型インクジェットインク組成物、画像形成方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク組成物、画像形成方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出安定性が良好で、かつ印刷物の質感を損なうことなく柔軟性のある硬化膜を形成できる活性光線硬化型インクジェットインク組成物と、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】少なくとも光酸発生剤、カチオン重合性モノマー及び顔料を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物において、ウレタン変性エポキシ樹脂を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク組成物と、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置に関するものである。
従来、紫外線や電子線などの活性エネルギー線により硬化する活性光線硬化型組成物は、プラスチック、紙、木工及び無機質材等の塗料、接着剤、印刷インキ、印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途に実用化されている。近年、その中でも、印刷インキ、塗料、接着剤等では、より一層の付着性と硬化後の硬化膜の柔軟性改善が望まれている。
また、これらの活性光線により硬化する重合性組成物を使用したインクジェット用インクシステムとしては、紫外線で硬化する紫外線硬化型インクジェットインクがあるが、この紫外線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェット方式は、速乾性に優れ、インク吸収性の無い記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、様々な紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、これら開示されている紫外線硬化型インクジェットインクは、形成される硬化膜の柔軟性が不足しているため、記録材料に追随できずに硬化膜に亀裂が生じるという問題があり、限られた記録材料(厚いもの)に対する印字しかできないという問題があった。
上記課題に対し、インクジェット用インクに可塑剤を添加することにより可塑性を付与した紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、このイインクジェットンクは、溶融型インクジェットインクであり、溶剤型の紫外線硬化型インクジェットインクについての開示や示唆は無い。
また、紫外線硬化型インクジェットインクを用いた場合、作業環境によって吐出が安定しない問題があり、特に、特許文献3に記載のような可塑剤などの柔軟性向上剤を添加した場合にはより厳しくなることが判明した。
更に、カチオン重合性化合物を用いた活性光線硬化型インクジェットインク(例えば、特許文献4〜7参照)では、分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった問題を抱えている。
特開平6−200204号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特表2000−504778号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特開平8−3493号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特開2001−220526号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特開2002−188025号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特開2002−317139号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特開2003−55449号公報 (特許請求の範囲、実施例)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、吐出安定性が良好で、かつ印刷物の質感を損なうことなく柔軟性のある硬化膜を形成できる活性光線硬化型インクジェットインク組成物と、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも光酸発生剤、カチオン重合性モノマー及び顔料を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物において、ウレタン変性エポキシ樹脂を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
2.前記ウレタン変性エポキシ樹脂の含有量が、2.0質量%以上、20.0質量%以下であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
3.前記カチオン重合性モノマーが、少なくとも1種の単官能または2官能のエポキシモノマーであることを特徴とする前記1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
4.前記カチオン重合性モノマーが、少なくとも1種の単官能または2官能のオキセタンモノマーであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
5.前記カチオン重合性モノマーとして、少なくとも1種の単官能モノマーを10.0質量%以上、30.0質量%以下含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
6.25℃における粘度が、7mPa・s以上、100mPa・s以下であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
7.インクジェット記録ヘッドより、前記1〜6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドが、ラインヘッド方式であることを特徴とする画像形成方法。
8.前記1〜6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物による画像形成に用いるインクジェット記録装置であって、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物及び記録ヘッドをそれぞれ35〜100℃に加熱した後、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物を記録ヘッドより吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明により、吐出安定性が良好で、かつ印刷物の質感を損なうことなく柔軟性のある硬化膜を形成できる活性光線硬化型インクジェットインク組成物と、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも光酸発生剤、カチオン重合性モノマー及び顔料を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物において、ウレタン変性エポキシ樹脂を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク組成物により、吐出安定性が良好で、かつ印刷物の質感を損なうことなく柔軟性のある硬化膜を形成できる活性光線硬化型インクジェットインク組成物を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、活性光線硬化型インクジェットインク組成物に、ウレタン変性エポキシ樹脂を用いることにより、従来の活性光線硬化型インクジェットインク組成物で問題となっていた付着性(記録媒体への密着性)及び活性光線を照射して硬化した後の硬化膜の柔軟性が飛躍的に向上できることを見出した。すなわち、記録媒体に対する付着性と硬化後の硬化膜の柔軟性を改良する手段の1つとして、重合性化合物として単官能モノマーを用い、その含有量を10〜30質量%と多量に用いることが好ましいが、単純にその手段だけでは未だ効果としては不十分であり、また、得られる硬化膜の硬化性が劣化し、インク硬化時に皺が発生するという問題があった。上記のような単官能モノマーを用いた組成において、ウレタン変性エポキシ樹脂を共存させることにより、この皺の問題についても改善されることを見出した。特に、重合性化合物として、少なくとも1種の単官能または2官能のエポキシモノマーを含有する場合、低湿下で生じやすい硬化皺の問題が著しく改善されるため好ましい。更に、オキセタンモノマーを含有する場合には、その改善効果が著しく、同時に吐出安定性も向上し、非常に再現性良く高精細な画像を形成できることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインク組成物(以下、単に組成物、あるいはインクともいう)では、ウレタン変性エポキシ樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の組成物におけるウレタン変性エポキシ樹脂の含有量としては、2.0質量%以上、20.0質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは5.0質量%以上、15.0質量%以下である。ウレタン変性エポキシ樹脂の含有量が2質量%未満では、本発明の目的効果を得ることができず、また、20質量%超になると形成した硬化膜の耐傷性が劣化してしまう。
本発明の組成物において、ウレタン変性エポキシ樹脂としては、従来公知の方法で調製されたウレタン変性エポキシ樹脂を適用することができ、例えば、特開昭61−228015号公報に記載のポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物とから得られるウレタンプレポリマーをエポキシ樹脂に反応して得られるウレタン変性エポキシ樹脂、特開昭62−53527号公報に記載の高分子量および低分子量のポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物からなるウレタンプレポリマーに、エポキシ基とヒドロキシル基とを含有する化合物を反応させて得られるウレタン変性エポキシ樹脂、更に、特開昭58−63758号公報に記載のエポキシ樹脂にリン酸またはリン酸塩もしくはリン酸エステルとの縮合物等を用いることができる。また、本発明に係るウレタン変性エポキシ樹脂は市販品として入手することもでき、例えば、旭電化社製のアデカレジンEPUシリーズ、大日本インキ化学社製のエピクロンTSRシリーズなどが挙げられる。具体的なウレタン変性エポキシ樹脂としては、アデカレジンEPU−11、アデカレジンEPU−15、アデカレジンEPU−16A、アデカレジンEPU−16B、アデカレジンEPU−17T−6、アデカレジンEPU−6、アデカレジンEPU−73、アデカレジンEPU−78−11、アデカレジンEPU−1348、アデカレジンEPU−1395、アデカレジンEPU−4−75X、アデカレジンEPU−80、アデカレジンEPU−86、アデカレジンEPU−1418−5(以上、旭電化社製)、エピクロンTSR−243、エピクロンTSR−250−80BX(以上、大日本インキ化学社製)等を挙げることができるが、この限りではない。
また、ウレタン変性エポキシ樹脂を含む本発明の組成物においては、カチオン重合性の単官能のモノマーを、10.0質量%以上、30.0質量%以下含有することが好ましい。該単官能モノマーの含有量が10質量%未満であると、本発明の目的効果を十分に得ることができず、また、30質量%超になると形成した硬化膜の硬化性が著しく低下し、色滲みなどにより、高品位の画質を得ることが難しくなる。チオン重合性の単官能のモノマーとしては、例えば、東亞合成社製のオキセタン化合物であるOXT211、OXT212、OXT101、OXT213等、ダイセル化学工業社製のエポキシ化合物であるAOEX24、AOEX68等が挙げられる。
本発明に係るカチオン重合性モノマーとしては、オキシラン基を有する化合物を用いることが硬化時の収縮が少ない点で好ましい。オキシラン基を有する化合物としては、上述の単官能モノマーに加えて、あらゆる公知の脂環式エポキシ化合物を用いることができる。例えば、カチオン重合性モノマーとしては、特開平6−9714号、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本発明の組成物においては、カチオン重合性モノマーとして、単官能または2官能のエポキシモノマーを用いることが好ましい。
エポキシ化合物としては、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の組成物においては、カチオン重合性モノマーとして、単官能または2官能のオキセタンモノマーを用いることが好ましい。
本発明に適用可能なオキセタン化合物としては、上述の単官能オキセタン化合物に加えて、特開2001−220526号公報、同2001−310937号公報に記載されている公知のあらゆる官能または2官能オキセタン化合物を使用できる。
本発明の組成物においては、重合開始剤として、光酸発生剤を含有する。本発明で用いることのできる光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654-、PF6-、AsF6-、SbF6-、CF3SO3-塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
Figure 2008001849
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
Figure 2008001849
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 2008001849
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2008001849
本発明の組成物における光酸発生剤の好ましい添加量は組成物全体の1〜6質量%の範囲であり、更に好ましくは2〜5質量%の範囲である。
本発明の組成物においては、更なる吐出安定性向上のため、塩基性化合物を併用することが好ましい。
塩基性化合物としては、公知のあらゆるものを用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などがあげられる。
塩基性アルカリ金属化合物としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコラート(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等)が挙げられる。
塩基性アルカリ土類金属化合物としては、同様に、例えば、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(例えば、マグネシウムメトキシド等)が挙げられる。
塩基性有機化合物としては、アミンならびにキノリンおよびキノリジンなど含窒素複素環化合物などが挙げられるが、これらの中でも、カチオン重合性モノマーとの相溶性の面からアミンが好ましく、例えば、オクチルアミン、ナフチルアミン、キシレンジアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルアニリン、キヌクリジン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンおよびトリエタノールアミンなどが挙げられる。
塩基性化合物を存在させる際のその濃度は、カチオン重合性モノマーの総量に対して10〜50000質量ppm、特に100〜5000質量ppmの範囲であることが好ましい。なお、塩基性化合物は単独で使用しても複数を併用して使用してもよい。
本発明の組成物では、上述の各化合物と共に、顔料を含有する。
本発明に用いる顔料としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末等の無機顔料、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
顔料の具体例としては、
C.I Pigmen Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I Pigmen Orange−16、36、38、
C.I Pigmen Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I Pigmen Violet−19、23、
C.I Pigmen Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I Pigmen Green−7、36、
C.I Pigmen White−6、18、21、
C.I Pigmen Black−7、等を挙げることができる。
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装印刷、ラベル印刷においては、白インクを用いることが好ましい。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明の光硬化型インクでは、印字後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1〜10質量%とすることが好ましい。
本発明のインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
本発明のインクにおいては、25℃における粘度が7〜100mPa・sであることが、良好な硬化性を得るために好ましい。本発明における粘度とは、Physica社製粘弾性測定装置MCR300にて測定したシェアレート1000(1/s)の値である。
次に、本発明のインクジェット画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、本発明のインクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
本発明のインクを用いて画像形成する場合、インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクジェットインクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
次いで、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
図1は本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インクを、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して、本発明の活性光線硬化型インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して活性光線硬化型インクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3から活性光線硬化型インクを吐出することにより、記録材料P上に活性光線硬化型インク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能である。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によって活性光線硬化型インクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(インクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す上面図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《分散液の調製》
以下の方法に従って、それぞれ下記の5種類の顔料を含む顔料分散液1(顔料1)、顔料分散液2(顔料2)、顔料分散液3(顔料3)、顔料分散液4(顔料4)及び顔料分散液5(顔料5)を調製した。
下記の2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱、撹拌して溶解した。
PB822(味の素ファインテクノ社製、分散剤) 9部
OXT−221(東亞合成社製、オキセタン化合物) 71部
上記溶液を室温まで冷却した後、これに下記の各顔料をぞれぞれ20部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーで下記時間を要して分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
顔料1:Pigment Black 7(三菱化学社製、#52) 10時間
顔料2:Pigment Blue 15:4(大日精化社製、ブルーNo.32)
9時間
顔料3:Pigment Yellow 150(LANXESS社製、E4GN−GT CH20015) 8時間
顔料4:Pigment Red 122(大日精化社製、CFR−321)
10時間
顔料5:酸化チタン(アナターゼ型、平均粒径0.2μm) 10時間
《インク組成物セットの調製》
上記調製した各顔料分散液を用い、表1〜表6に記載の添加剤を含む各色インク組成物から構成されるインク組成物セット1〜6を調製した。なお、各色インク組成物は、表に記載の添加剤を加えた後、ADVATEC社製のテフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行った。
上記調製した各インク組成物セットの各色インク組成物の粘度は、以下の通りである。粘度は、25℃における各色インク組成物の最大粘度及び最小粘度を基にその粘度巾で表示した。
インク組成物セット1:17〜21mPa・s
インク組成物セット2:35〜38mPa・s
インク組成物セット3:30〜33mPa・s
インク組成物セット4:33〜36mPa・s
インク組成物セット5:33〜36mPa・s
インク組成物セット6:34〜37mPa・s
Figure 2008001849
Figure 2008001849
Figure 2008001849
Figure 2008001849
Figure 2008001849
Figure 2008001849
表1〜6に記載の各インク組成物と各化合物、表示の詳細は、以下の通りである。
K:濃ブラックインク
C:濃シアンインク
M:濃マゼンタインク
Y:濃イエローインク
W:ホワイトインク
Lk:淡ブラックインク
Lc:淡シアンインク
Lm:淡マゼンタインク
Ly:淡イエローインク
顔料1:C.I.pigment Black 7
顔料2:C.I.pigment Blue 15:4
顔料3:C.I.pigment Yellow 150
顔料4:C.I.pigment Red 122
顔料5:酸化チタン(アナターゼ型 平均粒径0.20μm)
〔カチオン重合性化合物〕
(エポキシ化合物)
〈*E1:単官能エポキシ化合物〉
AOEX:AOE−X68(ダイセル化学社製、低分子エポキシ化合物)
〈*E2:脂環式エポキシ化合物(二官能)〉
S3000:セロキサイド3000(ダイセル化学社製)
S2021P:セロキサイド2021P(ダイセル化学社製)
Figure 2008001849
(オキセタン化合物)
〈*O1:単官能オキセタン化合物〉
OXT−101:東亞合成社製
OXT−211:東亞合成社製
OXT−212:東亞合成社製
〈*O2:二官能オキセタン化合物〉
OXT−221:東亞合成社製
RSOX:東亞合成社製
〔*UE:ウレタン変性エポキシ化合物〕
EPU1:アデカレジンEPU−17T−6(旭電化工業社製)
EPU2:アデカレジンEPU−78−11(旭電化工業社製)
EPU3:アデカレジンEPU−1395(旭電化工業社製)
〔光酸発生剤〕
UVI6992:ダウ・ケミカル社製 プロピオンカーボネート50%液
DTS:DTS−102(みどり化学社製)
E1187:ESACURE1187(日本シーベルヘグナー社製)
〔塩基性化合物〕
*1:トリイソプロパノールアミン
*2:N−エチルジエタノールアミン
〔界面活性剤〕
KF−351:信越シリコーン社製
KF−352:信越シリコーン社製
X−22:X−22−4272(信越シリコーン社製)
XF42:XF42−334(ジーイー東芝シリコーン社製)
〔増感剤〕
DBA:川崎化成社製
《インクジェット画像の形成》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製したインク組成物セット1〜3をそれぞれ装填し、表7に記載の巾600mm、長さ500mの長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm、PETと略記する)へ、下記の画像記録を連続して行った。画像データとしては、「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。着弾した0.1秒後に、キャリッジ両脇のランプユニットにより、活性光線を照射して硬化した。記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、2.3〜20μmの範囲であった。本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、10℃、20%RHの環境下、25℃、50%RHの環境下及び27℃、80%RHの環境下でそれぞれ行った。
次いで、上記画像形成方法と同様にして、図2に記載のラインヘッド記録方式のインクジェット記録装置に上記調製したインク組成物セット4〜6をそれぞれ装填し、搬送ガイドプレート(プラテン部)を40℃に加熱し、記録材料に着弾後もインクがほぼ40℃を保つようにし、画像を形成した。
なお、表7に略称で記載した項目の詳細は、以下の通りである。
〈照射光源〉
光源1:高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製)
光源2:低圧水銀ランプ(岩崎電機社製)
〈光源の照射方法〉
方法1:記録ヘッドの両端部より照射
方法2:記録材料の搬送方向下流部に、固定線光源として照射
なお、表7に記載の照度は、UVPF−A1(岩崎電機社製)を用いて、254nmでの照度を測定した。
Figure 2008001849
《インクジェット記録画像の評価》
上記各画像形成方法で記録した各画像について、印字環境として10℃、20%RHの環境下、25℃、50%RHの環境下及び27℃、80%RHの環境下で印字した1m、100m出力時の試料について下記の各評価を行い、安定に画像を形成できるか否かを評価した。
(文字品質の評価)
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色インクを用いて、画像濃度1.0となる条件で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり耐性(滲み、皺)の評価)
720dpiで、Y、M、C、Kの各色で1dotが隣り合うように印字し、隣り合う各色dotをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じり耐性の評価を行った。
◎:隣り合うdot形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うdot形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うdotが少し滲んでいてdot形状が少しくずれているが、実用上許容される範囲にある
×:隣り合うdotが滲んで混じりあっており、また、重なり部に皺の発生があり、実用に耐えない画質である
(インク硬化膜の物性評価)
前記画像形成方法で、25℃、50%RHの環境下で、印字長さが1mに到達した時のインク硬化膜厚さ20μm部分10cm2をサンプリングし、下記の各硬化膜の物性評価を行った。
〈耐傷性の評価:鉛筆引っかき試験〉
JIS K 5400に準拠した方法に従って、各硬化膜の硬度を測定した。
硬度のランクは(軟)6B〜B、HB、F、H〜9H(硬)の順とし、6Bが最も柔らかく、9Hが最も硬く、硬いほど好ましいと判定した。
〈基材密着性の評価〉
各試料について、JIS K 5400に準拠した方法に従って、碁盤目テープ剥離残留付着量試験を行った。
各硬化膜に、片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で切り込みを1mm間隔で縦横に11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。次いで、碁盤目を入れた硬化膜表面に、粘着テ−プ(スコッチ#250、住友スリ−エム製)を張り合わせて2kgのロ−ラ−で1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目数を測定し、このその残留した碁盤目数を残留率とし、これを基材密着性の尺度とした。残留率が大きいほど好ましい。
〈柔軟性の評価〉
3mm径のステンレス棒に各試料の画像形成面を外側にして巻きつけ、その時に発生したヒビ割れの発生度合いを目視観察し、下記の基準に則り柔軟性を評価した。
○:折り曲げ(巻きつけ)により全くヒビが発生しない
△:複数回折り曲げ(巻きつけ)ると、弱いひび割れの発生が認められる
×:折り曲げ(巻きつけ)ると、明らかにヒビ割れが発生する
以上により得られた各評価結果を、表8に示す。
Figure 2008001849
表1に記載の結果より明らかなように、ウレタン変性エポキシ化合物を含有するインク組成物から構成される本発明のインク組成物セットは、比較のインク組成物セットに対し、様々な温湿度環境下で印字を行っても、印字初期(1m)と連続印字後(100m)での文字品質及び色混じり耐性に変化が無く、優れた特性を有していることが分かる。また、25℃、50%RH環境下で形成した硬化膜は、比較例に対し、硬化膜の耐傷性、基材との密着性及び柔軟性に優れていることが分かる。
本発明のインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図である。 ラインヘッド方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す上面図である。
符号の説明
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射光源
P 記録材料

Claims (8)

  1. 少なくとも光酸発生剤、カチオン重合性モノマー及び顔料を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物において、ウレタン変性エポキシ樹脂を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 前記ウレタン変性エポキシ樹脂の含有量が、2.0質量%以上、20.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 前記カチオン重合性モノマーが、少なくとも1種の単官能または2官能のエポキシモノマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  4. 前記カチオン重合性モノマーが、少なくとも1種の単官能または2官能のオキセタンモノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  5. 前記カチオン重合性モノマーとして、少なくとも1種の単官能モノマーを10.0質量%以上、30.0質量%以下含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  6. 25℃における粘度が、7mPa・s以上、100mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  7. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドが、ラインヘッド方式であることを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物による画像形成に用いるインクジェット記録装置であって、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物及び記録ヘッドをそれぞれ35〜100℃に加熱した後、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物を記録ヘッドより吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
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