JP5245826B2 - 活性光線硬化型インク、それを用いる画像形成方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
1.光重合性化合物を含む活性光線硬化型インクであって、ウレタン重合体を含有し、且つ前記ウレタン重合体中に残存するイソシアナート基数が、前記ウレタン重合体の合成に要するイソシアナート化合物の全イソシアナート基数に対して0.1%以下であり、前記ウレタン重合体が分子内に光重合性基を有しないことを特徴とする活性光線硬化型インク。
2.前記ウレタン重合体の重量平均分子量が600〜10000であることを特徴とする1に記載の活性光線硬化型インク。
3.前記ウレタン重合体を前記活性光線硬化型インク全体の質量基準で1〜20質量%含有することを特徴とする1または2に記載の活性光線硬化型インク。
4.前記光重合性化合物として、単官能モノマーを前記活性光線硬化型インク全体の質量基準で10〜30質量%含有することを特徴とする1〜3のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
5.前記光重合性化合物として、単官能又は2官能エポキシモノマーを含有することを特徴とする1〜4のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
6.前記光重合性化合物として、単官能又は2官能オキセタンモノマーを含有することを特徴とする1〜5のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
7.色材を含有し、該色材として顔料を含有することを特徴とする1〜6のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
8.インクジェット記録ヘッドより、7に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該記録材料が繊維質材料であることを特徴とする画像形成方法。
9.7に記載の活性光線硬化型インクを用いて画像形成を行うインクジェット記録装置であって、該活性光線硬化型インク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、該インクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段:ランプユニット(VZero085配置)
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射手段:ランプユニット(メタルハライドランプ線光源配置)
P 記録材料
Y 走査方向
本発明の活性光線硬化型インクは、本発明の活性光線硬化型インクは、光重合性化合物を含む活性光線硬化型インクであって、ウレタン重合体を含有し、且つ該ウレタン重合体中に残存するイソシアナート基数が、該ウレタン重合体の合成に要するイソシアナート化合物の全イソシアナート基数に対して0.1%以下であることを特徴とする。
また本発明においては、更に光重合性化合物として単官能モノマーを10〜30質量%併用して用いることがより好ましい。単官能モノマーは、10質量%未満であると効果が不十分で、30質量%超えると硬化性が著しく劣り色滲みなどにより画質上問題となる。単官能モノマーの具体例としては、下記のものが挙げられるがこの限りでない。
アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオ
プトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。
光ラジカル発生剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の開始剤が使用出来る。中でもアシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、厚みを持つ硬化組成物での内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。
C.I.Pigment Red−5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202
C.I.Pigment Violet−19,23
C.I.Pigment Blue−1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60
C.I.Pigment Green−7,36
C.I.Pigment White−6,18,21
C.I.Pigment Black−7
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装印刷、ラベル印刷においては、白インクを用いることが好ましい。
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。本発明の活性光線硬化型インクは、布地等の繊維質材料(媒体)上に画像を形成する場合のインクとして特に適していることを特徴とする。繊維質材料としては、特に限定されず、種々の材料を使用することができるが、合成繊維が好ましい。本発明に係る合成繊維としては,ポリエステル繊維,ポリアミド繊維,ポリビニルアルコール繊維,ポリエチレン繊維,ポリプロピレン繊維,ポリアラミド繊維等の一般に市販されている合成繊維が挙げられる。合成繊維よりなる布帛としては、前記合成繊維を用いた織物,編物,不織布等がある。ターポリンは,布帛の表面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆されているもので,ラミネート法,コーティング法,パッディッング法,トッピング法あるいはこれらを組み合わせた方法により加工されたいずれでもよい。塩化ビニル樹脂は,ペーストレジンタイプおよびストレートレジンタイプのいずれをも用いることができる。塩化ビニル樹脂には,一般に配合される可塑剤,充填剤,耐寒剤,防炎剤,紫外線吸収剤の配合が可能である。
次に、本発明のインクジェット画像形成方法について説明する。
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
本発明のインクを用いて画像形成する場合、インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
次いで、本発明に係るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
本発明においては、1,4−ブタンジオールと過剰量のジフェニルメタンジイソシアネーとを混ぜ合わせ、180℃で攪拌しながら反応させた。次いで、鎖伸長剤としてエチレンジアミンを加えてさらに攪拌を行った。反応停止剤であるn−プロピルアミンを添加し、重量平均分子量とイソシアナート残基率が下記の例示化合物A〜Dになるように反応時間を制御し、下記の例示化合物A〜Dを合成した。カッコ内の数値は、イソシアナート残基率を表す。
例示化合物B:3500(0.01%)
例示化合物B′:3500(0.1%)
例示化合物B′′:3500(0.2%)
例示化合物C:8000(0.03%)
例示化合物D:15000(0.03%)
また、同様に、エチレングリコールと過剰量のヘキサメチレンジイソシアナートを用いて、反応停止剤であるn−プロピルアミンを添加し、重量平均分子量が下記の例示化合物E〜Hの値になるように反応時間を制御することで下記の例示化合物E〜Hを合成した。カッコ内の数値は、イソシアナート残基率を表す。
例示化合物F:3000(0.05%)
例示化合物G:9000(0.06%)
例示化合物H:13000(0.06%)
(インクジェット出力画像評価)
《分散液の調製》
以下の組成で顔料を分散した。
以下2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解。
OXT−221(東亞合成社製) 71部
室温まで冷却した後これに下記顔料20部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
顔料2:Pigment Blue 15:4(大日精化社製、ブルーNo.32)
9時間
顔料3:Pigment Yellow 150(LANXESS社製、E4GN−GT CH20015) 8時間
顔料4:Pigment Red 122(大日精化社製、CFR−321)
10時間
顔料5:酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.2μm) 10時間
[ラジカル重合系]
以下2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解。
テトラエチレングリコールジアクリレート(二官能) 71部
室温まで冷却した後これに下記顔料20部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
顔料7:Pigment Blue 15:4(山陽色素製、シアニンブルー4044) 8時間
顔料8:Pigment Yellow 180(大日精化社製、CFY−313−2) 10時間
顔料9:Pigment Violet 19(大日精化社製、CFR−338−3)
10時間
顔料10:酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.23μm) 8時間
《インクジェットインクの調製》
表1に記載のインク組成で25℃50%RHの条件下でインクを作製し、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行った。
C:濃シアンインク
M:濃マゼンタインク
Y:濃イエローインク
W:ホワイトインク
Lk:淡ブラックインク
Lc:淡シアンインク
Lm:淡マゼンタインク
Ly:淡イエローインク
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インク組成物セット1〜7を装填し、表に記載の巾600mm、長さ500mの各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。画像データとしては「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。)の解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。着弾した後、キャリッジ両脇のランプユニットにより瞬時(着弾後2秒未満)に硬化される。記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、2.3〜20μmの範囲であった。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って、25℃、50%RHの中湿環境下で行った。
上記画像形成方法で記録した各画像について、10m出力時に下記の評価を行い、問題なく画像を形成できるかを評価した。
720dpiで、Y、M、C、K各色1dotが隣り合うように印字し、隣り合う各色dotをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
○:隣り合うdot形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うdotが少し滲んでいてdot形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うdotが滲んで混じりあっており、また、重なり部に皺の発生があり、使えないレベル
《インク硬化膜物性評価》
前記画像形成方法で得られた画像の、25℃、50%RHの中湿環境下10m出力時のインク硬化膜厚さ20μm部分10cm2の試料を用いて、下記の硬化膜物性評価を行った。
1)PET、PVCにて
鉛筆引っかき試験(JIS K 5400)に従って、各硬化物の硬度を測定した。
基盤目テープ剥離残留付着率試験:JIS K 5400の碁盤目試験で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を調査した。残留率が大きいほど好ましい。
硬化膜柔軟性試験
試料を折り曲げた時のヒビ割れの発生度合いで評価した。
△:複数回折り曲げるとひび割れの発生が見られる
×:折り曲げるとヒビが発生する
上記各評価の結果を表21及び表22にまとめて示す。
《分散液の調製》
以下の組成で顔料を分散した。
以下2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解。
OXT−221(東亞合成社製) 44部
室温まで冷却した後これに下記顔料40部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
[ラジカル重合系]
以下2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解。
テトラエチレングリコールジアクリレート(二官能) 42部
室温まで冷却した後これに下記顔料40部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
《活性光線硬化インクの調製》
表23〜31に示す組成で混合・溶解させて、活性光線硬化型インクを調製した。
1)鉛筆引っかき試験(JIS K 5400)に従って、各硬化物の硬度を測定した。
3mm径のステンレス棒に試料を巻きつけた時の折り曲げヒビ割れの発生度合いで評価した。
△:複数回折り曲げ(巻きつけ)るとひび割れの発生が見られる
×:折り曲げ(巻きつけ)るとヒビが発生する
上記各評価結果を、表32に示す。
インク組成物3bおよびインク組成物3cを以下のように調製した。
インク組成物3b:前記インク組成物3において、例示化合物Bの替わりにB′を用いた他はインク組成物3と同様にして調製した。
インク組成物3c:前記インク組成物3において、例示化合物Bの替わりにB′′を用いた他はインク組成物3と同様にして調製した。
A:粘度増加分が0.5(mPa・s)未満
B:粘度増加分が0.5(mPa・s)以上、1.0(mPa・s)未満
C:粘度増加分1.0(mPa・s)以上
AおよびBのランクのものは、経時によるインクの増粘幅が小さいことで安定した良好な吐出を維持することができ、意図した画像形成が可能であったが、Cのランクのものは、経時によるインクの増粘が大きいことで出射欠等の吐出不良を引き起こし、その結果、良好な画像形成が困難になる。
以上では長期保存性が不充分であり、本発明の活性光線硬化型インクは、長期保存安定性に優れることが分かる。
Claims (9)
- 光重合性化合物を含む活性光線硬化型インクであって、
ウレタン重合体を含有し、且つ前記ウレタン重合体中に残存するイソシアナート基数が、前記ウレタン重合体の合成に要するイソシアナート化合物の全イソシアナート基数に対して0.1%以下であり、前記ウレタン重合体が分子内に光重合性基を有しないことを特徴とする活性光線硬化型インク。 - 前記ウレタン重合体の重量平均分子量が600〜10000であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記ウレタン重合体を前記活性光線硬化型インク全体の質量基準で1〜20質量%含有することを特徴とする請求の範囲第1または2項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記光重合性化合物として、単官能モノマーを前記活性光線硬化型インク全体の質量基準で10〜30質量%含有することを特徴とする請求の範囲第1〜3項のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記光重合性化合物として、単官能又は2官能エポキシモノマーを含有することを特徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
- 前記光重合性化合物として、単官能又は2官能オキセタンモノマーを含有することを特徴とする請求の範囲第1〜5項のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
- 色材を含有し、該色材として顔料を含有することを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インク。
- インクジェット記録ヘッドより、請求の範囲第7項に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該記録材料が繊維質材料であることを特徴とする画像形成方法。
- 請求の範囲第7項に記載の活性光線硬化型インクを用いて画像形成を行うインクジェット記録装置であって、該活性光線硬化型インク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、該インクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
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