WO2007138767A1 - 電子写真装置用クリーニングブレード - Google Patents
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Abstract
球形(真球状、異形状)で、かつ、小粒径の重合法トナーを使用した場合であっても像担持体表面の残留トナーのすり抜けを良好に防止し、優れたクリーニング性を有する電子写真装置用クリーニングブレードを提供する。 弾性ゴム部材及び支持部材を有する電子写真装置用クリーニングブレードであって、上記弾性ゴム部材は、相手材に当接するエッジ先端角度が95~135度であり、かつ、先端部にクリーニング面に垂直な面を有する電子写真装置用クリーニングブレード。
Description
電子写真装置用クリーニングブレード
技術分野
[0001] 本発明は、電子写真装置用クリーニングブレードに関する。
背景技術
[0002] 普通紙を記録紙として使用する静電式電子写真複写機では、一般に、像担持体の 表面に放電により静電荷を与え、その上に画像を露光して静電潜像を形成し、次に 、帯電したトナーを静電潜像に付着させて現像し、そのトナー像を記録紙に転写し、 最後に、トナー像が転写された記録紙を加熱加圧し、トナーを記録紙上に定着させ ることによって複写が行われる。
[0003] 従って、複数枚の記録紙に順次複写を行うためには、上記の工程にお!、て、像担持 体力 記録紙にトナー像を転写した後、像担持体の表面に残留したトナーを除去す る必要があり、このようなトナーの除去は、通常、電子写真装置用クリーニングブレー ドにより行われている。電子写真装置用クリーニングブレードは、通常、金属板等から なる支持部材及び弾性ゴム部材を有して 、る。
[0004] 近年このような電子写真装置では、より高品質な印刷物が要求されているため、従来 の粉砕法トナーに比べその形状が球形 (真球状、異形状)で、かつ、小粒径の重合 法トナーが使用されるようになってきている。ここで、残留した重合法トナーの除去に エッジ先端角度 90° の弾性ゴム部材を備えた従来のクリーニングブレードを使用す ると、エッジの変形 (エッジ巻き込み)により当接する-ップ形状が不安定になる。この ため、残留トナーがすり込まれてすり抜けが生じ、クリーニング不良となってしまう。
[0005] このような残留トナーのすり抜けは、重合法トナーが従来の粉砕法トナーに比べて転 力 Sり易いため、ブレードエッジ (カット面)と相手材 (像担持体等)とが成す楔形状に容 易にトナーが潜り込み、弾性ゴム部材のカット面→エッジ→クリーニング面が押し上げ られること〖こよって生じて ヽる。
[0006] 特許文献 1〜3には、相手材に当接するエッジ先端角度が鈍角(95〜110度等)の 弾性ゴム部材を有するクリーニングブレードが開示されている。しかし、ここで記載さ
れている 95〜110° 等のエッジ先端角度を有するブレードを使用した場合、重合法 トナーの残留トナーがすり抜けることを充分に抑制することができず、クリーニング不 良が発生してしまうことがあった。
特許文献 1 :特開平 5— 19671号公報
特許文献 2:特開 2002— 268487号公報
特許文献 3 :特開 2004— 272019号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明は、上記現状に鑑み、球形 (真球状、異形状)で、かつ、小粒径の重合法トナ 一を使用した場合であっても像担持体表面の残留トナーのすり抜けを良好に防止し 、優れたクリーニング性を有する電子写真装置用クリーニングブレードを提供すること を目的とするものである。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明は、弾性ゴム部材及び支持部材を有する電子写真装置用クリーニングブレー ドであって、上記弾性ゴム部材は、相手材に当接するエッジ先端角度が 95〜135度 であり、かつ、先端部にクリーニング面に垂直な面を有することを特徴とする電子写 真装置用クリーニングブレードである。
[0009] 上記弾性ゴム部材の総厚さに対するクリーニング面に垂直な面の厚さの比率 aは、 0
< a≤0. 99の範囲内であることが好ましい。
上記弾性ゴム部材は、ポリウレタン力もなるものであることが好ま 、。
[0010] 上記ポリウレタンは、ポリ力プロラタトンポリオールをポリオール成分とするものであるこ とが好ましい。
上記ポリウレタンは、ポリエステルポリオールをポリオール成分とするものであることが 好ましい。
[0011] 上記ポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート又は ポリエチレンブチレンアジペートであることが好ましい。
上記弾性ゴム部材は、 100%モジュラスが 2〜8MPaの範囲内のものであることが好 ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
[0012] 本発明の電子写真装置用クリーニングブレード(以下、単に「クリーニングブレード」と もいう)の弾性ゴム部材は、相手材に当接するエッジ先端角度が 95〜135度であり、 かつ、先端部にクリーニング面に垂直な面を有するものである。このような構成の弹 性ゴム部材を有するため、本発明のクリーニングブレードを用いると、トナーとして球 形 (真球状、異形状)で、小粒径の重合法トナーを使用した場合であっても、像担持 体 (相手材)表面の残留トナーのすり抜けを良好に防止することができる。例えば、重 量平均粒子径が小粒径の重合法トナーを使用した場合であっても、良好に残留トナ 一のすり抜けを防止することができる。従って、本発明のクリーニングブレードを使用 すると、残留トナーのすり抜けに起因するクリーニング不良を良好に防止することがで きる。
[0013] 本発明の電子写真装置用クリーニングブレードは、重量平均粒子径 6〜8 μ mの小 粒径の重合法トナーを使用した装置において良好に使用することができる。また、重 量平均粒子径 5〜6 μ mの重合法トナーを使用した装置であっても、良好に使用する ことができる。
[0014] 図 1は、本発明のクリーニングブレードの模式図の一例である(断面図)。図 1のタリー ユングブレードは、弾性ゴム部材 1、支持部材 2及び接着剤層 3を有している。上記 弾性ゴム部材 1は、相手材(図示せず)に当接するエッジ先端角度 4が 95〜135度で あり、かつ、弾性ゴム部材 1の先端部(図 1のクリーニングブレードでは、弾性ゴム部材 1の右端部)にクリーニング面 5に垂直な面 6 (以下、「先端垂直面」ともいう)を有して いる。当接エッジ 7 (相手材に当接するエッジ部)は、クリーニング面 5及びこの面 5と 9 5〜135度 (エッジ先端角度 4)をなす面 8 (以下、「先端エッジ面」とも!/、う)により形成 されている。
[0015] 図 2は、従来のエッジ先端角度 90度のブレード〔(a— 1)〜(a— 3)〕、本発明のブレ 一 (b— l)〜(b— 3)〕、エッジ先端角度が鈍角のブレード〔(c— l)〜(c— 3)〕、を 使用した場合の像担持体湘手材)11の表面のクリーニング挙動を対比した模式図 の一例である。
[0016] 図 2の(a— 1)、(b— 1)、(c— 1)は弾性ゴム部材 13、 1が相手材 11に当接する前の
状態を示した模式図の一例であり、(a— 2)、(b— 2)、(c 2)は弾性ゴム部材 13、 1 が静止した相手材 11に当接した状態を示した模式図の一例である。(b— 3)は、相 手材 11の動作中に、クリーニング面 5及び先端エッジ面 8により形成された当接エツ ジ 7 (エッジ先端角度 95〜135度)と、先端垂直面 6とを有する弾性ゴム部材 1におけ る当接エッジ 7が相手材 11上の残留トナー(図示せず)を搔き取っている状態を示し た模式図の一例である。これに対し、(a— 3)は、エッジ先端角度 90度、(c— 3)は、 エッジ先端角度が鈍角の当接エッジ 12を有する弾性ゴム部材 13を使用した場合の 残留トナー(図示せず)を搔き取っている状態を示した模式図の一例である。
[0017] 本発明のクリーニングブレードを使用すると、残留トナーのすり抜けを良好に防止す ることができるため、重合法トナーを使用した場合であっても優れたクリーニング性が 得られる。このような効果は、(b— 3)で示したように、先端垂直面 6及びエッジ先端角 度 95〜135度の当接エッジ 7を有する弾性ゴム部材 1を使用することによって得るこ とが可能となる。
このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下に述べる作用'機能により、 (a— 3)、(c 3)の状態に比べて (b— 3)の状態のニップ形状が安定ィ匕されるためで あると推察される。
[0018] エッジ先端角度 95〜135度の当接エッジ 7を有することによって、当接エッジ 7の振 動 (巻き込み)やエッジの変形を抑制できるため、ニップ形状をある程度安定ィ匕するこ とができる。しかし、このような当接エッジ 7によって得られる-ップ形状の安定性は不 充分なものであり、クリーニング性は充分なものとはいえない。これは、エッジ先端角 度が鈍角のブレードを使用した場合には、(c— 3)の状態において、大きな楔形状が 形成されるため、トナーが溜まり易くなるとともに、その他の外力も作用し易くなるため であると推察される。
[0019] これに対して、本発明における弾性ゴム部材 1は、エッジ先端角度 95〜 135度の当 接エッジ 7を有しているだけでなぐ先端垂直面 6も有している。これにより、(b— 3)の 動作時において、相手材 11及び先端エッジ面 8により形成される楔形状が小さくなり 、またその他の外力が作用する確率が低減することにより外的な力を受け難くなるた め、 -ップ形状の安定性がより高められると推察される。そして、このような作用'機能
によって、 -ップ形状の安定性が高められる結果、圧接力分布が安定し、分布ピーク 値が減少しないため、トナーの堰き止め力が維持され、残留トナーのすり抜けを抑制 することが可能となると推察される。
[0020] また、本発明にお 、ては、エッジ形状の安定性が高 、ため、エッジの摩耗を抑制する こともできる。更に、エッジ振動 (巻き込み)を抑制することができるため、エッジ反転を 防止することも可能となる。
[0021] 本発明のクリーニングブレードは、弾性ゴム部材及び支持部材を有するものである。
上記弾性ゴム部材は、上記クリーニングブレードの使用時に、相手材 (像担持体)表 面のトナー及び外添剤等を搔き取るものである。
[0022] 上記弾性ゴム部材は、相手材に当接するエッジ先端角度が 95〜135度である。
上記エッジ先端角度が 95度未満である場合や 135度を超える場合、相手材表面の 残留トナーや外添剤等のすり抜けが生じるおそれがある。 100〜130度であることが 好ましぐ 105〜125度であることがより好ましい。
[0023] 上記エッジ先端角度は、弾性ゴム部材の相手材に当接するエッジ部(当接エッジ)の 角度であり、クリーニング面と先端エッジ面とがなす角度である。図 1のクリーニングブ レードでは、エッジ先端角度 4を意味する。上記クリーニング面は、図 1に示したように 、クリーニングブレードの使用時において、ブレードの弾性ゴム部材及び相手材を当 接させた際、弾性ゴム部材の相手材に接しているブレードの長さ方向の面である。上 記先端エッジ面は、図 1に示したように、当接エッジにおいて、クリーニング面と 95〜 135度 (エッジ先端角度)をなす面である。上記相手材としては、例えば、電子写真 装置の像担持体等を挙げることができる。
[0024] 上記弾性ゴム部材は、先端部にクリーニング面に垂直な面 (先端垂直面)を有するも のである。上記先端垂直面は、弾性ゴム部材の先端部におけるクリーニング面と垂直 方向の面であり、図 1のクリーニングブレードでは、クリーニング面 5と反対側の面 (接 着剤層 3が形成されている面)と 90度をなしている先端垂直面 6を意味する。
[0025] 上記弾性ゴム部材の総厚さに対するクリーニング面に垂直な面 (先端垂直面)の厚さ の比率 a (先端垂直面の厚さ Z総厚さ)は、 0< a≤0. 99の範囲内であることが好まし い。上記範囲内である場合、外的な力を受け難ぐ残留トナーの回収が容易になるた
め、優れたクリーニング性が得られる。 a = 0の場合 (即ち、先端垂直面を有さない場 合)や a>0. 99の場合、相手材表面の残留トナーや外添剤等のすり抜けが生じるお それがある。 0. 5< a≤0. 95であることがより好ましい。
[0026] ここで、上記弾性ゴム部材の総厚さは、ブレードの長さ方向の厚み (クリーニング面及 びクリーニング面と反対側の面により形成される厚み)であり、図 1のクリーニングブレ ードでは、総厚さ 9で示される長さを意味する。上記弾性ゴム部材の総厚さは、通常 1 . 5〜3mmである。上記先端垂直面の厚さは、先端垂直面の厚さ方向の長さであり、 図 1のクリーニングブレードでは、先端垂直面の厚さ 10で示される長さを意味する。
[0027] 上記弾性ゴム部材は、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、 EPDM等力もなるも のを挙げることができる力 なかでも、ポリウレタン力もなるものが好ましい。これにより 、相手材の残留トナーや外添剤等のすり抜けをより効果的に防止することができる。 上記弾性ゴム部材を形成するポリウレタンとしては、ポリオール、ポリイソシァネート及 び必要に応じて架橋剤を反応させて得られるもの等を挙げることができる。
[0028] 上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエー テルポリオール、ポリ力プロラタトンポリオール等を挙げることができる。なかでも、相 手材表面の残留トナーや外添剤等のすり抜けを防止することができる点から、ポリエ ステルポリオール、ポリ力プロラタトンポリオールが好ましい。耐摩耗性、低温タリー- ング性をより向上させることができることから、ポリ力プロラタトンポリオールが特に好ま しい。このような効果が得られる理由は明らかではないが、ポリ力プロラタトンポリオ一 ルをポリオール成分として使用するとともに、エッジ先端角度 95〜135度の当接エツ ジ及び先端垂直面を有する弾性ゴム部材を使用することによる相乗効果によって得 られていると推察される。
[0029] 上記ポリオールは、単独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよい。
上記ポリオールは、数平均分子量が 1000〜3000であることが好ましい。上記範囲 内のポリオールを用いることにより、相手材表面の残留トナーや外添剤等のすり抜け を効果的に防止することができる。本明細書において、数平均分子量は、 GPC (ゲル パーミエーシヨンクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。
[0030] 上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸とダリコールとを常法に
従って反応させること〖こよって得られるものを挙げることができる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、 2, 6 ナフタレン ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、ァゼライン酸、セバシン酸等の 脂肪族ジカルボン酸、ォキシ安息香酸等のォキシカルボン酸、それらのエステル形 成性誘導体等を挙げることができる。なかでも、相手材表面の残留トナーや外添剤等 のすり抜けを防止することができる点から、上記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカル ボン酸が好ましぐアジピン酸が更に好ましい。上記ダリコールとしては、例えば、ェ チレングリコール、 1, 4 ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコ ール、 3—メチルー 1, 5 ペンタンジオール、 1, 9ーノナンジオール、トリエチレング リコール等の脂肪族グリコール、 1, 4ーシクロへキサンジメタノール等の脂環族グリコ ール、 p キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロ ピレンダリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等 を挙げることができる。上記ダリコールとしては、脂肪族グリコールが好ましぐェチレ ングリコール、 1, 4 ブタンジオールが更に好ましい。これらによるポリエステルポリオ ールは、線状構造であるが、 3価以上のエステル形成成分を用いた分枝状ポリエステ ルであってもよい。上記ポリエステルポリオールのなかでも、相手材表面の残留トナ 一や外添剤等のすり抜けを防止することができる点から、ポリエチレンアジペート、ポ リブチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペートがより好まし 、。
[0031] 上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの共重合体等のポリアルキレンダリ コール等を挙げることができる。なかでも、相手材表面の残留トナーや外添剤等のす り抜けを防止することができる点から、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
[0032] 上記ポリ力プロラタトンポリオールとしては、例えば、触媒の存在下に低分子量グリコ ールを開始剤として ε—力プロラタトンを開環付加させることにより得られるものを挙 げることができる。上記低分子量グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレン グリコール、 1, 3 ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の 2価のアルコー ルとトリメチレングリコール、グリセリン等の 3価のアルコールが好ましく用いられる。上 記触媒としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタ
ネート等の有機チタン系化合物、ォクチル酸スズ、ジブチルスズォキシド、ジブチル スズラウレート、塩化第 1スズ、臭化第 1スズ等のスズ系化合物等が好ましく用いられ る。なお、上記 ε—力プロラタトン以外にもトリメチルカプロラタトンやバレロラタトンの ような他の環状ラタトンを一部混合しても力まわな 、。
[0033] 上記ポリイソシァネートとしては特に限定されず、従来公知のものを使用することがで き、例えば、脂肪族イソシァネート、脂環族イソシァネート、芳香族イソシァネート等を 挙げることができる。なかでも、相手材表面の残留トナーや外添剤等のすり抜けを防 止することができる点から、芳香族イソシァネートが好ま 、。
[0034] 上記脂肪族イソシァネートとしては、例えば、 1, 6 へキサメチレンジイソシァネート( HDI)、 2, 2, 4 トリメチルへキサメチレンジイソシァネート、リジンジイソシァネート等 が挙げられる。また、へキサメチレンジイソシァネートやイソホロンジイソシァネートのィ ソシァヌレート体、ビウレット体、ァダクト体の変性体等を挙げることができる。上記脂 環族イソシァネートとしては、例えば、イソホロンジイソシァネート(IPDI)、 4, 4' ージ シクロへキシルメタンジイソシァネート、 1, 4 シクロへキサンジイソシァネート、ノル ボルナンジイソシァネート (NBDI)等の脂環族ジイソシァネート等を挙げることができ る。上記芳香族イソシァネートとしては、例えば、トリレンジイソシァネート (TDI)、フエ 二レンジイソシァネート、 4, 4' —ジフエ-ルメタンジイソシァネート(MDI)、 1, 5— ナフタレンジイソシァネート、キシリレンジイソシァネート(XDI)、カルボジイミド変性の MDI、ウレタン変性の MDI等を挙げることができる。上記ポリイソシァネートのなかで も、相手材表面表面の残留トナーや外添剤等のすり抜けを防止することができる点か ら、 MDI、ウレタン変性の MDIが好ましぐ MDIが特に好ましい。
[0035] 上記ポリウレタンにおいて、必要に応じて用いられる架橋剤としては、例えば、ェチレ ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、へキサンジオール、ジエチレン グリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヒドラジン、エチレンジァミン、ジェチ レントリアミン、 4, 4'ージアミノジフエニルメタン、 4, 4'ージアミノジシクロへキシノレメタ ン、 N, N ビス(2—ヒドロキシプロピル)ァ-リン、水等を挙げることができる。なかで も、相手材表面の残留トナーや外添剤等のすり抜けを防止することができる点から、 エチレングリコール、 1, 4 ブタンジオール、トリメチロールプロパン、 N, N—ビス(2
ーヒドロキシプロピル)ァ-リンが好ましぐ特にエチレングリコール、 1, 4 ブタンジォ ール、トリメチロールプロパンが好ましい。
[0036] 上記ポリウレタンは、上記原料を使用し公知の方法で製造することができ、例えば、 適当な有機溶剤中で必要に応じて触媒を使用し、各原料の当量比を NCOZOH = 0. 9〜1. 1に調整して反応させること、無溶剤で溶融反応させること等により製造す ることができる。また、全原料を同時に反応させる方法、プレボリマー方法等により製 造することができる。
[0037] 上記弾性ゴム部材の成形方法としては特に限定されず、例えば、常圧注型成形、減 圧注型成形、遠心成形、回転成形、押出成形、射出成形、反応射出成形 (RIM)、ス ピンコーティング等を挙げることができる。なかでも、相手材表面の残留トナーや外添 剤等のすり抜けを防止したブレードが好適に得られる点から、遠心成形により成形し て製造することが好ましい。
[0038] 上記弾性ゴム部材は、 100%モジュラスが 2〜8MPaの範囲内のものであることが好 ましい。上記範囲内であると、弾性ゴム部材の当接エッジの安定した当接圧 (二ップ 面圧)を確保し、相手材表面とのなじみが良好となる。このため、良好なクリーニング 性を得ることができる。より好ましくは、 2〜6MPaの範囲内である。本明細書におい て、 100%モジュラスは、 JIS K 6301に準じて測定される値である(ダンベル状 3号 試験片)。
[0039] 上記弾性ゴム部材は、 23°Cにおいて、 JIS A 硬度は 65〜78度であることが好まし い。上記範囲内であると、弾性ゴム部材の当接エッジの安定した当接圧 (二ップ面圧 )を確保し、相手材表面とのなじみが良好となる。このため、良好なクリーニング性を 得ることができる。本明細書において、上言 6JIS A 硬度は、 JIS K 7312に準じて 、スプリング式タイプ A硬さ試験機により測定される値である。本発明において、上記 範囲内の 100%モジュラスゃ硬度を有する弾性ゴム部材は、弾性ゴム部材を構成す る材料を適当に選択し、適当なエッジ先端角度、先端垂直面を選択することによって 得ることができる。
[0040] 上記支持部材は、弾性ゴム部材を支持する機能を有するものである。上記支持部材 としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、剛体の金
属、弾性を有する金属、プラスチック、セラミック等カゝら製造されたもの等を挙げること ができる。なかでも、剛体の金属が好ましい。
[0041] 本発明のクリーニングブレードは、接着剤層を有するものであることが好ましい。上記 接着剤層は、上記支持部材と上記弾性ゴム部材とを接着させる機能を有する層であ る。上記接着剤層は、例えば、 EVA系、ポリアミド系、ポリウレタン系ホットメルト接着 剤や、硬化型接着剤、若しくは両面テープによる接着方法又は板金による挟み込み 等により形成することができる。なかでも、相手材表面の残留トナーや外添剤等のす り抜けを防止したブレードが好適に得られる点から、上記接着剤層はホットメルト接着 剤を用いて形成されるものが好ましい。
[0042] 本発明の電子写真装置用クリーニングブレードは、従来公知の製造方法により得るこ とができ、例えば、弾性ゴム部材を製造する工程(1)及び上記工程(1)で得られた弾 性ゴム部材と支持部材とを接着させる工程 (2)を含む方法、によって製造することが できる。
[0043] 上記製造方法において、弾性ゴム部材は、上述した弾性ゴム部材である。
上記工程(1)で弾性ゴム部材の製造は、遠心成形法等によって行うことができ、上記 遠心成形法は、従来公知の方法により行うことができる。例えば、ポリウレタン力もなる 弾性ゴム部材は、以下に示す方法等を用いて行うことができる。
[0044] 先ず、弾性ゴム部材用材料を 130〜150°Cに予熱した遠心成形機の金型内に注入 し、 25〜50分間硬化させる。上記硬化反応後、金型から取り出すことにより、厚さ 1. 5〜3mmのシート体を得ることができる。これを幅 8〜20mm、長さ 220〜500mmの 短冊状にカットすることにより、短冊状のゴム部材を得ることができる。
[0045] 更に得られた短冊状のゴム部材のエッジ部(当接エッジが作製されるエッジ部)をカツ トすることによって、所望のエッジ先端角度や先端エッジ面、及び、先端垂直面を有 する弾性ゴム部材を製造することができる。エッジ部のカットは、所望のエッジ先端角 度や先端エッジ面、及び、先端垂直面の厚さを得ることができる従来公知の手段によ つて行うことができる。
[0046] 上記製造方法において、弾性ゴム部材は、プレボリマー法、ワンショット法等によって 得ることができる。プレボリマー法を用いる場合には、脱水処理を行ったポリオールと
イソシァネートとを混合し、温度 50〜80°Cで 10〜600分間反応させて得られるプレ ポリマーに、架橋剤等を加えて金型に注入し、硬化させる方法等により、硬化した弹 性ゴム部材を得ることができる。ワンショット法を用いる場合には、脱水処理を行った ポリオールと架橋剤とを計量し、更にそこにポリイソシァネートを加えて計量して混合 して、金型に注入し、硬化させる方法等により、硬化した弾性ゴム部材を得ることがで きる。
[0047] 上記エッジ部をカットすることによって、所望のエッジ先端角度や先端エッジ面、及び 、先端垂直面の厚さを有する当接エッジを作製する工程は、例えば、図 3に示した装 置によって行うことができる。
図 3は、装置を用いてエッジ部 21をカットする状態を示した模式図の一例である。力 ットする装置は、弾性ゴム部材 27を載置するためのゴムセット治具 22、弾性ゴム部材 27のカット位置を決めるためのゴム位置決め治具 23、載置された弾性ゴム部材 27を 上部から押さえてカット中のゴム部材の位置を固定するための押さえ治具 24、エッジ 部 21をカットするための刃物 25、及び、カット中に刃物 25を固定するための刃物固 定治具 26を有するものである。
[0048] 図 3の装置においては、先ずゴムセット治具 22及びゴム位置決め治具 23によって載 置位置が決められたゴムセット治具 22上に、弾性ゴム部材 27を載置する。次いで、 載置された弾性ゴム部材 27の上面力も押さえ治具 24によって圧力をかけて押さえる ことによって弾性ゴム部材 27の位置を固定する。このようにして固定された弾性ゴム 部材 27のエッジ部 21を、刃物固定治具 26によって固定されている刃物 25を使用し てカットして (短冊状長手方向に刃物を走らせる)当接エッジを作製することにより、所 望のエッジ先端角度や先端エッジ面、及び、先端垂直面の厚さを有する弾性ゴム部 材 27を製造することができる。
[0049] 上記製造方法では、上記工程(1)を行った後、上記工程(1)によって得られた弾性 ゴム部材と支持部材とを接着させる工程 (2)を行う。上記工程 (2)は、従来公知の方 法により行うことができ、例えば、上述した接着剤を用いて接着すること等により行うこ とができる。上記工程(2)において、支持部材は、上述したものと同様のものである。 発明の効果
[0050] 本発明の電子写真装置用クリーニングブレードは、特定形状の弾性ゴム部材を有す るものであるため、相手材表面の残留トナーや外添剤等のすり抜けを好適に防止す ることができる。従って、重合法トナーを使用した場合であっても、残留トナー等のす り抜けを抑制することができ、優れたクリーニング性を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
[0051] 以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施 例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り 「質量部」、「質量%」を意味する。
[0052] 実施例 1〜 11及び比較例 1〜 7 クリ一二ングブレードの製诰
弾性ゴム部材用材料を 140°Cに予熱した遠心成形機の金型内に注入し、 50分間硬 化後取り出して、厚さ 3mmのポリウレタンのシートを得た。得られたポリウレタンのシ ートを 320mmX 15mmに裁断した後、図 3で示した装置を用いてエッジ部を裁断( カット)することにより、弾性ゴム部材を製造した。次いで、得られた弾性ゴム部材をメ ツキ鋼板力もなる支持部材に、ポリウレタン系ホットメルト接着剤を用いて接着し、タリ 一-ングブレードを作製した。
[0053] 使用したポリウレタン A〜Eは、表 1に示したとおりである。また、ポリウレタン A〜Eを 構成する材料は以下に示したとおりである。
<ポリウレタン A>
(1)プレポリマー〔ポリオール:ポリ力プロラタトンポリオール (数平均分子量 2000)、ポ リイソシァネート: 4, 4' —ジフエ-ルメタンジイソシァネート(pure— MDI、 NCO含 有量 6. 70%)〕100質量部
(2)架橋剤(1, 4 ブタンジオール:トリメチロールプロパン = 75 : 25) 6. 82質量部 <ポリウレタン B>
(1)プレポリマー〔ポリオール:ポリ力プロラタトンポリオール (数平均分子量 2000)、ポ リイソシァネート: pure— MDI (NCO含有量 8. 0%)〕 100質量部
(2)架橋剤(1, 4 ブタンジオール:エチレングリコール:トリメチロールプロパン = 80 : 10 : 10) 6. 04質量部
<ポリウレタン C>
(1)プレポリマー〔ポリオール:ポリエチレンアジペートエステルジオール(数平均分子 量 2000)、ポリイソシァネート: pure— MDI (NCO含有量 6. 25%)〕 100質量部
(2)架橋剤(1, 4 ブタンジオール:トリメチロールプロパン =60 :40) 6. 56質量部 <ポリウレタン D>
(1)プレポリマー〔ポリオール:ポリブチレンアジペートエステルジオール(数平均分子 量 2000)、ポリイソシァネート:(pure— MDI、 NCO含有量 5. 85%)〕 100質量部
(2)架橋剤(1, 4 ブタンジオール:トリメチロールプロパン =60 :40) 5. 13質量部 <ポリウレタン E>
(1)プレポリマー〔ポリオール:ポリエチレンブチレンアジペートエステルジオール(数 平均分子量 2000)、ポリイソシァネート:(pure— MDI、 NCO含有量 8. 0%)〕 100 質量部
(2)架橋剤(1, 4 ブタンジオール:トリメチロールプロパン =80 : 20) 7. 19質量部 [0054] 上記クリーニングブレードの製造において、各ポリウレタンの材料を、弾性ゴム部材用 材料として金型内へ注入する方法は、以下の通りである。
〔ポリウレタンの全材料の注入方法〕
脱水処理を行ったポリオールとイソシァネートとを混合し、温度 70°Cで 240分間反応 させて得られるプレボリマーに、架橋剤を加えてから注入した (プレボリマー法)。
[0055] 使用した弾性ゴム部材のエッジ先端角度 (度)、先端垂直面の厚さ (mm)、総厚さ (m m)、弾性ゴム部材の総厚さに対する先端垂直面の厚さの比率 a、 100%モジュラス( MPa)、JIS A 硬度(23°C)は表 1に示したとおりである。 100%モジュラス、 JIS A 硬度は、上述した方法により測定される値である。
[0056] 〔評価〕
実施例、比較例のクリーニングブレードについて、以下の印字テストにより残留トナー のすり抜け (クリーニング性)を評価した。
(印字テスト)
クリーニングブレードを市販の普通紙複写機 (有機感光体使用、速度 35枚/分)に 装着し、印字テストを行った (テストは、 23°C及び 10°Cの雰囲気下で行った)。印字 テストは、 100枚ごとにトナーのすり抜けが生じている力否かをチェックして、印刷物
にトナーのすり抜けに起因するスジが認められた時点で終了とし、その印刷枚数を記 録した。 30000枚印刷してもスジが発生しなかったものは、更に 100000枚まで枚数 を増やしてテストを行った。結果を表 1に示した。また、使用したトナーの重量平均粒 子径、形状を表 1に示した。なお、比較例において 100枚未満でトナーのすり抜けが 生じて 、たものは、表 1に示した枚数の時点ですり抜けが生じて 、た。
[表 1]
[0058] 表 1から、実施例のクリーニングブレードでは、球形 (真球状、異形状)で、かつ、小粒 径の重合法トナーを使用した場合であっても、 23°C及び 10°Cの両温度において、ト ナ一のすり抜けを良好に防止することが可能であった。特にポリ力プロラタトンポリオ ールをポリオール成分として用いたものが優れていることが明ら力となった。また、ポリ エチレンアジペートエステルジオール、ポリブチレンアジペートエステルジオール、ポ リエチレンブチレンアジペートエステルジオールをポリオール成分として用いたものも 実用上問題はないものであった。一方、比較例のクリーニングブレードでは、トナー のすり抜けが生じ、エッジ先端角度が 95〜135度の範囲外であるブレードや先端垂 直面を有さないブレードではすり抜けを良好に防止できないことが明らかとなった。 産業上の利用可能性
[0059] 本発明の電子写真装置用クリーニングブレードは、普通紙を記録紙として使用した 静電式電子写真複写機に好適に使用することができる。
図面の簡単な説明
[0060] [図 1]本発明の電子写真装置用クリーニングブレードの模式図の一例である。
[図 2]従来の電子写真装置用クリーニングブレード及び本発明の電子写真装置用タリ 一二ングブレードのクリーニング挙動を対比した模式図の一例である。
[図 3]弾性ゴム部材のエッジ部をカットする状態を示した模式図の一例である。
符号の説明
[0061] 1、 13、 27 弾性ゴム部材
2 支持部材
3 接着剤層
4 エッジ先端角度(95〜135度)
5 クリーニング面
6 先端垂直面
7、 12 当接エッジ
8 先端エッジ面
9 弾性ゴム部材の総厚さ
10 先端垂直面の厚さ
像担持体 (相手材) エッジ部
ゴムセット治具 ゴム位置決め治具 押さえ治具 刃物
刃物固定治具
Claims
[1] 弾性ゴム部材及び支持部材を有する電子写真装置用クリーニングブレードであって 前記弾性ゴム部材は、相手材に当接するエッジ先端角度が 95〜135度であり、かつ
、先端部にクリーニング面に垂直な面を有する
ことを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレード。
[2] 弾性ゴム部材の総厚さに対するクリーニング面に垂直な面の厚さの比率 aは、 0< a
≤0. 99の範囲内である請求項 1記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
[3] 弾性ゴム部材は、ポリウレタン力もなるものである請求項 1又は 2記載の電子写真装 置用クリーニングブレード。
[4] ポリウレタンは、ポリ力プロラタトンポリオールをポリオール成分とするものである請求 項 3記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
[5] ポリウレタンは、ポリエステルポリオールをポリオール成分とするものである請求項 3記 載の電子写真装置用クリーニングブレード。
[6] ポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート又はポリ エチレンブチレンアジペートである請求項 5記載の電子写真装置用クリーニングブレ ード。
[7] 弾性ゴム部材は、 100%モジュラスが 2〜8MPaの範囲内のものである請求項 1、 2、 3、 4、 5又は 6記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
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