明 細 書
プロアントシァニジン含有茶飲料
技術分野
[0001] 臨床上有効量のプロアントシァ-ジンを含有する食品の提供、特に、効率的かつ 持続的に摂取可能な血管内皮機能改善作用を有する茶飲料を提供することに関す る。
背景技術
[0002] 近年、食生活やライフスタイルの変化に伴って生活習慣病が増加して 、る。生活習 慣病とは、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの疾患に加え、狭心症、心筋梗塞、脳 循環障害、悪性腫瘍など生活習慣を改善することによって発病を予防することができ ると考えられる疾患の総称である。高血圧症、高脂血症、糖尿病などは重複して発症 することが多ぐ合併した場合は互いにその病態を増悪させ、動脈硬化などの続発症 を高率に引き起こして予後を悪ィ匕させることになる。
[0003] 最近、こういった悪循環の要因の一つに血管の内皮機能の低下が関与しているこ とがわ力つてきた (非特許文献 1参照)。血管内皮機能低下のリスクファクターとして、 高血圧、耐糖能異常、高脂血症、閉経後女性、喫煙などが挙げられるが、血管病変 の終末的な状態である動脈硬化をきたす前に、その端緒である血管内皮機能低下 を発見し、予防することが、生活習慣病を予防する上で非常に重要であると考えられ る。特に、慢性的な無症候な病態である血管病変に対しては、長く安全に摂取できる 食品による予防がより重要であると考えられ、そのような効果を奏する食品の開発が 期待されている。
[0004] 一方、ポリフ ノールの摂取量が多いほど、循環器疾患の発症が少ないことが明ら 力にされており、最近の研究では、ココア、チョコレート、ブドウ、ワインなどの主要な ポリフエノールとしてプロシア-ジンを豊富に含む食品やその素材には、ヒトにおいて 血管内皮機能の改善効果が報告されている (非特許文献 2〜4参照)。また、このプ ロシア-ジンを含む松榭皮抽出物を含有するカプセル剤の経口投与による血管内 皮機能の改善効果も確認されて ヽる (非特許文献 5, 6参照)。
非特許文献 l :Verma S, Anderson TJ, Circulation 2002;105:546-549 非特許文献 2 : Stein JH, Circulation 1999;100:1050-5
非特許文献 3 : Chou EJ, Am J Cardiol 2001;88:553-5
非特許文献 4 :Agewall S, Eur Heart J 2000;21:74-8
非特許文献 5 : Shand B, Phytother Res 2003;17:490-4
非特許文献 6 : Young JM, Free Radic Res 2006;40:85-94
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 上記非特許文献 5 (Shand B, Phytother Res 2003;17:490-4)には、松榭皮抽出物と してェンゾジノールを使用し、これを 12週間継続摂取させることにより最大前腕血流 が増加する、すなわち血管内皮機能改善作用があることが記載されている。また、上 記非特許文献 6 (Young JM, Free Radic Res 2006;40:85-94)には、松榭皮抽出物と してェンゾジノールを使用し、これを 12週間継続摂取させることにより血管径が増大 することが記載されて 、る。上記文献の 、ずれも固形の経口摂取用組成物 (力プセ ル剤)が用いられ、し力も 480mgZdayという比較的大量の松榭皮抽出物を摂取し なければならず、毎日の摂取には不都合を生じることもあった。一般に、固形の経口 摂取用組成物では摂取する際に手間がかかり、摂取するという義務化した感覚にな つてしまうこと、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等、固形の経口摂取用組成物の形態が医 薬品の形態に近いことから、医薬品を摂取しているような感覚になってしまうこと等の 理由から、持続的に摂取可能な形態としては、食事中や休憩中に気軽に摂取できる 飲料の形態が適しているとの指摘がある。このことからも、上記した固形状の松榭皮 抽出物の大量摂取が持続的な摂取に適当でないといえる。
[0006] また、上記文献に示される効果は血液生化学検査に反映されるほどのものではなく 、明確な有効性が認められるまでには至っていな力つた。
[0007] 本発明の課題は、持続的に摂取可能で、かっ血管内皮細胞力 の NOの分泌を促 進して NOの作用を増強する等により血管内皮機能を改善する明確な効果を有する 飲料を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、オリゴメリックプロアントシァ-ジンの分析方法を確立し、松榭皮抽 出物中のプロアントシァ-ジンの定量的測定を可能にした(特開 2006— 38763号) 。そして、本分析方法により、熱安定性を有するといわれているプロアントシァ-ジン 力 殺菌処理により一部が分解及び Z又は異性化されて低減することが判明した。こ の知見から、単に松榭皮抽出物を配合しただけでは、臨床上有効な血流改善組成 物が得られないとの考えのもと、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行 つた結果、プロシア-ジン Bl (procyanidin Bl (PB1) )及びプロシア-ジン B3 (procya nidin B3 (PB3) )の合計量がプロアントシァ-ジン含量の指標となることを見出した。 そして、この PB1及び PB3の合計量力 6. 4mgZL以上、好ましくは 8. lmgZL以 上であるプロアントシァ-ジン含有茶飲料を一日あたり 350mLずつ 1〜12週間継続 摂取することにより血管内皮機能が顕著に改善されることがわ力つた。また、官能評 価から、 PB1及び PB3の合計量力 30mgZL以下、好ましくは 20mgZL以下であ るプロアントシァ-ジン含有茶飲料が好ましいこと、また、熱水で抽出した松榭皮抽 出物がエタノールで抽出した松榭皮抽出物と比べてフェルラ酸等のフエ-ルプロパノ イド及びジヒドロケルセチン等のジヒドロフラボノール含量が少なぐ香味面において 極めて好ましいことを見出し、本発明を完成するに至った。
[0009] すなわち、本発明は、
式 (I)
[0010] [化 1]
で表されるプロシア-ジン Bl (procyanidin B1 ;PB1)と、式(Π)
[0011] [化 2]
で表されるプロシア-ジン B3 (procyanidin B3 ; PB3)とを含有し、その合計量が 6. 4 mgZL以上であるプロアントシァ-ジン含有茶飲料。
2. 前記 PB1及び PB3が、松榭皮抽出物中に含有された形で添加されたものであ る、上記 1に記載の茶飲料。
3. 前記松榭皮抽出物が、松榭皮の熱水抽出物である、上記 2に記載の茶飲料。
4. 茶の抽出液にプロアントシァ-ジンを配合して調合液を調製する調合工程、前 記調合液を殺菌処理する殺菌工程、殺菌された調合液を容器に充填する充填工程 を経て得られる、容器詰めされた上記 1〜3のいずれか〖こ記載の茶飲料。
5. 血管内皮機能の改善作用を有する、上記 1〜4のいずれかに記載の茶飲料。 発明の効果
[0012] 本発明は、プロシア-ジン Bl (procyanidin B1 ; PB1)とプロシア-ジン B3 (procyani din B3 ; PB3)の合計量を有効成分の指標とし、前記 PB1及び PB3の合計量が 6. 4 mgZL以上、好ましくは 8. lmgZL以上含有する茶飲料を提供する。この茶飲料を 、一日あたり 350mL摂取するだけで、 NOの産生増強等により血管内皮機能を改善 することができ、動脈硬化等の循環器疾患を予防することができる。
図面の簡単な説明
[0013] [図 1]本発明の被験飲料の投与によるラットの反応性充血後の動脈流入量 Z安静時 動脈流入量(TBF level; tail blood flow level)の経時変化を示すグラフである。なお、 グラフ中、 PBEは松榭皮抽出物群、 PFはプロシア-ジン高含有画分群である。
[図 2]本発明の被験飲料の投与によるラットの反応性充血後 0秒から 120秒までの動 脈流入量 Z安静時動脈流入量比曲線下面積 (AUC ; area under the curve)を示す グラフである。
[図 3]本発明の試験飲料の摂取によるヒトの動脈血流増加比(%FBF)、すなわち反 応充血時動脈血流量を安静時基礎血流量で除した値 (B/A)の経時的変化を示す グラフである。
[図 4]本発明の試験飲料の摂取によるヒトの動脈血流増加比(%FBF)、すなわち反 応充血時動脈血流量を安静時基礎血流量で除した値 (B/A)の経時的変化を示す グラフである。
[図 5]本発明の試験飲料摂取直前及び摂取 12週間後における、ヒトの安静時に対す る駆血解放後の前腕動脈血流量 (FBF)の比(%FBF)の測定結果を示すグラフで ある。
[図 6]本発明の試験飲料摂取直前及び摂取 12週間後における、ヒトの安静時に対す る駆血解放後の前腕動脈血流量 (FBF)の比(%FBF)の測定結果を示すグラフで ある。
発明を実施するための好ましい形態
[0014] (プロアントシァニジン)
本発明の茶飲料は、プロアントシァ-ジン、特に松榭皮由来のプロアントシァ-ジン を有効成分として含有する。松榭皮由来のプロアントシァ-ジンは、松榭皮を 50〜1 20°C、好ましくは 70〜: LOO°Cの熱水又は食品の製造に許容される溶媒 (エタノール 等)あるいはその水溶液で抽出して得ることができる(以下、前者を「水抽出物」、後 者のエタノール又はエタノール水溶液による抽出物を「エタノール抽出物」と表記す ることもある)。原料となる松榭皮としては、松榭皮抽出物の原料となる松榭皮としては 、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、ァカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマ ッ、チョウセンマツ、ノヽィマツ、リュウキユウマツ、ゥックシマツ、ダイォゥマツ、シロマツ 、カナダのケベック地方のァネダ等の榭皮等が好ましく用いられる力 中でも、フラン ス海岸松の樹皮が好ましい。ここで、フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に 生育して 、る海洋性松を 、う。
[0015] このフランス海岸松の榭皮は、カテキン、プロアントシァ-ジン及び有機酸等の成分 を含有する。抽出溶媒により得られる抽出物の組成は異なり、例えば、松榭皮中に含 まれるフェルラ酸等のフエ-ルプロパノイド (PP)は、水抽出物ではほとんど含有され
ないが、エタノール抽出物には約 10%程度含有される。また、ジヒドロケルセチン等 のジヒドロフラボノール(DHF)も、水抽出物にはほとんど含有されないが、エタノール 抽出物には、数%程度含有される。フェルラ酸ゃジヒドロケルセチンは優れた抗酸ィ匕 剤として知られ、フ ルラ酸については脳血管保護作用(第 14回日本循環薬理学会 要旨集プログラム A5, 2004)や、血管内皮機能改善作用(特開 2003— 261444号 参照)が報告されている。したがって、エタノール抽出物を用いれば、プロアントシァ 二ジンとフェルラ酸及び Z又はジヒドロケルセチンとの相加的又は相乗的な血管内皮 機能の改善効果が期待されるが、上記 PPや DHFは香味面に影響を及ぼすことがあ り、特に本発明のような飲料では、香味が持続的摂取のための重要な因子であること から、その影響は無視できない。官能検査において、エタノール抽出物と比較して水 抽出物を添加した茶飲料が、良好な風味であると判断されたことから、本発明の茶飲 料においては、水抽出物を用いることが好ましい。具体的には、フェルラ酸とジヒドロ ケルセチンを指標として、その含量の合計が、 10 g/mg以下、好ましくは 5 gZ mg以下となるような抽出物を用いることが好ましい。
松榭皮抽出物中のフェルラ酸及びジヒドロケルセチン含量は、例えば次のように H PLC等を用いて分析することができる。松榭皮抽出物を pH4から 5の緩衝液に lmg ZmLの濃度で溶解し、 j8—グノレコシダーゼ(セノレラーゼ RS,ェムノレシンなど)をカロ え 40°Cで 1〜6時間インキュベートしァグリコンを作る。このァグリコンを含む反応溶液 に同量のァセトニトリル (0. 1から 1%の TFAを含む)をカロえ酵素反応を止めると同時 に、ァグリコンを溶解させる。この溶液を逆相の HPLCで分析することにより定量が可 能である。
(HPLC条件)
,カラム: Shim— pack FC— ODS, 4.6mm x 150mm
'移動相: A:0.1%TFA/H2O、 B:0.1%TFA/90%CH3CN、 0.6ml/min
•グラジェント: B20%→B70% (10min)、 B70%iso (5min)
•検出: Photodiodearrey検出器(島津製作所 SPD- M10A)、 A330nm
•インジェクション: 10 ;z L
HPLCはこれ以外にも逆相系であれば ODS、 C30などの担体が使用可能である。
[0017] 松榭皮力 の抽出方法に特に制限はなぐ例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出 法、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法な どの公知の方法を単独で又は複数の抽出方法を組み合わせて用いることができる。
[0018] 本発明では、松榭皮に抽出溶媒 (熱水、エタノール、含水エタノール等)を加えた 抽出後、濾過して得られる濾液、又はその精製品を抽出液として用いることもできるし 、この抽出液を凍結乾燥等により粉末ィ匕したものを用いることもできる。また、松榭皮 抽出物として市販されているフラバンジェノール (株式会社東洋新薬)、ピクノジエノー ル (シーベルヘグナー株式会社)等を用いてもよぐ中でも、上記理由力 水抽出タイ プのフラバンジェノールを好適に用いることができる。
[0019] 本発明におけるプロアントシァ-ジンとは、フラバン 3 オール及び Z又はフラバ ンー 3, 4 ジオールを構成単位とする重合度が 2以上の縮重合体力 なる化合物群 をいう。松榭皮中のプロアントシァ-ジンとしては、 PB1、 PB3、 PB6などの 2量体及 びプロシア-ジン C2 (C— C— C)の 3量体などが知られている。ブドウ種子より抽出さ れたプロアントシァ-ジンが熱に対して安定であることが知られて 、る(特許第 2694 748号)が、本発明の茶飲料、特に加熱殺菌され容器に収容して販売される茶飲料 では、 120°Cを超える温度で殺菌処理されることから、有効成分であるプロアントシァ 二ジンの一部が、分解されたり異性ィ匕されたりするために、加熱 (殺菌処理)前の松 榭皮抽出物中のプロアントシァ-ジンと加熱 (殺菌処理後)の松榭皮中のプロアント シァ-ジンとでは、その含量及び組成が異なることがある。本発明の茶飲料では、臨 床上、有効量のプロアントシァ-ジンを含有することを特徴とする。プロアントシァ-ジ ンは、上記のとおり、飲料製造工程における殺菌処理等により分解されることがある 力 その含量は、式 (I)
で表されるプロシア-ジン Bl (procyanidin Bl ;PB1)と、式(Π)
[0021] [化 4]
で表されるプロシア-ジン B3 (procyanidin B3 ;PB3)の合計量を指標とすることがで きる。本発明の血管内皮機能改善作用を有する茶飲料では、上記 PB1及び PB3の 合計量を指標に、プロアントシァ-ジン又はそれを含有する植物抽出物の種類 '添 加量を選択及び調整するのが好まし ヽ。
[0022] 本発明は、 PB1及び PB3を指標として、成人 (体重 60kg) 1日あたり、 2. 2mg以上 、好ましくは 2. 8mg以上を含有する茶飲料を提供する。例えば、 350mLの容器に P B1及び PB3の合計含有量が 2. 2mg (好ましくは 2. 8mg)となるように製造された松 榭皮抽出物配合茶飲料では、 1日 1本(350mL)という少量でありながら、血管内皮 機能の改善作用を得ることができる。
[0023] このように、本発明は、プロアントシァ-ジンを茶飲料として摂取することで、少量で ありながら明確な効果を奏するものである。本発明の茶飲料に配合されるプロアント シァ-ジンの上限は実質的に存在しないが、プロアントシァ-ジンの配合量とその効 果の大きさに顕著な関連はない(図 4、図 6参照)ことから、経済性を考慮して臨床上 有効な量を配合するようにすればよい。また、プロアントシァ-ジンとして松榭皮を用
いた場合には、多量に配合すると香味的に渋みや癖を感じて飲みに《なることから も多量の配合は好ましくなぐ具体的には PB1及び PB3の合計含有量を指標として、 30mgZL以下、好ましくは 20mgZL以下となるように配合するのがよ 、。
本発明の茶飲料中の PB1及び PB3含量は、例えば次のようにして測定することが できる。まず茶飲料について、カラム等による前処理を行う。カラムとしては、 Shepha dexLH— 20等を例示できる。 ShephadexLH— 20を充填し、水で膨潤したカラム 茶飲料を負荷して水で洗浄した後、 35%エタノール及び 70%エタノールで溶出する 。 70%エタノール溶出画分を減圧濃縮下で濃縮後、メスフラスコでフィルアップし、各 溶出画分を HPLCに供す。
(HPLC条件)
•カラム: Cosmosil 5C18— MS— Π、 5 πι、 4.6mm xl50mm
'移動相: A- 0.05%TFA/H2O、 B- 90%CH3CN/0.05%TFA/H2O、 lml/min •グラジェントプログラム: 9%Bァイソクラテイク(15min) 9%B→100% B (lmin) 100%B ァイソクラテイク(lOmin) 100%B→9%B (lmin)で lOmin平衡化後、次の分析を開始 •検出: A225nm
•インジェクション: 10 ;z L
(茶飲料の製造方法)
本発明の茶飲料は、茶の抽出液に PB1及び PB3を含有するプロアントシァ-ジン 、好ましくはプロアントシァ-ジンを含有する植物抽出物を添加して調製する。茶の 抽出液は、原料茶葉を加温水にて抽出し、その茶抽出液力 抽出残渣を取り除くこと により得られる。本発明でも用いる原料茶葉としては、煎茶、玉露、てん茶などの緑茶 類、総称してウーロン茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂等の半発酵茶、紅茶と呼ば れるダージリン、アツサム、スリランカなどの発酵茶の他、包種茶、松葉茶、麦茶、その 他ブレンド茶など特に限定されないが、中でも、緑茶類や包種茶が風味的な好ましさ カゝら好適に用いられる。また、茶葉の品種、産地、摘採時期、摘採方法、栽培方法な どは何ら限定されず、どのような茶葉も対象とすることができ、例えば生茶葉等 (葉や 茎を含む)を原料茶葉とすることも可能である。抽出は、ニーダ一等の抽出装置を用 いた公知の方法で行うことができ、具体的には、原料茶葉に対して 20〜: LOO倍量、 7
0〜100°C (好ましくは、 70〜90°C)の抽出水で約 1分〜 20分間、必要に応じて 1回 〜数回攪拌して、常圧又は加圧下で抽出を行えばよい。ここで、抽出に用いる抽出 水は、純水(硬水、軟水、イオン交換水を含む)のほか、ァスコルビン酸含有水溶液 及び pH調製水等を例示することができる。
[0025] 原料茶葉の抽出によって得られた茶抽出液は、次に、その茶抽出液から濾過等に より抽出残渣を取り除き、必要に応じ遠心分離等を行って微粉を除去する。遠心分 離の条件 (流速、回転数等)は、最終的に得られる茶飲料の清澄度等を考慮して、適 宜選択すればよい。なお、遠心分離を行うには、抽出液を 5〜40°C程度に冷却する とよい。冷却して遠心分離することにより、最終的に得られる茶飲料の清澄度が高く なる。
[0026] 本発明の茶飲料は、上記抽出残渣を除去した茶抽出液に、プロアントシァ-ジン又 はそれを含有する植物抽出物を添加して混合溶解して製造する (調合工程)。本発 明の茶飲料では、臨床上有効量のプロアントシァ-ジンを含有することを特徴とし、 その含量は、 PB1及び PB3の合計含有量を指標として、 6. 4mg/L以上、好ましく は 8. lmgZLである。殺菌処理によりプロアントシァ-ジンが分解あるいはェピ化( 異性化)されることを考慮して調合工程では目標の含有量より多量のプロアントシァ 二ジンを添加する。
[0027] また、本発明の茶飲料では、 pH6. 0前後に調整、濃度調整、味の調整等を目的に 、必要に応じて、ァスコルビン酸、ァスコルビン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を 加えてもよい。ァスコルビン酸の添カ卩は、茶飲料中の茶抽出成分の酸化を防ぐことが できるだけでなぐァスコルビン酸が有する抗酸ィ匕作用が本発明のプロアントシァ- ジンと相加的又は相乗的に血管内皮機能改善作用を高めることが期待できる。
[0028] 本発明の茶飲料は、容器詰飲料として好適に提供される。ここで ヽぅ容器詰飲料と は、 PET容器、缶、瓶、紙容器等の容器に収容した飲料をいい、希釈せずに飲用で きるものをいう。容器詰飲料は、通常、調合工程で得られた調合液を加熱殺菌処理し た後、容器に充填して製造される。加熱殺菌処理は食品衛生法に定められた処理を 行えばよぐ例えば、缶飲料の場合には、ホットパックした後充填してレトルト殺菌(例 えば、適宜加圧下(1. 2mmHgなど)、 121°Cで 7分間加熱殺菌する。)を行い、ブラ
スチックボトル飲料の場合には、 UHT殺菌 (調合液を 120〜150°Cで 1秒〜数十秒 保持する。)を行うようにすればよい。
[0029] なお、本発明の茶飲料は、上記のとおり、茶葉を加温水にて抽出する抽出工程、茶 抽出液力 抽出残渣を取り除く工程、茶抽出液にプロアントシァ-ジン又はそれを含 有する植物抽出物等を混合して調合液を調製する調合工程、その他適宜殺菌工程 、容器充填工程を経て製造される。ただし、当該製造工程はあくまでも一例である。 各工程の順序を入れ替えることも可能であるし、また各工程間に別の工程を挿入す ることち可會である。
(血管内皮機能改善作用)
血管内皮は、単に血管の内壁を覆う表層の組織であるだけでなぐ血管の恒常性 維持において重要な役割を担っている。血管内皮機能の評価には、血流依存性血 管拡張反応測定法 (flow mediated dilatation; FMD)を用いることができる。 FMDを 実験的に求める方法として一般的に用 、られて 、るものは、プレティスモグラフィ一に よる反応充血時動脈血流量及び安静時基礎血流量の測定である。これは、安静時 の基礎血流量を測定した後に、上腕を駆血し、駆血解放後の単位筋肉組織(100m L)あたりの血流量 (反応充血時動脈血流量)変化を測定するもので、評価項目として は、 (1)駆血解放後の血流量の AUC (反応充血時動脈血流量 Z安静時動脈流入 量比曲線下面積 (AUC ; area under the curve) ) , (2)駆血解放後の最大血流量、 (
3)駆血解放 30〜60秒後の血流量等が挙げられる(J Pharmacol Sci. 2003;93:399-4
04)。本発明のプロアントシァ-ジン含有茶飲料は、持続的な摂取(1〜12週間の継 続摂取)により駆血解放後の血流量の AUCが増加し、駆血解放後の最大血流量が 増加し、駆血解放 45秒後の血流量が増加することから、優れた血管内皮機能改善 作用を有するといえる。
[0030] また、血管内皮機能は血液検査によっても評価できる。血管の最も内側に存在する 内皮細胞が一酸化窒素 (NO)に代表される様々な生理活性物質を分泌することが 知られている。したがって、この血管内皮機能と関連の深い NO量を測定して血管内 皮機能を評価できる。 NOの測定には、 NOが血管内皮細胞より分泌された後にすぐ に酸化されることから、その代謝物である NO―、ニトロソチオール、 NOxなどが用いら
れている。継続摂取試験や疫学研究などには、 NO—と NO—の合計である NOxが用
2 3
V、られており、高血圧者や喫煙者にお!、て血中 NOx量が低下して 、ると 、う報告も ある。本発明のプロアントシァ-ジン含有茶飲料は、 4〜12週間の持続的な摂取によ り血中の NOxが増加することから、 NO依存的な血管内皮機能の改善作用を有する といえる。
[0031] 上記のとおり、本発明の茶飲料は、血管内皮機能の改善作用を有するものである。
したがって、血管内皮機能が低下した人 (動脈硬化者及びその傾向者)に好適に用 いることができるが、健常人が飲用してもその予防効果が期待される。なお、動脈血 流増加比、すなわち反応充血時動脈血流量を安静時基礎血流量で除した値の最大 値力 健常人の動脈血流増加比はおおむね 400以上であるのに対して、血管内皮 機能が低下した人のそれは、 0以上 400以下であるといわれる。本発明の主な対象 者は、動脈血流増加比の最大値力^〜 400の人である。
実施例
[0032] 以下、本発明を実施例及び試験例により説明するが、本発明は実施例、試験例の みに限定されるものではない。
1.プロアントシァニジン高含有画分(PF: procvanidin fraction)の調製
松榭皮抽出物(PBE; pine bark extract)として、フラバンジェノール (株式会社東洋 新薬、 Lot.T-0027)を用いた。この松榭皮抽出物から、分離'精製してプロシア-ジン 高含有画分 (PF; procyanidin fraction)を調製した。すなわち、松榭皮抽出物 7. 5gを 30mlの 10%EtOHに溶解し、 ShephadexLH— 20榭脂(アマシャムフアルマシア 株式会社)カラムに負荷し、 3Lの H 0、 3Lの 35%EtOHで順次溶出を行い、その後
2
70%EtOHを 1. 5Lずつ、 4フラクションに分画して 70%EtOH溶出の 2〜4フラクシ ヨンを合併し、減圧濃縮後凍結乾燥してプロシア-ジン高含有画分 (PF)を調製した 。なお、 LH— 20カラムは、 1. 5Lを 50%アセトンで洗浄後、水 4. 5Lで平衡化した後 に使用した。
2. 騰龍 (誦誦
Crl : CD (SD)雄性ラットを日本チヤ一ルスリバ一社より購入し、一定期間馴化させ
た後、 20〜21週齢で実験に供した。動物は、空調設備のある飼育室(SPF、温度; 2 3. 5 ± 1. 0°C、湿度; 55 ± 10%、換気回数; 12— 15回 Z時間、照明; 7 : 00— 19 : 00/日)で飼育した。馴化期間中は、市販飼料 (CE— 2, 日本クレア株式会社)、及 び水道水を自由摂取させた。
[0033] ー晚絶食させたラット 16匹を 3群に分け、水投与群(コントロール群; control)、松榭 皮抽出物投与群 (松榭皮抽出物群; PBE)、プロシア-ジン高含有画分投与群 (プロ シァ-ジン高含有画分群; PF)とし、それぞれの被験サンプル溶液を 5mlZkg強制 経口投与した。松榭皮抽出物の投与量は乾燥物重量として 150mgZkg、プロシア 二ジン高含有画分は乾燥重量として 120mgZkgとし、松榭皮抽出物群とプロシア- ジン高含有画分群のプロシア-ジン量は、ほぼ同等となるように、後述の榭皮抽出物 の組成分析の項に示した分析値に基づいて算出し、設定した。
[0034] 被験サンプル溶液投与 1時間後に麻酔薬であるネンブタール 0. 08mlZkgを腹腔 内投与した後、 37°Cに設定したヒーターマット (KN-210-5,株式会社夏目製作所) の上にて実験を行った (実験室の温度は 23°C前後に設定)。尾の基部にカフ(DC1. 6, D.E.HokansonJnc)を装着し、カフから 2〜4cm末端の部位にマーキュリーストレン ゲージ(6.0 cm, D.E.Hokanson,Inc)を卷き、プレティスモグラフィー(EC6, D.E.Hokan sonjnc)を用いて、動脈流入量を計測した。安静時の動脈流入量を 6回以上計測し た後、尾基部に巻いたカフに 300mmHgの圧力をかけて 3分間駆血した。反応性充 血後の動脈流入量を 0秒後から 20秒間隔で 15回計測を行った。得られた測定結果 を、非観血脈管解析システム(NIVP3, D.E.Hokanson, Inc)を用いて解析した。
[0035] 安静時動脈流入量は、各群間で有意な差は認められな力つた。反応性充血後の 動脈流入量 Z安静時動脈流入量 (TBF level; tail blood flow level)を算出し、ベース ラインを 0に補正した。その結果を図 1に示す。松榭皮抽出物群 (PBE)、プロシア-ジ ン高含有画分群 (PF)の 、ずれにお 、ても、コントロール群に比較して高値を示し、 血管内皮機能改善作用があることが明らかとなった。また、反応性充血後 0秒から 12 0秒までの動脈流入量 Z安静時動脈流入量比曲線下面積 (AUC ; area under the c urve)について検討した結果を、図 2に示す。松榭皮抽出物群、プロシア-ジン高含 有画分群のいずれにおいても、コントロール群に比較して高値を示した。このことから
も血管内皮機能改善作用があることが明らかとなった。
[0036] 以上より、松榭皮抽出物の血管内皮機能改善作用の関与物質が、プロアントシァ 二ジンであることが示唆された。
3.松榭皮柚出物の組成分析
動物試験で用いた松榭皮抽出物及びプロシア-ジン高含有画分にっ 、て、その 組成分析を行った。具体的には、カテキン及びェピカテキン含量 (C+EC)、ブロア ントシァ-ジン含量(pr)、フエ-ルプロパノイド含量(pp)、ジヒドロフラボノール含量(
DHF)及びその他の成分 (others)について測定した。それぞれの分析方法は以下 のとおり。
1. C+EC
松榭皮抽出物 2mgを 10mLの 10%エタノールに溶解し、 0. 45 mのフィルターで 濾過の後、下記条件の HPLC (島津製作所 LC-10Aシステム /SPD-lOAvp検出器 )に供した。 HPLC測定結果から、サンプル中の力テキン類を (+)-catechin及び (-) - ep icatechinの 50 μ gZmLおよび 10 μ gZmLの 10%エタノール溶液で作成した検量 線を用いて定量した。定量には A225nmの面積値を用いた。本条件で (+)-catechin および (-) - epicatechinの溶出時間は 8. lminおよび 9. 5minであった。
[0037] (HPLC条件)
'カラム: Cosmosil 5C18- MS- II、 5 m、 4.6mm φ xl50mm (ナカライテスタ株式会社
)
'移動相: A- 0.05%TFA/H2O、 B- 90%CH3CN/0.05%TFA/H2O、 lml/min •グラジェントプログラム: 9%Bァイソクラテイク(15min) 9%B→100% B (lmin) 100%B ァイソクラテイク(lOmin) 100%B→9%B (lmin)で lOmin平衡化後、次の分析を開始 した。
•検出: A225nm
•インジェクション: 10 ;z L
2. Pr
松榭皮抽出物 lmgを lmLの 0. 6N— HC1Zブタノールにガラス試験管内で溶解し 、 90°Cの水浴中で 2時間静置した。また反応終了液は 0. 45 /z mのフィルターで濾
過し、以下の条件の HPLCに供し、 anthocyanidinの定量を行った。定量のための標 準物質には、 cyanidin (フナコシ株式会社より購入)を用いた。なお、 Cyanidinは 5. 5 分に溶出し、 maxは 525nmであることから、これと一致する成分を cyanidinとして 定量した。 OPCの標準物質としては、 procyanidinBl (フナコシ株式会社)を 0. 5mg ZmLで同様の反応を行い生成した cyanidin量を比較し Pr含有量を求めた。
(HPLC条件)
•カラム: YMC— ODS— A312, 6 τητη x 150 mm
•移動相: CH3COOH: MeOH: H20=15: 17.5: 67.5
•検出: A520nm (PDAは 400〜600nmを測定)
3. PP
松榭皮抽出物を 0. 5mgZmLとなるように酵素液(0. 5mgZmLのセルラーゼ RS (ヤクルト株式会社)を含む 0. 06Mの酢酸ナトリウム緩衝液)に溶解し、 40°Cで 1. 5 時間インキュベートし、 0. 1 %TFAZCH3CNで 2倍希釈し、 0. 45 mのフィルター で濾過して、以下の条件の HPLCに供した。定量のための標準物質には、フェルラ 酸け力ライテスタ株式会社より購入)を用いた。なお、フェルラ酸は 7. 5分に溶出し、 maxは 327nmであること力ら、これと一致する成分をフェルラ酸として定量した。ま た、同 HPLCで求めた p—タマル酸及びカフェ酸を合算して、 PP含量とした。
(HPLC条件)
,カラム: Shim— pack FC— ODS, 4.6mm x 150mm
'移動相: A:0.1%TFA/H2O、 B:0.1%TFA/90%CH3CN、 0.6ml/min
•グラジェント: B20%→B70% (10min)、 B70%iso (5min)
•検出: Photodiodearrey検出器(島津製作所 SPD- M10A)、 A330nm
•インジェクション: 10 ;z L
4. DHF
HPLCの検出を A280nmとする以外は、上記 PPと同様にして HPLCを行い、ジヒド ロケルセチンを定量した。定量のための標準物質には、ジヒドロケルセチン(商品名: タキシフォリン、フナコシ株式会社より購入)を用いた。なお、ジヒドロケルセチンは 7. 2分に溶出し、 maxは 286nmであること力ゝら、これと一致する成分をジヒドロケルセ
チンとして定量した。また、同 HPLCで求めたジヒドロケンフヱロール及びジヒドロミリ セチンを合算して、 DHF含量とした。
[0039] 表 1に分析結果を示す。動物試験の結果及び分析結果より、血管内皮機能の改善 作用は、プロアントシァ-ジンが関与して 、ることが示唆された。
[0040] [表 1]
:重量
なお、 PBEのプロアントシァニジン中の PB1、 PB3及びその合計量は、それぞれ 3 9. 3mg 19. 7mgZg、 59mgZgであり、 PFのプロアン卜シァ二ジン中の PB1及 び PB3は、 102. 9mgZg、 58. 7mgZg、 161. 6mgであった(測定方法は、実施例 1と同じ)。
「実施例 11ヒト被験者に針するプロアントシァニジン西 R合茶飲料の rfn.管内皮機能己 善作用一 ί
1.プロアントシァニジン配合茶飲料の製诰
緑茶及び包種茶の混合茶葉 8kgに約 80°Cの温水 300Lを加えて 5分間抽出した後 、 30°C以下になるまで冷却し、遠心分離により茶葉を除去して茶抽出液を得た。この 茶抽出液に、表 2に示す処方で、松榭皮抽出物及び Lーァスコルビン酸を混合して 溶解させた後、炭酸水素ナトリウムを添加して pHを 6. 0に調整し調合液を得た。次 いでこの調合液について脱気処理、殺菌処理 (殺菌条件:135°C、 30秒)を行い、 3 50mLペットボトル容器に充填 (約 80°C)して冷却し、対照(P)及び 3種の被験飲料( Q, R, S)、計 4種の試験飲料を得た。なお、試験飲料間(P, Q, R, S)では、官能面 (香味)、外観、性状において識別がつかなレ、ことを確認している。
[0041] [表 2]
P
Q R S
(対照)
茶抽出液 350mL
松樹皮抽出物 * i Omg 4 Omg 8 Omg 16 Omg しーァスコルビン酸 l OOmg
i :㈱東洋新薬 (フラバンジエノ一ル Lo t . T- 0030;水抽出タイプ)
2. PB1及び PB3含量の測定
4種の試験飲料(P, Q, R, S)について、 procyanidin Bl (PB1)及び procyanidin B 3 (PB3)量を以下の方法により測定した。
[0042] まず、 4種の試験飲料(P, Q, R, S)について、 ShephadexLH— 20による前処理 を行った。乾燥重量 0. 25gの LH— 20 (アマシャムバイオサイエンス株式会社)を充 填し、水で膨潤したカラムに試験飲料 5mLを負荷し、 2mLの水で洗浄した後、 35% EtOH 2mL、 70%EtOH 4mLで溶出した。 70%EtOH溶出画分を減圧下で濃 縮後 2mLのメスフラスコでフィルアップし、 0. 45 mのフィルターで濾過し、各種試 験溶液を得た。
[0043] 下記の条件で HPLCに供し、 PB1の定量を行った。定性は、試験溶液を標準品と 同一条件下で HPLC分析を行い、 PB1標準品の溶出保持時間(6. 3分)と一致する ピークおよび溶出時間 7. 5分のプロシア-ジン B3 (PB3)と一致するピークをそれぞ れ PB1、 PB3として同定しプロシア-ジン類として合算した。定量試験は、 PB1と同 定された溶出ピークについてのピーク面積を測定し、 PB1標準品のピーク面積に基 づいて作成した検量線カゝら試験溶液中の PB1類含量を算出した。検量線は、 PB1 標準品を 10%エタノール溶液に溶解し、 2、 5、 10 gZmLに調製したものを各濃 度の標準溶液とし (用時調製)、各標準溶液について、下記 HPLC条件にて操作を 行い、横軸に PB1の濃度を、縦軸にピーク面積をとり、作成した。
(HPLC条件)
'カラム : Cosmosil 5C18- MS- Π (4.6Φ X 150 mm、ナカライテスタ製)
'移動相 :(A液)ァセトニトリル一水(8:92) 0.05%トリフルォロ酢酸
(B液)ァセトニトリル一水(50:50) 0.05%トリフルォロ酢酸
'温度 :40°C
,検出 :紫外部吸収 225 nm
•注入量 :10
•グラジェントプログラム:表 3参照
[表 3] 時間(min) 0 15 16 26 27 42
A液濃度 C¾) 100 100 0 0 100 100
B液濃度 (%) 0 0 100 100 0 0 表 4に測定結果を示す。なお、被験飲料 Qにおいて殺菌処理を行わない場合には 、 PB1及び PB3はそれぞれ 1. 84、 3. 29mgZLであり、合計で 5. 13mgZLであつ た。
[表 4]
(単位: m g /L)
3-プレティスモグラフィ一による ΙΐΠ.管内 機能評価
倫理的配慮により試験開始前に試験参加に同意が得られた 20歳以上 65歳以下 の健常な成人男女 21名で、 2週間前の予備検査時に空腹時血糖が 110〜139mg ZdLの男性、または血圧が収縮期血圧 130〜 159mmHgまたは拡張期血圧 85〜 99mmHgの男性、または閉経後女性のいずれか該当する人を、被験者として選定 した。被験者を n=4〜6の無作為の 4群に分け、二重盲検法による 1週間摂取のクロ スオーバー法を採用した。すなわち、 4群の被験者に、 1日 1本(350mL)ずつ 1週間 飲用させる試験を 4種の試験飲料 (P, Q, R, S)それぞれについて行った。
血管内皮機能は、被験者の反応充血時動脈血流量と安静時基礎血流量をプレテ イスモグラフィー(Plethysmograph EC6、 Primetech Co.)を用いて測定した。安静時基
礎血流量は、被験者が 30分間仰臥位となり安静となった後、利き腕と対側の腕に力 フ 3つとストレインゲージを巻いた 15分後からの前腕動脈血流量を測定した。測定は 7回以上行い、その測定結果から 5回のトリム平均を算出した。反応充血時動脈血流 量は、安静時基礎血流量測定後に、上腕に巻いたカフに収縮期血圧より 50mmHg 以上高い圧をかけて、 5分間駆血した後に解放した際の解放後の前腕動脈血流量を 0秒後より 15秒間隔で測定した。
[0047] 図 3及び図 4に、動脈血流増加比(%FBF)、すなわち反応充血時動脈血流量を安 静時基礎血流量で除した値の経時的変化を示す。また、表 5に、安静時基礎血流量 (安静時前腕動脈血流量)(A)、反応充血時動脈血流量 (駆血解放後の最大前腕動 脈血流量)(B)の測定結果、及びこれらの測定結果より算出される、動脈血流増加比 (%FBF)、すなわち反応充血時動脈血流量を安静時基礎血流量で除した値 (BZ A)の算出結果を示す。
[0048] 安静時基礎血流量 (A)は、摂取前及び摂取後の!、ずれの被験飲料 (Q, R, S)摂 取群も対照 (P)摂取群と比較して有意な差異を認めな力つたが、反応充血時動脈血 流量 (駆血解放後の最大前腕動脈血流量 =駆血解放 0秒後の血流量)(B)及び動 脈血流増加比(BZA)は、松榭皮抽出物 80mg添加の被験飲料 (R)摂取群及び松 榭皮抽出物 160mg添加の被験飲料 (S)摂取群にお 1、て、対照(P)摂取群と比較し て有意に高い値となった。なお、今回、被験者として用いた健常人では、動脈血流増 加比(BZA)の最大値が 190. 1-1436. 2であったことから、血管内皮機能の低下 した人も含まれていたと思われる。被験者の動脈血流増加比は、被験飲料 (Q, R, S ;)の継続摂取の結果、 235.4〜2200.3となった。
[0049] [表 5]
摂取前 摂取後
Ρ (松樹皮抽出物: Omg) 3.8± 1.0 3.4± 1.0 安静時基礎血流量 A Q (松榭皮抽出物: 40mg) 3.8± 1.1 3.4±0.9
(ml/m in/100ml tissue) R (松榭皮抽出物: 80mg) 3.7 ± 1.1 3·3±0·7
S (松樹皮抽出物: 160mg) 3.9 ± 1.3 3.4± 1.2
P (松樹皮抽出物: Omg) 23.3±9.5 21.6 ±8.9 反応時充血時動脈量 B Q (松樹皮抽出物: 40mg) 21.4±9.7 20.4± 10.8
(ml/min/I OOml tissue) R (松樹皮抽出物: 80mg) 22.フ±7.7 33.1 ± 10.9 ■
S (松樹皮抽出物: 160mg) 20.5±7.1 31.1 ±9.1
P (松樹皮抽出物: Omg) 663.9 ±335.1 698.1 ±366.3 動脈血流増加比 BZA Q (松樹皮抽出物: 40mg) 601.5± 272.0 614.1 ±319.8
(%FBF) R (松樹皮抽出物: 80mg) 620.3± 196.4 1037.5 ±431.5
S (松樹皮抽出物: 160mg) 554.4± 187.6 983.5±390.8 表中の値は平均値士棵 ϋ 偏差で表示
対照(P)摂取群との比較 # : pく 0.05 ## : p<0.01 ###: pく 0.001 (paired t test)
また、駆血解放 45秒後の血流量 Cについても解析した。表 6に、駆血解放 45秒後 の血流量 C及びこれより算出される動脈血流増加比(CZA)の結果を示す (安静時 基礎血流量 Aは表 5の値を採用した)。駆血解放 45秒後の血流量 (C)及び動脈血 流増加比 (CZA)は、いずれの被験飲料 (Q, R, S)摂取群も対照 (P)摂取群と比較 して高い値となり、特に、松榭皮抽出物 80mg添加の被験飲料 (R)摂取群及び松榭 皮抽出物 160mg添加の被験飲料 (S)摂取群にお 1、て、対照(P)摂取群と比較して 高い値となった。
[表 6]
表中の値は平均値士榡準偏差で表示
対照(P)摂取群との比較 # : p<0.05 ## : pく 0.01 ### : p<0.001 (paired t test)
さらに、駆血解放直後から駆血解放 60秒後までの%FBF曲線の曲線下面積 (AU
C)を算出した。表 7にその結果を示す。 AUCは、松榭皮抽出物 80mg添加の被験 飲料 (R)摂取群及び松榭皮抽出物 160mg添加の被験飲料 (S)摂取群にお 1ヽて、 対照 (P)摂取群と比較して高!、値となった。
[0051] [表 7]
対照(P)摂取群との比較 # : p<0.05 ## : pく 0.01 ### : p<0.001 (paired t test)
以上の結果から、松榭皮抽出物 40mg以上添加した茶飲料の一週間継続摂取に より、血管内皮機能の改善が示唆され、特に、松榭皮抽出物 80mg以上を添加した 茶飲料、すなわち PB1及び PB3を 8. lOmgZL以上の濃度で含有する茶飲料にお V、て、優れた血管内皮機能改善作用があることが確認された。
「実施例 21ヒト被験者に針するプロアントシァニジン §R合茶飲料の血管内皮機能己 側 2
1.プロアントシァニジン配合茶飲料の製造
実施例 1と同様にして、茶抽出液を調製し、これに表 8に示す処方で、松榭皮抽出 物及び L ァスコルビン酸を混合して溶解させた後、炭酸水素ナトリウムを添加して p Hを 6. 0に調整した。次いで、実施例 1と同様にして脱気処理、殺菌処理を行った後 、 350mLペットボトル容器に充填し、対照 (L)及び 2種の被験飲料 (M、 N)の計 3種 の試験飲料を得た。なお、 L, M, Nでは、官能面 (香味)、外観、性状において識別 がっかな 、ことを確認して!/、る。
[0052] [表 8]
«2 :㈱東洋新薬製 (フラバンジェノール LotT - 0030 ;水抽出タイプ)
2. PB1及び PB3含量の測定
対照 (L)及び被験飲料 (M, について、実施例 1と同様の方法にて、 procyanidin Bl (PBl)及び procyanidin B3 (PB3)量を測定した。表 9に測定結果を示す。
[表 9]
PB1 PB3 計
L (松樹皮抽出物: 0mg) 0.70 1.72 1 .72
M (松樹皮抽出物: 60mg) 2.39 4.00 6.39
N (松樹皮抽出物: 80mg) 3.12 5.27 8.38
(- 位: mg/L)
3-プレティスモグラフィ一による ΙΐΠ.管内 機能評価
倫理的配慮により試験開始前に試験参加に同意が得られた 20歳以上 65歳以下 の健常な成人男女 67名で、 2週間前の予備検査時に空腹時血糖が 110〜139mg ZdL、収縮期血圧 130〜159mmHgまたは拡張期血圧 85〜99mmHg、更年期症 状を有する女性 (Kupperman指数が 21以上)、のいずれかに該当する人を、被験者と して選定した。被験者を n= 22又は 23の 3群に分け、二重盲検法による 12週間摂取 の 3群並行群間比較試験を行った。すなわち、 3群の被験者に、対照 (L)又は被験 飲料(M, N)のいずれかを 1日 1本(350mL)ずつ 12週間飲用させる試験である。
[0054] 血管内皮機能は、実施例 1と同様に、プレティスモグラフィー(Plethysmograph EC6 、 Primetech Co.)を用いて行った。ただし、血管内皮機能の測定は、摂取 4週間前( 前観察)、摂取直前 (0週間)、摂取 4, 8, 12週間後及び摂取終了 4週後 (後観察)の 計 6回実施した。
[0055] なお、今回、被験者として用いた健常人では、動脈血流増加比 (BZA)の初期値 力 S166.0〜1265. 6であり、血管内皮機能が低下した人が含まれていたと思われる。 被験者の動脈血流増加比は、被験飲料 (M, N) )の継続摂取の結果、 261. 9〜14 17.5であった。
[0056] 図 5及び図 6に、試験飲料摂取直前及び摂取 12週間後における、動脈血流増加 比(%FBF)、すなわち反応充血時動脈血流量 (前腕動脈血流量)を安静時基礎血 流量で除した値の経時的変化を示す。摂取 12週間後では、駆血解放 0〜90秒後の いずれにおいても、被験飲料 (M, N)摂取群で対照 (L)摂取群と比較して高い値と なった。
[0057] 表 10に、安静時基礎血流量 (安静時前腕動脈血流量)に対する駆血解放 45秒後 の血流量 Cの動脈血流増加比 (CZA) (%FBF)の推移を示す (上段:実測値、下段 :摂取直前力もの変化量(Δ値))。動脈血流増加比 (CZA)は、いずれの被験飲料 (
M, N)摂取群も対照 (L)摂取群と比較して高い値となった。被験飲料 (M, N)摂取 群の効果は、 Δ値にぉ 、て対照 (L)摂取群と比較して大きな差異があることからも明 らかである。
[表 10]
试^飲料群 前钱 期間 摂取直前 摂取 週後 摂取 S3後 摂取 遐後 浼 ta察期 ffl
Iglftl解放 秒後の (松樹皮抽出物
前腕動^血 靈
(松樹皮抽出物 」
フ (Hltt|皮抽出物 訓 (松樹¾抽出物 ,
樹皮抽出物 」
反抽出物 」 数 raは平均値土概準 ϋΐ" 一
群間比較 く : Ρく 忱法による多重比較検定)
表 11に、駆血解放直後から駆血解放 60秒後までの%FBF曲線の曲線下面積 (A UC)の推移を示す (上段:実測値、下段:摂取直前力 の変化量(Δ値))。 AUCは、 4週間以上の摂取において、いずれの被験飲料 (M, N)摂取群も対照 (L)摂取群と 比較して高い値となった。被験飲料 (M, N)摂取群の効果は、 Δ値において対照 (L )摂取群と比較して大きな差異があることからも明らかである。
[表 11]
試 畎料詳 前 IK察期 M 摂取直前 ¾取 過後 ^取 週後 後 ffi察期 ftl (松樹皮抽出物
前 動 血流量の ,、
比曲線の
(松樹皮柚出物 」
(松 皮抽出物
し(松^皮袖出物
前眯動脈血流量の 士
比曲據の
(松樹皮抽出物 」 」
(松榭皮抽出物
数 iSは平均
群間比 く く 法による多重比較検定)
以上の結果から、松榭皮抽出物 60mg以上を添加した茶飲料、すなわち PB1及び PB3を 6. 39mgZL以上の合計濃度で含有する茶飲料の継続摂取により、血流量 が増加することが示唆された。特に、図 6に示されるように、松榭皮抽出物 60mg以上 を添加した茶飲料の継続摂取により、最大前腕動脈血流量だけでなぐ駆血解放 90 秒後までの血流量が増加することは、血管内皮機能が大きく改善されたことを示唆し ていると考える。
4. 牛 t学檢杳による ίΐΠ ^!皮機 言平
血液検査を、摂取 4週間前 (前観察)、摂取直前 (0週間)、摂取 4, 8, 12週間後及 び摂取終了 4週後(後観察)に実施し、血中 NOx濃度 (NO―と NO―の合計)を分析 した。また、摂取直前及び摂取 12週間後における尿中 8— OHdG濃度を測定した。
[0060] 表 12に、血中 NOxの濃度推移 M)を示す。対照 (L)摂取群では、試験飲料に よる変動はみられな力つたが、被験飲料 (M, N)摂取群では、いずれも摂取直前と 比較して NOxが増加し、その増加は摂取期間に応じて大きくなつた。特に、松榭皮 抽出物を 80mg添加した茶飲料 (N)摂取群では、対照 (L)摂取群と比較して有意に 高い値となった。この結果より、松榭皮抽出物 60mg以上を添加した茶飲料、すなわ ち PB1及び PB3を 6. 39mgZL以上の合計濃度で含有する茶飲料の継続摂取によ り、 NO依存的な血管内皮機能の改善が示唆された。
[0061] [表 12] 試験飲料群 前観察期間 摂取直前 摂耳 週後 摂取 週後 摂取 週後 後観察期間 (松樹皮抽出物 , ,
〔松栴皮抽出物 」 士 † 士 (松樹皮抽出物
数偭は平均値土標準偏差
群間比較: く 法による多璽比較検定;!
摂取直前との比較: く 法による多重比較検定)
表 13に、尿中 8— OHdG濃度 (mgZmL)の推移を示す。いずれの被験飲料 (L, M, N)摂取群においても、飲料の 12週間摂取により尿中の 8— OHdG濃度が低くな つたが、特に、松榭皮抽出物を 80mg添加した茶飲料 (N)摂取群において、摂取直 前と比較して有意に低値となった。このことから、茶飲料の継続摂取により酸化ストレ ス障害が低減されること、特に、松榭皮抽出物を 80mg添加した茶飲料、すなわち P B1及び PB3を 8. lmgZL以上の合計濃度で含有する茶飲料の継続摂取により酸 ィ匕ストレス障害が低減されることが明らかとなった。
[0062] [表 13] 試験飲料群 摂取直前 摂取 1 2週後
L (松樹皮抽出物 Omg) 8.5 土 3.6 7.8 土 3.7
M (松樹皮抽出物 60mg) 8.5 ± 4.0 7.9 土 4.5
N (松樹皮抽出物 80mg) 10.7 土 6.2 7.3 土 4.2 *
¥1は平均 fi土檷準偏
摂取直前との比較: *pく 0.05 (paired t test)
「実施例 31官能評価試験 1
緑茶 8kgを 80°Cの熱水 300Lに入れ、同温度で 5分間抽出を行った。得られた抽出 液を冷却後、遠心分離し、清澄な上清を採取してこれを緑茶抽出物とした。この抽出 液を、重曹とビタミン Cを用いて pHを約 6. 0に調整し、さらに熱水で抽出された松榭 皮抽出物(フラバンジェノール、株式会社東洋新薬 Lot.T-0030)を、最終組成物(35 OmL)中に 0、 40、 60、 80、 100、 125、 150、 175、 200、 250、 300mg含まれるよ うに添カ卩して、純水で最終容量が 1000Lになるように調整した。これをフラバンジエノ ール配合緑茶飲料として、製造後まもなくモニター 8名(男性 3名、女性 5名)に試飲 してもらって香味評価を行った。上記 8名のモニターによって好まし 、順位をつけても らい、下記評価基準にてポイントとして算出した。また、試験飲料中に含まれる PB1 及び PB3を実施例 1に準じて定量した。
[0063] 官能評価結果を表 14に、 PB1及び PB3の測定結果を表 15示す。 350mLあたりの 松榭皮含有量が 0〜200mgまで、好ましくは 0〜125mgまでの茶飲料、すなわち PB 1及び PB3の合計量が 30mgZL以下、好ましくは 20mgZL以下の濃度で含有する 茶飲料が、渋みが少なぐまた癖がなぐ飲みやすい茶飲料であるという結果であつ た。
(評価基準) 最も好ましい: 5点
好ましい: 4点
普通: 3点
あまり好ましくない: 2点
好ましくない: 1点
[0064] [表 14]
フラバンジェノール 官能パネラー
添加量 点数合計
(mg/350ml) A B C D E F G H
0 5 5 5 5 4 3 3 5 35
40 4 5 5 5 4 5 5 5 38
60 4 4 5 5 4 4 4 5 35
80 4 4 5 5 4 4 4 4 34
100 3 4 5 5 3 4 3 4 31
125 3 3 4 5 3 3 3 4 28
150 2 3 3 5 2 3 2 3 23
175 2 3 2 5 2 2 2 3 21
200 2 3 2 4 2 2 2 3 20
250 1 2 1 2 1 1 1 2 1 1
300 1 1 1 1 1 1 1 1 8 [表 15]
「纏列 4 龍麵ー 2
緑茶 8kgを 80°Cの熱水 300Lに入れ、同温度で 5分間抽出を行った。得られた抽 出液を冷却後、遠心分離し、清澄な上清を採取してこれを緑茶抽出物とした。この抽 出液を、重曹とビタミン Cを用いて pHを約 6. 0に調整し、さらに最終組成物(350mL )中に熱水抽出タイプの松榭皮抽出物けラバンジヱノール」(株式会社東洋新薬 Lot .T-0030 ;T— 27)を 80mg、または含水エタノール抽出タイプの松榭皮抽出物「ピタノ ジェノール」(日本シーベルヘグナー株式会社製 Lot.F-830 ;F83O)を 80mg含まれ るように添加して、純水で最終容量が 1000Lになるように調整した。これを製造後ま もなくモニター 8名(男性 3名、女性 5名)に試飲してもらって香味評価を行った。評価 項目は、実施例 3と同様である。また、試験例 1と同様にして、松榭皮抽出物中の組 成分析を行った。なお、組成分析は、比較として含水エタノール抽出タイプの松榭皮 抽出物「フラバンジェノール」(株式会社東洋新薬 Lot.P-0015 ;P— 15)についても実
施した。
[0066] 官能評価結果を表 16に、組成分析結果を表 17に、 PP中のフ ルラ酸及び DHF 中のジヒドロケルセチン濃度を表 18に示す。表 16より明らかなように、熱水抽出タイ プの松榭皮抽出物配合茶飲料が、含水エタノール抽出タイプの松榭皮抽出物配合 茶飲料に比べ、渋みが少なぐまた癖がなぐ飲みやすいという結果であった。表 17 より、熱水抽出物は、含水エタノール抽出物と比較して、 PPや DHFが極めて少ない ことが判明した。表 18より、フェルラ酸及びジヒドロケルセチンの合計量を指標として 、 10 gZmg、好ましくは 5 /z gZmgである松榭皮抽出物を用いるのが好ましいとい える。
(評価基準) 最も好ましい: 5点
好ましい: 4点
普通: 3点
あまり好ましくない: 2点
好ましくない: 1点
[0067] [表 16]
[0068] [表 17]
(単位:重量%)