JP7286184B2 - 血管内皮機能改善用組成物 - Google Patents

血管内皮機能改善用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7286184B2
JP7286184B2 JP2021066944A JP2021066944A JP7286184B2 JP 7286184 B2 JP7286184 B2 JP 7286184B2 JP 2021066944 A JP2021066944 A JP 2021066944A JP 2021066944 A JP2021066944 A JP 2021066944A JP 7286184 B2 JP7286184 B2 JP 7286184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
procyanidin
improving
composition
function
vascular endothelial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021066944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021183592A (ja
Inventor
航平 藤木
晃 高野
智康 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Toyo Shinyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Shinyaku Co Ltd filed Critical Toyo Shinyaku Co Ltd
Priority to JP2021189144A priority Critical patent/JP2022033803A/ja
Publication of JP2021183592A publication Critical patent/JP2021183592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7286184B2 publication Critical patent/JP7286184B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、プロシアニジンB1(procyanidin B1;以下、「PB1」とも言う)及びプロシアニジンB3(procyanidin B3;以下、「PB3」とも言う)を含有することを特徴する血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物に関し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3が松樹皮由来であることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物に関する。
近年、食生活やライフスタイルの変化に伴って生活習慣病が増加している。生活習慣病とは、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの疾患に加え、狭心症、心筋梗塞、脳循環障害、悪性腫瘍など生活習慣を改善することによって発病を予防することができると考えられる疾患の総称である。したがって、生活習慣病に対しては、これらの症状を改善でき、長く安全に摂取できる食品による予防が重要であると考えられ、そのような効果を奏する食品の開発が期待されている。
このような食品素材の一つとして、松樹皮抽出物がある。松樹皮抽出物は、プロアントシアニジンなどの抗酸化作用を有するポリフェノールを含有するとして、様々な食品に用いられてきた。また、松樹皮抽出物の研究により薬理作用を含む種々の作用が判明しており、それに基づいて種々の用途が提案されている。かかる用途としては、例えば皮膚改善剤(特許文献1)、腸内菌叢改善剤(特許文献2)、チロシナーゼ阻害剤(特許文献3)、DNA保護剤(特許文献4)及び抗ストレス剤(特許文献5)が挙げられる。
また、プロシアニジンを豊富に含む食品素材として、ココアやブドウが知られており、これらの食品素材には血管内皮機能改善作用があることが報告されている(特許文献6、7)。しかしながら、これらの食品素材に含まれるプロシアニジンが血管内皮に及ぼす影響については調べられていない。血管内皮機能改善には有効成分を毎日継続的に摂取することが必要であることから、継続的に摂取しやすく、少量の摂取であっても優れた効果を有する組成物の開発が求められている。
特開2003-146899号公報 特開2007-308373号公報 特開2003-238425号公報 特開2003-238427号公報 特開2003-095964号公報 特開2013-253100号公報 特開2012-041296号公報
本発明は、優れた血管内皮機能改善効果を有する血管内皮機能改善用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、血管内皮機能改善効果について、鋭意調査・研究したところ、PB1及びPB3を含有することにより、優れた血流依存性血管拡張機能改善効果が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、PB1及びPB3を含有することを特徴とする組成物を摂取することで、優れた血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、及び血流依存性血管拡張機能改善効果を発揮するという知見に基づいて完成したものである。
本発明は要約すると以下の通りである。
[1]松樹皮由来のプロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有することを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
[2]松樹皮由来のプロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、血流依存性血管拡張機能改善作用を有することを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
[3]松樹皮由来のプロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、血流依存性血管拡張機能改善作用を有することを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
[4]錠状であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、そのプロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が1.5以下であることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
[6]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、そのプロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が1.5以下であることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
[7]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有することを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
[8]プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が0.76以下であることを特徴とする[5]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が0.60以下であることを特徴とする[5]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[10]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3が松樹皮由来であることを特徴とする[5]~[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]錠状であることを特徴とする[5]~[10]のいずれかに記載の組成物。
本発明によれば、PB1及びPB3を含有することにより、血流依存性血管拡張機能改善効果に優れた組成物を提供することができる。また、本発明によれば、PB1及びPB3を含有することにより、血流依存性血管拡張機能改善による血管柔軟性向上効果、血管内皮機能改善効果に優れた組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、松樹皮由来のPB1及びPB3を含有することにより、に優れた組成物を提供することができる血流依存性血管拡張機能改善効果、血流依存性血管拡張機能改善による優れた血管柔軟性向上効果、血管内皮機能改善効果に優れた組成物を提供することができる。
図1は、実施例2~7及び比較例2、3におけるROS産生量を示す図である。 図2は、実施例8~12及び比較例4におけるNO合成酵素遺伝子発現量を示す図である。
本発明の血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物並びに血流依存性血管拡張機能改善用組成物(以下、これらの組成物をまとめて「本発明の組成物」とも言う)は、プロシアニジンB1(PB1)及びプロシアニジンB3(PB3)を含有することを特徴とする。本発明の組成物は、さらに必要に応じて、その他の成分を含有し得る。以下、各成分及び本発明の組成物について説明する。なお、以下に説明する構成は、本発明を限定するものでなく、本発明の主旨の範囲内で種々改変することができる。
本発明の組成物は、プロシアニジンB1を含有する。プロシアニジンとは、フラボノイド類のフラバン-3-オールに属する化合物であり、エピカテキンあるいはカテキンが縮合したオリゴマーあるいはポリマー(2~15量体)である。プロシアニジンB1は、(-)エピカテキンと(+)カテキンとがC4-C8結合した二量体である。本発明のプロシアニジンB1(PB1)は、合成物や松、リンゴ、ココアやブドウなどの植物由来物を用いることができ、使用時の安全性の観点から植物由来物が好ましく、PB1を豊富に含むことから、松がより好ましく、松樹皮を用いることが特に好ましい。
本発明においてPB1の由来として使用できる松は、例えば、フランス海岸松、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダなどのマツ目に属する植物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、食用として安全性が確認されており、PB1を高濃度で含有している観点から、南仏の大西洋沿岸などに生育している海洋性松であるフランス海岸松(Pinus maritima)が好ましい。
植物由来物の加工方法は特に限定されず、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を使用することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。ペースト状や乾燥粉末とする場合は、そのもののみを用いて製造しても良いし、賦形剤と共に加工しても良い。本発明においては、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、及び血流依存性血管拡張機能改善効果の観点から、抽出により得ることが好ましい。以下、松樹皮抽出物の製造方法を例として植物由来物の抽出方法を説明する。
松樹皮抽出物は、松樹皮を溶媒で抽出して得られる。溶媒としては、例えば、水、有機溶媒、含水有機溶媒(含水エタノールなどの含水アルコール)が挙げられるが、これらに限定されない。抽出に用いる有機溶媒としては、通常天然物成分を抽出するのに際して許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,2-トリクロロエテンなどが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組合せて用いられ得る。抽出の際の温度は、室温から抽出溶媒の沸点以下の温度まで、適宜調整することができる。本発明においては、PB1を効率的に抽出する観点から、熱水、含水エタノール及び含水プロピレングリコールが好ましく用いられる。
抽出方法は、通常天然物成分を抽出するのに際して許容される方法であれば特に限定されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などの固液抽出法が挙げられる。
加温抽出法は、例えば、被験物質と溶媒とを接触させ、溶媒の沸点以下の温度などで処理して、被験物質に含まれる成分を溶媒に抽出する方法である。還流抽出法であってもよい。
超臨界流体抽出法は、例えば、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)などが挙げられるが、好ましくは二酸化炭素である。
超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超臨界流体を分離する分離工程とを行う。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、抽出流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n-ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類を2~20W/V%程度添加し、この流体を用いて超臨界流体抽出を行うことによって、OPC(oligomeric proanthocyanidin:オリゴメリック・プロアントシアニジン)、カテキン類などの目的とする抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、又は分離の選択性を増強させる方法であり、効率的な松樹皮抽出物を得る方法である。
超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用できるという利点、抽出流体が残留しないという利点、溶媒の循環利用が可能であるため、脱溶媒工程などが省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。
松樹皮からの抽出は、上述の抽出法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法などにより行ってもよい。
松樹皮からの抽出は、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
抽出により得られた松樹皮抽出物は、限外濾過、吸着性担体(ダイヤイオンHP-20、Sephadex-LH20、キチンなど)を用いたカラム法、バッチ法などにより精製を行うことが安全性の面から好ましい。
松樹皮抽出物は、保存性や加工性の観点から、粉末状のものであることが好ましく、乾燥粉末状のものであることがより好ましい。乾燥手段は特に限定されず、例えば、溶媒を含む松樹皮抽出物を、加温、日干し、熱風乾燥、凍結乾燥、減圧などによる乾燥手段を挙げることができる。乾燥の程度は、松樹皮抽出物の溶媒含有量が十分に低下したことが確認されるまでの程度であればよく、例えば、溶媒含有量が10wt%以下、好ましくは5wt%以下となるまでの程度である。
松樹皮抽出物乾燥粉末を得るための粉末化の方法としては、例えば、当業者が通常用いる方法であるボールミル、ハンマーミル、ローラーミルなどにより、松樹皮抽出物を粉砕及び粉末化する方法が挙げられるが、これらに限定されない。乾燥と粉末化の順序を入れ替えて、乾燥前の松樹皮抽出物を予め粉砕しておき、この粉砕物を乾燥して松樹皮抽出物乾燥粉末とすることもできる。
松樹皮抽出物は市販されているものでもよく、市販の松樹皮抽出物としては、例えば、フラバンジェノール(登録商標;株式会社東洋新薬)などが挙げられる。
本発明の組成物は、プロシアニジンB3を含有する。プロアントシアニジンB3は、(+)カテキンと(+)カテキンとがC4-C8結合した二量体である。本発明のプロシアニジンB3(PB3)は、合成物や松、リンゴ、ココアやブドウなどの植物由来物を用いることができ、使用時の安全性の観点から植物由来物が好ましく、松がより好ましく、PB1を豊富に含むことから、松樹皮を用いることが特に好ましい。本発明の組成物に使用できる松の種類や植物由来物の加工方法は、PB1に記載した内容を参照できる。
本発明の血管内皮機能改善用組成物はPB1及びPB3を含有することを特徴とする。本発明において、PB1とPB3との含有比は特に限定されないが、血管内皮機能改善作用の効果を高める観点から、そのPB1とPB3の含有比がPB1に対してPB3が1.5以下であることが好ましく、PB3が0.76以下であることがより好ましく、PB3が0.68以下であることが特に好ましく、PB3が0.60以下であることがより特に好ましい。また、PB3の含有比の下限は特に限定されないが、血管内皮機能改善作用の効果を高める観点から、PB1とPB3の含有比がPB1に対してPB3が0.20以上であることが好ましく、0.36以上であることがより好ましく、0.41以上であることが特に好ましい。
本発明の血管柔軟性向上用組成物はPB1及びPB3を含有することを特徴とする。本発明において、PB1とPB3との含有比は特に限定されないが、血管柔軟性向上作用の効果を高める観点から、そのPB1とPB3の含有比がPB1に対してPB3が1.50以下であることが好ましく、PB3が0.76以下であることがより好ましく、PB3が0.68以下であることが特に好ましく、PB3が0.60以下であることがより特に好ましい。また、PB3の含有比の下限は特に限定されないが、血管柔軟性向上作用の効果を高める観点から、PB1とPB3の含有比がPB1に対してPB3が0.20以上であることが好ましく、PB3が0.36以上であることがより好ましく、0.41以上であることが特に好ましい。
本発明の血流依存性血管拡張機能改善用組成物はPB1及びPB3を含有することを特徴とする。本発明において、PB1とPB3との含有比は特に限定されないが、血流依存性血管拡張機能改善作用の効果を高める観点から、PBとPB3の含有比の上限は、PB1に対してPB3が1.30以下であることが好ましく、PB3が0.76以下であることがより好ましく、0.68以下であることが特に好ましい。また、同様にPB1とPB3の含有比の下限は、血流依存性血管拡張機能改善作用の効果を高める観点から、PB1とPB3の含有比がPB1に対してPB3が0.20以上であることが好ましく、0.36以上であることがより好ましく、0.41以上であることが特に好ましい。
PB1及びPB3を含有する組成物は、後述する実施例に示されているとおり、血流依存性血管拡張機能改善作用を示すことから、血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用などが期待できるものである、という態様を採り得る。
本発明の組成物の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、1日摂取量当たりのPB1とPB3の合計量は、0.1~100mgであり、好ましくは1mg~50mgであり、血管内皮機能改善用組成物作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用の観点から、さらに好ましくは2~10mgである。
本発明の血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、期待される作用効果が奏される限り特に限定はなく、ヒト以外の動物に対して適用することができる。本発明の松樹皮抽出物含有剤の使用者は特に限定されず、例えば、健常者であってもよいが、血管内皮のリスクファクターを有する者や40歳以上の中高年者に用いることがより好ましい。本発明の血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物の使用頻度は特に限定されないが、好ましくは2日に1度以上、より好ましくは1日に1度以上、特に好ましくは1日に2度以上である。組成物中に含有する1回当たりのPB1とPB3の合計量は、0.1~100mgであり、好ましくは1mg~50mgであり、血管内皮機能改善用組成物作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用の観点から、さらに好ましくは2~10mgである。
本発明の血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物におけるPB1とPB3の合計量の配合割合は、その投与形態や剤形などによって適宜設定することができ、特に限定されない。例えば、PB1とPB3の合計量は、全体を100質量部として、PB1とPB3の合計量の下限値は乾燥質量で、0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上と設定することができ、PB1とPB3の合計量の上限値は乾燥質量で、例えば、100質量部以下、好ましくは50質量部以下、より好ましくは10質量部以下と設定することができる。
本発明の血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物における松樹皮抽出物の配合量は、その投与形態や剤形などによって適宜設定することができ、特に限定されない。例えば、松樹皮抽出物の配合量は、全体を100質量部として、松樹皮抽出物の下限値は乾燥質量で、0.001質量部以上、0.01質量部以上、好ましくは0.1質量部以上と設定することができ、松樹皮抽出物の上限値は乾燥質量で、例えば、100質量部以下、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下と設定することができる。
本発明の組成物は、PB1及びPB3に加えて、適宜選択したその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤、化粧品原料、医薬品原料などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明の血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明の組成物は、血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、若しくは血流依存性血管拡張機能改善作用を得ることを目的とした種々の形態で利用することができ、例えば、経口用又は非経口用の形態とすることができる。本発明の組成物は、その形態に応じて、そのまま経口的又は非経口的に使用してもよいし、松樹皮抽出物を溶解するための溶媒などに溶解して経口的又は非経口的に使用してもよいが、本発明の効果である血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用をより効果的に発揮できる観点から、経口が好ましい。
本発明の組成物の形態が経口用である場合、その形態としては、経口的な使用に適した形態であれば良く、例えば、顆粒状、粉末状、錠状、チュアブル状、カプセル状、液状、シロップ状などが挙げられる。これらの中でも、PB1及びPB3の効率的な摂取の観点から、錠状が好ましい。
また、本発明の組成物としては、有効成分を含有する血管内皮機能改善用食品の他、食品に対して有効成分を添加して得た血管内皮機能改善用食品を挙げることができ、例えば、通常の食品に比して本発明の有効成分含有量を増加させた食品や、本発明の有効成分を通常含まない食品に対して有効成分を添加した食品を挙げることができる。有効成分の添加は、それぞれの成分を別々に添加してもよいし、同時に添加してもよく、また、有効成分以外の他の成分と共に添加してもよい。
また、本発明の組成物の形態が非経口用である場合、その形態としては、例えば、非経口的な使用に適した形態、具体的には、ローション状、クリーム状、リキッド状、ミスト状、エマルション状、スプレー状、ムース状、ジェル状などが挙げられる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、使用形態に応じて当業者に知られる一般的な製造方法に準じて製造される。例えば、顆粒状や固形状である場合、PB1及びPB3をそのまま又は上記のその他の成分と同時又は数段階に分けて混和したものを、流動層造粒法、攪拌造粒法、押出造粒法などの造粒方法に従って造粒して顆粒状とし、さらに打錠機などを用いる常法に従って圧縮成形することによって錠状に成形できる。また、液状やクリーム状の場合は、PB1及びPB3を上記のその他の成分と同時又は数段階に分けて混合し、調整することができる。
本発明の組成物は、血管内皮機能改善、血管柔軟性向上、若しくは血流依存性血管拡張機能改善に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血管内皮機能改善作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、飼料等を挙げることができる。いわゆる健康食品においては、「血管機能を高める」、「血管機能を維持する」、「血管内皮機能を高める」、「血管内皮機能を維持する」、「加齢によって衰える動脈の血管内皮機能を高める」、「加齢によって衰える動脈の血管内皮機能を維持する」、「血管を締め付けた後の血管の拡張度を高める」、「血管を締め付けた後の血管の拡張度を維持する」、「血管柔軟性を高める」、「血管柔軟性を維持する」、「血管のしなやかさを高める」、「血管のしなやかさを維持する」等を表示したものを例示することができる。
本発明の別の態様は、PB1及びPB3を含有する組成物、又は、PB1及びPB3を含有する松樹皮抽出物を含有する組成物を使用させることを含む、血管内皮機能、血管柔軟性、若しくは血流依存性血管拡張機能を改善、又は維持する方法である。ただし、本発明の方法は、ヒトに対する医療行為を除外するものである。
本発明の血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
<試験1 血流依存性血管拡張機能の評価>
(1)被験者と試験デザイン
倫理的配慮により試験開始前に同意が得られた40歳以上、65歳未満の健常な成人男女35名で、BMIが30未満の人を被験者として選定した。被験者を無作為の2群(実施例群:18名、比較例群:17名)に分け、二重盲検法による並行群間比較試験をした。1日摂取目安量である1袋(錠剤0.25g×2粒)の試験食品を1日1回、水またはぬるま湯とともに摂取させ、8週間摂取後に検査を行った。
(2)試験食品
実施例1には、熱水で抽出されたフランス海岸松の松樹皮抽出物に、粉末還元麦芽糖水飴、微結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、微粒二酸化ケイ素を混合し、打錠した錠剤を使用した。比較例1には、外観で実施例との区別がつかないようにするため、実施例中の松樹皮抽出物をカラメル色素に置き換えたものを使用した。実施例1及び比較例1ともに1日摂取目安量(0.25g×2粒)を無地アルミ個包装し、被験者及び介入実施者への盲検性を確保した。試験食品の1日摂取目安量あたりの熱量及び栄養成分の分析結果を表1に示す。
Figure 0007286184000001
(3)PB1及びPB3含有量の分析
PB1及びPB3量を以下の方法により測定した。松樹皮抽出物の重量を精密に測り、10%エタノールを加えてメスアップし、口径0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試験溶液を得た。下記の条件でHPLCに供し、PB1、PB3の定量を行った。松樹皮抽出物に含まれるPB1及びPB3を測定し、実施例1(0.25g×2粒中;1日摂取目安量)に含まれるPB1及びPB3を算定した。実施例1に含まれるPB1は1.7mgであり、PB3は0.7mgであり、PB1とPB3の合計は2.4mgであった。PB1に対するPB3の比率は、0.41であった。
(HPLC条件)
・分析カラム:L-Column ODS 3μm、4.6×250mm(一般財団法人化学物質評価研究機構製)
・カラム温度:40℃
・注入量 :10μL
・流速 :1.0ml/min
・測定波長 :280nm
・移動相 :(A液)0.1M酢酸水溶液
(B液)0.1M酢酸アセトニトリル溶液
・グラジエントプログラム:表2参照
Figure 0007286184000002
(4)FMD値の測定
血流依存性血管拡張機能は、超音波検査機器を用いたFMD(flow-mediated dilation)により有効性評価をした。具体的には上腕部の安静時動脈血管径を計測した後、前腕部をカフで5分間圧迫し、駆血解放後の最大動脈血管径を計測した。FMD値は最大動脈血管径と安静時動脈血管径の差を、安静時動脈血管径で除し、百分率で算出した。結果を表3に示す。
Figure 0007286184000003
二元配置分散分析において交互作用が認められ(p<0.05)、摂取8週間後の実測値及び摂取前から摂取8週間後の変化量において、実施例1の群は比較例1の群と比較して有意な増加が認められた。
以上より、本試験の結果、PB1及びPB3を含有する錠剤を摂取することによって、FMD値は増加し、血流依存性血管拡張機能の改善が確認された。したがって、本発明の組成物は血流依存性血管拡張機能改善による優れた血管柔軟性向上効果、血管内皮機能改善効果を有することがわかる。特に、PB1とPB3を合計で1日当たり2.4mg配合した錠剤を摂取することで、優れた血流依存性血管拡張機能の改善効果が見られることから、本発明の組成物は、PB1とPB3を合計で1日当たり2~10mg摂取することで、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が顕著に発揮されることが示唆された。
<試験2 酸化ストレス下での活性酸素種(ROS)産生量の評価>
本試験では、酸化ストレス下での活性酸素種(ROS)産生量について評価した。酸化ストレスによって増加したROSはNOを酸化し、酸化されたNOは生理活性を低下させる。酸化ストレス下でのROS産生量の抑制は、NOの酸化による生理活性の低下を防ぎ、NO利用能の改善につながるため、血管内皮機能改善、血管柔軟性向上、血流依存性血管拡張機能改善が期待できる。以上より、酸化ストレス下でのROS産生量を評価することで、血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用及び、血流依存性血管拡張改善作用の評価ができる。
被験物質
PB1及びPB3の量が表4の割合となるように、熱水で抽出されたフランス海岸松の松樹皮抽出物をDMSOで溶解し、添加濃度でDMSOが0.5%になるようにEndothelial Cell Growth Medium 2(EGM-2)培地(LONZA製)で希釈することで、実施例及び比較例の被験物質を調製した。なお、PB1及びPB3の量は、「試験1(3)PB1及びPB3含有量の分析」に記載される方法と同様の方法で測定した。
Figure 0007286184000004
(2)細胞培養と酸化ストレス
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をコラーゲンコートされた96ウェルのブラックプレート(ROS産生量測定用)とクリアプレート(細胞増殖試験用)に8.0×10cells/wellとなるように播種し、37℃、5%COインキュベーター内で、24時間培養した。培地を除去後、被験物質含有培地を100μL/well添加し、37℃、5%COインキュベーター内で22時間培養した。その後、過酸化水素(ナカライテスク製)を終濃度が100μMとなるように添加することで、酸化ストレスを与えた。その後、37℃、5%COインキュベーター内で、2時間培養した後に、ROS産生量の測定と細胞増殖試験を行った。
(3)ROS産生量の測定
ブラックプレート(ROS産生量測定用)に関して、培地を除去後、無血清DMEM培地で2回洗浄し、10μMのDCFH-DA試薬を50μL/well 添加し、37℃、5%COインキュベーター内で30分間培養した。培地を除去後、無血清DMEM培地で2回洗浄し、PBSを200μl/well添加した。485nmで励起したときの530nmにおける蛍光強度をプレートリーダー(Molecular Devices製)測定し、ROS産生量を算出した。
(4)細胞増殖率の測定
クリアプレート(細胞増殖試験用)に関して、培地を除去後、無血清DMEM培地で2回洗浄し、Cell counting kit-8溶液を150μL/well添加した。インキュベーター内で適度に発色させ、450nmにおける吸光度をプレートリーダー(Molecular Devices製)で測定した。
(5)ROS産生量の評価
ROS産生量を細胞増殖率で割り戻すことで、細胞数当たりのROS産生量を算出し、酸化ストレスを与え、被験物質を投与しなかった群(比較例2)の細胞数当たりのROS産生量を100とした場合の、相対的なROS産生量を算出した。結果を図1に示す。
被験物質を投与せず、酸化ストレスを与えなかった群(比較例3)に比べて、被験物質を投与せず、酸化ストレスを与えた群(比較例2)はROS産生量が極めて高いことから、酸化ストレスによって、ROSが産生されることが確認された。比較例2及び実施例2~7との比較から、PB1及びPB3を含有する被験物質を投与した群(実施例2~7)において、酸化ストレス下でのROS産生量の抑制が認められた。したがって、PB1とPB3を含有する組成物を摂取することにより、酸化ストレス下でのROS産生量の抑制効果が発揮されることで、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が発揮されることが分かった。特に、PB1に対するPB3の比が0.36~1.30である被験物質を投与した群(実施例2~6)は、酸化ストレス下でのROS産生量の抑制に優れており、PB1に対するPB3の比が0.41~0.68である被験物質を投与した群(実施例3~5)は、酸化ストレス下でのROS産生量の抑制により優れており、PB1に対するPB3の比が0.41~0.60である被験物質を投与した群(実施例3、4)は、酸化ストレス下でのROS産生量の抑制に極めて優れていることが認められた。このことから、本発明の組成物はPB1及びPB3を含有することにより、優れた血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が発揮され、PB1に対するPB3の比が0.36~1.30である場合には、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が顕著に発揮され、PB1に対するPB3の比が0.41~0.68である場合には、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果がより顕著に発揮され、PB1に対するPB3の比が0.41~0.60である場合には、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が極めて顕著に発揮されることが分かった。
<試験3 NO合成酵素遺伝子発現量の評価>
本試験では、NO合成酵素遺伝子発現量について評価した。血管内皮でNO合成酵素(eNOS)によりNOが産生し、拡散されて血管平滑筋に届くと、筋肉が弛緩されて血管が拡張する。NO合成酵素遺伝子発現量が増加すると、NO合成酵素量が増加し、NO産生量が増加するため、血管内皮機能改善、血管柔軟性向上、血流依存性血管拡張機能改善が期待できる。以上より、NO合成酵素遺伝子発現量を評価することで、血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用及び、血流依存性血管拡張改善作用の評価ができる。
(1)被験物質
PB1及びPB3の量が表5の割合となるように、熱水で抽出されたフランス海岸松の松樹皮抽出物をDMSOで溶解し、添加濃度でDMSOが0.5%になるようにEndothelial Cell Growth Medium 2(EGM-2)培地(LONZA製)で希釈することで、実施例及び比較例の被験物質を調製した。なお、PB1及びPB3の量は、「試験1(3)PB1及びPB3含有量の分析」に記載される方法と同様の方法で測定した。
Figure 0007286184000005
(2)細胞培養
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をコラーゲンコートされた24ウェルのプレートに5.0×10cells/wellとなるように播種し、37℃、5%COインキュベーター内で24時間培養した。培地を除去後、被験物質含有培地を500μL/well添加し、37℃、5%COインキュベーター内で24時間培養した。
(3)NO合成酵素遺伝子発現量の測定
培地を除去後、PBSで2回洗浄した。RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(登録商標) qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(TOYOBO製)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型として、eNOS遺伝子のプライマー(TAKARA製)を用いて、Rotor-Gene SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、eNOS遺伝子のmRNA発現量を測定した。内在性コントロールとして、βActinのプライマー(QIAGEN製)を用いて、βActinのmRNA発現量を測定した。
(5)NO合成酵素遺伝子発現量の評価
被験物質を投与しなかった群(比較例4)の発現量を1とした場合の、NO合成酵素遺伝子発現量の相対値を算出した。結果を図2に示す。
PB1及びPB3を含有する被験物質を投与した群(実施例8~12)において、被験物質を投与しなかった群(比較例4)と比べて、NO合成酵素遺伝子発現量の増加が認められた。したがって、PB1及びPB3を含有する組成物を摂取することにより、NO合成酵素遺伝子発現量の増加効果が発揮されることで、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が発揮されることが分かった。特に、PB1に対するPB3の比が0.41~0.68である被験物質を投与した群(実施例9~11)は、NO合成酵素遺伝子発現量の増加により優れており、PB1に対するPB3の比が0.41~0.60である被験物質を投与した群(実施例9、10)は、NO合成酵素遺伝子発現量の増加効果に極めて優れていることが認められた。このことから、本発明の組成物はPB1及びPB3を含有することにより、優れた血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が発揮され、PB1に対するPB3の比が0.41~0.68である場合には、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果がより顕著に発揮され、PB1に対するPB3の比が0.41~0.60である場合には、血管内皮機能改善効果、血管柔軟性向上効果、血流依存性血管拡張機能改善効果が極めて顕著に発揮されることが分かった。
製造例:実施例の結果に基づいて、以下の製造例を提示する。
(製造例1)
健康食品(錠剤)
松樹皮抽出物 30g
(PB1とPB3を合計して、5質量%含む。PB1:PB3=1:0.6)
結晶セルロース 10g
ショ糖脂肪酸エステル 5g
二酸化ケイ素 2g
還元麦芽糖 53g
を混合・撹拌して均一に調整し、打錠し、1錠250mgである錠剤を製造した。得られた錠剤を1日2回、1回当たり2粒摂取することで、優れた血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用が得られる。
(製造例2)
健康食品(カプセル剤)
松樹皮抽出物 3mg
(PB1とPB3を合計して、80質量%含む。PB1:PB3=1:0.76)
ココナッツミルク末 60mg
イソマルトオリゴ糖 60mg
麦芽糖 60mg
二酸化ケイ素 10mg
ナイアシン 1mg
マグネシウム 1mg
を混合・撹拌して均一に調整し、ハードカプセルに封入し、カプセル剤を製造した。得られたカプセル剤を1日1回、1回当たり1粒摂取することで、優れた血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用が得られる。
(製造例3)
健康食品(顆粒剤)
松樹皮抽出物 5g
(PB1とPB3を合計して、8質量%含む。PB1:PB3=1:1.40)
大麦若葉末 50g
フラクトオリゴ糖 10g
イソマルトオリゴ糖 10g
還元麦芽糖 30g
ショ糖脂肪酸エステル 3g
二酸化ケイ素 2g
を混合・撹拌して均一に調整し、顆粒剤を製造した。得られた顆粒剤2gを100gの水に溶解し、1日1回摂取することで、優れた血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用が得られる。
PB1及びPB3を含有すことを特徴とする組成物に優れた血流依存性血管拡張機能の改善が見出されたことから本発明は、優れた血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物を提供することができる。優れた血管内皮機能改善用組成物、血管柔軟性向上用組成物、及び血流依存性血管拡張機能改善用組成物は、血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用を有し、経口剤として用いることができることから、本発明の産業上の有用性は高い。

Claims (7)

  1. プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
  2. プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
  3. プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
  4. プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であり、プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の合計摂取量が1日当たり2~10mgであることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
  5. プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であり、プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の合計摂取量が1日当たり2~10mgであることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
  6. プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であり、プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の合計摂取量が1日当たり2~10mgであることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
  7. 錠状であることを特徴とする請求項1~6に記載の組成物。
JP2021066944A 2020-05-20 2021-04-12 血管内皮機能改善用組成物 Active JP7286184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021189144A JP2022033803A (ja) 2020-05-20 2021-11-22 血管内皮機能改善用組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020088375 2020-05-20
JP2020088375 2020-05-20

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021189144A Division JP2022033803A (ja) 2020-05-20 2021-11-22 血管内皮機能改善用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021183592A JP2021183592A (ja) 2021-12-02
JP7286184B2 true JP7286184B2 (ja) 2023-06-05

Family

ID=78767121

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021066944A Active JP7286184B2 (ja) 2020-05-20 2021-04-12 血管内皮機能改善用組成物
JP2021189144A Pending JP2022033803A (ja) 2020-05-20 2021-11-22 血管内皮機能改善用組成物

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021189144A Pending JP2022033803A (ja) 2020-05-20 2021-11-22 血管内皮機能改善用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7286184B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024171994A1 (ja) * 2023-02-14 2024-08-22 株式会社東洋新薬 組成物、血小板凝集抑制用組成物、高血圧改善用組成物及び肌質改善用組成物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4698360A (en) 1985-04-09 1987-10-06 Societe Civile D'investigations Pharmacologiques D'aquitaine Plant extract with a proanthocyanidins content as therapeutic agent having radical scavenger effect and use thereof
JP2001106634A (ja) 1999-10-08 2001-04-17 Nobutaka Suzuki 月経困難症、子宮内膜症の治療薬

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4698360A (en) 1985-04-09 1987-10-06 Societe Civile D'investigations Pharmacologiques D'aquitaine Plant extract with a proanthocyanidins content as therapeutic agent having radical scavenger effect and use thereof
US4698360B1 (en) 1985-04-09 1997-11-04 D Investigations Pharmacologiq Plant extract with a proanthocyanidins content as therapeutic agent having radical scavenger effect and use thereof
JP2001106634A (ja) 1999-10-08 2001-04-17 Nobutaka Suzuki 月経困難症、子宮内膜症の治療薬

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Journal of Cardiovascular Pharmacology,1998年,Vol.32,p.509-515
Jpn Pharmacol Ther,vol.48, no.5,2020年05月20日,p.853-858
New Food Industry ,Vol.46, No.5,2004年,p.1-7
スギおよびアカマツ樹皮中でのフラバノール類の蓄積ならびにその構造上の変化,東京大学農学部演習林報告,1982年,vol.72,p.17-29

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022033803A (ja) 2022-03-02
JP2021183592A (ja) 2021-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6564134B2 (ja) モルシン、クワノンジ又は桑白皮を含有する筋肉疾患予防及び治療用又は筋機能改善用組成物
JP5898825B2 (ja) 腸内有害菌低減剤、それを含む食品または医薬品
KR20200002260A (ko) 토종보리수 추출물을 포함하는 비만 또는 대사성 질환의 예방 및 치료용 조성물
JP2006016390A (ja) プロアントシアニジン含有組成物
JP2004123707A (ja) 血流改善組成物
JP2005029486A (ja) 皮膚改善組成物
JP7286184B2 (ja) 血管内皮機能改善用組成物
JP4171819B2 (ja) 植物乾燥エキスの製造方法
WO2023188320A1 (ja) 血管柔軟性改善用組成物、血管内皮機能改善用組成物、血小板凝集抑制用組成物、血流改善用組成物、経口組成物
JP2010159283A (ja) プロアントシアニジン含有組成物
JP2009161497A (ja) シソ抽出物、これを含む糖吸収阻害剤、ならびに、これらを用いた医薬品または医薬部外品、および食品または飲料
JP2023033087A (ja) 血管柔軟性改善用組成物、血管内皮機能改善用組成物、血小板凝集抑制用組成物、血流改善用組成物、経口組成物
JP2007254427A5 (ja)
JP2007254427A (ja) 抗酸化剤およびその用途
AU2004206156B2 (en) Blood pressure-lowering agent, vascular flexibility-improving agent and foods having these functions imparted thereto
CN111315391A (zh) 包含具有不同成分含量的茶提取物的用于改善循环系统疾病的组合物
JP2014239699A (ja) 血中アディポネクチン量増加剤
JP2004238289A (ja) 血栓形成抑制剤及び機能性食品
JP2010043036A (ja) 糖代謝促進剤
JP2009196967A (ja) 血中多価不飽和脂肪酸相対量増加剤並びにこれを含有する医薬組成物、医薬部外品、化粧品、可食性組成物及び動物用飼料
JP7278670B1 (ja) 組成物
JP2009107952A (ja) 抗骨粗鬆症剤
JPWO2005056031A1 (ja) リパーゼ阻害剤
JP7320270B2 (ja) 肝機能改善剤
JP5783699B2 (ja) 経口組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210412

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210729

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210823

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20211020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211122

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211122

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20211206

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20211228

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220104

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220128

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220201

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230119

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230306

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230404

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20230410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7286184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150