明 細 書
ァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート及びそれを含む樹脂 組成物
技術分野
[0001] 本発明は、透明性、耐熱性及び機械物性に優れた新規なァダマンチル基含有ェ ポキシ変性 (メタ)アタリレート及びそれを含む榭脂組成物に関する。
背景技術
[0002] ァダマンタンは、シクロへキサン環が 4個、カゴ形に縮合した構造を有し、対称性が 高ぐ安定な化合物であり、その誘導体は、特異な機能を示すことから、医薬品原料 や高機能性工業材料の原料などとして有用であることが知られて 、る。ァダマンタン は、例えば、光学特性や耐熱性などを有することから、光ディスク基板、光ファイバ一 あるいはレンズなどに用いることが試みられている(例えば、特許文献 1及び 2参照)。 また、ァダマンタンエステル類を、その酸感応性、ドライエッチング耐性、紫外線透過 性などを利用して、フォトレジスト用榭脂原料として、使用することが試みられている( 例えば、特許文献 3参照)。
近年、電子'光学材料分野においては、液晶や有機エレクト口ルミネッセンス (EL) 素子などを用いたフラットパネルディスプレイの高精細化、高視野角化、高画質化、 発光ダイオード (LED)などの光半導体を用いた光源の高輝度、短波長化、白色化、 さらに電子回路の高周波数ィ匕ゃ光を用いた回路,通信など、光学'電子部品の高性 能化 ·改良検討が進められて 、る。
また、半導体の技術分野における進歩は著しぐ電子機器は小型軽量化、高性能 ィ匕、多機能化が急速に進んでいる。それに対応して、配線基板には高密度化、高配 線ィ匕が求められている。
一方、エポキシアタリレート榭脂は、各種コーティング剤、構造材料、配線基板のソ ルダーレジスト、液晶ディスプレイやイメージセンサーのカラーフィルター用保護膜、 カラーレジストなどに用いられている。ソルダーレジストについては、ビスフエノール A 型エポキシアタリレート榭脂が開示されている (例えば、特許文献 4参照)。また、カラ
一フィルター用感光性組成物としてクレゾ一ルノボラック型エポキシアタリレート榭脂 が開示されている(例えば、特許文献 5参照)。しかし、これらのエポキシアタリレート 榭脂は、透明性、(長期)耐熱性、(長期)耐光性に限界があり、それらの要求特性を 満たす材料が求められて 、る。ソルダーレジストゃ液晶ディスプレイ関連材料にェポ キシアタリレート榭脂を使用する場合、これを含む感放射性榭脂組成物として用いら れる場合が多い。この場合、榭脂組成物の透明性が不充分であると露光表面のみが 硬化するため、良好な機械物性を有する硬化物が得られないという問題がある。 また、半導体などを集積した電子回路についても、情報化社会の進展に伴い、情 報量や通信速度の増大と装置の小型化が進んでおり、回路の小型化、集積化、高 周波数ィ匕が必要となっている。さらに、より高速処理が可能となる光導波路などを用 いた光回路も検討されている。これらの用途において、封止榭脂、接着用榭脂ゃフィ ルム、あるいはレンズ用の榭脂として、従来、ビスフエノール A型のエポキシ榭脂など が使用されている。しかしながら、このビスフエノール A型のエポキシ榭脂などを用い ると、電子回路では誘電率が高力つたり、耐熱性が不足するなどの問題があり、光導 波路や LED封止では、透明性が低下したり、劣化により樹脂が黄変するなどの問題 がある。
[0003] 特許文献 1 :特開平 6— 305044号公報
特許文献 2:特開平 9 - 302077号公報
特許文献 3:特開平 4— 39665号公報
特許文献 4:特開平 8— 286371号公報
特許文献 5 :特開 2002— 341533号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 以上のような状況から、本発明は、配線基板用のソルダーレジスト、液晶ディスプレ ィゃイメージセンサーのカラーフィルター用保護膜、カラーレジスト、液晶ディスプレイ 用の層間絶縁膜、電子回路用封止剤 (光半導体用封止剤及び有機 EL素子用封止 剤)、光学電子部材 (光導波路、光通信用レンズ及び光学フィルムなど)及びこれら に用いる接着剤などとして好適な、透明性、(長期)耐光性などの光学特性、耐熱性
及び良好な機械物性を与えるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート及 びそれを含む榭脂組成物を提供することを目的とするものである。ここで、(メタ)ァク リレートとは、アタリレート又はメタタリレートを指す。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のァダマンチル基含有エポキシ変性
(メタ)アタリレートにより、光学電子部材等として好適な硬化物を与える榭脂組成物が 得られることを見出した。本発明は力かる知見に基づいて完成したものである。 すなわち本発明は、以下のァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート、そ の製造方法及びそれを含む榭脂組成物を提供するものである。
1. 一般式 (I)
[0006] [化 1]
[0007] [式中、 R1は水素原子又はメチル基を示し、 R2はハロゲン原子、あるいはヘテロ原子 を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基を示す。複数の R2は同じであっても異なって いてもよい。 mは 0〜4の整数、 nは 0以上の整数である。 ]
で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート。
2. 一般式 (Π)
[0008] [化 2]
[0009] [式中、 R3は水素原子又はメチル基を示し、 R4はハロゲン原子、あるいはヘテロ原子 を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基を示す。複数の R4は同じであっても異なって いてもよい。 pは 0〜3の整数、 qは 0以上の整数である。 ]
で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート。
3. 一般式 (III)
[0010] [化 3]
[0011] [式中、 R5は水素原子又はメチル基を示し、 R°はハロゲン原子、あるいはヘテロ原子 を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基を示す。複数の R6は同じであっても異なって いてもよい。 rは 0〜3の整数である。 ]
で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート。
4. 一般式 (IV)で表されるァダマンチル基含有エポキシィ匕合物と (メタ)アクリル酸と を反応させることを特徴とする一般式 (I)で表されるァダマンチル基含有エポキシ変 性 (メタ)アタリレートの製造方法。
[0012]
[0013] [式中、
m及び nは上記と同じである。 ]
5. 一般式 (V)で表されるァダマンチル基含有エポキシ化合物と (メタ)アクリル酸と を反応させることを特徴とする一般式 (Π)で表されるァダマンチル基含有エポキシ変 性 (メタ)アタリレートの製造方法。
[0014] [化 5]
( II )
[0015] [式中、 R3、 R4、 p及び qは上記と同じである。 ]
6. 一般式 (VI)で表されるァダマンチル基エポキシィ匕合物と (メタ)アクリル酸とを反 応させることを特徴とする一般式 (III)で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メ タ)アタリレートの製造方法。
[0016] [化 6]
[0017] [式中、 R5、 R°及び rは上記と同じである。 ]
7. 上記 1〜3のいずれかに記載のァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレ ートを含むことを特徴とする榭脂組成物。
発明の効果
[0018] 本発明のァダマンタン含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート及びこれを含有する榭 脂組成物は、配線基板のソルダーレジスト、液晶ディスプレイやイメージセンサーの カラーフィルター用保護膜、カラーレジスト、電子回路用封止剤 (光半導体用封止剤 及び有機 EL素子用封止剤)、光学電子部材 (光導波路、光通信用レンズ及び光学 フィルムなど)及びこれらに用いる接着剤などとして好適な透明性、(長期)耐光性な どの光学特性、(長期)耐熱性、機械物性に優れた硬化物を与える。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 本発明のァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレートは、下記一般式 (1)〜
(ΠΙ)で表されるものである。
[0021] [式中、 R1は水素原子又はメチル基を示し、 R2はハロゲン原子、あるいはヘテロ原子 を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基を示す。複数の R2は同じであっても異なって いてもよい。 mは 0〜4の整数、 nは 0以上の整数である。 ]
[0022] [化 8]
( Π )
[0023] [式中、 R3は水素原子又はメチル基を示し、 R4はハロゲン原子、あるいはヘテロ原子 を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基を示す。複数の R4は同じであっても異なって いてもよい。 pは 0〜3の整数、 qは 0以上の整数である。 ]
[0024] [化 9]
[0025] [式中、 R5は水素原子又はメチル基を示し、 R6はハロゲン原子、あるいはヘテロ原子
を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基を示す。複数の R6は同じであっても異なって いてもよい。 rは 0〜3の整数である。 ]
[0026] 上記一般式 (I)〜(III)において、 R2、 R4又は R6で示されるハロゲン原子としては、フ ッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族炭 化水素基としては、メチル基、ェチル基、ブチル基、 t ブチル基、シクロへキシル基 、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシェチル基、メチル チォ基、ェチルチオ基、メチルァミノ基、ジメチルァミノ基、ェチルァミノ基及びジェチ ルァミノ基などが挙げられる。
上記一般式 (I)で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレートは、 下記一般式 (IV)で表されるァダマンチル基含有エポキシィ匕合物と (メタ)アクリル酸と を反応させること〖こより得ることができる。
[0027] [化 10]
[0028] 上記一般式 (IV)にお 、て、 R2、 m及び nは、上記一般式 (I)と同じである。一般式 (I V)で表されるァダマンチル基含有エポキシィ匕合物としては、 1, 3 ビス (4ーグリシジ ルォキシフエ-ル)ァダマンタン、 1, 3 ビス(4 グリシジルォキシ一 3—メチルフエ -ル)ァダマンタン、 1, 3 ビス(4 グリシジルォキシ— 3, 5 ジメチルフエ-ル)ァ ダマンタン、 2, 2 ビス(4ーグリシジノレオキシフエ-ノレ)ァダマンタン、 2, 2 ビス(4 グリシジルォキシ 3 メチルフエ-ル)ァダマンタン及び 2, 2 ビス(4 グリシジ ルォキシ 3, 5—ジメチルフエ-ル)ァダマンタンなどが挙げられる。
上記一般式 (II)で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレートは、 下記一般式 (V)で表されるァダマンチル基含有エポキシィ匕合物と (メタ)アクリル酸と
を反応させること〖こより得ることができる。
[0029] [化 11]
[0030] 上記一般式 (V)にお 、て、 R p及び qは一般式 (II)と同じである。一般式 (V)で表 されるァダマンタン含有エポキシ化合物としては、 1ー(2, 3—ジグリシジルォキシフ ェ -ル)ァダマンタン、 1— (2, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタン、 1— (2 , 5—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタン、 1ー(2, 6—ジグリシジルォキシフエ -ル)ァダマンタン及び 1一(3, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンなどが 挙げられる。
上記一般式 (III)で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレートは、 下記一般式 (VI)で表されるァダマンチル基含有エポキシィ匕合物と (メタ)アクリル酸と を反応させること〖こより得ることができる。
[0031] [化 12]
[0032] 上記一般式 (VI)にお 、て、 R6及び rは上記一般式 (III)と同じである。一般式 (VI)で 表されるァダマンチル基含有エポキシ化合物としては、 1, 3—ビス(2, 3—ジグリシジ ルォキシフエニル)ァダマンタン、 1 , 3—ビス(2, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァ ダマンタン、 1, 3—ビス(2, 5—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタン、 1, 3—ビ ス(2, 6—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタン、 1, 3—ビス(3, 4—ジグリシジ
ルォキシフエニル)ァダマンタン、 2, 2—ビス(2, 3—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァ ダマンタン、 2, 2—ビス(2, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタン、 2, 2—ビ ス(2, 5—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタン、 2, 2—ビス(2, 6—ジグリシジ ルォキシフエニル)ァダマンタン及び 2, 2—ビス(3, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル) ァダマンタンなどが挙げられる。
[0033] 上記反応は、通常 50〜200°C程度、望ましくは 70〜150°Cの温度において行う。
反応温度が 50°C以上であると、反応速度が低下せず適度のものとなるため、反応時 間が短縮される。また、反応温度が 200°C以下であると、副反応が起こらず、かつ生 成物の着色が抑制される。反応の際の圧力は、絶対圧力で 0. 01〜: LOMPa程度、 望ましくは常圧〜 IMPaである。圧力が lOMPa以下であると、安全性が確保される ので特別な装置が不要となり、産業上有用である。反応時間は、通常 1〜50時間程 度、望ましくは 1〜30時間である。
上記反応は、通常、触媒の存在下で行う。触媒としては、トリェチルァミン、トリプチ ルァミン、ピリジン、ジメチルァミノピリジンなどの有機ァミン、テトラメチルアンモ -ゥム クロリド、テトラメチルアンモ-ゥムブロミド、テトラエチルアンモ -ゥムクロリド、テトラエ チルアンモ-ゥムブロミドなどの 4級アンモ-ゥム塩及びトリフエ-ルホスフィンなどが 挙げられる。触媒の使用量は、上記一般式 (IV)〜 (VI)それぞれで表されるァダマン チル基含有エポキシィ匕合物と (メタ)アクリル酸との合計量に対して、通常 0. 01〜20 質量%程度、好ましくは 0. 05〜15質量%でぁる。
[0034] 反応は、無溶媒又は溶媒の存在下で行う。溶媒としては、上記一般式 (IV)〜 (VI) それぞれで表されるァダマンチル基含有エポキシィ匕合物の溶解度が 0. 5質量%以 上、望ましくは 5質量%以上の溶媒を用いるのが有利である。溶媒の使用量は上記 ァダマンチル基含有エポキシィ匕合物の濃度が 0. 5質量%以上、望ましくは 5質量% 以上となる量である。このとき、上記ァダマンチル基含有エポキシィ匕合物は懸濁状態 でもよいが、溶解していることが望ましい。溶媒として具体的には、シクロへキサン、メ チルシクロへキサン、ェチルシクロへキサン、トルエン、キシレン、 MEK (メチルェチ ルケトン)、 MIBK (メチルイソブチルケトン)、 DMF (ジメチルホルムアミド)、 NMP (N —メチル— 2—ピロリドン)、 DMAc (N, N—ジメチルァセトアミド)、 DMSO (ジメチル
スルホキシド)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げら れる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
反応に際しては、必要によりヒドロキノン、メトキノン、フエノチアジン及びメトキシフエ ノチアジンなどの重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤の使用割合は、(メタ)ァ クジノレ酸に対して、通常 10〜: LOOOO質量 ppm程度、好ましくは 50〜5000質量 ppm である。
反応生成物は、蒸留、晶析、カラム分離などにより精製することができ、精製方法は 、反応生成物の性状と不純物の種類により選択することができる。
[0035] 本発明の榭脂組成物は、上記一般式 (I)〜 (III)それぞれで表されるァダマンチル 基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレートを含む。本発明の榭脂組成物においては、透 明性や耐熱性等に悪影響を与えない限り、上記ァダマンチル基含有エポキシ変性( メタ)アタリレートと、他の重合性モノマーとの混合榭脂も使用することができる。他の 重合性モノマーとしては、例えば、メチル (メタ)アタリレート、ェチル (メタ)アタリレート 、プロピル (メタ)アタリレート、ブチル (メタ)アタリレート、シクロへキシル (メタ)アタリレ ート、ジシクロペンタ-ル (メタ)アタリレート、 1ーァダマンチル (メタ)アタリレート、ェチ レングリコールジ (メタ)アタリレート、 1, 3—プロパンジオールジ (メタ)アタリレート、 1 , 4—ブタンジオールジ (メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アタリレート 、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アタリレート、ジペンタエリスリトールペンタ (メタ)ァ タリレート、ジペンタエリスリトールへキサ(メタ)アタリレート、トリメチロールプロパント リ(メタ)アタリレート及びジトリメチロールプロパンテトラ (メタ)アタリレートなどが挙げら れる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
[0036] また、本発明の榭脂組成物にぉ 、ては、上記ァダマンチル基含有エポキシ変性 (メ タ)アタリレートと、以下のエポキシ榭脂と (メタ)アクリル酸との反応で得られるェポキ シ榭脂変性 (メタ)アタリレートとの混合榭脂も使用することができる。エポキシ榭脂とし ては、例えば、ビスフエノール A型エポキシ榭脂、ビスフエノール F型エポキシ榭脂、 ビスフエノール S型エポキシ榭脂、ビスフエノール AD型エポキシ榭脂、水添ビスフエノ ール A型エポキシ榭脂、ビスフエノール G型エポキシ榭脂、テトラメチルビスフエノー ル A型エポキシ榭脂、ビスフエノール AF型エポキシ榭脂のような含フッ素エポキシ榭
脂及びビスフエノール c型エポキシ榭脂などのグリシジルエーテル型エポキシ榭脂、 フエノールノボラック型エポキシ榭脂ゃクレゾ一ルノボラック型エポキシ榭脂等のノボ ラック型エポキシ榭脂、脂環式エポキシ榭脂、トリグリシジルイソシァヌレート、ヒダント インエポキシ榭脂等の含窒素環エポキシ榭脂、脂肪族系エポキシ榭脂、低吸水率硬 化体タイプの主流であるビフエ-ル型エポキシ榭脂及びジシクロ環型エポキシ榭脂、 ナフタレン型エポキシ榭脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセ口 一ルポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の多官 能エポキシ榭脂などが挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使 用することができる。
[0037] 上記一般式 (I)〜 (III)それぞれで表されるァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ) アタリレートと、上記他の重合性モノマー及び Z又はエポキシ榭脂変性 (メタ)アタリレ ートとの混合榭脂中、上記ァダマンチル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレートの含 有量は 5質量%以上が好ましぐより好ましくは 10質量%以上である。このァダマンチ ル基含有エポキシ変性 (メタ)アタリレートの含有量が 5質量%以上であると、本発明 の榭脂組成物の光学特性、長期耐熱性及び電気特性が充分なものとなる。
[0038] 本発明の榭脂組成物は、熱重合開始剤及び Z又は光重合開始剤を用いた重合に より硬化させることができる。熱重合開始剤としては、熱により、不飽和結合を有する 基、アタリロイル基あるいはメタクリロイル基が反応するものであればよぐ例えば、ベ ンゾィルパーオキサイド、メチルェチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルパー オキサイド、タメンノヽイド口パーオキサイド及び tーブチルノヽイド口パーオキサイド等の 有機過酸ィ匕物並びにァゾビスイソプチ口-トリル等のァゾ系開始剤などが挙げられる 。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤としては、光により、不飽和結合を有する基、アタリロイル基あるいは メタクリロイル基が反応するものであればよぐ例えば、ァセトフエノン類、ベンゾフエノ ン類、ベンジル類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジケタール類、チォキサントン類 、ァシルホスフィンオキサイド類及びァシルホスフィン酸エステル類などが挙げられる 。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤及び Z又は光重合開始剤の使用量は、上記ァダマンチル基含有ェポ
キシ変性 (メタ)アタリレート又は上記混合榭脂(以下、「榭脂成分」と称することがある
。)100質量部に対して、 0. 01〜10質量部であることが好ましぐより好ましくは 0. 0 5〜5質量部である。重合開始剤の含有率を上記範囲とすることにより、良好な重合 及び光学特性などの物性が発現される。
[0039] 本発明の榭脂組成物には、必要に応じて、従来力も用いられている、例えば、劣化 防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、無機粉末、溶剤、レべリング剤、離 型剤、染料、顔料などの、公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
劣化防止剤としては、例えば、フ ノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系 化合物、リン系化合物などの、従来力 公知の劣化防止剤が挙げられる。
フエノール系化合物としては、ィルガノクス 1010 (Irganoxl010、チノく'スペシャル ティ'ケミカルズ社製、商標)、イノレガノクス 1076 (Irganoxl076、チバ'スペシャルテ ィ 'ケミカルズ社製、商標)、ィルガノクス 1330 (Irganoxl330、チノく'スペシャルティ' ケミカルズ社製、商標)、ィルガノクス3114 (1 &110 3114、チノく'スペシャルティ'ケ ミカルズ社製、商標)、ィルガノクス3125 (1 &110 3125、チノく'スペシャルティ'ケミ カルズ社製、商標)、ィルガノクス 3790 (Irganox3790、チノく'スペシャルティ'ケミカ ルズ社製、商標) BHT、シァノクス 1790 (Cyanoxl790、サイアナミド社製、商標)、 スミライザ一 GA— 80 (SumilizerGA— 80、住友化学社製、商標)などの市販品を 挙げることができる。
[0040] アミン系化合物としては、ィルガスタブ FS042 (チノく'スペシャルティ ·ケミカルズ社 製、商標)、 GENOX EP (クロンプトン社製、商標、化合物名;ジアルキル—N—メチ ルァミンオキサイド)など、さらにはヒンダードアミン系である旭電ィ匕社製の ADK STA B LA— 52、 LA— 57、 LA— 62、 LA— 63、 LA— 67、 LA— 68、 LA— 77、 LA— 8 2、 LA— 87、 LA— 94、 CSC社製の Tinuvinl23、 144、 440、 662、 Chimassorb20 20、 119、 944、 Hoechst社製の Hostavin N30、 Cytec社製の Cyasorb UV— 3346 、 UV— 3526、 GLC社製の Uval 299、 Clariant社製の SanduvorPR— 31等を挙げる ことができる。
有機硫黄系化合物としては、 DSTP (ヨシトミ)(吉富社製、商標)、 DLTP (ヨシトミ) ( 吉富社製、商標)、 DLTOIB (吉富社製、商標)、 DMTP (ヨシトミ)(吉富社製、商標)
、 Seenox 412S (シプロ化成社製、商標)、 Cyanox 1212 (サイアナミド社製、商標 )などの市販品を挙げることができる。
[0041] 変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類などの、従来か ら公知の変性剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタ ネート系などの、従来力も公知のシランカップリング剤が挙げられる。脱泡剤としては 、例えば、シリコーン系などの、従来力 公知の脱泡剤が挙げられる。無機粉末として は、用途に応じて粒径が数 ηπ!〜 10 mのものが使用でき、例えば、ガラス粉末、シ リカ粉末、チタ-ァ、酸化亜鉛、アルミナなどの公知の無機粉末が挙げられる。溶剤と しては、榭脂成分が粉末の場合や、コーティングの希釈溶剤として、トルエンゃキシ レンなどの芳香族系溶剤ゃメチルェチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロへキ サノンなどのケトン系溶剤などが使用可能である。
[0042] 本発明の榭脂組成物は、上記の榭脂成分、熱重合開始剤及び Z又は光重合開始 剤と、各種添加剤を混合し、成型する金型 (榭脂金型)への注入、あるいはコーティン グにより所望の形状にした後に、加熱硬化あるいは紫外線等の照射により光硬化す る。熱硬化の場合、硬化温度としては、通常 30〜200°C程度、好ましくは 50〜150 °Cである。 30°C以上とすることにより硬化不良となることがなぐ 200°C以下とすること により着色などを生じることがなくなる。硬化時間は使用する榭脂成分や重合開始剤 などによって異なるが、 0. 5〜6時間が好ましい。
紫外線の照射により光硬化する場合、紫外線の照射強度は、榭脂成分や重合開 始剤の種類、硬化物の膜厚など力 決められるので任意である力 通常 100〜500 Omj/cm2程度、好ましくは 500〜4000mj/cm2である。紫外線照射後に後加熱を 行ってもよぐ 70〜200°Cで 0. 5〜 12時間行うことが好ましい。
成形方法としては射出成形、ブロー成形、プレス成形等、特に限定されるものでは ないが、好ましくはペレット状の榭脂組成物を射出成形機に用いて、射出成形するこ とにより製造される。
[0043] 本発明の榭脂組成物を硬化してなる硬化物は、透明性、耐熱性、硬度等の機械物 性に優れており、配線基板用のソルダーレジスト、液晶ディスプレイやイメージセンサ 一のカラーフィルター用保護膜、カラーレジスト、電子回路用封止剤 (光半導体用封
止剤及び有機 EL素子用封止剤)、光学電子部材 (光導波路、光通信用レンズ及び 光学フィルムなど)及びこれらに用いる接着剤などとして好適に用いることができる。 また、本発明の榭脂組成物は、半導体素子 Z集積回路 (IC他),個別半導体 (ダイ オード、トランジスタ、サーミスタなど)として、 LED (LEDランプ、チップ LED、受光素 子、光半導体用レンズ),センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受 動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサなど)、機構部品(コネクター、スィッチ 、リレーなど)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシールなど)、接着 剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズ)などにも用いられ、表面コーティン グ用として光学用フィルムなどにも用いることができる。
実施例
[0044] 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する力 本発明はこれらの例によつ てなんら限定されるものではな 、。
合成例 1 ( 1 , 3 ビス(4 グリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンの合成)
還流冷却管、攪拌機及び温度計を備え付けた内容積 300mlのセパラブルフラスコ に、 1, 3 ビス(4 ヒドロキシフエ-ル)ァダマンタン 20. Og (0. 06mol)、ェピクロ口 ヒドリン 46g (0. 50mol)、 MIBK 30ml及び DMSO 60mlを仕込み、 45°Cに加熱し た。この溶液に水酸ィ匕ナトリウム 5. 5g (0. 14mol)を少量ずつ 1. 5時間かけて添カロ した。添加終了後、反応温度を 75°Cに上げ、 4時間反応させた。反応終了後、室温 まで冷却し、 MIBK 25mlをカ卩え、水層が中性になるまで水洗した後、有機層を濃縮 し、淡黄色の固体を得た。この淡黄色の固体を MEK 285gに溶解させ、 25質量% 水酸化ナトリウム水溶液 3. 4gを加えて 2時間攪拌し、加熱還流させた。その後、室温 まで冷却し、水層がアルカリ性から中性になるまで水洗を行い、さらに 2回水洗した。 有機層を濃縮し、得られた淡黄色の固体を THF (テトラヒドロフラン)とイソプロピルェ 一テルとの混合溶媒で再結晶し、下記式で表される 1 , 3 ビス (4 グリシジルォキ シフエ-ル)ァダマンタン 24. lgを得た (LC (液体クロマトグラフィ)純度 94%、ェポキ シ当量 224)。
[0046] この 1 , 3—ビス(4 -グリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンを、核磁気共鳴スぺク トル(^H— NMI^ 13C-NMR)により同定した。スペクトルデータを以下に示す。核磁 気共鳴スペクトルは、溶媒としてクロ口ホルム—dを用いて、 日本電子株式会社製の J NM— ECA500により測定した。
[0047] 1H-NMR(500MHz) : 1.75(s,2H), 1.90(s,8H), 1.96(s,2H), 2.28(s,2H), 2.72(dd,2H), 2 .87(dd,2H), 3.32(m,2H), 3.94(dd,2H), 4.17(dd,2H), 6.87(d,4H), 7.29(d,4H) 13C-NMR(125MHz) : 29.6, 35.8, 36.7, 42.4, 44.7, 49.3, 50.2, 68.8, 114.2, 125.9, 143.5, 156.4
[0048] 合成例 2 ( 1—(2, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンの合成)
還流冷却管、攪拌機、温度計及び窒素導入管を備え付けた内容積 300mlのセパ ラブルフラスコに、 MIBK 30ml, DMSO 60ml及びェピクロロヒドリン 65g (0. 70m ol)をカ卩えて窒素置換した。これに 1— (2, 4—ジヒドロキシフエ-ル)ァダマンタン 20 . 6g (0. 09mol)を加え、攪拌しながら 45°Cに加熱した。この溶液に 0. 5時間かけて 水酸ィ匕ナトリウム 7. 6g (0. 19mol)を少量ずつ 30分間で加え、さらに 2時間攪拌した 。その後、反応液を室温まで冷却し、 MIBK 25mlをカ卩え、水層が中性になるまで水 洗した後、有機層を濃縮し、淡黄色粘性液体を得た。この淡黄色粘性液体を MEK 285gに溶解させ、 25質量%水酸ィ匕ナトリウム水溶液 3. 4gを加えて 2時間攪拌し、 加熱還流させた。その後、室温まで冷却し、水層がアルカリ性から中性になるまで水 洗を行い、さら〖こ 2回水洗した。有機層を濃縮し、下記式で表される 1一(2, 4—ジグ リシジルォキシフエ-ル)ァダマンタン 28. 3gを得た(LC純度 93%、エポキシ当量 1 85)。
[0049] [化 14]
[0050] この 1— (2, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンを、核磁気共鳴スぺタト ル( — NMR、 13C— NMR)により同定した。スペクトルデータを以下に示す。核磁 気共鳴スペクトルは、溶媒として DMSO— dを用いて、日本電子株式会社製の JNM
6
- ECA500により測定した。
[0051] 1H-NMR(500MHz) : 1.72(s,6H), 2.02(s,9H), 2.69(dd,lH), 2.76(dd,lH), 2.83(dd,lH) , 2.87(dd,lH), 3.30(m,lH), 3.37(m,lH), 3.80(dd,lH), 3.87(dd,lH), 4.26(dd,lH), 4. 32(dd,lH), 6.48(dd,lH), 6.56(d,lH), 7.02(d,lH)
13C— NMR (125MHz) : 28.4, 35.8, 36.6, 40.4, 43.6, 43.7, 49.7, 49.8, 68.7, 68.9, 10 0.8, 105.3, 126.5, 130.5, 157.3, 158.0
[0052] 合成例 3 ( 1 , 3—ビス(2, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンの合成) 還流冷却管、攪拌機、温度計及び窒素導入管を備え付けた内容積 300mlのセパ ラブルフラスコに、 MIBK 30ml, DMSO 60ml及びェピクロロヒドリン 80g (0. 86m ol)をカ卩えて窒素置換した。これに 1, 3—ビス(2, 4—ジヒドロキシフエ-ル)ァダマン タン 20. 5g (0. 06mol)を加え、攪拌しながら 45°Cに加熱した。この溶液に 0. 5時間 かけて水酸ィ匕ナトリウム 12. 2g (0. 30mol)を加え、さらに 2時間攪拌した。反応液を 室温まで冷却し、 MIBK 25mlをカ卩え、水層が中性になるまで水洗した後、有機層を 濃縮し、淡黄色粘性液体を得た。この淡黄色粘性液体を MEK 285gに溶解させ、 2 5質量%水酸ィ匕ナトリウム水溶液 3. 4gを加えて 2時間攪拌し、加熱還流させた。その 後、室温まで冷却し、水層がアルカリ性から中性になるまで水洗を行い、さらに 2回水 洗した。有機層を濃縮し、下記式で表される 1, 3—ビス(2, 4—ジグリシジルォキシフ ェ -ル)ァダマンタン 24. lgを得た(LC純度 84%、エポキシ当量 164)。
[0053] [化 15]
[0054] この 1 , 3 ビス(2, 4—ジグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンを、核磁気共鳴ス ベクトル( NMR、 13C— NMR)により同定した。スペクトルデータを以下に示す。 核磁気共鳴スペクトルは、溶媒として DMSO— dを用いて、 日本電子株式会社製の
6
JNM—ECA500により測定した。
[0055] — NMR(500MHz) : 1.73(s,2H), 1.98(br,4H), 2.11(br,6H), 2.30(s,2H), 2.70(m,4H), 2.82(m,4H), 3.31(m,4H), 3.84(m,4H), 4.29(m,4H), 6.49(dd,2H), 6.60(d,2H), 7.08(d, 2H)
13C— NMR (125MHz) : 29.7, 36.5, 37.4, 40.4, 44.2, 44.3, 44.7, 50.3, 50.4, 69.3, 69. 5, 101.5, 106.0, 127.2, 131.1, 157.9, 158.7
[0056] 合成例 4 (2, 2 ビス(4 グリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンの合成)
還流冷却管、攪拌機及び温度計を備え付けた内容積 300mlのセパラブルフラスコ に、 2, 2 ビス(4 ヒドロキシフエ-ル)ァダマンタン 20. 0g (0. 06mol)、ェピクロ口 ヒドリン 46g (0. 50mol)、 MIBK 30ml及び DMSO 60mlを仕込み、 45°Cに加熱し た。この溶液に水酸ィ匕ナトリウム 5. 5g (0. 14mol)を少量ずつ 1. 5時間かけて添カロ した。添加終了後、反応温度を 75°Cに上げ、 4時間反応させた。反応終了後、室温 まで冷却し、 MIBK 25mlをカ卩え、水層が中性になるまで水洗した後、有機層を濃縮 し、淡黄色の固体を得た。この淡黄色の固体を MEK 285gに溶解させ、 25質量% 水酸化ナトリウム水溶液 3. 4gを加えて 2時間攪拌し、加熱還流させた。その後、室温 まで冷却し、水層がアルカリ性から中性になるまで水洗を行い、さらに 2回水洗した。 有機層を濃縮し、得られた淡黄色の固体を THFとイソプロピルエーテルとの混合溶 媒で再結晶し、下記式で表される 2, 2 ビス (4 グリシジルォキシフエニル)ァダマ ンタン 23. 2gを得た(LC純度 96%、エポキシ当量 224)。
[0057] [化 16]
[0058] この 2, 2—ビス(4ーグリシジルォキシフエ-ル)ァダマンタンを、核磁気共鳴スぺク トル(^H— NMI^ 13C-NMR)により同定した。スペクトルデータを以下に示す。核磁 気共鳴スペクトルは、溶媒としてクロ口ホルム—dを用いて、 日本電子株式会社製の J NM— ECA500により測定した。
[0059] NMR(500MHz) : 1.70(s,6H), 1.79(s,2H), 2.00(d,2H), 2.67(dd,2H), 2.83(dd,2H), 3.16(s,2H), 3.27(m,2H), 3.86(dd,2H), 4.07(dd,2H), 6.77(d,4H), 7.27(d,4H) 13C-NMR(125MHz) : 27.5, 32.1, 33.3, 38.0, 44.8, 49.4, 50.1, 68.6, 114.5, 126.7, 141.5、 155.5
[0060] 合成例 5 (2, 2—ビス(4—グリシジルォキシ— 3, 5—ジメチルフエ-ル)ァダマンタン の合成)
還流冷却管、攪拌機及び温度計を備え付けた内容積 500mlのセパラブルフラスコ に、 2, 2—ビス(4—ヒドロキシ一 3, 5—ジメチルフエ-ル)ァダマンタン 50. 2g (0. 1 3mol)、ェピクロロヒドリン 99. 6g (l. 06mol)、 MIBK 75ml及び DMSO 150mlを 仕込み、 45°Cに加熱した。この溶液に水酸ィ匕ナトリウム 13. 2g (0. 33mol)を少量ず つ 1. 0時間かけて添加した。その後、 65°Cに昇温し、 2時間反応させた。反応終了 後、室温まで冷却し、 MIBK 250mlカ卩え、水層が中性になるまで水洗した後、有機 層を濃縮し、黄色粘性液体の粗生成物を得た。この粗生成物を THF 70mlに溶解さ せた後、メタノール 350mlにこの溶液を滴下し固体を析出させた。固体をろ過して集 め乾燥させ、下記式で表される 2, 2—ビス(4ーグリシジルォキシー 3, 5—ジメチルフ ェ -ル)ァダマンタン 60. 5gを得た(LC純度 94%、エポキシ当量 259)。
[0061] [化 17]
[0062] この 2, 2 ビス(4ーグリシジルォキシ 3, 5 ジメチルフエ-ル)ァダマンタンを、 核磁気共鳴スペクトル(iH— NMR、 13C NMR)により同定した。核磁気共鳴スぺク トルは、溶媒としてクロ口ホルム dを用いて、 日本電子株式会社製の JNM—ECA5 00により測定した。
[0063] 'H-NMRCSOOMHz) : 1.64-1.69(m,6H), 1.76(s,2H), 1.99(d,4H), 2.21(s,12H), 2.66(dd, 2H), 2.84(t,2H), 3.11(s,2H), 3.29- 3.32(m,2H), 3.69(dd,2H), 3.95(dd,2H), 7.00(s,4H )
13C-NMR(127MHz) : 16.8, 27.6, 32.1, 33.5, 38.2, 44.7, 49.4, 50.8, 72.9, 126.4, 130. 1, 144.0, 152.6
[0064] 実施例 1 (ァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートの合成)
還流冷却管、攪拌機、温度計及びエアー導入管を備え付けた内容積 300mlのセ パラブルフラスコに、合成例 1で得られた 1, 3 ビス(4 グリシジルォキシフエ-ル) ァダマンタン 22. 4g、アクリル酸 7. 6g、 MIBK 20ml,テトラエチルアンモ-ゥムブロ ミド 0. 76g及び p—メトキシフエノール 7. 6mgを加え、少量の空気を流しながら 120 °Cに加熱し、 20時間攪拌した。その後、 MIBK 80mlを加え、反応液を室温まで冷 却した。この MIBK溶液を 5質量%塩ィ匕ナトリウム水溶液で 2回、純水で 1回洗浄し た後、有機層を濃縮し、下記式で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレ ート 26. 8gを得た (LC純度 91%)。
[0066] このエポキシ変性アタリレートを、核磁気共鳴スペクトル( NMR、 13C-NMR) により同定した。スペクトルデータを以下に示す。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒とし てクロ口ホルム dを用いて、 日本電子株式会社製の JNM— ECA500により測定し た。
[0067] 1H—NMR (500MHz) : 1.75(s、 2H), 1.89(s,8H), 1.95(s,2H), 4.0— 4.44(10H), 5.85(d,2H ), 6.16(dd,2H), 6.42(d,2H), 6.86(d,4H), 7.29(d,4H)
13C-NMR(125MHz) : 29.5, 35.8, 36.7, 42.4, 49.3, 65.5, 68.5, 68.7, 114.2, 125.9, 127.9, 131.5, 143.6, 156.3, 166.3
[0068] 実施例 2 (ァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートの合成)
還流冷却管、攪拌機、温度計及びエアー導入管を備え付けた内容積 300mlのセ パラブルフラスコに、合成例 2で得られた 1一(2, 4 ジグリシジルォキシフエ-ル)ァ ダマンタン 18. 5g、アクリル酸 7. 9g、トルエン 50ml、テトラエチルアンモ -ゥムブロミ ド 0. 79g及び p—メトキシフエノール 7. 9mgをカ卩え、少量の空気を流しながら 120°C に加熱し、 10時間攪拌した。その後トルエン 80mlをカ卩え、反応液を室温まで冷却し た。このトルエン溶液を 5質量%塩ィ匕ナトリウム水溶液で 2回、純水で 1回洗浄した後 、有機層を濃縮し、下記式で表されるァダマンチル基含有エポキシアタリレート 24. 1 gを得た (LC純度 87%)。
[0069] [化 19]
[0070] このエポキシ変性アタリレートを、核磁気共鳴スペクトル( NMR、
13C-NMR) により同定した。スペクトルデータを以下に示す。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒とし てクロ口ホルム dを用いて、 日本電子株式会社製の JNM— ECA500により測定し た。
[0071] 1H-NMR(500MHz) : 1.74(s,6H), 2.05(s,9H), 3.97— 4.48(10H), 5.85(d,H), 5.87(d,lH) , 6.14(dd,lH), 6.18(dd,lH), 6.43— 6.50(m,4H), 7.16(d,lH)
13C-NMR(125MHz) : 29.0, 36.5, 37.1, 40.8, 41.1, 65.5, 65.8, 68.3, 68.5, 68.7, 68. 8, 100.9, 105.0, 127.3, 127.8, 127.9, 131.7, 131.8, 131.9, 157.4, 158.2, 166.0, 16 6.3
[0072] 実施例 3 (ァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートの合成)
還流冷却管、攪拌機、温度計及びエアー導入管を備え付けた内容積 300mlのセ パラブルフラスコに、合成例 3で得られた 1, 3 ビス(2, 4 ジグリシジルォキシフエ -ルァダマンタン 16. 4g、アクリル酸 7. 9g、トルエン 50ml、テトラエチルアンモ-ゥ ムブロミド 0. 79g及び p—メトキシフエノール 7. 9mgをカ卩え、少量の空気を流しながら 120°Cに加熱し、 12時間攪拌した。その後トルエン 80mlを加え、反応液を室温まで 冷却した。このトルエン溶液を 5質量%塩ィ匕ナトリウム水溶液で 2回、純水で 1回洗浄 した後、有機層を濃縮し、下記式で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性アタリ レート 14. 8gを得た (LC純度 87%)。
[0073] [化 20]
このエポキシ変性アタリレートを、核磁気共鳴スペクトル( — NMR、
13C-NMR) により同定した。スペクトルデータを以下に示す。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒とし てクロ口ホルム dを用いて、 日本電子株式会社製の JNM— ECA500により測定し
[0075] H-NMR(500MHz) : 1.75(s,2H), 2.00- 2.22(m,10H), 2.33(s,2H), 3.90— 4.45(20H), 5. 86(d,4H), 6.15(dd,4H), 6.41— 6.53(m,8H), 7.15(d,2H)
13C-NMR(125MHz) : 29.6, 36.4, 40.5, 44.9, 65.5, 65.8, 68.5, 68.7, 68.8, 68.9, 10 1.1, 105.1, 127.2, 127.8, 127.9, 131.7, 131.8, 131.9, 157.5, 158.2, 166.2, 166.3
[0076] 実施例 4(ァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートの合成)
還流冷却管、攪拌機、温度計及びエアー導入管を備え付けた内容積 300mlのセ パラブルフラスコに、合成例 4で得られた 2, 2 ビス(4 グリシジルォキシフエ-ル) ァダマンタン 22. 4g、アクリル酸 7. 9g、トルエン 50ml、テトラエチルアンモ-ゥムブロ ミド 0. 79g及び p—メトキシフエノール 7. 9mgを加え、少量の空気を流しながら 120 °Cに加熱し、 20時間攪拌した。その後、トルエン 80mlを加え、反応液を室温まで冷 却した。このトルエン溶液を 5質量%塩ィ匕ナトリウム水溶液で 2回、純水で 1回洗浄し た後、有機層を濃縮し、下記式で表されるァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレ ート 26. 3gを得た (LC純度 93%)。
[0077] [化 21]
[0078] このエポキシ変性アタリレートを、核磁気共鳴スペクトル( NMR、 13C— NMR) により同定した。スペクトルデータを以下に示す。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒とし てクロ口ホルム dを用いて、 日本電子株式会社製の JNM— ECA500により測定し た。
[0079] 1H-NMR(500MHz) : 1.71(s,6H), 1.80(s,2H), 2.01(d,2H), 3.16(s,2H), 3.86— 4.41(10H ), 5.82(d,2H), 6.12(dd,2H), 6.41(d,2H), 6.76(d,4H), 7.28(d,4H)
13C— NMR (125MHz) : 27.5, 32.0, 33.3, 38.0, 49.4, 65.4, 68.4, 68.5, 114.5, 126.7,
127.9, 131.6, 141.7, 155.3, 166.2
[0080] 実施例 5 (ァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートの合成)
還流冷却管、攪拌機、温度計、エアー導入管を備え付けた内容積 300mlのセパラ ブノレフラスコに、合成例 5で得られた 2, 2—ビス(4—グリシジルォキシ一 3, 5—ジメ チルフエ-ル)ァダマンタン 25. 9g、アクリル酸 7. 9g、トルエン 50ml、テトラエチルァ ンモ-ゥムブロミド 0. 79g及び p—メトキシフエノール 7. 9mgをカ卩え、少量の空気を 流しながら 120°Cに加熱し、 20時間攪拌した。その後、トルエン 80mlを加え、反応 液を室温まで冷却した。このトルエン溶液を 5質量%塩ィ匕ナトリウム水溶液で 2回、純 水で 1回洗浄した後、有機層を濃縮し、下記式で表されるァダマンチル基含有ェポキ シ変性アタリレート 30. 3gを得た (LC純度 93%)。
[0081] [化 22]
[0082] このエポキシ変性アタリレートを、核磁気共鳴スペクトル( — NMR、 13C— NMR) により同定した。核磁気共鳴スペクトルは、溶媒としてクロ口ホルム一 dを用いて、 日本 電子株式会社製の JNM—ECA500により測定した。
1H—NMR(500MHz) : 1.64—1.68 (m,6H), 1.77(s,2H), 2.00(d,4H), 2.19(s,12H), 3.11(s,2 H), 3.73-4.42(m,10H), 5.80(d,2H), 6.12(dd,2H), 6.39(d,2H),6.98(s,4H)
13C-NMR(127MHz) : 16.6, 27.5, 32.0, 33.4, 38.1, 49.4, 65.3, 69.1, 72.0, 126.4, 127. 9, 129.9, 131.4,144.1, 151.9, 166.2
[0083] 実施例 6
実施例 1で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレート 30質量部、ベン ゾインイソブチルエーテル 0. 03質量部、溶媒としてプロピレグリコールモノメチルェ
一テルアセテート 70質量部を混合し、榭脂組成物を調製した。この榭脂組成物を溶 剤乾燥後の膜厚が 100 /z mとなるようにガラス基板上にコーティングし、溶媒を乾燥 させた。水銀灯にて紫外線を lOOOmjZcm2の強度で照射し、硬化物を得た。得られ た硬化物を下記の方法により評価した。評価結果を表 1に示す。
[0084] (1)ガラス転移温度
示差走査型熱量計 (パーキン 'エルマ一社製, DSC— 7)を用い、試料 lOmgを窒 素雰囲気下 50°Cで 5分間保持した後、 10°CZ分で昇温させることにより得られた熱 流束曲線に観測される不連続点をガラス転移温度 Tgとした。
(2)光線透過率
ガラス基板に密着した試料を用いて JIS K7105〖こ準拠し、測定波長 400nmで測 定した。測定装置として株式会社島津製作所製の分光光度計 UV—3100Sを用い た。
(3)耐光性試験
株式会社東洋精機製作所製のサンテスト CPS +を用いて、ガラス基板に密着した 試料を 60°Cで 500時間光照射し、サンシャインテスターを用いて照射前後の 400η mの光線透過率の変化を測定し、光線透過率の低下率が 20%未満の場合を「〇」、 20%以上の場合を「 X」とした。
(4)長期耐熱性試験
ガラス基板に密着した試料を用い、 140°Cの恒温槽に 100時間放置した後の試料 と恒温槽に放置する前の試料について、サンシャインテスターを用いて、 400nmの 光線透過率の変化を測定し、恒温槽に放置した後の試料の光線透過率の低下率が 20%未満の場合を「〇」、 20%以上の場合を「 X」とした。
[0085] 実施例 7
実施例 6にお 、て、実施例 1で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレ ートの替わりに実施例 2で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートを 用いた以外は実施例 6と同様にして硬化物を製造し、同様の評価を行った。評価結 果を表 1に示す。
[0086] 実施例 8
実施例 6にお 、て、実施例 1で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレ ートの替わりに実施例 3で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートを 用いた以外は実施例 6と同様にして硬化物を製造し、同様の評価を行った。評価結 果を表 1に示す。
[0087] 実施例 9
実施例 6にお 、て、実施例 1で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレ ートの替わりに実施例 4で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートを 用いた以外は実施例 6と同様にして硬化物を製造し、同様の評価を行った。評価結 果を表 1に示す。
[0088] 実施例 10
実施例 6にお 、て、実施例 1で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレ ートの替わりに実施例 5で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレートを 用いた以外は実施例 6と同様にして硬化物を製造し、同様の評価を行った。評価結 果を表 1に示す。
[0089] 比較例 1
還流冷却管、攪拌機、温度計、エアー導入管を備え付けた内容積 300mlのセパラ ブルフラスコに、ビスフエノール A型エポキシ榭脂(ジャパンエポキシレジン株式会社 製、ェピコート 828) 18. 6g、アクリル酸 7. 9g、卜ルェン 50ml、テ卜ラエチルアンモ- ゥムブロミド 0. 79g及び p—メトキシフエノール 7. 9mgをカ卩え、少量の空気を流しなが ら 120°Cに加熱し、 20時間攪拌した。その後、トルエン 80mlを加え、反応液を室温 まで冷却した。このトルエン溶液を 5質量%塩ィ匕ナトリウム水溶液で 2回、純水で 1回 洗浄した後、有機層を濃縮し、ビスフエノール A型エポキシ変性アタリレート 24. 5gを 得た (LC純度 93%)。
実施例 6にお 、て、実施例 1で得られたァダマンチル基含有エポキシ変性アタリレ ートの替わりに上記で得られたビスフエノール A型エポキシ変性アタリレートを用いた 以外は実施例 6と同様にして硬化物を製造し、同様の評価を行った。評価結果を表 1 に示す。
[0090] [表 1]
表 1
本発明のァダマンタン含有エポキシ変性 (メタ)アタリレート及びこれを含有する榭 脂組成物は、透明性、(長期)耐光性などの光学特性、(長期)耐熱性及び機械物性 に優れた硬化物を与え、配線基板のソルダーレジスト、液晶ディスプレイやイメージ センサーのカラーフィルター用保護膜、カラーレジスト、電子回路用封止剤 (光半導 体用封止剤及び有機 EL素子用封止剤)、光学電子部材 (光導波路、光通信用レン ズ及び光学フィルムなど)及びこれらに用いる接着剤などとして好適である。