JP2006332262A - Led封止用硬化性樹脂組成物及びそれを用いたledパッケージ - Google Patents

Led封止用硬化性樹脂組成物及びそれを用いたledパッケージ Download PDF

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将司 西口
Daisuke Yaginuma
大祐 柳沼
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
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Abstract

【課題】短時間で加熱硬化して透明性に優れ、かつ黄変しにくい硬化物を与え、経時による発光輝度の低下が抑制されたLEDパッケージを与えることのできるLED封止用硬化性樹脂組成物、及びLEDパッケージを提供する。
【解決手段】
(A)脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂、及び(B)有機過酸化物を含み、かつ加熱硬化物(厚さ1mm)の350〜700nmの波長域における光線透過率が80%以上であるLED封止用硬化性樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いて、主発光ピークが550nm以下である発光素子を被覆し、100〜180℃の温度で加熱硬化させてなるLEDパッケージである。
【選択図】なし

Description

本発明は、LED封止用硬化性樹脂組成物及びそれを用いたLEDパッケージに関する。さらに詳しくは、本発明は、短時間で加熱硬化して透明性に優れ、かつ黄変しにくい硬化物を与え、経時による発光輝度の低下が抑制されたLEDパッケージを与えることのできるLED封止用硬化性樹脂組成物及びこの硬化性樹脂組成物を用いたLEDパッケージに関するものである。
今日のLED(発光ダイオード)の飛躍的進歩により、LEDの高出力化及び短波長化が急速に現実のものとなり始めており、特にGaN、InGaN等の窒化物半導体を用いたLEDは、短波長でかつ高出力な発光が可能となった。さらにこれら窒化物半導体から発光する550nm以下の光を波長変換することで白色光とする技術も確立され、一般照明への展開も可能となった。
現在、LEDは、スイッチ内照明、フルカラーディスプレイ、液晶表示装置のバックライトなどの光源、各種インジケーターや交通信号灯等に広く用いられている。
LEDは水分、酸素等により劣化するので、ベアチップの状態では長期の発光特性を維持することができない。そこで樹脂によって封止し、水分、酸素等から保護することが行われている。
通常LED封止用樹脂としては、エポキシ樹脂が使用されている。このエポキシ樹脂は耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性に優れており、封止用樹脂として好適に用いることができる。常温または加熱硬化型のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、フェノールまたはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂が一般的である。
しかしながら、上記芳香族エポキシ樹脂で窒化物半導体を用いたLEDを封止すると、芳香環が短波長の光を吸収するため、経時的に封止した樹脂の劣化が起こり、黄変によりLEDの発光輝度が顕著に低下するという問題が発生する。
上記問題を解決するため、黄変しにくい脂環式のエポキシ樹脂を用いた封止材が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。しかし、このエポキシ系封止材は、加熱による硬化時間が長い欠点を有し、生産性の観点より、より短時間で硬化させたいという潜在的な要求があった。
短時間硬化という観点では、硬化機構が連鎖反応であるラジカル重合による硬化が優れており、そのような封止材としては、脂環式の不飽和ポリエステル樹脂とフタル酸ジアリルを組み合わせた熱硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献4参照)。しかしこの場合フタル酸ジアリルを必須成分としているため、芳香族エポキシ樹脂と同様に黄変劣化が起こるという問題点がある。
特開2003−277473号公報 特開2003−176334号公報 特開2003−26763号公報 特開平11−240924号公報
本発明は、このような状況下で、短時間で加熱硬化して透明性に優れ、かつ黄変しにくい硬化物を与え、経時による発光輝度の低下が抑制されたLEDパッケージを与えることのできるLED封止用硬化性樹脂組成物、及びこの硬化性樹脂組成物を用いたLEDパッケージを提供することを目的とするものである。
本発明者らは,前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂及び有機過酸化物を含み、その加熱硬化物の350〜700nmの波長域における光線透過率がある値以上である樹脂組成物、あるいはこのものと、550nm以下の光を吸収して他の波長を有する光を発光する蛍光物質とを含む樹脂組成物が、LED封止用硬化性樹脂組成物としてその目的に適合し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は
(1)(A)脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂、及び(B)有機過酸化物を含み、かつ加熱硬化物(厚み1mm)の350〜700nmの波長域における光線透過率が80%以上であることを特徴とするLED封止用硬化性樹脂組成物、
(2)(A)成分の脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂が、脂環式構造含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、脂環式構造含有ポリエステルアクリレート樹脂及び脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂の中から選択される少なくとも1種である上記(1)項に記載のLED封止用硬化性樹脂組成物、
(3)(B)成分の有機過酸化物が、10時間半減温度50〜100℃のものである上記(1)又は(2)項に記載のLED封止用硬化性樹脂組成物、
(4)有機過酸化物が、アルキルパーオキシエステルである上記(3)項に記載のLED封止用硬化性樹脂組成物、
(5)さらに、(C)多官能チオール化合物を含む上記(1)〜(4)項のいずれかに記載のLED封止用硬化性樹脂組成物、
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかに記載のLED封止用硬化性樹脂組成物と、(D)550nm以下の光を吸収して他の波長を有する光を発光する蛍光物質を含むことを特徴とするLED封止用硬化性樹脂組成物、及び
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかに記載のLED封止用硬化性樹脂組成物を用いて、主発光ピークが550nm以下である発光素子を被覆し、100〜180℃の温度で加熱硬化させてなるLEDパッケージ、
を提供するものである。
本発明によれば、短時間で加熱硬化して透明性に優れ、かつ黄変しにくい硬化物を与え、経時による発光輝度の低下が抑制されたLEDパッケージを与えることのできるLED封止用硬化性樹脂組成物、及びこの硬化性樹脂組成物を用いたLEDパッケージを提供することができる。
本発明のLED封止用硬化性樹脂組成物には、以下に示す2つの態様、すなわち(1)(A)脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂、及び(B)有機過酸化物を含み、かつ加熱硬化物(厚さ1mm)の350〜400nmの波長域における光線透過率が80%以上であるLED封止用硬化性樹脂組成物〔以下硬化性樹脂組成物(I)と称することがある。〕、並びに(2)前記硬化性樹脂組成物(I)と、(D)550nm以下の光を吸収して他の波長を有する光を発光する蛍光物質を含むLED封止用硬化性樹脂組成物〔以下硬化性樹脂組成物(II)と称することがある。〕がある。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)における(A)成分の脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂は、350〜700nmの波長領域において、硬化物の透明性を維持し、ラジカル重合により硬化した後に環境中の酸素、水分、ほこり等からLEDを保護する目的で使用される。
この脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂としては、脂環式構造含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、脂環式構造含有ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂を好ましく挙げることができる。
〔脂環式構造含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂〕
脂環式構造含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、脂環式構造を有するエポキシ樹脂のエポキシ基とエチレン性不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基との反応生成物で、エポキシ基の開環により2級水酸基を有している。
ここで、脂環式構造を有するエポキシ樹脂としては、例えば水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルナンジアルコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジアルコール等の脂環式アルコールとエピクロルヒドリンとの反応物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジエポキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等の脂環式構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
またエチレン性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環式構造を有するエポキシ樹脂のエポキシ基とエチレン性不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基との反応は、無溶媒または、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルイソブチルケトン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエポキシ基とカルボキシル基に対して不活性な溶媒に分散または溶解し、80〜150℃程度に加熱することにより行うことができる。
当該反応においては、経済的な時間で行うためには反応触媒を添加するのが好ましい。
反応触媒としては、3級アミン化合物、ホスフィン化合物、オニウム塩等を使用することができるが、LED封止材として用いる場合、透明性が要求されるため、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩のオニウム塩が好ましく使用される。4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、デシルテトラメチルアンモニウムクロライド等、4級ホスホニウム塩としては、テトラフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等を挙げることができる。
反応触媒の添加量は、反応速度及び硬化物強度などの点から、脂環式構造を有するエポキシ樹脂とエチレン性不飽和モノカルボン酸の総和に対して、通常0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。
脂環式構造を有するエポキシ樹脂とエチレン性不飽和モノカルボン酸の反応率は60モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。
〔脂環式構造含有ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂〕
脂環式構造含有ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂は、(イ)エチレン性不飽和モノカルボン酸、(ロ)ジオール化合物、および必要に応じ(ハ)ジカルボン酸やその酸無水物を脱水縮合反応することにより得ることができ、そしていずれかの原料に脂環式構造の化合物が用いられていればよい。
ここで、(イ)エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー等を例示することができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ロ)ジオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられるが、脂環式構造を有するものとしては、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジメタノールエチレンオキサイド付加物、シクロヘキサンジメタノールプロピレンオキサイド付加物、ノルボルナンジアルコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジアルコール等を挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ハ)ジカルボン酸やその酸無水物としては、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができるが、脂環式構造を有するものとしては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸、水素化メチルナジック酸無水物等を挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この脂環式構造含有ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂は公知の方法で合成できる。例えば(イ)エチレン性不飽和モノカルボン酸、(ロ)ジオール化合物、および必要に応じて(ハ)ジカルボン酸やその酸無水物を、ベンゼン、トルエンなどのように水を共沸させる溶媒の存在下酸触媒で脱水縮合することにより得ることができる。ここで酸触媒としてはメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等を挙げることができ、反応速度及び硬化物強度などの点から、添加量としては、原料の総和に対して、通常0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜3質量%である。
〔脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂〕
脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂は、(イ)ジオール化合物、および(ロ)ジカルボン酸やその酸無水物を脱水縮合反応することにより得ることができ、そしていずれかの原料に脂環式構造の化合物が用いられていればよい。
ここで用いられる(イ)ジオール化合物、および(ロ)ジカルボン酸やその酸無水物は、前記脂環式構造含有ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂の原料と同じものを使用できるが、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のエチレン性不飽和基を有するジカルボン酸やその酸無水物等が必須となる。本発明ではこのような化合物としてフマル酸が好適に用いられるが、一般的に使用されているように無水マレイン酸を用いて、高温でのフマル酸への転位を利用することも可能である。
当該脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸やその酸無水物との総和におけるフマル酸および/または無水マレイン酸の比率は、硬化後の機械的強度及び硬さなどの点から、10〜70モル%であることが好ましく、より好ましくは20〜70モル%である。
当該脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂は従来実施されている公知の方法で合成することが可能であるが、次のような方法で合成するのがゲル化の危険が少なくなる点で好適である。即ち、ジオール化合物とジカルボン酸やその酸無水物をジオールが過剰な状態下であらかじめ縮合を行い、十分に酸価を低下させたのち、不飽和ジカルボン酸やその酸無水物を加えて、酸価が一定になるまで縮合反応を完結させる。
反応触媒は加えても加えなくてもよいが、加えた場合は反応時間を短縮できる。反応触媒としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等のチタン系化合物、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、蓚酸第一スズ等のスズ化合物、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸塩、亜リン酸等を挙げることができるが、硬化物の光線透過率の観点より亜リン酸が特に好ましい。反応触媒の添加量は、反応温度の管理および反応速度などの点から、ジオール化合物、ジカルボン酸やその酸無水物の総和に対して0.01〜1質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)においては、(A)成分として脂環式構造含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、脂環式構造含有ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂及び脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂を、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)においては、該組成物の粘度、硬化性、硬化物の機械的強度などを調整する目的で、必要に応じ、エチレン性不飽和基含有モノマーを配合することができる。
〔エチレン性不飽和基含有モノマー〕
エチレン性不飽和基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、ビニル化合物、アリル系化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
ビニル系化合物としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル等を挙げることができる。
アリル系化合物としては、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等を挙げることができる。
本発明においては、これらエチレン性不飽和基含有モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)において、脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂と上記エチレン性不飽和基含有ノマーの比率は質量比で100:0〜30:70が好ましく、より好ましくは90:10〜40:60である。エチレン性不飽和基含有モノマーの比率が70以下であれば、硬化物が脆くなりすぎることはない。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)における(B)成分の有機過酸化物は、該組成物を熱硬化するための開始剤として使用される。
〔有機過酸化物〕
有機過酸化物は任意のものを使用でき、例えば1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等の一般的な有機過酸化物が例示できるが、合理的な硬化時間、硬化温度でLEDを封止するために、使用する有機過酸化物の10時間半減温度が50〜100℃であることが好ましく、より好ましくは60〜90℃である。この半減温度が50℃以上では有機過酸化物配合後のポットライフが適度となり、100℃以下であれば、硬化物の着色を抑制することができる。
また、当該有機過酸化物としては、硬化物の着色を効果的に抑制できる点から、上記の10時間半減温度を有し、かつアルキルパーオキシエステルが最も好ましい。
アルキルパーオキシエステルの具体例としては、tert−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(10時間半減温度:53℃)、tert−アミルパーオキシピバレート(10時間半減温度:55℃)、tert−ブチルパーオキシピバレート(10時間半減温度:58℃)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減温度:77℃)、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減温度:66℃)、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減温度:75℃)、tert−ブチルパーオキシイソブチレート(10時間半減温度:82℃)、tert−アミルパーオキシイソノナノエート(10時間半減温度:96℃)、tert−アミルパーオキシオクトエート(10時間半減温度96℃)等を挙げることができる。これらの有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機過酸化物の配合量は、硬化性及び組成物の安定性などの点から、脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂と上記エチレン性不飽和基含有モノマーの総和に対して、0.3〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)においては、該組成物表面の硬化性を改良する目的で、必要に応じ、(C)成分として多官能チオール化合物を配合することができる。
〔多官能チオール化合物〕
多官能チオール化合物は1分子中にメルカプト基を2個以上有する化合物であり、そのような化合物の具体例としては、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールトリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス(3−メルカプトプロパノイルオキシエチル)イソシアヌレート等を例示できる。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
またその配合量は、組成物の表面硬化性及び安定性などの点から、脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂と上記エチレン性不飽和基含有モノマーの総和に対して、1〜10質量%であることが好ましく、2〜7質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)においては、硬化物の黄変を抑え、経時による発光輝度の低下が抑制されたLEDパッケージを与えるために、前記(A)成分の脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂、及び必要に応じて用いられる(C)成分の多官能チオール化合物やエチレン性不飽和基含有モノマーなどの当該組成物を構成する成分は、いずれも芳香環構造を有さないものであることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)は、前記(A)脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂、(B)有機過酸化物、必要に応じて(C)多官能チオール、エチレン性不飽和基含有モノマーを含み、かつ加熱硬化して得られた厚さ1mmの硬化物の350〜700nmの波長域における光線透過率が80%以上であり、窒化物系LEDの封止に適している。350〜700nmの波長域における光線透過率が80%未満では窒化物系LEDの場合十分な輝度が得られない。
なお、350〜700nmの波長域における光線透過率が80%以上とは、350〜700nmの波長域全域にわたり、光線透過率が80%以上であることを意味する。
一方、本発明の硬化性樹脂組成物(II)は、前記の硬化性樹脂組成物(I)と、(D)550nm以下の光を吸収して他の波長を有する光を発光することが可能な蛍光物質を含む組成物である。
〔蛍光物質〕
当該蛍光物質は、窒化物系LEDから発光される550nm以下の光を波長変換して主に白色光にする目的で配合される。使用する蛍光物質は無機系、有機系のいずれのものも使用できるが、安定性の観点から無機系のものが好ましい。そのような蛍光体としてはZnS:Cu,Au,Al、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu、ZnS:Mn、ZnS:Eu、YVO4:Eu、YVO4:Ce、Y22S:Eu、及びY22S:Ceの中から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
ここで、ZnS:Cu,Au,Alとは、ZnSを母体としてCu、Au、及びAlで付活したZnS系のフォトルミネセンス蛍光体であり、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu、ZnS:Mn及びZnS:Euとは、同じくZnSを母体としてそれぞれCuとAl、Cu、Mn、及びEuで付活したフォトルミネセンス蛍光体である。同様に、YVO4:Eu及びYVO4:CeはYVO4を母体としてそれぞれEu及びCeで付活した蛍光体であり、Y22S:Eu及びY22S:CeはY22を母体としてそれぞれEu及びCeで付活した蛍光体である。これらの蛍光体は、550nm以下の光に対して吸収スペクトルを有し、励起波長よりも波長の長い光を発光する。上記蛍光体の中でも、ZnS:Eu、YVO4:Ce及びY22S:Ceは、550nm以下の励起光に対する発光波長がその他の蛍光体と比較して長いため、即ち、これらの蛍光体からの発光色はより赤色系であって、その結果、これらの蛍光体から発せられる光と一次光源である発光素子からの光との混合により得られる光はより白色に近い色となる。このように、より白色に近い発光色を得るためには、ZnS:Eu、YVO4:Ce及びY22S:Ceの中から選ばれる少なくとも1種を蛍光体として選択することが好ましい。また、CaS:Euを蛍光体として使用することもできる。かかる蛍光体によれば赤色系の蛍光が得られる。更には、特許第2927279号明細書にあるように、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体を使用することにより白色光にすることができる。セリウムの付活を省略することもできる。YAG系蛍光体において、イットリウムの一部あるいは全体を、Lu、Sc、La、Gd及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素に置換し、あるいは、アルミニウムの一部あるいは全体を、GaとInの何れかまたは両方で置換することができる。更に詳しくは、(RE1-xSmx)3(AlyGa1-y512:Ce(但し、0≦x<1、0≦y≦1、REは、Y、Gdから選択される少なくとも1種)である。
当該蛍光物質は、(A)脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂、(B)有機過酸化物、必要に応じて(C)多官能チオール、エチレン性不飽和基含有モノマーの総和に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%配合することにより目的を達成することができる。0.1質量%以上であると窒化物系LEDから発生する光を十分に波長変換することができ、5質量%以下であると良好な輝度が得られる。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)には、必要に応じて無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、組成物の流動性の防止、材料の高強度化に効果がある。無機フィラーとしては光学特性を低下させない、微粒子状のものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウム等を挙げることができる。
フィラーを添加する方法としては、例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシドを本発明の硬化性樹脂組成物に添加して、該組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応させ、組成物中で無機フィラーを生成させる方法も挙げることができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)の特性を改質する目的で、種々の樹脂を添加することも可能である。樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、エポキシ樹脂、シアナート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。これらのうち、透明性が高く接着性等の実用特性に優れるという観点から、透明エポキシ樹脂が好ましい。透明エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)の特性を改質する目的で、カルボジイミド化合物を添加することができる。カルボジイミドの好ましい構造としては、特に制限はなく市販のカルボジイミド化合物を使用することが出来るが、好ましくは分子内に2つ以上のカルボジイミド基を持つポリカルボジイミド化合物を使用する。
さらに、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
なお、カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基などから選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)には、LED特性改善のための添加剤を添加してもよい。添加剤としては例えば、特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカや、石英ガラス等の酸化ケイ素、メラミン樹脂、CTU(3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)グアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のような各種無機あるいは有機拡散材、ガラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラー等を挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物(I)及び(II)を硬化させる方法としては、該組成物を遠心、減圧、加圧等により脱泡処理した後に、加熱硬化する方法などが挙げられる。
硬化温度としては種々設定でき、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよいが、本発明で使用する有機過酸化物の好ましい10時間半減温度が50〜100℃であることより、硬化温度は100〜180℃の範囲が好ましい。硬化温度が上記の範囲にあれば、硬化時間が長すぎることがなく、良好な生産性を有し、かつ硬化物の着色も少ない。より好ましくい硬化温度は110〜170℃である。
硬化時間は、生産性及び未硬化物の存在を抑える点から、10分ないし4時間が好ましく、30分ないし3時間がより好ましい。また、熱硬化する際の雰囲気は、空気、不活性ガスあるいは減圧下のいずれであっても構わない。
次に、本発明のLEDパッケージについて説明する。
〔LEDパッケージ〕
本発明のLEDパッケージは、前述の本発明の硬化性樹脂組成物(I)又は(II)を用いて、主発光ピークが550nm以下の発光素子を被覆し、100〜180℃の温度で加熱硬化することにより得られるLEDパッケージである。
この場合発光素子とは、主発光ピークが550nm以下であれば特に限定なく従来公知のLEDに用いられる発光素子を用いることができるが、特にGaN、InGaN等の窒化物系LEDが好ましい。このような発光素子としては、例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法などの各種方法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作製したものが挙げられる。この場合の基板としては、各種材料を用いることができるが、例えばサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成でき、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイアを用いることが好ましい。
発光素子には従来知られている方法によって電極を形成することができる。発光素子上の電極は種々の方法でリード端子等と電気接続できる。電気接続部材としては、発光素子の電極とのオーミック性機械的接続性等が良いものが好ましく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金等を用いたボンディングワイヤーが挙げられる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これらのうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミニウム線あるいは金線を用いることが好ましい。
本発明のLEDパッケージに用いられるリード端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましく、リード端子の電気抵抗としては、300μΩ−cm以下が好ましく、より好ましくは3μΩ−cm以下である。これらのリード端子材料としては、例えば、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅や、これらに銀、ニッケル等をメッキしたもの等が挙げられる。これらのリード端子は良好な光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
本発明のLEDパッケージは、前述の硬化性樹脂組成物(I)又は(II)によって発光素子を被覆後、加熱硬化することによって製造することができる。この場合被覆とは、上記発光素子を直接封止するものに限らず、間接的に被覆する場合も含む。具体的には、発光素子を本発明の硬化性樹脂組成物(I)又は(II)で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよいし、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂やガラスで発光素子を封止した後に、その上あるいは周囲を本発明の硬化性樹脂組成物(I)又は(II)で被覆してもよい。また、発光素子を本発明の硬化性樹脂組成物(I)又は(II)で封止した後、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等でモールディングしてもよい。以上のような方法によって屈折率や比重の差によりレンズ効果等の種々の効果をもたせることも可能である。
封止の方法としても各種方法を適用することができる。例えば、底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ凹部等に液状の硬化性樹脂組成物(I)又は(II)をディスペンサーその他の方法にて注入して前記加熱条件で硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の硬化性樹脂組成物(I)又は(II)を加熱する等して流動させ同様にパッケージ凹部等に注入してさらに加熱する等して硬化させてもよい。この場合のパッケージは種々の材料を用いて作製することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂等を挙げることができる。また、モールド型枠中に硬化性樹脂組成物(I)又は(II)をあらかじめ注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後硬化させる方法も適用することができるし、発光素子を挿入した型枠中にディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等により硬化性樹脂組成物(I)又は(II)による封止層を成形、硬化させてもよい。さらに、単に液状または流動状態とした硬化性樹脂組成物(I)又は(II)を発光素子上に滴下あるいはコーティングして硬化させてもよい。あるいは、発光素子上に孔版印刷、スクリーン印刷、あるいはマスクを介して塗布すること等により硬化性樹脂組成物(I)又は(II)を成形させて硬化させることもできる。その他、あらかじめ板状、あるいはレンズ形状等に部分硬化あるいは硬化させた硬化性樹脂組成物(I)又は(II)を発光素子上に固定する方法によってもよい。さらには、発光素子をリード端子やパッケージに固定するダイボンド剤として用いることもできるし、発光素子上のパッシベーション膜として用いることもできる。また、パッケージ基板として用いることもできる。
被覆部分の形状も特に限定されず種々の形状をとることができる。例えば、レンズ形状、板状、薄膜状、特開平6−244458号公報記載の形状等が挙げられる。これらの形状は硬化性樹脂組成物(I)又は(II)を成形硬化させることによって形成してもよいし、硬化性樹脂組成物(I)又は(II)を硬化した後に後加工により形成してもよい。
本発明のLEDパッケージは、種々のタイプとすることができ、例えば、ランプタイプ、SMDタイプ、チップタイプ等いずれのタイプでもよい。SMDタイプ、チップタイプのパッケージ基板としては、種々のものが用いられ、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、セラミック等が挙げられる。
本発明のLEDパッケージは従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、例えばバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られたLEDパッケージは、以下に示す方法で光強度変化を測定することにより評価した。
<LEDパッケージの評価>
各例で得られたLEDパッケージを常温下各々30mA、1000時間通電し、通電前後の350〜700nmの波長域における光強度を分光照度計(ウシオ電機株式会社製「USR−30D」)にて測定し、下記の式に従って相対強度を求め、評価した。
相対強度(%)=100×(1000時間通電後の光強度)/(通電直後の光強度)
製造例1 エポキシアクリレート「EP−1」の製造
温度計、攪拌装置、分溜コンデンサー、ガス導入管を取付けた1リットルのフラスコに、下記の構造を有する ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート 436.8g(1.20モル)、メタクリル酸206.4g(2.4モル)、オクチル酸クロム1.5g、亜燐酸0.15g、及び、ハイドロキノン0.2gを加え、窒素ガスを吹き込みながら120〜125℃で2時間反応を行った。酸価8.5mgKOH/gとなった段階で、フラスコ内樹脂を金属製バットに注入し、冷却固化させたところ微黄色の樹脂が得られた。この樹脂を「EP−1」とする。
Figure 2006332262
製造例2 ポリエステルアクリレート「PA−1」の製造
温度計、攪拌装置、分溜コンデンサー、ガス導入管を取付けた1リットルのフラスコに、水素化ビスフェノールA120g(0.5モル)、アジピン酸146g(0.1モル)、アクリル酸57.6g(0.8モル)、トルエン300g、亜燐酸0.15g、p−トルエンスルホン酸5g、及び、ハイドロキノン0.1gを加え、100℃で5時間反応を行った。蒸留水を用いて5回洗浄し、減圧乾燥したところ無色の樹脂が得られた。この樹脂を「PA−1」とする。
製造例3 不飽和ポリエステル樹脂「PE−1」の製造
温度計、攪拌装置、分溜コンデンサー、ガス導入管を取付けた1リットルのフラスコに、1,4−シクロヘキサンジメタノール173.4g(1.2モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸206.4g(1.2モル)、水素化ビスフェノールA192g(0.8モル)、及び、亜燐酸3.0gを加え220℃で3時間エステル化反応を行った。次に温度を170℃まで下げ、フマル酸92.8g(0.8モル)を追加し、更に温度170℃〜180℃でエステル化反応を4時間続け、酸価20mgKOH/gとなった段階で金属製バットに注入し、冷却したところ無色透明な樹脂が得られた。この樹脂を「PE−1」とする。
実施例1
(1)硬化性樹脂組成物の調製
脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂として製造例1で得たエポキシアクリレート「EP−1」50.0質量部、エチレン性不飽和基含有モノマーとしてエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート[共栄社化学株式会社製、商品名「ライトアクリレートTMP−3EO−A」]20.0質量部とジメチロールトリシクロデカンジアクリレート[共栄社化学株式会社製、商品名「ライトアクリレートDCP−A」]15.0質量部とイソボルニルアクリレート[共栄社化学株式会社製、商品名「ライトアクリレートIB−XA」]10.0質量部、多官能チオールとしてトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)[淀化学株式会社製、商品名「TMTP」]5.0質量部、及び有機過酸化物として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン[アトフィナ吉富株式会社製、商品名「ルパゾール231」、10時間半減温度:96℃]2.0質量部を含有する硬化性樹脂組成物を調整した。
(2)熱硬化物の作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を厚さ1mmのスペーサーを挟んだガラス板の間に流し込み、140℃で60分間加熱することで硬化を行い樹脂板を得た。
熱硬化して得られた樹脂板について350、400、550、700nmにおける光線透過率を分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−1650PC」)を用いて測定した。結果を配合組成と共に第1表に示す。
(3)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を砲弾型LED用の金型に注ぎ、リード線を付した460nmに発光ピーク波長を有するGaN系LEDを埋め込み、140℃、60分間加熱硬化することによりLEDパッケージを得た。このLEDパッケージの発光ピーク波長は460nmであった。また、同様に、該硬化性樹脂組成物を砲弾型LED用の金型に注ぎ、リード線を付した410nmに発光ピーク波長を有するGaN系LEDを埋め込み、140℃、60分間加熱硬化することによりLEDパッケージを得た。このLEDパッケージの発光ピーク波長は410nmであった。
これらのLEDパッケージについて、光強度変化(相対強度)を求めた。その結果を第2表に示す。
実施例2
(1)硬化性樹脂組成物の調製
実施例1(1)において、有機過酸化物としてtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート[日本油脂株式会社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減温度:77℃]1.0質量部を用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)熱硬化物の作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を用い、実施例1(2)と同様にして、熱硬化物を作製し、光線透過率を測定した。結果を配合組成と共に第1表に示す。
(3)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を用い、実施例1(3)と同様にして、発光ピーク波長が460nmのLEDパッケージ及び発光ピーク波長が410nmのLEDパッケージを作製し、それぞれの光強度変化(相対強度)を求めた。結果を第2表に示す。
実施例3
(1)硬化性樹脂組成物の調製
脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂として製造例2で得たポリエステルアクリレート「PA−1」60.0質量部、エチレン性不飽和基含有モノマーとしてエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(前出)15.0質量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(前出)15.0質量部とイソボルニルアクリレート(前出)7.0質量部、多官能チオールとしてトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(前出)3.0質量部、及び有機過酸化物としてtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(前出)1.0質量部を含有する硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)熱硬化物の作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を用い、実施例1(2)と同様にして、熱硬化物を作製し、光線透過率を測定した。結果を配合組成と共に第1表に示す。
(3)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を用い、実施例1(3)と同様にして、発光ピーク波長が460nmのLEDパッケージ及び発光ピーク波長が410nmのLEDパッケージを作製し、それぞれの光強度変化(相対強度)を求めた。結果を第2表に示す。
実施例4
(1)硬化性樹脂組成物の調製
脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂として製造例3で得た不飽和ポリエステル樹脂「PE−1」50.0質量部、エチレン性不飽和基含有モノマーとしてエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(前出)15.0質量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(前出)15.0質量部とトリメチロールプロパンジアリルエーテル[ダイソー株式会社製、商品名「ネオアリルT−20」]15.0質量部、多官能チオールとしてトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(前出)5.0質量部、及び有機過酸化物としてtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(前出)1.5質量部を含有する硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)熱硬化物の作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を用い、実施例1(2)と同様にして、熱硬化物を作製し、光線透過率を測定した。結果を配合組成と共に第1表に示す。
(3)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を用い、実施例1(3)と同様にして、発光ピーク波長が460nmのLEDパッケージ及び発光ピーク波長が410nmのLEDパッケージを作製し、それぞれの光強度変化(相対強度)を求めた。結果を第2表に示す。
Figure 2006332262
(注)
*1:エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、共栄社化学株式会社製
*2:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、共栄社化学株式会社製
*3:イソボルニルアクリレート、共栄社化学株式会社製
*4:トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ダイソー株式会社製
*5:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、淀化学株式会社製
*6:1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアトフィナ吉富株式会社製
*7:tert−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート 日本油脂株式会社製
Figure 2006332262
比較例1
水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂[ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「エピコートYX8000」、エポキシ当量205]50.0質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「エピコート1001」、エポキシ当量475]20.0質量部、硬化剤として無水メチルヘキサヒドロフタル酸[新日本理化株式会社製、商品名「リカシッドMH−700」]30.0質量部及び硬化触媒としてテトラ−n−ブチルホスニウムO,O−ジエチルホスホロジチオネート[日本化学工業株式会社製、商品名「ヒシコーリンPX−4ET」]1.0質量部を含有する硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)熱硬化物の作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を、厚さ1mmのスペーサーを挟んだガラス板に流し込み、140℃で4時間加熱することで硬化を行い樹脂板を作成し、実施例1(2)と同様にして光線透過率を測定した。結果を配合組成と共に第3表に表す。
(4)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物を用い、硬化条件を140℃、4時間に変えた以外は、実施例1(3)と同様にして、発光ピーク波長が460nmのLEDパッケージ及び発光ピーク波長が410nmのLEDパッケージを作製し、それぞれの光強度変化(相対強度)を求めた。その結果を第3表に示す。
Figure 2006332262
(注)
*8:水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量205、ジャパンエポキシレジン株式会社製
*9:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量475、ジャポンエポキシレジン株式会社製
*10:無水メチルヘキサヒドロフタル酸、新日本理化株式会社製
*11:テトラ−n−ブチルホスホニウムO,O−ジエチルホスホロジチオネート、日本化学工業株式会社製
実施例5
(1)無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物の調製
実施例1(1)において、有機過酸化物としてn−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート[アトフィナ吉富株式会社製、商品名「ルパゾール230」、10時間半減温度:109℃]2.0質量部を用いた以外は、実施例1(1)と同様にして硬化性樹脂組成物を得たのち、これに無機蛍光体として(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce3+[株式会社ルミナス製、商品名「YAG−02」、ピーク蛍光波長560nm]0.5質量部を加え、無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物を砲弾型LED用の金型に注ぎ、リード線を付した460nmに発光ピーク波長を有するGaN系LEDを埋め込み、140℃、60分間加熱硬化することによりLEDパッケージを得た。このLEDパッケージの発光ピーク波長は560nmであった。
このLEDパッケージについて、光強度変化(相対強度)を求めた。その結果を配合組成と共に第4表に示す。
実施例6〜8
(1)無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物の調製
実施例2(1)、実施例3(1)及び実施例4(1)において、それぞれ有機過酸化物として1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート[日本油脂株式会社製、商品名「パーオクタO」、10時間半減温度:66℃]を1.0質量部、1.0質量部及び1.5質量部用いた以外は、実施例2(1)、実施例3(1)及び実施例4(1)と同様にして硬化性樹脂組成物をそれぞれ得たのち、これに無機蛍光体として(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce3+(前出)0.5質量部を加え、各無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた各無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物を砲弾型LED用の金型に注ぎ、リード線を付した460nmに発光ピーク波長を有するGaN系LEDを埋め込み、140℃、60分間加熱硬化することにより各LEDパッケージを得た。各LEDパッケージの発光ピーク波長は560nmであった。
各LEDパッケージについて、光強度変化(相対強度)を求めた。その結果を配合組成と共に第4表に示す。
Figure 2006332262
(注)
*12:n−ブチルー4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、アトフィナ吉富株式会社製
*13:1,1,1,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、日本油脂株式会社製
*14:(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce3+、ピーク蛍光波長560nm、株式会社ルミナス製
比較例2
(1)無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物の調製
比較例1(1)と同様にして得られた硬化性樹脂組成物に、無機蛍光体として(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce3+(前出)0.5質量部を加え、無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)LEDパッケージの作製
上記(1)で得られた無機蛍光体含有硬化性樹脂組成物を砲弾型LED用の金型に注ぎ、リード線を付した460nmに発光ピーク波長を有するGaN系LEDを埋め込み、140℃、4時間加熱硬化することによりLEDパッケージを得た。このLEDパッケージの発光ピーク波長は560nmであった。
このLEDパッケージについて、光強度変化(相対強度)を求めた。その結果を配合組成と共に第5表に示す。
Figure 2006332262
本発明のLED封止用硬化性樹脂組成物は、短時間で加熱硬化して透明性に優れ、かつ黄変しにくい硬化物を与え、経時による発光輝度の低下が抑制されたLEDパッケージを与えることができる。

Claims (7)

  1. (A)脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂、及び(B)有機過酸化物を含み、かつ加熱硬化物(厚み1mm)の350〜700nmの波長域における光線透過率が80%以上であることを特徴とするLED封止用硬化性樹脂組成物。
  2. (A)成分の脂環式構造とエチレン性不飽和基を有する樹脂が、脂環式構造含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、脂環式構造含有ポリエステルアクリレート樹脂及び脂環式構造含有不飽和ポリエステル樹脂の中から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のLED封止用硬化性樹脂組成物。
  3. (B)成分の有機過酸化物が、10時間半減温度50〜100℃のものである請求項1又は2に記載のLED封止用硬化性樹脂組成物。
  4. 有機過酸化物が、アルキルパーオキシエステルである請求項3に記載のLED封止用硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、(C)多官能チオール化合物を含む請求項1〜4のいずれかに記載のLED封止用硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のLED封止用硬化性樹脂組成物と、(D)550nm以下の光を吸収して他の波長を有する光を発光する蛍光物質を含むことを特徴とするLED封止用硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のLED封止用硬化性樹脂組成物を用いて、主発光ピークが550nm以下である発光素子を被覆し、100〜180℃の温度で加熱硬化させてなるLEDパッケージ。

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