JP2013084702A - 半導体発光装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リフレクターパッケージ基材2と、リフレクターパッケージ基材2の凹状空間に実装された半導体発光素子1と、半導体発光素子1を封止した極性基含有アクリル系樹脂を含む封止材3とを具備する半導体発光装置10であって、封止材3の出光面が曲面状に凹んでおり、その凹んだ出光面の曲率半径が、該出光面の平面視における直径もしくは短辺の長さの1.8倍〜4.5倍に設定される。
【選択図】図1
Description
そこで、本発明は、半導体発光装置における封止材の光学的な特性に着目し、適切に集光された狭い照射領域を実現する配光性を有し、しかも製造効率のよい成形方法を採用することができる半導体発光装置及びその製造方法の提供を目的とする。
(1)リフレクターパッケージ基材と、該リフレクターパッケージ基材の凹状空間に実装された半導体発光素子と、該半導体発光素子を封止した極性基含有アクリル系樹脂を含む封止材とを具備する半導体発光装置であって、
該封止材の出光面が曲面状に凹んでおり、その凹んだ出光面の曲率半径が、該出光面の平面視における直径もしくは短辺の長さの1.8倍〜4.5倍に設定された半導体発光装置。
(2)前記封止材が、リフレクターパッケージ基材の凹状空間に極性基含有アクリル系モノマーを含む封止剤を付与し、該アクリル系モノマーを硬化させてアクリル系樹脂として賦形したものである(1)に記載の半導体発光装置。
(3)前記極性基がヒドロキシル基、オリゴエチレングリコール基、イソシアヌル酸誘導基である(1)又は(2)に記載の半導体発光装置。
(4)前記リフレクターパッケージの電極部の表面が銀を含む(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
(5)前記封止材の80%以上が有機成分である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
(6)前記アクリル系樹脂がイソシアヌル酸アクリレート誘導体を硬化させた樹脂を50質量%以上含むことを特徴とした(1)〜(5)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
(7)前記硬化前のアクリル系樹脂をなすモノマーのアクリル基もしくはメタクリル基の比率が、該モノマーを含む封止剤の総質量に対して、4mmol/g以上6.5mmol/g未満である組成液の硬化物である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
(8)前記アクリル基もしくはメタクリル基の比率が5.3mmol/g以上6.3mmol/g未満である組成液の硬化物である(7)に記載の半導体発光装置。
(9)リフレクターパッケージの凹状空間に半導体発光素子を実装し、該半導体発光素子を埋設するよう前記凹状空間に極性基含有アクリル系モノマーを含む封止剤を付与し、次いで、該封止剤を硬化させて封止材とするに当たり、前記封止剤の硬化による体積収縮により、その滴下面を部分的に降下させ、該滴下面を前記封止材の凹んだ出光面として賦形する半導体発光装置の製造方法。
(10)前記アクリル系モノマーとして、下記式1で表される化合物を用いる(9)に記載の半導体発光装置の製造方法。
図2は本発明の好ましい実施形態に係る半導体発光装置を模式的に示した装置説明図である。基本的なデバイス構成は図1に示した一般的なものと同様であり、半導体発光素子1、リフレクターパッケージ基材2、封止材3、電極4、ボンディングワイヤ6、ダイボンド剤8をもつ、半導体発光装置10として構成されている。ただし、ここで説明する光学的な特徴を図示する都合上、リフレクターパッケージ基材2、封止材3、素子1以外は図示を省略している。また、図示の都合上、若干図1と異なる断面形態のものとして描写している。なお、装置の上下は特に制限されないが、必要により、出光面3a側を「上」ないし「天」の側として表示し、素子1の側を「下」ないし「底」の側として表示する。ただし、本発明がこの説明及び図示した形態のデバイスにより限定して解釈されるものではない。
リフレクターパッケージとしては電極が一体成型されているもの、及びパッケージを成型した後にメッキなどにより回路配線として電極を設けたものを用いることができる。また、実装方式としてトップビュー、サイドビューなど任意の実装方式に対応したパッケージを用いることができる。
リフレクターパッケージ基材の素材としては、前記の耐熱性、封止材との密着性、反射率、電気絶縁性、また耐熱性としては硬化時の形状維持の観点と使用時の反射率維持の観点から、適切な素材が選択されることが好ましい。具体的にはアルミナなどのセラミックス、ポリフタルアミドなどの樹脂に酸化チタンなどの白色顔料を混合した素材などが選択されることが好ましい。リフレクターパッケージの形状としては、前記の閉じ込められた光を適切な配光になるように反射するよう、すり鉢形状が好ましく選択される。また、リフレクターパッケージに含まれる反射部は電極を兼ね備えることができ、反射率の高い銀を表面に有することが好ましい。パッケージの成形法としては、前記電極を予め金型内に設置して行うインサート成形、射出成形、押出成形、トランスファ成型などを用いることができる
本発明においては、封止材の出光面の平面視における直径もしくは短辺の長さの1.8倍〜4.5倍に設定されており、2.0倍〜3.7倍であることが好ましく、2.2倍〜2.5倍であることがより好ましい。この曲率半径を上記上限値以下とすることで、該配光性をより狭くすることができる。一方、上記下限値以上とすることで、クラックの発生を抑制することできる。
本発明の封止材は、リフレクターパッケージ基材の凹状空間に前記極性基含有アクリル系モノマーを付与し、該アクリル系モノマーを硬化させて賦形したものであることが好ましい。極性基を含有することでモノマーが比較的低分子であっても硬化時における揮発を抑制することができるため、前記の適切な凹み形状を形成することができる。なお、硬化中に該モノマーが揮発してしまう場合、再現良く目的の凹み形状を形成することができない。本明細書において極性基とは、電気的に分極された官能基を言い、具体的には電気陰性度の大きい酸素、窒素、硫黄などの元素を含む官能基が含まれる。
式(A)中のRa1、Ra2、Ra3は、それぞれ独立に、結合手、水素原子、水酸基を含有する基、炭素数1〜10のアルコキシ基を含有する基、炭素数6〜24のアリールオキシ基を含有する基、又は下記式(II)で表されるアシルオキシ基を含有する基を表す。ただし、Ra1、Ra2、及びRa3の少なくとも1つは結合手である。また、式(A)で表される1ユニットあたりRa1、Ra2、及びRa3の少なくとも平均0.5個以上が水酸基を含有する基である。なお、式(II)は下記式(1)と同義である。ここで、・・・を含有する基とは、当該置換基のほか、その置換基を含有する置換基を含む意味である。例えば、水酸基を含有する基とはヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアリール基等のほか、水酸基(ヒドロキシ基)そのものであってもよい。
前記硬化前のアクリル系樹脂は、その粘度が800mPas以上20,000mPas未満であることが好ましく、1,000mPas以上10,000mPas未満であることがより好ましい。このような粘度領域とすることで、優れたポッティング適性を発揮し、目的とする凹状出光面の封止材が得られる点で好ましい。
本発明の半導体発光装置の封止材を形成する封止剤については、イソシアヌレート構造を有する特定のアクリレート化合物(以下、特定イソシアヌレート化合物ということがある。)を特定濃度含有させ、必要により複数のものを特定の混合比で含有させてなることが好ましい。以下、本発明の好ましい実施形態についてさらに詳細に説明する。
本発明においては、下記式(1)で表される特定イソシアヌレート化合物を用いることが好ましい。
式(1)中のR1、R2、R3は、それぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数6〜24のアリール基、下記式(I)で表されるアクリロイルオキシ基、又は下記式(II)で表されるアシルオキシ基を表す。Laは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。ただし、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは前記アクリロイルオキシ基である。
式(II)で表されるアシルオキシ基としては、式中R12がアルキル基の場合、直鎖のアルキル基、分岐のアルキル基、環状アルキル基が上げられるが、中でも、炭素数3〜10の直鎖のアルキル基、炭素数6〜10の分岐のアルキル基、炭素数6〜10の環状アルキル基が好ましい。
式(II)中のR12がアリール基の場合、アリール基としては、単環でも複環でもよいが、中でもフェニル基が好ましい。
前記アルキル基及びアリール基はさらに置換基を伴っていてもよく、その例としては後記置換基Tが挙げられる。
本発明の封止剤においては、上記式(1)で表される化合物の濃度は、封止剤の有機成分全量に対して80質量%超であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。上限は特になく、重合開始剤を除いて言うと実質的に100質量%程度であることが特に好ましい。ここで実質的にとしたのは、トルエンなどの残溶媒が、0〜10質量%程度の割合で混入してしまうことがあり、本発明の効果を損ねない範囲でそのような不可避混入物の存在を許容するものである。あるいは、封止剤の粘度を下げる必要がある場合などには、必要量の添加剤を付与してもよい。また、封止剤は、必須成分に加え後記重合禁止剤など必要に応じて任意成分を含んでもよいが、無溶媒で用いることが好ましい。このように無溶媒でありながら十分な流動性と好適な粘性を有するため、半導体発光素子の封止剤の成形性に優れる。とりわけポッティングによる成形に効果的に対応することができ、モールド成形などと比し、大幅な製造効率の改善にも資するものである。なお、封止剤の有機成分とは炭素原子を含む化合物からなる成分をさすが、炭素原子を含んでいても蛍光体は含まない意味である。その他、厳密には水や無機塩などの微量成分も除く意味である。
(粘度の測定法)
本発明においては、特に断らない限り、後記実施例で採用した方法によるものとする。
前記式(1)で表される特定イソシアヌレート化合物は、下記式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表されるものであることが好ましい。本明細書では、この式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表される化合物の総称としてイソシアヌレート化合物[A]と呼ぶ。
式中、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立に、水素又はメチル基である。R7は、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、および式(II)で表されるアシルオキシ基の何れか1種以上である。Laは式(1)と同義である。
Laは式(1)と同義である。
式(1−2)で表される化合物が65質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
式(1−3)で表される化合物が0質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
本実施形態の封止剤には、重合開始剤を含有させる。
なかでもラジカル重合開始剤を配合することが挙げられる。
熱によって開裂して開始ラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド及びメチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びm−トルイルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン及び2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、α−クミルペルオキシネオジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオジカーボネート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−アミルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート及びジブチルペルオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(1,1−ブチルシクロヘキサオキシジカーボネート)、ジイソプロピルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート及び1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボキシ)ヘキサンなどのパーオキシカーボネート類;1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン及び(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートなどが挙げられる。
アゾ系(AIBN等)の重合開始剤として使用するアゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等が挙げられる(特開2010−189471など参照)。
このようなラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔IRGACURE651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔IRGACURE184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔DAROCUR1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔IRGACURE2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン〔IRGACURE127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン〔IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1〔IRGACURE369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モノホリニル)フェニル]−1−ブタノン〔IRGACURE379、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド〔DAROCUR TPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〔IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム〔IRGACURE784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]〔IRGACURE OXE 01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)〔IRGACURE OXE 02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕などを挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも好ましくは、パーオキサイド化合物が挙げられ、パーブチルO(t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、日油(株)社製)などを用いることができる。
重合開始剤の含有量は特に限定されないが、0.1〜5質量%で適用することが好ましい。
本実施形態の封止剤には、重合禁止剤を添加してもよい。前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン類;銅類等を用いることができる。
重合禁止剤の含有量は特に限定されないが、0〜20000ppm、好ましくは100〜10000ppm、更に好ましくは300〜8000ppmで添加することが好ましい。重合禁止剤の添加量が少なすぎると、封止硬化時に、急激に発熱を生じながら重合が起こるため、リフレクターパッケージ基材との密着性が低下し、熱衝撃を与えた際に、封止材/基材界面で剥離が生じやすくなる。一方、重合禁止剤の添加量が多すぎると、大気下で封止剤を硬化する際、硬化速度を著しく低下させ、表面硬化不良を引き起こす。
本実施形態においては、封止剤100質量部に対し蛍光体1〜40質量部を配合してなることが好ましく、2質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上20質量部以下であることが特に好ましい。蛍光体としては、この種のデバイスに通常用いられるものを適用すればよいが、例えば、代表的な黄色蛍光体として、一般式A3B50O12:M(式中、成分Aは、Y,Gd,Tb,La,Lu,Se及びSmからなるグループの少なくとも1つの元素を有し、成分Bは、Al,Ga及びInからなるグループの少なくとも一つの元素を有し、成分MはCe,Pr,Eu,Cr,Nd及びErからなるグループの少なくとも一つの元素を有する。)のガーネットのグループからなる蛍光体粒子を含有するのが特に有利である。青色光を放射する発光ダイオードチップを備えた白色光を放射する発光ダイオード素子用に蛍光体として、Y3Al5O12:Ce蛍光体及び/又は(Y,Gd,Tb)3(Al,Ga)5O12:Ce蛍光体が適している。その他の蛍光体として、例えば、CaGa2S4:Ce3+及びSrGa2S4:Ce3+、YAlO3:Ce3+、YGaO3:Ce3+、Y(Al,Ga)O3:Ce3+、Y2SiO5:Ce3+等が挙げられる(特開2011−144360など参照)。また、混合色光を作製するためには、これらの蛍光体の他に希土類でドープされたアルミン酸塩や希土類でドープされたオルトケイ酸塩などが適している。この種の蛍光体を硬化性組成物100質量部に対して1〜50質量部配合することで、青色に発光する素子を用いたとき、その発光色を白色に変換することができる。
本実施形態の封止剤には必要に応じて酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、チオエーテル酸化防止剤、ビタミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
本実施形態の封止剤には、前記の酸化防止剤の他に、必要に応じて、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、無機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分などを配合することができる。滑剤としては、高級ジカルボン酸金属塩及び高級カルボン酸エステル等を使用することができる。
酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分としては、シラン化合物のメタクリオキシ基やアクリロキシ基を含むシランカップリング剤などが挙げられる。これを上記原料組成物に含有させ、重合、成形しても良い。
封止剤の封止方式としては通常半導体発光素子の封止で用いられている手法や一般的な熱硬化性樹脂の成形と同様の方法を用いることができる。例えば、ポッティング(ディスペンス)、印刷、コーティング、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形及びインサート成形などが挙げられる。ポッティングとは、パッケージのキャビティ(凹状空間)の内部に前記封止剤を吐出して内部を埋める操作を表す。また、印刷とはマスクを用いて目的の部位に封止剤を配置する操作を表し、目的に応じて周囲の圧力を減圧するいわゆる真空印刷の方式も採用できる。コーティングは各種のコーティング方式を採用することができ、例えばダム材と呼ばれる封止剤を留める堰を予め作製しておき、その内側に封止剤をコーティングする方法も採用できる。また、各種モールド成形においてはモールドの内側に封止剤を充填しそのまま熱硬化する方法が挙げられる。また、封止後の硬化は熱硬化、UV硬化などやそれらを組み合わせて用いることができる。
本発明の好ましい実施形態における半導体発光装置は、上記の液状の封止剤で封止しそれを硬化することによって作製した封止材を具備してなる。封止剤の封止方式としてはポッティングと呼ばれる封止方式が好ましい。また、封止後の硬化は熱硬化、UV硬化などやそれらを組み合わせて用いることができる。
半導体発光素子としては、窒化ガリウム(GaN)系半導体からなる青色発光のLEDチップや、紫外発光のLEDチップ、レーザダイオードなどが用いられる。その他、例えば、MOCVD法等によって基板上にInN、AlN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体を発光層として形成させたものも使用できる。フェースアップ実装される半導体発光素子や、フリップチップ実装される半導体発光素子のいずれも使用することができる。半導体発光素子は、同一平面上にn側電極とp側電極を持つ半導体発光素子の例であるが、一方の面にn側電極、反対の面にp側電極を持つ半導体発光素子も使用することができる。
パッケージとしては電極が一体成型されているもの、及びパッケージを成型した後にメッキなどにより回路配線として電極を設けたものを用いることができる。パッケージの形状としては、円柱、楕円柱、立方体、直方体、直方体と楕円柱の間の形状やこれらの組み合わせなど任意の形状を採用することができる。内壁部の形状は底部に対して任意の角度を選択でき底面に対して直角になる箱型形状や鈍角になるすり鉢形状を選択することができる。凹部の底の形状は平面状や凹み形状などの任意の形状が選択できる。また、実装方式としてトップビュー、サイドビューなど任意の実装方式に対応したパッケージを用いることができる。
パッケージを構成する素材としては、耐光性、耐熱性に優れた電気絶縁性のものが好適に用いられ、例えばポリフタルアミドなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ガラスエポキシ、セラミックスなどを用いることができる。また、半導体発光素子からの光を効率よく反射させるためにこれらの樹脂に酸化チタンなどの白色顔料などを混合させることができる。パッケージの成形法としては、前記電極を予め金型内に設置して行うインサート成形、射出成形、押出成形、トランスファ成型などを用いることができる。
電極は、半導体発光素子と電気的に接続され、例えば、パッケージにインサートされた板状の電極や、ガラスエポキシやセラミックなどの基板に形成された導電パターンであってよい。電極の材質は、銀若しくは銀を含有した合金の他、銅や鉄などを主成分とする電極の一部上に銀若しくは銀を含有した合金がメッキされているものを用いることができる。
封止部材は、蛍光物質及び光拡散材などを含有してもよい。蛍光物質としては、半導体発光素子からの光を吸収して蛍光を発することにより波長を変換するものであればよく、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体または酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体、又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくとも1以上であることが好ましい。より好ましくは、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce、(Ca,Sr,Ba)2SiO4:Eu、(Ca,Sr)2Si5N8:Eu、CaAlSiN3:Euなどが使用される。
半導体発光装置は従来の試験方法において評価することができる。例えば電気特性、光特性、温度特性、熱特性、寿命、信頼性、安全性などが挙げられる。手法としては、例えば書籍『LED照明ハンドブック LED照明推進協議会編 株式会社オーム社発行』の第2章71ページから84ページに記載の手法や基準を採用することができる。
半導体発光装置は、光度の維持が要求される各種用途、例えば液晶ディスプレイ、携帯電話または情報端末等のバックライト、LEDディスプレイ、フラッシュライト、及び屋内外照明などに利用することができる。また、本発明で用いられるアクリル系封止材は、LEDやレーザダイオードのよう
発光素子だけでなく、受光素子、LSIやICなど半導体発光素子以外の半導体発光素子の封止にも利用することができる
M215(商品名:東亞合成株式会社製)の2官能モノマーのカラム精製品(下記式a参照)100質量部と重合開始剤パーブチルO(商品名:日本油脂株式会社製)1質量部とを混合して封止剤を調製した。重合禁止剤に関しては、4-メトキシフェノール(東京化成工業製、以後MEHQ)をカラム精製時の混合量との合計で2400ppmになるように調製した。
青色LEDのB2424DCI0(商品名:ジェネライツ製)が実装されたリフレクターパッケージ基材KD−LA9R48(商品名:京セラ株式会社製)の中心に開口直径2640μm、深さ550μm程度凹んだ部分(キャビティー)が形成されており、そこに上記封止剤をポッティングした。このときポッティングする量は硬化後の封止材中心部がパッケージ基材上端から170μm凹む深さになる量に調整した。それを送風オーブンにて80℃30min、130℃30min、150℃5hrで硬化することで封止材を形成した半導体発光装置を得た(各昇温レートは3℃/minとした)。
前記封止材の深さを220μm凹ませるように量を調整すること以外は実施例1と同様に行った。
前記封止材の深さを280μm凹ませるように量を調整すること以外は実施例1と同様に行った。
前記封止材の深さを330μm凹ませるように量を調整すること以外は実施例1と同様に行った。
前記、実施例1で使用した2官能モノマー70質量部に加え、同様にカラム精製により得た3官能モノマー(化式b)30質量部と重合開始剤パーブチル1質量部とを混合して封止剤を調製した。これを用い、封止材の深さを210μm凹ませるように量を調整すること以外は実施例1と同様に行った。
前記、実施例1で使用したモノマーの代わりに2.2 Bis〔4-(Methacryloxy
Ethoxy〕Phenyl〕Propane(EO2.3mol/分子)(以後MEPP;新中村化学工業製)を混合して調製した封止剤を用い、封止材の深さを250μm凹ませるように量を調整すること以外は実施例1と同様に行った。
前記封止材の深さを50μm凹ませるように量を調整すること以外は実施例1と同様に行った。
(比較例2)
前記封止材の高さを120μm膨らませるようにキャビティを超え盛って封止を行うこと以外は実施例1と同様に行った。
前記液状封止剤を100質量部のトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(以後A-DCP:新中村化学工業製)と1質量部のパーブチルにすること以外は実施例2と同様に行った。ただし、揮発によって硬化後の封止材の量・形状を制御することができないため、ポッティングの量を実施例2と同程度にした。
前記封止液を90質量部の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(以後HDA:東京化成工業社)と10質量部のビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ホスフェート(P2M(共栄社化学株式会社)と1質量部のパーブチルにすること以外は実施例2と同様に行った。ただし、揮発によって硬化後の封止材の量・形状を制御することができないため、ポッティングの量を実施例2と同程度にした。
前記封止材をペルノックス製エポキシ系封止材(ペルノックス562とペルキュア562を等量ずつ混合した液、以後P562)にすること以外は実施例1と同様に行った。ただし、硬化後の液の高さを60μm膨らませるようにキャビティを超え盛って封止を行った。
前記封止材の深さをそれぞれ−160μm、−220μm、−320μmに凹ませるように量を調整すること以外は比較例5と同様に行った。
前記封止剤を次の縮合型シリコーン系封止剤を用いること以外は実施例2と同様に行った。縮合型シリコーン系封止材は両末端ヒドロキシル基ポリジメチルシロキサン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製XF3905、粘度700mm2/s)84.8gにテトラエトキシシラン(東京化成工業株式会社製、Tetraethyl Orthosilicate)15.2g+ジルコニウムアセチルアセトナート溶液(マツモトファインケミカル製ZC−700)を1質量%混合し、前記リフレクターパッケージにポッティングを行い、85℃4hr+150℃4hr加熱することで、硬化させた。なお、重合禁止剤MEHQは混合しなかった。
硬化されたデバイスを光学顕微鏡で観察してクラックの有無を確認した。クラックがなかった場合「A」、端部にパッケージ直径の1/5未満の小さなクラックが入っていた場合は「B」、それ以上の大きなクラックが入っていた場合は「C」とした。
硬化後の形状をレーザー顕微鏡で測定して幾何学的に計算することで凹み部の曲率半径を求めた。具体的には封止・硬化を行ったリフレクターパッケージについて、形状測定レーザー顕微鏡(キーエンス製VK−9500)を用いてパッケージ上面から見た封止材の形状を測定した。パッケージ全面の測定を行い画像連結を行った後、VK
Analyzerにより、パッケージの中心(チップが実装されている部分)を通るように直交した2本のライン上の封止材形状を解析した。データをテキストデータとして出力を行い、エクセル上でノイズを取り除いた後、封止材の形状に沿うような円を描画し、その円の半径を封止材凹み部の曲率半径とした。なお、完全に一致できなかった場合、封止材とパッケージの界面、封止材の中心部をできるだけ円に沿うように描画を行った。なお、封止材が凸形状の場合は数値化を行わなかった。また、曲率半径がパッケージ直径の10倍以上の場合、十分に平らであると判断し、数値としては10を用いることとした。
前記半導体発光装置を配光測定装置(RADIANT IMAGING社製、IS−LI)を用いて配光分布を測定した。空間の発光分布を測定した後で、チップ中心を通るように直交した2本のライン上の配光分布を解析した。データをテキストデータとして出力を行い、発光量が最大である正面発光量に対して半分の発光量になる角度を半値角として求めた。半値角度が狭いほど配光性はシャープに集光されており、導光板への導入率を高めることができるため、好ましい。具体的には半値角が50°未満であることが求められる。
評価は以下のようにして区別して示した。
AA:49°未満
A :49°以上50°未満
B :50°以上51°未満
C :51°以上
また、前方方向に放射される発光量を定量するために、正面を0°とした場合の±30°の方向への発光強度を積算して求めた。この値は大きいほど、導光板などへの光導入量が高まるので好ましい。
評価はいかのようにして区別して示した。
AA:0.65以上
A :0.61以上0.65未満
B :0.58以上0.61未満
C :0.58未満
各種封止剤において開始剤(パーブチルオキサイド、もしくはZC−700)を除いた液を調整し、それをアルミパンに20mg±2mgで分注し、3℃/分の昇温速度で、80℃60min+130℃60minで加熱し、その時の重量減少を解析する。重量減少量が元の10質量%以上の場合は揮発性が問題になると判断し、「C」と記載しそれ未満を「A」とした。
各封止剤に関して、総量におけるアクリル基、メタクリル基の比率を計算によって求めた。
25cm×25cm×35cm程度の密閉缶を準備し、そこに0.5gずつ硫黄粉末を分注したPFA製小型シャーレを5つ、均等にならべ、その上に約10cmの距離が空くように脚を付けた網板を取り付けた。封止・硬化を行った各種のパッケージをn=3ずつその網の隙間からパッケージが下向きに覗くように並べ、その状態で密閉缶の蓋をした。密閉缶を予め80°に設定しておいたオーブンに入れ、48時間反応させた。この時、硫黄粉末を熱することで硫黄原子が連なった化合物がガス状に放出される。この硫黄ガスがリフレクターパッケージの銀を硫化して黒変させ、発光量が低下する。黒変が観察された場合に「C」、確認できなかった場合は「A」とした。
前記ガスバリア性評価を行った半導体発光装置を、前記配光性評価と同様にして配光を測定することで、配光性の安定性(変化しない度合い)を評価した。
評価は以下のようにして区別して示した。
A :ガスバリア性試験前後の半値角の変化が2°未満
C :ガスバリア性試験前後の半値角の変化が2°以上
振動式粘度計、VISCOMATE MODEL VM-10A-MH(商品名:CBC株式会社製))で100秒ごとに5回粘度を測定した値の平均を測定値とした。測定温度は室温の25℃とした。
A:700mPa・s以上
C:700mPa・s未満
これにより、本発明によれば、半導体発光素子の封止材に求められる要求性能を高いレベルで満足し、その上で良好な適切に集光された狭い照射領域を安定的に実現する配光性を有し、しかも製造効率のよい成形方法を採用することができる。
2 リフレクターパッケージ基材
3 封止材
3a 出光面
3b 仮想平面
4 電極
6 ボンディングワイヤ
8 ダイボンド剤
10 半導体発光装置(Optical Semiconductor Device)
Claims (12)
- リフレクターパッケージ基材と、該リフレクターパッケージ基材の凹状空間に実装された半導体発光素子と、該半導体発光素子を封止した極性基含有アクリル系樹脂を含む封止材とを具備する半導体発光装置であって、
該封止材の出光面が曲面状に凹んでおり、その凹んだ出光面の曲率半径が、該出光面の平面視における直径もしくは短辺の長さの1.8倍〜4.5倍に設定された半導体発光装置。 - 前記封止材が、リフレクターパッケージ基材の凹状空間に極性基含有アクリル系モノマーを含む封止剤を付与し、該アクリル系モノマーを硬化させてアクリル系樹脂として賦形したものである請求項1に記載の半導体発光装置。
- 前記極性基がヒドロキシル基、オリゴエチレングリコール基、イソシアヌル酸誘導基である請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
- 前記リフレクターパッケージの電極部の表面が銀を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
- 前記封止材の80%以上が有機成分である請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
- 前記アクリル系樹脂がイソシアヌル酸アクリレート誘導体を硬化させた樹脂を50質量%以上含むことを特徴とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
- 前記硬化前のアクリル系樹脂をなすモノマーのアクリル基もしくはメタクリル基の比率が、該モノマーを含む封止剤の総質量に対して、4mmol/g以上6.5mmol/g未満である組成液の硬化物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
- 前記アクリル基もしくはメタクリル基の比率が5.3mmol/g以上6.3mmol/g未満である組成液の硬化物である請求項7に記載の半導体発光装置。
- リフレクターパッケージの凹状空間に半導体発光素子を実装し、該半導体発光素子を埋設するよう前記凹状空間に極性基含有アクリル系モノマーを含む封止剤を付与し、次いで、該封止剤を硬化させて封止材とするに当たり、前記封止剤の硬化による体積収縮により、その滴下面を部分的に降下させ、該滴下面を前記封止材の凹んだ出光面として賦形する半導体発光装置の製造方法。
- 前記アクリル系モノマーとして、下記式1で表される化合物を用いる請求項9に記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記極性基含有モノマーを含む封止剤は、その粘度が800mPas以上20,000mPas未満である請求項9又は10に記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記硬化前のアクリル系モノマーについて以下の試験を行った際の揮発量が10質量%未満である請求項9〜11のいずれか1項に記載の半導体発光装置の製造方法。
(TG/DTAにおいて5mgを3℃/分の昇温速度で、80℃60min+130℃60minで加熱し、そのときの重量減少を解析する。)
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