JP5960021B2 - 半導体発光装置用封止剤、これを用いた半導体発光装置用封止材及び半導体発光装置 - Google Patents

半導体発光装置用封止剤、これを用いた半導体発光装置用封止材及び半導体発光装置 Download PDF

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Description

本発明は半導体発光装置用封止剤、これを用いた半導体発光装置用封止材及び半導体発光装置に関する。
半導体発光装置は、白熱灯や蛍光灯に代わる次世代の光源として期待されており、国内外で出力向上等の技術開発が活発に進められている。その適用範囲も多岐に渡っており、屋内照明のみならず、液晶表示装置のバックライトとしてもその利用が広がっている。特に、近年、省エネへの意識の高まりを受けて、消費電力の低い半導体発光装置に注目が集まっており、各企業や研究機関がLED照明の技術開発を加速している。
半導体発光装置の種類を構造別にみると、砲弾型、表面実装型(SMD)、チップオンボード(COB)等が挙げられる。図1は表面実装型の1例を挙げたものである。この例では、セラミックや樹脂などで成型したリフレクターパッケージ基材2の中にLEDチップ1を実装している。この素子は電極4、ボンディングワイヤ6、導電性接着剤4を介して外部から電気が供給される。そのキャビティ(凹状空間)Wは蛍光体を分散させたエポキシやシリコーンなどの樹脂(封止材)3で封止されている。キャビティ内側の面には反射板の機能を付与してあり、多くの光を取り出せる構造とされている。
上記の構造からも分かるとおり、半導体発光装置には、従来の白熱電球や蛍光灯とは異なる構造及び部材が必要であり、その開発は未だ十分になされているとはいえない。上述した封止材についても同様であり、現在エポキシ系もしくはシリコーン系の樹脂が主流であるが、さらなる性能向上のための開発検討、材料探索が求められている。例えば、特許文献1には脂環式炭化水素をもつアクリル系化合物を用いた半導体発光装置の樹脂原料組成物が開示されている。
国際公開公報2006/051803号パンフレット
本発明は、半導体発光装置用途において要求される透明性及び耐熱性に優れ、製造時における好気下での硬化性が良好な半導体発光装置用封止剤、これを用いた半導体発光装置の封止材及び半導体発光装置の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕下記式(i)で表されるイソシアヌレート化合物αを含んでなる半導体発光装置用封止剤。
Figure 0005960021
(式中、A〜Aはそれぞれ水素原子または置換基を表し、そのうち少なくとも一つは下記式(ii)の構造を有する。)
Figure 0005960021
(式中、Xは、単結合、エステル基、またはエーテル基を表す。Y、Yはそれぞれ炭素数1以上4以下のアルキレン基または単結合を表す。ただし、Y、Yがアルキレン基であるときヒドロキシル基により置換されていてもよい。R11、R12はそれぞれ置換基を表し、少なくとも一方はアクリロイル基を含む置換基を表す。*は結合手を表す。)
〔2〕式(i)において、A〜Aのうち少なくとも二つが式(ii)で表される基である〔1〕に記載の半導体発光装置用封止剤。
〔3〕式(i)において、A〜Aのすべてが式(ii)で表される基である〔1〕に記載の半導体発光装置用封止剤。
〔4〕式(ii)において、R11、R12がそれぞれ下記式(iii)で表される〔1〕〜〔3〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤。
Figure 0005960021
(式中、R13は水素原子またはメチル基を表す。*は結合手を表す。)
〔5〕式(ii)において、Xがエステル基であり、Y、Yがともにエチレン基である〔1〕〜〔4〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤。
〔6〕前記A 〜A が前記式(ii)で表される構造でないとき、下記式(iia)で表される構造である〔1〕または〔2〕に記載の半導体発光装置用封止剤。
Figure 0005960021
(式中A 10 は水素原子、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、複素環基、アシルオキシ基、又はアルコキシ基を表す。L は連結基又は単結合である。)
7〕前記式(ii)の−Y−X−Y−において、その連結に関与する原子の数(連結原子数)が1以上10以下である〔1〕〜〔6〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤
〔8〕式(i)で表される化合物が、下記式(iv−a)、(iv−b)、または(iv−c)で表される化合物である〔1〕〜〔〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤。
Figure 0005960021
(式中、R14は水素原子またはメチル基を表す。A11、A12はそれぞれ、水酸基含有基、カルボキシル基含有基、アシルオキシ基含有基、又はアルコキシ基含有基である。
9〕さらに、下記式(1)で表されるイソシアヌレート化合物βを含む〔1〕〜〔8〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤。
Figure 0005960021
(式中、R、R、Rは置換基である。ただし、R〜Rのうち少なくとも1つはアクリロイルオキシ基を含む。)
〔10〕イソシアヌレート化合物βが下記式(2)で表される化合物である〔9〕に記載の半導体発光装置用封止剤。
Figure 0005960021
(式中のR、R、Rは、それぞれ、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数6〜24のアリール基、下記式(I)で表されるアクリロイルオキシ基、又は下記式(II)で表されるアシルオキシ基を表す。Lは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表す。ただし、R、R、及びRの少なくとも1つはアクリロイルオキシ基である。)
Figure 0005960021
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。*は結合手を表す。)
Figure 0005960021
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜24のアリール基を表す。*は結合手を表す。)
〔11〕イソシアヌレート化合物αまたはこれとイソシアヌレート化合物βとを樹脂組成物中の有機硬化成分に対し80質量%以上含む〔9〕または〔10〕に記載の半導体発光装置用封止剤。
〔12〕式(1)で表されるイソシアヌレート化合物が下記式(4)で表される水酸基含有イソシアヌレート化合物を含む〔9〕〜〔11〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤。
Figure 0005960021
(Rは、水素原子またはメチル基である。R10は、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびアシルオキシ基のいずれか1種である。)
〔13〕さらに、封止剤の有機硬化成分100質量部に対し蛍光体1〜40質量部を配合してなる〔1〕〜〔12〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤。
〔14〕〔1〕〜〔13〕のいずれか1に記載の半導体発光装置用封止剤を硬化してなる半導体発光装置用封止材。
〔15〕〔14〕に記載の封止材と封止材で封止された半導体発光素子とを具備する半導体発光装置。
〔16〕下記式で表されるイソシアヌレート化合物γ
Figure 0005960021
Figure 0005960021
Figure 0005960021
Figure 0005960021
〔17〕〔16〕に記載されたイソシアヌレート化合物γと、下記式(1)で表されるイソシアヌレート化合物βとを含む組成物。
Figure 0005960021
(式中、R、R、Rは置換基である。ただし、R〜Rのうち少なくとも1つはアクリロイルオキシ基を含む。)
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい意味である。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、特に断らなくても、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本発明の封止剤は、半導体発光素子を封止した封止材もしくはこれを具備する半導体発光装置としたときに、透明性及び耐熱性に優れ、さらに製造時における好気下での硬化性が良好である。
本発明の半導体発光装置の一例を模式的に示した断面図である。 実施例で合成した例示化合物(化1)のNMRスペクトルである。
本発明の半導体発光装置用封止剤は、イソシアヌレート構造部を複数有する化合物(以下、イソシアヌレート化合物αということがある。)を含有してなる。以下、本発明について、その好ましい実施態様を中心に詳細に説明する。
[イソシアヌレート化合物α]
本発明の半導体発光装置用封止剤は、下記式(i)で表されるイソシアヌレート化合物αを含んでなる。
Figure 0005960021
・A〜A
式中、A〜Aはそれぞれ水素原子または置換基を表し、そのうち少なくとも一つは下記式(ii)の構造を有する。A〜Aが下記式(ii)で表される置換基でないとき、後記置換基Tの例が挙げられ、中でも、水酸基含有基(好ましくは炭素数0〜6)、カルボキシル基含有基(好ましくは炭素数2〜12)、アシルオキシ基含有基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシ基含有基(好ましくは炭素数2〜12)が挙げられる。アシルオキシ基としては後記式(II)が好ましい。当該A〜Aで式(ii)以外の基は下記式(iia)で表されることが好ましい。
Figure 0005960021
・A10
式中A10は水素原子、水酸基、カルボキシル基、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、複素環基(炭素数1〜6の非芳香族複素環基が好ましく、オキセタン基またはエポキシ基がより好ましい)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜12)、又はアルコキシ基(好ましくは炭素数2〜12)である。
・L
は連結基又は単結合である。連結基としては、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。ただし、このアルキレン基は置換基Tを有していてもよく、あるいは酸素原子、硫黄原子、イミノ基(好ましくは炭素数0〜4)、カルボニル基を介在していてもよい。
Figure 0005960021
・X
式(ii)中、Xは、単結合、エステル基(−C(=O)O−)、またはエーテル基(−O−)を表す。Xがエステル基であるときその向きは特に限定されないが、Y側にカルボニル基がくる向きが好ましい。Xは中でも、エステル基であることが好ましい。
・Y、Y
、Yはそれぞれ炭素数1以上4以下でヒドロキシル基により置換されていてもよいアルキレン基または単結合を表す。Y、Yは、なかでも、両者ともにエチレン基である化合物が好ましい。
−Y−X−Y−の連結基(以下、連結基Lという)は上記の原子群で構成されていることが好ましいが、その連結原子数は10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。下限としては、1以上であり、2以上が好ましい。上記連結原子数とは所定の構造部間を結ぶ経路に位置し連結に関与する最少の原子数を言う。たとえば、−CH−C(=O)−O−の場合、連結原子数は3となる。
・R11、R12
11、R12はそれぞれ置換基を表し、少なくとも一方はアクリロイル基を含む置換基を表す。本明細書においてアクリロイル基とは、α位の炭素原子に付加した元素が水素原子のアクリロイル基のほか、α位にメチル基やシアノ基などの任意の基が置換したものを含む意味である。なかでも、α位が水素原子のアクリロイル基、α位がメチル基のメタクリロイル基が好ましい。
本発明においては、前記式(i)において、A〜Aのうち少なくとも二つが前記式(ii)で表されるものが好ましい。あるいは、前記式(i)において、A〜Aのすべてが前記式(ii)で表される基であるものも好ましい。
また、前記式(ii)において、R11、R12がアクリロイル基を含む置換基であるとき、下記式(iii)で表される置換基であることが好ましい。
Figure 0005960021
(式中、R13は水素原子またはメチル基を表す。*は結合手を表す。)
前記式(i)で表される化合物が、下記式(iv−a)、(iv−b)、または(iv−c)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 0005960021
・R14
式中、R14は水素原子またはメチル基を表す。
・A11,A12
11,A12はそれぞれ置換基である。なかでも好ましくは、前記式(iia)で表される基である。
イソシアヌレート化合物の具体例としては下記のもの(イソシアヌレート化合物γ)が挙げられるが、本発明がこれによって限定して解釈されるものではない。
Figure 0005960021
Figure 0005960021
Figure 0005960021
Figure 0005960021
[イソシアヌレート化合物β]
本発明においては、さらに下記式(1)で表される特定イソシアヌレート化合物βを併用することも好ましい。
Figure 0005960021
式中、R、R、Rは置換基である。ただし、R〜Rのうち少なくとも1つは(メタ)アクリロイルオキシ基を含む。ここで、式(1)で表される化合物は、前記式(i)で表されるか化合物を含まないことが好ましい。
前記式(1)で表される化合物は下記式(2)で表されるものであることが好ましい。
Figure 0005960021
・R、R、R
式中のR、R、Rは、それぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数6〜24のアリール基、下記式(I)で表されるアクリロイルオキシ基、又は下記式(II)で表されるアシルオキシ基を表す。Lは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表す。ただし、R、R、及びRの少なくとも1つは前記アクリロイルオキシ基である。
Figure 0005960021
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。*は結合手を表す。
Figure 0005960021
式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜24のアリール基を表す。*は結合手を表す。
〜Rにおいて、そこに含まれるアルキル基としては直鎖のアルキル基、分岐のアルキル基、環状アルキル基のいずれでもよい。R〜Rがアリール基を含む場合、そのアリール基としては、単環でも複環でもよい。前記アルキル基及びアリール基はさらに置換基を伴っていてもよく、その例としては後記置換基Tが挙げられる。
は単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であるが、中でもエチレン基又はイソプロピレン基(N−CH−CH(CH)−Rの向き:RはR、R、又はR)が好ましく、エチレン基がより好ましい。Laは直鎖でも分岐でもよく、さらに置換基を伴ってもよい。当該置換基としては後記置換基Tの例が挙げられる。なお、Lがアルキレン基のときにはヘテロ連結基(酸素原子、硫黄原子、炭素数0〜3のイミノ基等)が介在していてもよい。
前記イソシアヌレート化合物は水酸基を有していることも好ましい。この場合、具体的に式(1)で表されるアクリレート化合物においては、R、R、Rの少なくとも1つが水酸基であることが好ましい。
前記水酸基含有イソシアヌレート化合物としては、以下式(4)で表されるものが好ましい。
Figure 0005960021
・R、R10
は、水素原子またはメチル基である。R10は、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、式(I)で表されるアクリロイルオキシ基、および式(II)で表されるアシルオキシ基のいずれか1種である。R10について中でも好ましくは、式(I)で表されるアクリロイルオキシ基である。
前記式(1)で表されるイソシアヌレート化合物100質量%のうち、その5〜100質量%が水酸基をもつイソシアヌレート化合物であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
[封止剤の成分組成]
本発明の封止剤においては、上記イソシアヌレート化合物(イソシアヌレート構造を有する化合物の総称。イソシアヌレート化合物α(γを含む)及びβを含む。)の濃度は、封止剤の有機硬化成分全量に対して70質量%超であり、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。上限は特になく、実質的に100質量%程度であることが特に好ましい。ここで実質的にとしたのは、トルエンなどの残溶媒が、0〜10質量%程度の割合で混入してしまうことがあり、本発明の効果を損ねない範囲でそのような不可避混入物の存在を許容するものである。あるいは、封止剤の粘度を下げる必要がある場合などには、必要量の添加剤を付与してもよい。また、本発明の封止剤は、必須成分に加え後記重合禁止剤など必要に応じて任意成分を含んでもよいが、溶媒量が10%以下であることが好ましく、無溶媒で用いることが好ましい。このように無溶媒もしくは少量の溶媒でありながら十分な流動性と好適な粘性を有するため、半導体発光素子の封止剤の成形性に優れる。とりわけポッティングによる成形に効果的に対応することができ、モールド成形などと比し、大幅な製造効率の改善にも資するものである。なお、封止剤の有機硬化成分とは炭素原子を含む化合物からなる硬化成分(重合等により直接硬化に寄与する成分)をさすが、炭素原子を含んでいても蛍光体や重合開始剤、トルエンなどの有機溶媒は含まない意味である。その他、厳密に対比する必要がある場合には、水や無機塩などの微量成分も除く意味である。
本発明の封止剤において、イソシアヌレート化合物α(γを含む)とイソシアヌレート化合物βの比率は特に限定されないが、イソシアヌレート化合物α100質量部に対して、イソシアヌレート化合物βを50質量部以上で配合することが好ましく、100質量部以上で配合することがより好ましい。上限としては、1900質量部以下で配合することが好ましく、900質量部以下で配合することがより好ましい。イソシアヌレート化合物βは使用しなくても所望の効果を発揮させることができるが、これを含有させることで、粘度調整(使用時のハンドリング性の向上)でき好ましい。
封止剤の粘度は特に限定されないが、ポッティング性および蛍光体安定分散性の観点で、0.1〜100Pa.sが好ましく、0.5〜20Pa・sがより好ましく、1.0〜10Pa・sが更に好ましい。本発明において粘度は特に断らない限り、振動式粘度計(セコニック社製、VM−100A(商品名))を用いて測定した方法で測定した値を言う(測定温度25℃)。
本発明の封止剤は、その酸価が0.10mgKOH/g以下であることが好ましく、0.05mgKOH/g以下であることがより好ましく、0.02mgKOH/g以下であることが特に好ましい。上記上限値以下とすることで耐熱着色性がよりいっそう向上するという利点があり好ましい。下限値は特に限定されないが、0.001mgKOH/g以上であることが実際的である。封止剤の酸価の調節方法は特に限定されないが、活性炭やシリカ等の吸着剤と本発明のイソシアヌレート化合物とを混ぜ合わせ、静置した後、ろ過により吸着剤を除去することにより、イソシアヌレート化合物の酸価を低下させることができる。
なお、本明細書において「化合物」という語を末尾に付して呼ぶときには、当該化合物そのものに加え、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の形態で修飾された誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基ないし連結基については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、ヒドロキシル基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
上記イソシアヌレート化合物は定法により合成すればよく、特にその合成方法は限定されない。その市販品等の情報は、例えば、特開2003−213159号公報を参照することができる。
[重合開始剤]
本発明の封止剤には、重合開始剤を含有させることが好ましい。
なかでもラジカル重合開始剤を配合することが挙げられる。
熱によって開裂して開始ラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド及びメチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びm−トルイルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセンなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン及び2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、α−クミルペルオキシネオジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオジカーボネート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−アミルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート及びジブチルペルオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(1,1−ブチルシクロヘキサオキシジカーボネート)、ジイソプロピルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート及び1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボキシ)ヘキサンなどのパーオキシカーボネート類;1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン及び(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートなどが挙げられる。
アゾ系(AIBN等)の重合開始剤として使用するアゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等が挙げられる(特開2010−189471など参照)。
ラジカル重合開始剤として、上記の熱ラジカル重合開始剤の他に、光、電子線又は放射線で開始ラジカルを生成するラジカル重合開始剤を用いることができる。
このようなラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔IRGACURE651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔IRGACURE184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔DAROCUR1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔IRGACURE2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン〔IRGACURE127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン〔IRGACURE907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1〔IRGACURE369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モノホリニル)フェニル]−1−ブタノン〔IRGACURE379、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド〔DAROCUR TPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド〔IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム〔IRGACURE784、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]〔IRGACURE OXE 01、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)〔IRGACURE OXE 02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕などを挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも好ましくは、パーオキサイド化合物が挙げられ、パーブチルO(t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、日油(株)社製)などを用いることができる。
重合開始剤の含有量は先に述べた量で適用することが好ましい。
重合開始剤の量は特に限定されないが、有機硬化成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上2.0質量部以下であることがより好ましい。上記下限値以上とすることで重合反応を良好に開始させることができる。一方、上記上限値以下とすることで、上記特定イソシアヌレート化合物を適用したことによる封止剤の優れた効果を十分に引き出すことができ好ましい。
[重合禁止剤]
本発明の封止剤には、重合禁止剤を添加してもよい。前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン類;銅類等を用いることができる。
重合禁止剤の含有量は特に限定されないが、有機硬化成分1部に対して0〜20000ppm(質量部基準)、好ましくは100〜10000ppm、更に好ましくは300〜8000ppmで添加することが好ましい。
[蛍光体]
本発明においては、封止剤の有機硬化成分100質量部に対し蛍光体1〜40質量部を配合してなることが好ましく、2質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上20質量部以下であることが特に好ましい。蛍光体としては、半導体発光素子からの光を吸収して蛍光を発することにより波長を変換するものであればよく、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体または酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体、又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくとも1以上であることが好ましい。より好ましくは、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、(Ca,Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr)Si:Eu、CaAlSiN:Euなどが使用される。
[酸化防止剤]
本発明の封止剤には必要に応じて酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、チオエーテル酸化防止剤、ビタミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、Irganox1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox1330(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox3114(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、Irganox3125(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、アデカスタブAO−20(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−50(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−60(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−80(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−30(株式会社ADEKA、商標)、アデカスタブAO−40(株式会社ADEKA、商標)、BHT(武田薬品工業(株)製、商標)、Cyanox1790(サイアナミド社製、商標)、SumilizerGP(住友化学(株)製、商標)、SumilizerGM(住友化学(株)製、商標)、SumilizerGS(住友化学(株)製、商標)及び、SumilizerGA−80(住友化学(株)製、商標)などの市販品を挙げることができる。
リン系化合物としてはIRAGAFOS168(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS12(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS38(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS P−EPQ(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、IRAGAFOS126(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標)、ADKSTAB 329K(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB PEP−36(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB PEP−8(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB HP−10(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 2112(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 260(株式会社ADEKA、商標)、ADKSTAB 522A(株式会社ADEKA、商標)、Weston 618(GE社製、商標)、Weston 619G(GE社製、商標)、及びWeston 624(GE社製、商標)などの市販品を挙げることができる。
イオウ系酸化防止剤としては、DSTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、DLTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、DLTOIB〔吉富(株)製、商標〕、DMTP(ヨシトミ)〔吉富(株)製、商標〕、Seenox 412S〔シプロ化成(株)製、商標〕、Cyanox 1212(サイアナミド社製、商標)及びTP−D、TPS、TPM、TPL−R[住友化学(株)製、商標]等の市販品を挙げることができる。ビタミン系酸化防止剤としては、トコフェロール〔エーザイ(株)製、商標〕及びIrganoxE201〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クマロン−6−オール〕などの市販品を挙げることができる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、アデカスタブAO−412S(株式会社ADEKA製、商標)、アデカスタブAO−503(株式会社ADEKA製、商標)などの市販品を挙げることができる。ラクトン系酸化防止剤としては、特開平7−233160号公報及び特開平7−247278号公報に記載されているものを使用することができる。また、HP−136〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標、化合物名;5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン〕などの市販品を挙げることができる。
アミン系酸化防止剤としては、IrgastabFS042〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商標〕及びGENOX EP〔クロンプトン社製、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド〕などの市販品を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、封止剤(樹脂材料)の透明性、黄変性の低下を抑制する観点から、前記有機硬化成分の合計量100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜2質量部である。
[光安定剤等]
本発明の封止剤には、前記の酸化防止剤の他に、必要に応じて、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、無機充填剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分などを配合することができる。滑剤としては、高級ジカルボン酸金属塩及び高級カルボン酸エステル等を使用することができる。
光安定剤としては、公知のものを使用することができるが、好ましくはヒンダードアミン系光安定剤である。ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ADKSTAB LA−77、同LA−57、同LA−52、同LA−62、同LA−67、同LA−68、同LA−63、同LA−94、同LA−94、同LA−82及び同LA−87〔以上、株式会社ADEKA製〕、Tinuvin123、同144、同440及び同662、Chimassorb2020、同119、同944〔以上、CSC社製〕、Hostavin N30(Hoechst社製)、Cyasorb UV−3346、同UV−3526(以上、Cytec社製)、Uval 299(GLC)及びSanduvorPR−31(Clariant)などを挙げることができる。これらの光安定剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
光安定剤の使用量は、前記有機硬化成分の合計量100質量部に対して、通常、0.005〜5質量部であり、好ましくは0.02〜2質量部である。
酸化チタンや酸化ケイ素などの無機化合物との密着性改良を目的とした成分としては、シラン化合物のメタクリオキシ基やアクリロキシ基を含むシランカップリング剤などが挙げられる。これを上記封止剤に含有させ、重合、成形してもよい。
[半導体発光装置]
(封止方式)
封止剤の封止方式としては通常半導体発光素子の封止で用いられている手法や一般的な熱硬化性樹脂の成形と同様の方法を用いることができる。例えば、ポッティング(ディスペンス)、印刷、コーティング、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形及びインサート成形などが挙げられる。ポッティングとは、パッケージのキャビティ(凹状空間)の内部に前記封止剤を吐出して内部を埋める操作を表す。また、印刷とはマスクを用いて目的の部位に封止剤を配置する操作を表し、目的に応じて周囲の圧力を減圧するいわゆる真空印刷の方式も採用できる。コーティングは各種のコーティング方式を採用することができ、例えばダム材と呼ばれる封止剤を留める堰を予め作製しておき、その内側に封止剤をコーティングする方法も採用できる。また、各種モールド成形においてはモールドの内側に封止剤を充填しそのまま熱硬化する方法が挙げられる。また、封止後の硬化は熱硬化、UV硬化などやそれらを組み合わせて用いることができる。
本発明の好ましい実施形態における半導体発光装置は、上記の封止剤を硬化することによって作製した封止材を具備してなる。硬化方法としては通常の熱硬化性樹脂の成形と同様の方法を用いることができる。例えば、上記の封止剤(原料組成物)又はその予備重合物を用い、これらの液状樹脂の射出成形、圧縮成形、トランスファー成形及びインサート成形などで、重合・成形する方法が挙げられる。また、ポッティング加工やコーティング加工で成形体を得ることもできる。さらに、例えばUV硬化成形など光硬化樹脂の成形と同様の方法によっても成形体を得ることができる。
本実施形態の半導体発光装置ないしその部材は、液状樹脂成形法により製造されることが好ましい。液状樹脂成形法としては、常温で液状の封止剤又はその予備重合物を高温の金型に圧入して加熱硬化させる液状樹脂射出成形、液状の封止剤を金型に入れ、プレスによって加圧し、硬化させる圧縮成形、加温した液状の封止剤に圧力をかけて金型に圧入することにより封止剤を硬化させるトランスファー成形などが挙げられる。
本発明の封止剤は上述のように適度な流動性ないし粘性を有するため、ポッティングに用いることが好ましい。
ここでポッティングについて説明する。ポッティングとは、前記リフレクターパッケージ基材のキャビティ(凹状空間)W(図1)の内部に前記封止液を吐出して内部を埋める操作を表す。硬化プロセスはポッティング後に封止液を充填されたリフレクタパッケージ(リフレクタパッケージ基材のほか、素子、ボンディングワイヤ、電極を含むパッケージ)をオーブンなどの一般的な加熱装置に入れて硬化できるため、システムとしてはディスペンサと加熱装置だけの非常に単純な構成で済む。また、金型やマスクを必要としないため、デバイスの形状などの変更の際にも迅速かつ安価に対応することが可能であり、汎用性の高い封止方式といえる。更に、コンプレッションモールド成形やトランスファーモールド成形などのモールド成形方式においては金型に対する離型性の悪さ、封止液の廃棄率の高さ、粘度の制限などが問題であるが、ポッティング方式ではこれらの問題がない。
液の吐出方式としては、スクリュータイプなどのメカニカルなディスペンス方式、エアパルス式ディスペンス、非接触ジェット式ディスペンスなどが挙げられる。ポッティング装置であるディスペンサとしては、例えば具体的には武蔵エンジニアリング社、サンエイテック社などから出されている装置が使用される。
ポッティングで使用できる封止液としては常温で液体である必要があり、粘度としてはおよそ1mPa・s〜1000Pa・sの液を使用することが好ましい。
本発明に係る前記下記式(i)で表されるイソシアヌレート化合物およびこれを含む組成物は、ここで述べる半導体発光装置用封止剤以外に対しても有用性を有する。例えば、透明耐熱性が必要とされるハードコート層、光学接着剤、レンズ最良などに好適に用いることができる。
(半導体発光素子)
半導体発光素子としては、窒化ガリウム(GaN)系半導体からなる青色発光のLEDチップや、紫外発光のLEDチップ、レーザダイオードなどが用いられる。その他、例えば、MOCVD法等によって基板上にInN、AlN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体を発光層として形成させたものも使用できる。フェースアップ実装される半導体発光素子や、フリップチップ実装される半導体発光素子のいずれも使用することができる。半導体発光素子は、同一平面上にn側電極とp側電極を持つ半導体発光素子の例であるが、一方の面にn側電極、反対の面にp側電極を持つ半導体発光素子も使用することができる。
(パッケージ)
パッケージとしては電極が一体成型されているもの、及びパッケージを成型した後にメッキなどにより回路配線として電極を設けたものを用いることができる。パッケージの形状としては、円柱、楕円柱、立方体、直方体、直方体と楕円柱の間の形状やこれらの組み合わせなど任意の形状を採用することができる。内壁部の形状は底部に対して任意の角度を選択でき底面に対して直角になる箱型形状や鈍角になるすり鉢形状を選択することができる。凹部の底の形状は平面状や凹み形状などの任意の形状が選択できる。また、実装方式としてトップビュー、サイドビューなど任意の実装方式に対応したパッケージを用いることができる。
パッケージを構成する素材としては、耐光性、耐熱性に優れた電気絶縁性のものが好適に用いられ、例えばポリフタルアミド(PPA)などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ガラスエポキシ、セラミックスなどを用いることができる。また、半導体発光素子からの光を効率よく反射させるためにこれらの樹脂に酸化チタンなどの白色顔料などを混合させることができる。パッケージの成形法としては、前記電極を予め金型内に設置して行うインサート成形、射出成形、押出成形、トランスファ成型などを用いることができる。
(電極)
電極は、半導体発光素子と電気的に接続され、例えば、パッケージにインサートされた板状の電極や、ガラスエポキシやセラミックなどの基板に形成された導電パターンであってよい。電極の材質は、銀若しくは銀を含有した合金の他、銅や鉄などを主成分とする電極の一部上に銀若しくは銀を含有した合金がメッキされているものを用いることができる。
(評価方法)
半導体発光装置は従来の試験方法において評価することができる。例えば電気特性、光特性、温度特性、熱特性、寿命、信頼性、安全性などが挙げられる。手法としては、例えば書籍『LED照明ハンドブック LED照明推進協議会編 株式会社オーム社発行』の第2章71ページから84ページに記載の手法や基準を採用することができる。
(用途)
半導体発光装置は、光度の維持が要求される各種用途、例えば液晶ディスプレイ、携帯電話または情報端末等のバックライト、LEDディスプレイ、フラッシュライト、及び屋内外照明などに利用することができる。
本発明の利点を確認しておくと、その好ましい実施形態によれば、好気下硬化性に優れた封止剤を提供することができる。これは、半導体発光装置の封止剤など、空気下で熱硬化することのある用途において重要な特性であり、この硬化性が不足すると封止剤としての役割を果たせないことともなる。
特にアクリル系の硬化剤は一般に好気下での硬化性の改善が難しいと解される。つまり、空気中に存在する酸素は、ラジカルを補足する性質を有しているため、空気下ではラジカル重合は阻害を受ける。その結果、空気下、開放系で硬化をする限り、酸素との接触を避けられず、硬化不良を完全に防ぐことが困難となる。
これに対し、本発明及びその好ましい実施形態ではこうした点を改善ないし克服し、硬化に係る品質のバラツキを抑え、具体的には、表面タック性による汚れの付着や、表面硬度不足による傷の発生などの改良に資すものである。その上で、例えばシリコーン系封止剤の欠点(ガスバリア性)等を改善し、優れた性能を発揮させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定して解釈されるものではない。
(化1、化6、化8の合成)
イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)30g、M−1を101.8g、トリエチルアミン65.9g、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド 79.9gをジクロロメタン300mL中で混合し、窒素下、室温にて2時間攪拌した。反応物に酢酸エチルを1L加え、蒸留水1Lで2回洗浄した。さらに、カラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、いずれも無色液体の化1、化6、化8をそれぞれ18.5g、12.5g、6.5g得た。
(化2の合成)
イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル) 300g とトリエチルアミン256gをN−メチルピロリドン2200mL中で攪拌し、メタクリル酸クロリド264gを滴下し、室温で1時間攪拌した。アクリル酸2モル付加体(p2)のみをカラムクロマトグラフィーにて分離した。次に、得られたp2を使用し、化1と同様の方法で化2を得た。
(化3、化7の合成)
イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)と2−ヒドロキシエチルアクリレートを使用し、化6と同様の方法でアクリル2官能体(p3)を得た。さらにP3とイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル) により、化1、化8と同様の手順でそれぞれ化3、化7を得た。
(化4の合成)
アセトニトリル中、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)とヨウ化カリウムを室温にて反応させ、トリヨウ化体(p4)を得た後、p4とm−2を水素化カリウム存在下で加熱、さらにカラムクロマトグラフィーにより精製し、化4を得た。
(化5の合成)
p3を27.3g、イソシアヌル酸トリグリシジルを4.8g、テトラブチルアンモニウムブロミドを1.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、メチルイソブチルケトン30mLを混合し、窒素化80℃で5時間加熱した。反応物に酢酸エチルを50mLを加え、蒸留水50mLで2回洗浄した。さらに、カラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、無色液体の化5を6.5g得た。
(M−1)
アロニックスM−215(東亞合成社製、商品名)をカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物M−1を得た。
(M−2)
ジシクロペンタニルメタクリレート 日立化成社製 FA−513M を用いた。
(AIBN)
和光純薬工業社製 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(商品名:V−60)を用いた。
(試験1:好気下硬化性)
表1に示す硬化性樹脂組成物を、図1に示すPPA樹脂パッケージ(商品名:FLASH LED 6PIN BASE(トップビュー用円形パッケージ)、株式会社エノモト製)([キャビティサイズ:深さ0.65mm、幅4.4mm、直径4.4mm])を具備するLEDパッケージにポッティング封止した後、大気下で70℃30分、130℃30分、150℃5時間の熱を与え、熱硬化した。加熱後の樹脂をピンセットにより触り、以下基準によりランクづけした。
AA:ガラス状(表面まで固まっている)
A:ゴム状(表面のみ柔らかい)
B:表面が一部液状
C:全体が液状
(試験2:耐熱性)
表1に示す硬化性樹脂組成物を、図1に示すPPA樹脂パッケージ(商品名:FLASH LED 6PIN BASE(トップビュー用円形パッケージ)、株式会社エノモト製)([キャビティサイズ:深さ0.65mm、幅4.4mm、直径4.4mm])を具備するLEDパッケージにポッティング封止した後、大気下で70℃30分、130℃30分、150℃5時間の熱を与え、熱硬化した後、IRヒーターを具備したリフロー炉に前記硬化性樹脂組成物で封止されたLEDパッケージを入れ、260℃30秒の加熱処理を3回行うことより評価用発光ダイオードを作製した。次に、浜松ホトニクス製 外部量子効率測定装置 C9920−12を用いて、室温下で1mAの定電流を注入した際の評価用発光ダイオードの発光スペクトルを測定し、450nmにおける発光量を解析することにより、初期発光量を測定した。(なお、本装置では積分球にて測定を行っているため、発光角度に依存しない発光量が測定できる。)ついで、この評価サンプルを150℃、300時間の高温下に放置した後、再び、浜松ホトニクス製 外部量子効率測定装置 C9920−12を用いて、室温下で1mAの定電流を注入した際の評価用発光ダイオードの発光スペクトルを測定し、450nmにおける発行量を解析することにより、150℃エージング後発光量を測定した。
上記150℃エージング後発光量/初期発光量 × 100=150℃耐熱性とし、以下の基準でランクづけを行った。
AA:150℃耐熱性が80以上
A:150℃耐熱性が75以上80未満
B:150℃耐熱性が65以上75未満
C:150℃耐熱性が65未満
<ガスバリア性>
表1に示す硬化性樹脂組成物、銀パッケージ(商品名:KD−LA9R48(トップビュー用円形パッケージ)、京セラ株式会社製)[キャビティサイズ:深さ0.55mm、直径3.04mm]を具備するLEDパッケージにポッティング封止した後、大気下で70℃30分、130℃30分、150℃5時間の熱を与え、熱硬化した後、IRヒーターを具備したリフロー炉に前記半導体発光装置封止剤で封止されたLEDパッケージを入れ、260℃30秒の加熱処理を3回行うことより評価用発光ダイオードを作製した。次に、23cm×16cm×23cm程度の密閉缶を準備し、その底部に0.5gずつ硫黄粉末を乗せたPFA製小型シャーレを5つ、均等にならべた。その上に約10cmの距離が空くように脚を付けた網板を取り付けた。評価用発光ダイオードをn=3ずつその網の隙間からパッケージが下向きに覗くように並べ、その状態で密閉缶の蓋をした。密閉缶を予め80°に設定しておいたオーブンに入れ、15時間反応させた。この時、硫黄粉末を熱することで硫黄原子が連なった化合物がガス状に放出される。この硫黄ガスが封止材を透過するとリフレクターの銀を硫化して黒変させ、発光量が低下する。発光量の低下率=耐変色性の指標とし、以下基準により、ランクづけをおこなった。
AA: 低下率が10%未満
A: 低下率が10%以上15%未満
B: 低下率が15%以上30%未満
C: 低下率が30%以上
Figure 0005960021
Figure 0005960021
*1: ( )内は配合量(質量部)
(表の注釈)
c01・・・WO06−51803号公報の実施例4に相当
c02:信越シリコーン社製 KER2500(商品名)
c03:信越シリコーン社製 KER6110(商品名)
c04:信越シリコーン社製 SCR1011(商品名)
表1の結果より、比較例のものに比し、イソシアヌレート化合物αを含む本発明の封止剤は、半導体発光素子を封止した封止材としたときに、耐熱性に優れ、良好な好気下での硬化性を示すことが分かる。
化合物の同定データについては、例示化合物[化1]の融点が−17℃であり、そのNMRスペクトルは図2のとおりであった。その他の例示化合物についても、NMRスペクトルのデータを下記に示しておく。
[化2] 6.48,6.41,5.82,4.39,4.28,4.23,4.19,4.11,2.63,2.02
[化3] 6.40,6.10,5.82,4.28,4.23,4.20,4.18,4.16,4.11,2.64,2.62
[化4] 6.39,6.11,5.83,4.39,4.18,4.11,4.06,2.63
[化6] 11.0,6.39,6.10,5.82,4.39,4.30,4.28,4.23,4.19,4.11,2.63,2.61
[化7] 6.38,6.10,5.82,4.41,4.29,4.27,4.23,4.19,4.12,4.05,4.01,3.65,2.63,2.61
[化9] 6.39,6.11,5.81,4.28,4.23,4.19,4.11,4.05,2.53,2.08
[化10]6.39,6.10,5.82,4.38,4.27,4.22,4.17,4.10,3.30,2.63
[化12]6.40,6.10,5.82,4.39,4.11,4.05
1 半導体発光素子(Semiconductor Light Emitting Elememt)
2 リフレクターパッケージ基材
3 封止材
4 電極
6 ボンディングワイヤ
8 導電性接着剤
10 半導体発光装置(Semiconductor Light Emitting Device)

Claims (17)

  1. 下記式(i)で表されるイソシアヌレート化合物αを含んでなる半導体発光装置用封止剤。
    Figure 0005960021
    (式中、A〜Aはそれぞれ水素原子または置換基を表し、そのうち少なくとも一つは下記式(ii)の構造を有する。)
    Figure 0005960021
    (式中、Xは、単結合、エステル基、またはエーテル基を表す。Y、Yはそれぞれ炭素数1以上4以下のアルキレン基または単結合を表す。ただし、Y、Yがアルキレン基であるときヒドロキシル基により置換されていてもよい。R11、R12はそれぞれ置換基を表し、少なくとも一方はアクリロイル基を含む置換基を表す。*は結合手を表す。)
  2. 前記式(i)において、A〜Aのうち少なくとも二つが前記式(ii)で表される基である請求項1に記載の半導体発光装置用封止剤。
  3. 前記式(i)において、A〜Aのすべてが前記式(ii)で表される基である請求項1に記載の半導体発光装置用封止剤。
  4. 前記式(ii)において、R11、R12がアクリロイル基を含む置換基を有するとき、当該アクリロイル基を含む置換基が下記式(iii)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤。
    Figure 0005960021
    (式中、R13は水素原子またはメチル基を表す。*は結合手を表す。)
  5. 前記式(ii)において、Xがエステル基であり、Y、Yがともにエチレン基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤。
  6. 前記A〜Aが前記式(ii)で表される構造でないとき、下記式(iia)で表される構造である請求項1または2に記載の半導体発光装置用封止剤。
    Figure 0005960021
    (式中A10は水素原子、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、複素環基、アシルオキシ基、又はアルコキシ基を表す。Lは連結基又は単結合である。)
  7. 前記式(ii)の−Y−X−Y−において、その連結に関与する原子の数(連結原子数)が1以上10以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤。
  8. 前記式(i)で表される化合物が、下記式(iv−a)、(iv−b)、または(iv−c)で表される化合物である請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤。
    Figure 0005960021
    (式中、R14は水素原子またはメチル基を表す。A11、A12はそれぞれ、水酸基含有基、カルボキシル基含有基、アシルオキシ基含有基、又はアルコキシ基含有基である。)
  9. さらに、下記式(1)で表されるイソシアヌレート化合物βを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤。
    Figure 0005960021
    (式中、R、R、Rは置換基である。ただし、R〜Rのうち少なくとも1つはアクリロイルオキシ基を含む。)
  10. 前記イソシアヌレート化合物βが下記式(2)で表される化合物である請求項9に記載の半導体発光装置用封止剤。
    Figure 0005960021
    (式中のR、R、Rは、それぞれ、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数6〜24のアリール基、下記式(I)で表されるアクリロイルオキシ基、又は下記式(II)で表されるアシルオキシ基を表す。Lは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表す。ただし、R、R、及びRの少なくとも1つは前記アクリロイルオキシ基である。)
    Figure 0005960021
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。*は結合手を表す。)
    Figure 0005960021
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜24のアリール基を表す。*は結合手を表す。)
  11. 前記イソシアヌレート化合物αまたはこれと前記イソシアヌレート化合物βとを樹脂組成物中の有機硬化成分に対し80質量%以上含む請求項9または10に記載の半導体発光装置用封止剤。
  12. 前記式(1)で表されるイソシアヌレート化合物が下記式(4)で表される水酸基含有イソシアヌレート化合物を含む請求項9〜11のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤。
    Figure 0005960021
    (Rは、水素原子またはメチル基である。R10は、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびアシルオキシ基のいずれか1種である。)
  13. さらに、封止剤の有機硬化成分100質量部に対し蛍光体1〜40質量部を配合してなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体発光装置用封止剤を硬化してなる半導体発光装置用封止材。
  15. 請求項14に記載の封止材と該封止材で封止された半導体発光素子とを具備する半導体発光装置。
  16. 下記式で表されるイソシアヌレート化合物γ
    Figure 0005960021
    Figure 0005960021
    Figure 0005960021
    Figure 0005960021
  17. 請求項16に記載されたイソシアヌレート化合物γと、下記式(1)で表されるイソシアヌレート化合物βとを含む組成物。
    Figure 0005960021
    (式中、R、R、Rは置換基である。ただし、R〜Rのうち少なくとも1つはアクリロイルオキシ基を含む。)
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