JP2020143246A - ウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物、及び光半導体デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
このような中で、従来から一般的に使用されている、金属を加工してなるリードフレーム基板にリフレクターを設けたパッケージは、基板表面の光反射率向上のため、通常リードフレーム表面に銀メッキが施されており、銀メッキの硫化防止をいかに付与するかが課題として残り、依然として有効な解決策を模索しており、開発期間、開発コストの増大につながっている。
このような状況の中で、本発明者らは、特許文献2〜4で開示したように、部材の種類を大幅に減らすことが可能であり、銀メッキの硫化防止のための特別な保護を必要とすることなく、高出力の光半導体素子の駆動にも耐えられ、かつ製品の寸法精度が高く、発光色のむらやばらつきが少なく、製造後の製品特性の管理が容易な光半導体デバイスを低コストで容易に製造することを可能とするウェハーレベル光半導体デバイス用部材の製造方法、該製造方法で製造されたウェハーレベル光半導体デバイス用部材を用いた光半導体デバイスの製造方法、及び該製造方法で製造された光半導体デバイスを提供した。
下記(A)及び(B)成分、
(A)下記(A−1)、及び(A−2)成分を含む25℃で液状の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物、
(A−1)下記一般式(1)で表される構造を分子中に少なくとも1つ有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(A−2)有機過酸化物:0.1〜10質量部、
(B)平均粒径(D50)が4〜50μmである溶融シリカ:上記(A)成分合計100質量部に対して200〜1,000質量部
を含有するウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物を提供する。
(A−1)成分中に所定量以上の(SiO4/2)単位が存在すると、(A−1)成分は(A−2)成分が分解する際に発生するフリーラジカルと効果的に反応し、ウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物は、接着強度及び作業性に優れ、かつ耐熱性、耐光性及び耐クラック性に優れた硬化物を与えるものとなる。
上記粘度が限定されたウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物は、狭小部への充填性がより高いものである。
硬さが上記範囲の硬化物を与えるウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物は、ウェハーレベル光半導体デバイス用部材として成型した時に、デバイスとして十分な部材強度が得られ、実装工程で破損する等の問題が発生するおそれがない硬化物を与えるものである。
線膨張率が上記範囲の硬化物を与えるウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物は、ウェハーレベル光半導体デバイスとして動作させた際に、繰り返し点灯・消灯動作における熱衝撃による剥離や樹脂クラックなどが起こりにくく、長期信頼性に優れる硬化物を与えるものである。
このウェハーレベル光半導体デバイスは、低コストで高出力の光半導体素子の駆動に耐えられる信頼性の高いものである。
下記(A)及び(B)成分、
(A)下記(A−1)、及び(A−2)成分を含む25℃で液状の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物、
(A−1)下記一般式(1)で表される構造を分子中に少なくとも1つ有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(A−2)有機過酸化物:0.1〜10質量部、
(B)平均粒径(D50)が4〜50μmである溶融シリカ:上記(A)成分合計100質量部に対して200〜1,000質量部
を含有するウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物である。
[ウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物]
本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物は特定の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物を主成分とするものである。室温(25℃)で液体であっても固体であってもよく、狭小部へのこの樹脂組成物の充填性を高めるという観点から、室温(25℃)で液状の材料であることが好ましく、より好ましくはJIS K 7117−1:1999記載の方法で回転粘度計により測定した25℃での粘度が1〜5,000Pa・sの範囲であり、さらに好ましくは1〜1,000Pa・sの範囲である。
前記(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、25℃で液状であることを特徴とし、好ましくはJIS K 7117−1:1999記載の方法で回転粘度計により測定した25℃における粘度が10mPa・s以上5,000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以上5,000mPa・s以下である。10mPa・s以上であれば、前記(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物中に後述の(B)成分を、比重の影響を受けることなく良好に分散させることができる。5,000mPa・s以下であれば、ウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物の粘度が高くなりすぎたりせず、塗布工程における不具合、具体的には高粘度液体を塗布する際の速度低下による作業性の低下、封止材の糸引きによる塗布量のバラツキ、及びデバイスの汚れ等が発生するおそれがないため好ましい。(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物の加熱硬化物のJIS K 6253−3:2012記載の方法でタイプD硬度計を用いて測定した硬さは30以上であることが好ましい。
(A−1)下記一般式(1)で表される構造を分子中に少なくとも1つ有するオルガノポリシロキサン、
で表される構造を分子中に少なくとも1つ有するようなオルガノポリシロキサンである。
上記構造を有する(A−1)成分であれば、後述する(A−2)成分が分解する際に発生するフリーラジカルと効果的に反応し、接着強度及び作業性に優れ、かつ耐熱性、耐光性及び耐クラック性に優れた硬化物を得ることができるため好ましい。
上記式(1)において、R3はケイ素原子に結合した1価の有機基であり、当該1価の有機基としては、炭素数1〜12、好ましくは1〜8程度の炭化水素基が挙げられる。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
シリコーン系反応性希釈剤の具体的な例としては、下記式(5)〜(9)で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。この成分は単一でも、他の成分と併用でも良い。
反応性希釈剤を添加する場合の添加量としては、(A−1)成分のオルガノポリシロキサンに対して0.01〜30質量%の範囲が好ましく、0.05〜10質量%の範囲がより好ましい。
(A−2)成分の有機過酸化物は、本組成物を所望の形状に成形した後に、加熱処理を加えて架橋反応により硬化させるために配合される成分であり、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選択する。
有機過酸化物は、高い反応性と長いポットライフを両立する観点から、半減期10時間の温度が40℃以上、かつ、半減期1分の温度が180℃以下であることが好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、かつ、半減期1分の温度が170℃以下であることがより好ましい。また、有機過酸化物は、回路部材の回路電極(接続端子)の腐食を防止するために、塩素イオンや有機酸の含有量が5,000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。
有機過酸化物としては、ラジカル重合反応等に用いられる公知のものを全て用いることができ、具体的には、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド及びシリルパーオキサイドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。これらの中では、回路部材の接続構造や半導体装置における接続端子の腐食を更に抑制するために、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド及びハイドロパーオキサイドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
シリルパーオキサイドとしては、例えば、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド及びトリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイドが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物は、上述のようにウェハーレベル光半導体デバイス用部材及びダイシング加工後の光半導体デバイスを支持するために硬化後に硬質となるものが好ましく、また、耐熱性、耐候性、耐光性に優れた樹脂組成物であることが好ましい。このような目的に応じた機能を持たせるため、(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物に、充填材を添加することで硬化物に充填材を含ませる。
なお、本発明において平均粒径(D50)とは、レーザー回析法によって測定した体積基準によるメジアン径を指す。
本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物は、組成物の透明性を更に維持し、硬化物の着色、酸化劣化等の発生を抑えるために、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の従来公知の酸化防止剤を本発明の組成物に配合することができる。また、光劣化に対する抵抗性を付与するために、ヒンダードアミン系安定剤等の光安定剤を本発明の組成物に配合することもできる。
本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物の強度を向上させ、チクソ性を付与するために、更に、ヒュームドシリカ、ナノアルミナ等の無機質充填剤を配合してもよい。必要に応じて、本発明の組成物に、染料、顔料、難燃剤等を配合してもよい。
また、本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物には、光半導体素子からの波長変換を目的とした蛍光体を含有させてもよい。蛍光体を本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物へ混合、分散させることで、光半導体素子から発せられた光を効率的に目的の波長の光に波長変換することが可能となる。
蛍光体は、光半導体素子から放出される青色光、紫色光、紫外光を吸収して波長を変換し、光半導体素子から放出される光と異なる波長の赤、橙色、黄色、緑色、青色領域の波長の光を放出するものである。これにより、光半導体素子から放出される光の一部と、蛍光体から放出される光の一部とが混合して、白色を含む多色系の光半導体デバイスが得られる。
青色に発光する蛍光体として、例えば、Sr5(PO4)3Cl:Eu、(SrCaBa)5(PO4)3Cl:Eu、(BaCa)5(PO4)3Cl:Eu、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)2B5O9Cl:Eu,Mn、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)(PO4)6Cl2:Eu,Mnなどが挙げられる。
また、現在主流の青色LEDに対応し発光する蛍光体としては、Y3(Al,Ga)5O12:Ce,(Y,Gd)3Al5O12:Ce,Lu3Al5O12:Ce,Y3Al5O12:CeなどのYAG系蛍光体、Tb3Al5O12:CeなどのTAG系蛍光体、(Ba,Sr)2SiO4:Eu系蛍光体やCa3Sc2Si3O12:Ce系蛍光体、(Sr,Ba,Mg)2SiO4:Euなどのシリケート系蛍光体、(Ca,Sr)2Si5N8:Eu、(Ca,Sr)AlSiN3:Eu、CaSiAlN3:Eu等のナイトライド系蛍光体、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Euなどのオキシナイトライド系蛍光体、さらには(Ba,Sr,Ca)Si2O2N2:Eu系蛍光体、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu系蛍光体、SrAl2O4:Eu,Sr4Al14O25:Eu等の蛍光体が挙げられる。
これらの中では、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、シリケート系蛍光体が、発光効率や輝度などの点で好ましく用いられる。
上記以外にも、用途や目的とする発光色に応じて公知の蛍光体を用いることができる。
上記蛍光体は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のウェハーレベル光半導体デバイスは、本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物を任意の成型方法を用いて成型し、製造することができる。例えば圧縮成型機を用いて圧縮成型によって行うことが好ましい。以下に、圧縮成型機を用いた製造例を挙げて説明する。
はじめに、支持基板に粘着シートを介して複数の光半導体素子を搭載する。
前記支持基板は、粘着シート面に複数の光半導体素子を搭載した部材のハンドリングのしやすさを得るためのものであり、また、本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物の成型工程で粘着シートが貼り合わされた光半導体素子と樹脂面の硬化後の形状の再現をさせるために重要であり、支持基板は平面度の高い状態が得られるものであることが好ましい。このような材料としては、金属、樹脂などを精度良く加工し、平面度を確保したものやシリコンウェハー等が好ましい。特に好ましいものは線膨張係数の小さい金属を加工してなる金属板やシリコンウェハーである。外形形状は特に指定はなく、例えば、取扱いが容易な四角形又は円形であるとよい。後に続く工程の作業性を考慮すると、円形であるとなお好ましい。
前記光半導体素子の粘着シートへの搭載方法としては、一般的なチップソーターを用いればよい。搭載時の荷重、時間、温度等は、光半導体素子の大きさ、形状に応じて適宜決定し光半導体素子を固定すればよい。
次に、所定の成型温度に加熱した基準面を有する圧縮成型機の下金型に、前記準備工程で製造した光半導体素子を搭載した支持基板を載置する。続いて、下金型に対向する上金型に剥離フィルムを設ける。なお、必要に応じて下金型にも前記支持基板との間に剥離フィルムを載置しても良い。
次いで、前記光半導体素子を覆うように本発明のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物を所定量塗布する。前記塗布量は、封止領域の内容積に合わせて必要量だけ供給するものであって、ディスペンサー等により定量吐出して供給することが好ましい。
仮硬化した後に、剥離フィルムとともに金型から脱型し、熱処理によって仮硬化した樹脂組成物を本硬化することで成型体を得て、該成型体から支持基板及び粘着シートを剥離することで、ウェハーレベル光半導体デバイス用部材(以下光半導体デバイス用部材とする)を得る。
前記成型工程で得られた光半導体デバイス用部材を、ダイシングブレード等を用いて切断し、個片化する。これにより、光半導体素子を有する光半導体デバイスを得ることができる。
切断方法としては公知の方法を採用すればよく、回転ブレードによるダイシング加工、レーザー加工、ウォータージェット加工、金型加工等の公知の方法により切断することができるが、ダイシング加工が経済的、工業的な面で好ましい。
また、このようにして得られた光半導体デバイスを実装基板に接続する方法として、半田リフローによる実装、ボールバンプを設けた実装基板に対するフリップチップ実装等、最終モジュールの形態や設備に応じて自由に選択できる。工業的な観点から、半田リフローによる実装が好ましい。
〔調製例〕
(調製例1〜5)
下記成分を用意し、表1に示す組成の25℃で液状の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物(以下、「シリコーン組成物」という。)を調製した。
[(A)成分]
(A−2)t-Butyl peroxy-2-ethylhexanoate(商品名:パーブチルO、日本油脂株式会社製)
調製例1で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として平均粒子径11.5μmの溶融シリカ粉(製品名 MSR−8050、龍森社製)400質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(a)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(a)を150℃、4時間で硬化し、硬さを測定したところ、タイプDで88であった。
調製例1で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として平均粒子径11.5μmの溶融シリカ粉(製品名:MSR−8050、龍森社製)200質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(b)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(b)を150℃、4時間で硬化し、硬さを測定したところ、タイプDで83であった。
調製例2で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として平均粒子径11.5μmの溶融シリカ粉(製品名:MSR−8050、龍森社製)400質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(c)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(c)を150℃、4時間で硬化し、硬さを測定したところ、タイプDで81であった。
調製例3で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として平均粒子径11.5μmの溶融シリカ粉(製品名:MSR−8050、龍森社製)400質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(d)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(d)を150℃、4時間で硬化し、硬さを測定したところ、タイプDで78であった。
調製例4で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として平均粒子径11.5μmの溶融シリカ粉(製品名:MSR−8050、龍森社製)500質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(e)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(e)を150℃、4時間で硬化し、硬さを測定したところ、タイプDで67であった。
調製例1で得られたシリコーン組成物100質量部に無機充填剤を添加せずに減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂樹脂組成物(f)としてそのまま用いた。
調製例5で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として平均粒子径11.5μmの溶融シリカ粉(製品名:MSR−8050、龍森社製)500質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(g)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(g)を150℃、4時間で硬化し、硬さを測定したところ、タイプDで51であった。
調製例1で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として一次粒径7nmの煙霧状シリカ(製品名:レオシロールDM−30S)400質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(i)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(i)は、パテ状となり、成形機上に安定に塗布することが出来なかった。
調製例1で得られたシリコーン組成物100質量部、無機充填剤として一次粒径7nmの煙霧状シリカ(製品名:レオシロールDM−30S)150質量部を三本ロールで混練処理し、減圧脱泡して硬化性シリコーン樹脂組成物(j)を製造した。
このシリコーン樹脂組成物(j)を150℃、4時間で硬化し、硬さを測定したところ、タイプDで78であった。
本発明のウェハーレベル光半導体デバイスの製造方法の概略図を図1〜5に示す。まず、準備工程として、ウェハーレベル光半導体デバイスの素子搭載を目的とし、厚さ725μmの8インチ(直径200mm)シリコンウェハー3に、熱剥離性両面粘着シート2(日東電工社製、製品名:リバアルファNo.3195V)の発泡性粘着面がシリコンウェハー側となるようにゴムローラーを用いて貼り付け、表面に粘着面が設けられた支持基板を作製した。更に、前記熱剥離性両面粘着シート2を、前記シリコンウェハー3の形状と同一に切り抜いた。続いて得られた支持基板に、光半導体素子1(Bridgelux社製、製品名:BXDA4040)をチップマウンターで縦横各3.2cmピッチ、40行40列に、電極面が前記粘着面と貼り付くように載置し、100℃、1時間の加熱処理を行って前記粘着面に密着固定した(図1)。
更に、得られたウェハーレベル光半導体デバイスのうち任意の10個を個々に、クリーム半田8でアルミ製の放熱基板9にリフロー実装し、光半導体デバイスが実装されたモジュールを作製した(図5)。
TMA/SDTA841(メトラー・トレド社製)を用い、JIS K 7197:2012記載の方法で実施例及び比較例において製造した硬化性シリコーン樹脂組成物を5×5×2mmの形状とし、昇温速度10℃/分で、25℃から200℃までの間で測定した。このようにして得られたグラフの変曲点(ガラス転移点Tg)を超える温度で求めた傾きから、線膨張係数α2を求めた。
上記の方法で得られたウェハーレベル光半導体デバイスが実装されたモジュール10個を、全光束測定システム HM−9100(大塚電子(株)製)を用い、印加電流IF=350mAにおける全光束値(Lm)を測定し、平均値及びばらつき(σ)を求めた値を表2に示した。
上記の方法で得られたウェハーレベル光半導体パッケージ10個を、温度サイクル試験(−40℃〜125℃、各20分間を500サイクル)に用い、顕微鏡で、試験後のサンプルのクラックの有無を観察し、クラックが発生した試験片数/総試験片数を数えた。
(B)成分が本発明の範囲外である煙霧状シリカを用いた比較例2では、樹脂中に良好に混合することができず、作業性の悪い樹脂となった。
本発明の範囲外の量の(B)成分が添加された比較例3ではα2領域の線膨張率が高いため、温度サイクル試験後に試験したデバイスの全数にクラックが入った。
2・・・熱剥離性両面粘着テープ、3・・・シリコンウェハー、
4・・・圧縮成形機上金型、5・・・圧縮成形機下金型、
6・・・ウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物、7・・・離型フィルム、
8・・・半田(クリーム半田)、9・・・アルミ製放熱基板。
Claims (9)
- 下記(A)及び(B)成分、
(A)下記(A−1)、及び(A−2)成分を含む25℃で液状の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物、
(A−1)下記一般式(1)で表される構造を分子中に少なくとも1つ有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(A−2)有機過酸化物:0.1〜10質量部、
(B)平均粒径(D50)が4〜50μmである溶融シリカ:上記(A)成分合計100質量部に対して200〜1,000質量部
を含有するものであることを特徴とするウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物。 - 前記式(1)中、Z1が−R4−(R4は上記と同じである)であり、前記Z2が酸素原子であるものであることを特徴とする請求項1に記載のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物。
- 前記式(1)中、Z1が−R4−O−又は−R4−(CH3)2Si−O−(R4は上記と同じである)であり、前記Z2が炭素数1〜10の2価の有機基であるものであることを特徴とする請求項1に記載のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物。
- 前記(A−1)成分中に、0.1モル%以上の(SiO4/2)単位を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物。
- JIS K 7117−1:1999記載の方法で回転粘度計により測定した25℃での粘度が1〜5,000Pa・sのものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物。
- 加熱硬化物のJIS K 6253−3:2012記載の方法でタイプD硬度計を用いて測定した硬さが40以上のものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物。
- 加熱硬化物のJIS K 7197:1991記載の方法でTMAにより求めたα2領域の線膨張率が100ppm以下のものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のウェハーレベル光半導体デバイス用樹脂組成物で封止されたものであることを特徴とするウェハーレベル光半導体デバイス。
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