JP2017059577A - 封止光半導体素子および発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光半導体素子を封止層によって封止する工程(2)において、光半導体素子と感圧接着層との間に、封止層が進入することを抑制することができるとともに、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)において、感圧接着層が、封止光半導体素子における光半導体素子の電極面に付着することを抑制することのできる、封止光半導体素子および発光装置の製造方法を提供すること。【解決手段】封止光半導体素子11の製造方法は、電極6が設けられる電極面3を有する光半導体素子1の電極6を、感圧接着層9に感圧接着する工程(1)、工程(1)の後に、光半導体素子1を封止層10によって封止する工程(2)、および、工程(2)の後に、封止光半導体素子11を感圧接着層9から剥離する工程(3)を備える。感圧接着層9の剥離接着力PSが、220mN/10mm2以上、300mN/10mm2以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、封止光半導体素子および発光装置の製造方法、詳しくは、封止光半導体素子の製造方法、および、その製造方法を備える発光装置の製造方法に関する。
従来、支持板と、その上に積層される粘着層とを備える支持シートの粘着層に、LEDを貼着し、その後、蛍光体層によってLEDを被覆して、蛍光体層被覆LEDを製造し、その後、蛍光体層被覆LEDを支持シートから剥離し、続いて、蛍光体層被覆LEDを発光波長や発光効率に応じて選別した後、選別された蛍光体層被覆LEDを基板に実装することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1では、LEDの下面には、電極(バンプ)が形成されており、かかる下面を、仮固定シートの粘着層に対して直接接触させて、LEDを粘着層に貼着している。
特開2010−80568号公報
しかるに、蛍光体層をLEDに被覆するときに、粘着層およびLEDに向けて圧着するときに、図4Aに示すように、蛍光体層(101)が、LED(102)の下面と、粘着層(103)の上面との間に進入する(潜る)場合がある。その場合には、図4Bに示すように、蛍光体層被覆LED(104)を仮固定シート(105)から剥離すると、LED(102)の下面に蛍光体層(101)が存在するので、図4Cに示すように、蛍光体層被覆LED(104)を基板(106)に実装しても、電極(107)が基板(106)の端子(108)に対して電気的に接続することができないという不具合がある。
一方、図5Aに示すように、蛍光体層被覆LED(104)を仮固定シート(105)から剥離するときに、粘着層(103)の一部が、電極(107)の下面に付着してしまう(糊残りしてしまう)場合がある。その場合には、図5Bに示すように、蛍光体層被覆LED(104)を基板(106)に実装しても、電極(107)が基板(106)の端子(108)に対して電気的に接続することができないという不具合がある。
本発明の目的は、光半導体素子を封止層によって封止する工程(2)において、光半導体素子と感圧接着層との間に、封止層が進入することを抑制することができるとともに、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)において、感圧接着層が、封止光半導体素子における光半導体素子の電極面に付着することを抑制することのできる、封止光半導体素子および発光装置の製造方法を提供することにある。
[1]本発明は、電極が設けられる電極面を有する光半導体素子の前記電極面を、感圧接着層に感圧接着する工程(1)、前記工程(1)の後に、前記光半導体素子を封止層によって封止することにより、前記光半導体素子と前記封止層とを備える封止光半導体素子を作製する工程(2)、および、前記工程(2)の後に、前記封止光半導体素子を前記感圧接着層から剥離する工程(3)を備え、前記感圧接着層の剥離接着力が、220mN/10mm以上、300mN/10mm以下であることを特徴とする、封止光半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、感圧接着層の剥離接着力が上記した下限以上であるので、工程(2)において、光半導体素子の電極面と感圧接着層との間に、封止層が進入することを抑制することができる。
また、感圧接着層の剥離接着力が上記した上限以下であるので、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)において、感圧接着層が、封止光半導体素子における光半導体素子の電極面に付着することを抑制することができる。
そのため、本発明により得られる封止光半導体素子では、電極面における封止層の存在が抑制されて、電極面が露出するので、これを基板の端子と電気的に接続すれば、信頼性に優れる発光装置を得ることができる。
[2]本発明は、前記封止層は、ホットメルト樹脂組成物からなり、前記工程(2)において、前記封止層を加熱することを特徴とする、上記[1]に記載の封止光半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、封止層がホットメルト樹脂組成物からなっているので、工程(2)において、封止層を加熱する簡便な方法で、封止層を溶融(ホットメルト)させて、光半導体素子を被覆することができる。さらに、溶融した封止層は、光半導体素子の電極面と感圧接着層との間に、封止層が進入し易いところ、感圧接着層の剥離接着力が上記した下限以上であるので、封止層の、上記した光半導体素子の電極面と感圧接着層との間への進入を抑制することができる。
[3]本発明は、前記工程(2)では、前記封止層を前記光半導体素子および前記感圧接着層に向けて、0.01mm/秒以上、0.3mm/秒以下の速度で、プレスすることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の封止光半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、工程(2)におけるプレスの速度が上記した下限以上であるので、封止光半導体素子の生産性の低下を抑制することができるとともに、プレスの速度が上記した上限以下であるので、光半導体素子の電極面と感圧接着層との間に、封止層が進入することをより一層抑制することができる。
[4]本発明は、前記工程(2)では、前記封止層を前記光半導体素子および前記感圧接着層に向けて、0.5MPa以上、2.0MPa以下の圧力で、プレスすることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、工程(2)におけるプレスの圧力が上記した下限以上であるので、光半導体素子の電極面と感圧接着層との間に、封止層が進入することをより一層抑制することができるとともに、プレスの圧力が上記した上限以下であるので、光半導体素子が感圧接着層に対して埋没し、その後、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離しにくくなることを抑制することができる。
[5]本発明は、前記感圧接着層は、仮固定シートに備えられており、前記仮固定シートは、厚み方向を貫通する貫通孔を有する支持基板と、前記支持基板の厚み方向一方側に配置され、前記貫通孔を被覆する前記感圧接着層とを備え、前記工程(1)では、前記光半導体素子を、厚み方向に投影したときに、前記貫通孔に重複するように、前記電極面を前記感圧接着層に感圧接着し、前記工程(3)では、押圧部材を前記貫通孔に挿入して、前記貫通孔に対応する前記感圧接着層を押圧することによって、前記封止光半導体素子を前記支持基板に対して相対移動させながら、前記封止光半導体素子を前記感圧接着層から剥離し、前記封止層の60℃における溶融粘度が、50Pa・s以上、1500Pa・s以下であることを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、封止層の溶融粘度が上記した下限以上であるので、光半導体素子の電極面と感圧接着層との間に、封止層が進入することをより一層抑制することができるとともに、封止層の溶融粘度が上記した上限以下であるので、封止層によって光半導体素子を確実に封止することができる。
[6]本発明は、前記光半導体素子は、前記電極面に対して間隔を隔てて対向配置され、発光層が設けられる発光面と、前記発光面および前記電極面の周端縁を連結する連結面とをさらに有し、前記工程(2)では、前記封止層によって、前記発光面と前記連結面とを被覆することを特徴とする、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法である。
この方法では、工程(2)において、封止層によって、発光面と連結面とを被覆するので、封止光半導体素子における光半導体素子の信頼性を確実に向上させることができる。
[7]本発明は、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法により、封止光半導体素子を製造する工程(4)、および、前記封止光半導体素子を基板に実装する工程(5)を備えることを特徴とする、発光装置の製造方法。
この方法によれば、電極面における封止層の存在が抑制された封止光半導体素子の電極面を基板の端子と電気的に接続するので、発光装置は、信頼性に優れる。
本発明により得られる封止光半導体素子では、電極面に封止層が存在せず、露出するので、これを基板の端子と電気的に接続した本発明の発光装置は、信頼性に優れる。
図1A〜図1Dは、本発明の封止光半導体素子および発光装置の製造方法の第1実施形態を示す工程図であり、図1Aは、光半導体素子を感圧接着層に感圧接着する工程(1)、図1Bは、光半導体素子を封止層によって封止する工程(2)、図1Cは、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)、図1Dは、封止光半導体素子を基板に実装する工程を示す。 図2A〜図2Dは、本発明の封止光半導体素子および発光装置の製造方法の第2実施形態を示す工程図であり、図2Aは、光半導体素子を、貫通孔を有する支持基板に支持される感圧接着層に感圧接着する工程(1)、図2Bは、光半導体素子を封止層によって封止する工程(2)、図2Cは、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)、図2Dは、封止光半導体素子を基板に実装する工程を示す。 図3A〜図3Dは、本発明の封止光半導体素子および発光装置の製造方法の第3実施形態を示す工程図であり、図3Aは、光半導体素子を感圧接着層に、電極が感圧接着層に埋没しないように、感圧接着する工程(1)、図3Bは、光半導体素子を封止層によって封止する工程(2)、図3Cは、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)、図3Dは、封止光半導体素子を基板に実装する工程を示す。 図4A〜図4Cは、従来技術に対応する比較例1および2の工程図であり、図4Aは、光半導体素子を封止層によって封止する工程(2)であって、その際、封止樹脂組成物が光半導体素子と感圧接着シートとの間に潜り込む状態、図4Bは、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)、図4Cは、封止光半導体素子を基板に実装する工程を示す。 図5A〜図5Cは、従来技術に対応する比較例3の工程図であり、図5Aは、封止光半導体素子を感圧接着層から剥離する工程(3)であって、光半導体素子1に感圧接着剤が残る状態、図5Bは、封止光半導体素子を基板に実装する工程を示す。
図1A〜図1Dにおいて、紙面上下方向は、上下方向(第1方向、厚み方向の一例)であり、紙面上側が上側(第1方向一方側、厚み方向一方側の一例)、紙面下側が下側(第1方向他方側、厚み方向他方側)である。紙面左右方向は、左右方向(第1方向に直交する第2方向)であり、紙面左側が左側(第2方向一方側)、紙面右側が右側(第2方向他方側)である。紙厚方向は、前後方向(第1方向および第2方向に直交する第3方向)であり、紙面手前側が前側(第3方向一方側)、紙面奥側が後側(第3方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
<第1実施形態>
この方法は、光半導体素子1を感圧接着層9に感圧接着する工程(1)(図1A参照)、光半導体素子1を封止層10によって封止することにより、光半導体素子1と封止層10とを備える封止光半導体素子11を作製する工程(2)(図1B参照)、および、封止光半導体素子11を感圧接着層9から剥離する工程(3)(図1C参照)を備える。
以下、各工程について詳述する。
1.工程(1)
工程(1)では、図1Aに示すように、光半導体素子1を感圧接着層9に感圧接着する。
光半導体素子1を感圧接着層9に感圧接着するには、まず、光半導体素子1、および、感圧接着層9を用意する。
1−1. 光半導体素子
光半導体素子1は、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換するLEDやLDである。好ましくは、光半導体素子1は、青色光を発光する青色LED(発光ダイオード素子)である。一方、光半導体素子1は、光半導体素子とは技術分野が異なるトランジスタなどの整流器を含まない。
光半導体素子1は、前後方向(縦方向)および左右方向(横方向)に沿う略平板形状を有している。光半導体素子1は、電極面3と、発光面4と、周側面5とを有している。
電極面3は、光半導体素子1における下面であって、電極6が設けられた面である。
電極6は、電極面3に2つ、左右方向に間隔を隔てて隣接配置されている。電極6は、電極面3から下方に突出する形状を有している。
発光面4は、光半導体素子1における上面であって、電極面3に対して上側に間隔を隔てて対向配置されている。発光面4には、図示しない発光層が設けられている。
周側面5は、電極面3の周端縁と、発光面4の周端縁とを連結している。
光半導体素子1の寸法は、適宜設定されており、具体的には、厚み(高さ)が、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下である。
1−2. 感圧接着シート
感圧接着層9は、仮固定シート7に備えられている。
仮固定シート7は、支持基板8と、支持基板8に支持される感圧接着シート2とを備えている。
1−2−1. 支持基板
支持基板8は、仮固定シート7の下部に配置されている。支持基板8は、前後方向および左右方向に延びる略平板形状を有している。支持基板8としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、セラミックスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。支持基板8の厚みは、例えば、100μm以上、好ましくは、300μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
1−2−2. 感圧接着シート
感圧接着シート2は、支持基板8に支持されており、具体的には、仮固定シート7の上面全面に配置されている。
また、感圧接着シート2は、感圧接着剤を含んでいる。具体的には、感圧接着シート2は、処理によって感圧接着力が低減するように構成される感圧接着層9を備えている。詳しくは、感圧接着シート2は、2つの感圧接着層9と、2つの感圧接着層9の上下方向途中(具体的には、中央部)に介在される支持シート23とを備えている。2つの感圧接着層9のうち、支持シート23の上に配置される層が、第1感圧接着層21であり、支持シート23の下に配置される層が、第2感圧接着層22である。つまり、感圧接着層9は、第1感圧接着層21と、第2感圧接着層22とを備えている。好ましくは、感圧接着層9は、第1感圧接着層21と、第2感圧接着層22とのみからなる。
1−2−3. 第1感圧接着層
第1感圧接着層21は、感圧接着シート2の上部に位置している。第1感圧接着層21は、支持シート23の上面全面に配置(支持)されている。
第1感圧接着層21は、処理によって感圧接着力が低減するように構成されている。具体的には、第1感圧接着層21は、活性エネルギー線が照射されることによって、感圧接着力が低減する感圧接着剤から、シート状(層状)に形成されている。第1感圧接着層21の厚みは、後述する感圧接着シート2の剥離接着力PSが所望範囲となるように適宜設定され、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
1−2−4. 第2感圧接着層
第2感圧接着層22は、感圧接着シート2の下部に位置している。第2感圧接着層22は、支持シート23の下面全面に配置されている。
第2感圧接着層22は、処理によって感圧接着力が低減するように構成されている。具体的には、第2感圧接着層22は、第1感圧接着層21と同一の感圧接着剤から、シート状(層状)に形成されている。第2感圧接着層22の厚みは、後述する感圧接着シート2の剥離接着力PSが所望範囲となるように適宜設定され、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、30μm以下、好ましくは、20μm以下である。また、感圧接着層9の厚み、つまり、第1感圧接着層21および第2感圧接着層22の総厚みは、例えば、8μm以上、好ましくは、15μm以上であり、また、例えば、130μm以下、好ましくは、70μm以下である。
1−2−5. 感圧接着剤
感圧接着剤としては、例えば、炭素−炭素二重結合が導入された樹脂組成物などが挙げられる。樹脂組成物は、炭素−炭素二重結合を有するポリマーが挙げられる。
1−2−6. 感圧接着剤の調製
ポリマーは、例えば、以下の方法によって、調製される。
すなわち、例えば、主ビニルモノマーと、第1官能基を有する副ビニルモノマーとを含有するモノマー成分を、第1官能基が消失しないように、共重合して、第1官能基を有する前駆体ポリマーを調製する。別途、第1官能基と反応することができる第2官能基と、炭素−二重結合とを有する化合物を準備する。その後、この化合物を前駆体ポリマーに配合して、第1官能基と第2官能基とを反応させる。
第1官能基と第2官能基との組合せとして、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せなどが挙げられる。第1官能基として、好ましくは、ヒドロキシル基が挙げられる。第2官能基として、好ましくは、イソシアネート基が挙げられる。
主モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(2EHA/2EHMA)、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどの、アルキル部分の炭素数が1〜20であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。主モノマーの、モノマー成分における配合割合は、例えば、70質量%以上、好ましくは、90質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下である。
副ビニルモノマーは、主ビニルモノマーとして共重合することができるビニルモノマーである。副ビニルモノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2−HEA/HEMA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。副ビニルモノマーの、モノマー成分における配合割合は、例えば、30質量%以下であり、また、例えば、1質量%以上である。
化合物としては、イソシアネート基含有化合物が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどの、イソシアネート基含有ビニルモノマーが挙げられる。好ましくは、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
化合物の配合割合は、ポリマーにおける二重結合の導入量が、例えば、0.01ミリモル/g以上、好ましくは、0.2ミリモル/g以上となり、また、例えば、10.0ミリモル/g以下、好ましくは、5.0ミリモル/g以下となるように、調整される。
前駆体ポリマーを調製するには、上記したモノマー成分を、上記した割合で、重合開始剤の存在下で、例えば、溶液重合させる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化物、過硫酸塩、レドックス系開始剤などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、過酸化物が挙げられる。過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、モノパーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイドなどが挙げられ、好ましくは、ジアシルジパーオキサイドが挙げられる。
ジアシルジパーオキサイドとしては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ジ−p−ニトロベンゾイルパーオキサイド、ジ−p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。好ましくは、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO)が挙げられる。
重合開始剤の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば、0.005質量部以上、例えば、1質量部以下である。
また、溶液重合では、重合溶媒が用いられる。重合溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素が挙げられる。
そして、主ビニルモノマーと、副ビニルモノマーとを含有するモノマー成分を、副ビニルモノマーの第1官能基が消失しないように、共重合させて、第1官能基を有する前駆体ポリマーを調製する。
続いて、前駆体ポリマーに、上記した化合物を配合する。好ましくは、ヒドロキシル基を含有する前駆体ポリマーに、イソシアネート基含有化合物を配合して、ヒドロキシル基とイソシアネート基とを反応させて、ウレタン結合を形成する。そして、得られたポリマーには、化合物が有する炭素−炭素二重結合が導入される。
その後、ポリマーに、光重合開始剤を配合する。
光重合開始剤は、後述する工程(2)(図1C参照)において活性エネルギー線が感圧接着層9に照射されたときに、ラジカルを発生させて、樹脂組成物に導入された炭素−炭素二重結合を互いに反応させるための光重合触媒である。光重合開始剤の10時間半減期温度は、例えば、20℃以上、好ましくは、50℃以上であり、また、例えば、107℃以下、好ましくは、100℃以下である。
光重合開始剤としては、例えば、ケタール系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが挙げられる。
光重合開始剤の配合割合は、ポリマー100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、ポリマーには、架橋剤などの添加剤を適宜の割合で配合することができる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。好ましくは、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
架橋剤の配合割合は、後述する感圧接着シート2の剥離接着力PSが所望範囲となるように適宜設定され、ポリマー(固形分)100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、7.5質量部以下である。
1−2−7. 支持シート
支持シート23は、感圧接着シート2において、面方向(前後方向および左右方向)に沿って延びるシート状を有している。支持シート23は、感圧接着シート2において、感圧接着層9(具体的には、第1感圧接着層21および第2感圧接着層22)を支持する。支持シート23は、感圧接着シート2の上下方向中央部に位置する。支持シート23は、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETフィルムなど)などのポリマーフィルムからなる。支持シート23の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、120μm以下、好ましくは、100μm以下である。
1−2−8. 感圧接着シートの形成
感圧接着層9(具体的には、第1感圧接着層21および第2感圧接着層22)を支持シート23の上下両面に配置するには、図1Aに示すように、感圧接着剤を、支持シート23の上下両面に塗布し、その後、乾燥させる。乾燥温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、150℃以下、好ましくは、130℃以下である。乾燥温度は、例えば、5分以下である。
その後、必要により、感圧接着剤をエージングする。エージング温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、40℃以上であり、また、例えば、70℃以下、好ましくは、60℃以下である。エージング時間は、例えば、10時間以上、また、例えば、120時間以下である。
これにより、支持シート23、第1感圧接着層21および第2感圧接着層22からなる感圧接着シート2を作製する。
その後、作製した感圧接着シート2の第2感圧接着層22を、支持基板8の上面に貼り合わせる。
なお、感圧接着シート2は、支持基板8とともに、支持基板付感圧接着シート15を構成する。
1−2−9. 感圧接着シートの物性(剥離接着力)
感圧接着シート2の剥離接着力PSは、220mN/10mm以上、好ましくは、230mN/10mm以上であり、また、300mN/10mm以下、好ましくは、290mN/10mm以下である。
感圧接着シート2の剥離接着力PSが上記した下限未満であれば、後述するが、図4Aの工程(2)と比較例1および2が参照されるように、封止層10を形成する封止組成物が光半導体素子1の電極面3と感圧接着シート2の第1感圧接着層21との間に潜り込む(封止組成物の潜り込みの発生)。
しかし、感圧接着シート2の剥離接着力PSが上記した下限以上であれば、封止組成物の上記した潜り込みを抑制することができる。
一方、感圧接着シート2の剥離接着力PSが上記した上限を超えれば、後述するが、図5Aの工程(3)および比較例3が参照されるように、光半導体素子1の電極面3に第1感圧接着層21を形成する感圧接着剤が残る(糊残りの発生)。
しかし、感圧接着シート2の剥離接着力PSが上記した上限以下であれば、上記した糊残りを抑制することができる。
感圧接着シート2の剥離接着力PSは、感圧接着層が含有する架橋剤の配合割合、種類、第1感圧接着層21および第2感圧接着層22のそれぞれの厚みなどによって、調整される。
具体的には、感圧接着シート2の剥離接着力PSが感圧接着層が含有する架橋剤の配合割合、第1感圧接着層21および第2感圧接着層22のそれぞれの厚みによって、上記した所望の範囲に設定されるときに、架橋剤の配合割合は、ポリマー(固形分)100質量部に対して、例えば、2質量部以上、好ましくは、8質量部以下であり、かつ、第1感圧接着層21および第2感圧接着層22のそれぞれの厚みが、例えば、15μm以上、好ましくは、25μm以下である。
1−2−10. 光半導体素子の感圧接着シートへの感圧接着
そして、この工程(1)において、図1Aに示すように、複数の光半導体素子1を感圧接着シート2の上に感圧接着するには、複数の光半導体素子1の電極面3を感圧接着シート2の上面15(第1感圧接着層21の上面15)に載置する(接触させる)。これにより、光半導体素子1を感圧接着シート2に仮固定する。
この際、電極6は、第1感圧接着層21に対してめり込む(埋没する)。つまり、電極6の下面は、周囲の第1感圧接着層21の上面15に対して、下側に位置する。これによって、電極面3における電極6の周囲の部分は、第1感圧接着層21に対して直接接触している。なお、電極面3における電極6の周囲の下面13は、第1感圧接着層21において光半導体素子1の周囲の上面15と、面方向に投影したときに、同一位置に位置している。
これにより、複数の光半導体素子1を感圧接着層9に感圧接着する。つまり、複数の光半導体素子1を仮固定シート7に仮固定する。
光半導体素子1の前後方向および/または左右方向における長さL1は、例えば、0.2mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、1.5mm以下、好ましくは、1.2mm以下である。また、隣接する光半導体素子1の間の間隔(前後方向および/または左右方向における間隔)L0は、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.1mm以上であり、また、例えば、1.0mm以下、好ましくは、0.8mm以下である。また、隣接する光半導体素子1のピッチL2、具体的には、上記した長さL1および間隔L0の和(L1+L0)は、例えば、0.25mm以上、好ましくは、0.6mm以上であり、また、例えば、2.5mm以下、好ましくは、2.0mm以下である。
複数の光半導体素子1と、感圧接着シート2とは、素子部材36を構成する。
1−3.工程(2)
工程(2)は、工程(1)の後に実施される。工程(2)では、図1Bに示すように、光半導体素子1を封止層10によって封止する。
光半導体素子1を封止層10によって封止するには、まず、図1Aに示すように、封止層10が備えられた封止部材14を用意する。
具体的には、まず、剥離層12と、剥離層12の下面に配置される封止層10とを備える封止部材14とを用意する。封止部材14は、好ましくは、剥離層12と、封止層10とのみからなる。封止部材14は、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
剥離層12は、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーから、シート状に形成されている。剥離層12の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
封止層10は、剥離層12の下面全面に形成される層状を有している。封止層10は、ホットメルト樹脂組成物などの封止組成物から形成されている。
ホットメルト樹脂組成物は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などのホットメルト樹脂を含有する。
熱硬化性樹脂としては、例えば、2段反応硬化性樹脂、1段反応硬化性樹脂が挙げられる。
2段反応硬化性樹脂は、2つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からBステージ化(半硬化)し、次いで、第2段の反応で、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。つまり、2段反応硬化性樹脂は、適度の加熱条件によりBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。Bステージ状態は、熱硬化性樹脂が、液状であるAステージ状態と、完全硬化したCステージ状態との間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、圧縮弾性率がCステージ状態の弾性率よりも小さい半固体状態または固体状態である。
1段反応硬化性樹脂は、1つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。このような1段反応硬化性樹脂は、第1段の反応の途中で、その反応が停止して、Aステージ状態からBステージ状態となることができ、その後のさらなる加熱によって、第1段の反応が再開されて、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる熱硬化性樹脂である。つまり、かかる熱硬化性樹脂は、Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。そのため、1段反応硬化性樹脂は、1段の反応の途中で停止するように制御できず、つまり、Bステージ状態となることができず、一度に、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)する熱硬化性樹脂を含まない。
要するに、熱硬化性樹脂は、Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。
熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、好ましくは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられ、より好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、例えば、フェニル基を分子内に含むフェニル系シリコーン樹脂などが挙げられる。
上記した熱硬化性樹脂は、同一種類または複数種類のいずれでもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
ホットメルト樹脂としては、好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、封止樹脂組成物は、さらに、フィラーおよび/または蛍光体を含有することができる。
フィラーとしては、例えば、光拡散性粒子が挙げられる。光拡散性粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子などが挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO)、タルク(Mg(Si10)(HO))、アルミナ(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化アンチモン(Sb)などの酸化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)などの窒化物などの無機物粒子(無機物)が挙げられる。また、無機粒子として、例えば、上記例示の無機物から調製される複合無機物粒子が挙げられ、具体的には、酸化物から調製される複合無機酸化物粒子(具体的には、ガラス粒子など)が挙げられる。
無機粒子として、好ましくは、シリカ粒子、ガラス粒子が挙げられる。
有機粒子の有機材料としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。
フィラーは、単独使用または併用することができる。
フィラーの含有割合は、封止組成物に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、75質量%以下である。また、フィラーのホットメルト樹脂100質量部に対する配合割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、1,000質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。
蛍光体としては、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、YAl12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、TbAl12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN:Eu、CaSiN:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体として、好ましくは、黄色蛍光体、より好ましくは、ガーネット型蛍光体が挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。
蛍光体の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の配合割合は、封止組成物に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。また、蛍光体の配合割合は、ホットメルト樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
封止層10を調製するには、例えば、上記したホットメルト樹脂と、必要により配合されるフィラーおよび/または蛍光体とを配合して、封止組成物のワニスを調製し、続いて、それを、剥離層12の表面に塗布する。
その後、封止組成物が熱硬化性樹脂を含有する場合には、封止組成物を、Bステージ化する。具体的には、封止組成物を、加熱する。
加熱温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。加熱時間は、例えば、5分以上、好ましくは、10分以上であり、また、例えば、20分以下、好ましくは、15分以下である。
これによって、図1Aに示すように、剥離層12と、封止層10とを備える封止部材14を製造する。
1−3−1.封止層の物性(溶融粘度)
封止層10の60℃における溶融粘度MVは、例えば、10Pa・s以上、好ましくは、50Pa・s以上であり、また、例えば、2000Pa・s以下、好ましくは、1500Pa・s以下、より好ましくは、1000Pa・s以下である。
封止層10の溶融粘度MVが上記した上限以下であれば、封止層10によって光半導体素子1を確実に封止することができる。封止層10の溶融粘度MVが上記した下限以上であれば、封止組成物の上記した潜り込みを抑制することができる。
封止層10の溶融粘度MVは、E型粘度計で測定される。
封止層10の溶融粘度MVは、例えば、封止樹脂組成物(ホットメルト樹脂)の処方を適宜変更することによって、適宜調整される。
次いで、図1Aの矢印および図1Bに示すように、封止層10を、光半導体素子1および仮固定シート7に対して、プレスする。
具体的には、プレス機25を用いて、封止部材14を光半導体素子1および仮固定シート7に向けて、プレスする。
プレス機25は、熱源を備える熱プレス機である。プレス機25は、下板27と、下板27の上側に配置され、下板27に対して下側に熱プレス可能に構成される上板26とを備える。
プレス条件は、封止層10が溶融(可塑化)し、さらには、封止層10が熱硬化性樹脂を含有する場合には、封止層10の硬化がわずかに進行する条件に適宜設定される。
具体的には、プレスの温度は、40℃以上、好ましくは、45℃以上であり、また、200℃以下、好ましくは、180℃以下、より好ましくは、150℃以下である。
プレスの圧力(プレス圧)Vは、例えば、0.5MPa以上、好ましくは、0.7MPa以上であり、また、例えば、2.0MPa以下、好ましくは、1.5MPa以下である。
プレス圧Vが上記した下限以上であれば、封止組成物の上記した潜り込み(とりわけ、光半導体素子1が小型である場合(具体的には、縦1000μm以下、横500μm以下のサイズ)における潜り込み)を抑制することができる。プレス圧Vが上記した上限以下であれば、光半導体素子1、とりわけ、上記した小型の光半導体素子1が第1感圧接着層21に対して埋没することを防止することができる。
プレスの速度Sは、下板27および上板26が上下方向(プレス方向)に近接する相対速度Sであって、例えば、0.01mm/秒以上、好ましくは、0.05mm/秒以上であり、また、例えば、0.3mm/秒以下、好ましくは、0.2mm/秒以下である。
プレスの速度Sが上記した下限以上であれば、封止光半導体素子11の生産性の低下を抑制することができる。プレスの速度Sが上記した上限以下であれば、とりわけ、光半導体素子1が小型である場合における、封止組成物の上記した潜り込みを抑制することができる。
熱プレスの時間は、例えば、1秒以上、好ましくは、3秒以上であり、また、例えば、20分以下、好ましくは、10分以下である。
これによって、封止層10が、光半導体素子1の発光面4と周側面5とを被覆する。また、封止層10は、光半導体素子1から露出する第1感圧接着層21の上面34も被覆する。
一方、封止層10は、電極面3における電極6の周囲の下面13と、それに対向する第1感圧接着層21の上面15との間に進入しない。そのため、封止層10は、光半導体素子1の電極面3と、第1感圧接着層21の上面15との間には、存在しない。
その後、封止部材14および仮固定シート7をプレス機25から取り外す。
次いで、図1Bの矢印で示すように、剥離層12を封止層10から剥離する。
すると、封止層10の上面16は、上側に露出する露出面となる。
これによって、複数の光半導体素子1と、複数の光半導体素子1を封止する1つの封止層10とを備える封止光半導体素子11を、仮固定シート7に仮固定された状態で、得る。この封止光半導体素子11は、仮固定シート7に仮固定された状態で、仮固定シート7とともに流通することができる。
1−4.工程(3)
工程(3)は、工程(2)の後に実施される。工程(3)では、図1Cに示すように、封止光半導体素子11を感圧接着層9から剥離する。
封止光半導体素子11を感圧接着層9から剥離するには、まず、処理によって感圧接着シート2の感圧接着力を低減させる。
具体的には、活性エネルギー線を感圧接着シート2(感圧接着層34)に対して照射する。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線などが挙げられる。好ましくは、紫外線が挙げられる。線源としては、例えば、ケミカルランプ、エキシマレーザ、ブラックライト、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの照射装置が挙げられる。照射量は、例えば、感圧接着層34における炭素−炭素二重結合が実質的に反応できる条件、具体的には、光重合開始剤が実質的に反応できる条件に設定される。具体的には、照射量は、例えば、100mJ/cm、好ましくは、400mJ/cm以上であり、また、例えば、2000mJ/cm、好ましくは、1000mJ/cm以下である。
次いで、図1Cの1点破線で示すように、封止層10を、複数の封止光半導体素子11のそれぞれが個片化されるように、ダイシングソー37によって、ダイシング(切断)する。
これにより、1つの光半導体素子1、および、1つの封止層10を備える封止光半導体素子11が、仮固定シート7に仮固定された状態で、複数製造される。
封止光半導体素子11の寸法は、適宜設定されており、前後方向および/または左右方向における長さは、例えば、0.2mm以上、好ましくは、0.3mm以上であり、また、例えば、3mm以下、好ましくは、2mm以下である。
その後、図示しないピックアップ装置を用いて、1つの封止光半導体素子11を仮固定シート7から剥離する。具体的には、光半導体素子1の電極面3および封止層10の下面を、第1感圧接着層21の上面15から引き剥がす。
なお、ピックアップ装置は、押圧部材および吸引部材(後述する図2C参照)などを備えており、具体的には、特開2014−168032号公報、特開2014−168033号公報、特開2014−168034号公報、特開2014−168035号公報、特開2014−168036号公報などに記載される構成を備える。
これによって、1つの光半導体素子1、および、1つの封止層10を備える封止光半導体素子11が得られる。封止光半導体素子11は、好ましくは、1つの光半導体素子1、および、1つの封止層10のみからなる。
封止光半導体素子11は、後述する発光装置30(図1D参照)ではなく、つまり、発光装置30に備えられる基板29(図1D参照)を含んでいない。つまり、封止光半導体素子11は、発光装置30の基板29に備えられる端子28(後述)とまだ電気的に接続されないように、構成されている。また、封止光半導体素子11は、発光装置30(図1D参照)の一部品、すなわち、発光装置30を作製するための部品であり、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
1−4. 発光装置の製造
その後、封止光半導体素子11を基板29に実装(フリップチップ実装)する。
基板29は、左右方向および前後方向に延びる略平板形状を有している。基板29は、その上面に、封止光半導体素子11の電極6に対応する端子28を備える。
具体的には、電極6と端子28とを電気的に接続する。
これによって、基板29と、それに実装される封止光半導体素子11とを備える発光装置30を得る。発光装置30は、好ましくは、基板29と、封止光半導体素子11とのみからなる。
発光装置30では、電極6から露出する封止層10の下面は、基板29の上面と間隔が隔てられている。
<第1実施形態の作用効果>
この方法によれば、感圧接着シート2の剥離接着力が上記した下限以上であるので、工程(2)において、図1Bに示すように、光半導体素子1の電極面3と第1感圧接着層21との間に、封止層10が進入することを抑制することができる。
また、感圧接着シート2の剥離接着力PSが上記した上限以下であるので、封止光半導体素子11を第1感圧接着層21から剥離する工程(3)において、図1Cに示すように、第1感圧接着層21が、封止光半導体素子11における光半導体素子1の電極面3に付着することを抑制することができる。
そのため、この封止光半導体素子11では、図1Cに示すように、電極面3における封止層10の存在が抑制されて、電極面3が露出するので、図1Dに示すように、電極面3を基板29の端子28と電気的に接続すれば、信頼性に優れる発光装置30を得ることができる。
また、この方法によれば、封止層10がホットメルト樹脂組成物からなっているので、工程(2)において、図1Bに示すように、封止層10を加熱する簡便な方法で、封止層10を溶融(ホットメルト)させて、光半導体素子1を被覆することができる。さらに、溶融した封止層10は、光半導体素子1の電極面3と第1感圧接着層21との間に、封止層10が進入し易いところ、感圧接着シート2の剥離接着力PSが上記した下限以上であるので、封止層10の、上記した光半導体素子1の電極面3と第1感圧接着層21との間への進入を抑制することができる。
また、この方法によれば、工程(2)におけるプレスの速度Sが上記した下限以上であれば、封止光半導体素子11の生産性の低下を抑制することができるとともに、プレスの速度Sが上記した上限以下であるので、小型の光半導体素子1の電極面3と第1感圧接着層21との間に、封止層10が進入することをより一層抑制することができる。
また、この方法によれば、工程(2)におけるプレスの圧力Vが上記した下限以上にあれば、小型の光半導体素子1の電極面3と第1感圧接着層21との間に、封止層10が進入することをより一層抑制することができるとともに、プレスの圧力Vが上記した上限以下にあれば、光半導体素子1が第1感圧接着層21に対して埋没し、その後、封止光半導体素子11を第1感圧接着層21から剥離しにくくなることを抑制することができる。
また、この方法によれば、封止層10の溶融粘度MVが上記した下限以上にあれば、光半導体素子1の電極面3と第1感圧接着層21との間に、封止層10が進入することをより一層抑制することができるとともに、封止層10の溶融粘度MVが上記した上限以下にあれば、封止層10によって光半導体素子1を確実に封止することができる。
また、この方法では、工程(2)において、封止層10によって、発光面4と周側面5とを被覆するので、封止光半導体素子11における光半導体素子1の信頼性を確実に向上させることができる。
また、この方法によれば、電極面3における封止層10の存在が抑制された封止光半導体素子11の電極面3を基板29の端子28と電気的に接続するので、発光装置30は、信頼性に優れる。
<変形例>
第1実施形態において、図1Bに示すように、剥離層12を封止層10から剥離した後、図1Cの1点破線で示すように、封止層10をダイシング(切断)しているが、例えば、図示しないが、封止層10をダイシング(切断)した後、剥離シート12を封止層10から剥離することもできる。
<第2実施形態>
第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
1. 工程(1)
第2実施形態の工程(1)では、図2Aに示すように、貫通孔31が形成された支持基板8を用意する。
支持基板8は、複数の光半導体素子1に対応する複数の貫通孔31を有する。
複数の貫通孔31は、左右方向および前後方向において、互いに等しい間隔を隔てて配置されている。複数の貫通孔31のそれぞれは、平面視略円形状を有している。
貫通孔31の寸法は、適宜設定されており、その孔径(内径)が、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.2mm以上であり、また、例えば、1mm以下、好ましくは、0.7mm以下である。
感圧接着シート2は、複数の貫通孔31の上端部を閉塞するように、支持基板8の外周縁と同一の外周縁を有している。つまり、感圧接着シート2の下面(第2感圧接着層22の下面)は、貫通孔31から下方に露出している。
2. 工程(3)
工程(3)では、図2Cに示すように、ピックアップ装置32を用いて、封止光半導体素子11を仮固定シート7から剥離する。
ピックアップ装置32は、押圧部材33と、吸引部材38とを備える。
押圧部材33は、上下方向に延びる形状を有し、上方に尖る針などである。押圧部材33は、その上端部が上下方向に移動可能であり、かつ、上端部が貫通孔31から露出する感圧接着シート2を上方に向けて押圧可能に構成されている。
吸引部材38は、上下方向に延びる形状を有し、その下端部に吸引口35を有している。吸引部材38は、吸引口35が上下方向に移動可能であり、かつ、吸引口35が封止光半導体素子11の上面を吸引可能に構成されている。
工程(3)では、まず、仮固定シート7と、仮固定シート7に支持されながら個片化された複数の封止光半導体素子11との積層体を、ピックアップ装置32に設置する。
続いて、押圧部材33を、剥離したい封止光半導体素子11に対応する貫通孔31の下側に対向配置させる。
次いで、押圧部材33を支持基板8の下側から貫通孔31に挿入する。
すると、貫通孔31に対応する感圧接着シート2が、支持基板8に対して相対的に上側に押圧され、封止光半導体素子11とともに押し上げられる。
押し上げられた封止光半導体素子11を、吸引部材38の吸引口35によって吸引する。
これによって、封止光半導体素子11を第1感圧接着層21から剥離する。
そして、この第2実施形態では、支持基板8が貫通孔31を有するので、図2Bに示すように、工程(2)において、封止組成物が光半導体素子1の電極面3と感圧接着シート2の第1感圧接着層21との間に潜り込み易い。しかし、封止層10の60℃における溶融粘度MVが上記した下限(50Pa・s、第1実施形態の「1−3−1.封止層の物性(溶融粘度)」欄参照)以上であれば、封止樹脂組成物の上記した潜り込みを抑制することができる。
また、工程(2)において、封止層10による光半導体素子1の封止が困難になり易い。しかし、封止層10の60℃における溶融粘度MVが上記した上限(例えば、1500Pa・s、好ましくは、1000Pa・s、第1実施形態の「1−3−1.封止層の物性(溶融粘度)」欄参照)以下であれば、封止層10によって、光半導体素子1を確実に封止することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
工程(1)では、図3Aに示すように、電極6は、第1感圧接着層21に埋没せず、その下面のみが第1感圧接着層21の上面15に接触する。電極面3における電極6の周囲の下面13は、第1感圧接着層21の上面15と厚み方向に間隔を隔てている。
具体的には、光半導体素子1の電極面3を第1感圧接着層21の上面15に載置する際に、電極面3が第1感圧接着層21の上面15にかかる圧力が、第1実施形態のそれに比べて、小さくなるように、調整する。
工程(2)では、図3Bに示すように、封止層10は、電極面3における電極6の周囲の下面13、および、電極6の周側面を被覆する。
工程(3)では、図3Cに示すように、封止光半導体素子11において、封止層10の下面と、電極6の下面とは、左右方向および前後方向に面一である。
また、図3Dに示すように、封止光半導体素子11を基板29に実装するときに、電極6から露出する封止層10の下面は、基板29の上面と直接接触する。
第3実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
また、「部」または「%」は、特に記載がない限り、質量基準である。
実施例1
<工程(1)>
図1Aに示すように、まず、仮固定シート7を用意した。
すなわち、仮固定シート7を用意するには、まず、感圧接着剤を調製した。
具体的には、温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)12.6質量部と、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO、重合開始剤)(商品名「ナイパーBW」、日油社製)0.25質量部とを、トルエン(重合溶媒)に投入して、窒素ガス気流下60℃で、モノマー成分を共重合させた。これにより、アクリル系ポリマーの45質量%トルエン溶液を得た。これに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート13.5質量部を配合して、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(イソシアネート基含有化合物)をアクリル系ポリマーに対して付加反応させ、炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを調製した。また、上記アクリル系ポリマーのトルエン溶液に、アクリル系ポリマーの固形分100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製)7.5質量部と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア127」、(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2質量部とを添加した。これによって、炭素−炭素二重結合が導入された樹脂組成物からなる感圧接着剤を調製した。
続いて、厚み38μmのPETフィルム(大三紙業社製)からなる支持シート23を用意した。次いで、支持シート23の上下両面に、上記の感圧接着剤を塗布して、その後、120℃で3分間乾燥し、さらに50℃で24時間、エージングした。これにより、支持シートと、厚み30μmの第1感圧接着層21と、厚み30μmの第2感圧接着層22とを備える感圧接着シート2を作製した。
続いて、感圧接着シート2を、厚み700μmのガラス板からなる支持基板8に貼り付けた。これにより、感圧接着シート2と、支持基板8とを備える仮固定シート7を用意した。
次いで、感圧接着シート2の上に、2種類の光半導体素子1、具体的には、通常サイズの光半導体素子1(縦1143μm、横1143μm、厚み150μm、商品名「EDI−FA4545A」、Epistar社製)、および、小型サイズの光半導体素子1(縦762μm、横356μm、厚み130μm、商品名「ETi−KB306A−BL」、ETI社製)」、Epistar社製)を、それぞれ、100個配置して、光半導体素子1を第1感圧接着層21の上面に感圧接着した。
これにより、仮固定シート7と、複数の光半導体素子1とを備える素子部材36を用意した。
<工程(2)>
次いで、PETフィルムからなる厚み50μmの剥離層12と、剥離層12の下面に配置され、封止組成物からなる封止層10とを備える封止部材14を用意した。封止組成物は、ホットメルト樹脂組成物であって、フェニル系シリコーン樹脂(1段反応硬化性樹脂)50質量部、ガラス粒子40質量部、および、蛍光体10質量部から調製した。封止層10の厚みは、500μmであった。
その後、素子部材36および封止部材14をプレス機25に設置した。具体的には、支持基板8を下板27の上面に載置するとともに、剥離シート12を上板26の下面に取り付けた。
そして、図1Bに示すように、プレス機25によって、封止部材14を素子部材36および仮固定シート7に対して熱プレスした。熱プレスでは、プレス速度Sが0.1mm/秒、プレス圧Vが1.1MPa、温度が90℃、プレス時間が10分であった。
このようにして、封止部材14によって、複数の光半導体素子1を封止した。
これによって、半導体素子1および封止層10とを備える複数の封止光半導体素子11を、仮固定シート7に支持された状態で、得た。
続いて、封止部材14および仮固定シート7をプレス機25から取り外した。
その後、剥離シート12に対して紫外線を照射して感圧接着シート2の感圧接着力を低減させた。
続いて、図1Bの矢印で示すように、剥離シート12を封止層10から剥離した。
次いで、図1Cが参照されるように、封止層10を、複数の封止光半導体素子11のそれぞれが個片化されるように、ダイシングソー37によって、ダイシングした。
これにより、1つの光半導体素子1と、1つの封止層10とを備える封止光半導体素子11を、仮固定シート7に仮固定された状態で、得た。
<工程(3)>
次いで、図1Cの矢印で示すように、封止光半導体素子11を、図示しないピックアップ装置を用いて、仮固定シート7から剥離した。
これにより、1つの光半導体素子1と、1つの封止層10とからなる光半導体素子1を得た。
実施例2〜実施例12および比較例1〜比較例3
光半導体素子1のサイズ、イソシアネート系架橋剤の配合割合、第1感圧接着層21の厚み、剥離接着力PS、プレス速度S、プレス圧V、溶融粘度MVを、表1に基づいて、変更した以外は、実施例1と同様に処理して、封止光半導体素子11を製造した。
実施例13〜実施例16
工程(1)において、封止層の溶融粘度MVを表1に基づいて変更した点、および、図2Aに示すように、複数の光半導体素子1に対応する複数の貫通孔31を有する支持基板8を用意した点以外は、実施例1と同様に処理して、封止光半導体素子11を製造した。
評価
以下の事項を評価した。その結果を表1に示す。
[封止層の溶融粘度MV]
封止層の60℃における溶融粘度MVを、E型粘度計に基づいて、測定した。
[感圧接着層の剥離接着力PS]
感圧接着層の剥離接着力PSを、精密荷重測定器(アイコーエンジニアリング社製MODEL−1605VCL)を用いて感圧接着層を端子で圧縮し、端子が感圧接着層から剥離する際の荷重を端子面積で割ることにより、測定した。
[潜り込み]
プレス機25による熱プレス直後の封止光半導体素子11をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製VHX−2000)にて観察して、以下の基準に基づいて、封止樹脂組成物の潜り込みを評価した。
○:封止樹脂組成物が電極面3と第1感圧接着層21との間に潜り込んだことを確認できなかった(図1Bおよび図2B参照)。
△:封止樹脂組成物が電極面3と第1感圧接着層21との間にわずかに潜り込んだことを確認した。
×:封止樹脂組成物が電極面3と第1感圧接着層21との間に潜り込んでいたことを確認した(図4A参照)。
[糊残り]
仮固定シート7から剥離した封止光半導体素子11の電極6の下面を光学顕微鏡で観察して、以下の基準に基づいて、封止樹脂組成物の糊残りを評価した。
○:電極6の下面に感圧接着剤の存在を確認できなかった(図1Cおよび図2C参照)。
△:電極6の下面に感圧接着剤がわずかに残っていることを確認した。
×:電極6の下面に感圧接着剤が残っていることを確認した(図5A参照)。
[埋没]
プレス機25による熱プレス直後の封止光半導体素子11をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製VHX−2000)で観察して、以下の基準に基づいて、光半導体素子1の埋没を評価した。
○:電極6のみが第1感圧接着層21内に埋没していたが、光半導体素子1全体は第1感圧接着層21内に埋没していなかった。
△:光半導体素子1全体が第1感圧接着層21内にわずかに埋没していた。
[封止性]
プレス機25による熱プレス直後の封止光半導体素子11をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製VHX−2000)で観察して、以下の基準に基づいて、封止層10の封止性を評価した。
○:封止層10が光半導体素子1の発光面4および周側面5を被覆していた。
△:封止層10が光半導体素子1の発光面4を被覆していたが、周側面5の下部を被覆していなかった。
Figure 2017059577
1 光半導体素子
2 感圧接着シート
3 電極面
4 発光面
5 周側面
6 電極
7 仮固定シート
8 支持基板
9 感圧接着層
10 封止層
11 封止光半導体素子
21 第1感圧接着層
29 基板
30 発光装置
31 貫通孔
33 押圧部材
PS 剥離接着力(感圧接着シート)
MV 溶融粘度(封止層)
S プレス速度
V プレス圧

Claims (7)

  1. 電極が設けられる電極面を有する光半導体素子の前記電極面を、感圧接着層に感圧接着する工程(1)、
    前記工程(1)の後に、前記光半導体素子を封止層によって封止することにより、前記光半導体素子と前記封止層とを備える封止光半導体素子を作製する工程(2)、および、
    前記工程(2)の後に、前記封止光半導体素子を前記感圧接着層から剥離する工程(3)を備え、
    前記感圧接着層の剥離接着力が、220mN/10mm以上、300mN/10mm以下であることを特徴とする、封止光半導体素子の製造方法。
  2. 前記封止層は、ホットメルト樹脂組成物からなり、
    前記工程(2)において、前記封止層を加熱することを特徴とする、請求項1に記載の封止光半導体素子の製造方法。
  3. 前記工程(2)では、前記封止層を前記光半導体素子および前記感圧接着層に向けて、0.01mm/秒以上、0.3mm/秒以下の速度で、プレスすることを特徴とする、請求項1または2に記載の封止光半導体素子の製造方法。
  4. 前記工程(2)では、前記封止層を前記光半導体素子および前記感圧接着層に向けて、0.5MPa以上、2.0MPa以下の圧力で、プレスすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法。
  5. 前記感圧接着層は、仮固定シートに備えられており、
    前記仮固定シートは、厚み方向を貫通する貫通孔を有する支持基板と、
    前記支持基板の厚み方向一方側に配置され、前記貫通孔を被覆する前記感圧接着層とを備え、
    前記工程(1)では、前記光半導体素子を、厚み方向に投影したときに、前記貫通孔に重複するように、前記電極面を前記感圧接着層に感圧接着し、
    前記工程(3)では、押圧部材を前記貫通孔に挿入して、前記貫通孔に対応する前記感圧接着層を押圧することによって、前記封止光半導体素子を前記支持基板に対して相対移動させながら、前記封止光半導体素子を前記感圧接着層から剥離し、
    前記封止層の60℃における溶融粘度が、50Pa・s以上、1500Pa・s以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法。
  6. 前記光半導体素子は、
    前記電極面に対して間隔を隔てて対向配置され、発光層が設けられる発光面と、
    前記発光面および前記電極面の周端縁を連結する連結面と
    をさらに有し、
    前記工程(2)では、前記封止層によって、前記発光面と前記連結面とを被覆することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の封止光半導体素子の製造方法により、封止光半導体素子を製造する工程(4)、および、
    前記封止光半導体素子を基板に実装する工程(5)
    を備えることを特徴とする、発光装置の製造方法。
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