JP2016208033A - 封止半導体素子および半導体装置の製造方法 - Google Patents

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悠紀 江部
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Abstract

【課題】封止層と、封止層により封止された半導体素子とを備える封止半導体素子を、感圧接着層から剥離するときに、感圧接着層を形成する感圧接着剤が、封止半導体素子の半導体素子に付着することを抑制することのできる、封止半導体素子の製造方法および半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】封止光半導体素子11の製造方法では、光半導体素子1を、熱硬化性樹脂を含有する封止層10によって、封止して、光半導体素子1と、そを封止する封止層10とを備える封止光半導体素子11を得た後、封止層10が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H1が封止層10に付与されるように、封止層10を加熱した後に、感圧接着シート77の感圧接着力を低減させ、その後、封止層10が完全硬化する熱履歴H0と同じまたはそれより多い熱履歴H2が封止層10に付与されるように、封止層10を加熱し、その後、封止光半導体素子11を、感圧接着シート77から剥離する。
【選択図】図1

Description

本発明は、封止半導体素子および半導体装置の製造方法、詳しくは、封止半導体素子の製造方法、および、それにより得られた封止半導体素子を用いる半導体装置の製造方法に関する。
従来、LEDを、封止層によって封止して、封止LEDを製造する方法が知られている。
例えば、以下の方法によって、蛍光体シート被覆LEDを得ることが提案されている。すなわち、まず、支持板と、支持板の上面に積層され、活性エネルギー線の照射によって粘着力が低下する粘着層とを備える支持シートを用意し、次いで、粘着層に、LEDを感圧接着する。その後、熱硬化性樹脂および蛍光体を含有する蛍光体シートによって、LEDを封止し、蛍光体シート被覆LEDを得る。その後、蛍光体シート被覆LEDにおける蛍光体シートを加熱することにより、蛍光体シートを熱硬化させ、次いで、活性エネルギー線を粘着層に照射して、蛍光体シート被覆LEDを粘着層から剥離する(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1では、粘着層から剥離した蛍光体シート被覆LEDを基板にフリップチップ実装して、LEDの電極を、基板の端子に対して電気的に接続している。
特開2014−168032号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、蛍光体シートが熱硬化するように、蛍光体シートを加熱すると、粘着層も十分に加熱されてしまい、そうすると、粘着層を形成する感圧接着剤の感圧接着力が顕著に失活する場合がある。そのため、蛍光体シートの加熱後に、活性エネルギー線を粘着層に照射しても、粘着層の蛍光体シート被覆LEDに対する粘着力が十分に低下せず、その結果、蛍光体シート被覆LEDを粘着層から剥離する際に、感圧接着剤が、蛍光体シート被覆LEDの裏面(粘着層に感圧接着していた面)に付着する場合(いわゆる糊残り)がある。その場合には、LEDの裏面に付着する感圧接着剤に起因して、LEDの電極と基板の端子との電気的な接続が不良となる不具合がある。
本発明の目的は、封止層と、封止層により封止された半導体素子とを備える封止半導体素子を、感圧接着シートから剥離するときに、感圧接着シートを形成する感圧接着剤が、封止半導体素子の半導体素子に付着することを抑制することのできる、封止半導体素子の製造方法、および、それにより得られた封止半導体素子を用いる半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明(1)は、処理によって感圧接着力が低減するように構成される感圧接着シートに感圧接着された半導体素子を、熱硬化性樹脂を含有する封止層によって、封止して、前記半導体素子と、前記半導体素子を封止する前記封止層とを備える封止半導体素子を得る封止工程、前記封止工程の後に、前記封止層が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H1が前記封止層に付与されるように、前記封止層を加熱する第1加熱工程、前記第1加熱工程の後に、前記処理によって前記感圧接着シートの感圧接着力を低減させる低減工程、前記低減工程の後に、前記封止層が完全硬化する熱履歴H0と同じまたはそれより多い熱履歴H2が前記封止層に付与されるように、前記封止層を加熱する第2加熱工程、および、前記封止半導体素子を、前記感圧接着シートから剥離する剥離工程を備える、封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、第1加熱工程では、低減工程の前に、熱硬化性樹脂が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H1が熱硬化性樹脂に付与されるように、封止層を加熱するので、第1加熱工程における感圧接着シートの感圧接着力の低下を抑制することができる。そのため、第1加熱工程および第2加熱工程の後に、低減工程を実施する場合であって、第2加熱工程における感圧接着シートの感圧接着力が大きく低下する場合に比べて、低減工程において、感圧接着シートの感圧接着力を十分に低減させることができる。そのため、剥離工程において、封止半導体素子を感圧接着シートから容易かつ確実に剥離して、半導体素子に感圧接着剤が付着することを抑制することができる。
一方、この封止半導体素子の製造方法は、低減工程の後に、第1加熱工程および第2加熱工程を実施する場合に比べても、剥離工程において、封止半導体素子を感圧接着シートから容易かつ確実に剥離して、半導体素子に感圧接着剤が付着することを抑制することができる。
そのため、電気的な接続信頼性に優れる封止半導体素子を製造することができる。
他方、予め、第2加熱工程によって、封止層の熱硬化性樹脂を熱硬化させることができるので、封止層による半導体素子に対する封止性を簡易かつ確実に向上させることができる。
その結果、封止性および電気的な接続信頼性に優れる封止半導体素子を製造することができる。
本発明(2)は、前記感圧接着シートは、前記半導体素子と感圧接着する感圧接着層を備え、前記第1加熱工程の加熱と前記低減工程の前記処理とを順次実施した前記感圧接着層の25℃における引張弾性率Xの、前記低減工程の前記処理のみを実施した前記感圧接着層の25℃における引張弾性率Yに対する比(X/Y)が、0.70以上である、(1)に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、上記した比(X/Y)が特定値以上であるので、第1加熱工程における感圧接着層の感圧接着力の低下を有効に抑制することができる。そのため、低減工程において、感圧接着層の感圧接着力をより一層十分に低減させることができる。そのため、剥離工程において、封止半導体素子を感圧接着層から容易かつ確実に剥離して、半導体素子に感圧接着剤が付着することを有効に抑制することができる。
本発明(3)は、前記封止工程では、複数の前記半導体素子を、前記封止層によって、封止して、複数の前記半導体素子を備える前記封止半導体素子を得、前記第1加熱工程の後であって、前記低減工程の前に、前記封止層を、複数の前記半導体素子のそれぞれに対応するように、切断する切断工程をさらに備える、(1)または(2)に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、第1加熱工程によって、封止層の熱硬化を徐々に進行させることができ、それよって、第1加熱工程に後に実施される切断工程における封止層の機械強度を向上させることができる。そのため、封止層を確実に切断することができる。その結果、封止半導体素子における封止層を確実に切断できながら、複数の封止半導体素子を効率的に製造することができる。
本発明(4)は、前記剥離工程を、前記低減工程の後であって、前記第2加熱工程の前に実施する、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、第2加熱工程を実施する際には、感圧接着シートが封止半導体素子からすでに剥離されているので、第2加熱工程における感圧接着シートの封止半導体素子への付着を防止することができる。
本発明(5)は、前記低減工程の前に、前記封止半導体素子に耐熱性シートを貼り合わせる耐熱性シート貼合工程をさらに備える、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、低減工程の前に、封止半導体素子に耐熱性シートを貼り合わせるので、封止半導体素子を耐熱性シートで支持しながら、低減工程を実施することができる。
本発明(6)は、前記剥離工程では、前記封止半導体素子を前記感圧接着シートから耐熱性シートに転写する、(4)に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、剥離工程において、封止半導体素子を感圧接着シートから耐熱性シートに転写し、その後、第2加熱工程を実施するので、第2加熱工程において、耐熱性シートで封止半導体素子を支持しながら、封止半導体素子における封止層を完全硬化させることができる。
本発明(7)は、前記封止半導体素子を前記耐熱性シートから転写シートに転写する転写工程を備える、(5)または(6)に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、転写シートに支持された封止半導体素子を種々の用途に用いることができる。
本発明(8)は、前記剥離工程を、前記第2加熱工程の後に実施し、前記剥離工程では、前記封止半導体素子を前記感圧接着シートから転写シートに転写する、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、転写シートに支持された封止半導体素子を種々の用途に用いることができる。
本発明(9)は、前記転写シートは、厚み方向に対する直交方向に延伸するように構成される延伸シートであって、前記封止半導体素子が転写された前記転写シートを前記直交方向に延伸して、前記封止半導体素子を前記転写シートから剥離する延伸剥離工程を備える、(7)または(8)に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、延伸剥離工程において、封止半導体素子が転写された転写シートを直交方向に延伸して、封止半導体素子を転写シートから剥離するので、隣接する封止半導体素子間の直交方向における間隔を確実に形成して、複数の封止半導体素子のそれぞれを転写シートから確実に剥離することができる。
本発明(10)は、前記封止工程では、複数の前記半導体素子を、前記封止層によって、封止して、複数の前記半導体素子を備える前記封止半導体素子を得、前記第2加熱工程の後に、前記封止層を、複数の前記半導体素子のそれぞれに対応するように、切断する切断工程をさらに備える、(1)または(2)に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、第2加熱工程によって、封止層を完全硬化させ、第2加熱工程に後に実施される切断工程における封止層の機械強度を向上させることができる。そのため、切断工程において、封止層を確実に切断することができる。その結果、封止層を確実に切断できながら、複数の封止半導体素子を効率的に製造することができる。
本発明(11)は、前記低減工程では、活性エネルギー線を前記感圧接着シートに対して照射する、(1)〜(10)のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、感圧接着シートの感圧接着力を簡便に低減することができる。
本発明(12)は、前記低減工程では、前記封止層が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H3が前記封止層に付与されるように、前記感圧接着シートを加熱する、(1)〜(10)のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法を含む。
この封止半導体素子の製造方法によれば、感圧接着シートの感圧接着力を簡便に低減することができる。
本発明(13)は、(1)〜(12)のいずれか一項に記載の製造方法により、封止半導体素子を製造する工程、および、前記封止半導体素子を基板に実装する工程を備える、半導体装置の製造方法を含む。
この半導体装置の製造方法によれば、半導体素子に感圧接着剤が付着することが抑制された封止半導体素子を基板に実装するので、信頼性に優れる半導体装置を製造することができる。
本発明の封止半導体素子の製造方法によれば、封止性および電気的な接続信頼性に優れる封止半導体素子を製造することができる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、信頼性に優れる半導体装置を製造することができる。

図1は、本発明の封止半導体素子の製造方法の第1実施形態のステップ図を示す。 図2A〜図2Dは、本発明の封止半導体素子の製造方法の第1実施形態の製造工程図であって、図2Aは、素子用意工程、図2Bは、封止工程、図2Cは、第1加熱工程、図2Dは、切断工程を示す。 図3E〜図3Hは、図2Dに引き続き、本発明の封止半導体素子の製造方法の第1実施形態の製造工程図であって、図3Eは、支持基板除去工程、図3Fは、耐熱性シート貼合工程、図3Gは、低減工程、図3Hは、感圧接着シート剥離工程を示す。 図4I〜図4Lは、図3Hに引き続き、本発明の封止半導体素子および半導体装置の製造方法の第1実施形態の製造工程図であって、図4Iは、第2加熱工程、図4Jは、第2転写工程、図4Kは、延伸工程、図4Lは、検査・選別工程および第3転写工程を示す。 図5M〜図5Pは、図4Lに引き続き、本発明の封止半導体素子および半導体装置の製造方法の第1実施形態の製造工程図であって、図5Mは、第4転写工程、図5Nは、第5転写工程、図5Oは、第6転写工程および剥離工程図5Pは、実装工程を示す。 図6は、本発明の封止半導体素子の製造方法の第2実施形態のステップ図を示す。 図7A〜図7Dは、本発明の封止半導体素子の製造方法の第2実施形態の製造工程図であって、図7Aは、素子用意工程、図7Bは、封止工程、図7Cは、第1加熱工程、図7Dは、切断工程を示す。 図8E〜図8Iは、図7Dに引き続き、本発明の封止半導体素子の製造方法の第2実施形態の製造工程図であって、図8Eは、低減工程、図8Fは、第2加熱工程、図8Gは、第1転写工程、図8Hは、延伸工程、図8Iは、第2転写工程を示す。 図9J〜図9Nは、図8Iに引き続き、本発明の封止半導体素子および半導体装置の製造方法の第2実施形態の製造工程図であって、図9Jは、検査・選別工程および第3転写工程、図9Kは、第4転写工程、図9Lは、第5転写工程、図9Mは、第6転写工程および剥離工程、図9Nは、実装工程を示す。 図10は、本発明の封止半導体素子の製造方法の第4実施形態のステップ図を示す。 図11A〜図11Dは、本発明の封止半導体素子の製造方法の第4実施形態の製造工程図の一部であって、図11Aは、第1転写工程、図11Bは、第2加熱工程、図11Cは、第7転写工程、図11Dは、延伸工程を示す。 図12は、本発明の封止半導体素子の製造方法の第5実施形態のステップ図を示す。 図13A〜図13Eは、本発明の封止半導体素子の製造方法の第5実施形態の製造工程図の一部であって、図13Aは、低減工程、図13Bは、第8転写工程、図13Cは、第2加熱工程、図13Dは、第1転写工程、図13Eは、切断工程を示す。 図14は、実施例における感圧接着層の引張弾性率の測定方法の概略説明図を示す。
図2A〜図5Pにおいて、紙面上下方向は、上下方向(第1方向、厚み方向)であり、紙面上側が上側(第1方向一方側、厚み方向一方側)、紙面下側が下側(第1方向他方側、厚み方向他方側)である。図2A〜図5Pにおいて、紙面左右方向は、左右方向(第1方向に直交する第2方向)であり、紙面左側が左側(第2方向一方側)、紙面右側が右側(第2方向他方側)である。図2A〜図5Pにおいて、紙厚方向は、前後方向(第1方向および第2方向に直交する第3方向)であり、紙面手前側が前側(第3方向一方側)、紙面奥側が後側(第3方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
<第1実施形態>
本発明の封止半導体素子の製造方法の第1実施形態は、図1に示すように、素子用意工程61、封止工程62、第1加熱工程63、切断工程64、支持基板除去工程51、耐熱性シート貼合工程52、低減工程65、剥離工程の一例としての感圧接着シート剥離工程53、および、第2加熱工程66を備える。また、第1実施形態は、複数の転写工程(第2転写工程69、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、第6転写工程74)、延伸工程68、検査・選別工程70、および、剥離工程75を備える。以下、各工程を説明する。
1. 素子用意工程
素子用意工程61では、図2Aに示すように、複数の半導体素子の一例としての光半導体素子1を、感圧接着シート7の上に配置する。
1−1. 光半導体素子
光半導体素子1は、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換するLEDやLDである。好ましくは、光半導体素子1は、青色光を発光する青色LED(発光ダイオード素子)である。一方、光半導体素子1は、光半導体素子とは技術分野が異なるトランジスタなどの整流器を含まない。
光半導体素子1は、感圧接着シート7の上において、前後方向および左右方向に互いに間隔を隔てて複数整列配置されている。
光半導体素子1は、前後方向および左右方向に沿う略平板形状を有している。光半導体素子1は、電極側面3と、対向面4と、周側面5とを有している。
電極側面3は、光半導体素子1における下面であって、図示しない電極が形成される面である。
対向面4は、光半導体素子1における上面であって、電極側面3に対して上側に間隔を隔てて対向配置されている。
周側面5は、電極側面3の周端縁と、対向面4の周端縁とを連結している。
光半導体素子1の寸法は、適宜設定されており、具体的には、厚み(高さ)が、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下である。また、光半導体素子1の前後方向および/または左右方向における長さL1は、例えば、0.2mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、1.5mm以下、好ましくは、1.2mm以下である。また、隣接する光半導体素子1の間の間隔(前後方向および/または左右方向における間隔)L0は、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.1mm以上であり、また、例えば、1.0mm以下、好ましくは、0.8mm以下である。また、隣接する光半導体素子1のピッチL2、具体的には、上記した長さL1および間隔L0の和(L1+L0)は、例えば、0.25mm以上、好ましくは、0.6mm以上であり、また、例えば、2.5mm以下、好ましくは、2.0mm以下である。
1−2. 感圧接着シート
感圧接着シート7は、感圧接着剤を含んでいる。具体的には、感圧接着シート7は、処理によって感圧接着力が低減するように構成される感圧接着層34を備える。詳しくは、感圧接着シート7は、感圧接着層34と、感圧接着層34の上下方向途中(具体的には、中央部)に介在される支持シート33とを備える。感圧接着層34の内、支持シート33の上に配置される層が、第1感圧接着層31であり、支持シート33の下に配置される層が、第2感圧接着層32である。つまり、感圧接着層34は、第1感圧接着層31と、第2感圧接着層32とを備える。好ましくは、感圧接着層34は、第1感圧接着層31と、第2感圧接着層32とのみからなる。
また、感圧接着シート7は、支持基板6に支持されている。
1−2−1.第1感圧接着層
第1感圧接着層31は、支持シート33の上面全面に配置(支持)されている。
第1感圧接着層31は、処理によって感圧接着力が低減するように構成されている。具体的には、第1感圧接着層31は、活性エネルギー線が照射されることによって、感圧接着力が低減する感圧接着剤から、シート状(層状)に形成されている。第1感圧接着層31の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
1−2−2.第2感圧接着層
第2感圧接着層32は、支持シート33の下面全面に配置されている。
第2感圧接着層32は、公知の感圧接着剤から、シート状(層状)に形成されている。第2感圧接着層32は、好ましくは、処理によって感圧接着力が低減しないように構成されている。具体的には、第2感圧接着層32は、例えば、特開2015−120884号公報などに記載の感圧接着剤からなる。第2感圧接着層32の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、30μm以下、好ましくは、20μm以下である。
好ましくは、感圧接着層34のうち、第1感圧接着層31のみが、処理によって感圧接着力が低減するように構成される一方、第2感圧接着層32が、処理によって感圧接着力が低減しないように構成される。
また、感圧接着層34の厚み、つまり、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32の総厚みは、例えば、8μm以上、好ましくは、15μm以上であり、また、例えば、130μm以下、好ましくは、70μm以下である。
A. 感圧接着剤
処理によって感圧接着力が低減する感圧接着剤としては、例えば、炭素−炭素二重結合が導入された樹脂組成物などが挙げられる。樹脂組成物は、炭素−炭素二重結合を有するポリマーが挙げられる。
B. 感圧接着剤の調製
そのようなポリマーは、例えば、以下の方法によって、調製される。
すなわち、例えば、主ビニルモノマーと、第1官能基を有する副ビニルモノマーとを含有するモノマー成分を、第1官能基が消失しないように、共重合して、第1官能基を有する前駆体ポリマーを調製する。別途、第1官能基と反応することができる第2官能基と、炭素−二重結合とを有する化合物を準備する。その後、この化合物を前駆体ポリマーに配合して、第1官能基と第2官能基とを反応させる。
第1官能基と第2官能基との組合せとして、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せなどが挙げられる。第1官能基として、好ましくは、ヒドロキシル基が挙げられる。第2官能基として、好ましくは、イソシアネート基が挙げられる。
主モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(2EHA/2EHMA)、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどの、アルキル部分の炭素数が1〜20であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。主モノマーの、モノマー成分における配合割合は、例えば、70質量%以上、好ましくは、90質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下である。
副ビニルモノマーは、主ビニルモノマーとして共重合することができるビニルモノマーである。副ビニルモノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2−HEA/HEMA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。副ビニルモノマーの、モノマー成分における配合割合は、例えば、30質量%以下であり、また、例えば、1質量%以上である。
化合物としては、イソシアネート基含有化合物が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどの、イソシアネート基含有ビニルモノマーが挙げられる。好ましくは、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
化合物の配合割合は、ポリマーにおける二重結合の導入量が、例えば、0.01ミリモル/g以上、好ましくは、0.2ミリモル/g以上となり、また、例えば、10.0ミリモル/g以下、好ましくは、5.0ミリモル/g以下となるように、調整される。
前駆体ポリマーを調製するには、上記したモノマー成分を、上記した割合で、重合開始剤の存在下で、例えば、溶液重合させる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化物、過硫酸塩、レドックス系開始剤などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、過酸化物が挙げられる。過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、モノパーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイドなどが挙げられ、好ましくは、ジアシルジパーオキサイドが挙げられる。
ジアシルジパーオキサイドとしては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ジ−p−ニトロベンゾイルパーオキサイド、ジ−p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。好ましくは、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO)が挙げられる。
重合開始剤の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば、0.005質量部以上、例えば、1質量部以下である。
また、溶液重合では、重合溶媒が用いられる。重合溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素が挙げられる。
そして、主ビニルモノマーと、副ビニルモノマーとを含有するモノマー成分を、副ビニルモノマーの第1官能基が消失しないように、共重合させて、第1官能基を有する前駆体ポリマーを調製する。
続いて、前駆体ポリマーに、上記した化合物を配合する。好ましくは、ヒドロキシル基を含有する前駆体ポリマーに、イソシアネート基含有化合物を配合して、ヒドロキシル基とイソシアネート基とを反応させて、ウレタン結合を形成する。そして、得られたポリマーには、化合物が有する炭素−炭素二重結合が導入される。
その後、ポリマーに、光重合開始剤を配合する。
光重合開始剤は、後述する低減工程65(図3G参照)において活性エネルギー線が感圧接着層34に照射されたときに、ラジカルを発生させて、樹脂組成物に導入された炭素−炭素二重結合を互いに反応させるための光重合触媒である。光重合開始剤の10時間半減期温度は、例えば、20℃以上、好ましくは、50℃以上であり、また、例えば、107℃以下、好ましくは、100℃以下である。
光重合開始剤としては、例えば、ケタール系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが挙げられる。
光重合開始剤の配合割合は、ポリマー100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、ポリマーには、架橋剤などの添加剤を適宜の割合で配合することができる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。好ましくは、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
C.感圧接着層の形成
感圧接着層34を支持シート33の上下両面に配置するには、例えば、処理によって感圧接着力が低減する上記した感圧接着剤を、支持シート33の上面に塗布する一方、処理によって感圧接着力が低減しない感圧接着剤を、支持シート33の下面に塗布する。その後、乾燥させる。乾燥温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、150℃以下、好ましくは、130℃以下である。乾燥温度は、例えば、5分以下である。
その後、必要により、感圧接着剤をエージングする。エージング温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、40℃以上であり、また、例えば、70℃以下、好ましくは、60℃以下である。エージング時間は、例えば、10時間以上、また、例えば、120時間以下である。
これにより、支持シート33、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32からなる感圧接着シート7を作製する。
その後、作製した感圧接着シート7の第2感圧接着層32を、支持基板6の上面に貼り合わせる。
なお、感圧接着シート7は、支持基板6とともに、支持基板付感圧接着シート(仮固定部材)2を形成する。
D. 感圧接着層の物性
感圧接着層34の25℃における引張弾性率は、例えば、0.01MPa以上、好ましくは、0.02MPa以上であり、また、例えば、1.0MPa以下、好ましくは、0.8MPa以下である。
1−2−3. 支持シート
支持シート33は、感圧接着シート7において、面方向に沿って延びるシート状を有している。支持シート33は、感圧接着シート7において、感圧接着層34(具体的には、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32)を支持する。支持シート33は、感圧接着シート7の上下方向中央部に位置する。支持シート33は、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETフィルムなど)などのポリマーフィルムからなる。支持シート33の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、120μm以下、好ましくは、100μm以下である。
E. 支持基板
支持基板6は、可撓性を有する平板形状(フィルム形状)を有する。支持基板6は、第2感圧接着層32(感圧接着層34)の下面全面に配置されている。支持基板6としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、セラミックスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。支持基板6の厚みは、例えば、100μm以上、好ましくは、300μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
図2Aに示すように、複数の光半導体素子1を感圧接着シート7の上に感圧接着するには、複数の光半導体素子1の電極側面3を感圧接着シート7の上面(第1感圧接着層31の上面)に載置して(接触させて)、光半導体素子1を感圧接着シート7に仮固定する。これにより、複数の光半導体素子1を、感圧接着シート7を介して支持基板6に支持させる。
2. 封止工程
図1に示すように、封止工程62を、素子用意工程61の後に、実施する。
封止工程62では、図2Bに示すように、感圧接着シート7に感圧接着された光半導体素子1を、封止層10によって、封止する。
封止工程62では、まず、封止層10を用意する。
具体的には、図2Aに示すように、まず、剥離シート9と、剥離シート9の下面に配置される封止層10とを備える封止シート8とを用意する。封止シート8は、好ましくは、剥離シート9と、封止層10とのみからなる。
剥離シート9は、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーから、シート状に形成されている。剥離シート9の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
封止層10は、剥離シート9の下面全面に形成される層状を有している。封止層10は、熱硬化性樹脂を含有する封止組成物から調製されている。
熱硬化性樹脂としては、例えば、2段反応硬化性樹脂、1段反応硬化性樹脂が挙げられる。
2段反応硬化性樹脂は、2つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からBステージ化(半硬化)し、次いで、第2段の反応で、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。つまり、2段反応硬化性樹脂は、適度の加熱条件によりBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。Bステージ状態は、熱硬化性樹脂が、液状であるAステージ状態と、完全硬化したCステージ状態との間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、引張弾性率がCステージ状態の弾性率よりも小さい半固体状態または固体状態である。
1段反応硬化性樹脂は、1つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。このような1段反応硬化性樹脂は、第1段の反応の途中で、その反応が停止して、Aステージ状態からBステージ状態となることができ、その後のさらなる加熱によって、第1段の反応が再開されて、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる熱硬化性樹脂である。つまり、かかる熱硬化性樹脂は、Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。そのため、1段反応硬化性樹脂は、1段の反応の途中で停止するように制御できず、つまり、Bステージ状態となることができず、一度に、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)する熱硬化性樹脂を含まない。
要するに、熱硬化性樹脂は、Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。
熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、好ましくは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられ、より好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、例えば、フェニル基を分子内に含むフェニル系シリコーン樹脂などが挙げられる。
上記した熱硬化性樹脂は、同一種類または複数種類のいずれでもよい。
また、封止組成物は、フィラーおよび/または蛍光体を含有することができる。
フィラーとしては、例えば、光拡散性粒子が挙げられる。光拡散性粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子などが挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO)、タルク(Mg(Si10)(HO))、アルミナ(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化アンチモン(Sb)などの酸化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)などの窒化物などの無機物粒子(無機物)が挙げられる。また、無機粒子として、例えば、上記例示の無機物から調製される複合無機物粒子が挙げられ、具体的には、酸化物から調製される複合無機酸化物粒子(具体的には、ガラス粒子など)が挙げられる。
無機粒子として、好ましくは、シリカ粒子、ガラス粒子が挙げられる。
有機粒子の有機材料としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。
フィラーは、単独使用または併用することができる。
フィラーの含有割合は、封止組成物に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、75質量%以下である。また、フィラーの熱硬化性樹脂100質量部に対する配合割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、1,000質量部以下、好ましくは、200質量部以下である。
蛍光体としては、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)SiO;Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、YAl12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、TbAl12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN:Eu、CaSiN:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体として、好ましくは、黄色蛍光体、より好ましくは、ガーネット型蛍光体が挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。
蛍光体の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の配合割合は、封止組成物に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。また、蛍光体の配合割合は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
封止層10を調製するには、例えば、上記した熱硬化性樹脂と、必要により配合されるフィラーおよび/または蛍光体とを配合して、封止組成物のワニスを調製し、続いて、それを、剥離シート9の表面に塗布する。その後、封止組成物を、Bステージ化する。具体的には、封止組成物を、加熱する。
加熱温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。加熱時間は、例えば、5分以上、好ましくは、10分以上であり、また、例えば、20分以下、好ましくは、15分以下である。
これによって、図2Aに示すように、剥離シート9と、封止層10とを備える封止シート8を得る。
次いで、図2Aの矢印および図2Bに示すように、封止層10を、光半導体素子1に対して、圧着する。
これによって、光半導体素子1の対向面4と周側面5とが、封止層10によって被覆される。また、光半導体素子1から露出する感圧接着シート7(第1感圧接着層31)の上面86も、封止層10によって被覆される。従って、封止層10は、感圧接着シート7(第1感圧接着層31)の上面86に接触し、電極側面3と前後方向および左右方向において面一に形成される下面15と、下面15の上側、および、光半導体素子1の対向面4の上側に対向配置され、剥離シート9によって保護される上面16とを有している。
その後、図2Bの矢印で示すように、剥離シート9を封止層10から剥離する。
これによって、封止層10の上面16は、上側に露出する露出面となる。
これによって、複数の光半導体素子1と、複数の光半導体素子1を封止する封止層10とを備える封止光半導体素子11を、感圧接着シート7に仮固定された状態で、得る。
3. 第1加熱工程
図1に示すように、第1加熱工程63を、封止工程62の後に、実施する。
図2Cに示すように、第1加熱工程63では、封止層10を加熱する。具体的には、封止層10を備える封止光半導体素子11を、感圧接着シート7(支持基板付感圧接着シート2)とともに加熱する。
加熱条件は、封止層10が完全硬化(Cステージ化)する熱履歴H0より少ない熱履歴H1が封止層10に付与される条件である。
一方、加熱条件は、封止層10(に含有される熱硬化性樹脂)の硬化が、Cステージ化するより前の状態にまで、進行する一方、次に説明する切断工程64(図2D参照)において切断装置(具体的には、ダイシングソー12)による切断に耐えることのできる機械強度を封止層10が有する条件である。
他方、加熱条件は、封止層10とともに加熱される感圧接着層34(具体的には、第1感圧接着層31)に含有される光重合開始剤(好ましくは、チオキサントン系光重合開始剤)が、実質的に反応しない条件(つまり、全く反応しないか、または、一部が反応しても、後の低減工程65(図3G参照)において、残部によって、樹脂組成部に導入された炭素−炭素二重結合を反応させることができる条件。すなわち、光重合開始剤の実質的な失活が抑制できる条件。)である。
具体的には、熱履歴H1は、加熱温度および加熱時間の程度で表される。
例えば、熱履歴H1は、熱履歴H0の加熱温度より低い温度で、封止光半導体素子11および感圧接着シート7を加熱し、かつ、熱履歴H0の加熱時間より短い時間で、加熱する熱履歴である。
また、熱履歴H1において、熱履歴H0の加熱温度と同じ温度で、封止光半導体素子11および感圧接着シート7を加熱する場合には、熱履歴H0の加熱時間より短い時間で、加熱する。
さらに、熱履歴H1において、熱履歴H0の加熱時間と同じ時間で、封止光半導体素子11および感圧接着シート7を加熱する場合には、熱履歴H0の加熱温度より低い温度で、加熱する。
詳しくは、加熱温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、80℃以上、より好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、170℃以下、好ましくは、150℃以下である。
加熱時間は、例えば、5分以上、好ましくは、10分以上、より好ましくは、30分以上であり、また、例えば、10時間以下、好ましくは、4時間以下、より好ましくは、2時間以下である。
加熱温度および加熱時間が、上記した上限以下であれば、感圧接着剤に含まれる光重合開始剤の失活を抑制することができ、そのため、後述する低減工程65(図3G参照)において、光重合開始剤が炭素−炭素二重結合が十分に反応し、それによって、感圧接着シート剥離工程53(図3H参照)において、感圧接着剤が光半導体素子1の電極側面3に付着すること(糊残り)を有効に抑制することができる。また、加熱温度および加熱時間が、上記した上限以下であれば、封止層10の硬化が、Cステージ化するより前の状態にまで、進行することができる。
一方、加熱温度および加熱時間が、上記した下限以上であれば、封止層10が、次に説明する切断工程64(図2D参照)において切断装置による切断に耐えることができる。
具体的には、封止層10を加熱するには、封止層10を備える封止光半導体素子11を、感圧接着シート7とともに、上記の条件で、オーブン90などの加熱装置(加熱炉)に投入する。
加熱後の封止層10の25℃における引張弾性率は、例えば、10MPa以上、好ましくは、20MPa以上、より好ましくは、30MPa以上、さらに好ましくは、40MPa以上であり、また、例えば、100MPa以下である。
封止層10の引張弾性率M1が、上記下限以上であれば、封止層10が、次に説明する切断工程64(図2D参照)における切断に耐えることができる。
4. 切断工程
図1に示すように、切断工程64を、第1加熱工程63の後に、実施する。
図2Dに示すように、切断工程64では、封止層10を、複数の光半導体素子1のそれぞれに対応するように、切断する。
封止層10の切断では、例えば、円盤状のダイシングソー(ダイシングブレード)12(図2D参照)を用いるダイシング装置、カッターを用いるカッティング装置、レーザー照射装置などの切断装置が用いられる。好ましくは、ダイシング装置が用いられる。
封止層10の切断によって、封止層10には、切断面14が、封止層10の前後方向および左右方向に沿って形成される。
前後方向に対向する切断面14間(図2Dにおいて図示されず)の間隔L4、および、左右方向に対向する切断面14間の間隔L4は、上記した光半導体素子1のピッチL2と同一あるいは近似しており、具体的には、前後方向長さおよび左右方向長さが、例えば、0.01mm以上、好ましくは、0.02mm以上であり、また、例えば、2.5mm以下、好ましくは、2mm以下である。
5. 支持基板除去工程
図1に示すように、支持基板除去工程51を、切断工程64の後に、実施する。
図3Eに示すように、支持基板除去工程51では、支持基板6を除去する。例えば、支持基板6を感圧接着シート7から剥離する。詳しくは、支持基板6を、第2感圧接着層32の下面から剥離する。
6. 耐熱性シート貼合工程
図1に示すように、耐熱性シート貼合工程52を、支持基板除去工程51の後に、実施する。
図3Fに示すように、耐熱性シート貼合工程52では、耐熱性シート28を、封止光半導体素子11に貼り合わせる。具体的には、まず、図3Eに示すように、耐熱性シート28を封止光半導体素子11の上側に配置し、次いで、図3Fに示すように、耐熱性シート28を、封止層10の上面16に直接接触させる。
耐熱性シート28は、微感圧接着(タック)性を有する感圧接着剤からシート状(層状)に形成されている。感圧接着剤としては、例えば、シリコーン系感圧接着剤、エポキシ系感圧接着剤などの耐熱性感圧接着剤が挙げられる。感圧接着剤としては、好ましくは、シリコーン系感圧接着剤が挙げられる。また、耐熱性シート28として、市販品を用いることができ、例えば、耐熱微粘着シートTRMシリーズ(日東電工社製)などが挙げられる。耐熱性シート28の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
耐熱性シート貼合工程52によって、複数の封止光半導体素子11が、感圧接着シート7および耐熱性シート28の両方によって上下両側から支持される。封止光半導体素子11の上面16は、耐熱性シート28に直接接触されながら、封止光半導体素子11の下面15、および、光半導体素子1の電極側面3は、第1感圧接着層31に直接接触されている。
7. 低減工程
図1に示すように、低減工程65を、耐熱性シート貼合工程52の後に、実施する。
低減工程65では、処理によって感圧接着シート7(感圧接着層34、好ましくは、第1感圧接着層31)の感圧接着力を低減させる。図3Gに示すように、具体的には、活性エネルギー線を感圧接着シート7(感圧接着層34)に対して照射する。より具体的には、感圧接着シート7(支持基板付感圧接着シート2)の上側に設けられた線源(図示せず)および/または下側に設けられた線源13から、感圧接着シート7(感圧接着層34)に対して、照射する。好ましくは、図3Gに示すように、感圧接着シート7(支持基板付感圧接着シート2)の下側に設けられた線源13から、支持基板6を透過するように、感圧接着シート7(感圧接着層34)に照射する。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線などが挙げられる。好ましくは、紫外線が挙げられる。
線源としては、例えば、ケミカルランプ、エキシマレーザ、ブラックライト、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの照射装置が挙げられる。
照射量は、例えば、感圧接着層34(好ましくは、第1感圧接着層31)における炭素−炭素二重結合が実質的に反応できる条件、具体的には、光重合開始剤が実質的に反応できる条件に設定される。具体的には、照射量は、例えば、100mJ/cm、好ましくは、400mJ/cm以上であり、また、例えば、2000mJ/cm、好ましくは、1000mJ/cm以下である。
この低減工程65によって、感圧接着層34(具体的には、第1感圧接着層31)の上面86の、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15(電極側面3と面一に形成される露出面)とに対する感圧接着力が十分に低下する。
一方、封止光半導体素子11の感圧接着層34(第1感圧接着層31および第2感圧接着層32)に対する仮固定は、確保されており、つまり、封止光半導体素子11は、感圧接着層34(第1感圧接着層31および第2感圧接着層32)に対して比較的小さい感圧接着力(微タック力)で感圧接着(タック)されながら、支持基板6に支持されている。
このような感圧接着層34の25℃における引張弾性率は、例えば、20MPa以上、好ましくは、40MPa以上であり、また、例えば、100MPa以下、好ましくは、80MPa以下である。
そして、上記した感圧接着層34の引張弾性率X、つまり、第1加熱工程63の加熱と低減工程65の処理とを順次実施した感圧接着層34の25℃における引張弾性率Xの、低減工程65の処理(具体的には、活性エネルギー線の照射)のみを実施した感圧接着層34の25℃における引張弾性率Yに対する比(X/Y)は、例えば、0.60超過、好ましくは、0.70以上、より好ましくは、0.80以上、さらに好ましくは、0.90以上であり、また、例えば、1.00以下である。
上記した比(X/Y)が上記下限以上であれば、第1加熱工程(図7C参照)において、感圧接着剤に含まれる光重合開始剤の失活を抑制することができ、そのため、低減工程65(図3G参照)において、光重合開始剤が炭素−炭素二重結合が十分に反応し、それによって、次の感圧接着シート剥離工程53(図3H参照)において、感圧接着剤が光半導体素子1の電極側面3に付着すること(糊残り)を有効に抑制することができる。
8.感圧接着シート剥離工程
図1に示すように、感圧接着シート剥離工程53を、低減工程65の後に、実施する。
図3Hに示すように、感圧接着シート剥離工程53では、感圧接着シート7を複数の封止光半導体素子11から剥離する。具体的には、第1感圧接着層31を、光半導体素子1の電極側面3および封止層10の下面15から、剥離する。
そして、図3Fに示す耐熱性シート貼合工程52、および、図3Hに示す感圧接着シート剥離工程53によって、複数の光半導体素子1は、感圧接着シート7から耐熱性シート28に転写される(第1転写工程の実施)。この転写工程の途中において、封止光半導体素子11が耐熱性シート28および感圧接着シート7に支持された状態で、図2Gに示すように、低減工程65が実施される。
9.第2加熱工程
図1に示すように、第2加熱工程66を、感圧接着シート剥離工程53の後に、実施する。
第2加熱工程66では、図4Iに示すように、封止光半導体素子11における封止層10を加熱する。具体的には、封止光半導体素子11を、耐熱性シート28とともに、加熱する。
加熱条件は、封止層10(に含有される熱硬化性樹脂)が完全硬化する熱履歴H0と同じまたはそれより多い熱履歴H2が封止層10に付与される条件である。
熱履歴H2は、加熱温度および加熱時間の程度で表される。
具体的には、加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、150℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、170℃以下である。また、加熱時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、3時間以上、より好ましくは、5時間以上であり、また、例えば、24時間以下、好ましくは、22時間以下である。
より具体的には、第1加熱工程63において、加熱温度が、80℃以上、120℃以下であり、加熱時間が、30分以上、2時間以下である熱履歴H1が封止層10に付与される場合には、第2加熱工程66において、加熱温度が、150℃以上、170℃以下であり、加熱時間が、5時間以上、22時間以下である熱履歴H2が封止層10に付与される。
封止層10を加熱するには、封止層10を備える封止光半導体素子11を、耐熱性シート28とともに、上記の条件で、オーブン90などの加熱装置(加熱炉)に投入する。
これにより、封止層10(に含有される熱硬化性樹脂)が完全硬化(Cステージ化)する。
加熱後の封止層10の25℃における引張弾性率は、例えば、50MPa以上、好ましくは、65MPa以上であり、また、例えば、200MPa以下、好ましくは、100MPa以下である。
10. 複数の転写工程、延伸工程、検査・選別工程、剥離工程
図1に示すように、複数の転写工程を、第2加熱工程66の後に、実施する。
複数の転写工程は、第2転写工程69、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、および、第6転写工程74を備える。第2転写工程69、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、および、第6転写工程74を、それらの順に、順次実施し、それらの間、前および後のいずれかに、延伸工程68、検査・選別工程70および剥離工程75を実施する。具体的には、第2転写工程69、延伸工程68、検査・選別工程70、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、第6転写工程74、および、剥離工程75を順次実施する。
10−1. 第2転写工程
第2転写工程69を、図1に示すように、第2加熱工程66の後に、実施する。
図4Jに示すように、第2転写工程69では、複数の封止光半導体素子11を、耐熱性シート28から転写シートの一例としての第2転写シート22に転写する。
第2転写シート22は、面方向(前後方向および左右方向)に延伸するように構成され、微感圧接着(タック)性を有する延伸シートである。第2転写シート22としては、公知の転写シートが挙げられる。第2転写シート22としては、例えば、市販品が用いられ、例えば、SPVシリーズ(日東電工社製)などが用いられる。
複数の封止光半導体素子11を耐熱性シート28から第2転写シート22に転写するには、第2転写シート22を複数の封止光半導体素子11の下側に配置し、続いて、図4Jに示すように、第2転写シート22の上面と、封止層10の下面15、および、光半導体素子1の電極側面3とを接触させる。次いで、図4Jの仮想線で示すように、耐熱性シート28を、封止層10の上面16から剥離する。
この第2転写工程69によって、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15とが、第2転写シート22によって被覆(感圧接着)される。一方、封止層10の上面16が、上側に露出する。
なお、第2転写工程69において、封止光半導体素子11は、封止層10における切断面14が維持されるように、耐熱性シート28から第2転写シート22に転写される。
10−2. 延伸工程
延伸工程68を、図1に示すように、第2転写工程69の後に、実施する。
延伸工程68では、図4Kに示すように、第2転写シート22の周端縁(具体的には、前端縁および後端縁と、右端縁および左端縁)を、外側(つまり、前後方向外側および左右方向外側)に延伸する。
これによって、切断面14間に間隔18が形成される。つまり、複数の封止光半導体素子11のそれぞれは、互いに間隔18を隔てて、第2転写シート22に支持されている。隣接する封止光半導体素子11を隔てる間隔18の幅W1は、例えば、200μm以上、好ましくは、500μm以上である。
上記した第2転写工程69(図4J参照)および延伸工程68(図4K参照)は、本発明の延伸剥離工程の一例である。
10−3. 検査・選別工程
検査・選別工程70を、図1に示すように、延伸工程68の後に、実施する。
第3転写工程70では、複数の封止光半導体素子11のそれぞれが、所望の発光波長および/または発光効率を有している良品であるか、または、所望の発光波長および/または発光効率を有していない不良品であるかを、例えば、テスターなどを用いて検査する。
その後、図示しないが、不良品と判別された封止光半導体素子11を、除去する。一方、図4Lが参照されるように、良品とされた封止光半導体素子11のみが、残る。
10−4. 第3転写工程
第3転写工程71を、図1に示すように、検査・選別工程70の後に、実施する。
図4Lに示すように、第3転写工程71では、封止光半導体素子11を、第2転写シート22から第3転写シート23に転写する。第3転写シート23としては、公知の転写シートが挙げられ、具体的には、第2転写シート22と同様の転写シートが挙げられる。
封止光半導体素子11を第2転写シート22から第3転写シート23に転写する際には、封止光半導体素子11を第2転写シート22から第3転写シート23に載せ替える。つまり、第3転写工程71においても、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15とは、第3転写シート23の上面によって被覆される。また、第3転写工程71においても、封止層10の上面16は、上側に露出している。
具体的には、特開2014−168032号公報、特開2014−168033号公報、特開2014−168034号公報、特開2014−168035号公報、特開2014−168036号公報などに記載される、押圧部材および吸引部材を備えるピックアップ装置などを用いて、封止光半導体素子11を第2転写シート22から第3転写シート23に載せ替える。つまり、ピックアップ装置の吸引部材(図示せず)を、上面16に接触させて、電極側面3と下面15とを第2転写シート22から剥離し、その後、電極側面3と下面15とを第3転写シート23の上面に接触(感圧接着)させる。その後、吸引部材を上面16から引き上げる。この際、複数の封止光半導体素子11は、第3転写シート23の上において、再度、前後方向および左右方向に間隔L5を隔てて、整列配置される。間隔L5は、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.2mm以上であり、また、例えば、2mm以下、好ましくは、1mm以下である。
10−5. 第4転写工程
第4転写工程72を、図1に示すように、第3転写工程71の後に、実施する。
第4転写工程72では、図5Mに示すように、複数の封止光半導体素子11を第3転写シート23から第4転写シート24に転写する。第4転写シート24としては、公知の転写シートが挙げられ、具体的には、第2転写シート22と同様の転写シートが挙げられる。第4転写工程72を、上記した第3転写工程71と同様の方法により、実施する。
10−6. 第5転写工程
第5転写工程73を、図1に示すように、第4転写工程72の後に、実施する。
第5転写工程73を、図5Nに示すように、複数の封止光半導体素子11を第4転写シート24から第5転写シート25に転写する。第5転写シート25としては、公知の転写シートが挙げられ、第2転写シート22と同様の転写シートが挙げられる。
第5転写工程73を、第3転写工程71(図4J参照)と同様の方法によって、実施する。
10−7. 第6転写工程
第6転写工程74を、図1に示すように、第5転写工程73の後に、実施する。
第6転写工程74では、図5Oに示すように、複数の封止光半導体素子11を、第5転写シート25から第6転写シート26に転写する。第6転写シート26としては、公知の転写シートが挙げられ、具体的には、第2転写シート22と同様の転写シートから挙げられる。第6転写工程74を、上記した第2転写工程69(図4J参照)と同様の方法によって、実施する。
なお、第6転写シート26の周端縁には、その周端縁を把持し、周端縁(具体的には、前端縁および後端縁と、左端縁および右端縁)が内側(具体的には、前後方向外側および左右方向外側)に移動しないように、構成される支持部19が設けられている。支持部19は、金属などからなり、平面視略枠形状(具体的には、リング形状)を有している。
10−6. 剥離工程
剥離工程75を、図1に示すように、第6転写工程74の後に、実施する。
剥離工程75では、図5Oの矢印に示すように、上記したピックアップ装置(図示せず)などによって、複数の封止光半導体素子11のそれぞれを、第6転写シート26から剥離する。
具体的には、ピックアップ装置の押圧部材(図示せず)によって、第6転写シート26の下側から、封止光半導体素子11に対応する第6転写シート26を押し上げて(押圧して)、封止光半導体素子11を上側に押し上げる。この際、第6転写シート26の周端縁は、支持部19によって支持されて、内側に移動しない。続いて、ピックアップ装置の吸引部材(図示せず)を、封止光半導体素子11の上面16に接触させて、封止光半導体素子11を吸引しながら、第6転写シート26から剥離する。
つまり、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15とを、第6転写シート26の上面から、剥離する。
これによって、図5Oの仮想線で示すように、光半導体素子1と、光半導体素子1を封止する封止層10とを備える封止光半導体素子11を、第6転写シート26から剥離した状態で、得る。
封止光半導体素子11は、発光装置30(図5P参照)ではなく、つまり、発光装置30に備えられる基板29を含まない。つまり、封止光半導体素子11は、その電極(図示せず)が、発光装置30の基板29に設けられる端子(図示せず)とまだ電気的に接続されないように、構成されている。また、封止光半導体素子11は、発光装置30の一部品、すなわち、発光装置30を作製するための部品であり、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。封止光半導体素子11は、好ましくは、光半導体素子1と、封止層10とのみからなる。
また、本発明の半導体装置の製造方法の第1実施形態は、上記した封止光半導体素子11の製造方法(図2A〜図5O参照)により、封止光半導体素子11を製造する工程、および、封止光半導体素子11を基板29に実装する実装工程76を備える。
11. 実装工程
図1に示すように、実装工程76を、剥離工程75の後に、実施する。
実装工程76では、図5Pに示すように、封止光半導体素子11を、基板29に実装する。
基板29は、略平板形状を有し、例えば、絶縁基板である。また、基板29は、上面に配置される端子(図示せず)を備える。
封止光半導体素子11を基板29に実装するには、封止光半導体素子11の電極側面3に形成される電極(図示せず)を、基板29の端子に電気的に接続する。すなわち、封止光半導体素子11を基板29にフリップチップ実装する。なお、封止層10の下面15を、基板29の上面に接触させる。
これによって、基板29と、封止光半導体素子11とを備える半導体装置の一例としての発光装置30を得る。
好ましくは、発光装置30は、基板29と、光半導体素子1と、封止層10とのみからなる。
<第1実施形態の作用効果>
そして、上記した封止光半導体素子11の製造方法によれば、第1加熱工程63では、図2Cに示すように、低減工程65の前に、熱硬化性樹脂が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H1が熱硬化性樹脂に付与されるように、封止層10を加熱するので、第1加熱工程63における感圧接着シート7の感圧接着力の低下を抑制することができる。そのため、第1加熱工程63および第2加熱工程66の後に、低減工程65を実施する場合であって、第2加熱工程66における感圧接着シート7の感圧接着力が大きく低下する場合に比べて、低減工程65において、図3Hに示すように、感圧接着シート7の感圧接着力を十分に低減させることができる。そのため、感圧接着シート剥離工程53において、封止光半導体素子11を感圧接着シート7から容易かつ確実に剥離して、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着することを抑制することができる。
一方、この光半導体素子1の製造方法は、低減工程65の後に、第1加熱工程63および第2加熱工程66を実施する場合に比べても、感圧接着シート剥離工程53において、図4Jに示すように、封止光半導体素子11を感圧接着シート7から容易かつ確実に剥離して、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着することを抑制することができる。
そのため、電気的な接続信頼性に優れる封止光半導体素子11を製造することができる。
他方、予め、第2加熱工程66によって、図4Iに示すように、封止層10の熱硬化性樹脂を熱硬化させることができるので、封止層10による光半導体素子1に対する封止性を簡易かつ確実に向上させることができる。
その結果、封止性および電気的な接続信頼性に優れる封止光半導体素子11を製造することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、上記した比(X/Y)が特定値以上であるので、第1加熱工程63における感圧接着シート7の感圧接着力の低下を有効に抑制することができる。そのため、低減工程65において、図3Hに示すように、感圧接着シート7の感圧接着力をより一層十分に低減させることができる。そのため、感圧接着シート剥離工程53において、図3Hに示すように、封止光半導体素子11を感圧接着シート7から容易かつ確実に剥離して、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着することを有効に抑制することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図2Cに示すように、第1加熱工程63によって、封止層10の熱硬化を徐々に進行させることができ、それよって、図2Dに示すように、第1加熱工程63に後に実施される切断工程64における封止層10の機械強度を向上させることができる。そのため、封止層10を確実に切断することができる。その結果、封止光半導体素子11における封止層10を確実に切断できながら、複数の封止光半導体素子11を効率的に製造することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図4Iに示す第2加熱工程66を実施する際には、図3Hに示すように、感圧接着シート剥離工程53において、感圧接着シート7が封止光半導体素子11からすでに剥離されている。そのため、第2加熱工程66における感圧接着シート7の封止光半導体素子11への付着を防止することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図3Gに示す低減工程65の前に、図3Fに示すように、封止光半導体素子11に耐熱性シート28を貼り合わせる。そのため、低減工程65を加熱により実施しても、封止光半導体素子11を耐熱性シートで支持しながら、低減工程65を実施することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図4Jに示すように、第2転写シート22に支持された封止光半導体素子11を種々の用途に用いることができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、第2転写工程69(図4J参照)および延伸工程68(図4K参照)において、封止光半導体素子11が転写された第2転写シート22を面方向に延伸して、封止光半導体素子11を第2転写シート22から剥離する。そのため、隣接する封止光半導体素子11間の間隔18を確実に形成して、図4Lに示すように、例えば、第3転写工程71において、複数の封止光半導体素子11のそれぞれを第2転写シート22から確実に剥離することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法では、低減工程65では、図3Gに示すように、活性エネルギー線を感圧接着シート7に対して照射するので、感圧接着シート7の感圧接着力を簡便に低減することができる。
また、上記した発光装置30の製造方法によれば、図5Pに示すように、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着することが抑制された封止光半導体素子11を基板29に実装するので、信頼性に優れる発光装置30を製造することができる。
<第1実施形態の変形例>
変形例において、第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態では、半導体素子の一例として、LEDやLDなどの光半導体素子1を挙げているが、例えば、電気エネルギーを、光以外のエネルギー、具体的には、信号エネルギーなどに変換する半導体素子であってもよく、具体的には、トランジスタなどの整流器なども挙げられる。
第1実施形態では、図1に示すように、複数の転写工程は、第2転写工程69、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73および第6転写工程74を実施しているが、それら全部を実施しなくてもよい。例えば、図示しないが、第2転写工程69、第3転写工程71および第4転写工程72を実施し、第5転写工程73および第6転写工程74を省略し(実施せず)、その後、剥離工程75および実装工程76を順次実施することもできる。
また、感圧接着層34を、2つの層、つまり、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32から形成しているが、1つの層、具体的には、第1感圧接着層31のみから形成することもできる。その場合には、感圧接着シート7は、第1感圧接着層31のみからなる。感圧接着シート7は、支持シート33を備えなくてもよい。つまり、感圧接着シート7は、少なくとも感圧接着層34を備えればよい。
<第2実施形態>
第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本発明の封止半導体素子の製造方法の第2実施形態は、図6に示すように、素子用意工程61、封止工程62、第1加熱工程63、切断工程64、低減工程65、および、第2加熱工程66を備える。また、第2実施形態は、複数の転写工程(第1転写工程67、第2転写工程69、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、第6転写工程74)、延伸工程68、検査・選別工程70、および、剥離工程75を備える。以下、各工程を説明する。
1. 素子用意工程
素子用意工程61では、図7Aに示すように、複数の光半導体素子1を、感圧接着シート7の上に配置する。
2. 封止工程
図6に示すように、封止工程62を、素子用意工程61の後に、実施する。
封止工程62では、図7Bに示すように、感圧接着シート7に感圧接着された光半導体素子1を、封止層10によって、封止する。
3. 第1加熱工程
図6に示すように、第1加熱工程63を、封止工程62の後に、実施する。
図7Cに示すように、第1加熱工程63では、封止層10を加熱する。具体的には、封止層10を備える封止光半導体素子11を、支持基板付感圧接着シート2とともに加熱する。
4. 切断工程
図6に示すように、切断工程64を、第1加熱工程63の後に、実施する。
図7Dに示すように、切断工程64では、封止層10を、複数の光半導体素子1のそれぞれに対応するように、切断する。
5. 低減工程
図6に示すように、低減工程65を、切断工程64の後に、実施する。
低減工程65では、図8Eに示すように、処理によって感圧接着シート7(感圧接着層34)の感圧接着力を低減させる。
なお、封止光半導体素子11の感圧接着層34(第1感圧接着層31および第2感圧接着層32)に対する仮固定は、確保されており、つまり、封止光半導体素子11は、感圧接着層34(第1感圧接着層31および第2感圧接着層32)に対して比較的小さい感圧接着力(微タック力)で感圧接着(タック)されながら、支持基板6に支持されている。
このような感圧接着層34の25℃における引張弾性率Xは、例えば、20MPa以上、好ましくは、40MPa以上であり、また、例えば、100MPa以下、好ましくは、80MPa以下である。
そして、上記した感圧接着層34の引張弾性率X、つまり、第1加熱工程63の加熱と低減工程65の処理とを順次実施した感圧接着層34の25℃における引張弾性率Xの、低減工程65の処理(具体的には、活性エネルギー線の照射)のみを実施した感圧接着層34の25℃における引張弾性率Yに対する比(X/Y)は、例えば、0.60超過、好ましくは、0.70以上、より好ましくは、0.80以上、さらに好ましくは、0.90以上であり、また、例えば、1.00以下である。
上記した比(X/Y)が上記下限以上であれば、第1加熱工程(図7C参照)において、感圧接着剤に含まれる光重合開始剤の失活を抑制することができ、そのため、低減工程65(図8E参照)において、光重合開始剤が炭素−炭素二重結合が十分に反応し、それによって、転写工程(図8G参照)において、感圧接着剤が光半導体素子1の電極側面3に付着すること(糊残り)を有効に抑制することができる。
6. 第2加熱工程
図6に示すように、第2加熱工程66を、低減工程65の後に、実施する。
第2加熱工程66では、図8Fに示すように、封止光半導体素子11における封止層10を加熱する。具体的には、封止光半導体素子11を、支持基板付感圧接着シート2とともに、加熱する。
加熱条件は、封止層10(に含有される熱硬化性樹脂)が完全硬化する熱履歴H0と同じまたはそれより多い熱履歴H2が封止層10に付与される条件である。
熱履歴H2は、加熱温度および加熱時間の程度で表される。
7. 複数の転写工程、延伸工程、検査・選別工程、剥離工程
図6に示すように、複数の転写工程を、第2加熱工程66の後に、実施する。
複数の転写工程は、剥離工程の一例としての第1転写工程67、第2転写工程69、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、および、第6転写工程74を備える。第1転写工程67、第2転写工程69、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、および、第6転写工程74を、それらの順に、順次実施し、それらの間、前および後のいずれかに、延伸工程68、検査・選別工程70および剥離工程75を実施する。具体的には、第1転写工程67、延伸工程68、第2転写工程69、検査・選別工程70、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、第6転写工程74、および、剥離工程75を順次実施する。
7−1. 第1転写工程
第1転写工程67を、図6に示すように、第2加熱工程66の後に、実施する。
第1転写工程67では、図8Gに示すように、封止光半導体素子11を、感圧接着シート7から転写シートの一例としての第1転写シート21に転写する。
第1転写シート21は、面方向(前後方向および左右方向)に延伸するように構成され、微感圧接着(タック)性を有する延伸シートである。第1転写シート21としては、公知の転写シートが挙げられる。第1転写シート21としては、例えば、市販品が用いられ、例えば、SPVシリーズ(日東電工社製)などが用いられる。
封止光半導体素子11を感圧接着シート7から第1転写シート21に転写するには、第1転写シート21を、封止光半導体素子11の上側に配置し、続いて、図8Gに示すように、第1転写シート21の下面と、封止層10の上面16とを接触させる。次いで、図8Gの仮想線で示すように、封止層10の下面15と、光半導体素子1の電極側面3とを、感圧接着シート7(第1感圧接着層31)の上面86から剥離する。つまり、封止光半導体素子11を感圧接着シート7(第1感圧接着層31)から剥離する(剥離工程)。
第1転写工程67によって、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15とが下側に露出する。一方、封止層10の上面16が、第1転写シート21により被覆(感圧接着)される。
なお、第1転写工程67において、封止光半導体素子11は、封止層10における切断面14が維持されるように、感圧接着シート7から第1転写シート21に転写される。
7−2. 延伸工程
延伸工程68を、図6に示すように、第1転写工程67の後に、実施する。
延伸工程68では、図8Hに示すように、第1転写シート21の周端縁(具体的には、前端縁および後端縁と、右端縁および左端縁)を、外側(つまり、前後方向外側および左右方向外側)に延伸する。
上記した第1転写工程67(図8G参照)および延伸工程68(図8H参照)は、本発明の延伸剥離工程の一例である。
7−3. 第2転写工程
第2転写工程69を、図6に示すように、延伸工程68の後に、実施する。
図8Iに示すように、第2転写工程69では、複数の封止光半導体素子11を、第1転写シート21から第2転写シート22に転写する。第2転写シート22としては、公知の転写シートが挙げられ、具体的には、第1転写シート21と同様の転写シートが挙げられる。
複数の封止光半導体素子11を第1転写シート21から第2転写シート22に転写するには、図8Hに示すように、第2転写シート22を複数の封止光半導体素子11の下側に配置し、続いて、図8Iに示すように、第2転写シート22の上面と、封止層10の下面15、および、光半導体素子1の電極側面3とを接触させる。次いで、封止層10の上面16を、第1転写シート21の上面から剥離する。
この第2転写工程69によって、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15とが、第2転写シート22によって被覆(感圧接着)される。一方、封止層10の上面16が、上側に露出する。
なお、複数の封止光半導体素子11は、間隔18が維持されるように、第1転写シート21から第2転写シート22に転写される。
7−4. 検査・選別工程
検査・選別工程70を、図6に示すように、第2転写工程69の後に、実施する。
そして、この第2実施形態では、素子用意工程61、封止工程62、第1加熱工程63、切断工程64、低減工程65、第2加熱工程66、第1転写工程67、延伸工程68、第2転写工程69、検査・選別工程70、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、第6転写工程74、および、剥離工程75を実施する。その後、実装工程76を実施する。
<第2実施形態の作用効果>
そして、上記した封止光半導体素子11の製造方法によれば、第1加熱工程63では、図7Cに示すように、低減工程65の前に、熱硬化性樹脂が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H1が熱硬化性樹脂に付与されるように、封止層10を加熱するので、第1加熱工程63における感圧接着シート7の感圧接着力の低下を抑制することができる。そのため、第1加熱工程63および第2加熱工程66の後に、低減工程65を実施する場合であって、第2加熱工程66における感圧接着シート7の感圧接着力が大きく低下する場合に比べて、低減工程65において、図8Eに示すように、感圧接着シート7の感圧接着力を十分に低減させることができる。そのため、第1転写工程67において、図8Gに示すように、封止光半導体素子11を感圧接着シート7から容易かつ確実に剥離して、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着することを抑制することができる。
一方、この光半導体素子1の製造方法は、低減工程65の後に、第1加熱工程63および第2加熱工程66を実施する場合に比べても、第1転写工程67において、図8Gに示すように、封止光半導体素子11を感圧接着シート7から容易かつ確実に剥離して、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着することを抑制することができる。
そのため、電気的な接続信頼性に優れる封止光半導体素子11を製造することができる。
他方、予め、第2加熱工程66によって、図8Fに示すように、封止層10の熱硬化性樹脂を熱硬化させることができるので、封止層10による光半導体素子1に対する封止性を簡易かつ確実に向上させることができる。
その結果、封止性および電気的な接続信頼性に優れる封止光半導体素子11を製造することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、上記した比(X/Y)が特定値以上であるので、第1加熱工程63における感圧接着シート7の感圧接着力の低下を有効に抑制することができる。そのため、低減工程65において、図8Eに示すように、感圧接着シート7の感圧接着力をより一層十分に低減させることができる。そのため、第1転写工程67において、図8Gに示すように、封止光半導体素子11を感圧接着シート7から容易かつ確実に剥離して、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着することを有効に抑制することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図7Cに示すように、第1加熱工程63によって、封止層10の熱硬化を徐々に進行させることができ、それよって、図7Dに示すように、第1加熱工程63に後に実施される切断工程64における封止層10の機械強度を向上させることができる。そのため、封止層10を確実に切断することができる。その結果、封止光半導体素子11における封止層10を確実に切断できながら、複数の封止光半導体素子11を効率的に製造することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図8Gに示すように、第1転写シート21に支持された封止光半導体素子11を種々の用途に用いることができる。
さらに、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、第1転写工程67(図8G参照)および延伸工程68(図8H参照)において、封止光半導体素子11が転写された第1転写シート21を面方向に延伸して、封止光半導体素子11を第1転写シート21から剥離する。そのため、隣接する封止光半導体素子11間の面方向における間隔18を確実に形成して、例えば、図8Iに示すように、第2転写工程69において、複数の封止光半導体素子11のそれぞれを第1転写シート21から確実に剥離することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図8Fに示すように、第2加熱工程66において、封止層10を完全硬化させ、その後、図8Gに示すように、第1転写工程67において、封止光半導体素子11を第1転写シート21に転写する際に、封止層10がすでに完全硬化しているので、封止光半導体素子11における封止層10を感圧接着シート7から確実に剥離することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法では、低減工程65では、図8Eに示すように、活性エネルギー線を感圧接着シート7に対して照射するので、感圧接着シート7の感圧接着力を簡便に低減することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態において、第1〜第2実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、図8Eに示すように、低減工程65において、活性エネルギー線を感圧接着シート7に対して照射している。しかし、低減工程65は、感圧接着シート7の感圧接着力を低減できる処理であれば、特に限定されない。第3実施形態では、例えば、図示しないが、低減工程65において、感圧接着シート7を加熱する。
1. 素子用意工程
素子用意工程61において、図7Aが参照されるように、感圧接着シート7は、加熱されることによって、感圧接着力が低減するように構成される感圧接着剤から、シート状(層状)に形成されている。
感圧接着剤としては、例えば、発泡性樹脂組成物が挙げられる。発泡性樹脂組成物は、例えば、ベース感圧接着剤と、発泡剤とを含有している。
ベース感圧接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ウレタン系接着剤、フッ素系接着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系接着剤などが挙げられる。このようなベース感圧接着剤は、単独使用または併用することもできる。好ましくは、アクリル系ベース感圧接着剤が挙げられる。
発泡剤としては、例えば、熱膨張性微小球、無機系発泡剤、有機系発泡剤などが挙げられ、好ましくは、熱膨張性微小球が挙げられる。熱膨張性微小球は、マイクロカプセル化されている発泡剤であって、例えば、弾性を有する外殻を構成するシェルと、そのシェルに内包される内包物とを含んでいる。シェルを形成する材料としては、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。内包物は、加熱によりガス化し膨張する物質であって、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどが挙げられる。なお、熱膨張性微小球として、市販品を用いることができ、例えば、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬社製)などが挙げられる。発泡剤の含有割合は、ベース感圧接着剤100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。
発泡性樹脂組成物を調製するには、ベース感圧接着剤を調製し、次いで、それに発泡剤を配合させ、または、ベース感圧接着剤の調製前の原料に、発泡剤を配合する。さらには、ベース感圧接着剤の調製途中に、発泡剤を配合することもできる。
感圧接着シート7の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
また、素子用意工程61において、感圧接着シート7として、市販品を用いることができ、例えば、リバアルファ(日東電工社)などが挙げられる。
2. 低減工程
低減工程65において、図8Eにおいて図示しないが、感圧接着シート7を加熱する。具体的には、感圧接着シート7を、封止光半導体素子11および支持基板6とともに、加熱する。
加熱条件は、封止光半導体素子11における封止層10が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H3が封止層10に付与される条件である。
熱履歴H3は、加熱温度および加熱時間の程度で表される。
具体的には、加熱温度は、次に説明する加熱時間にもよるが、例えば、熱履歴H1を感圧接着シート7に付与する温度と同一またはそれより高い。具体的には、感圧接着シート7において発泡剤からガスが発生し始める温度と同一またはそれより高い温度であって、より具体的には、シェルが軟化または溶融するとともに、内包物がガス化し膨張する温度またはそれより高い温度である。詳しくは、加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、200℃以上であり、また、例えば、250℃以下、好ましくは、220℃以下である。
加熱時間は、例えば、熱履歴H0(封止光半導体素子11における封止層10が完全硬化する熱履歴H0)を感圧接着シート7に付与する時間と同一またはそれより短く、好ましくは、熱履歴H1(第1加熱工程63において封止層10に付与される熱履歴H1)を感圧接着シート7に付与する時間と同一またはそれより短い。具体的には、例えば、1秒以上、好ましくは、10秒以上、より好ましくは、20秒以上であり、また、例えば、100秒以下、好ましくは、60秒以下である。
加熱温度および加熱時間が上記上限以下である場合には、熱履歴H3を、封止光半導体素子11における封止層10が完全硬化する熱履歴H0より確実に少なく設定することができる。一方、加熱温度および加熱時間が上記下限以上である場合には、低減工程65において、感圧接着シート7において発泡剤からガスが十分に発生させ、そのため、感圧接着シート7の感圧接着力を十分に低減させることができる。
<第3実施形態の作用効果>
この第3実施形態によっても、第1実施形態および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。つまり、低減工程65において、図8Eが参照されるように、感圧接着シート7の感圧接着力を簡便に低減することができる。
また、この第3実施形態によれば、第1実施形態および第2実施形態と異なり、活性エネルギー線を感圧接着シート7に照射するための線源13(図3Gおよび図8E参照)を用意する必要がなく、例えば、第1加熱工程63および第2加熱工程66を実施するための加熱装置(具体的には、オーブンなど)を、低減工程65にそのまま転用することができる。そのため、製造設備を簡易にして、封止光半導体素子11の製造コストを低減し、さらには、発光装置30の製造コストを低減することができる。
他方、第1実施形態および第2実施形態によれば、低減工程65において、第3実施形態のように、封止層10が完全硬化する熱履歴H3を計算して設定することがなく、確実かつ簡易に低減工程65を実施することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態において、第1〜第3実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、図6に示すように、第2加熱工程66を実施し、その後、第1転写工程67を実施している。しかし、第4実施形態では、例えば、図10に示すように、第1転写工程67を実施し、その後、第2加熱工程66を実施する。
また、第1実施形態では、図1に示すように、低減工程65の前後で(低減工程65を挟んで)、支持基板剥離工程51および感圧接着シート剥離工程53を実施して、封止光半導体素子11を耐熱性シート28から第2転写シート22に転写している(第1転写工程)。しかし、第4実施形態では、図10に示すように、低減工程65の後で、封止光半導体素子11を感圧接着シート7から耐熱性シート28に一度に転写する第1転写工程67を実施する。
1. 素子用意工程
素子用意工程61において、図2Aが参照されるように、感圧接着シート7における感圧接着層34のうち、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32は、ともに、例えば、活性エネルギー線が照射されることによって、感圧接着力が低減する感圧接着剤からなっていてもよい。
2. 第1転写工程
図10に示すように、第1転写工程67を、低減工程65の後に、実施する。
第1転写工程67では、図11Aに示すように、封止光半導体素子11(図8E参照)を、感圧接着シート7から耐熱性シート28に転写する。
耐熱性シート28は、微感圧接着(タック)性を有する感圧接着剤からシート状(層状)に形成されている。感圧接着剤としては、例えば、シリコーン系感圧接着剤、エポキシ系感圧接着剤などの耐熱性感圧接着剤が挙げられる。感圧接着剤としては、好ましくは、シリコーン系感圧接着剤が挙げられる。また、耐熱性シート28として、市販品を用いることができ、例えば、耐熱微粘着シートTRMシリーズ(日東電工社製)などが挙げられる。耐熱性シート28の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
この第1転写工程67では、まず、封止光半導体素子11の上側に、耐熱性シート28を配置し、次いで、図11Aに示すように、耐熱性シート28の下面を封止光半導体素子11の上面16に接触させる。続いて、図11Aの仮想線で示すように、感圧接着シート7(第1感圧接着層31)の上面を、封止光半導体素子11における下面15と電極側面3とから剥離する。
これによって、封止層10の上面16が耐熱性シート28の下面によって被覆(感圧接着)される。また、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15とが、下側に露出する。
3. 第2加熱工程
第2加熱工程66を、図10に示すように、第1転写工程67の後に、実施する。
第2加熱工程66では、図11Bに示すように、封止光半導体素子11の封止層10が、耐熱性シート28によって支持された状態で、加熱されて、完全硬化する。具体的には、封止光半導体素子11と耐熱性シート28とを、オーブン90などの加熱装置に投入して、それらを加熱する。
4. 第7転写工程
第7転写工程77を、図10に示すように、第2加熱工程66の後に、実施する。
第7転写工程77は、転写工程の一例である。第7転写工程77では、図11Cに示すように、封止光半導体素子11を、耐熱性シート28から転写シートの一例としての第2転写シート22に転写する。第2転写シート22は、第1転写シート21と同様の延伸シートである。
5. 延伸工程
延伸工程68を、図10に示すように、第7転写工程77の後に実施する。
そして、この第4実施形態では、素子用意工程61、封止工程62、第1加熱工程63、切断工程64、低減工程65、第1転写工程67、第2加熱工程66、第7転写工程77、延伸工程68、第2転写工程69、検査・選別工程70、第3転写工程71、第4転写工程72、第5転写工程73、第6転写工程74、および、剥離工程75を順次実施する。その後、実装工程76を実施する。
<第4実施形態の作用効果>
この第4実施形態によれば、第1転写工程67において、図11Aに示すように、封止光半導体素子11(図8E参照)を感圧接着シート7から耐熱性シート28に転写し、その後、図11Bに示すように、第2加熱工程66を実施するので、第2加熱工程66において、耐熱性シート28で封止光半導体素子11を支持しながら、封止光半導体素子11における封止層10を完全硬化させることができる。
また、この第4実施形態によれば、図11Bに示すように、第2加熱工程66において、封止層10を完全硬化させ、その後、第7転写工程77において、封止光半導体素子11を第2転写シート22に転写する際に、封止層10がすでに完全硬化しているので、封止光半導体素子11における封止層10を感圧接着シート7から確実に剥離することができる。
また、この光半導体素子1の製造方法によれば、図11Cに示すように、第2加熱工程66の後に、封止光半導体素子11を耐熱性シート28から第2転写シート22に転写するので、第2転写シート22に支持された封止光半導体素子11を種々の用途に用いることができる。
<第5実施形態>
第5実施形態において、第1〜第4実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1〜第4実施形態では、図1、図6および図10に示すように、切断工程64を低減工程65の前に実施している。しかし、第5実施形態では、図12に示すように、切断工程64を低減工程65の後に実施する。
この第5実施形態では、具体的には、切断工程64を、第1転写工程67の後に実施する。
詳しくは、第5実施形態では、素子用意工程61(図7A参照)、封止工程62(図7B参照)、第1加熱工程63(図7C参照)、低減工程65(図13A参照)、剥離工程の一例としての第8転写工程78(図13B参照)、第2加熱工程66(図13C参照)、転写工程の一例としての第1転写工程67(図13D参照)、切断工程64(図13E参照)、延伸工程68(図8H参照)、転写工程の一例としての第2転写工程69(図8I参照)、検査・選別工程70(図9J参照)、第3転写工程71(図9J参照)、第4転写工程72(図9K参照)、第5転写工程73(図9L参照)、第6転写工程74(図9M参照)および剥離工程75(図9Mの矢印および仮想線参照)を順次実施する。
1. 素子用意工程
素子用意工程61において、図7Aが参照されるように、感圧接着シート7を感圧接着層34から形成する。具体的には、感圧接着層34を、加熱されることによって感圧接着力が低減するように構成される感圧接着剤から、シート状(層状)に形成する。感圧接着剤としては、第3実施形態で例示した発泡性樹脂組成物などが挙げられる。
2. 低減工程
図13Aに示すように、低減工程65では、好ましくは、加熱によって、感圧接着シート7の感圧接着力を低減させるとともに、支持基板6を感圧接着シート7から剥離する(支持基板除去工程)。つまり、支持基板6の上面(図7A参照)を、第2感圧接着層32の下面85から剥離して、支持基板6を感圧接着シート7から除去する。
これによって、第2感圧接着層32の下面85が下側に露出する。
加熱条件は、上記した熱履歴H3(封止層10が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H3)が封止層10に付与される条件であって、具体的には、加熱温度が、例えば、
80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、170℃以下、好ましくは、150℃以下である。また、加熱時間が、例えば、0.1時間以上、好ましくは、
0.5時間以上であり、また、例えば、5時間以下、好ましくは、2時間以下である。
3. 第8転写工程
第8転写工程78を、図12に示すように、低減工程65の後に、実施する。
第8転写工程78では、図13Bに示すように、封止光半導体素子11を、感圧接着シート7から耐熱性シート28に転写する。
具体的には、耐熱性シート28を、封止光半導体素子11の上側に配置し、次いで、図13Bに示すように、耐熱性シート28の下面を、封止層10の上面16に接触させ、次いで、図13Bの仮想線で示すように、封止光半導体素子11における光半導体素子1の電極側面3、および、封止層10の下面15を、感圧接着シート7(第1感圧接着層31)から剥離する。
第8転写工程78により、光半導体素子1の電極側面3と、封止層10の下面15とが、下側に露出する。また、第8転写工程78により、封止層10の上面16が耐熱性シート28の下面に被覆(感圧接着)される。
4. 第2加熱工程
図12に示すように、第2加熱工程66を、第8転写工程78の後に、実施する。
図13Cに示すように、第2加熱工程66では、封止光半導体素子11と耐熱性シート28とを、オーブン90などの加熱装置に投入する。
5. 第1転写工程
図12に示すように、第1転写工程67を、第2加熱工程66の後に実施する。
図13Dに示すように、封止光半導体素子11を、耐熱性シート28から転写シートの一例としての第1転写シート21に転写する。
封止光半導体素子11を耐熱性シート28から第1転写シート21に転写する際には、封止光半導体素子11を耐熱性シート28から第1転写シート21に載せ替える。電極側面3と下面15とが露出し、上面16が耐熱性シート28に被覆される。
6. 切断工程
図12に示すように、切断工程64を、第1転写工程67の後に実施する。
<第5実施形態の作用効果>
この封止光半導体素子11の製造方法によれば、第2加熱工程66によって、図13Cに示すように、封止層10を完全硬化させ、図13Eに示すように、第2加熱工程66に後に実施される切断工程64における封止層10の機械強度を向上させることができる。そのため、切断工程64において、封止層10を確実に切断することができる。その結果、封止層10を確実に切断できながら、複数の封止光半導体素子11を効率的に製造することができる。
また、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、図13Bに示すように、第8転写工程78において、封止光半導体素子11を耐熱性シート28に転写し、その後、図13Cに示すように、第2加熱工程66を実施するので、第2加熱工程66において、耐熱性シート28で封止光半導体素子11を支持しながら、封止光半導体素子11における封止層10を完全硬化させることができる。
また、この光半導体素子1の製造方法によれば、図13Dに示すように、第2加熱工程66の後に、封止光半導体素子11を耐熱性シート28から第1転写シート21に転写するので、第1転写シート21に支持された封止光半導体素子11を種々の用途に用いることができる。
さらに、この封止光半導体素子11の製造方法によれば、第1転写工程67および延伸工程68では、図8Hおよび図8Iに示すように、封止光半導体素子11が転写された転写シート21を前後方向および左右方向に延伸して、封止光半導体素子11を第1転写シート21から剥離するので、隣接する封止光半導体素子11間の直交方向における間隔18を確実に形成して、複数の封止光半導体素子11のそれぞれを第1転写シート21から確実に剥離することができる。
<変形例>
第1実施形態〜第5実施形態を適宜組み合わせることができる。
例えば、第2実施形態および第3実施形態を組み合わせて、低減工程65において、感圧接着シート7に対する活性エネルギー線の照射と、感圧接着シート7に対する加熱とを同時、または、順次実施することができる。
さらに、本発明は、封止工程、第1加熱工程、低減工程および第2加熱工程を順に実施するものであり、また、剥離工程を、低減工程の後に実施するものである。つまり、剥離工程は、低減工程の後であれば特に限定されず、例えば、第2加熱工程の前後いずれに実施されててもよい。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
調製例1
感圧接着剤シートAの調製
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)12.6質量部と、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO、重合開始剤)(商品名「ナイパーBW」、日油社製)0.25質量部とを、トルエン(重合溶媒)に投入して、窒素ガス気流下60℃で、モノマー成分を共重合させた。これにより、アクリル系ポリマーの45質量%トルエン溶液を得た。これにメタクリロイルオキシエチルイソシアネート13.5質量部を配合して、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(イソシアネート基含有化合物)をアクリル系ポリマーに対して付加反応させ、炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを調製した。また、上記アクリル系ポリマーのトルエン溶液に、アクリル系ポリマーの固形分100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製)0.1質量部と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア127」、(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2質量部とを添加した。これによって、炭素−炭素二重結合が導入された樹脂組成物からなる感圧接着剤Aを調製した。
作製例A
まず、図7Aが参照されるように、厚み38μmのPETフィルム(大三紙業社製)からなる支持シート33を用意した。支持シート33の上下両面に、上記の感圧接着剤Aを塗布して、その後、120℃で3分間乾燥し、さらに50℃で24時間、エージングすることにより、厚み30μmの第1感圧接着層31と、厚み10μmの第2感圧接着層32とを備える感圧接着シート7(A)を作製した。なお、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32の25℃における引張弾性率Xは、0.02MPaであった。
続いて、感圧接着シート7(A)を、厚み700μmのガラス板からなる支持基板6に貼り付けた。
次いで、感圧接着シート7の上に、複数の光半導体素子1(EDI−FA4545A、Epistar社製)を配置して、光半導体素子1を感圧接着シート7(A)に仮固定した(素子用意工程)。
作製例B
光半導体素子1(EDI−FA4545A、Epistar社製)を、光半導体素子1(ES−CEDB/BLV10C、Epistar社製)に変更した以外は、作製例Aと同様に処理した。
<感圧接着剤の光半導体素子に対する付着>
試験例1A〜6A
作製例Aによって得られた、感圧接着シート7(A)および支持基板6を備える支持基板付感圧接着シート2と、感圧接着シート7(A)によって支持基板6に仮固定された光半導体素子1とを、図7Cが参照されるように、表1に記載の加熱条件(試験例1については、加熱せず。)(具体的には、熱履歴H1。)で加熱した(第1加熱工程)。
その後、図8Eが参照されるように、感圧接着シート7に照射される照射エネルギーが460mJ/cmとなるように、高圧水銀ランプで、紫外線を感圧接着シート7に下側から照射した。
その後、図8Fが参照されるように、表1に記載の条件で、感圧接着シート7を加熱した(第2加熱工程)。
その後、図9Mが参照されるように、光半導体素子1を感圧接着シート7から剥離した。
そして、剥離した光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着しているか否かを観察した。
その結果を表1に示す。
また、紫外線の照射後の感圧接着シート7の感圧接着層34の引張弾性率Xを測定した。
他方、加熱せず、紫外線の照射のみを実施した感圧接着シート7の感圧接着層34の引張弾性率Yを測定した。
なお、引張弾性率は、図14に示すように、感圧接着層34を折り畳み、厚み1.5mm、長さ30mmの寸法に成形してサンプルを作製した。その後、サンプルの長手方向両端部を、チャック40で把持し、25℃において、チャック間距離10mm、引張速度
300mm/分の条件で測定して、破断強度を求め、それをサンプルの断面積で除して、引張弾性率を算出した。以下、引張弾性率は、上記の条件に従って測定した。
そして、X/Yを算出した。その結果を表1に示す。
試験例1B〜3B
作製例Aの光半導体素子1(EDI−FA4545A、Epistar社製)を、光半導体素子1(ES−CEDB/BLV10C、Epistar社製)に変更した以外は、試験例1A〜3Aと同様に、処理して、光半導体素子1の電極側面3に感圧接着剤が付着しているか否かを観察した。
その結果を表1に示す。
Figure 2016208033
<封止層のダイシング>
試験例7〜11
図7Bが参照されるように、作製例Aにおいて、感圧接着シート7の上に仮固定された光半導体素子1を、封止層10によって、封止した(封止工程)。
すなわち、PETからなる厚み50μmの剥離シート9と、剥離シート9の下面に配置され、厚み500μmのBステージの封止層10とを備える封止シート8を用意した。封止層10は、フェニル系シリコーン樹脂50質量部、ガラス粒子40質量部、および、蛍光体10質量部を含有する封止組成物から調製した。次いで、封止層10によって、複数の光半導体素子1を埋設して、複数の光半導体素子1を、感圧接着シート7を介して支持基板6により支持された状態で、封止した。
その後、図7Cが参照されるように、封止光半導体素子11と、支持基板付感圧接着シート2(A)とを、表1に記載の加熱条件(試験例1については、加熱せず。具体的には、熱履歴H1。)で加熱した(第1加熱工程)。
その後、図7Dが参照されるように、封止層10を、複数の封止光半導体素子11のそれぞれが個片化されるように、ダイシングソー12によって、ダイシングした(切断工程)。切断面14間の間隔l4は、0.04mmであった。
このとき、下記の基準に基づいて、切断工程を評価した。その結果を表2に示す。
○:封止層10を、円滑に切断できた。
×:封止層10が、円滑に切断することができなかった。
別途、第1加熱工程後の封止層10について、25℃における引張弾性率を測定した。その結果を表2に示す。なお、試験例7については、封止層10が過度に柔らかかったため、引張弾性率を測定することができなかった。
Figure 2016208033
実施例1
第1実施形態に基づいて、図4Iに示すように、封止光半導体素子11を耐熱性シート28に支持される状態で得た。
すなわち、図1に示すように、素子用意工程61、封止工程62、第1加熱工程63、切断工程64、支持基板除去工程51、耐熱性シート貼合工程52、低減工程65、感圧接着シート剥離工程53、および、第2加熱工程66を、順次実施した。
具体的には、まず、素子用意工程61では、図2Aに示すように、複数の光半導体素子1(EDI−FA4545A、Epistar社製)を、感圧接着シート7の上に配置した。感圧接着シート7は、厚み700μmのガラス板からなる支持基板6の上に用意した。
厚み38μmのPETフィルムからなる支持シート33の上下両面に、厚み30μmの第1感圧接着層31、および、厚み10μmの第2感圧接着層32をそれぞれ積層することにより、支持シート33、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32からなる感圧接着シート7を用意した。
次いで、封止工程62では、まず、図2Bに示すように、PETフィルムからなる厚み50μmの剥離シート9と、剥離シート9の下面に配置され、封止組成物からなる封止層10とを備える封止シート8とを用意した。封止組成物は、フェニル系シリコーン樹脂50質量部、ガラス粒子40質量部、および、蛍光体10質量部から調製した。封止層10の厚みは、500μmであった。
次いで、封止シート8によって、複数の光半導体素子1を封止した。
その後、図2Bの矢印で示すように、剥離シート9を封止シート8から剥離した。
これにより、封止光半導体素子11を、支持基板付感圧接着シート2に支持された状態で得た。
次いで、第1加熱工程63では、図2Cに示すように、封止光半導体素子11と支持基板付感圧接着シート2とを、100℃のオーブンに2時間投入した。これにより、封止層10がBステージ化した。封止層10の25℃における引張弾性率は、41MPaであった。
次いで、図2Dに示すように、切断工程64において、封止層10を、複数の光半導体素子1のそれぞれに対応するように、ダイシングソー12によって、ダイシングした。
次いで、支持基板除去工程51において、図3Eに示すように、支持基板6を感圧接着シート7から剥離した。
次いで、耐熱性シート貼合工程52において、図3Fに示すように、耐熱性シート28を、封止光半導体素子11における封止層10の上面16に貼り合わせた。耐熱性シート28は、耐熱微粘着シートTRM6250L(日東電工社製)からなり、厚みが30μmであった。
次いで、低減工程65において、図3Gに示すように、感圧接着シート7に照射される照射エネルギーが460mJ/cmとなるように、高圧水銀ランプで、紫外線を感圧接着シート7に下側から照射した。これにより、感圧接着シート7の感圧接着力を低減させた。
次いで、感圧接着シート剥離工程53において、図3Hに示すように、感圧接着シート7を封止光半導体素子11から剥離した。
次いで、第2加熱工程66において、図4Iに示すように、封止光半導体素子11と耐熱性シート28とを、150℃のオーブンに5時間投入した。これにより、封止層10がCステージ化した。封止層10の25℃における引張弾性率は、70MPaであった。
これにより、封止光半導体素子11を耐熱性シート28に支持される状態で得た。
実施例2
第2実施形態に基づいて、図8Gに示すように、封止光半導体素子11を第1転写シート21に支持される状態で得た。
すなわち、図6に示すように、素子用意工程61、封止工程62、第1加熱工程63、切断工程64、低減工程65、第2加熱工程66、および、第1転写工程67を、順次実施した。
具体的には、まず、素子用意工程61では、図7Aに示すように、複数の光半導体素子1(EDI−FA4545A、Epistar社製)を、感圧接着シート7の上に配置した。感圧接着シート7は、厚み700μmのガラス板からなる支持基板6の上に用意した。
厚み38μmのPETフィルムからなる支持シート33の上下両面に、厚み30μmの第1感圧接着層31、および、厚み10μmの第2感圧接着層32をそれぞれ積層することにより、支持シート33、第1感圧接着層31および第2感圧接着層32からなる感圧接着シート7を用意した。
次いで、封止工程62では、まず、図7Bに示すように、PETフィルムからなる厚み50μmの剥離シート9と、剥離シート9の下面に配置され、封止組成物からなる封止層10とを備える封止シート8とを用意した。封止組成物は、フェニル系シリコーン樹脂50質量部、ガラス粒子40質量部、および、蛍光体10質量部から調製した。封止層10の厚みは、500μmであった。
次いで、封止シート8によって、複数の光半導体素子1を封止した。
その後、剥離シート9を封止シート8から剥離した。
これにより、封止光半導体素子11を、支持基板付感圧接着シート2に支持された状態で得た。
次いで、第1加熱工程63では、図7Cに示すように、封止光半導体素子11と支持基板付感圧接着シート2とを、100℃のオーブンに2時間投入した。これにより、封止層10がBステージ化した。封止層10の25℃における引張弾性率は、41MPaであった。
次いで、図7Dに示すように、切断工程64において、封止層10を、複数の光半導体素子1のそれぞれに対応するように、ダイシングソー12によって、ダイシングした。
次いで、低減工程65において、図8Eに示すように、感圧接着シート7に照射される照射エネルギーが460mJ/cmとなるように、高圧水銀ランプで、紫外線を感圧接着シート7に下側から照射した。これにより、感圧接着シート7の感圧接着力を低減させた。
次いで、第2加熱工程66において、図8Fに示すように、封止光半導体素子11と支持基板付感圧接着シート2とを、150℃のオーブンに5時間投入した。これにより、封止層10がCステージ化した。封止層10の25℃における引張弾性率は、70MPaであった。
その後、第1転写工程67において、図8Gに示すように、封止光半導体素子11を、微感圧接着(タック)性および延伸性を有する第1転写シート21に転写した。第1転写シート21は、SPV224S(日東電工社製)からなり、厚みが80μmであった。
実施例3
第4実施形態に基づいて、図11Bに示すように、封止光半導体素子11を耐熱性シート28に支持される状態で得た。
すなわち、図10に示すように、素子用意工程61、封止工程62、第1加熱工程63、切断工程64、低減工程65、第1転写工程67、および、第2加熱工程66を、順次実施した。
まず、実施例2と同様にして、素子用意工程61(図7A参照)、封止工程62(図7B参照)、第1加熱工程63(図7C参照)、切断工程64(図7D参照)および低減工程65(図8E参照)を、実施した。
その後、第1転写工程67において、図11Aに示すように、封止光半導体素子11を、感圧接着シート7から耐熱性シート28に転写した。耐熱性シート28は、耐熱微粘着シートTRM6250L(日東電工社製)からなり、厚みが30μmであった。
続いて、実施例2と同様の条件で、図11Bに示すように、第2加熱工程66を、実施した。
実施例4
第3実施形態に基づいて、封止光半導体素子11を耐熱性シート28に支持される状態で得た。
すなわち、下記の工程を変更した以外は、実施例3と同様に処理した。
具体的には、素子用意工程61において、図7Aが参照されるように、感圧接着シート7を、リバアルファ(発泡性樹脂組成物、日東電工社製)から形成した。感圧接着シート7の厚みは、10μmであった。
低減工程65において、図8Eが参照されるように、封止光半導体素子11および支持基板付感圧接着シート2を、200℃のオーブンに20秒間、投入した。これによって、感圧接着シート7の感圧接着力を低減させた。
比較例1
第1加熱工程63(図7C参照)を実施しなかった以外は、実施例2と同様に処理した。
比較例2
第1加熱工程63(図7C参照)を実施しなかった以外は、実施例4と同様に処理した。
比較例3
第2加熱工程66を実施せず、第1加熱工程63における条件を、150℃、5時間に変更した以外は、実施例2と同様に処理した。
各実施例および各比較例の評価
各実施例および各比較例について、第1加熱工程63後の感圧接着層34の25℃における引張弾性率、第2加熱工程66後の感圧接着層34の25℃における引張弾性率を測定し、その後、X/Yを算出した。
それらの結果を表3に示す。
Figure 2016208033
1 光半導体素子
7 感圧接着シート
10 封止層
11 封止光半導体素子
18 間隔
21 第1転写シート
22 第2転写シート
28 耐熱性シート
29 基板
30 発光装置
31 第1感圧接着層
32 第2感圧接着層
34 感圧接着層
51 支持基板剥離工程
52 耐熱性シート貼合工程
53 感圧接着シート剥離工程
62 封止工程
63 第1加熱工程
64 切断工程
66 第2加熱工程
65 低減工程
67 第1転写工程
78 第8転写工程
H0 封止層が完全硬化する熱履歴
H1 第1加熱工程において封止層に付与される熱履歴
H2 第2加熱工程において封止層に付与される熱履歴
H3 低減工程において封止層に付与される熱履歴

Claims (13)

  1. 処理によって感圧接着力が低減するように構成される感圧接着シートに感圧接着された半導体素子を、熱硬化性樹脂を含有する封止層によって、封止して、前記半導体素子と、前記半導体素子を封止する前記封止層とを備える封止半導体素子を得る封止工程、
    前記封止工程の後に、前記封止層が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H1が前記封止層に付与されるように、前記封止層を加熱する第1加熱工程、
    前記第1加熱工程の後に、前記処理によって前記感圧接着シートの感圧接着力を低減させる低減工程、
    前記低減工程の後に、前記封止層が完全硬化する熱履歴H0と同じまたはそれより多い熱履歴H2が前記封止層に付与されるように、前記封止層を加熱する第2加熱工程、および、
    前記封止半導体素子を、前記感圧接着シートから剥離する剥離工程
    を備えることを特徴とする、封止半導体素子の製造方法。
  2. 前記感圧接着シートは、前記半導体素子と感圧接着する感圧接着層を備え、
    前記第1加熱工程の加熱と前記低減工程の前記処理とを順次実施した前記感圧接着層の25℃における引張弾性率Xの、前記低減工程の前記処理のみを実施した前記感圧接着層の25℃における引張弾性率Yに対する比(X/Y)が、0.70以上であることを特徴とする、請求項1に記載の封止半導体素子の製造方法。
  3. 前記封止工程では、複数の前記半導体素子を、前記封止層によって、封止して、複数の前記半導体素子を備える前記封止半導体素子を得、
    前記第1加熱工程の後であって、前記低減工程の前に、前記封止層を、複数の前記半導体素子のそれぞれに対応するように、切断する切断工程
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の封止半導体素子の製造方法。
  4. 前記剥離工程を、前記低減工程の後であって、前記第2加熱工程の前に実施することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法。
  5. 前記低減工程の前に、前記封止半導体素子に耐熱性シートを貼り合わせる耐熱性シート貼合工程
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法。
  6. 前記剥離工程では、前記封止半導体素子を前記感圧接着シートから耐熱性シートに転写することを特徴とする、請求項4に記載の封止半導体素子の製造方法。
  7. 前記封止半導体素子を前記耐熱性シートから転写シートに転写する転写工程
    を備えることを特徴とする、請求項5または6に記載の封止半導体素子の製造方法。
  8. 前記剥離工程を、前記第2加熱工程の後に実施し、
    前記剥離工程では、前記封止半導体素子を前記感圧接着シートから転写シートに転写することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法。
  9. 前記転写シートは、厚み方向に対する直交方向に延伸するように構成される延伸シートであって、
    前記封止半導体素子が転写された前記転写シートを前記直交方向に延伸して、前記封止半導体素子を前記転写シートから剥離する延伸剥離工程を備えることを特徴とする、請求項7または8に記載の封止半導体素子の製造方法。
  10. 前記封止工程では、複数の前記半導体素子を、前記封止層によって、封止して、複数の前記半導体素子を備える前記封止半導体素子を得、
    前記第2加熱工程の後に、前記封止層を、複数の前記半導体素子のそれぞれに対応するように、切断する切断工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の封止半導体素子の製造方法。
  11. 前記低減工程では、活性エネルギー線を前記感圧接着シートに対して照射することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法。
  12. 前記低減工程では、前記封止層が完全硬化する熱履歴H0より少ない熱履歴H3が前記封止層に付与されるように、前記感圧接着シートを加熱することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の封止半導体素子の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法により、封止半導体素子を製造する工程、および、
    前記封止半導体素子を基板に実装する工程
    を備えることを特徴とする、半導体装置の製造方法。
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