JP2017079325A - 被覆素子部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被覆材料を密閉空間に迅速に流入させて、素子部材の損傷を抑制しながら、被覆素子部材を製造することのできる、被覆素子部材の製造方法を提供すること。【解決手段】被覆素子部材1の製造方法は、光半導体素子を有する素子部材3と、素子部材3を支持する基板4とを用意する工程(1)と、保護シート5を、基板4と、少なくとも素子部材3が配置される間隔を隔てて、対向配置する工程(2)と、素子部材3、基板4および保護シート5を、真空下に配置する工程(3)と、流動性を有する被覆材料6を、素子部材3の周囲を囲むように、基板4および保護シート5に接触させることにより、被覆材料6と、基板4と、保護シート5とにより区画される密閉空間7を形成する工程(4)と、密閉空間7の外側を大気圧に戻すことにより、被覆材料6を密閉空間7に流入させて、被覆部材8を被覆材料6から形成する工程(5)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、被覆素子部材の製造方法に関する。
従来、光半導体素子を被覆材料によって被覆することが知られている。
例えば、基板に接合されたダイの上面に、ダイよりサイズが大きい蛍光体要素を接合し、その後、基板の上面を濡らすように、液状前駆体をノズルから分注し、その後、毛細管現象によって、液状前駆体を蛍光体要素と基板との間の空間中に引き込むことによって、ダイの側面に、液状前駆体から散乱層を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特表2012−516026号公報
しかし、特許文献1の方法によれば、基板および蛍光体要素の濡れ性に、大きく依存して、毛細管現象がうまく働かない場合があり、その場合には、ダイの側面を被覆することができないという不具合がある。
また、毛細管現象を利用する場合には、液状前駆体がダイの側面に到達するのに時間がかかるという不具合がある。
一方、プレス機のプレス圧を利用して、液状前駆体を蛍光体要素と基板との間に配置して、散乱層を形成することも検討されるが、その場合には、ダイに損傷を生じる場合がある。
本発明の目的は、被覆材料を密閉空間に迅速に流入させて、素子部材の損傷を抑制しながら、被覆素子部材を製造することのできる、被覆素子部材の製造方法を提供することにある。
[1] 本発明は、光半導体素子を有する素子部材と、前記素子部材を支持し、厚み方向に投影したときに、前記素子部材を含む形状を有する第1基材とを用意する工程(1)と、厚み方向に投影したときに、前記素子部材を含む形状を有する第2基材を、前記第1基材と、少なくとも前記素子部材が配置される間隔を隔てて、対向配置する工程(2)と、前記工程(2)の後に、前記素子部材、前記第1基材および前記第2基材を、減圧下または真空下に配置する工程(3)と、前記工程(3)の後に、流動性を有する被覆材料を、前記素子部材の周囲を囲むように、前記第1基材および前記第2基材に接触させることにより、前記被覆材料と、前記第1基材と、前記第2基材とにより区画される密閉空間を形成する工程(4)と、前記工程(4)の後に、前記密閉空間の外側を大気圧に戻すことにより、前記被覆材料を前記密閉空間に流入させて、被覆部材を前記被覆材料から形成する工程(5)とを備えることを特徴とする、被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、工程(4)において、密閉空間およびその外側の気圧を、ともに、減圧下または真空下にし、工程(5)において、密閉空間の外側の気圧を大気圧に戻せば、密閉空間は、大気圧より低い気圧を有する。つまり、密閉空間と、その外側とでは、差圧を生じる。そのため、流動性を有する被覆材料は、密閉空間に迅速に流入する。つまり、密閉空間には、被覆材料が迅速に充填される。そのため、被覆材料から、密閉空間に対応する形状を有する被覆部材を、迅速に形成することができる。しかも、差圧を利用して被覆材料を密閉空間に流入させれば、プレス機のプレス圧を利用することに比べて、素子部材にかかる力を均一にすることができ、そのため、素子部材の損傷を抑制しながら、被覆部材と、それにより被覆された素子部材とを備え、信頼性に優れる被覆素子部材を短時間で製造することができる。
[2] 本発明は、前記工程(2)では、前記第2基材を、前記素子部材に接触させることを特徴とする、上記[1]に記載の被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、第2基材を、素子部材に接触させるので、素子部材を被覆部材から露出させることができる。
そのため、光半導体素子を有する素子部材の発光特性を、被覆材料によって、妨げることを防止することができる。
[3] 本発明は、前記被覆材料は、光反射性成分および/または光吸収性成分を含有することを特徴とする、上記[2]に記載の被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、被覆材料は、光反射性成分および/または光吸収性成分を含有するので、被覆素子部材において、光半導体素子から発光した光を、被覆部材が反射および/または吸収して、所望の光学特性を有する光にすることができる。
また、素子部材が被覆部材から露出しているので、被覆材料が、光半導体素子を有する素子部材の発光特性を、被覆材料の光反射性および/または光吸収性によって、妨げることを防止することができる。
[4] 本発明は、前記第2基材は、前記素子部材に対して剥離可能な感圧接着シートであることを特徴とする、上記[2]または[3]に記載の被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、第2基材が、素子部材に対して剥離可能な感圧接着シートであるので、第2基材を素子部材から剥離して、素子部材を確実に露出させることができる。
[5] 本発明は、 前記素子部材は、波長変換層をさらに備え、前記工程(2)において、前記第2基材を、前記波長変換層に接触させることを特徴とする、上記[2]〜[4]のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、波長変換層を被覆部材から露出させることができる。そのため、光半導体素子から発光された光の波長を波長変換層によって変換して、発光強度に優れた被覆素子部材を製造することができる。
[6] 本発明は、前記工程(4)では、前記被覆材料は、完全硬化前の硬化性樹脂を含有し、前記工程(5)の後に、前記硬化性樹脂を完全硬化させる工程(6)をさらに備えることを特徴とする、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、硬化性樹脂を完全硬化させる工程(6)を備えるので、信頼性に優れる被覆素子部材を製造することができる。
[7] 本発明は、前記工程(4)では、前記被覆材料を塗布することを特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、工程(4)では、被覆材料を塗布するので、工程(4)を簡単に実施することができる。そのため、製造コストを低減することができる。
[8] 本発明は、前記工程(4)では、前記被覆材料が設けられた剥離シートを貼り合わせることを特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法である。
この方法によれば、工程(4)では、被覆材料が設けられた剥離シートを貼り合わせるので、工程(4)を簡単に実施することができる。そのため、製造コストを低減することができる。
本発明によれば、素子部材の損傷を抑制しながら、被覆部材と、それにより被覆された素子部材とを備え、信頼性に優れる被覆素子部材を製造することができる。
図1A〜図1Dは、第1実施形態の発光装置の製造方法の工程図であり、図1Aが、素子部材と基板とを用意する工程、図1Bが、保護シートを配置する工程、図1Cが、素子部材、基板および保護シートを、真空下に配置する工程、および、密閉空間を形成する工程図1Dが、被覆材料を密閉空間に流入させて、被覆部材を形成する工程を示す。 図2E〜図2Hは、図1Dに引き続き、第1実施形態の発光装置の製造方法の工程図であり、図2Eが、被覆材料を硬化させる工程、図2Fが、保護シートを剥離する工程、図2Gが、被覆部材および基板を切断する工程、図2Hが、発光装置を基材シートに再配置する工程を示す。 図3A〜図3Cは、第1実施形態の発光装置の製造方法の各工程における平面図であり、図3Aは、図1Bに対応する平面図、図3Bは、図1Cに対応する平面図、図3Cは、図1Dに対応する平面図である。 図4A〜図4Dは、第2実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図であり、図4Aが、素子部材と仮固定シートとキャリアとを用意する工程、図4Bが、保護シートを配置する工程、図4Cが、素子部材、仮固定シート、キャリアおよび保護シートを、真空下に配置する工程、図4Dが、密閉空間を形成する工程を示す。 図5E〜図5Iは、図4Dに引き続き、第2実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図であり、図5Eが、被覆部材を形成する工程、図5Fが、剥離シート、キャリアおよび仮固定シートを剥離する工程、図5Gが、ダイシングシートを配置する工程、図5Hが、被覆部材を切断する工程、図5Iが、被覆素子部材を基板に実装する工程を示す。 図6は、第2実施形態の被覆素子部材の製造方法の、図4Cに示す工程に対応する正面分解図である。 図7A〜図7Dは、第3実施形態の発光装置の製造方法の工程図であり、図7Aが、素子部材と基板とを用意する工程、図7Bが、保護シートを用意する工程、図7Bが、素子部材、基板および保護シートを真空下に配置する工程、図7Dが、密閉空間を形成する工程を示す。 図8E〜図8Hは、図7Dに引き続き、第3実施形態の発光装置の製造方法の工程図であり、図8Eが、被覆部材を形成する工程、図8Fが、保護シートを剥離する工程、図8Gが、被覆部材および基板を切断する工程、図8Hが、発光装置を基材シートに再配置する工程を示す。 図9A〜図9Cは、第3実施形態の変形例の工程図であり、図9Aが、蛍光体層を被覆素子部材集合体に形成する工程、図9Bが、蛍光体層、被覆部材および基板を切断する工程、図9Cが、発光装置を基材シートに再配置する工程を示す。 図10A〜図10Dは、第4実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図であり、図10Aが、素子部材を配置する工程、図10Bが、保護シートを配置する工程、図10Cが、素子部材、保護シート、仮固定シートおよびキャリアを、真空下に配置する工程、図10Dが、密閉空間を形成する工程を示す。 図11E〜図11Hは、図10Dに引き続き、第4実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図であり、図11Eが、被覆部材を形成する工程、図11Fが、保護シートを剥離する工程、図11Gが、被覆部材を切断する工程、図11Hが、被覆素子部材を基材シートに再配置する工程を示す。 図12A〜図12Cは、第4実施形態の変形例であり、図12Aが、蛍光体層を被覆素子部材集合体に形成する工程、図12Bが、蛍光体層および被覆部材を切断する工程、図12Cが、被覆素子部材を基材シートに再配置する工程を示す。 図13A〜図13Cは、第4実施形態の変形例であり、図13Aが、間隔板を配置する工程、図13Bが、間隔板、素子部材、仮固定シートおよびキャリアを、真空下に配置する工程、図13Cが、密閉空間を形成する工程を示す。 図14D〜図14Gは、図13Cに引き続き、第4実施形態の変形例であり、図14Dが、被覆部材を形成する工程、図14Eが、間隔板を除去する工程、図14Fが、被覆部材を切断する工程、図14Gが、被覆素子部材を基材シートに再配置する工程を示す。 図15A〜図15Dは、第5実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図であり、図15Aが、光半導体素子を蛍光体層に配置する工程、図15Bが、蛍光体層を切断する工程、図15Cが、保護シートを配置する工程、図15Dが、素子部材、保護シート、仮固定シートおよびキャリアを、真空下に配置する工程を示す。 図16E〜図16Gは、図15Dに引き続き、第5実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図であり、図16Eが、密閉空間を形成する工程、図16Fが、被覆部材を形成する工程、図16Gが、剥離シートを剥離する工程を示す。 図17H〜図17Jは、図16Gに引き続き、第5実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図であり、図17Hが、保護シートを剥離する工程、図17Iが、被覆部材を切断する工程、図17Jが、被覆素子部材を基材シートに再配置する工程を示す。 図18Aおよび図18Bは、第6実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図の一部であり、図18Aが、液状の被覆材料を配置する工程、図18Bが、密閉空間を形成する工程を示す。 図19Aおよび図19Bは、第7実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図の一部であり、図19Aが、シート形状の被覆材料を配置する工程図19Bが、密閉空間を形成する工程を示す。 図20Aおよび図20Bは、第8実施形態の被覆素子部材の製造方法の工程図の一部であり、図20Aが、剥離シートを容器内に配置する工程、図20Bが、密閉空間を形成する工程を示す。 図21A〜図21Cは、比較例の製造方法の工程図の一部であり、図21Aが、蛍光体層の挿入孔から、被覆材料を注入する工程、図21Bが、被覆材料を毛細管現象によって移動させる工程、図21Cが、蛍光体層および被覆部材を切断する工程を示す。
図1において、紙面左右方向は、左右方向(第1方向)であり、紙面左側が左側(第1方向一方側)、紙面右側が右側(第1方向他方側)である。図1において、紙面上下方向は、上下方向(第1方向に直交する第2方向、厚み方向の一例)であり、紙面上側が上側(第2方向一方側、厚み方向一方側)、紙面下側が下側(第2方向他方側、厚み方向他方側)である。図1において、紙面奥行方向は、先後方向(第1方向および第2方向に直交する第3方向)であり、紙面手前側が先側(第3方向一方側)、紙面奥側が後側(第3方向他方側、長手方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
1.第1実施形態
この被覆素子部材1を備える発光装置40(図2G参照)の製造方法は、光半導体素子2を有する素子部材3と、素子部材3を支持する第1基材の一例としての基板4とを用意する工程(1)(図1A参照)と、第2基材の一例としての保護シート5を配置する工程(2)(図1B参照)と、素子部材3、基板4および保護シート5を、真空下に配置する工程(3)(図1C参照)と、被覆材料6を、素子部材3の周囲を囲むように、基板4および保護シート5に接触させて、密閉空間7を形成する工程(4)(図1C参照)と、被覆材料6を密閉空間7に流入させて、被覆部材8を形成する工程(5)(図1D参照)とを備える。また、この発光装置40の製造方法は、さらに、保護シート5を素子部材3から剥離する工程(7)(図2F参照)と、被覆部材8および基板4を切断する工程(8)(図2G参照)と、発光装置40を基材シート10に再配置する工程(9)(図2H参照)とを備える。さらに、発光装置40の製造方法は、被覆材料6が硬化性樹脂を含有する場合には、被覆材料6を硬化させる工程(6)(図2E参照)を備える。以下、各工程を説明する。
1−1.工程(1)
工程(1)では、図1Aに示すように、基板4と、素子部材3とをそれぞれ用意する。
基板4は、絶縁板12と、端子13とを備えている。
絶縁板12は、例えば、左右方向および前後方向に伸びる略平板形状を有する。具体的には、絶縁板12は、例えば、ガラスやアルミナ、窒化アルミニウムのセラミックシート、例えば、銅板にAgメッキあるいはAl蒸着した金属製リードフレームなどが挙げられる。
絶縁板12は、厚み方向を貫通する貫通孔11を有する。貫通孔11は、左右方向および前後方向に互いに間隔を隔てて複数配置されている。貫通孔11には、次に説明する端子13が挿入されている。
端子13は、導電材料からなっており、貫通孔11に対応して複数設けられている。複数の端子13のそれぞれは、複数の貫通孔11のそれぞれに充填される導通部14と、導通部14の上端部に連続する表側端子15と、導通部14の下端部に連続する裏側端子16とを一体的に有する。
導通部14は、貫通孔11内において、厚み方向に延びる形状を有する。
表側端子15は、絶縁板12の上面(表面)に対して上側(表側)に位置している。表側端子15は、後述する光半導体素子2の電極18の対応する平面視形状を有する。
裏側端子16は、絶縁板12の下面(裏面)に対して下側(裏側)に位置している。裏側端子16は、導通部14に比べて大きい底面視形状を有する。
素子部材3は、光半導体素子2と、波長変換層の一例としての蛍光体層17とを備えている。素子部材3は、好ましくは、光半導体素子2と、蛍光体層17とのみからなっている。
光半導体素子2は、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換するLEDやLDである。好ましくは、光半導体素子2は、青色光を発光する青色LED(発光ダイオード素子)である。一方、光半導体素子2は、光半導体素子とは技術分野が異なるトランジスタなどの整流器を含まない。具体的には、光半導体素子2は、例えば、GaN系化合物半導体、ZnSe系化合物半導体、InGaAs系化合物半導体、または、AlInGaP系化合物半導体からなる発光層を上部に含有する。発光層のピーク波長は、例えば、240nm以上、560nm以下の範囲にあり、好ましくは、380nm以上、470nm以下の範囲にある。
光半導体素子2は、図1Aおよび図3Aに示すように、基板4の上において、左右方向および前後方向に互いに間隔を隔てて複数整列配置されている。複数の光半導体素子2のそれぞれは、左右方向および前後方向に沿う略平板形状を有する。また、光半導体素子2は、図1Aに示すように、電極面19と、発光面20と、周側面21とを有する。
電極面19は、光半導体素子2における下面であって、電極18が設けられる面である。電極18は、複数の光半導体素子2のそれぞれの電極面19に、2つ設けられている。そのため、光半導体素子2は、フェイスダウン(フリップチップ)構造を有する。
発光面20は、光半導体素子2における上面であって、電極面19に対して上側に間隔を隔てて対向配置されている。発光面20は、図示しない上記した発光層が設けられる面である。
周側面21は、電極面19の周端縁と、発光面20の周端縁とを連結している。
光半導体素子2の厚み(高さ)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下である。光半導体素子2の左右方向長さおよび/または前後方向長さは、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.1mm以上であり、また、例えば、3.0mm以下、好ましくは、1.5mm以下である。
電極18の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、80μm以下である。1つの光半導体素子2において隣接する電極18間の間隔は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。
蛍光体層17は、下側に向かって開放される有底角筒形状を有しており、素子部材3の露出面(上面)22と、素子部材3の周側面23とを形成する。具体的には、蛍光体層17は、光半導体素子2の発光面20および周側面21を被覆する形状を有する。蛍光体層17において、周側面21を被覆する部分の下面は、電極面19における電極18以外の面と、面一に形成されている。
蛍光体層17は、蛍光組成物からなる。蛍光組成物は、蛍光体と、樹脂とを含有する。
蛍光体としては、例えば、黄色蛍光体、赤色蛍光体などが挙げられる。黄色蛍光体としては、例えば、YAG:Ceなどのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN:Eu、CaSiN:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。蛍光体として、好ましくは、黄色蛍光体、より好ましくは、ガーネット型蛍光体が挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。蛍光体の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の配合割合は、蛍光体組成物に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上であり、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの透光性樹脂が挙げられる。耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
また、蛍光組成物は、必要により、例えば、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニア、ガラスなどのフィラー、蛍光組成物の透光成を損なわない割合で含有することができる。
蛍光体層17の厚み(具体的には、発光面20を被覆する部分においては、上下方向長さ、周側面21を被覆する部分においては、左右方向長さまたは前後方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1500μm以下である。
素子部材3の厚み(電極18の下面と、蛍光体層17の露出面22との間の距離)T1は、例えば、50μm以上、好ましくは、75μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1500μm以下である。また、素子部材3において、電極18の厚みを除く厚み(周側面23の上下方向長さ)T2は、例えば、50μm以上、好ましくは、75μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1500μm以下である。また、素子部材3の左右方向長さおよび/または前後方向長さは、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.5mm以上であり、また、例えば、5.0mm以下、好ましくは、2.0mm以下である。
隣接する素子部材3の間の間隔L(前後方向および/または左右方向における間隔L)は、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.1mm以上であり、また、例えば、1.0mm以下、好ましくは、0.8mm以下である。
素子部材3を用意するには、例えば、まず、複数の素子部材3を用意する。続いて、特開2014−096491号公報、特開2014−130918号公報などに記載された方法に従って、蛍光体層17によって、素子部材3の発光面20および周側面21を被覆する。
その後、複数の素子部材3を基板4に実装(フリップチップ実装)する。具体的には、光半導体素子2の電極18を、端子13の表側端子15に、必要により、はんだクリームなどの接合部材(図示せず)を介して、電気的に接続させる。
1−2.工程(2)
工程(2)を、工程(1)の後に実施する。
工程(2)では、図1Bに示すように、保護シート5を素子部材3の露出面22に配置する。
保護シート5は、図3Aに示すように、左右方向および前後方向に延びる略平板形状を有する。具体的には、保護シート5は、厚み方向に投影したときに、複数の素子部材3を含む略矩形平板形状を有する。また、保護シート5は、厚み方向に投影したときに、基板4に含まれる略矩形平板形状を有する。すなわち、保護シート5は、厚み方向に投影したときに、基板4と重ならない領域を区画できる形状を有する。具体的には、保護シート5は、複数の素子部材3が配置される領域と同一またはそれより大きいサイズを有し、かつ、基板4より小さいサイズを有する。
保護シート5は、後述する工程(5)(図1D参照)において、被覆材料6が素子部材3の露出面22を被覆せず、露出面22を被覆材料6から露出させるためのシートである。保護シート5は、素子部材3に対して剥離可能な感圧接着シートである。
保護シート5は、感圧接着層51と、感圧接着層51を支持する支持シート52とを備える。
感圧接着層51は、例えば、感圧接着剤から、略平板形状に形成されている。
感圧接着剤としては、例えば、処理(具体的には、活性エネルギー線の照射など)によって、感圧接着力が低減する感圧接着剤が挙げられる。
そのような感圧接着剤としては、例えば、炭素−炭素二重結合が導入された樹脂組成物などが挙げられる。樹脂組成物は、炭素−炭素二重結合を有するポリマーが挙げられる。
そのようなポリマーは、例えば、以下の方法によって、調製される。
すなわち、例えば、主ビニルモノマーと、第1官能基を有する副ビニルモノマーとを含有するモノマー成分を、第1官能基が消失しないように、共重合して、第1官能基を有する前駆体ポリマーを調製する。別途、第1官能基と反応することができる第2官能基と、炭素−二重結合とを有する化合物を準備する。その後、この化合物を前駆体ポリマーに配合して、第1官能基と第2官能基とを反応させる。
第1官能基と第2官能基との組合せとして、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せなどが挙げられる。第1官能基として、好ましくは、ヒドロキシル基が挙げられる。第2官能基として、好ましくは、イソシアネート基が挙げられる。
主モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(2EHA/2EHMA)、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどの、アルキル部分の炭素数が1〜20であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。主モノマーの、モノマー成分における配合割合は、例えば、70質量%以上、好ましくは、90質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下である。
副ビニルモノマーは、主ビニルモノマーとして共重合することができるビニルモノマーである。副ビニルモノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2−HEA/HEMA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)が挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。副ビニルモノマーの、モノマー成分における配合割合は、例えば、30質量%以下であり、また、例えば、1質量%以上である。
化合物としては、イソシアネート基含有化合物が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどの、イソシアネート基含有ビニルモノマーが挙げられる。好ましくは、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
化合物の配合割合は、ポリマーにおける二重結合の導入量が、例えば、0.01ミリモル/g以上、好ましくは、0.2ミリモル/g以上となり、また、例えば、10.0ミリモル/g以下、好ましくは、5.0ミリモル/g以下となるように、調整される。
前駆体ポリマーを調製するには、上記したモノマー成分を、上記した割合で、重合開始剤の存在下で、例えば、溶液重合させる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化物、過硫酸塩、レドックス系開始剤などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、過酸化物が挙げられる。過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、モノパーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイドなどが挙げられ、好ましくは、ジアシルジパーオキサイドが挙げられる。
ジアシルジパーオキサイドとしては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ジ−p−ニトロベンゾイルパーオキサイド、ジ−p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。好ましくは、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO)が挙げられる。
重合開始剤の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば、0.005質量部以上、例えば、1質量部以下である。
また、溶液重合では、重合溶媒が用いられる。重合溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素が挙げられる。
そして、主ビニルモノマーと、副ビニルモノマーとを含有するモノマー成分を、副ビニルモノマーの第1官能基が消失しないように、共重合させて、第1官能基を有する前駆体ポリマーを調製する。
続いて、前駆体ポリマーに、上記した化合物を配合する。好ましくは、ヒドロキシル基を含有する前駆体ポリマーに、イソシアネート基含有化合物を配合して、ヒドロキシル基とイソシアネート基とを反応させて、ウレタン結合を形成する。そして、得られたポリマーには、化合物が有する炭素−炭素二重結合が導入される。
その後、ポリマーに、光重合開始剤を配合する。
光重合開始剤は、後述する工程(7)(図2F参照)において活性エネルギー線が感圧接着層51に照射されたときに、ラジカルを発生させて、樹脂組成物に導入された炭素−炭素二重結合を互いに反応させるための光重合触媒である。光重合開始剤の10時間半減期温度は、例えば、20℃以上、好ましくは、50℃以上であり、また、例えば、107℃以下、好ましくは、100℃以下である。
光重合開始剤としては、例えば、ケタール系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、チオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが挙げられる。
光重合開始剤の配合割合は、ポリマー100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
また、ポリマーには、架橋剤などの添加剤を適宜の割合で配合することができる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。好ましくは、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
感圧接着層51を形成するには、支持シート52の表面に、感圧接着剤を塗布し、その後、乾燥させる。
支持シート52としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、セラミックスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。支持シート52の厚みは、例えば、80μm以上、好ましくは、110μm以上、より好ましくは、125μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、250μm以下である。
乾燥温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、150℃以下、好ましくは、130℃以下である。乾燥温度は、例えば、5分以下である。
その後、必要により、感圧接着剤をエージングする。エージング温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、40℃以上であり、また、例えば、70℃以下、好ましくは、60℃以下である。エージング時間は、例えば、10時間以上、また、例えば、120時間以下である。
これにより、感圧接着層51と、感圧接着層51の上面に配置される支持シート52とを備える保護シート5を得る。
保護シート5は、図1Dに示す工程(5)において、実質的に変形しないか、あるいは、周側面23を被覆しない程度の剛性および靱性を有する。具体的には、保護シート5の25℃における引張弾性率が、例えば、250MPa以上、好ましくは、500MPa以上、より好ましくは、1000MPa以上であり、また、例えば、20,000MPa以下である。
その後、保護シート5を、素子部材3に貼り合わせる。具体的には、感圧接着層51を露出面22に貼り合わせる。これによって、素子部材3の露出面22は、保護シート5によって感圧接着されて、保護される。
一方、保護シート5の下面は、基板4の上面と、厚み方向に間隔を隔てられている。保護シート5の下面と、基板4の上面との間隔T3は、例えば、50μm以上、好ましくは、75μm以上、より好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、2000μm以下である。
1−3.工程(3)
工程(3)を、工程(2)の後に実施する。
工程(3)では、図1Cに示すように、素子部材3、基板4および保護シート5を、真空下に配置する。例えば、素子部材3、基板4および保護シート5を、真空装置27に配置する。
真空装置27は、真空チャンバー28と、真空ライン29と、真空ポンプ30と、真空バルブ31と、大気ライン32と、大気バルブ33と、ステージ(図示せず)とを備える。
真空チャンバー28は、素子部材3、基板4および保護シート5を収容できる密閉容器である。
真空ライン29の一端(吸引方向上流側端)は、真空チャンバー28に接続され、真空ライン29の他端(吸引方向下流側端)は、真空ポンプ30に接続されている。
真空ポンプ30は、真空ライン29を介して、真空チャンバー28内の空間に連通するように構成されている。
真空バルブ31は、真空ライン29の途中に介在している。
大気ライン32は、真空ライン29の途中、具体的には、真空ライン29において真空チャンバー28および真空バルブ31の間の部分から分岐するラインであり、一端が、大気に開放するように構成されている。
大気バルブ33は、大気ライン32の途中に介在している。
図示しないステージは、真空チャンバー28内に収容されており、略板形状を有している。また、ステージは、吸着機構などの固定部材を有しており、これによって、基板4の下面を吸着(固定)するように構成されている。
そして、素子部材3、基板4および保護シート5を、真空チャンバー28内に配置して、真空チャンバー28の気圧を真空圧にする。
具体的には、まず、真空バルブ31および大気バルブ33を開放する。これによって、真空ポンプ30は、大気ライン32と連通する。この状態で、真空ポンプ30を作動させる。その後、素子部材3、基板4および保護シート5を真空チャンバー28内に、基板4をステージ(図示せず)に固定されるように、設置し、続いて、真空チャンバー28内の空間(チャンバー空間)34内を密閉する。
その後、大気バルブ33を閉鎖する。これによって、真空ポンプ30は、真空バルブ31を介して、チャンバー空間34と連通する。すると、チャンバー空間34の気圧は、真空となる。具体的には、チャンバー空間34の気圧(真空圧)は、被覆材料6を密閉空間7に円滑に流入させる観点から、例えば、1.0×10−2MPa以下、ボイドの発生をより有効に抑制する観点から、好ましくは、5.0×10−3MPa以下、より好ましくは、1.0×10−3MPa以下であり、また、例えば、1.0×10−5MPa以上、好ましくは、1.0×10−4MPa以上である。
1−4.工程(4)
工程(4)を、工程(3)の後に実施する。
工程(4)では、図1Cおよび図3Bに示すように、被覆材料6を、複数の素子部材3の周囲を囲むように、基板4および保護シート5に接触させて、密閉空間7を形成する。
被覆材料6は、常温(25℃)で流動性を有する被覆組成物からなる。
被覆組成物は、例えば、光反射性成分および/または光吸収性成分と、樹脂とを含有する。
光反射性成分としては、例えば、Ti,Zr,Nb,Alからなる群から選択される1種の酸化物、例えば、AlNおよび/またはMgFなどの粒子(光反射性粒子)が挙げられる。具体的には、光反射性成分としては、TiO,ZrO,Nb,Al,MgF,AlN,SiOからなる群から選択される少なくとも1種である。高い光反射性を確保する観点から、好ましくは、TiO,ZrO,Nb,Alが挙げられる。
光反射性粒子の平均粒子径は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.15μm以上であり、また、例えば、80μm以下、好ましくは、50μm以下である。
光反射性成分の配合割合は、被覆組成物に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、70質量%以下である。光反射性成分の配合割合が上記した下限以上であれば、十分な光反射性を確保することができる。光反射性成分の配合割合が上記した上限以下であれば、十分な流動性を確保することができる。
光吸収性成分としては、例えば、顔料、染料などが挙げられ、光吸収性の観点から、好ましくは、カーボンなどの光吸収性粒子が挙げられる。光吸収性粒子の平均粒子径は、例えば、0.01μm以上、好ましくは、0.015μm以上であり、また、例えば、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下である。
光吸収性成分の配合割合は、被覆組成物に対して、例えば、0.1質量%以上、例えば、10質量%以下である。
樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、例えば、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂などの硬化性樹脂が挙げられ、好ましくは、硬化性樹脂が挙げられ、より好ましくは、耐熱性の観点から、好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。耐光性の観点から、好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。シリコーン樹脂としては、例えば、特開2015−073084号公報に開示されるものが挙げられる。
樹脂の配合割合は、被覆組成物に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上であり、また、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。また、樹脂100質量部に対する光反射性成分の配合割合は、例えば、3質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下であり、また、樹脂100質量部に対する光吸収性成分の配合割合は、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下、好ましくは、25質量部以下である。
また、被覆組成物は、例えば、シリカ、ガラスなどの無機フィラーを適宜の割合で配合することができる。さらに、被覆組成物は、例えば、Ag,Cuなどの金属材料や、ダイヤモンド、AlNなどを適宜の割合で配合することもできる。
被覆組成物を調製するには、上記した各成分を上記した割合で配合して混合する。
被覆組成物の常温(25℃)における粘度は、例えば、1Pa・s以上、好ましくは、2Pa・s以上であり、また、例えば、50Pa・s以下、好ましくは、40Pa・s以下である。被覆組成物の粘度は、E型粘度計で測定される。
被覆組成物の粘度が上記した下限以上であれば、光反射性成分および/または光吸収性成分が沈降することを抑制することができる。被覆組成物の粘度が上記した上限以下であれば、ボイド(後述)の発生を抑制することができる。
被覆材料6を、複数の素子部材3の周囲を囲むように、基板4および保護シート5に接触させるには、例えば、真空注入装置(真空ディスペンサ)39、真空印刷機、描画装置などの塗布装置によって、被覆材料6を、保護シート5の周端縁の下面と、それに対向する基板4の上面との間に、塗布する。好ましくは、真空ディスペンサ39を用いて、被覆材料6を塗布する。真空ディスペンサ39は、上下方向に延び、下方に向かうに従って断面積が小さくなるノズル41と、ノズル41に接続されるタンク(図示せず)とを備える。
なお、上記した塗布装置は、上記した真空装置27に予め組み込まれており、具体的には、真空チャンバー28内に設置されている。また、被覆材料6を、図1Cおよび図3B(ハッチング部分)に示すように、素子部材3が配置される領域の周囲において、平面視略矩形枠(額縁)形状となるように、被覆材料6を塗布する。被覆材料6が有する枠(額縁)形状は、保護シート5の周方向に沿って、途中で途切れない、連続形状である。
また、被覆材料6は、絶縁板12の上面から上側に向かって盛り上がる断面形状を有している。
被覆材料6の塗布量は、次に説明する密閉空間7の体積と同一またはそれより大きい体積に設定されており、具体的には、体積基準で、密閉空間7の体積に対して、例えば、100%以上、好ましくは、110%以上、より好ましくは、120%以上であり、また、例えば、200%以下である。
被覆材料6によって密閉された空間は、密閉空間7を形成する。
密閉空間7は、被覆材料6と、保護シート5と、基板4と、素子部材3とにより区画される空間である。密閉空間7における厚み(上下方向長さ)T3は、上記した保護シート5の下面および基板4の上面の間隔T3と同一である。密閉空間7の体積は、密閉空間7の厚みT3および素子部材3の数によって、適宜設定される。
密閉空間7の気圧は、チャンバー空間34の上記した気圧と同一である。
1−5.工程(5)
工程(5)を、工程(4)の後に実施する。
工程(5)では、図1Dに示すように、チャンバー空間34(密閉空間7の外側におけるチャンバー空間34)の気圧を大気圧に戻す。
具体的には、まず、真空バルブ31を閉鎖し、その後、大気バルブ33を開放する。
これにより、チャンバー空間34が、大気ライン32を介して、大気に開放される。すると、大気が大気ライン32を介してチャンバー空間34に一気に流入するので、チャンバー空間34の気圧が大気圧に戻る。
一方、密閉空間7の気圧は、真空圧のままである。そのため、密閉空間7の気圧は、チャンバー空間34の気圧より低くなる。つまり、密閉空間7およびチャンバー空間34において、差圧が生じる。差圧は、チャンバー空間34の気圧から密閉空間7の気圧を差し引いた圧力差([チャンバー空間34の気圧]−[密閉空間7の気圧])であり、具体的には、例えば、0.095MPa以上、好ましくは、0.096MPa以上、より好ましくは、0.097MPa以上であり、また、例えば、0.1MPa以下である。
上記した差圧が生じると、図1Dおよび図3Cに示すように、密閉空間7に被覆材料6が流入し、密閉空間7が被覆材料6によって充填される。
他方、上記した差圧が生じても、基板4は、ステージに固定され、また、保護シート5は、上記した物性(硬さ、材料、引張弾性率など)を有するので、基板4および保護シート5は、ともに実質的に変形しない。具体的には、絶縁板12および保護シート5は、隣接する素子部材3の間に進入せず、被覆材料6が周側面23を被覆することを阻害しない。
これによって、密閉空間7と同一形状を有し、被覆材料6からなる被覆部材8が形成される。
その後、素子部材3、基板4、保護シート5および被覆材料6を真空チャンバー28から取り出す。
1−6.工程(6)
工程(6)を、工程(5)の後に実施する。
工程(6)では、図2Eに示すように、被覆材料6が硬化性樹脂を含有する場合には、硬化性樹脂を硬化させる。硬化性樹脂が熱硬化性樹脂であれば、被覆材料6を加熱する。硬化性樹脂が活性エネルギー線硬化性樹脂であれば、例えば、紫外線などの活性エネルギー線を被覆材料6に照射する。
これによって、被覆材料6は、流動性を失って、固形状となり、密閉空間7と同一形状を有する被覆部材8を形成する。
1−7.工程(7)
工程(7)を、工程(6)の後に実施する。
工程(7)では、図2Fに示すように、保護シート5を素子部材3から剥離する。
具体的には、まず、上記した活性エネルギー線を保護シート5に照射して、保護シート5の感圧接着力を低減させる。続いて、保護シート5を、素子部材3の露出面22と、被覆部材8の上面とから、引き剥がす。
これによって、素子部材3の露出面22と、被覆部材8の上面とは、上側に向かって露出する露出面となる。被覆部材8の上面は、素子部材3の露出面22と面一に形成されている。
これにより、1つの基板4と、複数の素子部材3と、1つの被覆部材8とを備える発光装置集合体36を得る。
発光装置集合体36は、産業上利用可能なデバイスであり、好ましくは、1つの基板4と、複数の素子部材3と、1つの被覆部材8とのみからなる。
また、複数の素子部材3と、1つの被覆部材8とは、被覆素子部材集合体38に備えられている。つまり、被覆素子部材集合体38は、基板4の上において、複数の素子部材3と、1つの被覆部材8とを備える。被覆素子部材集合体38は、好ましくは、複数の素子部材3と、1つの被覆部材8とのみからなる。
1−8.工程(8)
工程(8)では、図2Gに示すように、被覆部材8および基板4を切断する。つまり、被覆部材8および基板4を、複数の素子部材3のそれぞれに対応するように、個片化する。具体的には、ダイシングソー37などの切断装置によって、被覆部材8および絶縁板12を厚み方向に沿って切断する。
これによって、1つの基板4と、1つの素子部材3と、1つの被覆部材8とを備える発光装置40を得る。また、発光装置40は、1つの基板4と、1つの被覆素子部材1とを備えている。被覆素子部材1は、光半導体素子2が端子13と電気的に接続された状態で、基板4の上に配置(実装)されている。
1−9.工程(9)
工程(9)を、工程(8)の後に実施する。
工程(9)では、図2Hに示すように、発光装置40を基材シート10に再配置する。
具体的には、裏側端子16を、複数の発光装置40が左右方向および前後方向に間隔が隔てられるように、基材シート10の上面に載置する。
基材シート10は、例えば、感圧接着剤などから、左右方向および前後方向に延びる略平板形状に形成されている。
これによって、裏側端子16が基材シート10によって保護された複数の発光装置40を得る。発光装置40は、好ましくは、1つの基板4と、1つの被覆素子部材1とのみからなる。
1−10.第1実施形態の作用効果
そして、この方法によれば、工程(4)において、図1Cおよび図3Bに示すように、密閉空間7およびチャンバー空間34の気圧を、ともに、真空下にし、工程(5)において、図1Dおよび図3Cに示すように、チャンバー空間34の気圧を大気圧に戻せば、密閉空間7は、大気圧より低い気圧を有する。つまり、密閉空間7と、チャンバー空間34とでは、差圧を生じる。そのため、流動性を有する被覆材料6は、密閉空間7に迅速に流入する。つまり、密閉空間7には、被覆材料6が迅速に充填される。そのため、被覆材料6から、密閉空間7に対応する形状を有する被覆部材8を、迅速に形成することができる。しかも、差圧を利用して被覆材料6を密閉空間7に流入させれば、プレス機のプレス圧を利用することに比べて、素子部材3にかかる力を均一にすることができる。すなわち、プレス機のプレス圧を利用すれば、素子部材3にかかる力が不均一となり易く、被覆部材8にボイドを生じやすい。
しかし、この方法によれば、素子部材3の損傷を抑制しながら、被覆部材8と、それにより被覆された素子部材3とを備え、信頼性に優れる被覆素子部材1、ひいては、被覆素子部材1を備え、信頼性に優れる発光装置40を短時間で製造することができる。
また、この方法によれば、図1Bに示すように、保護シート5を、素子部材3に接触させるので、素子部材3を被覆部材8から露出させることができる。
そのため、光半導体素子2を有する素子部材3の発光特性を、被覆材料6によって、妨げることを防止することができる。
また、この方法によれば、被覆材料6は、光反射性成分および/または光吸収性成分を含有すれば、光半導体素子2から発光した光を、被覆部材8が反射および/または吸収して、所望の光学特性を有する光にすることができる。
また、素子部材3が被覆部材8から露出しているので、被覆部材8が、光半導体素子2を有する素子部材3の発光特性(正面発光特性)を、被覆材料6の光反射性および/または光吸収性によって、妨げることを防止することができる。
また、この方法によれば、保護シート5が、素子部材3に対して剥離可能な感圧接着シートであるので、図2Fに示すように、工程(7)において、保護シート5を素子部材3から剥離して、素子部材3の露出面22を確実に露出させることができる。
また、この方法によれば、蛍光体層17の露出面22を被覆部材8から露出させることができる。そのため、光半導体素子2から発光された光の波長を蛍光体層17によって変換して、発光強度に優れた被覆素子部材1、ひいては、発光強度に優れた発光装置40を製造することができる。
また、この方法によれば、工程(6)において、図2Eに示すように、硬化性樹脂を完全硬化させれば、信頼性に優れる被覆素子部材1、ひいては、信頼性に優れる発光装置40を製造することができる。
まて、この方法によれば、図1Cおよび図3Bに示すように、被覆材料6を塗布しているので、工程(4)を簡単に実施することができる。そのため、製造コストを低減することができる。
1−11. 第1実施形態の変形例
工程(3)において、図1Cに示すように、素子部材3、基板4および保護シート5を真空下に配置しているが、真空の程度は、工程(5)において、図1Dに示すように、密閉空間7およびチャンバー空間34において、差圧が生じればよく、素子部材3、基板4および保護シート5を、単に、減圧下に配置することもできる。つまり、工程(5)において、チャンバー空間34と密閉空間7の気圧との圧力差である差圧が、例えば、0.095MPa以上、好ましくは、0.096MPa以上であれば、本発明の作用効果を奏することができる。
2.第2実施形態
第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態の被覆素子部材1の製造方法は、光半導体素子2を有する素子部材3と、素子部材3を支持する第1基材の一例としての仮固定シート42およびキャリア43とを用意する工程(1)(図4A参照)と、保護シート5を配置する工程(2)(図4B参照)と、素子部材3、仮固定シート42、キャリア43および保護シート5を、真空下に配置する工程(3)(図4C参照)と、被覆材料6を、素子部材3の周囲を囲むように、基板4および保護シート5に接触させて、密閉空間7を形成する工程(4)(図4D参照)と、被覆材料6を密閉空間7に流入させて、被覆部材8を形成する工程(5)(図5E参照)とを備える。また、この被覆素子部材1の製造方法は、さらに、キャリア43を仮固定シート42から剥離する工程、および、仮固定シート42を被覆素子部材集合体38から剥離する工程(10)(図5F参照)と、ダイシングシート44を被覆素子部材集合体38に貼り付ける工程(11)(図5G参照)と、保護シート5を素子部材3から剥離する工程(7)(図5G参照)と、被覆部材8を切断する工程(8)(図5H参照)と、被覆素子部材1をダイシングシート44から剥離する工程(12)(図5H参照)とを備える。さらに、被覆素子部材1の製造方法は、被覆材料6が硬化性樹脂を含有する場合には、被覆材料6を硬化させる工程(6)(図5F参照)を備える。
2−1.工程(1)
仮固定シート42は、複数の素子部材3を仮固定するための感圧接着剤層であって、例えば、感圧接着剤から、左右方向および前後方向に延びる略平板形状に形成されている。感圧接着剤として、例えば、第1実施形態で例示した処理によって、感圧接着力が低減する感圧接着剤が挙げられる。仮固定シート42の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下である。また、仮固定シート42は、図5Eに示す工程(5)において、キャリア43から剥離しない程度の感圧接着力を有する。仮固定シート42のキャリア43に対する感圧接着力は、例えば、0.05N/20mm以上、好ましくは、0.08N/20mm以上、より、好ましくは、0.10N/20mm以上であり、また、例えば、3N/20mm以下である。
キャリア43は、仮固定シート42を支持するための板であって、左右方向および前後方向に延びる略平板形状を有している。キャリア43は、仮固定シート42の下面に配置されている。キャリア43は、例えば、ステンレスなどの金属からなる。キャリア43の厚みは、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.1mm以上であり、また、例えば、5mm以下、好ましくは、3mm以下である。
電極18は、仮固定シート42に埋設されている。
仮固定シート42の上において隣接する素子部材3間の間隔は、例えば、0.01mm以上、好ましくは、0.02mm以上であり、また、例えば、5mm以下、好ましくは、3mm以下である。
2−2.工程(3)
工程(3)では、図4Cに示すように、上記した素子部材3、仮固定シート42、キャリア43および保護シート5を上下反転させた後、それらを、真空チャンバー28内に、キャリア43がステージに固定されるように、設置する。
2−3.工程(4)
工程(4)では、図4Dに示すように、真空チャンバー28内において、被覆材料6を、複数の素子部材3の周囲を囲むように、仮固定シート42および保護シート5に接触させて、密閉空間7を形成する。
工程(4)では、まず、図4Dおよび図6に示すように、被覆材料6を、剥離シート26の表面に、平面視略矩形枠(額縁)形状のパターンで、配置する。
剥離シート26としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、金属箔などが挙げられる。剥離シート26の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
なお、剥離シート26は、例えば、真空チャンバー28内に設置されている別のステージなどに固定される。
被覆材料6は、保護シート5および仮固定シート42を厚み方向に投影したときに、被覆材料6の幅方向中央部分が、保護シート5の周端縁と、仮固定シート42の周端縁との間、あるいは、保護シート5の周端縁の近傍に位置するようなパターンで、配置される。
なお、被覆材料6は、図4Cに示す工程(3)において、素子部材3、仮固定シート42、キャリア43および保護シート5とともに、真空チャンバー28内に設置される。
被覆材料6を剥離シート26の表面に配置するには、例えば、上記した塗布装置が用いられ、好ましくは、描画装置が用いられる。描画装置が用いられる場合には、例えば、描画装置に備えられるノズル(図示せず)によって、上記したパターンを、例えば、一筆書きで、描画する。
被覆材料6の幅(線幅)Wは、例えば、0.5mm以上、好ましくは、1mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、10mm以下である。
その後、図4Dに示すように、被覆材料6が設けられた剥離シート26を、保護シート5に対して貼り合わせる。具体的には、剥離シート26の表面を、保護シート5の下面に接触させる。詳しくは、剥離シート26を引き上げるか、あるいは、保護シート5を引き下げる。
これによって、被覆材料6は、保護シート5の周端縁の側面を乗り越えて、保護シート5の周端縁の上面と、それに対向する仮固定シート42の下面との間に、移動する。
これによって、被覆材料6と、保護シート5と、仮固定シート42と、素子部材3とにより区画される密閉空間7が形成される。
2−4.工程(5)
工程(5)では、図5Eに示すように、被覆材料6が密閉空間7を充填して、密閉空間7に対応する被覆部材8を形成する。
被覆部材8は、素子部材3から露出する仮固定シート42の下面と、素子部材3から露出する保護シート5の上面と、素子部材3の周側面23とに接触している。
その後、素子部材3、仮固定シート42、キャリア43、被覆部材8、保護シート5および剥離シート26を、真空チャンバー28から取り出す。
2−5.工程(10)
工程(10)では、図5Fに示すように、まず、キャリア43を仮固定シート42から剥離し、続いて、剥離シート26を仮固定シート42を被覆素子部材集合体38から剥離する。
2−6.工程(11)
工程(11)では、まず、ダイシングシート44を用意する。
その後、図5Gに示すように、ダイシングシート44を、下方から、被覆素子部材集合体38の下面に向けて貼り付ける。具体的には、ダイシングシート44によって、被覆素子部材集合体38の電極面19と、蛍光体層17の下面と、被覆部材8の下面とを被覆する。ダイシングシート44は、電極18を埋設している。
2−7.工程(7)
工程(7)では、剥離シート26を保護シート5から剥離し、続いて、図5Gの矢印で示すように、保護シート5を素子部材3から剥離する。
2−8.工程(8)
工程(8)では、図5Hに示すように、ダイシングシート44を切断することなく、被覆部材8のみを切断する。
これによって、1つの素子部材3と、1つの被覆部材8とを備える被覆素子部材1を、ダイシングシート44に支持された状態で、得る。
2−9.工程(12)
工程(12)では、図5Hの矢印で示すように、被覆素子部材1を、ダイシングシート44から引き剥がす。つまり、被覆素子部材1を、ダイシングシート44から引き上げる。
これによって、1つの素子部材3と、1つの被覆部材8とを備える被覆素子部材1を得る。被覆素子部材1は、産業上利用可能なデバイスであり、好ましくは、1つの素子部材3と、1つの被覆部材8とのみからなる。
2−10.実装工程(13)
その後、実装工程(13)において、図5Iに示すように、被覆素子部材1を基板4に実装する。これによって、1つの基板4と、1つの被覆素子部材1とを備える発光装置40を得る。
発光装置40は、好ましくは、1つの基板4と、1つの被覆素子部材1とのみからなる。
なお、基板4は、絶縁板12と、絶縁板12に設けられる端子(図5Iにおいて図示されず、図1Aが参照される)とを備える。
2−11.第2実施形態の作用効果
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、第2実施形態によれば、図4Cおよび図4Dに示すように、被覆材料6が設けられた剥離シート26を保護シート5に対して貼り合わせるので、工程(4)を簡単に実施することができる。そのため、製造コストを低減することができる。
3.第3実施形態
第3実施形態において、第1実施形態および第2実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態では、図1Aに示すように、蛍光体層17が素子部材3の周側面21と発光面20とを被覆しているが、第3実施形態では、図7Aに示すように、蛍光体層17は、素子部材3の発光面20のみを被覆する。
第3実施形態の発光装置40の製造方法は、光半導体素子2および蛍光体層17を有する素子部材3と、素子部材3を支持する基板4とを用意する工程(1)(図7A参照)と、保護シート5を配置する工程(2)(図7B参照)と、素子部材3、基板4および保護シート5を、真空下に配置する工程(3)(図7C参照)と、被覆材料6を、素子部材3の周囲を囲むように、基板4および保護シート5に接触させて、密閉空間7を形成する工程(4)(図7D参照)と、被覆材料6を密閉空間7に流入させて、被覆部材8を形成する工程(5)(図8E参照)とを備える。また、この発光装置40の製造方法は、さらに、保護シート5を素子部材3から剥離する工程(7)(図8F参照)と、被覆部材8および基板4を切断する工程(8)(図8G参照)と、発光装置40を基材シート10に再配置する工程(9)(図8H参照)とを備える。さらに、発光装置40の製造方法は、被覆材料6が硬化性樹脂を含有する場合には、被覆材料6を硬化させる工程(6)(図8F参照)を備える。
3−1.工程(1)
工程(1)では、図7Aに示すように、素子部材3において、蛍光体層17は、光半導体素子2の周側面21を露出し、発光面20を被覆している。蛍光体層17の周側面23と、光半導体素子2の周側面21とは、ともに、素子部材3の周側面を形成する。
3−2.第3実施形態の作用効果
第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
3−3.第3実施形態の変形例
この変形例では、保護シート5を剥離した(図8F参照)後、第2蛍光体層57をさらに設ける(図9A参照)。
この変形例では、図9Aに示すように、図8Fに示す工程(7)の後に、第2蛍光体層57を光半導体素子2の上面に設ける。
具体的には、第2蛍光体層57を、蛍光体層17の露出面22と、被覆部材8の上面とに、形成する。
これによって、複数の素子部材3(光半導体素子2および蛍光体層17)と、1つの被覆部材8と、1つの第2蛍光体層57とを備える被覆素子部材集合体38が、基板4に実装された状態で得られる。
工程(8)では、図9Bに示すように、第2蛍光体層57、被覆部材8および基板4を切断する。
これによって、1つの基板4と、1つの素子部材3(1つの光半導体素子2および1つの蛍光体層17)と、1つの被覆部材8と、1つの第2蛍光体層57とを備える発光装置40を得る。
4.第4実施形態
第4実施形態において、第1実施形態〜第3実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、図4Aに示すように、素子部材3に蛍光体層17を備えたが、第4実施形態では、図10Aに示すように、蛍光体層17を備えることなく、素子部材3を構成する。
第4実施形態の被覆素子部材1の製造方法は、光半導体素子2のみを有する素子部材3と、素子部材3を支持する仮固定シート42およびキャリア43とを用意する工程(1)(図10A参照)と、保護シート5を配置する工程(2)(図10B参照)と、素子部材3、仮固定シート42、キャリア43および保護シート5を、真空下に配置する工程(3)(図10C参照)と、被覆材料6を、素子部材3の周囲を囲むように、仮固定シート42および保護シート5に接触させて、密閉空間7を形成する工程(4)(図10D参照)と、被覆材料6を密閉空間7に流入させて、被覆部材8を形成する工程(5)(図11E参照)とを備える。また、この被覆素子部材1の製造方法は、さらに、保護シート5を素子部材3から剥離する工程(7)(図11F参照)と、被覆部材8を切断する工程(8)(図11G参照)と、被覆素子部材1を基材シート10に再配置する工程(9)(図11H参照)とを備える。さらに、発光装置40の製造方法は、被覆材料6が硬化性樹脂を含有する場合には、被覆材料6を硬化させる工程(6)(図11F参照)を備える。
4−1.工程(1)
工程(1)では、光半導体素子2のみからなる素子部材3を用意する。
4−2.第4実施形態の作用効果
第4実施形態によっても、第1〜3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
4−3.第4実施形態の変形例
第4実施形態では、素子部材3に光半導体素子2のみを備えたが、図12A〜図12Cに示すように、被覆部材8を形成し、続いて、保護シート5を剥離した(図11F参照)後、蛍光体層17を設ける(図12A参照)ことにより、素子部材3に、光半導体素子2および蛍光体層17を備えることもできる。
この変形例では、図12Aに示すように、図11Fに示す工程(7)の後に、蛍光体層17を光半導体素子2の上面に設ける。
具体的には、蛍光体層17を、光半導体素子2の発光面20と、被覆部材8の上面とに、形成する。
さらに、第4実施形態では、第2基材の一例としての保護シート5を素子部材3に接触させているが、図13A〜図14Dに示すように、第2基材の一例としての間隔板45を、素子部材3と間隔を隔てて配置することもできる。
図13Aに示すように、間隔板45は、被覆部形成部材46に備えられている。被覆部形成部材46は、間隔板45と、スペーサ47とを備える。
間隔板45は、例えば、金属などの硬質材料からなっており、左右方向および前後方向に延びる略平板形状を有している。間隔板45は、平面視において、キャリア43と略同一サイズを有している。
間隔板45は、厚み方向を貫通するスリット48を有している。スリット48は、工程(4)(図13C参照)において、被覆材料6の厚み方向における通過を許容するように構成される開口部である。スリット48は、厚み方向に投影したときに、被覆材料6が塗布される領域に含まれる位置に形成されている。
スペーサ47は、上下方向に延びる部材であって、キャリア43の周端部の上面と、間隔板45の周端部の下面との間に設けられている。スペーサ47は、工程(4)(図13C参照)において、間隔板45が光半導体素子2と間隔を隔てる上下方向長さを有している。
工程(2)では、図13Cに示すように、被覆材料6が設けられた剥離シート26を、間隔板45に貼り合わせる。これによって、被覆材料6は、スリット48を厚み方向に沿って通過して、仮固定シート42に到達する。これによって、密閉空間7が形成される。
工程(3)では、密閉空間7は、被覆材料6と、間隔板45と、基板4と、素子部材3とにより区画される空間である。
工程(4)において、図14Dに示すように、被覆部材8は、光半導体素子2の発光面20を被覆する。
工程(7)では、図14Eに示すように、間隔板45を被覆部材8から剥離する。
図14Fに示すように、被覆素子部材1は、光半導体素子2(素子部材3)と、光半導体素子2の発光面20および周側面21を被覆する被覆部材8とを備えている。
この変形例によっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
一方、第4実施形態のように、図10Bに示すように、保護シート5を素子部材3に接触させれば、図11Fおよび図11Gに示すように、素子部材3の発光面20を被覆部材8から露出させることができるので、たとえ、被覆材料6が光反射性および/または光吸収性を有していても、光半導体素子2を有する素子部材3の発光特性(正面発光特性)を妨げることを防止することができる。
5.第5実施形態
第5実施形態において、第1実施形態〜第4実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第5実施形態において、図15Aに示すように、複数の素子部材3において、共通の蛍光体層17を設け、その後、図15Bに示すように、蛍光体層17を切断する。
第5実施形態の被覆素子部材1の製造方法は、素子部材3と、素子部材3を支持する仮固定シート42およびキャリア43とを用意する工程(1)(図15Aおよび15B参照)と、保護シート5を配置する工程(2)(図15C参照)と、素子部材3、仮固定シート42、キャリア43および保護シート5を、真空下に配置する工程(3)(図15D参照)と、被覆材料6を、素子部材3の周囲を囲むように、仮固定シート42および保護シート5に接触させて、密閉空間7を形成する工程(4)(図16E参照)と、被覆材料6を密閉空間7に流入させて、被覆部材8を形成する工程(5)(図16F参照)とを備える。また、この被覆素子部材1の製造方法は、さらに、剥離シート26を剥離する工程、キャリア43を剥離する工程、仮固定シート42を剥離する工程、および、保護シート5を剥離する工程(図16Gおよび17H参照)と、ダイシングシート44を被覆素子部材集合体38に貼り付ける工程(11)(図17H参照)と、被覆部材8を切断する工程(8)(図17I参照)と、被覆素子部材1をダイシングシート44から剥離する工程(12)(図17I参照)と、被覆素子部材1を基材シート10に再配置する工程(9)(図17J参照)とを備える。さらに、被覆素子部材1の製造方法は、被覆材料6が硬化性樹脂を含有する場合には、被覆材料6を硬化させる工程(6)(図16G参照)を備える。
工程(1)では、まず、図15Aに示すように、蛍光体層17を、仮固定シート42の上面に、1つの略平板形状に形成する。
続いて、複数の光半導体素子2を蛍光体層17に固定する。具体的には、複数の光半導体素子2のそれぞれの発光面20を、蛍光体層17の上面に接触させる。
その後、図15Bに示すように、隣接する光半導体素子2の間の蛍光体層17を、ダイシングソー37などの切断装置を用いて、切断する。ダイシングソー37の幅は、例えば、0.01mm以上、好ましくは、0.02mm以上であり、また、例えば、0.5mm以下、好ましくは、0.4mm以下である。
これによって、1つの光半導体素子2と、1つの蛍光体層17とを有する素子部材3を得る。素子部材3において、蛍光体層17は、厚み方向に投影したときに、光半導体素子2を含む大きさを有している。つまり、蛍光体層17の周端部は、光半導体素子2から面方向(左右方向および前後方向)外側に出張る。
工程(2)では、図15Cに示すように、保護シート5を、素子部材3の電極面19に接触させる。
工程(4)により得られる被覆素子部材1は、図17Iに示すように、光半導体素子2と、光半導体素子2の発光面20を被覆する蛍光体層17と、光半導体素子2の周側面21を被覆する被覆部材8とを備えている。被覆部材8は、蛍光体層17の周端部(厚み方向に投影したときに、光半導体素子2に含まれず、光半導体素子2の外側に出張る部分)の側面および上面を被覆している。
第5実施形態によっても、第1〜4実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
6.第6実施形態
第6実施形態において、第1実施形態〜第5実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、図4Cおよび図6に示すように、被覆材料6を、平面視略矩形枠(額縁)形状のパターンで、剥離シート26の表面に配置しているが、第6実施形態では、図18Aに示すように、被覆材料6の中央部に配置する。
具体的には、液状の被覆材料6を、ポッティングにより、配置する。
工程(4)では、図18Bに示すように、被覆材料6が配置される剥離シート26を保護シート5に貼り合わせる。
これにより、被覆材料6は、剥離シート26と被覆材料6との間において、中央部から周端縁に向かい、被覆材料6の周端縁の側面を乗り越えて、保護シート5の周端縁の上面と、それに対向する仮固定シート42の下面との間に、移動する。
これによって、被覆材料6と、保護シート5と、仮固定シート42とにより区画される密閉空間7が形成される。
第6実施形態によっても、第1〜5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、第6実施形態では、液状の被覆材料6を剥離シート26にポッティングすればよいので、簡単に、被覆材料6を配置することができる。
7.第7実施形態
第7実施形態において、第1実施形態〜第6実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、図4Cに示すように、液状の被覆材料6を剥離シート26の表面に配置しているが、第7実施形態では、図19Aに示すように、半固形または固形のシート形状を有する被覆材料6を剥離シート26の表面に配置する。
被覆材料6は、常には、シート形状を維持する一方、図19Bに示すように、剥離シート26と保護シート5との貼り合わせの際に、プレス圧がかかると、さらには、加熱により軟化・溶融すると、変形して流動する。
工程(4)および工程(5)における加熱温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、30℃以上であり、また、例えば、180℃以下、好ましくは、150℃以下である。
被覆材料6の流動時における粘度、具体的には、上記した加熱温度における被覆材料6の粘度、より具体的には、60℃に加熱されたときの被覆材料6の粘度は、例えば、1Pa・s以上、好ましくは、2Pa・s以上であり、また、例えば、50Pa・s以下、好ましくは、40Pa・s以下である。上記した粘度は、E型粘度計で測定される。
具体的には、工程(5)において、図19Bに示すように、被覆材料6は、剥離シート26と被覆材料6との間において、中央部から周端縁に向かい、被覆材料6の周端縁の側面を乗り越えて、保護シート5の周端縁の上面と、それに対向する仮固定シート42の下面との間に、移動する。
第7実施形態によっても、第1〜6実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第7実施形態では、被覆材料6がシート形状を維持できるので、例えば、図示しないが、被覆材料6および保護シート5を上下反転させて、被覆材料6が下方に向かうように、設置することができ、製造の自由度を高めることができる。
8.第8実施形態
第8実施形態において、第1実施形態〜第7実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第8実施形態では、図20Aに示すように、剥離シート26を、堰部49を有する容器55に収容する。
容器55は、有底略箱形状を有しており、具体的には、左右方向および前後方向に延びる平板部50と、平板部50の周端縁から上方に向かって延び、略板形状を有する堰部49とを一体的に備えている。
工程(4)では、図20Aに示すように、被覆材料6が設けられた剥離シート26を、容器55の平板部50の上面に配置する。あるいは、まず、剥離シート26を平板部50の上面に配置し、その後、被覆材料6を剥離シート26の周端部に、平面視略矩形枠(額縁)形状のパターンで、配置する。
工程(5)では、図20Bに示すように、剥離シート26を保護シート5に貼り合わせる。すると、中央部から周端縁に向かう被覆材料6は、堰部49によって外側に漏れることを抑制しながら、堰部49によって、保護シート5の周端縁の上面と、それに対向する仮固定シート42の下面との間に、円滑に誘導される。
第8実施形態によっても、第1〜7実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第8実施形態では、堰部49によって、被覆材料6の外側への漏れを抑制しつつ、確実に密閉空間7を形成することができる。
また、低粘度の被覆材料6、具体的には、25℃における粘度が、例えば、10Pa・s以下、好ましくは、5Pa・s以下である被覆材料6を用いて、被覆部材8を形成することができる。
なお、上記した第1〜第8実施形態を、適宜組み合わせることもできる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
調製例1
(被覆材料6A〜6Eの調製)
表1に従って、各成分を配合し、自転・公転式の攪拌脱泡機を用いて5分間撹拌混合し、3分間脱泡することにより、液状の被覆材料6A〜6Eを調製した。
被覆材料A〜Eの25℃における粘度を、E型粘度計(英弘精機社製RE85U)を用いて、測定した。その結果を、表2に記載する。
調製例2
(被覆部材6Fの調製)
1液型白色シリコーン樹脂「J1001J」(25℃における粘度1.6Pa・s、モーメンティブ社製)を被覆材料6Fとして用意した。
被覆材料6Fの60℃における粘度を、E型粘度計(英弘精機社製RE85U)を用いて、測定した。その結果を、表2に記載する。
調製例3
(被覆材料6Gの調製)
信越化学社製KER−2500のA液18g、B液18gおよびカーボンブラック(三菱化学社製商品名MA600)4gを準備し、三本ロールを用いて30分間混練りし予備分散液を得た。予備分散液7gにKER−2500のA液36.5g、B液36.5gおよびシリカフィラー(デンカ社製FB9454)20gを加え、自転・公転式の攪拌脱泡機を用いて5分間撹拌混合し、3分間脱泡することにより、液状の光吸収性を有する被覆材料6Gを得た。
被覆材料6Gの25℃における粘度を、E型粘度計(英弘精機社製RE85U)を用いて、測定した。その結果を、表2に記載する。
実施例1(第1実施形態に対応する実施例)
工程(1)
図1Aに示すように、厚み1mmのセラミック製の絶縁板12と、端子13とを備える基板4を用意した。基板4のサイズは、51mm×102mmであった。
別途、光半導体素子2と、蛍光体層17とを備える素子部材3を用意し、素子部材3の電極18と、基板4の表側端子15とを、はんだクリームを介して、それらを対向させ、その後、260℃で10秒間加熱して、はんだリフローさせることにより、電極18と表側端子15とを電気的に接続した。これによって、素子部材3を基板4にフリップチップ実装した。
なお、光半導体素子2の厚みT2(電極18を除く厚み)(周側面21の長さ)は、0.15mmであり、また、蛍光体層17の厚みは、0.3mmであった。電極18の厚みは、20μmであった。光半導体素子2の大きさは、1.125mm×1.125mmであり、素子部材3の大きさは、1.6mm×1.6mmであった。また、光半導体素子2は、前後方向に10列、左右方向に22列となるように、配列され、素子部材3の数は、220個であった。隣接する素子部材3の間の間隔Lは、1.94mmであった。
工程(2)
まず、感圧接着剤を調製した。
すなわち、温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)12.6質量部と、ジベンゾイルパーオキサイド(BPO、重合開始剤)(商品名「ナイパーBW」、日油社製)0.25質量部とを、トルエン(重合溶媒)に投入して、窒素ガス気流下60℃で、モノマー成分を共重合させた。これにより、アクリル系ポリマーの45質量%トルエン溶液を得た。これにメタクリロイルオキシエチルイソシアネート13.5質量部を配合して、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(イソシアネート基含有化合物)をアクリル系ポリマーに対して付加反応させ、炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを調製した。また、上記アクリル系ポリマーのトルエン溶液に、アクリル系ポリマーの固形分100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製)0.1質量部と、光重合開始剤(商品名「イルガキュア127」、(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2質量部とを添加した。これによって、炭素−炭素二重結合が導入された樹脂組成物からなる感圧接着剤を調製した。
続いて、感圧接着剤を、厚み125μmのPETフィルム(大三紙業社製)からなる支持シート52の表面に塗布した後、120℃で3分間乾燥し、さらに50℃で24時間、エージングした。これにより、厚み30μmの感圧接着層51を、支持シート52の表面に形成した。
これにより、感圧接着層51と、支持シート52とを備え、厚み145μmの保護シート5を準備した。なお、保護シート5の25℃における引張弾性率は、3,650MPaであった。
続いて、保護シート5を、86mm×42mmの大きさに外形加工した。
その後、図1Bに示すように、保護シート5の感圧接着層51を、複数の素子部材3の露出面22に、ハンドローラを用いて、貼り合せた。
工程(3)
図1Cに示すように、真空チャンバー28、真空ライン29、真空ポンプ30、真空バルブ31、大気ライン32、大気バルブ33と、被覆材料6Aを充填した真空ディスペンサ39とを装備した真空装置27を準備した。
続いて、真空バルブ31および大気バルブ33を開放した状態で、真空ポンプ30を作動させ、その後、素子部材3、基板4および保護シート5を真空チャンバー28内に設置した。
続いて、チャンバー空間34内を密閉し、次いで、大気バルブ33を閉鎖した。すると、チャンバー空間34の気圧は、6.6×10−4MPaになった。
工程(4)
次いで、図1Cに示すように、真空ディスペンサ39のノズル41から、被覆材料6A 1.3mL(密閉空間7の体積の142%)を、保護シート5の周端縁の下面と、それに対向する基板4の上面との間に、塗布した。これによって、密閉空間7を形成した。
工程(5)
図1Dに示すように、真空バルブ31を閉鎖し、その後、大気バルブ33を開放した。これによって、チャンバー空間34の気圧を大気圧に戻した。
すると、密閉空間7に被覆材料6Aが流入し、密閉空間7が被覆材料6Aによって充填された。つまり、密閉空間7と同一形状を有し、被覆材料6Aからなる被覆部材8が形成された。
その後、素子部材3、基板4、保護シート5および被覆部材8を、真空チャンバー28から取り出した。
工程(6)
続いて、図2Eに示すように、素子部材3、基板4、保護シート5および被覆部材8を、熱風循環式乾燥機に投入して、150℃で2時間加熱することによって、被覆部材8を完全硬化させた。
工程(7)
活性エネルギー線を保護シート5に照射して、保護シート5の感圧接着力を低減させた。続いて、保護シート5を、図2Fに示すように、素子部材3の露出面22と、被覆部材8の上面とから、引き剥がした。
工程(8)
その後、ダイシングソー37により、被覆部材8および基板4を、複数の素子部材3のそれぞれに対応するように、切断して、発光装置集合体36を複数の発光装置40に個片化した。
これにより、1つの基板4と、1つの被覆素子部材1とを備える発光装置40を得た。
発光装置40の大きさは、3.5mm×3.5mmであった。
実施例2(第2実施形態に対応する実施例)
工程(1)
図4Aに示すように、ステンレス製のキャリア43の上面に、実施例1で用いた感圧接着剤を含有する仮固定シート42を積層した。キャリア43の大きさは、100mm×100mm、厚みが0.3mmであった。仮固定シート42の大きさは、95mm×95mm、厚みが80μmであった。また、仮固定シート42のキャリア43に対する感圧接着力は、0.12N/20mmであった。
実施例1で用いた素子部材3を用意し、続いて、素子部材3の電極18が仮固定シート42に埋設されるように、複数の素子部材3の電極面19を、仮固定シート42の上面に感圧接着した。これによって、複数の素子部材3を仮固定シート42に仮固定した。
光半導体素子2は、前後方向に36列、左右方向に36列となるように、配列され、素子部材3の数は、1296個であった。また、隣接する素子部材3間の間隔Lは、0.44mmであった。
工程(2)
実施例1で用いた保護シート5を用意し、これを86mm×86mmの大きさに外形加工した。
その後、図4Bに示すように、保護シート5の感圧接着層51を、複数の素子部材3の露出面22に、ハンドローラを用いて、貼り合せた。
工程(3)
素子部材3、仮固定シート42、キャリア43および保護シート5を上下反転させた後、図4Cに示すように、それらを、真空チャンバー28内に設置した。
続いて、チャンバー空間34内を密閉し、次いで、大気バルブ33を閉鎖した。すると、チャンバー空間34の気圧は、6.6×10−4MPaになった。
工程(4)
図4Cおよび図6に示すように、被覆材料6Aを、剥離処理したPETフィルム(ニッパ社製SS4C、50μm)からなる剥離シート26の表面に、描画装置によって、線幅W3mmで、線幅の中心ラインの寸法が、87mm×87mmの額縁形状を有するパターンとなるように、描画した。なお、被覆材料6Aの内寸法84mm×84mmであり、被覆材料6Aの外寸法は、90×90mmであった。つまり、被覆材料6Aの線幅は、3mmであった。また、被覆材料6Aの体積は、1.8mL(密閉空間7の体積の147%)であった。
その後、図4Dに示すように、被覆材料6Aが設けられた剥離シート26を保護シート5に接触させた。その条件は、圧力1.1MPa、25℃で30秒間の圧力であった。保護シート5の剥離シート26に対する感圧接着力は、0.12N/20mmであった。
これによって、被覆材料6Aは、保護シート5の周端縁の側面を乗り越えて、保護シート5の周端縁の上面と、それに対向する仮固定シート42の下面との間に、移動した。
これによって、密閉空間7を形成した。
工程(5)
真空バルブ31を閉鎖し、その後、大気バルブ33を開放した。これによって、チャンバー空間34の気圧を大気圧に戻した。
すると、図5Eに示すように、密閉空間7に被覆材料6が流入し、密閉空間7が被覆材料6によって充填された。つまり、密閉空間7と同一形状を有し、被覆材料6からなる被覆部材8が形成された。
その後、素子部材3、仮固定シート42、キャリア43、保護シート5および被覆部材8を、真空チャンバー28から取り出した。
工程(6)
その後、図5Fに示すように、素子部材3、保護シート5および被覆部材8を、熱風循環式乾燥機を用いて100℃で2時間加熱することによって、被覆部材8を完全硬化させた。
工程(10)
図5Fに示すように、まず、キャリア43および仮固定シート42を順次剥離し、その後、剥離シート26を被覆素子部材集合体38から剥離した。
工程(12)
図5Gに示すように、ダイシングシート44(ダイシングテープ、日東電工社製SPV−224S)を、被覆素子部材集合体38に貼り付けた。
工程(8)
次いで、図5Gに示すように、保護シート5を素子部材3および被覆部材8から剥離した。
その後、ダイシングソー37(DISCO社製DAD322)を用いて、被覆部材8を切断して、被覆素子部材集合体38を被覆素子部材1に個片化した。
工程(12)
図5Hの矢印で示すように、被覆素子部材1をダイシングシート44から引き剥がした。
これによって、素子部材3と、被覆部材8とを備える被覆素子部材1を得た。
被覆素子部材1の大きさは、2.0mm×2.0mm、厚さが0.3mmであった。
実施例3〜7(第2実施形態に対応する実施例)
表2に示す条件に従い、実施例2と同様に処理して、被覆素子部材1を得た。
実施例8(第3実施形態に対応する実施例)
工程(1)および工程(2)
図7Aおよび図7Bに示すように、素子部材3において蛍光体層17が光半導体素子2の発光面20のみを被覆した以外は、実施例1と同様にして、工程(1)および工程(2)を実施した。
光半導体素子2は、前後方向に45列、左右方向に45列となるように、配列され、素子部材3の数は、2025個であった。また、隣接する素子部材3間の間隔Lは、2.415mmであった。
工程(3)〜工程(5)
図7C、図7Dおよび図8Eに示すように、実施例2と同様にして、工程(3)〜工程(5)を実施した。
工程(6)〜工程(9)
図8F〜図8Hに示すように、実施例1と同様にして、工程(6)〜工程(9)を実施した。
実施例9(第4実施形態に対応する実施例)
図10A〜図10Dおよび図11E〜図11Gに示すように、素子部材3に光半導体素子2のみを備えさせた以外は、実施例2と同様にして、工程(1)および工程(2)を実施した。
なお、図1Aおよび図3が参照されるように、工程(1)における光半導体素子2は、前後方向に45列、左右方向に45列となるように、配列され、素子部材3の数は、2025個であった。また、隣接する素子部材3間の間隔Lは、0.915mmであった。
実施例10(第5実施形態に対応する実施例)
工程(1)
図15Aに示すように、ステンレス製のキャリア43の上面に、実施例1で用いた感圧接着剤を含有する仮固定シート42を積層した。キャリア43の大きさは、100mm×100mm、厚みが0.3mmであった。仮固定シート42の大きさは、95mm×95mm、厚みが0.08mmであった。
別途、特開2015−073084号公報に記載の調製例1に従って、シリコーン樹脂組成物を調製した。次いで、シリコン樹脂組成物40gに蛍光体(Intematix社製GAL−525)13g、煙霧シリカ(ナガセ産業社製R976s)0.8gを加え、自転・公転式の攪拌脱泡機を用いて5分間撹拌混合、3分間脱泡することにより、液状の蛍光組成物を得た。
蛍光組成物を、剥離処理したPETフィルム(ニッパ社製SS4C、50μm)からなる剥離層に厚さが150μmとなるよう塗布し、90℃で15分加熱して、シリコーン樹脂組成物をBステージ化する(半硬化させる)ことにより、蛍光体層17を剥離層の上に作製した。次いで、蛍光体層17を仮固定シート42に転写した。
その後、光半導体素子2を、発光面20が蛍光体層17に向かう(接触する)ように、蛍光体層17の上面に載置した。
光半導体素子2は、前後方向に52列、左右方向に52列となるように、配列され、素子部材3の数は、2704個であった。また、隣接する素子部材3間の間隔Lは、0.915mmであった。
工程(2)
熱風循環乾燥機を用いて150℃で2時間加熱して、蛍光体層17のシリコーン樹脂組成物をCステージ化した(完全硬化)した後、図15Bに示すように、ダイシングソー37(DISCO社製DAD322)を用いて、蛍光体層17を切断した。
その後、図15Cに示すように、保護シート5の感圧接着層51を、複数の素子部材3の電極面19に、ハンドローラを用いて、貼り合せた。
工程(3)以降の各工程
実施例2と同様にして、工程(3)以降の各工程を実施した。
なお、図17Iが参照されるように、得られた被覆素子部材1の外形寸法は1.6×1.6mmであり、厚さが0.3mmであった。
実施例11(第6実施形態に対応する実施例)
図18Aおよび図18Bに示すように、液状の被覆材料6をポッティングにより配置した以外は、実施例2と同様にして、被覆素子部材1を得た。
実施例12(第7実施形態に対応する実施例)
図19Aおよび図19Bに示すように、半固形のシート形状を有する被覆材料6を剥離シート26の表面に配置し、被覆材料6が設けられた剥離シート26と、保護シート5との貼り合わせの条件を、圧力1.1MPa、60℃、1分間に変更した以外は、実施例2と同様にして、被覆素子部材1を得た。
実施例13(第8実施形態に対応する実施例)
図20Aおよび図20Bに示すように、被覆材料6が設けられた剥離シート26を、高さ3mmの堰部49を備える容器55に収容した以外は、実施例2と同様にして、被覆素子部材1を得た。
比較例1(特表2012−516026号公報(特許文献1)に対応する比較例)
図21A〜図21Cに示すように、液状の被覆材料Aを、毛細管現象を利用して、光半導体素子2の周側面21を被覆した。
具体的には、図21Aに示すように、挿入孔60を有する蛍光体層17を、光半導体素子2の発光面20に配置した。挿入孔60は、隣接する光半導体素子2の間の空間61に臨んでおり、次に説明する針状のノズル41の挿入を許容できるサイズを有していた。
次いで、ノズル41の下端部(先端部)を、挿入孔60に挿入し、挿入孔60に被覆材料6を注入した。
その後、図21Bに示すように、被覆材料6は、10分間かけて、光半導体素子2の周側面21に到達した。
その後、被覆材料6を硬化して、被覆部材8を形成した後、図21Cに示すように、被覆部材8および蛍光体層17を切断して、個片化された被覆素子部材1を得た。
<評価>
[製造時間]
密閉空間7の形成から被覆部材8を形成するまでの時間を測定し、以下の基準に従って、製造時間を評価した。
A:1分以内
B:1分超過
[ボイド]
被覆素子部材1において、以下の基準に従って、ボイドを評価した。
A:ボイド発生率が1%未満
B:ボイド発生率が1%超過、5%未満
C:ボイド発生率が5%超過、10%未満
D:ボイド発生率が10%超過、20%未満
E:ボイド発生率が20%以上
Figure 2017079325
Figure 2017079325
1 被覆素子部材
2 光半導体素子
3 素子部材
4 基板
5 保護シート
6 被覆材料
7 密閉空間
8 被覆部材
10 基材シート
17 蛍光体層
26 剥離シート
42 仮固定シート
43 キャリア
44 ダイシングシート
45 間隔板

Claims (8)

  1. 光半導体素子を有する素子部材と、前記素子部材を支持し、厚み方向に投影したときに、前記素子部材を含む形状を有する第1基材とを用意する工程(1)と、
    厚み方向に投影したときに、前記素子部材を含む形状を有する第2基材を、前記第1基材と、少なくとも前記素子部材が配置される間隔を隔てて、対向配置する工程(2)と、
    前記工程(2)の後に、前記素子部材、前記第1基材および前記第2基材を、減圧下または真空下に配置する工程(3)と、
    前記工程(3)の後に、流動性を有する被覆材料を、前記素子部材の周囲を囲むように、前記第1基材および前記第2基材に接触させることにより、前記被覆材料と、前記第1基材と、前記第2基材とにより区画される密閉空間を形成する工程(4)と、
    前記工程(4)の後に、前記密閉空間の外側を大気圧に戻すことにより、前記被覆材料を前記密閉空間に流入させて、被覆部材を前記被覆材料から形成する工程(5)と
    を備えることを特徴とする、被覆素子部材の製造方法。
  2. 前記工程(2)では、前記第2基材を、前記素子部材に接触させることを特徴とする、請求項1に記載の被覆素子部材の製造方法。
  3. 前記被覆材料は、光反射性成分および/または光吸収性成分を含有することを特徴とする、請求項2に記載の被覆素子部材の製造方法。
  4. 前記第2基材は、前記素子部材に対して剥離可能な感圧接着シートであることを特徴とする、請求項2または3に記載の被覆素子部材の製造方法。
  5. 前記素子部材は、波長変換層をさらに備え、
    前記工程(2)において、前記第2基材を、前記波長変換層に接触させることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法。
  6. 前記工程(4)では、前記被覆材料は、完全硬化前の硬化性樹脂を含有し、
    前記工程(5)の後に、前記硬化性樹脂を完全硬化させる工程(6)
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法。
  7. 前記工程(4)では、前記被覆材料を塗布することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法。
  8. 前記工程(4)では、前記被覆材料が設けられた剥離シートを貼り合わせることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆素子部材の製造方法。
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