JP2002324920A - 発光ダイオード及びその製造方法 - Google Patents

発光ダイオード及びその製造方法

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JP2002324920A
JP2002324920A JP2002043903A JP2002043903A JP2002324920A JP 2002324920 A JP2002324920 A JP 2002324920A JP 2002043903 A JP2002043903 A JP 2002043903A JP 2002043903 A JP2002043903 A JP 2002043903A JP 2002324920 A JP2002324920 A JP 2002324920A
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Manabu Tsumura
学 津村
Harumi Sakamoto
晴美 坂本
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雅幸 藤田
Masafumi Kuramoto
雅史 蔵本
Michihide Miki
倫英 三木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐久性を有する発光ダイオードおよびそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 (A)SiH基と反応性を有する炭素−
炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機
化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を
含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、
(D)エポキシ樹脂、及び(E)エポキシ樹脂用硬化
剤、を必須成分として含有する硬化性組成物を用いて発
光素子を被覆して発光ダイオードとすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高い耐久性を有する
発光ダイオードおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、発光ダイオードの発光素子の被覆
材(封止材あるいはモールド材)としては酸無水物系硬
化剤を用いる透明エポキシ樹脂が広く用いられてきた。
かかる透明エポキシ樹脂は、接着性が高く力学的な耐久
性は有しているものの、樹脂の吸水率が高いために耐湿
耐久性が低い、あるいは、特に低波長の光に対する光線
透過性が低いために耐光耐久性が低い、あるいは光劣化
により着色するという欠点を有していた。この点を改善
するためにエポキシ樹脂系での改良が提案されている
(特開2000−196151号公報、特開平11−2
74571号公報)。一方、耐光耐久性が高い被覆材と
して、シリコーン樹脂が使用されているが、一般に軟質
であり表面タック性を有しているため、実装する際に発
光面に異物が付着したり実装用器具により発光面が損傷
を受けるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、接着性が高く、高い耐光耐久性を有し、かつ、実装
する際に発光面に異物が付着したり実装用器具により発
光面が損傷を受けるという問題が生じない発光ダイオー
ドおよびその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明者らは鋭意研究の結果、SiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合を含有する有機化合物と、S
iH基を含有する化合物と、ヒドロシリル化触媒と、エ
ポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを必須成分とし
て含有する硬化性組成物を用いて発光素子を被覆するこ
とにより、上記課題が解決できることを見出し本発明に
至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)SiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくと
も2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくと
も2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒド
ロシリル化触媒、(D)エポキシ樹脂、及び(E)エポ
キシ樹脂用硬化剤、を必須成分として含有する硬化性組
成物を用いて発光素子が被覆された発光ダイオード(請
求項1)であり、(E)成分が非アミン系エポキシ樹脂
用硬化剤である、請求項1に記載の発光ダイオード(請
求項2)であり、前記硬化性組成物が、フェノール性水
酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有
する化合物の含有量が75重量%以下の硬化性組成物で
ある請求項1あるいは2に記載の発光ダイオード(請求
項3)であり、(A)成分が、フェノール性水酸基およ
び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有さない、
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子
中に少なくとも2個含有する有機化合物である、請求項
1乃至3のいずれか一項に記載の発光ダイオード(請求
項4)であり、(B)成分が、フェノール性水酸基およ
び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有さない、
1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素
化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
発光ダイオード(請求項5)であり、(D)成分が、フ
ェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基
の誘導体を有さないエポキシ樹脂である、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の発光ダイオード(請求項6)
であり、(E)成分が、フェノール性水酸基および/あ
るいはフェノール性水酸基の誘導体を有さないエポキシ
樹脂用硬化剤である、請求項1乃至6のいずれか一項に
記載の発光ダイオード(請求項7)であり、発光素子の
主発光ピーク波長が550nm以下である、請求項1乃
至7のいずれか一項に記載の発光ダイオード(請求項
8)であり、前記発光素子は、珪素を含有する無機化合
物層を表面に有し、前記無機化合物層に接して前記硬化
性組成物が設けられていることを特徴とする請求項1乃
至8のいずれか一項に記載の発光ダイオード(請求項
9)であり、前記無機化合物層は、前記発光素子から発
光される光の少なくとも一部を吸収して他の蛍光を発光
することが可能な蛍光物質を含有することを特徴とする
請求項9に記載の発光ダイオード(請求項10)であ
り、前記発光素子は、側壁を有する基板上に載置されて
おり、前記硬化性組成物は、前記発光素子表面及び前記
側壁内面に接して設けられていることを特徴とする請求
項1乃至10のいずれか一項に記載の発光ダイオード
(請求項11)であり、(A)SiH基と反応性を有す
る炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有
する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のS
iH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化
触媒、(D)エポキシ樹脂、(E)エポキシ樹脂用硬化
剤、を必須成分として含有する硬化性組成物を用いて発
光素子を被覆することによる、請求項1乃至11のいず
れか一項に記載の発光ダイオードを製造する方法(請求
項12)である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】まず、本発明における(A)成分について
説明する。
【0008】(A)成分はSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する
有機化合物であれば特に限定されない。有機化合物とし
てはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシ
ロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン
単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素
としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むもので
あることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合
は、ガス透過性やはじきの問題がある。
【0009】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在
してもよい。
【0010】(A)成分の有機化合物は、有機重合体系
の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
【0011】有機重合体系化合物としては例えば、ポリ
エーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリ
カーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、
ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール
−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミ
ド系の化合物を用いることができる。
【0012】また有機単量体系化合物としては例えば、
フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレ
ン等の芳香族炭化水素系;直鎖系、脂環系等の脂肪族炭
化水素系;複素環系の化合物およびこれらの混合物等が
挙げられる。
【0013】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一
般式(I)
【0014】
【化1】
【0015】(式中Rは水素原子あるいはメチル基を
表す。)で示される基が反応性の点から好適である。ま
た、原料の入手の容易さからは、
【0016】
【化2】
【0017】で示される基が特に好ましい。
【0018】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては、下記一般式(II)
【0019】
【化3】
【0020】(式中Rは水素原子あるいはメチル基を
表す。)で示される脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高
いという点から好適である。また、原料の入手の容易さ
からは、
【0021】
【化4】
【0022】で示される脂環式の基が特に好ましい。
【0023】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよ
く、2価以上の置換基を介して共有結合していても良
い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基
であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、
N、O、S、ハロゲンのみを含むものが好ましい。これ
らの置換基の例としては、
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】が挙げられる。また、これらの2価以上の
置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2
価以上の置換基を構成していてもよい。
【0027】以上のような骨格部分に共有結合する基の
例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリ
ル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオ
キシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリル
フェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキ
シ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4
−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)
エチル基、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル
基、3−アリルオキシ−2,2−ビス(アリルオキシメ
チル)プロピル基、
【0028】
【化7】
【0029】が挙げられる。
【0030】(A)成分の具体的な例としては、ジアリ
ルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプ
ロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリア
リルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタ
ン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−
トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度
50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%
のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペ
ニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、お
よびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン
(1,2比率10〜100%のもの、好ましくは1,2
比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールの
アリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】の他、従来公知のエポキシ樹脂のグリシジ
ル基をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
【0034】(A)成分としては、上記のように骨格部
分と炭素−炭素二重結合とに分けて表現しがたい、低分
子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化
合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オク
タジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物
系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロ
オクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペン
タジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化
合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン
等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられ
る。
【0035】上記した(A)成分としては、耐熱性をよ
り向上し得るという観点から、SiH基と反応性を有す
る炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.00
1mol以上含有するものであればよいが、さらに、1
gあたり0.005mol以上含有するものが好まし
く、0.008mol以上含有するものが特に好まし
い。
【0036】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なく
とも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合
には2を越えることが好ましく、3個以上であることが
より好ましい。(A)成分のSiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1個以下の場
合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみ
で架橋構造とならない。
【0037】(A)成分としては、他の成分との均一な
混合、および良好な作業性を得るためには100℃以下
の温度において流動性があるものが好ましく、線状でも
枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はないが、50
〜100,000の任意のものが好適に使用できる。分
子量が100,000以上では一般に原料が高粘度とな
り作業性に劣るとともに、炭素−炭素二重結合とSiH
基との反応による架橋の効果が発現し難い。
【0038】また、(A)成分としては、着色特に黄変
の抑制の観点からフェノール性水酸基および/あるいは
フェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が
少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あ
るいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含
まないものがより好ましい。本発明におけるフェノール
性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸
基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェ
ノール性水酸基の水素原子をメチル基、エチル基等のア
ルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセ
トキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
【0039】また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等
のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好で
あるという観点からは、芳香環の(A)成分中の成分重
量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量
%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものが
さらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を
含まないものである。
【0040】得られる硬化物の着色性および光学特性か
ら、(A)成分としてはビニルシクロヘキセン、ジシク
ロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジ
アリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサ
ンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、2,2−
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジア
リルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン
が特に好ましい。
【0041】次に、(B)成分であるSiH基を有する
化合物について説明する。
【0042】本発明に使用できるSiH基を有する化合
物については特に制限がなく、例えば国際公開WO96
/15194に記載される化合物で、1分子中に少なく
とも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
【0043】これらのうち、入手性の面からは、1分子
中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又
は、環状ポリオルガノシロキサンが好ましく、(A)成
分との相溶性が良いという観点から、さらに、下記一般
式(III)
【0044】
【化10】
【0045】(式中、Rは炭素数1〜6の有機基を表
し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中
に少なくとも2個のSiH基を有する環状ポリオルガノ
シロキサンが好ましい。なお、一般式(III)で表さ
れる化合物中の置換基Rは、C、H、Oから構成され
るものであることが好ましく、炭化水素基であることが
より好ましい。
【0046】また、前記(A)成分と良好な相溶性を有
するという観点からは、鎖状、及び/又は、環状ポリオ
ルガノシロキサンと、炭素−炭素二重結合を有する有機
化合物から選ばれた1種以上の化合物(以降(F)成分
と称する)との反応物も好ましい。この場合、反応物の
(A)成分との相溶性をさらに高めるために、反応物か
ら未反応のシロキサン類等を脱揮等により除去したもの
を用いることもできる。
【0047】(F)成分はSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有する
有機化合物であって、前記(A)成分と同じ説明のもの
も使用できる。(F)成分の有機化合物は、(A)成分
の有機化合物と同じであってもよく、異なっていてもよ
い。また単独もしくは2種以上のものを混合して用いる
ことが可能である。(B)成分の(A)成分に対する相
溶性を高くしたい場合には、(F)成分は(A)成分と
同一のものが好ましい。
【0048】(F)成分の有機化合物と反応させる鎖
状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンとして
は、工業的入手性および反応させる場合の反応性が良好
であるという観点からは、1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンが好ましい。
【0049】(B)成分としても(A)成分と同様に、
着色特に黄変の抑制の観点からフェノール性水酸基およ
び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合
物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸
基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有す
る化合物を含まないものがより好ましい。本発明におけ
るフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、
アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接
結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体と
は上述のフェノール性水酸基の水素原子をメチル基、エ
チル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケ
ニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された
基を示す。
【0050】また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等
のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好で
あるという観点からは、芳香環の(B)成分中の成分重
量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量
%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものが
さらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を
含まないものである。
【0051】光学特性が良好であるという観点からより
好ましい(B)成分としては、1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサンとビニルシクロヘキセン
の反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサンとジシクロペンタジエンの反応物、1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリア
リルイソシアヌレートの反応物、1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサンと2,2−ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテ
ルの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンと1,2,4−トリビニルシクロヘキサン
の反応物が挙げられ、特に好ましい(B)成分として
は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンとトリアリルイソシアヌレートの反応物、1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと2,2
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジ
アリルエーテルの反応物、1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンと1,2,4−トリビニルシ
クロヘキサンの反応物等が挙げられる。
【0052】上記したような(A)成分と(B)成分の
混合比率は、必要な強度を失わない限りは特に限定され
ないが、(B)成分中のSiH基の数(Y)の(A)成
分中の炭素−炭素二重結合の数(X)に対する比が、
2.0≧Y/X≧0.9であることが好ましく、1.8
≧Y/X≧1.0がより好ましい。2.0<Y/Xの場
合は、十分な硬化性が得られず、充分な強度が得られな
い場合があり、Y/X<0.9の場合は炭素−炭素二重
結合が過剰となり着色の原因となり得る。
【0053】次に(C)成分であるヒドロシリル化触媒
について説明する。ヒドロシリル化触媒としては、ヒド
ロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されない
が、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボン
ブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白
金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等
との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH
=CH(PPh、Pt(CH=C
Cl)、白金−ビニルシロキサン錯体(例え
ば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt
[(MeViSiO))、白金−ホスフィン錯体
(例えば、Pt(PPh、Pt(PB
)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt
[P(OPh)、Pt[P(OBu)
(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニ
ル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示
す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト
(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ash
by)の米国特許第3159601号および31596
62号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、な
らびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3
220972号明細書中に記載された白金アルコラート
触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)
の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩
化白金−オレフィン複合体も本発明において有用であ
る。
【0054】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh)、RhCl、RhAl
、RuCl、IrCl、FeCl、AlC
、PdCl・2HO、NiCl、TiC
、等が挙げられる。
【0055】これらの中では、触媒活性の点から塩化白
金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用し
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0056】触媒の添加量は特に限定されないが、十分
な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低
く抑えるために、SiH基1モルに対して、10−8
10 モルの範囲が好ましく、より好ましくは、10
−6〜10−2モルの範囲である。
【0057】また、上記触媒には助触媒を併用すること
が可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリ
ン系化合物、ジメチルマレエート等の1,2−ジエステ
ル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン
等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫
黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が
挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、触
媒1モルに対して、10 −2〜10モルの範囲が好ま
しく、より好ましくは10−1〜10モルの範囲であ
る。
【0058】さらに本発明の組成物の保存安定性を改良
する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の
反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することが
できる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有
する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素
含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げら
れ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合
を含有する化合物として、プロパルギルアルコール類、
エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示さ
れる。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフ
ィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフ
ォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示され
る。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン
類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾ
ール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示され
る。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級ア
ルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン
等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第
一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。
有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安
息香酸t−ブチル等が例示される。
【0059】これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良
好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾ
ール、チアゾール、ジメチルマレエート、3−ヒドロキ
シ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0060】硬化遅延剤の添加量は、使用するヒドロシ
リル化触媒1molに対し、10−1〜10モルの範
囲が好ましく、より好ましくは1〜50モルの範囲であ
る。
【0061】次に(D)成分であるエポキシ樹脂につい
て説明する。
【0062】本発明に用いる(D)成分であるエポキシ
樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビス
フェノールF型エポキシ樹脂;テトラブロモビスフェノ
ールAのグリシジルエーテル等の臭素化エポキシ樹脂;
ノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールAプロピレ
ンオキシド付加物のグリシジルエーテル等のグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、ネオペンチルアルコールジグリシ
ジルエーテル等の非脂環式グリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、芳香族カ
ルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応物、芳香族カル
ボン酸の水素添加物とエピクロルヒドリンとの反応物等
のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N−ジグリ
シジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジ
ン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ウレタン変性
エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
【0063】
【化11】
【0064】等の脂環式系エポキシ樹脂;トリグリシジ
ルイソシアヌレート;モノアリルジグリシジルイソシア
ヌレート;ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート;
ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリ
セリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグ
リシジルエーテル類;ヒダントイン型エポキシ樹脂;石
油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物などが例示でき
るが、これらに限定されるものではなく、一般に知られ
ているエポキシ樹脂であれば使用しうる。
【0065】また、(D)成分としては、着色特に黄変
の抑制の観点からフェノール性水酸基および/あるいは
フェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が
少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あ
るいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含
まないものが好ましい。
【0066】また複屈折率が低い、光弾性係数が低いな
どのように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好
であるという観点からは、芳香環の(D)成分中の成分
重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重
量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のもの
がさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環
を含まないものである。
【0067】着色性と光学特性の観点から好ましいもの
としては、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル等のグリ
シジルエステル型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパ
ントリグリシジルエーテル、ネオペンチルアルコールジ
グリシジルエーテル等の非脂環式グリシジルエーテル型
エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
【0068】
【化12】
【0069】等の脂環式系エポキシ樹脂;トリグリシジ
ルイソシアヌレート;モノアリルジグリシジルイソシア
ヌレート;ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが
例示できる。
【0070】中でも反応性の点から水添ビスフェノール
A型エポキシ樹脂;
【0071】
【化13】
【0072】等の脂環式系エポキシ樹脂;トリグリシジ
ルイソシアヌレート;モノアリルジグリシジルイソシア
ヌレート;ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが
更に好ましい。
【0073】最も好ましくは、
【0074】
【化14】
【0075】トリグリシジルイソシアヌレートである。
【0076】次に(E)成分であるエポキシ樹脂用硬化
剤について説明する。
【0077】エポキシ樹脂用硬化剤については、特に限
定なく従来公知のものが使用できるが、ヒドロシリル化
反応を阻害せず硬化性が良好となりやすいという観点か
ら、非アミン系エポキシ樹脂用硬化剤が好ましい。例え
ば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチル
ピペラジン、メタキシリレンジアミン、メタフェニレン
ジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェ
ニルスルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミン
類;3級アミン塩などのアミン系エポキシ樹脂用硬化剤
を用いると、本発明の(A)成分、(B)成分、(C)
成分のヒドロシリル化反応による硬化を阻害する可能性
がある。
【0078】非アミン系エポキシ樹脂用硬化剤として
は、3フッ化ホウ素酸化合物;無水フタル酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル
ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ド
デシニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロ
レン酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、水素
化メチルナジック酸無水物などのごとき無水カルボン酸
類;アルコール類;フェノール類;カルボン酸類;アル
ミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチ
レート、アルミニウムtert−ブチレート、アルミニ
ウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリスヘキサ
フルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスエチ
ルアセトアセテートアルミニウム、トリス(n−プロピ
ルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(iso−
プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n
−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、トリスサリ
チルアルデヒドアルミニウム、トリス(2−エトキシカ
ルボニルフェノラート)アルミニウム、トリス(アセチ
ルアセトナト)アルミニウムなどのごときアルミニウム
錯体;上記アルミニウム錯体と、ジフェニルジメトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイ
ソプロポキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、
ジフェニルジフェノキシシラン、トリフェニルメトキシ
シラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルビニ
ルエトキシシランなどのアルコキシシランとの混合物で
あるアルミニウム錯体/アルコキシシラン混合物;上記
アルミニウム錯体と、ジフェニルジシラノール、ジフェ
ニルメチルシラノール、トリメチルシラノール、トリフ
ェニルシラノールなどのごとき有機シラノールとの混合
物であるアルミニウム錯体/有機シラノール混合物;テ
トラメチルジルコネート、テトラエチルジルコネート、
テトライソプロピルジルコネート、テトラ−n−ブチル
ジルコネート、テトライソブチルジルコネート、テトラ
−tert−ブチルジルコネート、テトラキス(オキザ
リックアシド)ジルコニウム、テトラキス(アセチルア
セトン)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセ
トアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセ
トアセテート)ジルコニウム、テトラキス(サリチルア
ルデヒド)ジルコニウムなどのごときジルコニウム錯
体;等の化合物を例示することができる。
【0079】これらの非アミン系エポキシ樹脂用硬化剤
の中では、透明性と黄変抑制の点からヘキサヒドロ無水
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等
の無水カルボン酸類;アルミニウム錯体/アルコキシシ
ラン混合物;アルミニウム錯体/有機シラノール混合物
が好ましく、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチ
ルテトラヒドロ無水フタル酸がより好ましい。また、
(E)成分としては、着色特に黄変の抑制の観点からフ
ェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基
の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好まし
く、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性
水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものが好まし
い。
【0080】(E)成分であるエポキシ樹脂用硬化剤の
使用量は、エポキシ樹脂および該硬化剤の種類により異
なるが、(D)成分100部(重量部、以下同様)に対
し、目的に応じて(E)成分を1〜150部の範囲、好
ましくは80〜130部の範囲で使用すればよい。ま
た、本発明における〔(A)成分+(B)成分+(C)
成分〕/〔(D)成分+(E)成分〕の割合(重量比)
については、使用目的に応じて使い分ければ良く、特に
制限はないが、例えば〔(A)成分+(B)成分+
(C)成分〕に各種基材との接着性を付与するために
は、〔(A)成分+(B)成分+(C)成分〕/
〔(D)成分+(E)成分〕の割合は100/0.1〜
100/100(重量比)が好ましく、100/1〜1
00/50(重量比)がより好ましく、100/5〜1
00/25(重量比)がさらに好ましい。〔(A)成分
+(B)成分+(C)成分〕/〔(D)成分+(E)成
分〕の割合は100/0.1より低いと接着性が不十分
であり、100/100より大きいと〔(A)成分+
(B)成分+(C)成分〕の硬化物としての性能が維持
できなくなる。
【0081】また、〔(A)成分+(B)成分+(C)
成分〕を〔(D)成分+(E)成分〕の改質剤として用
いる場合は、〔(A)成分+(B)成分+(C)成分〕
/〔(D)成分+(E)成分〕の割合は1/100〜1
00/100(重量比)が好ましく、5/100〜80
/100(重量比)がより好ましく、10/100〜5
0/100(重量比)がさらに好ましい。〔(A)成分
+(B)成分+(C)成分〕/〔(D)成分+(E)成
分〕の割合は1/100より低いと吸水性の改善が不十
分であり、100/100より大きいと〔(D)成分+
(E)成分〕の硬化物としての特徴が維持できなくな
る。
【0082】本発明の組成物は着色、特に黄変抑制のた
め、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性
水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が75重量%以
下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以
下、さらに好ましくは20重量%以下、さらにより好ま
しくは5重量%以下、特に好ましくはこれらのフェノー
ル性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導
体を有する化合物を含まないことである。
【0083】本発明の組成物としては上記したように各
種組み合わせのものが使用できるが、耐熱性が良好であ
るという観点から、組成物を硬化させて得られる硬化物
のTgが50℃以上となるものが好ましく、100℃以
上となるものがさらに好ましく、150℃以上となるも
のが特に好ましい。
【0084】本発明の組成物には必要に応じて無機フィ
ラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、組
成物の流動性の防止、材料の高強度化に効果がある。無
機フィラーとしては光学特性を低下させない、微粒子状
なものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶
融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性
超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウム等を挙げることが
できる。
【0085】フィラーを添加する方法としては、例えば
アルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラ
ン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマー
や、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、ア
シロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組成物に添加
して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応さ
せ、組成物中で無機フィラーを生成させる方法も挙げる
ことができる。
【0086】また更に、本発明の組成物の特性を改質す
る目的で、種々の樹脂を添加することも可能である。樹
脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスル
ホン樹脂、ポリアリレート樹脂、シアナート樹脂、フェ
ノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びポリエステル樹脂
等が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0087】本発明の組成物をそのままフィルム等に成
形することも可能であるが、該組成物を有機溶剤に溶解
してワニスとすることも可能である。使用できる溶剤は
特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベ
ンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系
溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエ
チルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチ
レン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好
適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒
として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、
テトラヒドロフラン、クロロホルムが好ましい。使用す
る溶媒量は、用いる(A)成分1gに対し、0〜10m
Lの範囲で用いるのが好ましく、0.5〜5mLの範囲
で用いるのがさらに好ましく、1〜3mLの範囲で用い
るのが特に好ましい。使用量が少ないと、低粘度化等の
溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量
が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題と
なり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値
が低下する。
【0088】本発明の組成物には、その他、老化防止
剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難
燃剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止
剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化
防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線
遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金
属不活性化剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果
を損なわない範囲において添加することができる。な
お、カップリング剤としては例えばシランカップリング
剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子
中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素
基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定
されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性
の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソ
シアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバ
メート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好まし
く、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリ
ル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素
基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ま
しく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリ
ル基が特に好ましい。好ましいシランカップリング剤と
しては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有する
アルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロ
キシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルト
リメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシ
ラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアル
コキシシラン類が例示できる。
【0089】さらに、本発明の組成物には種々の発光ダ
イオード特性改善のための添加剤を添加してもよい。添
加剤としては例えば、発光素子からの光を吸収してより
長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウ
ム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体等の蛍光体や、
特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を
拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリ
カ、石英ガラス等の酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウ
ム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂等のような各種無機あるいは有機拡散材、ガ
ラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミ
ニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラ
ー等を挙げることができる。
【0090】発光ダイオード特性改善のための添加剤は
均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有
させてもよい。この様なフィラー含有樹脂部は発光面前
面のモールド部材用の樹脂を型に流した後、引き続い
て、フィラーを含有させた樹脂を流し、発光面後方のモ
ールド部材として形成させることができる。また、モー
ルド部材形成後、リード端子を表裏両面からテープを張
り付けることによって覆い、この状態でリードフレーム
全体をフィラー含有樹脂を溜めたタンク内に発光ダイオ
ードのモールド部材の下半分を浸漬した後、引き上げて
乾燥させフィラー含有樹脂部を形成させても良い。
【0091】本発明の硬化性組成物は、あらかじめ混合
し反応させることによって硬化させることができる。
【0092】組成物を反応させて硬化させる場合におい
て、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)各成分そ
れぞれの必要量を一度に混合して反応させてもよいが、
一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応
させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反
応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反
応(Bステージ化)させてから成形等の処理を行いさら
に硬化させる方法をとることもできる。これらの方法に
よれば成形時の粘度調整が容易となる。
【0093】反応させる方法としては、単に混合するだ
けで反応させることもできるし、加熱して反応させるこ
ともできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得
られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好
ましい。
【0094】反応温度としては種々設定できるが、例え
ば30〜300℃の温度が適用でき、100〜250℃
がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。
反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長
くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやす
い。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて
多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
【0095】反応時間も種々設定できる。
【0096】反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、
常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもでき
る。
【0097】また窒素下で反応させることもできる。酸
化による着色抑制の点から、減圧下あるいは窒素下での
反応が好ましい。
【0098】成形時に必要に応じ各種処理を施すことも
できる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のため
に組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧、
加圧等により脱泡する処理等を適用することもできる。
【0099】本発明の発光ダイオードは上記したような
硬化性組成物によって発光素子を被覆することによって
製造することができる。
【0100】この場合発光素子とは、特に限定なく従来
公知の発光ダイオードに用いられる発光素子を用いるこ
とができる。このような発光素子としては、例えば、M
OCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方
法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファ
ー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作成したも
のが挙げられる。この場合の基板としては、各種材料を
用いることができるが、例えばサファイア、スピネル、
SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。
これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成で
き、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイ
アを用いることが好ましい。
【0101】積層される半導体材料としては、GaA
s、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaIn
P、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaA
lN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が
得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(I
GaAlN)が好ましい。このような材料には
付活剤等を含んでいてもよい。
【0102】発光素子の構造としては、MIS接合、p
n接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダ
ブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多
重量子井戸構造とすることもできる。
【0103】発光素子はパッシベーション層を設けてい
てもよいし、設けなくてもよい。
【0104】発光素子には従来知られている方法によっ
て電極を形成することができる。
【0105】発光素子の発光波長は紫外域から赤外域ま
で種々のものを用いることができるが、主発光ピーク波
長が550nm以下のものを用いた場合に特に本発明の
効果が顕著である。
【0106】用いる発光素子は一種類で単色発光させて
も良いし、複数用いて単色或いは多色発光させても良
い。
【0107】発光素子上の電極は種々の方法でリード端
子等と電気接続できる。電気接続部材としては、発光素
子の電極とのオーミック性機械的接続性等が良いものが
好ましく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムや
それらの合金等を用いたボンディングワイヤーが挙げら
れる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で
充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これら
のうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミ
ニウム線或いは金線を用いることが好ましい。
【0108】本発明の発光ダイオードに用いられるリー
ド端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部
材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましく、
リード端子の電気抵抗としては、300μΩ−cm以下
が好ましく、より好ましくは3μΩ−cm以下である。
これらのリード端子材料としては、例えば、鉄、銅、鉄
入り銅、錫入り銅や、これらに銀、ニッケル等をメッキ
したもの等が挙げられる。これらのリード端子は良好な
光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
【0109】本発明の発光ダイオードは上記したような
硬化性組成物によって発光素子を被覆することによって
製造することができるが、この場合被覆とは、上記発光
素子を直接封止するものに限らず、間接的に被覆する場
合も含む。具体的には、発光素子を本発明の硬化性組成
物で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよい
し、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ア
クリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂やガ
ラスで発光素子を封止した後に、その上あるいは周囲を
本発明の硬化性組成物で被覆してもよい。また、発光素
子を本発明の硬化性組成物で封止した後、従来用いられ
るエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリ
ア樹脂、イミド樹脂等でモールディングしてもよい。以
上のような方法によって屈折率や比重の差によりレンズ
効果等の種々の効果をもたせることも可能である。
【0110】封止の方法としても各種方法を適用するこ
とができる。例えば、底部に発光素子を配置させたカッ
プ、キャビティ、パッケージ凹部等に液状の硬化性組成
物をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱等に
より硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の
硬化性組成物を加熱する等して流動させ同様にパッケー
ジ凹部等に注入してさらに加熱する等して硬化させても
よい。この場合のパッケージは種々の材料を用いて作成
することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂等を挙げることができ
る。また、モールド型枠中に硬化性組成物をあらかじめ
注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等
を浸漬した後硬化させる方法も適用することができる
し、発光素子を挿入した型枠中にディスペンサーによる
注入、トランスファー成形、射出成形等により硬化性組
成物による封止層を成形、硬化させてもよい。さらに、
単に液状または流動状態とした硬化性組成物を発光素子
上に滴下あるいはコーティングして硬化させてもよい。
あるいは、発光素子上に孔版印刷、スクリーン印刷、あ
るいはマスクを介して塗布すること等により硬化性組成
物を成形させて硬化させることもできる。その他、あら
かじめ板状、あるいはレンズ形状等に部分硬化あるいは
硬化させた硬化性組成物を発光素子上に固定する方法に
よってもよい。さらには、発光素子をリード端子やパッ
ケージに固定するダイボンド剤として用いることもでき
るし、発光素子上のパッシベーション膜として用いるこ
ともできる。また、パッケージ基板として用いることも
できる。
【0111】被覆部分の形状も特に限定されず種々の形
状をとることができる。例えば、レンズ形状、板状、薄
膜状、特開平6−244458記載の形状等が挙げられ
る。これらの形状は硬化性組成物を成形硬化させること
によって形成してもよいし、硬化性組成物を硬化した後
に後加工により形成してもよい。
【0112】本発明の発光ダイオードは、種々のタイプ
とすることができ、例えば、ランプタイプ、SMDタイ
プ、チップタイプ等いずれのタイプでもよい。SMDタ
イプ、チップタイプのパッケージ基板としては、種々の
ものが用いられ、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、
セラミック等が挙げられる。
【0113】その他、本発明の発光ダイオードには従来
公知の種々の方式が適用できる。例えば、発光素子背面
に光を反射あるいは集光する層を設ける方式、封止樹脂
の黄変に対応して補色着色部を底部に形成させる方式、
主発光ピークより短波長の光を吸収する薄膜を発光素子
上に設ける方式、発光素子を軟質あるいは液状の封止材
で封止した後周囲を硬質材料でモールディングする方
式、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出
す蛍光体を含む材料で発光素子を封止した後周囲をモー
ルディングする方式、蛍光体を含む材料をあらかじめ成
形してから発光素子とともにモールドする方式、特開平
6−244458に記載のとおりモールディング材を特
殊形状として発光効率を高める方式、輝度むらを低減さ
せるためにパッケージを2段状の凹部とする方式、発光
ダイオードを貫通孔に挿入して固定する方式、発光素子
表面に主発光波長より短い波長の光を吸収する薄膜を形
成する方式、発光素子をはんだバンプ等を用いたフリッ
プチップ接続等によってリード部材等と接続して基板方
向から光を取出す方式、等を挙げることができる。
【0114】本発明の発光ダイオードは従来公知の各種
の用途に用いることができる。具体的には、例えばバッ
クライト、照明、各種センサー、プリンター、コピー機
等の光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装
置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライ
ト等を挙げることができる。
【0115】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明は以下によって限定されるものではない。 (合成例1)1L四つ口フラスコに脱水トルエン290
g、ベンゾチアゾール5.5mg(4.1×10−5
ol)、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白
金として3wt%含有)15μL(2.1×10−6
ol)、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン240g(1.0mol、SiH基として4.
0mol)500gを加えてオイルバス中で80℃に加
温、攪拌した。脱水したポリブタジエン(日本曹達製、
商品名B−1000)5.6g(推定不飽和基含量0.
1mol)の脱水トルエン(43g)に溶解し、約1時
間かけて滴下した。滴下終了後80℃で1時間、85℃
で7時間反応させた。バス温70℃に下げ、揮発分を減
圧留去した。無色透明でやや粘ちょうな液体を得た。原
料のポリブタジエンのGPC測定によるポリスチレン換
算の数平均分子量/分子量分布はそれぞれ3200/
1.4であり、得られた1,3,5,7−テトラメチル
シクロテトラシロキサンのSiH基の一部がポリブタジ
エンB−1000と反応したもの(部分反応物Aと称
す)のGPC測定によるポリスチレン換算の数平均分子
量/分子量分布はそれぞれ3200/1.4であり61
00/1.8であった。H−NMRで求めたSiH基
の量は0.0098mol/gであった。
【0116】(作成例1)(A)成分としてポリブタジ
エン(日本曹達製、商品名B−1000)0.125
g、(B)成分および(C)成分として合成例1の部分
反応物A0.73g、(D)成分として3,4−エポキ
シシクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル0.075g、(E)成分としてジフェニ
ルジメトキシシラン0.18gおよびトリスエチルアセ
トアセテートアルミニウム0.016g(トルエン20
%溶液として添加)を混合、攪拌し、ポリカーボネート
板上に約20μmの塗膜を作製し、120℃で1時間加
熱した。硬化物は無色透明であった。得られた硬化物は
硬質で表面タックを有しないものであった。室温まで冷
却後、JISK5400碁盤目テープ法に基づき付着性
試験を行なった(2mm角の碁盤目を25マス)。テー
プに付着して剥がれたマスはなかった。このことにより
本発明の硬化性組成物が接着性に優れていることがわか
った。
【0117】(比較作成例1)(A)成分としてポリブ
タジエン(日本曹達製、商品名B−1000)0.12
5g、(B)成分および(C)成分として合成例1の部
分反応物A0.73gを混合、攪拌し、ポリカーボネー
ト板上に約20μmの塗膜を作製し、120℃で1時間
加熱した。硬化物は無色透明であった。室温まで冷却
後、JISK5400碁盤目テープ法に基づき付着性試
験を行なった(2mm角の碁盤目を25マス)。全ての
マスがテープに付着して剥がれた。
【0118】(合成例2)200mLの二口フラスコ
に、磁気攪拌子、冷却管をセットした。このフラスコに
トルエン50g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン
溶液(白金として3wt%含有)11.3μL、トリア
リルイソシアヌレート5.0g、1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサン37.04gを加え
て、90℃のオイルバス中で30分加温、攪拌した。さ
らに130℃のオイルバス中で2時間加熱還流させた。
1−エチニル−1−シクロヘキサノール176mgを加
えた。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。H−
NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチル
シクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリル
イソシアヌレートと反応したもの(部分反応物Bと称
す)であることがわかった。
【0119】(作成例2)(A)成分としてトリアリル
イソシアヌレート2.5g、(B)成分および(C)成
分として合成例2で合成した部分反応物B(合成例2で
示したように部分反応物Bは本発明の(C)成分として
の白金ビニルシロキサン錯体を含有している)3.0
g、(D)成分として3,4−エポキシシクロヘキサン
カルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル0.
24g、(E)成分としてメチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸0.31gをカップ中で混合し、攪拌脱泡装置を用
いて常圧下で脱泡した。このものを、2枚のガラス板に
3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとして
はさみこんで作成したセルに流し、80℃/60分、1
00℃/60分、120℃/60分空気中で加熱を行
い、さらに真空中で150℃/600分加熱を行い、目
視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。得られた硬化物
は硬質で表面タックを有しないものであった。
【0120】(作成例3)(A)成分としてトリアリル
イソシアヌレート2.5g、(B)成分および(C)成
分として合成例2で合成した部分反応物B(合成例2で
示したように部分反応物Bは本発明の(C)成分として
の白金ビニルシロキサン錯体を含有している)3.0
g、(D)成分としてペルノックス社製ペルノックスM
E−540(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)0.3
4g、(E)成分としてペルノックス社製ペルキュアH
V−540(脂環式酸無水物とエポキシ樹脂硬化促進剤
の混合物)0.21gをカップ中で混合し、攪拌脱泡装
置を用いて常圧下で脱泡した。このものを、2枚のガラ
ス板に3mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサー
としてはさみこんで作成したセルに流し、80℃/60
分、100℃/60分、120℃/60分空気中で加熱
を行い、さらに真空中で150℃/600分加熱を行
い、目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。得られた
硬化物は硬質で表面タックを有しないものであった。
【0121】(比較作成例2)3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル2.4g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸3.1
gをカップ中で混合し、攪拌脱泡装置を用いて常圧下で
脱泡した。このものを、2枚のガラス板に3mm厚みの
シリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで
作成したセルに流し、160℃/900分加熱を行い、
目視で均一かつ無色透明の硬化物を得た。
【0122】(測定例)作成例2、作成例3および比較
作成例2で作成した硬化物をスガ試験機製のSX120
型キセノンウェザーメーター(ブラックパネル温度63
℃、照射2時間中降雨18分)にて100時間照射して
硬化物が着色するかどうかを調べた。作成例2および作
成例3で作成した硬化物はともに着色がみられず目視で
無色透明の状態を保ったが、比較例2で作成した硬化物
は目視で黄色に着色がみられた。本発明の発光ダイオー
ドに用いる硬化性組成物は優れた耐光性を有している。
【0123】(実施例1)(A)成分としてトリアリル
イソシアヌレート2.5g、(B)成分および(C)成
分として合成例2で合成した部分反応物B(合成例2で
示したように部分反応物Bは本発明の(C)成分として
の白金ビニルシロキサン錯体を含有している)3.0
g、(D)成分として3,4−シクロヘキシルメチル−
3,4−シクロヘキサンカルボキシレート0.24g、
(E)成分としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸0.
31gをカップ中で混合し、攪拌脱泡装置を用いて常圧
下で脱泡した。このものを、2枚のガラス板に0.5m
m厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさ
みこんで作成したセルに流し、80℃/60分、100
℃/60分、120℃/60分空気中で加熱を行い、さ
らに真空中で150℃/600分加熱を行い、目視で均
一かつ無色透明のシート状硬化物を得た。
【0124】上記のようにして作成したシート状硬化物
を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップ
に設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOC
VD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に
形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層
をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへ
テロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子
をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電
極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボン
ディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャ
ップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光
ダイオードを作成することができる。
【0125】(実施例2)(A)成分としてトリアリル
イソシアヌレート2.5g、(B)成分および(C)成
分として合成例2で合成した部分反応物B(合成例2で
示したように部分反応物Bは本発明の(C)成分として
の白金ビニルシロキサン錯体を含有している)3.0
g、(D)成分として3,4−シクロヘキシルメチル−
3,4−シクロヘキサンカルボキシレート0.24g、
(E)成分としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸0.
31gをカップ中で混合し、攪拌脱泡装置を用いて常圧
下で脱泡し、硬化性組成物とした。
【0126】洗浄したサファイア基板上にMOCVD
(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半
導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成
されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒
化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成する
バリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN
層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層
上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGa
N層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGa
N層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基
板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層
表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリン
グ法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成
させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブライ
ンを引いた後、外力により分割させ発光素子を形成させ
る。
【0127】表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成
されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンド樹
脂としてエポキシ樹脂組成物を利用して上記発光素子を
ダイボンドする。これを170℃で75分加熱しエポキ
シ樹脂組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発
光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリ
ードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的
導通を取る。
【0128】上記硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキ
ャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子が
カップ内に配置されたマウントリード及びインナーリー
ドの一部をキャスティングケース内に挿入し100℃1
時間の初期硬化を行う。キャスティングケースから発光
ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において120℃
1時間で硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイ
プの発光ダイオードを作成することができる。 (実施例3)実施例2に記載の方法で硬化性組成物およ
び発光素子を作成する。
【0129】エッチングにより一対の銅箔パターンをガ
ラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード
電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂
を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光
素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワ
イヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク
兼側壁として貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポ
キシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内
に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキ
シ樹脂基板上に硬化性組成物をディスペンスし、貫通孔
を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。こ
の状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化
させる。各発光ダイオードチップごとに分割させること
でチップタイプ発光ダイオードを作成することができ
る。 (実施例4)実施例2に記載の方法で硬化性組成物およ
び発光素子を作成する。
【0130】インサート成形によりPPS樹脂を用いて
チップタイプ発光ダイオードのパッケージを形成させ
る。パッケージ内は、発光素子が配される開口部を備
え、銀メッキした銅板を外部電極として配置させる。パ
ッケージ内部で発光素子をエポキシ樹脂を用いてダイボ
ンドして固定する。導電性ワイヤーであるAu線を発光
素子の各電極とパッケージに設けられた各外部電極とに
それぞれワイヤーボンディングし電気的に接続させる。
パッケージ開口部内にモールド部材として硬化性組成物
を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに15
0℃1時間硬化させる。この様にして、チップタイプ発
光ダイオードを作成することができる。 (実施例5)実施例2に記載の方法で硬化性組成物およ
び発光素子を作成する。
【0131】硬化性組成物を90℃30分加熱してBス
テージ化する。
【0132】エッチングにより一対の銅箔パターンをガ
ラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード
電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂
を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光
素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワ
イヤボンディングし電気的導通を取る。上記Bステージ
化した硬化性組成物を用いてトランスファー成形により
発光素子およびリード電極の一部を封止する。SMDタ
イプの発光ダイオードを作成することができる。
【0133】(実施例6)実施例2と同様に順次積層さ
れた窒化物半導体において、RIE(反応性イオンエッ
チング)装置でp型窒化物半導体層側からエッチングを
行い、負電極が形成されるn型コンタクト層の表面を露
出させる。次に、最上層にあるp型コンタクト層上のほ
ぼ全面にリフトオフ法によりNi/Auを膜厚60/2
00Åにて積層し、オーミック接触が良好で且つ優れた
透過性を有する第一の正電極を形成する。また、前記透
光性第一の正電極上の一部にAuを膜厚1μm積層し、
正極側ボンディング部となる第二の正電極を形成する。
【0134】一方、エッチングにより露出されたn型コ
ンタクト層の表面にそれぞれターゲットを変えてスパッ
タリングによりW/Al/W/Auを膜厚200Å/2
000Å/2000Å/3000Åとなるよう積層し、
不要なレジスト膜を除去させ負電極を形成し、LED素
子とする。これにより、アニーリングを行わなくとも良
好なオーミック接触を有する負電極が形成される。ま
た、負電極はボンディング部となるが、上記構成により
強い機械的強度を有するため、安定して駆動することが
可能なLED素子が得られる。
【0135】次に、パターニングにより、各電極のボン
ディング部のみを露出させ素子表面全体に接してSiO
からなる絶縁性無機化合物層を連続的に形成し、LE
D素子とする。前記絶縁性無機化合物層は少なくとも短
絡を防止できるように形成されていればよく、前記正電
極と前記負電極の間の半導体層上面に設けられていれば
よい。このように絶縁性無機化合物層を設けることは、
小型化された発光素子を信頼性高く実装するにあたり非
常に重要である。絶縁性無機化合物層の材料は、少なく
とも絶縁性であれば良く、例えばSiO、TiO
Al、Si 等からなる単層又は複数層を用
いることができる。
【0136】また、本実施例では、前記絶縁性無機化合
物層を発光素子の端面まで連続して設けている。これに
より、基板の削られた端面及び露出面を高温高湿から保
護することができ、厳しい環境条件下での長期間使用に
際しても高い信頼性を維持することが可能な発光素子が
得られる。また、サファイア基板や窒化ガリウムと直接
接して設けられる絶縁性無機化合物層は、それぞれ接す
る部材と近い熱膨張係数を有することが好ましく、これ
により更に信頼性を高めることができる。ちなみに、各
材料の熱膨張係数は、サファイア基板が7.5〜8.5
×10−6/k、窒化ガリウムが3.2〜5.6×10
−6/k、二酸化珪素が0.3〜0.5×10−6
k、窒化シリコンが2.5〜3.0×10−6/kであ
る。
【0137】本実施例で使用する発光素子は、発光層で
発光された光の多くは上下の層との境界面にて全反射さ
れ、発光端部から光密度高く発光する傾向にある。この
ような発光素子を直接樹脂にて被覆すると、これらに発
光素子からの光や熱が集中するため、隣接する樹脂部が
局所的に著しく劣化される。これが起因となり、発光ダ
イオードに色調変化や信頼性低下が生じると考えられ
る。そこで本実施例では、絶縁性無機化合物層を表面に
有する発光素子を、前記絶縁性無機化合物層と比較的密
着性が高い傾向にあり且つ耐光性及び耐熱性に優れた本
発明の硬化性組成物にて直接被覆することにより、前記
発光領域端部から発光される光を効率よく外部へ取り出
し、界面における劣化を抑制し、信頼性の高い発光装置
を提供する。
【0138】また、前記発光端部とは、発光層及びn型
コンタクト層端部を示す。そこで、これらの端部に設け
られる絶縁性無機化合物層は、n型コンタクト層として
よく用いられるGaNよりも屈折率が小さい無機物にて
構成することが好ましい。これにより、硬化性組成物の
劣化を抑制することができる。更に、前記絶縁性無機化
合物を、例えば、発光素子の発光端部に直接接する第一
の層としてSiOを、該第一の層に接して該第一の層
よりも屈折率の大きい第二の層としてTiOを積層し
たTiO/SiOや、TiO/MgF等の2層
構造や、SiO/Al/SiOのように絶縁膜と金
属の積層によって形成した3層構造からなる光学多層膜
を設けることにより、反射性を持たせることもできる。
複数層の場合、膜厚は5000Å以上5μm以下が好ま
しく、1μm以上3μm以下がより好ましい。
【0139】また、無機化合物層を表面に有する発光素
子を直接本発明の硬化性組成物にて被覆する場合、光屈
折や熱膨張を考慮し、前記無機化合物層は珪素を含有す
るものが好ましい。珪素を含有する無機化合物層とは、
前記無機化合物中に少なくとも珪素が含有されていれば
特に限定されず、具体的には、SiO、SiN、Si
ON、及びSiH等からなる無機化合物層が挙げられ
る。また、珪素を含有する無機化合物層を設けこの無機
化合物層を本発明の硬化性組成物にて直接被覆すると、
他の無機化合物層を設けた場合と比較して信頼性が向上
し、高温高湿等の環境条件下においても高い信頼性及び
光学特性を維持することができる傾向にある。この理由
は定かでないが、珪素を含有する無機化合物層が本発明
の硬化性組成物と親和性が良く密着性の高い界面を形成
し、水分や外気の侵入が抑制されているためだと考えら
れる。
【0140】上記のように形成されたLED素子を有す
るウエハをスクライブ可能な基板厚まで研磨工程によっ
て削り、基板面が粘着シートに接触するように粘着シー
ト上に載置し、スクライブ工程によってチップ状に分割
する。分割されたLEDチップを実施例4と同様のパッ
ケージ内部に同様の方法にて固定し、Au線によりワイ
ヤーボンディングさせ電気的に接続させ、本発明の硬化
性組成物(実施例2と同様にして作成した硬化性組成
物)にて被覆しチップタイプ発光ダイオートを作製す
る。
【0141】本発明の硬化性組成物は、優れた耐熱性且
つ強靱性を有している。本発明は、このような樹脂にて
発光素子及びワイヤが被覆されることにより、実装時や
点灯時の熱応力による樹脂及び発光素子におけるクラッ
ク発生やワイヤ断線を防止することができる。また、発
光素子は点灯時に発熱を伴い、前記発光素子近傍は高温
状態となる。本発明では、発光素子を直接被覆する樹脂
として耐熱性に優れた本発明の硬化性組成物を用いるた
め、樹脂が劣化されることなく長時間の使用に際しても
高い信頼性を維持することができる。また本発明の発光
ダイオードは、Pbを有していない、高融点値を有する
導電部材にて実装しても、色度変動や信頼性低下を生じ
ないため、環境に優しい表示装置を実現することができ
る。
【0142】また、本発明の硬化性組成物は、熱応力に
おける柔軟性を有する硬化物である。従来、熱応力に柔
軟性を有する樹脂として、ゴム状弾性樹脂、ゲル樹脂等
が知られているが、これらの樹脂は架橋密度が低い又は
架橋構造を有さないので機械的強度が弱く、またタック
性を有するため異物が付着しやすい等の問題点を有して
おり、最表面部となる発光面として形成するには不向き
であった。これに対し本発明の硬化性組成物は、異物を
付着したり実装用器具にて損傷を受ける恐れがない。こ
のように本発明は、本発明の硬化性組成物を用いること
により、発光素子及びワイヤ部分の被覆部材と発光装置
の表面部となる発光面の部材を一体成形することがで
き、量産性及び作業性に優れた発光ダイオードを得るこ
とができる。また、太陽光に対しても優れた耐光性を有
するため、屋外用表示基板に実装されても発光面は変色
されず良好な信頼性を維持することができる。
【0143】また、上述したゴム状弾性樹脂、ゲル樹脂
等は、比較的接着性機能が弱く、厳しい使用環境下では
隣接する他の部材と剥離する傾向にある。樹脂部材と隣
接する部材との界面に剥離が生じると、色調のズレや信
頼性低下が生じる。特に樹脂から成る封止部材の周囲に
側壁を有するチップタイプ発光ダイオードにおいて、前
記封止部材と前記側壁との界面に剥離が生じると、剥離
部分から水分が侵入し信頼性が著しく劣化したり、剥離
により生じる空洞部が発光素子からの光や熱の伝達を阻
害する。これに対して本発明では、発光素子の周囲に設
けられた絶縁性無機化合物層と良好な接着性を有すると
共に、エポキシ樹脂組成物である(D)成分および
(E)成分を必須成分として含有している硬化性組成物
を封止部材として用いているため、前記封止部材は、発
光素子の絶縁性無機化合物層や電極面、リード電極、お
よびパッケージ内面と、隣接する全ての構成部材と高い
接着性を有して設けられる。これにより、各部材間の界
面において劣化が生じることなく、厳しい使用環境下に
おいても優れた光学特性及び信頼性を維持することが可
能な発光ダイオードを得ることができる。
【0144】また、従来のエポキシ樹脂組成物にて近紫
外域から可視光の短波長側で高出力に発光するLEDチ
ップを被覆すると、その界面近傍からLEDチップ自体
が発する光や熱により急激に樹脂が劣化していた。特
に、炭素−炭素間の二重結合を有する芳香族エポキシ樹
脂を透光性樹脂に利用した発光ダイオードでは、一旦L
EDチップからの光や熱エネルギーにより二重結合が切
れ酸化されると、それによる黄変着色を起こす。黄変着
色は単に樹脂を着色させるだけでなく、550nm以下
の可視光、特に青色に対して補色関係或いは補色に近
い。そのため、LEDチップからの光が吸収され易く、
劣化が促進されると考えられる。また、近紫外域から可
視光の短波長を5mW以上の高出力が発光可能な多重量
子井戸構造などの窒化物半導体を利用した場合、顕著に
現れ易い傾向にある。
【0145】そこで、本発明の硬化性組成物では、必須
成分として用いられる上記(D)成分として、透光性樹
脂の特性を持ちつつ劣化の原因となる炭素−炭素間の二
重結合を有しない非芳香族系エポキシ樹脂を主体とする
ものを選択することが好ましい。これにより、LEDチ
ップを封止したことにより生ずるLEDチップからの劣
化を防止し経時劣化を生ずることなく信頼性の高い発光
ダイオードとすることができる。上記(D)成分は、高
い耐光性、絶縁性、及び透光性を満たすため、着色原因
となる芳香族成分、特にフェノール誘導体エポキシ樹脂
を全く含有しないものが最も好ましい。また、非芳香族
系エポキシ樹脂が(D)成分中のエポキシ成分として、
好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%
以上を占める。上記(D)成分としては、無機塩素含有
量を1ppm以下、有機塩素含有量を5ppm以下とす
ることができるエポキシ樹脂が好ましい。特に蒸留精製
され塩素成分を全く含有しないものがより好ましい。ま
た、上記(E)成分として好適に含有される酸無水物
は、耐光性を必要とするため非芳香族系でかつ炭素−炭
素二重結合を化学的に有しない多塩基酸カルボン酸無水
物の一種又は二種以上が好ましい。具体的にはヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、
4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、水素化メチル
ナジック酸無水物などが挙げられる。特に、(E)成分
として硬化反応性と耐湿性のバランスの良いメチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸をエポキシ樹脂(D)100重量
部に対し50から150重量部配合したものが好まし
く、80から130重量部配合したものがより好まし
い。
【0146】本発明では、各構成部材に無機蛍光物質や
有機蛍光物質等、種々の蛍光物質を含有させることが出
来る。このような蛍光物質の一例として、無機蛍光体で
ある希土類元素を含有する蛍光体がある。希土類元素含
有蛍光体として、具体的には、Y、Lu、Sc、La、
Gd及びSmの群から選択される少なくとも1つの元素
と、Al、Ga及びInの群から選択される少なくとも
1つの元素とを有するざくろ石型蛍光体が挙げられる。
特に、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウ
ム酸化物系蛍光体が好ましく、所望に応じてCeに加え
Tb、Cu、Ag、Au、Fe、Cr、Nd、Dy、N
i、Ti、Eu及びPr等を含有させることも可能であ
る。また、本発明の硬化性組成物に、前記発光素子の光
の一部を吸収し他の波長の光を発光することが可能で且
つ表面に前記硬化性組成物と共通な無機元素を含有する
物質をコーティングされた無機蛍光物質を添加すると、
これらの界面は化学結合等により良好な接着性を有する
傾向にある。また、前記蛍光物質は上記構成とすること
により前記硬化性組成物中にて良好に分散した状態で固
着される。これにより、前記無機蛍光物質の光吸収率及
び光取り出し効率が向上され高輝度で均一に発光するこ
とが可能な色変換型発光ダイオードが得られる。
【0147】(実施例7)実施例4と同様の方法にて、
パッケージ内に発光素子を載置しワイヤにて電気的接続
を取る。ここでパッケージの開口部を除く表面にレジス
ト膜を形成する。このようにLEDチップが載置された
パッケージを純水が入った容器内に配置させる。
【0148】他方、粒子状蛍光体は、Y、Gd、Ceの
希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で
共沈させる。これを焼成して得られる共沈酸化物と、酸
化アルミニウムと混合して混合原料を得る。これにフラ
ックスとしてフッ化アルミニウムを混合して坩堝に詰
め、弱還元雰囲気中および還元雰囲気中にて1400°
Cの温度で3時間焼成して焼成品を得る。焼成品を水中
でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通し
て(Y0.8Gd0.2Al12:Ce蛍光体
を形成する。こうして得られた蛍光物質をSiOゾル
中に分散させてなる混合溶液を形成する。
【0149】次に、酢酸でpHを5.0に調整した後、
直ちにパッケージが配置された容器中に前記混合溶液を
一挙に注入する。静置後(Y0.8Gd0.2Al
:Ce蛍光体はパッケージの開口部及び発光素
子上に沈降する。容器内の廃液を除去しLEDチップ上
に粒子状蛍光体が堆積したパッケージを120℃で乾燥
させる。
【0150】次に、容器から発光ダイオードを取り出し
て発光ダイオードの非発光部に付着した粒子状蛍光体を
レジストマスクごと除去する。こうして得られた発光ダ
イオードは、LEDチップ上とパッケージ底面との膜厚
が共に約40μmと略等しい無機化合物層を有する。さ
らに、LEDチップや粒子状蛍光体を外部応力、太陽
光、水分及び塵埃などから保護する目的で、無機化合物
層が形成されたパッケージ内にモールド部材として透光
性である本発明の硬化性組成物(実施例2と同様にして
作成した硬化性組成物)を充填し、150℃にて5時間
硬化させる。
【0151】こうして得られた発光ダイオードは、耐久
性に優れた部材にて構成されているため、厳しい環境下
での使用や長時間の使用に際しても色ズレや色むらが生
じることなく、優れた信頼性を有している。
【0152】(実施例8)ダイボンド樹脂として本発明
の硬化性組成物を利用する以外は、実施例2と同様にし
て発光ダイオードを形成する。このように構成すること
により、発光素子の周囲の部材を全て耐熱性及び耐光性
に優れた硬化性組成物とすることができ、更に信頼性の
高い発光ダイオードが得られる。また本発明の硬化性組
成物は、絶縁性無機物及び導電性無機物のいずれとも接
着性が高いため、ダイボンド性を高めると共に発光素子
の底面側から発光される光の取り出し効率を高めること
ができる。
【0153】
【発明の効果】本発明の発光ダイオードに用いる硬化性
組成物は接着性が高く、耐光耐久性が高く、かつ、硬質
であり表面タック性を有さず、発光ダイオードの発光素
子の被覆材として優れた特性を有しているため、本発明
の発光ダイオードは高い耐久性を有し、かつ、実装する
際に発光面に異物が付着したり実装用器具により発光面
が損傷を受けるという問題が生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津村 学 大阪府摂津市鳥飼西5丁目2−23浩然寮A 101 (72)発明者 坂本 晴美 大阪府摂津市鳥飼和道1丁目8−28サニー コート401号室 (72)発明者 藤田 雅幸 大阪府摂津市鳥飼西5丁目5−32−102 (72)発明者 蔵本 雅史 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 三木 倫英 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CD02X CD05X CD08X CD13X CD14X CD17X CP04W DK009 EB066 EC037 EC046 ED056 EE036 EF009 EH107 EJ018 EJ026 EN039 EN049 EN099 EN109 EV216 EV226 EV229 FD146 FD149 FD200 FD207 GH00 GQ00 4M109 EB04 EC09 EC15 GA01 5F041 AA31 AA44 CA34 CA35 CA36 CA37 CA38 CA40 CA46 DA44 DA46 DA76 DB01 DB06 DB09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)SiH基と反応性を有する炭素−
    炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機
    化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を
    含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、
    (D)エポキシ樹脂、及び(E)エポキシ樹脂用硬化
    剤、を必須成分として含有する硬化性組成物を用いて発
    光素子が被覆された発光ダイオード。
  2. 【請求項2】 (E)成分が非アミン系エポキシ樹脂用
    硬化剤である、請求項1に記載の発光ダイオード。
  3. 【請求項3】 前記硬化性組成物が、フェノール性水酸
    基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有す
    る化合物の含有量が75重量%以下の硬化性組成物であ
    る請求項1あるいは2に記載の発光ダイオード。
  4. 【請求項4】 (A)成分が、フェノール性水酸基およ
    び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有さない、
    SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子
    中に少なくとも2個含有する有機化合物である、請求項
    1乃至3のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
  5. 【請求項5】 (B)成分が、フェノール性水酸基およ
    び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有さない、
    1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素
    化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    発光ダイオード。
  6. 【請求項6】 (D)成分が、フェノール性水酸基およ
    び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有さないエ
    ポキシ樹脂である、請求項1乃至5のいずれか一項に記
    載の発光ダイオード。
  7. 【請求項7】 (E)成分が、フェノール性水酸基およ
    び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有さないエ
    ポキシ樹脂用硬化剤である、請求項1乃至6のいずれか
    一項に記載の発光ダイオード。
  8. 【請求項8】 発光素子の主発光ピーク波長が550n
    m以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の
    発光ダイオード。
  9. 【請求項9】 前記発光素子は、珪素を含有する無機化
    合物層を表面に有し、前記無機化合物層に接して前記硬
    化性組成物が設けられていることを特徴とする請求項1
    乃至8のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
  10. 【請求項10】 前記無機化合物層は、前記発光素子か
    ら発光される光の少なくとも一部を吸収して他の蛍光を
    発光することが可能な蛍光物質を含有することを特徴と
    する請求項9に記載の発光ダイオード。
  11. 【請求項11】 前記発光素子は、側壁を有する基板上
    に載置されており、前記硬化性組成物は、前記発光素子
    表面及び前記側壁内面に接して設けられていることを特
    徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光
    ダイオード。
  12. 【請求項12】 (A)SiH基と反応性を有する炭素
    −炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有
    機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基
    を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、
    (D)エポキシ樹脂、及び(E)エポキシ樹脂用硬化
    剤、を必須成分として含有する硬化性組成物を用いて発
    光素子を被覆することによる、請求項1乃至11のいず
    れか一項に記載の発光ダイオードを製造する方法。
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