JP4880907B2 - 光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は光学材料に関するものであり、更に詳しくは光学的透明性が高く、強靭性を有する光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置および発光ダイオードに関するものである。
液晶表示装置用をはじめとする光学材料としては、複屈折率が低く、光弾性係数が小さく、光学的透明性の高い材料が使用される。また、液晶表示装置用等の材料の場合には、製造プロセス上使用する材料には高い耐熱性が必要である。こういった要求を満足する材料として従来ガラス等が使用されてきた。
液晶表示装置用をはじめとする光学材料は薄いフィルム状あるいは細いチューブやロッド状で多く使用されるが、近年の市場要求に従い、より薄いフィルム状、あるいはより細いチューブまたはロッド状での使用が必要になってきている。しかし、従来使用されてきたガラスは強度的に脆い性質を有しているため、使用範囲に限界が生じてきている。
強靭性のある材料としては高分子材料があるが、例えば熱可塑性樹脂の場合は、一般に高い耐熱性を発現させるために芳香族骨格を導入すると、複屈折率が高くなり光弾性係数が大きくなるため、高い耐熱性と光学的性能の両立が困難である。
熱硬化性樹脂の場合は、従来知られている熱硬化性樹脂は一般に着色しており、光学材料用途には向かない。さらに、一般に極性を有しており光学的性能発現にも不利である。そこで、例えば発光ダイオードの封止材用途では、特殊な熱硬化性樹脂として、酸無水物系硬化剤を用いる透明エポキシ樹脂が広く用いられてきた。しかし、かかる透明エポキシ樹脂においても、樹脂の吸水率が高いために耐湿耐久性が低い、あるいは、特に低波長の光に対する光線透過性が低いために耐光耐久性が低い、あるいは光劣化により着色するという欠点を有していた。
また、熱硬化性樹脂は一般に脆く、硬化物あるいは硬化物を用いて作成した製品に熱衝撃を加えた場合に割れ、はがれなどが生じるという問題があった。
一方、耐光耐久性が高く、柔軟性がある被覆材として、シリコーン樹脂が使用されているが、一般に軟質であり表面タック性を有しているため、実装する際に発光面に異物が付着したり実装用器具により発光面が損傷を受けるという問題があった。
従って、本発明の目的は、光学的透明性が高く、光劣化が少なく、強靭性を有し、実装する際に発光面に異物が付着したり実装用器具により発光面が損傷を受けるという問題が生じない、光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、およびそれを用いた液晶表示装置および発光ダイオードを提供することである。
かかる課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物と、ヒドロシリル化触媒と、熱可塑性樹脂を必須成分として光学材料用組成物とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、及び(D)熱可塑性樹脂、を必須成分として含有することを特徴とする光学材料用組成物(請求項1)であり、
(A)成分が、SiH基と反応性を有するビニル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機化合物であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物(請求項2)であり、
(A)成分が、SiH基と反応性を有するアリル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機化合物であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物(請求項3)であり、
(A)成分が、1,2−ポリブタジエン、ビニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルビフェニル、またはビスフェノールAジアリルエーテルであることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物(請求項4)であり、
(A)成分が、トリアリルイソシアヌレート、またはトリビニルシクロヘキサンであることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物(請求項5)であり、
前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、オレフィン−マレイミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる一種あるいは複数の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学材料用組成物(請求項6)であり、
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が、50℃以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学材料用組成物(請求項7)であり、
光学材料が液晶用フィルムである請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用組成物(請求項8)であり、
光学材料が液晶用プラスチックセルである請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用組成物(請求項9)であり、
光学材料が発光ダイオードの封止材である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用組成物(請求項10)であり、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学材料用組成物をあらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させてなる光学材料(請求項11)であり、
請求項1乃至10にいずれか一項に記載の光学材料用組成物をあらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによる請求項11に記載の光学材料を製造する方法(請求項12)であり、
請求項11に記載の光学材料を用いた液晶表示装置(請求項13)である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における(A)成分について説明する。
(A)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されない。有機化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものであることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合は、ガス透過性やはじきの問題がある。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
(A)成分の有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系;直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系;複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(I)
Figure 0004880907
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
Figure 0004880907
で示される基が特に好ましい。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(II)
Figure 0004880907
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
Figure 0004880907
で示される脂環式の基が特に好ましい。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
Figure 0004880907
Figure 0004880907
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2,2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
Figure 0004880907
が挙げられる。
(A)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1,2比率10〜100%のもの、好ましくは1,2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
Figure 0004880907
Figure 0004880907
の他、従来公知のエポキシ樹脂のグリシジル基をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
(A)成分としては、上記のように骨格部分と炭素−炭素二重結合とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
上記した(A)成分としては、耐熱性をより向上し得るという観点から、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mol以上含有するものであればよいが、さらに、1gあたり0.005mol以上含有するものが好ましく、0.008mol以上含有するものが特に好ましい。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なくとも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合には2を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子当たり1個以下の場合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。
(A)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには100℃以下の温度において流動性があるものが好ましく、線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はないが、50〜100,000の任意のものが好適に使用できる。分子量が100,000以上では一般に原料が高粘度となり作業性に劣るとともに、炭素−炭素二重結合とSiH基との反応による架橋の効果が発現し難い。
また、(A)成分としては、着色特に黄変の抑制の観点からフェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものがより好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール性水酸基の水素原子がメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好であるという観点からは、芳香環の(A)成分中の成分重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものがさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を含まないものである。
得られる硬化物の着色性および光学特性から、(A)成分としてはビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
次に、(B)成分であるSiH基を有する化合物について説明する。
本発明に使用できるSiH基を有する化合物については特に制限がなく、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンが好ましく、(A)成分との相溶性が良いという観点から、さらに、下記一般式(III)
Figure 0004880907
(式中、Rは炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。なお、一般式(III)で表される化合物中の置換基Rは、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましい。
また、前記(A)成分と良好な相溶性を有するという観点からは、鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンと、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物から選ばれた1種以上の化合物(以降(E)成分と称する)との反応物も好ましい。この場合、反応物の(A)成分との相溶性をさらに高めるために、反応物から未反応のシロキサン類等を脱揮等により除去したものを用いることもできる。
(E)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有する有機化合物であって、前記(A)成分と同じ説明のものも使用できる。(E)成分の有機化合物は、(A)成分の有機化合物と同じであってもよく、異なっていてもよい。また単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。(B)成分の(A)成分に対する相溶性を高くしたい場合には、(E)成分は(A)成分と同一のものが好ましい。
(E)成分の有機化合物と反応させる鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンとしては、工業的入手性および反応させる場合の反応性が良好であるという観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
(B)成分としても(A)成分と同様に、着色特に黄変の抑制の観点からフェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものがより好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール性水酸基の水素原子がメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好であるという観点からは、芳香環の(B)成分中の成分重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものがさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を含まないものである。
光学特性が良好であるという観点からより好ましい(B)成分としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとビニルシクロヘキセンの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとジシクロペンタジエンの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテルの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2,4−トリビニルシクロヘキサンの反応物が挙げられ、特に好ましい(B)成分としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリアリルイソシアヌレートの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテルの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,2,4−トリビニルシクロヘキサンの反応物等が挙げられる。
上記したような(A)成分と(B)成分の混合比率は、必要な強度を失わない限りは特に限定されないが、(B)成分中のSiH基の数(Y)の(A)成分中の炭素−炭素二重結合の数(X)に対する比が、2.0≧Y/X≧0.9であることが好ましく、1.8≧Y/X≧1.0がより好ましい。2.0<Y/Xの場合は、十分な硬化性が得られず、充分な強度が得られない場合があり、Y/X<0.9の場合は炭素−炭素二重結合が過剰となり着色の原因となり得る。
次に(C)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH=CH(PPh、Pt(CH=CHCl)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt[(MeViSiO))、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh、Pt(PBu)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)、Pt[P(OBu))(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)、RhCl、RhAl、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるために、SiH基1モルに対して、10−8〜10−1モルの範囲が好ましく、より好ましくは、10−6〜10−2モルの範囲である。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1,2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、触媒1モルに対して、10−2〜10モルの範囲が好ましく、より好ましくは10−1〜10モルの範囲である。
さらに本発明の組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパルギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレエート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
硬化遅延剤の添加量は、使用するヒドロシリル化触媒1molに対し、10−1〜10モルの範囲が好ましく、より好ましくは1〜50モルの範囲である。
次に(D)成分である熱可塑性樹脂について説明する。
(D)成分の種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体などのポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツなど)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体などのポリブチルアクリレート系樹脂などに代表されるアクリル系樹脂;ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノールなどをモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂などのポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APECなど);ノルボルネン誘導体、ビニルモノマーなどを単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物などのシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTONなど);エチレンとマレイミドの共重合体などのオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PASなど);ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどのビスフェノール類やジエチレングリコールなどのジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸などのフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステルなどのポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PETなど);ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが例示されるがこれに限定されるものではない。これらのうち、透明性が高いという観点からは、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、オレフィン−マレイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。
(D)成分の熱可塑性樹脂のガラス転移温度としては特に限定はなく種々のものが用いられるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、ガラス点移転温度は100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例としてはポリブチルアクリレート樹脂などが挙げられる。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転移温度は100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが最も好ましい。この場合の好ましい樹脂の例としては、ポリエーテルスルホン樹脂、帝人社製APEC、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON、鐘紡社製O−PET、東ソー社製TI−PAS、日立化成社製オプトレッツなどが挙げられる。ガラス転移温度は粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
(D)成分の熱可塑性樹脂としては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合及び/又はSiH基を有していてもよい。得られる硬化物がより強靭となりやすいという点においては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合及び/又はSiH基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
(D)成分の熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基などが挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
(D)成分の熱可塑性樹脂の分子量としては、特に限定はないが、(A)成分や(B)成分との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
上記のような(D)成分の熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
(D)成分の熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、組成物全体の5〜50重量%が好ましく、5〜20重量%がさらに好ましい。少ないと得られる硬化物が脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
(D)成分の熱可塑性樹脂としては目的とする光の透過率が80%以上であるものが好ましい。この場合目的とする光とは用途によって異なるが、例えば用途が液晶表示装置のような表示装置の場合は目的とする光は可視光であり、用途が発光ダイオードの場合は発光素子から発せられる光である。熱可塑性樹脂の光の透過率は厚さ1mm相当での光の透過率であり、分光光度計などの従来公知の方法によって測定することによって求められる。
(D)成分の熱可塑性樹脂の屈折率としては、(A)成分、(B)成分、および(C)成分からなる硬化性組成物を硬化させた硬化物の屈折率との差が±0.05以下であることが好ましい。屈折率はアッベ屈折計によって測定することによって求められる。
(D)成分の熱可塑性樹脂は(A)成分及び/又は(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合するなどして分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分及び/又は(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、(D)成分の熱可塑性樹脂を(A)成分及び/又は(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒などを用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態及び/又は混合状態としてもよい。(D)成分の熱可塑性樹脂は均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有させてもよい。
(D)成分の熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径としては、目的とする光の波長以下であることが好ましい。この場合、目的の光とは前述の通りである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。平均粒子径は、空気透過法を基本原理としたサブシーブサイザー法によって測定することができる。
(D)成分の熱可塑性樹脂としては、耐光劣化性が高くなりやすいという点においては、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものが好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール性水酸基の水素原子がメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
(D)成分の熱可塑性樹脂としては、耐光劣化性が高くなりやすいという点においては、炭素−炭素二重結合の含有量が低いものが好ましい。具体的には(D)成分中の炭素−炭素二重結合の含有量が、0.01mol/g以下であるものが好ましく、0.001mol/g以下であるものがより好ましく、0.0001mol/g以下であるものがさらに好ましい。
また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好であるという観点からは、芳香環の(D)成分中の成分重量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものがさらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を含まないものである。
本発明の組成物としては上記したように各種組み合わせのものが使用できるが、耐熱性が良好であるという観点から、組成物を硬化させて得られる硬化物のTgが50℃以上となるものが好ましく、100℃以上となるものがさらに好ましく、150℃以上となるものが特に好ましい。
本発明の組成物をそのままフィルムなどに成形することも可能であるが、該組成物を有機溶剤に溶解してワニスとすることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量は、用いる(A)成分1gに対し、0〜10mLの範囲で用いるのが好ましく、0.5〜5mLの範囲で用いるのがさらに好ましく、1〜3mLの範囲で用いるのが特に好ましい。使用量が少ないと、低粘度化などの溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラックなどの問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
本発明の組成物には、その他、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤などを本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
なお、カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
本発明の組成物には必要に応じて無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、組成物の流動性の防止、材料の高強度化に効果がある。無機フィラーとしては光学特性を低下させない、微粒子状のものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウム等を挙げることができる。
フィラーを添加する方法としては、例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組成物に添加して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応させ、組成物中で無機フィラーを生成させる方法も挙げることができる。
また更に、本発明の組成物の特性を改質する目的で、種々の熱硬化性樹脂を添加することも可能である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シアナート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。これらのうち、透明性が高く接着性等の実用特性に優れるという観点から、透明エポキシ樹脂が好ましい。
透明エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポキシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
さらに、本発明の組成物には種々の発光ダイオード特性改善のための添加剤を添加してもよい。添加剤としては例えば、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体等の蛍光体や、特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、石英ガラス等の酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のような各種無機あるいは有機拡散材、ガラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラー等を挙げることができる。
発光ダイオード特性改善のための添加剤は均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有させてもよい。この様なフィラー含有樹脂部は発光面前面のモールド部材用の樹脂を型に流した後、引き続いて、フィラーを含有させた樹脂を流し発光面後方のモールド部材として形成させることができる。また、モールド部材形成後リード端子を表裏両面からテープを張り付けることによって覆い、この状態でリードフレーム全体をフィラー含有樹脂を溜めたタンク内に発光ダイオードのモールド部材の下半分を浸漬した後、引き上げて乾燥させフィラー含有樹脂部を形成させても良い。
本発明で言う光学材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般を示す。
より具体的には、液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルムなどの液晶用フィルムなどの液晶表示装置周辺材料である。また、次世代フラットパネルディスプレイとして期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の封止材、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤;また発光ダイオード表示装置に使用される発光素子のモールド材、発光ダイオードの封止材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤;またプラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム;また有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤;またフィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤である。
光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部である。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーである。またプロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。光センシング機器のレンズ用材料、封止材、接着剤、フィルムなどである。
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止材、接着剤などである。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止材、接着剤などである。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、発光素子の封止材、接着剤などである。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーである。
半導体集積回路周辺材料では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料である。
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品である。また、鉄道車輌用の複層ガラスである。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コートである。
建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料である。農業用では、ハウス被覆用フィルムである。
次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。
本発明の光学材料用組成物は、あらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させて光学材料とすることができる。
(A)成分、(B)成分、(C)成分の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(A)成分に(C)成分を混合したものと、(B)成分を混合する方法が好ましい。(A)成分、(B)成分の混合物に(C)成分を混合する方法だと反応の制御が困難である。(B)成分に(C)成分を混合したものに(A)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分の存在下では(B)成分が環境中の水分と反応性を有するため、貯蔵中などに変質することもある。(D)成分の混合の方法としては、相溶性、貯蔵安定性、粘度調整その他の目的で各種の方法をとることができる。(A)成分に混合してもよいし、(B)成分に混合してもよいし、適当な割合で(A)、(B)各成分に分けて混合してもよい。
組成物を反応させて硬化させる場合において、(A)、(B)、(C)、(D)各成分の必要量を一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形などの処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
反応温度としては種々設定できるが、例えば30〜300℃の温度が適用でき、100〜250℃がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が、歪のない均一な硬化物が得られやすいので好ましい。
反応時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が、歪のない均一な硬化物が得られやすいので好ましい。
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で反応させることが好ましい。
硬化させて得られる光学材料の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばフィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜状、バルク状などの形状とすることができる。
成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法などの成形方法を適用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。
成形時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧などにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理などを適用することもできる。
本発明の光学材料を用いて液晶表示装置を製造することができる。
この場合、本発明の光学材料を液晶用プラスチックセル、偏光板、位相差板、偏光子保護フィルムなどの液晶用フィルムとして使用し、通常の方法によって液晶表示装置を製造すればよい。
本発明の光学材料を用いて発光ダイオードを製造することができる。この場合、発光ダイオードは上記したような硬化性組成物によって発光素子を被覆することによって製造することができる。
この場合発光素子とは、特に限定なく従来公知の発光ダイオードに用いられる発光素子を用いることができる。このような発光素子としては、例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作成したものが挙げられる。この場合の基板としては、各種材料を用いることができるが、例えばサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成でき、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイアを用いることが好ましい。
積層される半導体材料としては、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(InGaAlN)が好ましい。このような材料には付活剤等を含んでいてもよい。
発光素子の構造としては、MIS接合、pn接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多重量子井戸構造とすることもできる。
発光素子はパッシベーション層を設けていてもよいし、設けなくてもよい。
発光素子には従来知られている方法によって電極を形成することができる。
発光素子上の電極は種々の方法でリード端子等と電気接続できる。電気接続部材としては、発光素子の電極とのオーミック性機械的接続性等が良いものが好ましく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金等を用いたボンディングワイヤーが挙げられる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これらのうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミニウム線或いは金線を用いることが好ましい。
上記のようにして発光素子が得られるが、本発明の発光ダイオードにおいては発光素子の光度としては垂直方向の光度が1cd以上であれば任意のものを用いることができるが、垂直方向の光度が2cd以上の発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であり、3cd以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明の効果が顕著である。
発光素子の発光出力としては特に限定なく任意のものを用いることができるが、20mAにおいて1mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて4mW以上の発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて5mW以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明の効果が顕著である。
発光素子の発光波長は紫外域から赤外域まで種々のものを用いることができるが、主発光ピーク波長が550nm以下のものを用いた場合に特に本発明の効果が顕著である。
用いる発光素子は一種類で単色発光させても良いし、複数用いて単色或いは多色発光させても良い。
本発明の発光ダイオードに用いられるリード端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましく、リード端子の電気抵抗としては、300μΩ−cm以下が好ましく、より好ましくは3μΩ−cm以下である。これらのリード端子材料としては、例えば、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅や、これらに銀、ニッケル等をメッキしたもの等が挙げられる。これらのリード端子は良好な光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
本発明の発光ダイオードは上記したような硬化性組成物によって発光素子を被覆することによって製造することができるが、この場合被覆とは、上記発光素子を直接封止するものに限らず、間接的に被覆する場合も含む。具体的には、発光素子を本発明の硬化性組成物で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよいし、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂やガラスで発光素子を封止した後に、その上あるいは周囲を本発明の硬化性組成物で被覆してもよい。また、発光素子を本発明の硬化性組成物で封止した後、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等でモールディングしてもよい。以上のような方法によって屈折率や比重の差によりレンズ効果等の種々の効果をもたせることも可能である。
封止の方法としても各種方法を適用することができる。例えば、底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ凹部等に液状の硬化性組成物をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱等により硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の硬化性組成物を加熱する等して流動させ同様にパッケージ凹部等に注入してさらに加熱する等して硬化させてもよい。この場合のパッケージは種々の材料を用いて作成することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂等を挙げることができる。また、モールド型枠中に硬化性組成物をあらかじめ注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等を浸漬した後硬化させる方法も適用することができるし、発光素子を挿入した型枠中にディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等により硬化性組成物による封止層を成形、硬化させてもよい。さらに、単に液状または流動状態とした硬化性組成物を発光素子上に滴下あるいはコーティングして硬化させてもよい。あるいは、発光素子上に孔版印刷、スクリーン印刷、あるいはマスクを介して塗布すること等により硬化性組成物を成形させて硬化させることもできる。その他、あらかじめ板状、あるいはレンズ形状等に部分硬化あるいは硬化させた硬化性組成物を発光素子上に固定する方法によってもよい。さらには、発光素子をリード端子やパッケージに固定するダイボンド剤として用いることもできるし、発光素子上のパッシベーション膜として用いることもできる。また、パッケージ基板として用いることもできる。
被覆部分の形状も特に限定されず種々の形状をとることができる。例えば、レンズ形状、板状、薄膜状、特開平6−244458記載の形状等が挙げられる。これらの形状は硬化性組成物を成形硬化させることによって形成してもよいし、硬化性組成物を硬化した後に後加工により形成してもよい。
本発明の発光ダイオードは、種々のタイプとすることができ、例えば、ランプタイプ、SMDタイプ、チップタイプ等いずれのタイプでもよい。SMDタイプ、チップタイプのパッケージ基板としては、種々のものが用いられ、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、セラミック等が挙げられる。
その他、本発明の発光ダイオードには従来公知の種々の方式が適用できる。例えば、発光素子背面に光を反射あるいは集光する層を設ける方式、封止樹脂の黄変に対応して補色着色部を底部に形成させる方式、主発光ピークより短波長の光を吸収する薄膜を発光素子上に設ける方式、発光素子を軟質あるいは液状の封止材で封止した後周囲を硬質材料でモールディングする方式、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す蛍光体を含む材料で発光素子を封止した後周囲をモールディングする方式、蛍光体を含む材料をあらかじめ成形してから発光素子とともにモールドする方式、特開平6−244458に記載のとおりモールディング材を特殊形状として発光効率を高める方式、輝度むらを低減させるためにパッケージを2段状の凹部とする方式、発光ダイオードを貫通孔に挿入して固定する方式、発光素子表面に主発光波長より短い波長の光を吸収する薄膜を形成する方式、発光素子をはんだバンプ等を用いたフリップチップ接続等によってリード部材等と接続して基板方向から光を取出す方式、等を挙げることができる。
本発明の発光ダイオードは従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、例えばバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
本発明の組成物から製造した材料は、光学的透明性が高く、光劣化が少なく、強靭性を有し、かつ、硬質であり表面タック性を有さない光学材料に適した材料である。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(合成例1)
200mLの二口フラスコに、磁気攪拌子、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン50g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)11.3μL、トリアリルイソシアヌレート5.0g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン37.04gを加えて、90℃のオイルバス中で30分加温、攪拌した。さらに130℃のオイルバス中で2時間加熱還流させた。1−エチニル−1−シクロヘキサノール176mgを加えた。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンおよびトルエンを減圧留去した。H−NMRによりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(部分反応物Aと称す)であることがわかった。
(実施例1)
トリアリルイソシアヌレート2.5gと、合成例1で合成した部分反応物A3.0gと、分子量2500、ガラス転移温度−30℃のポリブチルアクリレート1.1gとをカップ中で混合し、硬化性組成物とした。合成例1で示したように部分反応物Aは本発明の(C)成分としての白金ビニルシロキサン錯体を含有している。このものを、2枚のガラス板に0.5mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセルに流し、90℃/16時間、100℃/1時間、120℃/1時間、150℃/10時間加熱を行い無色透明のシート状硬化物を得た。得られた硬化物は硬質で表面タックを有しないものであった。
(比較例)
分子量2500のポリブチルアクリレートを用いなかった以外は実施例と同様にして無色透明のシート状硬化物を得た。得られた硬化物は硬質で表面タックを有しないものであった。
(測定例1)
実施例1および比較例で作成した硬化物を用いてJISK6911に準じた方法で曲げ試験を行ったところ、比較例で作成した硬化物は試験中に破断したが、実施例で作成した硬化物は破断しなかった。実施例の硬化物が強靭性が高いことがわかる。
(測定例2)
実施例1で作成した硬化物をスガ試験機SX120型キセノンウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃、照射2時間中降雨18分)にて70時間照射して硬化物の状態を目視で観察した。硬化物は黄変がみられず、無色透明の状態を保った。
(参考例1)
実施例1のようにして作成したシート状硬化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、MOCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発光ダイオードを作成することができる。
(参考例2)
洗浄したサファイア基板上にMOCVD(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブラインを引いた後、外力により分割させ発光素子を形成させる。
表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンド樹脂としてエポキシ樹脂組成物を利用して上記発光素子をダイボンドする。これを170℃で75分加熱しエポキシ樹脂組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的導通を取る。
実施例1と同様にして調製した硬化性組成物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウントリード及びインナーリードの一部をキャスティングケース内に挿入し100℃1時間の初期硬化を行う。キャスティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素雰囲気下において120℃1時間で硬化を行う。これにより砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作成することができる。
(参考例3)
参考例2に記載の方法で硬化性組成物および発光素子を作成する。
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク兼側壁として貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポキシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキシ樹脂基板上に硬化性組成物をディスペンスし、貫通孔を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。各発光ダイオードチップごとに分割させることでチップタイプ発光ダイオードを作成することができる。
(参考例4)
参考例2に記載の方法で硬化性組成物および発光素子を作成する。
インサート成形によりPPS樹脂を用いてチップタイプ発光ダイオードのパッケージを形成させる。パッケージ内は、発光素子が配される開口部を備え、銀メッキした銅板を外部電極として配置させる。パッケージ内部で発光素子をエポキシ樹脂を用いてダイボンドして固定する。導電性ワイヤーであるAu線を発光素子の各電極とパッケージに設けられた各外部電極とにそれぞれワイヤーボンディングし電気的に接続させる。パッケージ開口部内にモールド部材として硬化性組成物を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化させる。この様にして、チップタイプ発光ダイオードを作成することができる。
(参考例5)
参考例2に記載の方法で硬化性組成物および発光素子を作成する。
硬化性組成物を90℃30分加熱してBステージ化する。
エッチングにより一対の銅箔パターンをガラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワイヤボンディングし電気的導通を取る。上記Bステージ化した硬化性組成物を用いてトランスファー成形により発光素子およびリード電極の一部を封止する。SMDタイプの発光ダイオードを作成することができる。
(参考例6)
参考例2と同様に順次積層された窒化物半導体において、RIE(反応性イオンエッチング)装置でp型窒化物半導体層側からエッチングを行い、負電極が形成されるn型コンタクト層の表面を露出させる。次に、最上層にあるp型コンタクト層上のほぼ全面にリフトオフ法によりNi/Auを膜厚60/200Åにて積層し、オーミック接触が良好で且つ優れた透過性を有する第一の正電極を形成する。また、前記透光性第一の正電極上の一部にAuを膜厚1μm積層し、正極側ボンディング部となる第二の正電極を形成する。
一方、エッチングにより露出されたn型コンタクト層の表面にそれぞれターゲットを変えてスパッタリングによりW/Al/W/Auを膜厚200Å/2000Å/2000Å/3000Åとなるよう積層し、不要なレジスト膜を除去させ負電極を形成し、LED素子とする。これにより、アニーリングを行わなくとも良好なオーミック接触を有する負電極が形成される。また、負電極はボンディング部となるが、上記構成により強い機械的強度を有するため、安定して駆動することが可能なLED素子が得られる。
次に、パターニングにより、各電極のボンディング部のみを露出させ素子表面全体に接してSiOからなる絶縁性無機化合物層を連続的に形成し、LED素子とする。前記絶縁性無機化合物層は少なくとも短絡を防止できるように形成されていればよく、前記正電極と前記負電極の間の半導体層上面に設けられていればよい。このように絶縁性無機化合物層を設けることは、小型化された発光素子を信頼性高く実装するにあたり非常に重要である。絶縁性無機化合物層の材料は、少なくとも絶縁性であれば良く、例えばSiO、TiO、Al、Si等からなる単層又は複数層を用いることができる。
また、本参考例では、前記絶縁性無機化合物層を発光素子の端面まで連続して設けている。これにより、基板の削られた端面及び露出面を高温高湿から保護することができ、厳しい環境条件下での長期間使用に際しても高い信頼性を維持することが可能な発光素子が得られる。また、サファイア基板や窒化ガリウムと直接接して設けられる絶縁性無機化合物層は、それぞれ接する部材と近い熱膨張係数を有することが好ましく、これにより更に信頼性を高めることができる。ちなみに、各材料の熱膨張係数は、サファイア基板が7.5〜8.5×10−6/k、窒化ガリウムが3.2〜5.6×10−6/k、二酸化珪素が0.3〜0.5×10−6/k、窒化シリコンが2.5〜3.0×10−6/kである。
本参考例で使用する発光素子は、発光層で発光された光の多くは上下の層との境界面にて全反射され、発光端部から光密度高く発光する傾向にある。このような発光素子を直接樹脂にて被覆すると、これらに発光素子からの光や熱が集中するため、隣接する樹脂部が局所的に著しく劣化される。これが起因となり、発光ダイオードに色調変化や信頼性低下が生じると考えられる。そこで本参考例では、絶縁性無機化合物層を表面に有する発光素子を、前記絶縁性無機化合物層と比較的密着性が高い傾向にあり且つ耐光性及び耐熱性に優れた本発明の硬化性組成物にて直接被覆することにより、前記発光領域端部から発光される光を効率よく外部へ取り出し、界面における劣化を抑制し、信頼性の高い発光装置を提供する。
また、前記発光端部とは、発光層及びn型コンタクト層端部を示す。そこで、これらの端部に設けられる絶縁性無機化合物層は、n型コンタクト層としてよく用いられるGaNよりも屈折率が小さい無機物にて構成することが好ましい。これにより、硬化性組成物の劣化を抑制することができる。更に、前記絶縁性無機化合物を、例えば、発光素子の発光端部に直接接する第一の層としてSiOを、該第一の層に接して該第一の層よりも屈折率の大きい第二の層としてTiOを積層したTiO/SiOや、TiO/MgF等の2層構造や、SiO/Al/SiOのように絶縁膜と金属の積層によって形成した3層構造からなる光学多層膜を設けることにより、反射性を持たせることもできる。複数層の場合、膜厚は5000Å以上5μm以下が好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。
また、無機化合物層を表面に有する発光素子を直接本発明の硬化性組成物にて被覆する場合、光屈折や熱膨張を考慮し、前記無機化合物層は珪素を含有するものが好ましい。珪素を含有する無機化合物層とは、前記無機化合物中に少なくとも珪素が含有されていれば特に限定されず、具体的には、SiO、SiN、SiON、及びSiH等からなる無機化合物層が挙げられる。
また、珪素を含有する無機化合物層を設けこの無機化合物層を本発明の硬化性組成物にて直接被覆すると、他の無機化合物層を設けた場合と比較して信頼性が向上し、高温高湿等の環境条件下においても高い信頼性及び光学特性を維持することができる傾向にある。この理由は定かでないが、珪素を含有する無機化合物層が本発明の硬化性組成物と親和性が良く密着性の高い界面を形成し、水分や外気の侵入が抑制されているためだと考えられる。
上記のように形成されたLED素子を有するウエハをスクライブ可能な基板厚まで研磨工程によって削り、基板面が粘着シートに接触するように粘着シート上に載置し、スクライブ工程によってチップ状に分割する。分割されたLEDチップを参考例3と同様の基板上に同様の方法にて電気的導通をとり固定配置させる。
本発明では、各構成部材に無機蛍光物質や有機蛍光物質等、種々の蛍光物質を含有させることが出来る。このような蛍光物質の一例として、無機蛍光体である希土類元素を含有する蛍光体がある。希土類元素含有蛍光体として、具体的には、Y、Lu、Sc、La、Gd及びSmからなる群より選択される少なくとも1つの元素と、Al、Ga、及びInからなる群より選択される少なくとも1つの元素とを有するざくろ石型蛍光体が挙げられる。特に、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体が好ましく、所望に応じてCeに加えTb、Cu、Ag、Au、Fe、Cr、Nd、Dy、Ni、Ti、Eu、及びPr等を含有させることも可能である。ここでは、粒子状蛍光体として、Y、Gd、Ceの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈させた。これを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウムと混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アルミニウムを混合して坩堝に詰め、弱還元雰囲気中および還元雰囲気中にて1400°Cの温度で3時間焼成して焼成品を得る。焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通して形成させる。形成された(Y0.6Gd0.4Al12:Ce蛍光物質25重量部、参考例2に記載の方法にて得られた硬化性組成物100重量部を十分攪拌させ混合溶液を得る。
次に、発光素子及びワイヤが配置された絶縁性基板上に、これら発光素子などが内部に配置されるように貫通孔があいたマスクを被覆させ、上記混合溶液を印刷するインキとして利用しマスク上から流し込み封止材を孔版印刷成形させ、硬化後マスクを除去させることによって、発光素子が配置された基板上に蛍光体が含有された封止材にて封止されたチップタイプLEDを形成することができる。なお、これらの工程中減圧又は加圧下にて孔版印刷成形させることで極めて簡単に気泡などを脱泡することができる。特に本発明においては、各成分の含有率を調整することにより容易に所望の粘度に調整された硬化性組成物に、無機蛍光体であるYAG:Ceを含有させているため、混合中に気泡が入りやすい傾向にある。このような気泡は、発光素子であるLEDチップからの光や蛍光体からの蛍光を屈折等させるために色むらや輝度むらとなって顕著に観測され易い。そのため、減圧又は加圧下にて印刷形成させることは特に大きな効果がある。また、蛍光耐の分散均一性を保持するためには、本発明の硬化性組成物は、B型粘度計で5,000PS以上100,000PS以下が好ましく、より好ましくは9,000PS以上30,000PS以下に調整されることが好ましく、このように調整された後に、蛍光体が添加されることが好ましい。
発光ダイオードは同一基板上に複数の発光素子をドットマトリックス状に配置させることにより白色LEDディスプレイの如く構成することもできるし、ドットマトリックス状に形成させた後、個々に分割させて量産性よく発光ダイオードを形成させることもできる。また、基板上の所望の箇所に発光ダイオードを配置させることによりセグメント表示器などを構成させることもできる。
本発明の硬化性組成物は、成型前の状態は比較的高い粘度で保持することができる。そのため、粘度の低い液体のように、硬化性組成物中にて蛍光体が自由に沈降あるいは浮遊することはない。そのため、蛍光体の混合状態は比較的良好に維持することができる。また孔版印刷成形は、成形時に硬化性組成物が溶融し液体で存在する期間は数分から数十秒であり極めて短い。さらに、固化までの時間も極めて短く硬化性組成物と蛍光体との分離もほとんど発生しない。
すなわち、成形前及び成形後固化までの間に樹脂と蛍光物質との分離が極めて発生し難い。これにより本発明の発光ダイオードでは、蛍光体を、比重差によらず前記硬化性組成物中に均一分散させることができる。そのため、発光ダイオード内の蛍光体の分布均一だけでなく、製造ロットごとの蛍光体の含有量バラツキも極めて少なく量産性の高い発光ダイオードを形成させることができる。
特にYAG:Ce蛍光体を蛍光物質として含有した白色発光が可能な発光ダイオードとした場合、透光性樹脂に較べ比重の大きいYAG:Ce蛍光体でも常時極めて均一な分布のものができる。そのため色温度の均一な発光ダイオードが安定して形成し得る。なお、マスクをとった後で硬化させることにより蛍光物質が含有された透光性樹脂の表面を表面張力により凸レンズ形状とさせることもできる。
また、本発明の硬化性組成物は、優れた耐熱性且つ強靱性を有している。本発明は、このような樹脂にて発光素子及びワイヤが被覆されているため、実装時や点灯時の熱応力による樹脂及び発光素子におけるクラック発生やワイヤ断線を防止することができる。また、発光素子は点灯時に発熱を伴い、前記発光素子近傍は高温状態となる。本発明では、発光素子を直接被覆する樹脂として耐熱性に優れた本発明の硬化性組成物を用いるため、樹脂が劣化されることなく長時間の使用に際しても高い信頼性を維持することができる。また本発明の発光ダイオードは、Pbを有していない、高融点値を有する導電部材にて実装しても、色度変動や信頼性低下を生じないため、環境に優しい表示装置を実現することができる。
また、本発明の硬化性組成物は、熱応力における柔軟性を有する硬化物を与える。従来、熱応力に柔軟性を有する樹脂として、ゴム状弾性樹脂、ゲル樹脂等が知られているが、これらの樹脂は架橋密度が低い又は架橋構造を有さないので機械的強度が弱く、またタック性を有するため異物が付着しやすい等の問題点を有しており、最表面部となる発光面として形成するには不向きであった。これに対し本発明の硬化性組成物は、異物を付着したり実装用器具にて損傷を受ける恐れがない。このように本発明は、本発明の硬化性組成物を用いることにより、発光素子及びワイヤ部分の被覆部材と発光装置の表面部となる発光面の部材を一体成形することができ、量産性及び作業性に優れた発光ダイオードを得ることができる。また、太陽光に対しても優れた耐光性を有するため、屋外用表示基板に実装されても発光面は変色されず良好な信頼性を維持することができる。
また、前記硬化性組成物と前記蛍光体との界面は、化学結合等により良好な密着性を有する傾向にある。これにより、前記蛍光体の光吸収率及び光取り出し効率が向上され高輝度で均一に発光することが可能な色変換型発光ダイオードが得られる。

Claims (12)

  1. (A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機単量体系化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、及び(D)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、オレフィン−マレイミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる一種あるいは複数の熱可塑性樹脂、を必須成分として含有する光学材料用組成物であって、
    該組成物を硬化して得られる硬化物のTgが50℃以上である光学材料用組成物
  2. (A)成分が、SiH基と反応性を有するビニル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機単量体系化合物であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
  3. (A)成分が、SiH基と反応性を有するアリル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機単量体系化合物であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
  4. (A)成分が、ビニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルビフェニル、またはビスフェノールAジアリルエーテルであることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
  5. (A)成分が、トリアリルイソシアヌレート、またはトリビニルシクロヘキサンであることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が、50℃以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
  7. 光学材料が液晶用フィルムである請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
  8. 光学材料が液晶用プラスチックセルである請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
  9. 光学材料が発光ダイオードの封止材である請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学材料用組成物をあらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させてなる光学材料。
  11. 請求項1乃至にいずれか一項に記載の光学材料用組成物をあらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによる請求項10に記載の光学材料を製造する方法。
  12. 請求項10に記載の光学材料を用いた液晶表示装置。
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