WO2007116902A1

WO2007116902A1 - インクジェット記録用インク組成物、記録方法、および記録物

Info

Publication number: WO2007116902A1
Application number: PCT/JP2007/057539
Authority: WO
Inventors: Shuichi Koganehira; Hironori Sato; Akira Mizutani
Original assignee: Seiko Epson Corporation
Priority date: 2006-04-04
Filing date: 2007-04-04
Publication date: 2007-10-18
Also published as: EP2006337A9; EP2006337B1; EP2006337A4; US7537652B2; CN101415787B; CN101415787A; JP4609768B2; US20090258198A1; US20070247504A1; JP2007277342A; US7686876B2; EP2006337A2

Abstract

　印刷本紙においても、光沢性に優れ、かつ色再現性が良好であるとともに、吐出安定性や目詰まり回復性に優れるインクジェット記録用インク組成物を提供する。着色剤と、水と、アルカンジオールと、界面活性剤とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物であって、前記アルカンジオールが、水溶性の１，２－アルカンジオールと、難水溶性の１，２－アルカンジオールとを含んでなり、前記界面活性剤としてポリオルガノシロキサンを用いる。

Description

明細書

インクジェット記録用インク組成物、記録方法、および記録物

発明の背景

[0001] 発明の分野

本発明は、各種記録媒体、とりわけ、印刷本紙においても、光沢性に優れ、かつ色再現性が良好であるとともに、吐出安定性や目詰まり回復性に優れるインクジェット記録用インク組成物、およびそのインク組成物を用いたインクジェット記録方法に関する。

[0002] 普晋術

インクジェット記録方法は、インク小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷によってのみ実現されてきた高精細印刷の分野にまでインクジェット記録方法が用いられるようになつている。それに伴い、銀塩写真ゃォフセット印刷の分野で用いられてきた印画紙やアート紙等に匹敵する高光沢性の記録媒体、いわゆる専用紙をインクジェット記録に使用して、銀塩写真並の光沢感を有する画像を実現できるインクジェット記録用のインクが開発されている。また、普通紙を用いた場合であっても、銀塩写真並の画質を実現できるインクジェット記録用のィンクが開発されている。

[0003] インクジェット記録に用いられるインクとしては、水を主成分とし、これに着色剤や各種添加剤を含有させた水系インクが一般的である。着色剤としては、耐光性、耐ガス性、耐水性、及び耐湿性等の耐候性の点で染料よりも顔料が優れることから、顔料の特性を活力した顔料系インクの開発が進められている。例えば、特開 2005— 19450 0号公報には、界面活性剤としてポリシロキサンィ匕合物を用い、溶解助剤として 1, 2 へキサンジオール等のアルカンジオールをインク中に添加することにより、滲みが無ぐ専用紙に対する光沢性に優れるインク組成物が開示されている。また、特開 20 01— 72905号公報ゃ特開 2003— 12583号公報には、水溶性アルカンジオールである 1, 2—へキサンジオールと難水溶性のアルカンジオールである 1, 2—オクタンジオールをインク中に添カ卩した、普通紙に対して滲みの少な、インクが開示されて!、る。また、特開 2005— 263970号公報には、界面活性剤として、アセチレングリコール化合物とポリシロキサンィ匕合物とを含み、さらに 1, 2—オクタンジオールを用いることにより、普通紙で高印字濃度を実現できるインク組成物が開示されている。

[0004] ところで、近年、デジタルデータ力の画像形成技術が普及したことに伴、、特に印刷分野では、デジタルカラープルーフ（DTP)のニーズが高まっており、 DTPにもインクジェット記録方式が適用され始めている。 DTPにおいては印刷物の色再現、安定性再現が求められることから、インクジェット記録方式によりプルーフを作製する場合は、通常、インクジェット記録用の専用紙が使用される。しかし、色校正用途としては印刷本紙対応の要望が高ぐまた専用紙を用いずに直接印刷本紙に出力して最終校正見本とできれば、校正に力かるコストを大幅に低減できると考えられる。印刷本紙は、その表面に油性インクを受容する層が設けられた塗工紙であり、かつ塗工層のインク吸収能力が乏し、ため、インクジェット記録に一般的に用いられて、る水性の顔料インクを使用すると、インクの記録媒体への浸透性が低ぐ画像に滲みや凝集むらが生じる場合がある。

[0005] このような問題に対し、上記のようなポリシロキサン系界面活性剤とその溶解助剤としての 1, 2—へキサンジオールとを含有する高浸透性のインクを用いると、滲みは改善されるものの、プルーフと最終印刷物と色再現や安定的な再現性が問題となる場合があった。

発明の概要

[0006] 本発明者らは、今般、特定の 2種類のアルカンジオールと界面活性剤としてのポリオルガノシロキサンィ匕合物とを組み合わせてインク中に添加することにより、各種記録媒体、とりわけ、印刷本紙においても、光沢性に優れ、かつ色再現性が良好であるとともに、吐出安定性や目詰まり回復性に優れるインク組成物を実現できる、との知見を得た。本発明は力かる知見によるものである。

[0007] 従って、本発明の目的は、各種記録媒体、とりわけ、印刷本紙においても、光沢性に優れ、かつ色再現性が良好であるとともに、吐出安定性や目詰まり回復性に優れるインクジェット記録用インク組成物を提供することにある。

[0008] そして、本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、着色剤と、水と、アル力ンジオールと、界面活性剤とを少なくとも含んでなるインクジェット記録用インク組成物であって、

前記アルカンジオール力水溶性の 1, 2—アルカンジオールと、難水溶性の 1, 2 アルカンジオールとを含んでなり、

前記界面活性剤がポリオルガノシロキサンであるものである。

[0009] 本発明によれば、各種記録媒体、とりわけ印刷本紙にぉ、ても、光沢性に優れ、かつ色再現性が良好なインクジェット記録用インク組成物を実現できる。

発明の具体的説明

[0010] 本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、着色剤と、水と、アルカンジォールと、界面活性剤とを必須成分として含有するものであり、アルカンジオールとして、水溶性の 1, 2—アルカンジオールと、難水溶性の 1, 2—アルカンジオールとの 2種類のアルカンジオールを用い、前記界面活性剤としてポリオルガノシロキサンを用いるものである。以下、各成分について説明する。

[0011] くアルカンジオール >

本発明によるインクジェット記録用インク組成物に用いられるアルカンジオールは、水溶性の 1, 2—アルカンジオールと、難水溶性の 1, 2—アルカンジオールとの少なくとも二種類のアルカンジオールを含有する。これら特定の二種類のアルカンジォールを、下記に説明する界面活性剤とともに用いることにより、印刷本紙のような表面が榭脂で被覆された記録媒体においても光沢性に優れるとともに色再現性も良好な画像を実現することができる。また、普通紙に適用した場合であっても裏抜けが改善されるため、両面印刷の用途に好適に使用できる。この理由は定かではないが、以下のように考えられる。

[0012] 従来のインクジェット記録に用いられる高浸透性のインクは、上記したように、表面張力を低下させて滲みを改善するために、 1, 2 へキサンジオールや 4ーメチルー 1 , 2—ペンタンジオールが好ましく用いられている。しかしながら、 1, 2—へキサンジオール等の水溶性の 1 , 2—アルカンジオールのみによって、インクの表面張力を極めて低くするためには、多量の添加を要する。例えば、 1, 2 へキサンジオールや 4 メチル 1 , 2 ペンタンジオールの 15wt%水溶液の表面張力は 25〜26mN/m である。これによりインクの粘度が増加するため、ドットのインク重量が減少する。そのため、ドットのインク重量を精緻に制御しにくくなり、ヘッドからインクを吐出すると、着弾位置のずれやミストイ匕を生じたり印字耐久不良を起こすことがある。その結果、発色性が低下し、粒状性が劣化したり、凝集むらや色間滲みが発生する場合があり、ひいては印字不良を引き起こす原因となる。一方、 1, 2-オクタンジオール等の難水溶性 1, 2—アルカンジオールのみの添加では、特に低温において、インク中の難水溶性 1, 2—アルカンジオールが分離して印字不良を引き起こす場合がり、低温や高温での貯蔵安定性も劣る場合がある。一方、特開 2005— 263970号公報に記載のインクのように、アセチレングリコール系界面活性剤を用いて溶解させると、高温での貯蔵安定性が劣る場合がある。

[0013] また、インク滴が記録媒体に付着すると、界面活性剤が選択優先的に記録媒体中に浸透して、記録媒体表面に留まるインク滴中の界面活性剤の相対量が欠しくなる過渡浸透期が存在する。この過渡浸透期においては、インクの表面張力が急激に上昇するため、インクが記録媒体に浸透しきれずに溢れ、凝集斑や乾燥不良になると考えられる。特に、従来のアルカンジオールを含有するインクを印刷本紙に適用すると、インク受容層が薄ぐインクジェット記録専用紙と比較して記録媒体へのインク吸収量が低いため、 linchZm²あたりのインク重量 (色材量）が少なくなり、色再現性が悪化するものと考えられる。

本発明においては、水溶性の 1, 2—アルカンジオールと、難水溶性の 1, 2—アル力ンジオールとの特定の二種類のアルカンジオールを添加することにより、界面活性剤の相対量が欠しくなつた過渡浸透期においても、表面張力の急激な上昇を抑制するとともに、親油性の難水溶性アルカンジオールを含有することにより、油性塗工層を有する印刷本紙との親和性によって、浸透不良による溢れや、凝集斑、乾燥不良を低減できる。

[0014] また、水溶性の 1, 2—アルカンジオールのような水溶性浸透剤を多量に含むインク組成は、普通紙において、浸透性が著しいため発色性に劣る場合があるが、難水溶性の 1, 2—アルカンジオールのような油状物を、水溶性の 1, 2—アルカンジオールのような水溶性浸透剤で適度に乳化溶解または完全溶解させることで、発色性の低下を防ぐことができる。これは、普通紙の繊維質に対して油状物である難水溶性の 1 , 2—アルカンジオールが選択優先的に浸透し、繊維質を膨潤させ、水溶性成分に分散している色材顔料の繊維層間の浸透を妨げているものと考えられる。

[0015] 本発明においては、水溶性 1, 2 アルカンジオールとして、分枝を有してもよい炭素数 5または 6の 1, 2 アルカンジオールが好ましぐ 4ーメチルー 1, 2 ペンタンジオール、 1, 2 ペンタンジオール、 3, 3 ジメチルー 1, 2 ブタンジオール， 1, 2— へキサンジオールが挙げられる。特にこれらの中でも 1, 2—へキサンジオールおよび Zまたは 4ーメチルー 1, 2 ペンタンジオールを使用することが好ましい。

[0016] 水溶性 1, 2 アルカンジオールは、インク組成物全体に対して 3重量％以上含有されていることが好ましぐ 3〜15重量％含有されていることがより好ましい。この範囲とすることにより、難水溶性の 1, 2—アルカンジオールの分離を抑制することができ、吐出が安定する。

[0017] 難水溶性の 1, 2 アルカンジオールとしては、分岐を有してもよい炭素数 8以上の 1, 2 アルカンジオールを有するものを使用することが好ましぐ 4, 4 ジメチルー 1 , 2 ペンタンジオール、 5—メチルー 1, 2 へキサンジオール， 1, 2 ヘプタンジォール、 1, 2—オクタンジオールが挙げられる。特に、 1 , 2—オクタンジオールを使用することが好ましい。

[0018] 難水溶性の 1, 2 アルカンジオールは、インク組成物全体に対して、 0. 3〜15. 0 重量％含有されていることが好ましぐ 0. 3〜3. 0重量％含有されていることがより好ましい。この範囲とすることにより、難水溶性の 1, 2—アルカンジオールの分離を抑制することができ、吐出が安定する。また、 15wt%を超える量の水溶性の 1, 2 ァルカンジオールを含まなくとも、表面張力を極めて低くすることができ、粘度の低下と凝集の抑制と貯蔵安定性に効果がある。例えば、 4—メチル 1, 2 ペンタンジォールを 7wt%、 1, 2 オクタンジオールを 3wt%含む水溶液の表面張力は 25mN/m 以下である。

[0019] 本発明においては、上記した水溶性の 1, 2 アルカンジオールと難水溶性の 1, 2 アルカンジオールとの含有量比は、重量基準において 10 : 1〜1： 1であることが好ましい。この範囲の混合比とすることにより、難水溶性の 1, 2—アルカンジオールの分離を抑制することができ、吐出が安定する。また、袅抜けおよび Zまたは凝集斑をより低減することができる。

[0020] さらに、本発明においては、浸透溶剤として、ポリオキシエチレン鎖および Zまたはポリプロピレン鎖が付加された、炭素数が 5〜10の 1. 2—アルカンジオールおよび Z またはラタタム類および Zまたはラタトン類を含んで、てもよ、。

[0021] <界面活性剤 >

本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、必須成分として界面活性剤を含む。記録媒体として、その表面にインクを受容するための榭脂がコーティングされたものに対して、界面活性剤を用いることにより、光沢感がより重視される写真紙等の記録媒体においても、優れた光沢を有する画像を実現することができる。とりわけ、印刷本紙のように、表面の受容層に油性インクを受容するための塗布層が設けられて!/ヽるような記録媒体を用いた場合であっても、色間の滲み (ブリード）を防止できるとともに、インク付着量の増加に伴い発生する光の反射光による白化を防止することができる。

[0022] 本発明において用いられる界面活性剤としては、オルガノポリシロキサン系界面活性剤を使用する。オルガノポリシロキサン系界面活性剤を用いた場合、上記したような特定の 2種類のアルカンジオールを含有するため、界面活性剤のインク中への溶解性が向上し、不溶物等の発生を抑制できるため、吐出安定性がより優れるインク組成物を実現できる。

[0023] また、オルガノポリシロキサン系界面活性剤として、下記式：

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 7〜： L 1の整数を表し、 mは 20〜70 の整数を表し、 nは 2〜5の整数を表す。 ) で表される一種ままたは二種以上の化合物を含んでなることがより好ま、。このような特定のオルガノポリシロキサン系界面活性剤を使用することにより、より一層インクの凝集むらが改善できる。

[0024] また、本発明の別の好ま、態様として、上記式で表されるポリシロキサンィ匕合物において、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 2〜5の整数を表し、 mは 20〜70 の整数を表し、 nは 2〜4の整数を表す、一種または二種以上の化合物を含んでいてちょい。

[0025] また、上記の各ポリオルガノシロキサンィ匕合物を含有する場合、さらに界面活性剤として、上記式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 9〜13の整数を表し、 mは 2〜4の整数を表し、 nは 1または 2を表されるポリシロキサンィ匕合物を含有して、ることが好ましい。このようなポリシロキサンィ匕合物を併用することにより、より一層インクの凝集むらが改善できる。

[0026] 上記のような特定のポリオルガノシロキサンィ匕合物を含有することにより、インクの凝集むらが改善できる理由は、以下のように考えられる。すなわち、例えば、グリセリン（グリセロール）を 20wt%と、 1. 2—へキサンジオールを 10wt%と、上記界面活性剤を 0. lwt%含む水溶液では、水溶液の 1Hzの表面張力が 25mN/m以下になり、上記の界面活性剤を含有することにより、グリコール類を含む水溶液を極めて低い表面張力にできるためであると考えられる。なお、アセチレングリコール系界面活性剤である、サーフィノール 465は、上記と同様の組成の水溶液にした場合の表面張力は 25 mN/m以上となる。

[0027] 上記のような界面活性剤は市販されているものを用いもよぐ例えば、 KF- 954A 、 KF- 353A, KF6017, X— 22— 6551、 AW— 3 (いずれも、信越ィ匕学工業株式会社製)等を用いることができる。

[0028] 上記界面活性剤は、本発明によるインク組成物中に、好ましくは 0. 01〜2. 00重量％、より好ましくは 0. 05〜0. 50重量％含有される。特に、 Rカチル基である上記界面活性剤を使用する場合は、 Rが Hである上記界面活性剤を用いた場合よりも、含有量を多くすることが好ましい。

[0029] 本発明によるインク組成物には、その他の界面活性剤、具体的には、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ァ-オン界面活性剤、ノ-オン界面活性剤、両性界面活性剤等をさらに添加しても良い。

[0030] これらのうち、アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、 2, 4, 7, 9 - テトラメチルー 5—デシン—4, 7—ジオール、 3, 6—ジメチルー 4ーォクチン—3, 6 ージオール、または 3, 5 ジメチルー 1一へキシン 3オール、 2, 4 ジメチルー 5 一へキシン 3—オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、例えば、オルフイン E1010、 STG、 Y (商品名、日信ィ匕学社製）、サーフィノーノレ 61、 104, 82, 465, 485あるいは TG (商品名、 Air Products and Chmicals Inc.製)が挙げられる。

[0031] さらに、浸透溶剤として、ポリオキシエチレン鎖および Zまたはポリプロピレン鎖が付加された、炭素数が 5〜10の 1. 2 アルカンジオールおよび Zまたはラタタム類および Zまたはラタトン類を含んで、てもよ、。

[0032] <着色剤>

本発明によるインクジェット記録用インク組成物に用いられる着色剤としては、染料および顔料の、ずれも使用することができるが、耐光性や耐水性の観点から顔料を好適に使用できる。

[0033] 顔料としては、無機顔料および有機顔料を使用することができ、それぞれ単独または複数種混合して用いることができる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタンおよび酸化鉄の他に、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によつて製造されたカーボンブラックが使用できる。また、前記有機顔料としては、ァゾ顔料 (ァゾレーキ、不溶性ァゾ顔料、縮合ァゾ顔料、キレートァゾ顔料等を含む)、多環式顔料 (例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジォキサジン顔料、チォインジゴ顔料イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート (例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等）、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、ァ-リンブラック等が使用できる。

[0034] 顔料の具体例は、本発明による顔料分散液を用いて得ようとするインク組成物の種類 (色）に応じて適宜挙げられる。例えば、イェローインク組成物用の顔料としては、 C. I.ビグメントイエロー 1、 2、 3、 12、 14、 16、 17、 73、 74、 75、 83、 93、 95、 97、 98、 109、 110、 114、 128、 129、 138、 139、 147、 150、 151、 154、 155、 180、 185等が挙げられ、これらの 1種または 2種以上が用いられる。これらのうち、特に C.

1.ビグメントイエロー 74、 110、 128および 147からなる群力も選ばれる 1種または 2 種以上を用いることが好ましい。また、マゼンタインク組成物用の顔料としては、例えば、 C. I.ビグメントレッド 5、 7、 12、 48 (Ca)、 48 (Mn)、 57 (Ca)、 57 : 1、 112、 12

2、 123、 168、 184、 202、 209 ;C. I.ピグメントノィ才レット 19等力 ^挙げ、られ、これらの 1種または 2種以上が用いられる。これらのうち、特に C. I.ビグメントレッド 122、 202、 209および C. I.ビグメントバイオレット 19からなる群から選ばれる 1種または 2 種以上を用いることが好ましい。また、シアンインク組成物用の顔料としては、例えば、 C. I.ビグメントブルー 1、 2、 3、 15 : 2、 15 : 3、 15 :4、 15 : 34、 16、 22、 60 ;C. I. ノノトブルー 4、 60等が挙げられ、これらの 1種または 2種以上が用いられる。これらのうち、特に C. I.ビグメントブルー 15 : 3および Zまたは 15 :4を用いることが好ましく、とりわけ、 C. I.ビグメントブルー 15 : 3を用いることが好ましい。また、ブラックインク組成物用の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック（C. I.ビグメントブラック 7)類、酸ィ匕鉄顔料等の無機顔料;ァ-リンブラック (C. I.ビグメントブラック 1)等の有機顔料等が挙げられる。

[0035] 本発明におヽて、顔料は、後述する分散剤と混練処理された顔料であることが好ましぐ表面処理されていない顔料であっても、優れたカラー画像を形成することができる。

[0036] <分散剤 >

本発明によるインク組成物は、着色剤を分散させるための分散剤として、疎水性モノマーと親水性モノマーとの共重合榭脂を含んでなることが好ま U、。これら共重合榭脂は、顔料に吸着して分散性を向上させる。

[0037] 疎水性モノマーの具体例としては、たとえばメチルアタリレート、メチルメタタリレート、ェチルアタリレート、ェチルメタタリレート、 n—プロピルアタリレート、 n—プロピルメタタリレート、 iso—プロピルアタリレート、 iso—プロピルメタタリレート、 n—ブチルアタリレート、 n—ブチノレメタタリレート、 sec—ブチノレアタリレート、 sec—ブチノレメタタリレート、 t ert ブチルアタリレート、 tert ブチルメタタリレート、 n キシルアタリレート、 n キシルメタタリレート、 n—ォクチルアタリレート、 n—ォクチルメタタリレート、 iso オタチルアタリレート、 iso—ォクチルメタタリレート、 2—ェチルへキシルアタリレート、 2—ェチルへキシルメタタリレート、デシルアタリレート、デシルメタタリレート、ラウリルアタリレート、ラウリルメタタリレート、ステアリルアタリレート、ステアリルメタタリレート、 2—ヒドロキシェチルアタリレート、 2—ヒドロキシェチルメタタリレート、 2—ヒドロキシプロピルァクリレート、 2—ヒドロキシプロピルメタタリレート、 2—ジメチルアミノエチルアタリレート、 2 ージメチルアミノエチルメタタリレート、 2—ジェチルアミノエチルアタリレート、 2—ジェチルアミノエチルメタタリレート、グリシジルアタリレート、グリシジルメタタリレート、ァリノレアタリレート、ァリルメタタリレート、シクロへキシルアタリレート、シクロへキシノレメタクリレート、フエ-ルアタリレート、フエ-ルメタタリレート、ノ-ルフエ-ルアタリレート、ノ -ルフエ-ルメタタリレート、ベンジルアタリレート、ベンジルメタタリレート、ジシクロぺンテュルアタリレート、ジシクロペンテ-ルメタタリレート、ボル-ルアタリレート、ボル- ルメタタリレート、 1,3—ブタンジオールジアタリレート、 1,3—ブタンジオールジメタタリレート、 1,4 ブタンジオールジアタリレート、 1,4 ブタンジオールジメタタリレート、ェチレングリコールジアタリレート、エチレングリコーノレジメタクリレート、ジエチレングリコールジアタリレート、ジエチレングリコールジメタタリレート、トリエチレングリコールジァタリレート、トリエチレングリコールジメタタリレート、テトラエチレングリコールジアタリレート、テトラエチレングリコールジメタタリレート、ポリエチレングリコールジアタリレート、ポリエチレングリコールジメタタリレート、ネオペンチルグリコールジアタリレート、 1,6— へキサンジオールジアタリレート、 1,6 へキサンジオールジメタタリレート、ジプロピレングリコールジアタリレート、ジプロピレングリコールジメタタリレート、トリメチロールプロノントリアタリレート、トリメチロールプロパントリメタタリレート、グリセロールアタリレート、グリセロールメタタリレート、スチレン、メチルスチレン、ビュルトルエン等を挙げることができる。これらは、単独でまたは 2種以上を混合して用いてもよい。

[0038] 親水性モノマーの具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ィタコン酸等を挙げることができる。

[0039] 前記疎水性モノマーと親水性モノマーとの共重合榭脂は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、スチレン（メタ)アクリル酸共重合榭脂、スチレン一メチルスチレン一（メタ)アクリル酸共重合榭脂、またはスチレン一マレイン酸共重合榭脂、（メタ)アクリル酸（メタ)アクリル酸エステル共重合榭脂、またはスチレン（メタ)アクリル酸（メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂の少なくともいずれかであることが好ましい。

[0040] 前記共重合榭脂は、スチレンと、アクリル酸またはアクリル酸のエステルと、を反応して得られる重合体を含む榭脂 (スチレン—アクリル酸榭脂）であってもよ!ヽ。ある!、は、前記共重合榭脂は、アクリル酸系水溶性榭脂であってもよい。またはこれらのナトリゥム、カリウム、アンモ-ゥム等の塩であってもよい。

[0041] これら共重合樹脂の含有量は、カラー画像の光沢性、ブロンズ防止、およびインク組成物の保存安定性を両立するとともに一層光沢性に優れたカラー画像を形成できる観点からは、前記顔料 100重量部に対して、好ましくは 10〜50重量部であり、一層好ましくは 10〜35重量部である。

[0042] また、分散剤として好ま、界面活性剤の例としては、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥珀酸エステル塩、ナフテン酸塩、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルァリルスルホン酸塩類などの陰イオン界面活性剤;脂肪酸ァミン塩、第四アンモ-ゥム塩、スルホ -ゥム塩、ホスホ-ゥムなどの陽イオン界面活性剤；ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。上記した界面活性剤はインク組成物に添加されることで、界面活性剤としての機能をも果たすことは言うまでもないが、記録媒体との接触角が上記の範囲になるように、添加する必要がある。

[0043] <水、その他の成分 >

本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、上記した特定の溶剤および界面活性剤、その他の各種添加剤を含有するとともに、溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸ィ匕水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘つてカビゃバクテリアの発生が防止されるので好ましい。

[0044] 本発明によるインクジェット記録用インク組成物は、有機アミンをさらに含有することができる。記録画像を形成する際に記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてィンクの浸透性を高めることができ、かつ、インク組成物の pHを容易に好適な範囲に調整することができる。有機ァミンとしては、三級ァミンが好ましく使用できる。

[0045] 三級ァミンとしては、例えば、トリエタノールァミン等のアルカノールァミン等が挙げられる。なお、本発明によるインク組成物は、その pHが 8〜12、特に 8〜10であることが好ましい。 pHが力かる範囲内にあると、インクと接触する部材の劣化を防止することができる。

[0046] 有機ァミンのインク組成物全重量に対する含有量は、 0. 1重量％以上であるが、記録画像を形成する際に記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができ、かつ、インクの吐出安定性、保存安定性、および高速印刷の観点から、好ましくは 0. 1〜8. 0重量％、より好ましくは 0. 5〜5. 0重量％、更に好ましくは 1. 0〜3. 0重量％である。

[0047] また、本発明によるインク組成物は、上記成分にカ卩えて、浸透剤を含んでなることが好ましい。

[0048] 浸透剤としては、グリコールエーテル類を好適に使用できる。

[0049] グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコーノレモノエチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノ iso プロピノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノー _n—ブチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノー iso ーブチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノー tert—ブチノレエーテノレ、エチレングリコ一ノレモノメチノレエーテノレアセテート、ジエチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、ジェチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノー n プロピノレエ一テル、ジエチレングリコールモノー iso プロピルエーテル、ジエチレングリコーノレモノ n ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノー tert ブチルエーテル、トリェチレングリコーノレモノー _n—ブチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノェチノレエーテル、プロピレングリコーノレモノー n プロピノレエ一テル、プロピレングリコーノレモノー iso プロピノレエ一テル、プロピレングリコーノレモノー n ブチルエーテル、プロピレングリコールモノー tert ブチルエーテル、ジプロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、ジプロピレングリコーノレモノェチノレエーテル、ジプロピレングリコ一ノレモノ n プロピルエーテル、ジプロピレングリコール iso プロピノレエーテル、ジプロピレングリコーノレモノー n—ブチノレエーテル、ジプロピレングリコールモノー tert ブチルエーテル、 1ーメチルー 1ーメトキシブタノールなどが挙げられ、これらの 1種又は 2種以上の混合物として用いることができる。

[0050] 上記グリコールエーテル類のなかでも、多価アルコールのアルキルエーテルが好ましぐ特にエチレングリコールモノェチルエーテル、エチレングリコールモノー _n—ブチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノエチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノー _n—ブチノレエーテノレ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノェチルエーテル又はトリエチレングリコールモノー _n—ブチルエーテルが好ましい。より好ましくは、トリエチレングリコールモノー n ブチルエーテルである。

[0051] 上記浸透剤の添加量は適宜決定されてよいが、 0. 1〜30重量％程度が好ましぐより好ましくは 1〜 20重量％程度である。

[0052] また、本発明によるインク組成物は、上記成分に加えて、記録媒体溶解剤を含んでなることが好ましい。

[0053] 記録媒体溶解剤としては、 N—メチルー 2 ピロリドンなどの、ピロリドン類および Z または γ—プチ口ラタトンなどのラタトン類を好適に使用できる。上記記録媒体溶解剤の添加量は適宜決定されてよいが、 0. 1〜30重量％程度が好ましぐより好ましくは 1〜20重量％程度である。

[0054] また、本発明によるインクジェット記録用インク組成物にぉ、ては、湿潤剤を含んでなることが好ましい。湿潤剤としては、多価アルコール類および/または糖類を好適に使用できる。多価アルコール類の具体例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等が挙げられる

。糖類の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類 (三糖類および四糖類を含む )および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、ァラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、（ソルビット）、マノレトース、セロビオース、ラタトース、スクロース、トレノヽロース、マノレトトリオース、などがあげられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、 a—シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖 (例えば、糖アルコール (一般式 HOCH (CHOH) CH OH (ここで、 n= 2〜5の整数を表す）で表される）、酸

2 n 2

化糖 (例えば、アルドン酸、ゥロン酸など）、アミノ酸、チォ糖など）があげられる。特に糖アルコールが好ましぐ具体例としてはマルチトール、ソルビトール、キシリトールなどが挙げられる。市販品としては HS500 (林原商事製)を好適に使用することもできる。ヒアルロン酸塩は、ヒアルロン酸ナトリウム 1%水溶液（分子量 350000)として巿販されているものを使用することができる。また、トリメチロールプロパン、 1, 2, 6—へキサトリオールも好適に用いることができる。

[0055] 湿潤剤の添加量は適宜決定されても良いが、 0. 1〜30重量％が好ましぐより好ましくは 1〜20重量％程度、さらに好ましくは 6〜16重量％である。なお、上記した浸透溶剤の一部は、湿潤剤としても作用することは、当業者にとって明らかである。

[0056] 本発明によるインク組成物は、さらにノス、ノレの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、 PH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを添カロすることができる。

[0057] 防腐剤'防かび剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフエノールナトリウム、 2—ピリジンチオール一 1—オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、 1,2—ジベンジンチアゾリン— 3—オン（ICI社のプロキセル CRL、プロキセル BND、プロキセル GXL、プロキセル XL— 2、プロキセル TN)等を挙げることができる。

[0058] さらに、 pH調整剤、溶解助剤又は酸ィ匕防止剤の例として、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、プロパノールァミン、モルホリンなどのアミン類及びそれらの変成物、水酸ィ匕カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモユウム、四級アンモ-ゥム水酸ィ匕物 (テトラメチルアンモ -ゥムなど）、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいは N—メチル— 2—ピロリドン、尿素、チォ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビゥレットなどのピウレット類など、 L—ァスコルビン酸及びその塩を挙げることができる。

[0059] また、本発明によるインク組成物は、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含んでヽてもよぐその例としては、チノく'スぺシャリティーケミカルズ社の Tinuvin 328、 900、 11 30、 384、 292、 123、 144、 622、 770、 292、 Irgacor 252 153、 Irganox 1010 、 1076、 1035、 MD1024、ランタ-ドの酸化物等を挙げることができる。

[0060] 本発明によるインク組成物は、上記の各成分を適当な方法で分散 *混合することよつて製造することができる。好ましくは、まず顔料と高分子分散剤と水とを適当な分散機（例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど）で混合し、均一な顔料分散液を調製し、次いで、別途調製した榭脂 (榭脂ェマルジヨン )、水、水溶性有機溶媒、糖、 _PH調製剤、防腐剤、防かび剤等を加えて十分溶解させてインク溶液を調製する。十分に攪拌した後、目詰まりの原因となる粗大粒径及び異物を除去するためにろ過を行って目的のインク組成物を得ることができる。

[0061] インクジェット記録方法

本発明によるインクジェット記録方法は、上記のインク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うものであり、吐出したインク液滴を、ドットが重なり合うようにして記録媒体に付着させるものである。本発明による記録方法にぉ、ては、記録媒体として印刷本紙を用いることが好ましぐこのような特定の記録媒体を用いた場合もで、光沢性に優れ、かつ色再現性が良好な画像を実現できる。

[0062] また、本発明のインクジェット記録方法にぉ、ては、記録ヘッドの走査方向に対して垂直方向のドット配置が、交互に配置されるようにインク糸且成物の液滴を吐出することが好ましい。このような巿松模様の配置となるようにドットを形成した場合、上記した本発明のインク組成物を使用すると、従来のインク組成物と比較して、凝集むらが顕著に改善される。

実施例

[0063] 以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。

[0064] <インク組成物の調製 >

下記表 1の組成に従い各成分を混合し、 10 mのメンブランフィルターでろ過することにより、各インクを調製した。

[0065] [表 1]

表 1

(注 1) のポリシロキサン界面活性剤は、 AW- 3： X- 22-6551=9： 1である。

表 1 (つづき)

なお、表中のスチレン一アクリル酸系榭脂は、分子量 1600、酸価 150の共重合体である。

[0066] <評価 >

出安定件

インクジェットプリンタ（PX—G900、セイコーエプソン社製）を用い、各インクについて写真用紙の推奨きれいモードで、 5°C (低温）にて、ベタおよび線のパターンを連続印刷した。印刷 1000頁内でのインクのドット抜けや飛行曲がりを観察し、以下の基準に基づき評価を行った。

A：ドット抜けや飛行曲がりが 1本もな!/、。

B:ドット抜けや飛行曲がりが 10本以下。

C :ドット抜けや飛行曲がりが 10本よりも多い。

[0067] 評価結果は、下記表 2に示される通りであった。

[0068] 目詰り回街件評価

上記のインクジェットプリンタを用い、各インクをヘッドに充填して全てのノズル力ィンクが吐出していることを確認した後、ノズルでの乾燥状態を加速するために、インクカートリッジを外し、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、 40°C20%RHの環境に 1週間放置した。

[0069] 放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価した。

A: 3回以内のクリーニング操作で初期と同等に回復。

B: 6回以内のクリーニング操作で初期と同等に回復。

C : 6回のクリーニング操作後、 6時間放置後、さらに 1回のクリーニングで初期と同等に回復。

[0070] 評価結果は、下記表 2に示される通りであった。

[0071] 発色性

上記と同様のインクジェットプリンタのインクカートリッジにインクセット 1を装着し、「普通紙推奨キレイモード」を選択し、「ダロスオプティマイザなし」のの設定により、 Xer 0x4024紙（ゼロックス社製）に、 720 X 720dpiの解像度でベタ印刷し、 25°Cで 24 時間放置後、記録面の OD値を、ダレタグ社製の SPM50を用いて測定した。画像の発色性は、以下の基準に基づき評価を行った。

八: 00値が1. 2以上

：00値が1. 1以上 1. 2未満

じ：00値が1. 1未満

[0072] 同様にして、インクセット 2〜9についても色再現性の評価を行った。評価結果は、表 2に示される通りであった。

[0073] feけ

上記と同様のインクジェットプリンタのインクカートリッジにインクセット 1を装着し、「写真用紙推奨キレイモード」を選択し、「ダロスオプティマイザなし」のの設定により、 X erox4024紙（ゼロックス社製）に、 1440 X 720dpiの解像度でベタ印刷し、 25°Cで 2 4時間放置後、記録面の裏面の OD値を、ダレタグ社製の SPM50を用いて測定した。裏抜けの程度は、以下の基準に基づき評価を行った。

八：00値が0. 06未満

8 : 00値が0. 06以上

[0074] 同様にして、インクセット 2〜9についても色再現性の評価を行った。評価結果は、表 2に示される通りであった。

[0075] インク凝奪むら

上記で得られた各インクにおいて、インクセット 1について、上記と同様のインクジェットプリンタのインクカートリッジに装着し、印刷本紙である OKトップコートプラス（王子製紙製）に、 1440 X 1440dpiの解像度で印刷を行った。この際の印刷条件として、記録ヘッドの 1駆動によって 720 X 180dpiの解像度となるような単方向の記録方法において 7ngのドット重量となるように、インクの吐出量の調整を行った。

なお、駆動ヘッドは 200cpsである。

[0076] 得られた記録物において、下記のような基準によりインクの凝集むらの評価を行つた。

AA: 5. 2mgZinch²のインク重量でも、凝集むらがない

A: 4. 4mgZinch²のインク重量でも、凝集むらがないが、 5. 2mgZinch²のインク重量では、凝集が発生する。

B: 3. 6mgZinch²のインク重量でも、凝集むらがないが、 4. 4mgZinch²のインク重量では、凝集が発生する。

C : 3. 6mgZinch²のインク重量でも、凝集むらが発生する

[0077] 同様にして、インクセット 2〜9についいても凝集むらの評価を行った。評価結果は

、表 2に示される通りであった。

[0078] [表 3] 表 2

吐出安定性目詰まり性発色性裏抜けインク凝集むら離例 1 A A B B B 離例 2 B B A A A 難例 3 A A A A A A 錢例 4 A A B B A A 難例 5 A A B B A A 比棚 1 A C C B C 比棚 2 C B B A C 比棚 3 A C C B C 比翻 4 B B B B C

Claims

請求の範囲

着色剤と、水と、アルカンジオールと、界面活性剤とを少なくとも含んでなるインクジエツト記録用インク組成物であって、

前記界面活性剤がポリオルガノシロキサンである、インクジェット記録用インク組成物。

[2] 前記水溶性 1, 2 アルカンジオール力分枝を有してもよい炭素数 5または 6の 1, 2—アルカンジオールである、請求項 1に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[3] 前記水溶性 1, 2—アルカンジオール力 1, 2—へキサンジオールおよび Ζまたは 4ーメチルー 1, 2 ペンタンジオールである、請求項 2に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[4] 前記難水溶性 1, 2 アルカンジオール力分岐を有してもよい炭素数 7〜： L0の 1, 2 アルカンジオールである、請求項 1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[5] 前記難水溶性 1, 2 アルカンジオールが 1, 2 オクタンジオールである、請求項 4 に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[6] 前記ポリオルガノシロキサン力下記式：

[化 1]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 7〜： L 1の整数を表し、 mは 20〜70 の整数を表し、 nは 2〜5の整数を表す。 )

で表される一種ままたは二種以上の化合物を含んでなる、請求項 1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。前記ポリオルガノシロキサン力下記式:

[化 2]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 2〜5の整数を表し、 mは 20〜70の整数を表し、 nは 2〜4の整数を表す。 )

で表される一種または二種以上の化合物を含んでなる、請求項 1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[8] 界面活性剤として、下記式で表されるポリオルガノシロキサンをさらに含んでなる、請求項 6または 7に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[化 3]

(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 aは 9〜13の整数を表し、 mは 2〜4の整数を表し、 nは 1または 2を表す。 )

[9] 前記水溶性 1, 2—アルカンジオール力インク組成物全体に対して 3重量％以上含まれてなる、請求項 1〜8の、ずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[10] 前記難水溶性 1, 2—アルカンジオール力インク組成物全体に対して 0. 3重量％以上含まれてなる、請求項 1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。

前記水溶性 1, 2—アルカンジオールと、前記難水溶性 1, 2—アルカンジオールと、の添加量の比が、 10 : 1〜1 : 1である、請求項 1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物。

[12] インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジエツト記録方法であって、請求項 1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いる、インクジェット記録方法。

[13] 前記記録媒体が印刷本紙である、請求項 12に記載の方法。

[14] 請求項 12または 13に記載のインクジェット記録方法によって記録が行われた、記録物。