WO2007086098A1 - エレベータの遠隔発報システム - Google Patents

Abstract

　比較的簡単な構成で遠隔による発報システムを構築でき、エレベータで異常が発生した場合に迅速な対応を可能にする。 　エレベータ制御装置２と、エレベータ制御装置２２とは独立して設けられ、エレベータ制御装置からのエレベータの故障情報を無線通信で発報する無線発報装置３と、エレベータが設置されたビルとは離隔して設置され、無線通信可能な管理装置４と、無線発報装置３及び管理装置４と基地局６を介して無線通信可能な携帯端末５とを備え、管理装置４は、各エレベータに対応する管理情報を予め登録したデータベース４２と、故障情報の受信時にデータベース４２に登録された管理情報に基づいて発報先を決定し故障情報の内容に基づいて発報する電文を作成する通信情報作成手段４５と、決定された発報先となる携帯端末に作成された電文を送信する無線通信手段４１とを有し、無線発報装置３は、エレベータのかご１内に備えられたスピーカ１１と接続して発報先となる携帯端末５からかご内乗客に対する会話を可能にするかご内通話手段３３を有する。

Description

明 細 書

エレベータの遠隔発報システム 技術分野

[0001] この発明は、エレベータの遠隔発報システムに関するものである。

背景技術

[0002] 従来より、エレベータ、エスカレータ等の昇降機と遠隔地に設置された集中監視セ ンターとを、一般の公衆回線にて接続し、特定の地域に設置された昇降機の状態や 故障情報を一括で監視し、また、必要に応じて昇降機に対して制御を行う、遠隔監 視制御システムが実現され運用されている。また、近年の一般公衆回線の高速化、 大容量化に伴い、既存の電話回線を使用して、これまでのアナログ回線に加えて、ィ ンターネット等を実現するための高速デジタル回線網が幅広く整備され、画像情報 や音声情報を高速でリアルタイムに伝送することが可能になってきた。

[0003] 一方、エレベータが万一故障して、乗客がかご内に閉じ込められた場合には、直ち にエレベータの管理者または保守会社に発報し、閉じ込められた乗客を救出すると ともに、速やかにエレベータを正常状態に復帰させることが特に要求されるようになつ てきた。

[0004] 従来より、このような遠隔発報システムについては様々な提案がされている。例えば 、異常発生の場合には、インターネットを介して保守員の携帯端末に異常情報と故 障前情報を発報する案が提案されている (例えば、特許文献 1参照)。また、監視セ ンター側で故障履歴を予め記憶しておき、故障が発生した場合に、保守員の携帯端 末に故障履歴を送信する案が提案されている (例えば、特許文献 2参照)。さらに、故 障が発生したビルを中心とした対応エリアと一次対応者、二次対応者の位置関係を 監視センターのモニタに表示し、重要故障の場合は一次対応者、二次対応者の携 帯電話に出動指示を自動通報する案が提案されている (例えば、特許文献 3参照)。

[0005] 特許文献 1：特開 2001— 101557号公報

特許文献 2 :特開 2003— 104644号公報

特許文献 3：特開 2004— 110117号公報 発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、従来の案では、 V、ずれの場合も大規模で高価な監視センターを整備 する必要があるため、初期の設備投資およびシステム開発に多大な費用が発生する 。また、いずれの場合も監視センター側に指示を出すためのオペレータが必要にな るため、運用面で人件費等が発生する。さらには、故障発生時の乗客への情報伝達 手段については、その記載が無ぐ万一、ビル内の管理者が不在で、かつ監視セン ターが故障した場合には、保守員が到着するまで、閉じ込められた乗客に外部から 連絡する手段が絶たれてしまう。

[0007] この発明は上述した点に鑑みてなされたもので、大規模で高価な監視センターを 設けずに、比較的簡単な構成で遠隔による発報システムを構築でき、エレベータで 異常が発生した場合に迅速な対応が可能となるエレベータの遠隔発報システムを提 供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] この発明に係るエレベータの遠隔発報システムは、エレベータの故障情報を検出 する故障情報検出手段を有するエレベータ制御装置と、前記エレベータ制御装置と は独立して設けられ、前記エレベータ制御装置からのエレベータの故障情報を無線 通信で発報する無線発報装置と、エレベータが設置されたビルとは離隔して設置さ れ、無線通信可能な管理装置と、前記無線発報装置及び前記管理装置と基地局を 介して無線通信可能な携帯端末とを備え、前記管理装置は、各エレベータに対応す る管理情報を予め登録したデータベースと、前記故障情報の受信時に前記データべ ースに登録された管理情報に基づいて発報先を決定し前記故障情報の内容に基づ Vヽて発報する電文を作成する通信情報作成手段と、決定された発報先となる携帯端 末に作成された電文を送信する無線通信手段とを有し、前記無線発報装置は、前記 エレベータの力ご内に備えられたスピーカと接続して発報先となる携帯端末からかご 内乗客に対する会話を可能にするかご内通話手段を有することを特徴とする。 発明の効果 [0009] この発明によれば、比較的簡単な構成で遠隔発報システムを構築でき、エレベータ で異常が発生した場合に、迅速な対応が可能となる。また、携帯端末とかご内で直接 通話が可能なため、ビルの管理者が不在の場合や、監視装置が故障した場合であ つてもかご内乗客と直接会話が可能となる。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]この発明の実施の形態に係るエレベータの遠隔発報システムの構成を示すブ ロック図である。

[図 2]図 1の管理装置 4内のデータベース 42に登録された管理情報を説明する図で ある。

[図 3]図 1の携帯端末 5に送信される電文の例を示す図である。

[図 4]この発明の実施の形態に係るエレベータの遠隔発報システムの詳細な動作を 説明するフローチャートである。

発明を実施するための最良の形態

[0011] 以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

図 1は、この発明の実施の形態に係るエレベータの遠隔発報システムの構成を示 すブロック図である。図 1に示されるエレベータの遠隔発報システムは、エレベータの 力ご 1内に設置され、音声アナウンスや外部との通話を行うスピーカ 11と、エレベータ 制御装置 2と、エレベータ制御装置 2とは独立して設けられる無線発報装置 3と、エレ ベータが設置されたビルとは離れた場所に設置され、無線通信可能であり、比較的 簡単な構成のコンピュータから成る管理装置 4と、無線発報装置 3及び管理装置 4と 基地局 6を介して無線通信可能な、ビルの管理人やエレベータの保守員が所持する 携帯端末 5と、基地局 6とを備えている。

[0012] ここで、前記エレベータ制御装置 2は、エレベータ全般の運行管理を行う運行制御 手段 21と、エレベータの故障を検出する故障情報検出手段 22と、エレベータの運行 状況に合わせて力ご内に音声でメッセージを報知すると共に、後述する故障情報の 発報時に、前記スピーカに外部に発報した旨を音声で報知する音声報知手段 23と カゝら成る。

[0013] また、前記無線発報装置 3は、エレベータ制御装置 2と通信を行う通信手段 31と、 外部と無線で通信を行う無線通信手段 32と、外部とかご 1内のスピーカ 11を接続し て通話を行うためのかご内通話手段 33とから成る。

[0014] さらに、前記管理装置 4は、無線を利用した外部との通信が可能となる無線通信手 段 41と、故障情報を発報するために必要な管理情報を予め登録してなるデータべ一 ス 42と、そのデータベース 42を管理するデータベース管理手段 43と、通信記録を記 憶する記録手段 44と、発生した故障情報に応じて発報する電文を作成する通信情 報作成手段 45とから成る。

[0015] 図 2は、前記管理装置 4内のデータベース 42に予め登録された管理情報を説明す る図である。図 2に示すように、データベース 42には、一例ではあるが、各エレベータ の固有番号、エレベータが設置されている建物の住所、建物名称、号機番号、無線 発報装置連絡先、ビル管理者連絡先、保守員連絡先、等の情報が記憶される。管理 されるエレベータ 1台毎にこのようなデータが定義されている。

[0016] 次に、図 3は、ビルの管理人や保守員が所持する携帯端末 5に送信される電文の 例を示す図である。図 3に示す例は、携帯端末 5の画面例であるが、故障が発生する と、故障情報" Failure Information"として、例えば、エレベータの固有番号" No. 1391 378"、故障発生日時" 2005- 09- 14 01:35:05"、建物名称" X X X X X Tower No. 1" 、故障内容" Emergency stop"等の情報が送信され、画面に表示されることになる。

[0017] 次に、本実施の形態に係るエレベータの遠隔発報システムの詳細な動作について 、図 4に示すフローチャートを参照して説明する。エレベータ制御装置 2が閉じ込めを 検出すると (ステップ ST41)、エレベータ制御装置 2は無線発報装置 3に故障情報を 伝送する (ステップ ST42)。そして、無線発報装置 3は故障情報を無線通信で管理 装置 4に送信し (ステップ ST43)、管理装置 4側は故障情報を受信する (ステップ ST 44)。また、エレベータ制御装置 2内の音声報知手段 23は、無線発報装置 3からの 故障情報の発報時に、力ご 1内のスピーカ 11に外部に発報した旨を音声で報知する

[0018] 次に、管理装置 4は、データベース 42を参照し (ステップ ST45)、発報先を決定し（ ステップ ST46)、故障情報を解析し、発報する電文を作成する (ステップ ST47)。そ して、決定された発報先 (ビル管理者および保守員）に電文を自動的に送信する (ス テツプ ST48)。なお、発報先については、ビル管理者、保守員を複数人設定し、予 め定められた優先順位に従って順番に発報することも可能である。

[0019] これに基づき、発報先のビル管理者および保守員が所持する携帯端末 5は、電文 を受信し (ステップ ST49)、発報を受けた携帯端末 5から、かご 1内の乗客に対して 直接会話することが可能となる (ステップ ST50)。

[0020] 上述した実施の形態では、電文を使って発報するようにしている力 例えば音声デ ータを作成し、ビルの管理人や保守員が所持している携帯端末 5で、電文と音声を 同時に通知することも可能である。

[0021] 以上のように、この発明によれば、大規模な監視センターを設けずに、比較的簡単 な方法で遠隔による発報システムが構築でき、万一、監視装置が故障した際や、管 理人が不在であっても、ビルの管理人や保守員が所持する携帯端末 5からかご 1内と 直接通話ができる。

Claims

請求の範囲

[1] エレベータの故障情報を検出する故障情報検出手段を有するエレベータ制御装 置と、

前記エレベータ制御装置とは独立して設けられ、前記エレベータ制御装置からの エレベータの故障情報を無線通信で発報する無線発報装置と、 エレベータが設置されたビルとは離隔して設置され、無線通信可能な管理装置と、 前記無線発報装置及び前記管理装置と基地局を介して無線通信可能な携帯端末 と

を備え、

前記管理装置は、各エレベータに対応する管理情報を予め登録したデータベース と、前記故障情報の受信時に前記データベースに登録された管理情報に基づいて 発報先を決定し前記故障情報の内容に基づいて発報する電文を作成する通信情報 作成手段と、決定された発報先となる携帯端末に作成された電文を送信する無線通 信手段とを有し、

前記無線発報装置は、前記エレベータの力ご内に備えられたスピーカと接続して 発報先となる携帯端末からかご内乗客に対する会話を可能にする力ご内通話手段を 有する

ことを特徴とするエレベータの遠隔発報システム。

[2] 請求項 1に記載のエレベータの遠隔発報システムにお ヽて、

前記エレベータ制御装置は、前記故障情報の発報時に、前記スピーカに外部に発 報した旨を音声で報知する音声報知手段をさらに有する

ことを特徴とするエレベータの遠隔発報システム。