以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遠隔監視システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遠隔監視システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の、エレベーターの遠隔監視システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100は、たとえば、制御基板(制御装置)110と、遠隔監視支援装置120と、管理サーバコンピュータ130と、電話機140と、によって構成することができる。遠隔監視システム100は、エレベーター101の動作を、当該エレベーター101の遠隔地に設置された管理サーバコンピュータ130を用いて監視する。管理サーバコンピュータ130は、遠隔監視支援装置120を介して、エレベーター101の動作を監視する。
管理サーバコンピュータ130は、監視対象となるエレベーター101が設置されている場所とは異なる、当該エレベーター101が設置されている場所から離れた遠隔地に設置されている。具体的には、管理サーバコンピュータ130は、たとえば、エレベーター101の保守管理を担う保守管理会社150などに設置することができる。
電話機140は、たとえば、管理サーバコンピュータ130が設置された保守管理会社150に設置される。管理サーバコンピュータ130および電話機140を保守管理会社150に設置することにより、エレベーター101のカゴ102の中にいる者と保守管理会社150のオペレーターとが直接通話することができる。
エレベーター101は、複数階建てのビル内などに設置され、人や物品を搭載するカゴ(乗りかご)102を備えている。カゴ102は、1台のエレベーター101に1つずつ設けられている。カゴ102は、建物における各階床を、鉛直方向に沿って貫通する昇降路(図示を省略する)内に設けられている。エレベーター101は、たとえば、ロープ式(トラクション式)のエレベーターによって実現することができる。
この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100により監視可能なエレベーター101は、ロープ式のエレベーターに限るものではない。この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システムにおいては、ロープ式のエレベーター101に代えて、あるいは、ロープ式のエレベーターに加えて、たとえば、油圧式のエレベーター101を監視対象であってもよい。
カゴ102には、行先階ボタンや扉開閉ボタンなどを含む操作ボタン、カゴ102が位置する階床などを表示する表示器などを備えた操作盤102aが設けられている。カゴ102に設けられた操作盤102aは、操作盤102a用の制御基板を備えており、当該操作盤102a用の制御基板を介して制御基板110に接続されている。また、カゴ102には、インターフォンの端末装置102bが設けられている。インターフォンの端末装置102bは、呼出ボタンとマイクとスピーカーとを備えている(いずれも図示を省略する)。インターフォンの端末装置102bは、遠隔監視支援装置120に接続されている。
昇降路には、カゴ102の昇降動作にかかわる駆動機構104が設けられている。駆動機構104は、たとえば、昇降路における上部に設けることができる。駆動機構104は、巻上機、滑車、ロープ104a、カウンタウエイト104bなどによって構成されている。駆動機構104は、さらに、電磁ブレーキや調速機などを備えている(いずれも図示を省略する)。駆動機構104は、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。駆動機構104は、昇降路における上部に設けられるものに限らない。駆動機構104は、たとえば、油圧式のエレベーター101の場合は、昇降路における底部(ピット)に設けられていてもよい。
カゴ102はロープ104aの一端に連結され、カウンタウエイト104bはロープ104aの他端に連結されている。ロープ式のエレベーター101においては、両端にカゴ102およびカウンタウエイト104bが連結されたロープ104aをつるべ式に滑車および巻上機にかけた状態で当該巻上機を駆動し、ロープ104aと滑車との間の摩擦力(トラクション)を利用してカゴ102を昇降させる。昇降路には、カゴ102の昇降位置をガイドするガイドレール(図示を省略する)が設けられている。
昇降路における各階床に対応した位置(乗り場)105およびカゴ102には、それぞれ扉105a、102cが設けられている。カゴ102には、当該カゴ102に設けられた扉102cおよび乗り場105に設けられた扉105aを開閉させるモーター(図示を省略する)が設けられている。扉105a、102cを開閉させるモーターは、制御基板110に接続されている。
乗り場105に設けられた扉105aは、インターロックなどと称される装置で施錠されている。エレベーター101が停止階に到着した状態でモーターを駆動すると、カゴ102に設けられた扉102cの駆動機構部分とインターロックとがかみ合ってインターロックによる施錠が解放され、カゴ102に設けられた扉102cおよび乗り場105に設けられた扉105aが連動して開閉する。
エレベーター101は、扉102c、105aの開閉を検出する扉開閉センサ(図示を省略する)を備えている。扉開閉センサは、扉102c、105aが開状態にあるか閉状態にあるかに応じて出力が変化する。扉開閉センサは、たとえば、マイクロスイッチや光電センサなどによって実現することができる。扉開閉センサは配線を介して制御基板110に接続されており、扉開閉センサから出力された信号は当該配線を介して制御基板110に入力される。
各乗り場105には、乗り場呼びボタン(図示を省略する)やカゴ102が位置する階床などを表示する表示器などを備えた操作盤105bが、それぞれ設置されている。各乗り場105に設けられた操作盤105bは、それぞれ、操作盤105b用の制御基板を備え、当該操作盤105b用の制御基板を介して制御基板110に接続されている。
遠隔監視支援装置120は、たとえば、エレベーター101の制御基板110を収容する筐体や、昇降路の壁などに取り付けることができる。遠隔監視支援装置120は、主制御基板121と音声通信基板122とを備えている。主制御基板121は、制御基板110に接続されている。
主制御基板121には、制御基板110に接続される接続端子121aが接続されている。接続端子121aは、たとえば、配線121bなどを介して主制御基板121に接続されたコネクタなどによって実現することができる。遠隔監視支援装置120は、制御基板110に設けられて、当該制御基板110に診断用の端末装置を接続可能な端子(以下「保守点検用の端子」という)110aに、接続端子121aを接続することによって制御基板110に接続されている。接続端子121aと保守点検用の端子110aとは、切り離し可能に接続される。
保守点検用の端子110aは、たとえば、作業員がエレベーター101が設置されている現地においておこなう保守点検作業に際して、当該保守点検作業に用いる診断用の端末装置(保守診断用端末)を接続するために設けられている。保守点検用の端子110aは、遠隔監視を目的として設置されたエレベーター101に限らず、また、既設新設あるいは新旧にかかわらず、幅広い種類のエレベーター101が一般的に備えている。
診断用の端末装置は、作業員が携行可能な可搬性を備え、たとえば、作業員がエレベーター101が設置されている現地においておこなう保守点検作業に際して用いられる。診断用の端末装置は、保守点検用の端子110aに切り離し可能に接続される端子を備えている。保守点検作業に際して、作業員は、診断用の端末装置が備える端子を制御基板110に設けられた保守点検用の端子に接続し、診断用の端末装置に対して所定の入力操作をおこなう。診断用の端末装置は、作業員による入力操作に応じた信号を制御基板110に出力する。
制御基板110は、たとえば、保守点検作業に際して、診断用の端末装置から出力された信号が入力されると、入力された信号に応じてエレベーター101における各部を動作させ、当該動作結果に関する信号を診断用の端末装置に対して出力する。診断用の端末装置は、制御基板101から出力されたエレベーター101の動作結果に関する信号に基づいて、作業員による入力操作に応じてエレベーター101が正常に動作したしたかどうかを案内する情報を報知する。
また、主制御基板121は、インターネットなどのネットワーク160を介して、管理サーバコンピュータ130に接続されている。主制御基板121と管理サーバコンピュータ130とを電話回線などの公衆音声網170ではなくインターネットを介して接続することにより、緊急時に電話回線がパンクすることによってエレベーター101の状況把握が遅延することを防止し、迅速な対応をとることができる。
音声通信基板122は、インターフォンの端末装置102bおよび公衆音声網170に接続されている。音声通信基板122は、具体的には、たとえば、PHS(Personal Handy−phone System)基板によって実現することができる。公衆音声網170は、固定電話網(公衆交換電話網)および携帯電話網を含む。公衆音声網170は、電話線を収容する加入者線交換機、加入者線交換機を束ねる中継交換機、ほかの事業者の電話網と接続する関門交換機など、図示を省略する複数の交換機によって構成されている。公衆音声網170については、公知の技術であるため説明を省略する。
上記の主制御基板121は、音声通信基板122が備えるPHS基板を用いて通信をおこなってもよい。この場合、遠隔監視支援装置120は、PHS基板を、音声通信に用いるとともにデータ通信にも用いる。エレベーター101の設置場所は固定であるため、PHSを利用した通信をおこなうことにより、通信の品質を確保するとともに通信にかかるコストを抑えることができる。
管理サーバコンピュータ130は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。管理サーバコンピュータ130には、操作用の端末装置131が接続されていてもよい。管理サーバコンピュータ130と操作用の端末装置131とは、同じ場所に設置されていてもよく、異なる場所に設置されていてもよい。操作用の端末装置131は、1台であってもよく、複数台であってもよい。操作用の端末装置131は、たとえば、キーボードやマウスなどの入力デバイスや、ディスプレイなどを備えたパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。また、操作用の端末装置131には、エレベーター101の状態を記載した報告書などを出力するためのプリンタ(図示を省略する)が接続されていてもよい。
保守管理会社150には、管理サーバコンピュータ130および電話機140に加えて、PBX(Private Branch eXchange、図2における符号205を参照)を設置することができる。電話機140は、PBXを介して公衆音声網170に接続されている。遠隔監視システム100においてはPBXを設けず、電話機140を公衆音声網170に直接接続してもよい。
(遠隔監視システム100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120のハードウエア構成を示す説明図である。
図2において、制御基板110は、エレベーター101を構成する各部を駆動制御することにより、エレベーター101の運行動作を制御する。制御基板110は、エレベーター101が備える各部に対して制御用の信号を出力するとともに、当該各部から出力された信号に基づいて、エレベーター101の運行動作を制御する。
上述した操作盤102a用の制御基板は、エレベーター101の利用者などによる操作ボタンに対する入力操作を受け付けるごとに、当該入力操作に応じた呼び信号を生成し、生成した呼び信号を制御基板110に出力する。制御基板110は、たとえば、操作盤102a用の制御基板から出力された呼び信号に基づいて、駆動機構104を駆動制御する制御用の信号を出力することによってエレベーター101の運行動作を制御する。
具体的には、制御基板110は、たとえば、操作盤102a用の制御基板から出力された呼び信号に基づいて、カゴ102を昇降させるモーターに対する制御用の信号を生成し、生成した制御用の信号をカゴ102を昇降させるモーターに対して出力する。これにより、カゴ102を昇降させるモーターは、カゴ102を上昇あるいは下降させる方向に回転駆動する。カゴ102を昇降させるモーターは、たとえば、インバーターを用いて制御されており、カゴ102を停止させる階床において回転を停止するように制御基板110によって駆動制御される。
また、制御基板110は、カゴ102を昇降させるモーターに制御用の信号を出力するごとに、当該制御用の信号にしたがって動作した各モーターの回転数を取得する。各モーターの回転数は、たとえば、エンコーダなどを用いて取得することができる。これにより、制御基板110は、カゴ102を昇降させるモーターに対して出力した制御用の信号にしたがって、当該モーターが正常に動作したか否かを判断することができる。
また、具体的には、制御基板110は、たとえば、操作盤102a用の制御基板から出力された呼び信号に基づいて、カゴ102を所定の階床において停止させるようにブレーキを動作させる制御用の信号を生成し、生成した制御用の信号をブレーキに対して出力する。ブレーキは、制御基板110から出力された制御用の信号にしたがって、カゴ102の昇降動作を停止させ、当該カゴ102を所定の階床において停止させるように動作する。これにより、カゴ102を所定の階床において停止させることができる。
また、制御基板110は、ブレーキに対して制御用の信号を出力するごとに、ブレーキの動作に応じて出力が変化するブレーキセンサからの出力信号を取得する。ブレーキセンサは、たとえば、マイクロスイッチや光電センサなどによって実現することができる。これにより、制御基板110は、ブレーキに対して出力した制御用の信号にしたがって、当該ブレーキが正常に動作したか否かを判断することができる。
また、具体的には、制御基板110は、たとえば、操作盤102a用の制御基板から出力された呼び信号に基づいて、ブレーキによってカゴ102を停止させた階床において扉102c、105aを開閉させる制御用の信号を生成し、生成した制御用の信号をカゴ102の扉102cや乗り場105の扉105aを開閉させるモーターに対して出力する。これにより、カゴ102が停止した階床において、扉102c、105aを開閉させることができる。上記のように、扉105aを開閉させるモーターは、インターロックなどと称される装置で施錠されているため、扉105aが完全に閉まっていない場合は動作しない。
また、制御基板110は、扉102c、105aを開閉させるモーターに制御用の信号を出力するごとに、扉開閉センサからの出力信号を取得する。これにより、制御基板110は、該当する扉102c、105aを開閉させるモーターに対して出力した制御用の信号にしたがって、当該扉102c、105aが正常に動作したか否かを判断することができる。
また、具体的には、制御基板110は、たとえば、操作盤102a用の制御基板に対して、カゴ102が位置する階床を示す階床信号を含む制御用の信号を出力する。カゴ102が位置する階床は、たとえば、昇降路中において階床ごとに設けられたセンサ(図示を省略する)からの出力信号に基づいて特定することができる。操作盤102a用の制御基板は、階床信号を含む制御用の信号を受け付けると、受け付けた制御用の信号に基づいて表示器を制御して、カゴ102が位置する階床や移動方向(上昇中か下降中か)などを表示する。
制御基板110は、操作盤102a用の制御基板や操作盤105b用の制御基板に対して、たとえば、カゴ102の位置が切り替わるごとに階床信号を含む制御用の信号を出力する。あるいは、制御基板110は、操作盤102a用の制御基板や操作盤105b用の制御基板に対して、たとえば、カゴ102の位置にかかわらず、定期的に階床信号を含む制御用の信号を出力するものであってもよい。
操作盤105b用の制御基板は、操作盤102a用の制御基板と同様に、エレベーター101の利用者などによる乗り場呼びボタンに対する入力操作を受け付けるごとに、当該入力操作に応じた呼び信号を生成し、生成した呼び信号を制御基板110に出力する。操作盤105b用の制御基板から呼び信号が出力された場合、制御基板110は、操作盤102a用の制御基板から信号が出力された場合と同様に、操作盤105b用の制御基板から出力された信号に基づいて各種の制御用の信号を生成し、生成した制御用の信号を該当する各部に出力することによってエレベーター101の運行動作を制御する。
具体的には、制御基板110は、操作盤102aや操作盤105bから出力された信号に応じてカゴ102を昇降動作させるごとに、当該カゴ102を昇降動作させるために各部を起動したことを示す起動信号を出力する。制御基板110は、たとえば、1階から2階に移動した場合、起動信号を1回出力する。また、具体的には、制御基板110は、たとえば、1階から途中で停止することなく5階に移動した場合、起動信号を1回出力する。また、制御基板110は、たとえば、1階から、途中の3階で停止した(扉の開閉をおこなった)後に、5階に移動する場合、起動信号を2回出力する。
制御基板110は、カゴ102を昇降動作させるごとに、カゴ102の走行距離や走行時間を算出してもよい。カゴ102の走行距離は、たとえば、起動回数に基づいて算出することができる。また、カゴ102の走行時間は、たとえば、上記の階床信号に基づいて算出することができる。具体的には、たとえば、カゴ102が1階にいる状態で4階の乗り場105の操作盤105bから呼びの操作を受け付けた場合、カゴ102は1階から4階までの3階床分を移動する。
制御基板110は、図示を省略するメモリを備え、起動信号が出力されるごとに、当該起動信号が出力された回数すなわち起動回数をメモリに記憶する。制御基板110は、起動回数に代えて、あるいは起動回数に加えて、カゴ102の昇降動作や扉105a、102cの開閉動作に際して駆動した各部の運行動作の履歴をメモリに記憶してもよい。具体的には、制御基板110は、たとえば、起動回数、カゴ102の走行距離、カゴ102の走行時間、カゴ102の昇降動作や扉105a、102cの開閉動作に際して動作した各種リレーの動作回数などに関する情報を運行動作の履歴としてメモリに記憶してもよい。
また、制御基板110は、扉開閉センサの出力値に基づいて、扉102c、105aが開状態にあるか閉状態にあるかを判断する。制御基板110は、自身が出力した扉102c、105aを開閉させる制御用の信号と扉開閉センサの出力値とに基づいて、扉102c、105aを開閉させる制御用の信号を出力したことに応じて、当該扉102c、105aが実際に開閉したかどうかを判断することができる。
また、制御基板110は、エレベーター101の運転モードが変化した場合に、当該運転モードが切り替わったことを示す信号を出力する。制御基板110は、具体的には、たとえば、エレベーター101の運転モードが、通常の運転モードから通常の運転モード以外の運転モードに切り替わった場合に、当該運転モードの切り替わりがあったことを外部に通知する信号、あるいは、切り替わった後の運転モード(通常の運転モード以外の運転モードであること)を通知する信号を出力する。また、制御基板110は、具体的には、たとえば、エレベーター101の運転モードが、通常の運転モード以外の運転モードから通常の運転モードに切り替わった場合に、当該運転モードの切り替わりがあったことを外部に通知する信号、あるいは、切り替わった後の運転モード(通常の運転モードであること)を通知する信号(発報信号)を出力する。
また、制御基板110は、エレベーター101において障害を検知した場合に、当該障害の発生を通知する信号(発報信号)を出力(発報)する。具体的には、制御基板110は、たとえば、扉105a、102cを開閉動作させる制御用の信号を出力したにもかかわらず、扉開閉センサの出力値に基づいて該当する扉105a、102cが動作しないことを検出した場合に、エレベーター101における該当する扉105a、102cにかかる障害が発生したことを通知する信号(発報信号)を出力(発報)する。
インターフォンの端末装置102bは、呼出ボタンが操作された場合に、当該操作があったことを示す呼出信号を、遠隔監視支援装置120に出力する。遠隔監視支援装置120は、インターフォンの端末装置102bから出力された呼出信号が音声通信基板122に入力された場合、公衆音声網170やPBX205を介して電話機140に呼出信号を送出する。これにより、インターフォンの端末装置102bと電話機140との間において音声通信(通話)をおこなうことができる。
インターフォンの端末装置102bは、遠隔監視支援装置120(音声通信基板122)と保守管理会社150に設置された電話機140との接続が確立された状態で、マイクに入力された音声信号を、遠隔監視支援装置120に出力する。また、インターフォンの端末装置102bは、遠隔監視支援装置120(音声通信基板122)と電話機140との接続が確立された状態で、遠隔監視支援装置120から出力された音声信号を、スピーカーを介して出力する。
遠隔監視支援装置120は、制御基板110からエレベーター101が備える各部に対して出力された制御用の信号を取得し、取得した制御用の信号に基づいて通知情報を生成し、生成した通知情報を管理サーバコンピュータ130へ送信する。通知情報は、エレベーター101の状態に関する情報や、当該通知情報の送信元となるエレベーター101の識別情報などを含む。
エレベーター101の状態に関する情報は、たとえば、カゴ102の昇降方向やカゴ102の移動先となる階床、移動先となる階床においてカゴ102が停止したか否か、扉105a、102cを開閉させるモーターの動作の有無、などを示す。また、エレベーター101の状態に関する情報は、たとえば、カゴ102が現在位置する階床、各種の安全装置の作動の有無などを示す。
エレベーター101の識別情報は、たとえば、当該エレベーター101の製造番号であってもよいし、当該エレベーター101の設置場所(住所など)に基づいて設定される番号であってもよいし、当該エレベーター101の保守点検をおこなう作業者などが任意に設定した番号であってもよい。エレベーター101の識別情報は、所定桁数の数字やアルファベットなどの文字を組み合わせて構成することができる。
遠隔監視支援装置120が備える主制御基板121は、たとえば、中継基板201と、監視制御基板202と、メモリ203と、通信I/F(インターフェイス)204と、によって構成することができる。通信I/F204は、管理サーバコンピュータ130との間における、遠隔監視支援装置120に対する情報の入出力を制御する。
中継基板201には、制御基板110に接続される接続端子121aが接続されている。接続端子121aは、中継基板201に一体に設けられているものに限らない。接続端子121aは、中継基板201(の入力端子)に電気的に接続されていればよく、たとえば、中継基板201とは別体で設けられて当該中継基板201と配線によって接続されたコネクタなどによって実現することができる。
遠隔監視支援装置120は、たとえば、制御基板110が備える保守点検用の端子110aに接続端子121aを接続することによって制御基板110に接続することができる。保守点検用の端子110aおよび接続端子121aを、コネクタによって実現する場合、接続端子121aと保守点検用の端子110aとは、作業者などが任意に切り離し可能に接続することができる。
具体的には、たとえば、接続端子121aを実現するコネクタ(オス型またはメス型)を、保守点検用の端子110aを実現するコネクタ(メス型またはオス型)に挿抜することによって、遠隔監視支援装置120と制御基板110とを接続したり、切り離したりすることができる。接続端子121aおよび保守点検用の端子110aをコネクタとすることによって、遠隔監視支援装置120と制御基板110とを容易に接続し、かつ、遠隔監視支援装置120を撤去する場合などは容易に取り外すことができる。
制御基板110は、たとえば、診断用の端末装置から出力された信号に基づいてエレベーター101における各部に制御信号を出力した結果、エレベーター101が当該制御信号にしたがった動作をおこなわなかった場合、エレベーター101において異常が発生したと判断し、エレベーター101における異常の発生を報知する信号(発報信号)を出力する。
たとえば、保守点検用の端子110aを実現するコネクタと接続端子121aを実現するコネクタとを接続することによって遠隔監視支援装置120と制御基板110とを接続する場合、制御基板110は、異常の発生を報知する発報信号を、保守点検用の端子110aを介して遠隔監視支援装置120に出力する。この場合、発報信号など、制御基板110から保守点検用の端子110aを介して出力された信号は、中継基板201から遠隔監視支援装置120に入力される。遠隔監視支援装置120は、このようにして、制御基板110から出力された発報信号を取得することができる。
中継基板201は、入力を受け付けた信号を解析し、解析結果を監視制御基板202に出力する。監視制御基板202は、中継基板201から出力された解析結果に基づいて通知情報を生成し、生成した通知情報を、通信I/F204を介して管理サーバコンピュータ130へ送信する。また、監視制御基板202は、中継基板201から出力された解析結果を、メモリ203に記憶する。監視制御基板202は、中継基板201が入力を受け付けた信号を、直接メモリ203に記憶してもよい。
メモリ203は、電源の供給が絶たれた場合にも記憶した情報を保持する不揮発性の記憶媒体によって実現することができる。具体的には、メモリ203は、たとえば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などによって実現することができる。
制御基板110から出力される各種の信号は、エレベーター101の機種などに応じて異なる。中継基板201は、解析に際して、制御基板110から出力される各種の信号を、監視制御基板202が処理可能なフォーマットに変換する。遠隔監視支援装置120は、中継基板201において入力を受け付けた信号を解析して監視制御基板202が処理可能なフォーマットに変換することにより、エレベーター101の機種の違いにかかわらず、当該エレベーター101の遠隔監視をおこなうことができる。
また、遠隔監視支援装置120は、主制御基板121において、監視制御基板202によって制御される中継基板201を介して、制御基板110に対して各種の実行指示を出力する。遠隔監視支援装置120は、具体的には、中継基板201から保守点検用の端子110aを介して、エレベーター101が備える各部を駆動制御する際に各種の実行指示を制御基板110に対して出力する。
遠隔監視支援装置120は、具体的には、たとえば、管理サーバコンピュータ130から送信された、エレベーター101の状態に関する情報の送信を指示する診断指示を通信I/F204を介して受信した場合に、受信した診断指示に基づいて、エレベーター101の制御基板110に、当該エレベーターが備える各部の状態を診断する診断動作をおこなわせる実行指示(以下、適宜「診断動作実行指示」という)を生成し、生成した診断動作実行指示を制御基板110に対して出力する。主制御基板121は、たとえば、診断動作実行指示など、中継基板201を介して監視制御基板202から出力した各種の実行指示を、エレベーター101が備える保守点検用の端子110aを介して当該制御基板110に出力する。
上記の制御基板110は、遠隔監視支援装置120から出力された診断動作実行指示を受信すると、診断動作を実行する。診断動作は、制御基板110からエレベーター101が備える各部に対して、当該各部を所定の順序で動作させる信号を出力させ、出力させた信号にしたがって当該各部が正常に動作したか否かを示す信号を制御基板110から出力させることによって実現される。
具体的には、制御基板110は、診断動作に際して、遠隔監視支援装置120から出力された診断動作実行指示を受信すると、受信した実行指示に基づいて上述した各種の制御用の信号を生成し、生成した各種の制御用の信号をエレベーター101が備える各部に対して出力する。また、制御基板110は、診断動作に際して、当該制御基板110からエレベーター101が備える各部に対して制御用の信号を出力した結果、当該各部から出力された信号(動作信号など)の入力を受け付け、入力を受け付けた信号に基づく通知情報を、遠隔監視支援装置120に対して出力する。
遠隔監視支援装置120は、診断動作実行指示を制御基板110に対して出力した結果、当該制御基板110に対して入出力された信号(制御用の信号や各部の動作信号など)を取得した場合に、当該信号に基づいて応答情報を生成し、生成した応答情報を通信I/F204を介して管理サーバコンピュータ130に出力する。具体的には、遠隔監視支援装置120は、制御基板110からエレベーター101が備える各部に対して出力した制御用の信号(以下、適宜「下り信号」という)や、当該下り信号に応じてエレベーター101が備える各部から出力されて制御基板110に入力された信号(以下、適宜「上り信号」という)を取得する。
応答情報は、制御基板110に対して出力した診断動作実行指示にしたがってエレベーター101が備える各部が正常に動作したか否かを示す情報を含む。また、応答情報は、エレベーター101が備える各部のうち、正常に動作しなかった箇所や不具合の内容などを示す情報を含んでいてもよい。
管理サーバコンピュータ130は、たとえば、保守管理会社150においてオペレーターによる管理サーバコンピュータ130への入力操作を受け付けた場合に、遠隔監視支援装置120に対して各種の指示(指示信号)を送信する。具体的には、管理サーバコンピュータ130は、所定の入力操作を受け付けた場合に、遠隔監視支援装置120に対して診断指示を送信する。診断動作実行指示は、エレベーター101において当該エレベーター101が備える各部の状態を診断する診断動作をおこなわせ、当該診断動作の結果に関する通知情報の送信を指示する指示信号(通知情報の送信指示)を含む。管理サーバコンピュータ130は、所定の入力操作を受け付けた場合に限らず、たとえば、定期的、すなわち、診断動作実行指示を送信してから所定時間が経過した場合(1ヶ月ごとなどの所定期間ごと)に、遠隔監視支援装置120に対して診断指示を送信してもよい。
また、管理サーバコンピュータ130は、遠隔監視支援装置120に対して診断動作実行指示を送信した結果、遠隔監視支援装置120から受信した応答情報に基づいて、診断動作の結果を示す情報(以下、適宜「報告情報」という)を生成する。管理サーバコンピュータ130は、たとえば、エレベーター101が診断動作実行指示にしたがった動作をおこなったか否かを示す情報を、報告情報として生成する。管理サーバコンピュータ130は、生成した報告情報を、管理サーバコンピュータ130に接続された操作用の端末装置131を実現するパーソナルコンピュータが備えるディスプレイに表示するなどして、診断動作実行指示にしたがってエレベーター101が正常に動作したしたかどうかを報知する。
また、管理サーバコンピュータ130は、診断動作実行指示を送信した結果、遠隔監視支援装置120から受信した応答情報に基づいて報告書情報を生成し、生成した報告書情報に基づいて、報告書(図示を省略する)を発行する機能を備えていてもよい。報告書は、たとえば、エレベーター101に診断動作をおこなわせるごと、すなわち、遠隔監視支援装置120に対して送信した診断動作実行指示に応じた応答情報を受信するごとに発行する。報告書情報は、エレベーター101の走行距離や起動回数に関する情報を含んでいてもよい。
具体的には、管理サーバコンピュータ130は、たとえば、生成した報告書情報に基づいて、当該報告書情報を紙などの記録媒体に印刷するための印刷情報を生成し、生成した印刷情報を、管理サーバコンピュータ130に接続された操作用の端末装置131に出力する。操作用の端末装置131は、印刷情報を受け付けた場合、当該操作用の端末装置131に接続されたプリンタを駆動制御することによって報告書を発行させることができる。
(遠隔監視システム100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100の機能的構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120の機能的構成を示すブロック図である。
図3において、管理サーバコンピュータ130は、記憶部311と、入力受付部312と、診断指示生成部313と、診断指示送信部314と、応答情報受信部315と、計時部316と、報告情報生成部317と、報告情報出力部318と、を備えている。管理サーバコンピュータ130における各機能を実現する各機能部311〜318は、当該管理サーバコンピュータ130を実現するパーソナルコンピュータが備える各部によって実現することができる。記憶部311は、管理サーバコンピュータ130に対する入力操作の履歴に関する情報や、遠隔監視支援装置120から受信した応答情報などの各種の情報を記憶する。
入力受付部312は、エレベーター101に対して診断動作の実行を指示する所定の入力操作(以下、適宜「診断動作の入力操作」という)など、オペレーターによる管理サーバコンピュータ130への入力操作を受け付ける。診断動作の入力操作に際しては、診断の対象とするエレベーター101の識別情報の入力を受け付ける。
入力受付部312は、予約によりおこなう診断動作(以下「予約診断動作」という)の入力操作を受け付けてもよい。予約診断動作の入力操作に際しては、診断の対象とするエレベーター101の識別情報に加えて、遠隔監視支援装置120によって診断動作をおこなう予定日時を指定する情報の入力を受け付ける。
予定日時を指定する情報は、たとえば、「○月△日、××時××分××秒開始」のように、次回に遠隔監視支援装置120によって診断動作をおこなう日時(以下、適宜「遠隔診断予定日時」という)を、ピンポイントで指定する情報によって実現することができる。この場合、オペレーターは、遠隔診断予定日時を毎回入力することによって、予約診断動作の入力操作(単発予約)をおこなう。
あるいは、予定日時を指定する情報は、特定の日時をピンポイントで指定するものではなく、たとえば、「毎月1日、2時10分30秒開始」、「毎週月曜日、2時10分30秒開始」などのように、遠隔監視支援装置120によって診断動作が繰り返しておこなわれるような情報であってもよい。この場合、オペレーターは、遠隔監視支援装置120によって診断動作をおこなう間隔あるいは時期が決定された時点で、遠隔監視支援装置120によって定期的に診断動作がおこなわれるように遠隔診断予定日時を入力することによって、定期的に繰り返しておこなう予約診断動作の入力操作(繰り返し予約)をおこなう。
入力受付部312は、単発予約および繰り返し予約のうち、いずれか一方を受け付けるものであってもよく、単発予約および繰り返し予約の双方を並行して受け付けてもよい。具体的には、たとえば、月ごとに繰り返して、予定日時(遠隔診断予定日時)が到来すると、遠隔監視支援装置120によって診断動作を定期的におこなう設定がなされている状態で、別途、単発予約の入力操作を受け付けてもよい。
診断指示生成部313は、入力受付部312が診断動作の入力操作を受け付けた場合に、遠隔監視支援装置120に送信する診断指示を生成する。診断指示生成部313は、診断の対象とするエレベーター101の識別情報、および、当該エレベーター101の状態に関する情報の送信を指示する指示信号を含む診断指示を生成する。診断指示生成部313は、記憶部における記憶内容に基づいて、診断指示を送信してから所定時間が経過した場合に、遠隔監視支援装置120に送信する診断指示を生成してもよい。
診断指示送信部314は、診断指示生成部313が生成した診断指示を、所定のタイミングで、遠隔監視支援装置120に対して送信する。診断指示送信部314は、たとえば、診断指示生成部313が診断指示を生成した場合に、当該診断指示を送信する。また、診断指示送信部314は、たとえば、前回に診断指示を送信してから所定時間が経過するごとに、つぎの診断指示を送信してもよい。
診断指示送信部314が送信した診断指示を受信した遠隔監視支援装置120は、上記のように、受信した診断指示に基づいて診断動作実行指示を生成し、生成した診断動作実行指示を制御基板110に対して出力する。遠隔監視支援装置120は、単発予約あるいは繰り返し予約にかかる診断指示を受信した場合、当該診断指示によって特定される遠隔診断予定日時が到来すると、受信した診断指示に基づいて診断動作実行指示を生成し、生成した診断動作実行指示を制御基板110に対して出力する。また、上記のように、制御基板110は、診断動作実行指示の入力を受け付けると、診断動作実行指示にしたがって、エレベーター101が備える各部を駆動制御することによって診断動作をおこなう。
遠隔監視支援装置120は、制御基板110が診断動作をおこなうことによって当該制御基板110に対して入出力される信号の取得をおこない、取得した信号に基づいて生成した応答情報を管理サーバコンピュータ130に対して送信する。この実施の形態において、遠隔監視支援装置120は、管理サーバコンピュータ130に対して、制御基板110によるエレベーター101の診断動作が完了したか否かを示す応答情報(第1の応答情報あるいは第2の応答情報)を送信する。
遠隔監視支援装置120は、制御基板110に対して診断動作実行指示を出力してから所定時間が経過しても、当該診断動作実行指示に応じた診断動作が完了したことを示す信号(あるいは、完了したと判断できる信号)を制御基板110から取得できない場合、すなわち、当該診断動作実行指示に応じた診断動作が完了していない場合に、管理サーバコンピュータ130に対して第1の応答情報を送信する。
遠隔監視支援装置120において、制御基板110に対して診断動作実行指示を出力してから、診断動作が完了していないまま所定時間が経過する状況としては、たとえば、当該診断動作実行指示に応じた診断動作の実行中に、エレベーター101の利用者などによって、操作盤102aにおける操作ボタンや操作盤105bにおける乗り場呼びボタンに対する入力操作を受け付けた状況が想定される。制御基板110は、診断動作実行指示に応じた診断動作の実行中にいずれかの操作ボタンに対する入力操作を受け付けた場合、診断動作を中断し、受け付けた入力操作に応じた動作をおこなう。
また、遠隔監視支援装置120は、制御基板110に対して診断動作実行指示を出力してから所定時間が経過するまでに、当該診断動作実行指示に応じた診断動作が完了したことを示す信号を制御基板110から取得した場合、すなわち、制御基板110に対して診断動作実行指示を出力してから所定時間内に、当該診断動作実行指示に応じた診断動作が完了した場合に、管理サーバコンピュータ130に対して第2の応答情報を出力する。
応答情報受信部315は、診断指示送信部314が遠隔監視支援装置120に対して診断動作実行指示を送信した結果、遠隔監視支援装置120から送信された応答情報を受信する。応答情報受信部315は、第1の応答情報あるいは第2の応答情報を受信する。応答情報受信部315は、第1の応答情報を受信した場合、計時部316に対して当該第1の応答情報を受信してからの経過時間の計時を開始させる。計時部316は、応答情報受信部315は、第1の応答情報を受信してからの経過時間を計時する。
上記の診断指示送信部314は、応答情報受信部315が第1の応答情報を受信した場合、当該第1の応答情報を受信してから所定の待機時間が経過した後に、診断指示を再送信する。診断指示送信部314は、計時部316が計時する経過時間に基づいて、当該経過時間が所定の待機時間に達した後に、第1の応答情報の送信元となる遠隔監視支援装置120に対して診断指示を再送信する。
所定の待機時間は、診断指示送信部314が送信した診断指示を遠隔監視支援装置120が受信し、当該診断指示に応じて遠隔監視支援装置120から出力された診断動作実行指示の入力を受け付けた制御基板110が、エレベーター101において診断動作を実行し、当該診断動作の結果にかかる応答情報(第2の応答情報)を応答情報受信部315が受信するまでに要すると推定される時間などに基づいて設定することができる。所定の待機時間は、たとえば、遠隔監視システム100の管理者などが任意に設定することができる。具体的には、所定の待機時間は、たとえば、「30分」や「1時間」などのように、遠隔監視支援システム100の管理者などが任意に設定することができる。
診断指示送信部314は、遠隔監視支援装置120に対して送信した診断指示に応じて当該遠隔監視支援装置120から送信された第1の応答情報を受信した場合、当該第1の応答情報を受信してから所定の待機時間が経過した後に、診断指示を再送信(再々送信)する。診断指示送信部314は、診断指示の再送信を、規定回数連続しておこなった場合、診断指示を再送信する間隔を変更してもよい。
具体的には、たとえば、所定の待機時間を30分として診断指示の再送信を2回おこない(診断指示を3回送信した)、3回目の診断指示を送信(2回目の再送信)してから、当該再送信した診断指示に応じて、応答情報受信部315が第1の応答情報を再度受信した場合、応答情報受信部315は、3回目の診断指示を送信してから30分よりも長い時間(たとえば「3時間」、「20時間」など)が経過した後に、4回目の診断指示を送信する。
より具体的には、この場合、診断指示送信部314は、入力受付部312において受け付けた入力操作に応じて1回目の診断指示を送信してから30分経過後に、2回目の診断指示を再送信する。そして、2回目の診断指示を再送信してから30分経過後に、3回目の診断指示を再送信する。その後、3回目の診断指示を再送信してから3時間経過後に、4回目の診断指示を再送信する。さらに、この場合、診断指示送信部314は、第2の応答情報を受信するまでの間、前回の診断指示を再送信してから3時間が経過するごとに、5回目、6回目、・・・の診断指示を送信(再送信)してもよい。
また、診断指示送信部314は、診断指示の再送信を所定回数連続しておこなった場合、サービスマンの出動要請に関する情報を送信してもよい。具体的には、たとえば、再送信した診断指示に応じた第2の応答情報を応答情報受信部315が受信しないまま、診断指示を4回送信した場合、5回目の診断指示を送信せず、サービスマンの出動要請に関する情報を送信する。この状況においては、診断指示送信部314は、4回目の診断指示を送信してから所定時間が経過しても再送信した診断動作実行指示に応じた信号を応答情報受信部315が受信しない場合に、サービスマンの出動要請に関する情報を出力する。
サービスマンの出動要請に関する情報は、たとえば、操作用の端末装置131に出力することができる。この場合、サービスマンの出動要請に関する情報の出力先となる操作用の端末装置131は、たとえば、サービスマンの出動を要請するメッセージなどを、当該操作用の端末装置131を実現するパーソナルコンピュータが備えるディスプレイに表示するなどして、サービスマンの出動を要請する。
また、サービスマンの出動要請に関する情報は、たとえば、該当するエレベーター101の保守を担当するサービスマンが携行する携帯型電話機などに出力してもよい。サービスマンが携行する携帯型電話機への出動要請に関する情報の出力は、記憶部311において、該当するサービスマンが携行する携帯型電話機に割り当てられた電子メールアドレスをあらかじめ記憶しておくことにより実現することができる。
報告情報生成部317は、応答情報受信部315が受信した応答情報(あるいは記憶部311に記憶された応答情報)に基づいて、診断結果を示す報告情報を生成する。報告情報生成部317は、応答情報受信部315が第2の応答情報を受信した場合に、当該第2の応答情報(あるいは記憶部311に記憶された第2の応答情報でもよい)に基づいて、診断結果を示す報告情報を生成する。
診断結果を示す報告情報は、管理サーバコンピュータ130から遠隔監視支援装置120に送信した診断指示に応じて遠隔監視支援装置120から制御基板110に対して出力した診断動作実行指示にしたがって、エレベーター101が備える各部が正常に動作したか否かを示す情報を含む。また、診断結果を示す報告情報は、エレベーター101が備える各部のうちで正常に動作しなかった箇所や不具合の内容などを示す情報を含んでいてもよい。
報告情報生成部317は、応答情報受信部315が受信した第1の応答情報に基づいて、報告書の作成に用いる報告情報を生成してもよい。報告書の作成に用いる報告情報は、エレベーター101の走行履歴、各部品の使用時間や動作回数など、エレベーター101が備える各部を構成する部品の交換時期の判断に用いる情報を含む。
報告情報出力部318は、報告情報生成部317が生成した報告情報を出力する。報告情報出力部318は、たとえば、報告情報生成部317が生成した診断結果を示す報告情報を、操作用の端末装置131を実現するパーソナルコンピュータが備えるディスプレイに表示することによって出力する。また、報告情報出力部318は、たとえば、報告情報生成部317が生成した報告書の作成に用いる報告情報に基づいて、当該報告書情報を紙などの記録媒体に印刷するための印刷情報を生成し、生成した印刷情報を、管理サーバコンピュータ130に接続された操作用の端末装置131に出力してもよい。
また、図3において、遠隔監視支援装置120は、記憶部321と、受信部322と、実行指示生成部323と、出力部324と、取得部325と、計時部326と、判断部327と、応答情報生成部328と、応答情報送信部329と、を備えている。遠隔監視支援装置120における各機能を実現する各機能部321〜329は、当該遠隔監視支援装置120が備える中継基板201、監視制御基板202、メモリ203、通信I/F204などの各部によって実現することができる。
記憶部321は、遠隔監視支援装置120と管理サーバコンピュータ130との間において送受信された情報や、遠隔監視支援装置120と制御基板110との間において入出力された情報などの各種の情報を記憶する。受信部322は、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信する。
記憶部321は、受信部322が受診した診断指示が単発予約にかかる診断指示である場合、当該単発予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了するまでの間、当該単発予約にかかる診断指示を記憶する。あるいは、記憶部321は、受信部322が受診した診断指示が単発予約にかかる診断指示である場合、当該単発予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了するまでの間、当該単発予約にかかる診断指示に含まれる遠隔診断予定日時を記憶してもよい。
記憶部321は、診断指示や遠隔診断予定日時を記憶した場合、単発予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了した時点で、当該診断動作にかかる診断指示(単発予約にかかる診断指示)、あるいは当該診断指示にかかる遠隔診断予定日時を消去する。このように、診断動作にかかる診断指示(単発予約にかかる診断指示)、あるいは当該診断指示にかかる遠隔診断予定日時を消去することによって予約診断の完了時の処理を実現することができる。
予約診断の完了時の処理は、診断動作にかかる診断指示(単発予約にかかる診断指示)、あるいは当該診断指示にかかる遠隔診断予定日時を消去することによって実現されるものに限らない。たとえば、記憶部321は、単発予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了した時点で、当該診断動作が完了したことを示す完了情報を、記憶部321に記憶された、該当する診断指示や遠隔診断予定日時に関連付けて記憶し、これによって予約診断の完了時の処理を実現するようにしてもよい。
このように、単発予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了するごとに、該当する診断指示や遠隔診断予定日時に関連付けて完了情報を付加して記憶することにより、遠隔監視支援装置120において設定した予約日時が端末に残るため、該当する診断動作が完了した後に、保守診断用端末を接続し、診断動作の完了履歴を参照することができる。さらに、遠隔監視支援装置120は、該当する診断指示や遠隔診断予定日時に関連付けて完了情報を記憶した場合に、単発予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了したことを示す情報を、管理サーバコンピュータ130に対して送信してもよい。
記憶部321は、受信部322が受診した診断指示が繰り返し予約にかかる診断指示である場合、当該繰り返し予約を解除する指示を管理サーバコンピュータ130から受信するまでの間、当該繰り返し予約にかかる診断指示あるいは当該診断指示にかかる遠隔診断予定日時を記憶する。
予約診断の完了時の処理は、単発予約にかかる診断指示に応じた診断動作に該当する診断指示や遠隔診断予定日時に完了情報を関連付けて記憶するものに限らない。予約診断の完了時の処理は、繰り返し予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了するごとに、該当する診断指示や遠隔診断予定日時に関連付けて適宜完了情報を付加して記憶することによって実現してもよい。このように、繰り返し予約にかかる診断指示に応じた診断動作が完了するごとに、該当する診断指示や遠隔診断予定日時に関連付けて完了情報を付加して記憶することにより、遠隔監視支援装置120において設定した予約日時が端末に残るため、該当する診断動作が完了した後に、保守診断用端末を接続し、診断動作の完了履歴を参照することができる。
実行指示生成部323は、制御基板110に、エレベーター101のカゴ102を全ての階床へ停止させる指示(以下、適宜「全階床停止指示」という)、カゴ102を最低階床から最高階床まで無停止移動させる指示(以下、適宜「無停止上昇移動指示」という)、カゴ102を最高階床から最低階床まで無停止移動させる指示(以下、適宜「無停止下降移動指示」という)、などを含む診断動作実行指示を生成する。全階床停止指示は、カゴ102の扉102cや、各乗り場105の扉105aを開閉させる指示を含む。
診断動作実行指示は、たとえば、操作盤102aや操作盤105bにおいて、所定の階床への移動を指示する入力操作を受け付けた場合に当該操作盤102aや操作盤105bから出力される信号と同様の信号(呼び信号など)によって実現することができる。具体的には、実行指示は、たとえば、エレベーター101のカゴ102を所定の階床に移動させたり、移動させたカゴ102を該当する階床において停止させたり、停止させた階床においてカゴ102の扉102cおよび乗り場105の扉105aを開閉させたりする信号を含む。
実行指示生成部323は、管理サーバコンピュータ130における入力受付部312が受け付けた入力操作に応じて診断指示送信部314が1回目に送信した診断指示に基づく診断動作実行指示の他、診断指示送信部314が遠隔監視支援装置120に対して再送信した(2回目以降に送信した)診断指示に基づく診断動作実行指示を生成する。すなわち、実行指示生成部323は、受信部322が、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信するごとに、当該診断指示に基づく診断動作実行指示を生成する。
出力部324は、制御基板110に対して、実行指示生成部323が生成した診断動作実行指示を出力する。診断動作実行指示を受信した制御基板110は、受信した診断動作実行指示に応じて診断動作をおこなう。具体的に、診断動作実行指示を受信した制御基板110は、まずエレベーター101のカゴ102を全ての階床へ停止させ、つぎにカゴ102を最低階床から最高階床まで無停止移動させた後、当該カゴ102を最高階床から最低階床までを無停止移動させるように、エレベーター101が備える各部を駆動制御する。
出力部324は、入力受付部312が受け付けた入力操作に応じて診断指示送信部314が1回目に送信した診断指示に基づく診断動作実行指示の他、診断指示送信部314が再送信した(2回目以降に送信した)診断指示に基づく診断動作実行指示を、制御基板110に対して出力する。すなわち、出力部324は、受信部322が受信した診断指示が、診断指示送信部314が1回目に送信した診断指示であるか、2回目以降に送信した診断指示であるかにかかわらず、実行指示生成部323が生成した診断動作実行指示を制御基板110に対して出力する。
取得部325は、出力部324が出力した診断動作実行指示に応じて制御基板110に対して入出力された信号を取得する。取得部325は、たとえば、出力部324が出力した診断動作実行指示に応じて制御基板110からエレベーター101が備える各部に対して出力された制御用の信号(下り信号)を取得する。また、取得部325は、たとえば、制御基板110から出力された制御用の信号(下り信号)に応じて動作したエレベーター101が備える各部から出力されて、制御基板110に入力された信号(上り信号)を取得する。
計時部326は、出力部324が診断動作実行指示を出力してからの経過時間を計時する。計時部326は、出力部324が診断動作実行指示を出力してからの経過時間が所定時間に達した場合に、判断部327に対して、当該経過時間が当該所定時間に達したことを通知してもよい。
判断部327は、出力部324が診断動作実行指示を出力してから取得部325が信号を取得する前に所定時間が経過したか否かを判断する。判断部327は、計時部326が計時する経過時間に基づいて、出力部324が診断動作実行指示を出力してから、当該診断動作実行指示に応じた信号を取得部325が取得する前に所定時間が経過したか否かを判断することができる。すなわち、判断部327は、出力部324が診断動作実行指示を出力してから、当該診断動作実行指示に応じた信号を取得しないまま、所定時間が経過したか否かを判断する。
判断部327は、たとえば、出力部324が出力した診断動作実行指示の入力を受け付けた制御基板110が、当該診断動作実行指示に応じて正常に動作し、当該動作に際して制御基板110に対して入出力された信号(上り信号、下り信号)を正常に取得する場合に要する時間を所定時間として、出力部324が診断動作実行指示を出力してから取得部325が信号を取得する前に当該所定時間が経過したか否かを判断する。すなわち、判断部327は、出力部324が診断動作実行指示を出力した後に取得部325が信号を取得しないまま所定時間が経過したか否かを判断する。
判断部327は、出力部324が出力した診断動作実行指示に含まれる各指示に応じて、それぞれ制御基板110に対して入出力された信号(上り信号、下り信号)を、上記の所定時間が経過する前に、すべて取得したか否かを判断する。具体的には、たとえば、出力部324が出力した診断動作実行指示が全階床停止指示、無停止上昇移動指示および無停止下降移動指示を含む場合、判断部327は、全階床停止指示、無停止上昇移動指示および無停止下降移動指示のそれぞれに応じて制御基板110に対して入出力された信号(上り信号、下り信号)をすべて取得したか否かを判断する。
出力部324が診断動作実行指示を出力した後に取得部325が信号を取得しないまま所定時間が経過する状況としては、たとえば、上記のように、当該診断動作実行指示に応じた診断動作の実行中に、エレベーター101の利用者などによって、操作盤102aにおける操作ボタンや操作盤105bにおける乗り場呼びボタンに対する入力操作を受け付けた状況が想定される。制御基板110は、診断動作実行指示に応じた診断動作の実行中にいずれかの操作ボタンに対する入力操作を受け付けた場合、診断動作を中断し、受け付けた入力操作に応じた動作をおこなう。
応答情報生成部328は、取得部325が取得した信号に基づく応答情報を生成する。応答情報生成部328は、出力部324が診断動作実行指示を出力した後に取得部325が該当する信号を取得しないまま所定時間が経過したと判断部327が判断した場合は、診断動作が完了していないことを示す第1の応答情報を生成する。第1の応答情報は、制御基板110に対して出力した診断動作実行指示にしたがってエレベーター101が備える各部が正常に動作したか否かを示す情報や、エレベーター101が備える各部のうちで正常に動作しなかった箇所や不具合の内容などを示す情報を含んでいてもよい。
また、応答情報生成部328は、出力部324が診断動作実行指示を出力してから所定時間が経過したと判断部327が判断する前に、取得部325が該当する信号を取得した場合は、当該信号に基づく第2の応答情報を生成する。第2の応答情報は、診断動作が完了したことを示す。
応答情報生成部328は、たとえば、取得部325が該当する信号を取得するごとに第1の応答情報を生成する。また、応答情報生成部328は、出力部324が診断動作実行指示を出力した後に取得部325が該当する信号を取得しないまま所定時間が経過したと判断部327が判断するごとに、第2の応答情報を生成する。
応答情報送信部329は、応答情報生成部328が生成した応答情報を、管理サーバコンピュータ130へ送信する。応答情報送信部329は、たとえば、応答情報生成部328が応答情報を生成するごとに、当該応答情報を、管理サーバコンピュータ130へ送信する。
(管理サーバコンピュータ130の処理手順)
つぎに、管理サーバコンピュータ130の処理手順について説明する。図4は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する管理サーバコンピュータ130の処理手順を示すフローチャートである。
図4において、まず、診断動作の入力操作を受け付けるまで待機する(ステップS401:No)。ステップS401においては、診断の対象とするエレベーター101の識別情報の入力を含む、診断動作の入力操作を受け付けるまで待機する。ステップS401において受け付ける診断動作の入力操作は、当該診断動作が単発予約であるか繰り返し予約であるかを特定する情報の入力操作を含んでいてもよい。
ステップS401において、診断動作の入力操作を受け付けた場合(ステップS401:Yes)、診断指示を生成する(ステップS402)。ステップS402においては、エレベーター101の状態に関する情報の送信を指示する指示信号を診断指示として生成する。
また、ステップS402においては、単発予約であるか、繰り返し予約であるかを特定する情報を含む診断指示を生成してもよい。たとえば、ステップS401:Yesにおいて入力操作を受け付けた診断動作が、単発予約にかかる診断動作である場合、ステップS402においては、当該入力操作に際して受け付けた特定の遠隔診断予定日時を指定する情報を含む診断指示を生成する。また、たとえば、ステップS401:Yesにおいて入力操作を受け付けた診断動作が、繰り返し予約にかかる診断動作である場合、ステップS402においては、当該入力操作に際して受け付けた、遠隔監視支援装置120において定期的に診断動作をおこなわせるための遠隔診断予定日時を指定する情報を含む診断指示を生成する。
つぎに、該当する遠隔監視支援装置120に対して、ステップS402において生成した診断指示を送信し(ステップS403)、診断指示の送信回数を+1カウントアップする(ステップS404)。ステップS403においては、ステップS402において生成した診断指示に基づいて、当該診断指示に含まれるエレベーター101の識別情報によって識別されるエレベーター101に対して、診断指示を送信する。
そして、遠隔監視支援装置120から送信された第1の応答情報を受信したか否かを判断する(ステップS405)。ステップS405において、遠隔監視支援装置120から送信された第1の応答情報を受信していない場合(ステップS405:No)、遠隔監視支援装置120から送信された第2の応答情報を受信したか否かを判断する(ステップS406)。
ステップS406において、遠隔監視支援装置120から送信された第2の応答情報を受信していない場合(ステップS406:No)、ステップS405に戻る。一方、ステップS406において、遠隔監視支援装置120から送信された第2の応答情報を受信した場合(ステップS406:Yes)、受信した第2の応答情報に基づいて上記の報告情報を生成する(ステップS407)。そして、管理サーバコンピュータ130に対して、ステップS407において生成した報告情報を出力して(ステップS408)、一連の処理を終了する。
ステップS405において、遠隔監視支援装置120から送信された第1の応答情報を受信した場合(ステップS405:Yes)、ステップS401:Yesにおいて入力操作を受け付けた診断動作にかかる診断指示の送信回数が、規定回数に達したか否かを判断する(ステップS409)。ステップS409において、診断指示の送信回数が規定回数に達した場合(ステップS409:Yes)、診断指示を再送信するか否かの判断にかかる所定時間(再送信の間隔)を変更する(ステップS410)とともに、ステップS405:Yesにおいて第1の応答情報を受信してからの経過時間の計時を開始する(ステップS411)。
ステップS412においては、ステップS411において計時を開始した経過時間が、ステップS410において変更した待機時間に達したと判断するまで待機する(ステップS412:No)。一方、ステップS412において、ステップS411において計時を開始した経過時間が、ステップS410において変更した待機時間に達した場合(ステップS412:Yes)、該当する遠隔監視支援装置120に対して診断指示を再送信する(ステップS413)。そして、診断指示の送信回数を+1カウントアップする(ステップS414)。
そして、ステップS413において診断指示を送信した遠隔監視支援装置120から、当該診断指示に応じて送信された第1の応答情報を受信したか否かを判断する(ステップS415)。ステップS415において、該当する応答情報を受信した場合(ステップS415:Yes)、診断指示の送信回数が規定回数に達したか否かを判断する(ステップS416)。ステップS416においては、ステップS401:Yesにおいて受け付けた入力操作に応じた診断指示の送信回数が規定回数に達したか否かを判断してもよく、ステップS410において間隔を変更した後の診断指示の送信回数が規定回数に達したか否かを判断してもよい。
ステップS416において、診断指示の送信回数が規定回数に達した場合(ステップS416:Yes)、サービスマンの出動要請(に関する情報)を出力して(ステップS417)、一連の処理を終了する。ステップS417においては、サービスマンの出動要請(に関する情報)を、たとえば、操作用の端末装置131に対して出力する。
ステップS415において、該当する応答情報を受信していない場合(ステップS415:No)、ステップS413において診断指示を再送信した後に、遠隔監視支援装置120から送信された第2の応答情報を受信したか否かを判断する(ステップS418)。ステップS418において、遠隔監視支援装置120から送信された第2の応答情報を受信していない場合(ステップS418:No)、ステップS415に戻る。一方、ステップS418において、遠隔監視支援装置120から送信された第2の応答情報を受信した場合(ステップS418:Yes)、ステップS407へ移行して、ステップS418:Yesにおいて受信した第2の応答情報に基づいて上記の報告情報を生成する。
ステップS409において、診断指示の送信回数が規定回数に達していない場合(ステップS419:No)、ステップS405:Yesにおいて第1の応答情報を受信してからの経過時間の計時を開始する(ステップS419)。
ステップS420においては、ステップS419において計時を開始した経過時間が、ステップ待機時間に達したと判断するまで待機する(ステップS420:No)。一方、ステップS420において、ステップS419において計時を開始した経過時間が待機時間に達した場合(ステップS420:Yes)、該当する遠隔監視支援装置120に対して診断指示を再送信する(ステップS421)。その後、ステップS404へ移行して診断指示の送信回数を+1カウントアップする。
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120の処理手順について説明する。図5は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する遠隔監視支援装置120の処理手順を示すフローチャートである。
図5において、まず、上述した図4のステップS403において管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信したか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501において、該当する診断指示を受信していない場合(ステップS501:No)、ステップS504へ移行する。
ステップS501において、該当する診断指示を受信した場合(ステップS501:Yes)、ステップS501:Yesにおいて受信した診断指示が、予約診断動作にかかる診断指示であるか否かを判断する(ステップS502)。ステップS502において、ステップS501:Yesにおいて受信した診断指示が、予約診断動作にかかる診断指示ではない場合(ステップS502:No)、ステップS505へ移行する。
ステップS502において、ステップS501:Yesにおいて受信した診断指示が、予約診断動作にかかる診断指示である場合(ステップS502:Yes)、受信した診断指示に含まれる遠隔診断予定日時を抽出し、抽出した遠隔診断予定日時を記憶する(ステップS503)。ステップS503においては、予約診断動作にかかる診断指示から抽出した遠隔診断予定日時を、記憶部321を実現するメモリ203などに記憶する。
そして、ステップS503において記憶した遠隔診断予定日時が到来したか否かを判断する(ステップS504)。ステップS504において、ステップS503において記憶した遠隔診断予定日時が到来していない場合(ステップS504:No)、ステップS501へ戻る。これにより、先に受信した予約診断動作にかかる診断指示に応じた診断動作の待機中に、あらたに別の診断指示を受信した場合も、当該別の診断指示に応じた処理をおこなうことができる。
ステップS504において、ステップS503において記憶した遠隔診断予定日時が到来した場合(ステップS504:Yes)、診断動作実行指示を生成する(ステップS505)。ステップS505においては、ステップS501:Yesにおいて受信した診断指示から直接、あるいは、ステップS503において遠隔診断予定日時を記憶した予約診断動作にかかる診断指示に基づいて、上記の診断動作実行指示を生成する。
つぎに、監視対象とするエレベーター101の制御基板110に対して、ステップS505において生成した診断動作実行指示を出力し(ステップS506)、ステップS506において診断動作実行指示を出力してからの経過時間の計時を開始する(ステップS507)。そして、ステップS507において診断動作実行指示を出力した結果、制御基板110に対して入出力された信号(上り信号、下り信号)を取得したか否かを判断する(ステップS508)。
ステップS508において、制御基板110に対して入出力された該当する信号を取得した場合(ステップS508:Yes)、ステップS508:Yesにおいて取得した信号に基づいて第1の応答情報を生成し(ステップS509)、管理サーバコンピュータ130に対して、ステップS509において生成した第1の応答情報を送信して(ステップS510)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS508において、制御基板110に対して入出力された該当する信号を取得していない場合(ステップS508:No)、ステップS507において計時を開始した、ステップS506において診断動作実行指示を出力してからの経過時間が所定時間に達したか否かを判断する(ステップS511)。ステップS511において、ステップS506において診断動作実行指示を出力してからの経過時間が所定時間に達していない場合(ステップS511:No)、ステップS508へ移行して、制御基板110に対して入出力された該当する信号を取得したか否かを判断する。
一方、ステップS511において診断動作実行指示を出力してからの経過時間が所定時間に達した場合(ステップS511:Yes)、第2の応答情報を生成する(ステップS512)。その後、管理サーバコンピュータ130に対して、ステップS512において生成した第2の応答情報を送信して(ステップS513)、一連の処理を終了する。
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する制御基板110の処理手順について説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100を構成する制御基板110の処理手順を示すフローチャートである。
図6において、まず、上述した図5のステップS506において遠隔監視支援装置120から出力された診断動作実行指示の入力を受け付けるまで待機する(ステップS601:No)。ステップS601において、診断動作実行指示の入力を受け付けた場合(ステップS601:Yes)、カゴ102を昇降させる駆動機構104における巻上機に対して、カゴ102を最高階床へ移動させる制御用の信号を出力する(ステップS602)。
駆動機構104における巻上機は、制御用の信号の入力を受け付けると、受け付けた制御用の信号にしたがって動作する。駆動機構104(における巻上機)は、動作した場合に、動作信号を出力する。具体的に、たとえば、駆動機構104における巻上機がステッピングモーターである場合、当該ステッピングモーターから出力されるパルス数を動作信号として出力する。
つぎに、ステップS602において出力した制御用の信号に応じて駆動機構104(における巻上機)から出力された動作信号の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS603)。ステップS603において、該当する動作信号の入力を受け付けた場合(ステップS603:Yes)、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作する状態であることを示す情報(動作状態)を記憶して(ステップS604)、ステップS606へ移行する。
一方、ステップ603において、ステップS602においてカゴ102を最高階床へ移動させる制御用の信号を出力してから、該当する動作信号の入力を受け付けないまま、所定時間が経過した場合は、動作信号の入力を受け付けていないと判断し(ステップS603:No)、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作できない状態であることを示す情報(エラー)を記憶して(ステップS605)、ステップS610へ移行する。
ステップS606においては、扉102c、105aを開閉させるモーターに対して、扉102c、105aを開閉させる制御用の信号を出力する(ステップS606)。扉102c、105aを開閉させるモーターは、制御用の信号の入力を受け付けると、受け付けた制御用の信号にしたがって動作する。扉102c、105aを開閉させるモーターは、動作した場合に、動作信号を出力する。具体的に、たとえば、扉102c、105aを開閉させるモーターがステッピングモーターである場合、当該ステッピングモーターから出力されるパルス数を動作信号として出力する。
つぎに、ステップS606において出力した制御用の信号に応じて扉102c、105aを開閉させるモーターから出力された動作信号の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS607)。ステップS607において、該当する動作信号の入力を受け付けた場合(ステップS607:Yes)、扉102c、105aを開閉させるモーターが正常に動作する状態であることを示す情報(動作状態)を記憶して(ステップS608)、ステップS610へ移行する。
一方、ステップ607において、ステップS606において扉102c、105aを開閉させる制御用の信号を出力してから、該当する動作信号の入力を受け付けないまま、所定時間が経過した場合は、動作信号の入力を受け付けていないと判断し(ステップS607:No)、扉102c、105aを開閉させるモーターが正常に動作できない状態であることを示す情報(エラー)を記憶して(ステップS609)、ステップS610へ移行する。
ステップS610においては、カゴ102が現在位置する階床が最低階床であるか否かを判断する(ステップS610)。ステップS610においては、たとえば、エレベーター101が設置されている建物が地下に1階床あって地上に5階床ある建物である場合、カゴ102が地下1階に位置しているか否かを判断する。
ステップS610において、カゴ102が現在位置する階床が最低階床ではない場合(ステップS610:No)、駆動機構104における巻上機に対して、カゴ102を1階床分下へ移動させる制御用の信号を出力する(ステップS611)。駆動機構104における巻上機は、制御用の信号の入力を受け付けると、受け付けた制御用の信号にしたがって動作する。
つぎに、ステップS611において出力した制御用の信号に応じて駆動機構104(における巻上機)から出力された動作信号の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS612)。ステップS612において、該当する動作信号の入力を受け付けた場合(ステップS612:Yes)、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作する状態であることを示す情報(動作状態)を記憶して(ステップS613)、ステップS610へ移行する。
一方、ステップ612において、ステップS611において制御用の信号を出力してから、該当する動作信号の入力を受け付けないまま、所定時間が経過した場合は、該当する動作信号の入力を受け付けていないと判断し(ステップS612:No)、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作できない状態であることを示す情報(エラー)を記憶して(ステップS614)、ステップS610へ移行する。
一方、ステップS610において、カゴ102が現在位置する階床が最低階床である場合(ステップS610:Yes)、駆動機構104における巻上機に対して、カゴ102を無停止上昇移動させる制御用の信号を出力する(ステップS615)。ステップS615においては、たとえば、エレベーター101が設置されている建物が地下に1階床あって地上に5階床ある建物である場合、カゴ102が地下1階から地上5階まで、カゴ102を無停止上昇移動させる制御用の信号を出力する。
そして、ステップS615において出力した制御用の信号に応じて駆動機構104(における巻上機)から出力された動作信号の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS616)。ステップS616において、該当する動作信号の入力を受け付けた場合(ステップS616:Yes)、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作する状態であることを示す情報(動作状態)を記憶して(ステップS617)、ステップS619へ移行する。
一方、ステップ616において、ステップS615において制御用の信号を出力してから、該当する動作信号の入力を受け付けないまま、所定時間が経過した場合は、動作信号の入力を受け付けていないと判断する(ステップS616:No)。そして、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作できない状態であることを示す情報(エラー)を記憶して(ステップS618)、ステップS619へ移行する。
ステップS619においては、駆動機構104における巻上機に対して、カゴ102を無停止下降移動させる制御用の信号を出力する(ステップS619)。ステップS619においては、たとえば、エレベーター101が設置されている建物が地下に1階床あって地上に5階床ある建物である場合、カゴ102が地上5階から地下1階まで、カゴ102を無停止下降移動させる制御用の信号を出力する。
そして、ステップS619において出力した制御用の信号に応じて駆動機構104(における巻上機)から出力された動作信号の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS620)。ステップS620において、該当する動作信号の入力を受け付けた場合(ステップS620:Yes)、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作する状態であることを示す情報(動作状態)を記憶して(ステップS621)、ステップS623へ移行する。
一方、ステップ620において、ステップS619において制御用の信号を出力してから、該当する動作信号の入力を受け付けないまま、所定時間が経過した場合は、動作信号の入力を受け付けていないと判断し(ステップS620:No)、駆動機構104(における巻上機)が正常に動作できない状態であることを示す情報(エラー)を記憶して(ステップS622)、ステップS623へ移行する。
ステップS623においては、ステップS601:Yesにおいて入力を受け付けた診断動作実行指示に応じたエレベーター101の診断動作に際してエラーがあるか否かを判断する(ステップS623)。ステップS623においては、たとえば、制御基板110における所定の記憶領域を参照して、ステップS605、ステップS609、ステップS614、ステップS618あるいはステップS622において記憶されたエラーの有無を判断することによって、診断動作に際してエラーがあるか否かを判断する。
ステップS623において診断動作に際してエラーがない場合(ステップS623:No)、一連の処理を終了する。一方、ステップS623において診断動作に際してエラーがある場合(ステップS623:Yes)、該当するエラーを示す発報信号を生成する(ステップS624)。その後、遠隔監視支援装置120に対して、ステップS624において生成した発報信号を出力して(ステップS625)、一連の処理を終了する。
上述した実施の形態においては、保守点検用の端子110aが、制御基板110に一体に設けられている例について説明したが、保守点検用の端子110aは制御基板110に一体に設けられているものに限らない。保守点検用の端子110aは、制御基板110の入力端子に電気的に接続されていればよく、制御基板110とは別体であってもよい。
また、上述した実施の形態においては、保守点検用の端子110aを実現するコネクタと接続端子121aを実現するコネクタとを介して遠隔監視支援装置120と制御基板110とを接続するようにしたが、遠隔監視支援装置120と制御基板110との接続方法はこれに限るものではない。たとえば、主制御基板121と制御基板110とを配線によって直接接続することによって、遠隔監視支援装置120と制御基板110とを接続してもよい。また、たとえば、乗り場の操作盤やカゴの操作盤などのように、制御基板110との間で信号の入出力をおこなう各部と主制御基板121とを配線によって直接接続することによって、遠隔監視支援装置120と制御基板110とを接続してもよい。
また、上述した実施の形態においては、エレベーターの制御基板に、全階床停止指示に応じた動作をおこなわせ、つぎに無停止上昇移動指示に応じた動作をおこなわせた後、無停止下降移動指示に応じた動作をおこなわせる診断動作実行指示としたが、診断動作実行指示の内容はこれに限るものではない。診断動作実行指示は、たとえば、無停止上昇移動指示に応じた動作をおこなわせ、無停止下降移動指示に応じた動作をおこなわせた後に、全階床停止指示に応じた動作をおこなわせる診断動作実行指示であってもよい。この場合、さらに、無停止上昇移動指示に応じた動作と、無停止下降移動指示に応じた動作とは、いずれを先におこなってもよい。
また、上述した実施の形態においては、管理サーバコンピュータ130が指示信号として診断指示を出力する一例について説明したが、管理サーバコンピュータ130が出力する指示信号は診断指示に限るものではない。管理サーバコンピュータ130は、診断指示に加えて、たとえば、制御基板110において記憶した運行動作の履歴に関する通知情報の送信を指示する指示信号(通知情報の送信指示)を、指示信号として遠隔監視支援装置120に対して送信してもよい。
この場合の運行動作の履歴に関する通知情報は、たとえば、起動回数、カゴ102の走行距離、カゴ102の走行時間、カゴ102の昇降動作や扉105a、102cの開閉動作に際して動作した各種リレーの動作回数などに関する情報によって実現することができる。この場合、管理サーバコンピュータ130は、当該管理サーバコンピュータ130において所定の入力操作を受け付けるごと、あるいは、定期的に、運行動作の履歴に関する通知情報の送信指示を送信する。
また、上述した実施の形態においては、全階床停止指示、無停止上昇移動指示および無停止下降移動指示を含む診断動作実行指示を生成するようにしたが、診断指示に応じて遠隔監視支援装置120が生成する実行指示はこれに限るものではない。たとえば、上記の診断動作実行指示に代えて、遠隔監視支援装置120が管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信した場合に、エレベーター101の動作を制御する制御基板110に対して、個別停止実行指示、無停止上昇移動実行指示および無停止下降移動実行指示をそれぞれ別個に生成するようにしてもよい。
この場合、生成した各実行指示を順次出力し、出力した各実行指示に応じて制御基板110に対して入出力された信号を取得し、取得した信号に基づく応答情報を生成して、管理サーバコンピュータへ送信する。また、この場合、生成した各実行指示を、当該実行指示の前に出力した実行指示に応じた信号を取得した場合に、既に出力した実行指示とは異なる実行指示を出力し、生成したすべての実行指示に応じた信号を取得した場合に応答情報を生成するようにしてもよい。
このような方法によって制御基板110に診断動作をおこなわせる遠隔監視システム100によれば、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示に応じた診断動作に際して、遠隔監視支援装置120から制御基板110に対して、診断動作に際してエレベーター101に実行させる動作にかかる指示を細分化して出力することができる。そして、これにより、遠隔監視支援装置120と制御基板110との間における通信の1回あたりの情報量を抑えることができる。
また、上述した実施の形態においては、管理サーバコンピュータ130から送信されて遠隔監視支援装置120において受信した診断指示が、予約診断動作の診断指示である場合、以降は管理サーバコンピュータ130から診断指示が送信されてこない状況であっても、遠隔監視支援装置120において、先に受信した予約診断動作の診断指示に基づいて、遠隔診断予定日時が到来するごとに、既に受信している診断指示に基づく診断動作実行指示を生成して出力することによって、中断された診断動作を再開させる遠隔監視システム100について説明したが、診断動作を再開させる方法はこれに限るものではない。
たとえば、上記の方法に代えて、制御基板110による診断動作が中断された場合、遠隔監視支援装置120による診断動作の再開はおこなわず、管理サーバコンピュータ130において再度診断指示を生成し、当該診断指示を遠隔監視支援装置120に送信することによって、中断された診断動作を再開させるようにしてもよい。
この場合、管理サーバコンピュータ130は、予約診断動作の入力操作を受け付けると、たとえば、記憶部311において遠隔診断予定日時を記憶しておく。そして、記憶部311における記憶内容に基づいて、遠隔監視支援装置120に対して診断指示を送信した後、遠隔診断予定日時が到来した場合に、遠隔監視支援装置120に対して診断指示を送信する。診断指示は、先に送信した診断指示に対する第1の応答情報を受信するまでの間、直前に診断指示を送信してから所定時間が経過するごとに、すなわち定期的に、遠隔監視支援装置120に対して送信してもよい。
また、制御基板110による診断動作が中断された場合、遠隔監視支援装置120による診断動作の再開と、管理サーバコンピュータ130による診断動作の再開と、を並行しておこなうようにしてもよい。この場合に、中断された診断動作を再開させるために管理サーバコンピュータ130が診断指示を再度送信するタイミングは、診断動作の入力操作に応じた診断指示を送信してから、遠隔監視支援装置120において診断動作が中断されたか否かを判断する際の基準となる所定時間よりも長い時間が経過した後とする。これにより、遠隔監視支援装置120において、診断動作の入力操作に応じた診断指示に応じた処理と、診断動作の再開のための診断指示に応じた処理と、が重複しておこなわれることを抑制し、遠隔監視支援装置120の処理負担が不要に増大することを抑制できる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100は、遠隔監視支援装置120と通信をおこなう管理サーバコンピュータ130が、遠隔監視支援装置120に対して、所定のタイミングで、エレベーター101の状態に関する情報の送信を指示する診断指示を送信し、遠隔監視支援装置120が、管理サーバコンピュータ130から送信された診断指示を受信した場合に、エレベーター101の動作を制御する制御基板110にエレベーター101の動作状態を診断する診断動作実行指示を出力し、出力した診断動作実行指示に応じて制御基板110に対して入出力された信号を取得する。
遠隔監視支援装置120は、診断動作実行指示を出力してから、制御基板110に対して入出力された信号を取得する前に所定時間が経過した場合は、診断動作が完了していないことを示す第1の応答情報を生成し、生成した第1の応答情報を管理サーバコンピュータ130へ送信する。また、遠隔監視支援装置120は、診断動作実行指示を出力してから所定時間が経過する前に制御基板110に対して入出力された信号を取得した場合は、当該信号に基づく第2の応答情報を生成し、生成した第2の応答情報を管理サーバコンピュータ130へ送信する。
管理サーバコンピュータ130は、さらに、遠隔監視支援装置120から送信された第1の応答情報を受信した場合、当該第1の応答情報を受信してから所定の待機時間が経過した後に、診断指示を再送信するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100によれば、遠隔監視による診断動作中に診断動作に起因しない呼び(利用者の操作による呼びなど)が入ったために制御基板110による診断動作が中断された場合、中断してから所定時間が経過した後に、遠隔監視支援装置120によって診断動作を再開させることができる。これにより、制御基板110による診断動作が中断された場合にも、診断動作を確実に完了させることができる。また、制御基板110による診断動作が完了したか中断したかを、管理サーバコンピュータ130を管理するオペレーターに対して案内することができる。
これによって、管理サーバコンピュータ130によるエレベーター101の遠隔監視を確実におこなうことができるので、エレベーター101に対する信頼性の向上を図り、利用者の安全性を確保し、当該利用者に安心してエレベーター101を利用させることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100は、診断指示の再送信を規定回数連続しておこなった場合、診断指示を再送信する間隔を変更することを特徴としている。
このように、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100によれば、診断指示の再出力を規定回数連続しておこなった場合、すなわち、制御基板110から出力された信号が取得できない状態が或る程度継続した場合は、診断指示を再出力する間隔を変更することができる。
これにより、具体的には、たとえば荷物の運搬や清掃作業などによってエレベーター101の診断動作が実行できない状況が或る程度継続する場合は、翌日などに診断指示を再出力することができる。これによって、診断指示を再出力するためにおこなう遠隔監視支援装置120と制御基板110との通信回数を抑えることができ、制御基板110から出力されるエレベーター101の異常を示す発報を、遠隔監視支援装置120において取得しやすくすることができる。これにより、診断動作の実行の有無にかかわらずエレベーター101の遠隔監視を確実におこなうことができるので、エレベーター101に対する信頼性の向上を図り、利用者の安全性を確保し、当該利用者に安心してエレベーター101を利用させることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100は、診断指示の再送信を所定回数連続しておこなった場合、サービスマンの出動要請に関する情報を出力することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の遠隔監視システム100によれば、診断指示の再出力を所定回数連続しておこなった場合、すなわち、制御基板110から出力された信号が取得できない状態が或る程度継続した場合はサービスマンの出動要請に関する情報を出力し、サービスマンによる確認を促すことができる。これによって、遠隔監視では発見しにくい異常などが生じている場合に、当該異常解消のための対応を迅速におこなわせることができるので、エレベーター101に対する信頼性の向上を図り、利用者の安全性を確保し、当該利用者に安心してエレベーター101を利用させることができる。
なお、この実施の形態で説明した遠隔監視方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。