JP2005225658A - エレベータ制御システム - Google Patents

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井 章 二 中
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Abstract

【課題】 通信異常発生後も、通信異常発生前と同等の群管理制御を継続することができ、信頼性及びサービスの低下を防止すること。
【解決手段】 主系群管理制御装置7X及び待機系群管理制御装置7Yは、自分自身の通信異常を検出することはできないが相手側についての通信異常の検出は可能であり、相互に通信状態を監視している。そして、主系側に異常が発生した場合には、直ちに待機系が主系に切り換わって制御を担当する。この待機系群管理制御装置7Yは、主系に切り換わったとしても、それまでの主系群管理制御装置7Xとほぼ同等の群管理制御を実行することが可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数台のエレベータの効率的な運転を行う群管理制御装置を備えたエレベータ制御システムに関するものである。
エレベータの群管理制御装置とは、複数台のエレベータ号機の運転を行う場合、ホール呼びに対する応答時間やかご内の乗客数等を考慮しながら最適な号機を選択することにより、エレベータシステム全体を効率的に統括制御しようとする装置である。
一方、近時のコンピュータ技術の急速な発達により、市販の安価なパソコン(パーソナルコンピュータ)が各種技術分野において広汎に利用されるようになってきている。そして、上記のエレベータの群管理制御装置についても、例えば、特許文献1に見られるように、パソコンを応用して効率的な群管理診断システムや情報入力装置などを構築する技術が提案されている。
ところで、市販のパソコンは、近年その信頼性が大きく向上したものとなっているが、何らかの原因により時として異常が発生するのは周知の通りである。また、群管理制御装置をパソコンにより構成した場合、パソコン自体に異常がなくても伝送路に異常が発生し、群管理制御装置と各エレベータ号機の運転を行う運転制御装置との間で通信を行うことができなくなることがある。そこで、例えば、特許文献2に見られるように、運転制御装置に群管理制御装置の一部の処理を代行させる機能を搭載するようにした技術も提案されている。
特開平5−92883号公報。 特開2001−158578号公報。
上記の特許文献2の技術により、群管理制御装置をパソコンにより構成した場合の信頼性の低下はある程度抑制されるようになっている。しかし、特許文献2の技術における運転制御装置が代行し得るのは、あくまで群管理制御装置の一部の機能のみである。したがって、通信異常が発生した場合の信頼性の低下や利用者に対するサービスの低下の幅は当初からやむを得ないものとして想定された構成となっており、この点においてなお改善の余地を有するものとなっている。
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、各エレベータ号機についての運転制御をそれぞれ行う複数台の運転制御装置と、前記複数台の運転制御装置と群管理用伝送路を介して接続され、最適号機の割当評価に基づき割当制御を行う主系群管理制御装置と、前記複数台の運転制御装置と群管理用伝送路を介して接続され、前記主系群管理制御装置と同じ割当評価のみを行う待機系群管理制御装置と、を備えており、更に、前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置は、互いに相手側の通信異常の有無を監視する通信状態監視手段を有するものであり、前記待機系群管理制御装置が前記主系群管理制御装置の通信異常を検出した場合に、この待機系群管理制御装置が新たに主系群管理制御装置に切り換わり、前記割当制御を行う、ことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記待機系群管理制御装置及び前記主系群管理制御装置の前記通信異常の有無の監視は、予め作成してある通信異常判別用データを一方の制御装置が他方の制御装置に対して送信し、更に、この送信に基づく通信異常判別用データを一方の制御装置が他方の制御装置から所定時間以内に受信したか否かを判別することにより行うものである、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置は、一方の制御装置が他方の制御装置の通信異常を検出した場合に他方の制御装置に対してこの通信異常を復帰させるためのリセット信号を出力し、このリセット信号を入力した他方の制御装置はリスタート動作を行う、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記一方の制御装置は、前記他方の制御装置が所定回数だけ前記リスタート動作を行ったにもかかわらず、この他方の制御装置の通信異常が復帰しない場合に故障発報を行う、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記待機系群管理制御装置は、群管理制御に関する内部データを前記主系群管理制御装置における内部データに一致させるデータ整合処理を所定タイミング毎に行うものである、ことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置の通信異常の有無を監視する伝送分配器を備えており、この伝送分配器は、いずれかの制御装置の通信異常を検出した場合に、この制御装置を伝送路から切り離す伝送路切り離し手段を有するものである、ことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記複数台の運転制御装置のうちのいずれかは、前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置の通信異常の有無を監視することが可能なものであり、これらの制御装置の全てについて通信異常を検出した場合に、前記主系群管理制御装置に代わって群管理制御の一部を行うことが可能なものである、ことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置はパーソナルコンピュータにより形成されるものである、ことを特徴とする。
本発明によれば、群管理制御装置は、通常の割当制御すなわち群管理制御を行う主系群管理制御装置と、通常時は割当制御は行わず主系側と同じ割当評価のみをおこなっている待機系群管理制御装置との2系の制御装置により構成されており、通信異常発生時には直ちに、待機系群管理制御装置が主系群管理制御装置に切り換わるようになっている。したがって、通信異常発生後も、通信異常発生前と同等の群管理制御を継続することができ、信頼性及びサービスの低下を防止することが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係るエレベータ制御システムの構成図である。この実施形態では、複数台のエレベータ号機がA号機、B号機、C号機の3つの号機である場合を例に取り説明する。
各号機のかご1A,1B,1Cは、巻上機2A,2B,2Cにより駆動されて、それぞれの号機に係る昇降路内を昇降動するようになっている。また、これらの各かご内には、行き先階床の数字が記されたかご呼び釦を有する操作盤(図示せず)が設置されており、利用者がかご呼び釦を押したときに発生するかご呼び入力信号はかご用伝送路3A,3B,3Cを介して運転制御装置4A,4B,4Cに送信されるようになっている。上記の巻上機2A,2B,2Cは、この運転制御装置4A,4B,4Cにより回転制御されるようになっている。
運転制御装置4A,4B,4Cは、伝送路5A,5B,5C、伝送分配器6、及び伝送路5X,5Yを介して、主系群管理制御装置7Xと待機系群管理制御装置7Yとの間で各種信号の送受信を行えるようになっている。本実施形態では、これら群管理制御装置7X,7Yはパソコンにより構成されており、伝送路5A,5B,5C、及び伝送路5X,5Yはイーサネット(登録商標)やRS-422Aの規格に対応するものが用いられている。また、本発明では、伝送分配器6に、リピータ(HUB)などの汎用的なものを用いることが可能であるが、本実施形態では、後述するように、通信異常を監視し得る機能を具備したものを用いている。
各号機の1階の乗場には乗場釦8A1,8B1,8C1、及び乗場ランタン9A1,9B1,9C1が設けられており、また、2階の乗場には乗場釦8A2,8B2,8C2、及び乗場ランタン9A2,9B2,9C2が設けられている(図1において、1階及び2階以外の乗場釦及び乗場ランタンの図示は図面の都合上省略されている。)。そして、これら乗場釦及び乗場ランタンは、乗場用伝送路10A,10B,10Cを介して運転制御装置4A,4B,4Cと接続されている。
ここで、本実施形態についての理解を容易にするため、群管理制御装置7X,7Y及び伝送分配器6の詳しい説明に先立ち、図1の概略動作を先に説明しておく。
例えば、1階のA号機の乗場に居る利用者が乗場釦8A1を押したとすると、その乗場呼び入力信号は乗場用伝送路10Aを介して運転制御装置4Aに入力される。運転制御装置4Aは、主系群管理制御装置7Xから伝送路5X、伝送分配器6、及び伝送路5Aを介して送られてきている乗場呼び登録許可情報を参照し、この乗場呼び入力信号が有効であるか否かを判別する。運転制御装置4Aは、有効であると判別すれば、この乗場呼びを登録すると共に、乗場用伝送路10Aを介して点灯信号を乗場釦8A1に対して出力し、乗場釦8A1に点灯を行わせる。
運転制御装置4Aは、また、この時の乗場呼び登録信号を、伝送路5A、伝送分配器6、及び伝送路5B,5Cを介して運転制御装置4B,4Cに対して出力する。そして、運転制御装置4B,4Cは、この運転制御装置4Aからの乗場呼び登録信号の入力に基づき、乗場用伝送路10B,10Cを介して点灯信号を乗場釦8B1,8C1に対して出力し、乗場釦8B1,8C1に点灯を行わせる。つまり、1階の乗場では全ての乗場釦8A1,8B1,8C1が点灯動作を行うことになり、1階の乗場で待っている利用者に対して乗場呼びが登録されたことを知らせるようになっている。
運転制御装置4Aは、更に、この時の乗場呼び登録信号を、伝送路5A、伝送分配器6、及び伝送路5X,5Yを介して主系群管理制御装置7X及び待機系群管理制御装置7Yにも出力している。主系群管理制御装置7Xは、入力した乗場呼び登録信号に基づき、1階で乗場呼びが発生していることを検出し、A号機、B号機、C号機の3つの号機のうちどれが最適号機であるかについて割当評価演算(この演算は公知であるため、その説明については省略する)を行い、評価値の最も高い一の号機(例えば、C号機とする)を最適号機として選択する。
そして、主系群管理制御装置7Xは、この時の選択に基づく割当制御信号を伝送路5X、伝送分配器6、及び伝送路5Cを介して運転制御装置4Cに対して出力する。これにより、運転制御装置4Cは、かご1Cを1階に向かわせるように巻上機2Cを制御する。また、運転制御装置4Cは、乗場用伝送路10Cを介して点灯信号を乗場ランタン9C1に出力して、この乗場ランタン9C1を点灯させ、1階の乗場で待っている利用者にC号機のエレベータが応答することを知らせるようにする。
このとき、待機系群管理制御装置7Yも、主系群管理制御装置7Xと同様に、割当評価演算を行い最適号機の選択を行っているが、待機系であるが故に、この選択に基づく割当制御信号を出力することはしない。また、待機系群管理制御装置7Yは、群管理制御に関する内部データを主系群管理制御装置7Xの内部データに一致させるデータ整合処理を所定タイミング毎に行うようにしている。したがって、主系群管理制御装置7Xが最適号機としてC号機を選択しているにもかかわらず、待機系群管理制御装置7Yの方ではA号機又はB号機を最適号機として選択するようなことが生じないようになっている。
さて、かご1Cが1階に近づくと、運転制御装置4Cは、乗場用伝送路10Cを介して点滅信号を乗場ランタン9C1に出力して、この乗場ランタン9C1を点滅させ、1階の利用者にC号機のエレベータが到着したことを知らせるようにする。次いで、運転制御装置4Cは、ランプ消去信号を生成し、これを乗場用伝送路10Cを介して乗場釦8C1に出力すると共に、運転制御装置4A,4Bにも出力する。そして、運転制御装置4A,4Bは、このランプ消去信号を乗場用伝送路10A,10Bを介して乗場釦8A1,8B1に出力する。したがって、かご1Cが1階に到着すると、それまで点灯していた1階の乗場釦8A1,8B1,8C1は全て消灯する。
かご1Cが1階に到着してドアが開放されると、1階の乗場で待っていた利用者は、かご1C内に乗り込み、かご内操作盤に設けられている目的階(例えば5階)のかご呼び釦を押す。すると、かご呼び入力信号がかご1Cからかご用伝送路3Cを介して運転制御装置4Cに入力される。運転制御装置4Cは、主系群管理制御装置7Xから伝送路5X、伝送分配器6、及び伝送路5Cを介して送られてきているかご呼び登録許可情報を参照し、このかご呼び入力信号が有効であるか否かを判別する。運転制御装置4Cは、有効であると判別すれば、このかご呼びを登録すると共に、かご用伝送路3Cを介して点灯信号をかご1C内のかご呼び釦に対して出力し、このかご呼び釦に点灯を行わせる。
そして、運転制御装置4Cは巻上機2Cの回転制御を行い、かご1Cを5階に向かわせる。かご1Cが5階に到着してドアが開放されると、運転制御装置4Cは、ランプ消去信号を生成し、これをかご用伝送路3Cを介してかご1C内のかご呼び釦に出力する。これにより、それまで点灯していたかご呼び釦が消灯する。以上が図1の概略動作である。
次に、主系群管理制御装置7Xにつき詳しく説明する(待機系群管理制御装置7Yについては主系群管理制御装置7Xと同様の構成であるため説明を省略する。)。図2は、この主系群管理制御装置7Xの構成を示すブロック図である。
図2において、主系群管理制御装置7Xは、伝送路5Xに接続された群管理伝送用インタフェース71と、運転制御装置4A,4B,4Cからの乗場呼び登録信号の入力に基づき乗場呼びの検出を行う乗場呼び検出手段72と、乗場呼び検出手段72からの検出信号に基づいて最適号機の割当評価演算を行い、割当制御を行う群管理手段73と、群管理手段73からの割当制御信号やその他の種々の制御信号についての入出力動作を行う制御指令入出力手段74と、相手側すなわち待機系群管理制御装置7Yの通信異常の有無を監視する通信状態監視手段75と、通信状態監視手段75の監視結果に基づき待機系群管理制御装置7Yに対してリセット信号を出力したり、あるいは待機系群管理制御装置7Yからリセット信号を入力するリセット入出力手段76と、通信状態監視手段75の監視結果に基づき故障発報を行う故障発報手段77とを有している。
図3は、図2における通信状態監視手段75の構成を示すブロック図である。通信状態監視手段75は、相手側すなわち待機系群管理制御装置7Yの通信異常を判別するためのデータを送信する判別用データ送信手段751と、この判別用データ送信手段751の送信に基づき待機系群管理制御装置7Yから返ってきたデータを受信する判別用データ受信手段752と、自己の群管理制御装置が待機系である場合には主系に切り換える指令を出力する主系切換指令手段753と、判別用データ受信手段752からの指示に基づきリセット指令を出力するリセット指令手段754と、セット信号S及びリセット信号Rの入力に基づき計測信号T又はCを出力する送信タイマ755、送信カウンタ756、再送信カウンタ757、及びリセットカウンタ758とを有している。
上記のように構成される主系群管理制御装置7X(及び待機系群管理制御装置7Y)の動作を、図5乃至図10のフローチャート、及び図11の群管理用データについての説明図を参照しつつ説明する。
主系群管理制御装置7Xは、図5に示すように、ステップ51の伝送制御、及びステップ52の群管理制御を行うようになっている。そして、ステップ51の伝送制御は、図6に示すように、ステップ61の送受信処理、ステップ62の伝送監視、ステップ63の主系・待機系切換処理より成っている。ステップ61の送受信処理は、群管理伝送用インタフェース71が行う各種信号の入出力処理であり、ここでは説明を省略する。
図7は、ステップ62の伝送監視についての詳細な動作を説明するためのフローチャートである。まず、判別用データ送信手段751は、制御指令入出力手段74から通信異常を判別するためのデータAを入力し、これを待機系群管理制御装置7Yに対して送信すると共に、送信タイマ755及び送信カウンタ756にセット信号Sを出力してこれらをセットする(ステップ701)。待機系群管理制御装置7Yは、この入力したデータAをそのまま主系群管理制御装置7X側に返信する機能を備えている。そして、判別用データ受信手段752は、この待機系群管理制御装置7YからのデータAが所定の時間Ta以内に返信されたか否かを、送信タイマ755からの計測時間Tに基づき判別している(ステップ702)。
上記のステップ701,702の処理は、待機系群管理制御装置7Yの入出力機能及び伝送路5Yが正常であれば、主系群管理制御装置7Xから送信されたデータは所定時間内に返信されてくるはずであるという考えに基づいている。つまり、一組の群管理制御装置がある場合、各群管理制御装置は、自己についての通信機能が正常であるか否かについて自身で診断することはできないが、相手側の通信機能が正常であるか否かについては診断可能なのである。
待機系群管理制御装置7YからのデータAが所定の時間Ta以内に返信されてきた場合、判別用データ受信手段752は、判別用データ送信手段751による次の送信動作の準備のために再送信カウンタ757及び送信タイマ755にリセット信号Rを出力してこれらをリセットする(ステップ703)。
そして、判別用データ受信手段752は、判別用データ送信手段751の送信動作が所定回数だけ行われたか否かを送信カウンタ756のカウント値Cに基づき判別し(ステップ704)、もし行われていれば送信カウンタ756にリセット信号Rを出力してリセットを行う(ステップ706)。この場合は、待機系群管理制御装置7Yの通信状態は正常であると考えることができるので通信状態監視手段75の動作は終了する。一方、判別用データ送信手段751の送信動作が未だ所定回数だけ行われていない場合つまりステップ704の判別結果が「NO」の場合、判別用データ受信手段752は、データAをインクリメントしてデータA+1を送信すべきことを判別用データ送信手段751に対して指令する(ステップ705)。
これにより再度ステップ701の処理が行われ、判別用データ送信手段751は、前回データを1だけインクリメントしたものを新たなデータAとして送信を行うと共に、送信タイマ755をセットする。但し、この場合、送信カウンタ756については既にセットされているので、今度はカウント値Cが更新されるだけである。そして、判別用データ受信手段752は、前回と同様に、待機系群管理制御装置7YからのデータAが所定の時間Ta以内に返信されたか否かを、送信タイマ755からの計測時間Tに基づき判別する(ステップ702)。
ここで、ステップ705においてデータAのインクリメントを行う理由は、主系群管理制御装置7X側の送信動作と待機系群管理制御装置7Y側の返信動作とが正しく対応しているかどうかを確認するためである。つまり、装置7X側が同一のデータAを複数回送信し、装置7Y側からこのデータAが同一回数だけ返信されてきたとしても、装置7X側では、装置7Y側が正しい返信動作を行っているのか、あるいは何らかの異常により反復して同一データAを返信しているのか判断することができない。それ故、判別用データ送信手段751から順次異なるデータA,A+1,A+2,……を装置7Y側に所定回数だけ送信し、装置7Y側から送信した通りのデータA,A+1,A+2,……がそのまま返信されてくれば、装置7Y側の通信状態は正常であると判断するようにしている。
さて、今度はステップ702での判別結果が「NO」であったとすると、判別用データ受信手段752は再送信カウンタ757にセット信号Sを出力してセットすると共に、送信タイマ755にリセット信号Rを出力してリセットする(ステップ707)。そして、判別用データ受信手段752は、判別用データ送信手段751の再送信動作が所定回数(例えば3回)だけ行われたか否かを再送信カウンタ757のカウント値Cに基づき判別する(ステップ708)。
ステップ708での判別結果が「NO」であれば、再びステップ701に戻り、前回と同一のデータAが判別用データ送信手段751により再送信される。もし待機系群管理制御装置7Yの通信状態が異常であれば、ステップ702での判別結果は「NO」が繰り返され、やがてステップ708での判別結果は「YES」となる(但し、再送信カウンタ757については既にセットされているので、今度はカウント値Cが更新されるだけである。)。この場合、この状態のままで再送信動作を繰り返しても無意味であると考えられるので、判別用データ受信手段752はこの判別結果を主系切換指令手段753に知らせて次の処理を行わせるようにする。
すなわち、主系切換指令手段753は判別用データ受信手段752からステップ708の判別結果「YES」を入力すると、自己の群管理制御装置が待機系であるか否かを判別する(ステップ709)。ここで、自己が待機系であるか主系であるかは、予め群管理手段73に対して設定されている。主系切換指令手段753は、制御指令入出力手段74を介して入力するこのときの設定情報に基づきステップ709の判別を行う。いまの場合、主系側であることを前提として説明しているので、ステップ709の判別結果は「NO」となるが、もし待機系側であれば、主系切換指令手段753は主系切換指令を制御指令入出力手段74を介して群管理手段73に出力し、自己が主系に切り換わるようにする(ステップ710)。
判別用データ受信手段752は、ステップ709での判別を行った後、再送信カウンタ757にリセット信号Rを出力してリセットを行い(ステップ711)、更に、リセットカウンタ758にセット信号Sを出力してセットすると共に、リセット指令手段754に対してリセット指令をリセット入出力手段76に出力すべきことを指令する(ステップ712)。これにより、リセット入出力手段76はリセット信号を出力する。このリセット入出力手段76からのリセット信号は、群管理伝送用インタフェース71、伝送路5X、伝送分配器6、及び伝送路5Yを介して待機系群管理制御装置7Yに入力される。
待機系群管理制御装置7Y側では、上記の主系群管理制御装置7X側からのリセット信号を入力すると、所謂リスタート動作を行う。一般に、パソコン又はパソコンと同様の機能を有する制御装置等は、何らかの原因により異常となってもリスタート動作を行わせることにより復旧することが多いのは経験上明らかである。上記のリスタート動作も、このような効果が得られることを意図したものである。
また、判別用データ受信手段752は、リセット指令手段754がリセット指令を出力する毎に、リセットカウンタ758のカウント値に基づき、リセット入出力手段76によるリセット動作が所定回数行われたか否かについて判別する(ステップ713)。そして、もし所定回数行われていなければステップ701に戻り、判別用データ受信手段752は、判別用データ送信手段751に対してデータAの送信を行うべきことを指令する。一方、所定回数行われたならば、判別用データ受信手段752は、故障発報手段77に対して故障発報を行うべきことを指令する(ステップ714)。これにより、故障発報手段77は、故障信号を群管理伝送用インタフェース71を介して出力する。
この故障発報により、主系群管理制御装置7Xでは待機系群管理制御装置7Y側に異常が発生していることを前提とした処理を行う。また、故障発報手段77からの故障信号の内容は、主系群管理制御装置7X側のディスプレイ(図示せず)に表示されるようになっており、更に、待機系群管理制御装置7Yにも伝送されるようになっている(尤も、待機系群管理制御装置7Y側の伝送異常が伝送路5Yの遮断事故等である場合、この装置7Y側への伝送は無意味となる。)。
判別用データ受信手段752は、故障発報手段77に故障発報を行うべきことを指令した後、リセットカウンタ758にリセット信号Rを出力してリセットを行う(ステップ715)。
以上が主系群管理制御装置7Xの通信状態監視手段75が行う伝送監視の具体的動作例である。上記の例は、主系群管理制御装置7Xについて説明したものであるが、待機系群管理制御装置7Y側の動作もほぼ同様である(異なるのは、ステップ709の判別結果、及びステップ710の動作の有無だけである。)。
なお、上記のリスタート動作については、パソコンにより構成されている制御装置7X,7Y内部に異常検出手段を設け、この異常検出手段が自己側制御装置のソフトウエア異常を検出した場合に自発的にリスタート動作を行なわせるようにすることもできる。
図8は、図6におけるステップ63の「主系・待機系切換処理」についてのフローチャートである。既述した図7の説明からも分かるように、この「主系・待機系切換処理」は実はステップ710において既に行われているものである。図6は、ステップ62の伝送監視の結果、必要があればステップ63において主系と待機系の切換処理を行うようにしたことを示したものであり、一方、図7ではフローチャートが煩雑になるのを避けるため「伝送監視」とは別処理とも言える「切換処理」をステップ710に挿入したものである。したがって、重複して図示したことに特に深い意味はない。
ステップ81において、群管理手段73は、自己の主系側への指令が有るか否かにつき判別する。主系側への切換が有る場合とは、当初から主系側に設定されている場合の他に、当初は待機系に設定されていたが通信状態監視手段75の主系切換指令手段753から主系切換指令を入力した場合を含んでいる。そして、主系指令が有れば、群管理手段73は割当制御信号を出力する(ステップ82)。この割当制御信号は、制御指令入出力手段74により運転制御装置4A,4B,4Cに出力されることになる。
図9は、図5におけるステップ52の「群管理制御」についてのフローチャートである。主系群管理制御装置7Xの群管理手段73は、待機系群管理制御装置7Y側の群管理手段と所定タイミング毎にデータ整合処理を行い(ステップ91)、また、乗場呼び登録許可情報及びかご呼び登録許可情報を生成して、これを制御指令入出力手段74を介して運転制御装置4A,4B,4Cに出力している(ステップ92)。
そして、乗場釦からの乗場呼び入力信号に基づき運転制御装置4A,4B,4Cのいずれかが乗場呼び登録信号を出力している場合、群管理手段73は乗場呼び検出手段72を介してこの乗場呼びを検出し(ステップ93)、割当評価演算を行う(ステップ94)。この演算結果に基づき、群管理手段73は、A号機、B号機、C号機のうちのいずれかを最適号機として選択する(ステップ95)。
図10は、図9におけるステップ91のデータ整合処理についてのフローチャートである。群管理手段73は、自己の群管理制御装置が主系であるか待機系であるかを判別し(ステップ101)、主系であれば群管理用データを制御指令入出力手段74を介して待機系群管理制御装置7Y側に送信する(ステップ102)。一方、自己が待機系側であれば主系側から送信されてくる群管理用データを受信し(ステップ103)、この受信データと、自己に記憶されている内部群管理データとが一致しているかどうかを判別する(ステップ104)。そして、一致していれば、そのまま処理を終了し、一方、一致していなければ内部群管理データを受信データに一致するように変更する。
このように、本実施形態では、主系側と待機系側との間で所定タイミング毎にデータ整合処理を行っているので、主系側に通信異常が発生しても、それまで待機系側となっていた群管理制御装置は主系側で行っていた群管理制御を円滑に引き継ぐことが可能になる。
図11は、図10のステップ102,103で送受信される群管理用データについての説明図である。そして、図11(a)は、エレベータ運転中実際に主系群管理制御装置7Xから運転制御装置4Cに対して送信されるデータである(運転制御装置4A,4Bへのデータも同様である。)。待機系群管理制御装置7Y側も、ステップ103の受信によりこのデータを保持しているが、待機系であるが故にこのデータを運転制御装置側に送信することはない。図11(b)は、主系及び待機系の群管理制御装置同士でのみ送受信されるデータである。
次に、伝送分配器6の構成を図4のブロック図に基づき説明する。図4において、伝送分配器6は、送受信手段62A,62B,62Cを有する送受信回路61と、通信状態監視手段64、リセット出力手段65、故障発報手段66、及び伝送路切り離し手段67を有する伝送監視回路63とを備えている。
送受信手段62A,62B,62Cは、それぞれ伝送路5A,5B,5Cを伝送路5X又は伝送路5Yのいずれかに接続し、運転制御装置4A,4B,4Cと主系群管理制御装置7X又は待機系群管理制御装置7Yとの間の送受信動作を可能にするものである。
伝送監視回路63は、送受信回路61を介して主系群管理制御装置7X及び待機系群管理制御装置7Yの通信状態を監視し、異常となった群管理制御装置に対してリセット信号の出力、故障発報、伝送路切り離しなどを行う機能を具備している。
上記のように構成される伝送分配器6の動作を、図12及び図13のフローチャートを参照しつつ説明する。伝送分配器6は、図12に示すように、ステップ121の送受信処理、ステップ122の伝送監視を行うようになっている。ステップ121の送受信処理は、上述したように、運転制御装置4A,4B,4Cと主系群管理制御装置7X又は待機系群管理制御装置7Yとの間の送受信に関する処理であり、ここでは説明を省略する。
図13は、ステップ122の伝送監視についての詳細な動作を説明するためのフローチャートである。この図13は、図7と略同様の内容になっているが、ステップ1309では「伝送異常は待機系」であるか否かについて判別している点、及びステップ1314の切り離し処理が追加されている点が大きく異なっている。この図13は、主系群管理制御装置7X側の伝送監視に関するものであるが、待機系群管理制御装置7Y側の伝送監視も同じフローチャートとなる。
なお、伝送監視回路63の通信状態監視手段64は、図3における通信状態監視手段75と略同様の構成を有するものであるため図示を省略するが、図3において符号751〜758で示したのと同様の構成要素、すなわち、「判別用データ送信手段」、「判別用データ受信手段」、「主系切換指令手段」、「リセット指令手段」、「送信タイマ」、「送信カウンタ」、「再送信カウンタ」、及び「リセットカウンタ」を有している。
また、リセット出力手段65、及び故障発報手段66は、図2におけるリセット入出力手段76、及び故障発報手段77と略同様の機能を有するものである。但し、伝送分配器6では、主系群管理制御装置7X又は主系群管理制御装置7Xに対してリセット信号を出力することはあっても、リセット信号を入力することはないので、リセット「入出力」手段ではなく、リセット「出力」手段65となっている。
通信状態監視手段64の判別用データ送信手段は、通信異常を判別するためのデータAを入力し、これを主系群管理制御装置7Xに対して送信すると共に、送信タイマ及び送信カウンタにセット信号Sを出力してこれらをセットする(ステップ1301)。主系群管理制御装置7Xは、この入力したデータAをそのまま伝送分配器6側に返信する機能を備えている。そして、通信状態監視手段64の判別用データ受信手段は、この主系群管理制御装置7XからのデータAが所定の時間Ta以内に返信されたか否かを、送信タイマからの計測時間Tに基づき判別している(ステップ1302)。
主系群管理制御装置7XからのデータAが所定の時間Ta以内に返信されてきた場合、判別用データ受信手段は、判別用データ送信手段による次の送信動作の準備のために再送信カウンタ及び送信タイマにリセット信号Rを出力してこれらをリセットする(ステップ1303)。
そして、判別用データ受信手段は、判別用データ送信手段の送信動作が所定回数だけ行われたか否かを送信カウンタのカウント値Cに基づき判別し(ステップ1304)、もし行われていれば送信カウンタにリセット信号Rを出力してリセットを行う(ステップ1306)。この場合は、主系群管理制御装置7Xの通信状態は正常であると考えることができるので通信状態監視手段64の動作は終了する。一方、判別用データ送信手段の送信動作が未だ所定回数だけ行われていない場合つまりステップ1304の判別結果が「NO」の場合、判別用データ受信手段は、データAをインクリメントしてデータA+1を送信すべきことを判別用データ送信手段に対して指令する(ステップ1305)。
これにより再度ステップ1301の処理が行われ、判別用データ送信手段は、前回データを1だけインクリメントしたものを新たなデータAとして送信を行うと共に、送信タイマをセットする。但し、この場合、送信カウンタについては既にセットされているので、今度はカウント値Cが更新されるだけである。そして、判別用データ受信手段は、前回と同様に、主系群管理制御装置7XからのデータAが所定の時間Ta以内に返信されたか否かを、送信タイマからの計測時間Tに基づき判別する(ステップ1302)。
ここで、ステップ1305においてデータAのインクリメントを行う理由は、伝送分配器6側の送信動作と主系群管理制御装置7X側の返信動作とが正しく対応しているかどうかを確認するためである。つまり、伝送分配器6側が同一のデータAを複数回送信し、装置7X側からこのデータAが同一回数だけ返信されてきたとしても、伝送分配器6側では、装置7X側が正しい返信動作を行っているのか、あるいは何らかの異常により反復して同一データAを返信しているのか判断することができない。それ故、伝送分配器6の判別用データ送信手段から順次異なるデータA,A+1,A+2,……を装置7X側に所定回数だけ送信し、装置7X側から送信した通りのデータA,A+1,A+2,……がそのまま返信されてくれば、装置7X側の通信状態は正常であると判断するようにしている。
さて、今度はステップ1302での判別結果が「NO」であったとすると、判別用データ受信手段は再送信カウンタにセット信号Sを出力してセットすると共に、送信タイマにリセット信号Rを出力してリセットする(ステップ1307)。そして、判別用データ受信手段は、判別用データ送信手段の再送信動作が所定回数(例えば3回)だけ行われたか否かを再送信カウンタのカウント値Cに基づき判別する(ステップ1308)。
ステップ1308での判別結果が「NO」であれば、再びステップ1301に戻り、前回と同一のデータAが判別用データ送信手段により再送信される。もし主系群管理制御装置7Xの通信状態が異常であれば、ステップ1302での判別結果は「NO」が繰り返され、やがてステップ1308での判別結果は「YES」となる(但し、再送信カウンタについては既にセットされているので、今度はカウント値Cが更新されるだけである。)。この場合、この状態のままで再送信動作を繰り返しても無意味であると考えられるので、判別用データ受信手段はこの判別結果を主系切換指令手段に知らせて次の処理を行わせるようにする。
すなわち、主系切換指令手段は判別用データ受信手段からステップ1308の判別結果「YES」を入力すると、伝送異常となっている群管理制御装置が待機系であるか否かを判別する(ステップ709)。この場合は主系であるため、ステップ1311に進むが、もし待機系であれば主系切換指令手段は主系切換指令を出力し、監視対象となっている群管理制御装置が主系に切り換わるようにする(ステップ1310)。
判別用データ受信手段は、ステップ1309での判別を行った後、再送信カウンタにリセット信号Rを出力してリセットを行い(ステップ1311)、更に、リセットカウンタにセット信号Sを出力してセットすると共に、リセット指令手段に対してリセット指令をリセット出力手段65に出力すべきことを指令する(ステップ1312)。これにより、リセット出力手段65はリセット信号を出力する。このリセット出力手段65からのリセット信号は、送受信回路61、及び伝送路5Xを介して主系群管理制御装置7Xに入力される。
主系群管理制御装置7X側では、上記の伝送分配器6側からのリセット信号を入力すると、所謂リスタート動作を行う。一般に、パソコン又はパソコンと同様の機能を有する制御装置等は、何らかの原因により異常となってもリスタート動作を行わせることにより復旧することが多いのは経験上明らかである。上記のリスタート動作も、このような効果が得られることを意図したものである。
また、判別用データ受信手段は、リセット指令手段がリセット指令を出力する毎に、リセットカウンタのカウント値に基づき、リセット出力手段65によるリセット動作が所定回数行われたか否かについて判別する(ステップ1313)。そして、もし所定回数行われていなければステップ1301に戻り、判別用データ受信手段は、判別用データ送信手段に対してデータAの送信を行うべきことを指令する。
一方、所定回数行われたならば、判別用データ受信手段は、伝送路切り離し手段67に対して伝送路5Xを切り離すべきことを指令する(ステップ1314)。これにより、伝送路切り離し手段67は、伝送路5A,5B,5Cと伝送路5Xとの接続が遮断されるように、送受信手段62A,62B,62Cに対して制御信号を出力する。
次いで、判別用データ受信手段は、故障発報手段66に対して故障発報を行うべきことを指令する(ステップ1315)。これにより、故障発報手段66は、送受信回路61を介して故障信号を、未だ伝送路5Yが切り離されていない待機系群管理制御装置7Y側に送信する。この故障発報により、待機系群管理制御装置7Y側では主系群管理制御装置7Xに異常が発生していることを前提とした処理を行う。
そして、判別用データ受信手段は、故障発報手段66に故障発報を行うべきことを指令した後、リセットカウンタにリセット信号Rを出力してリセットを行う(ステップ1316)。
なお、主系群管理制御装置7X及び待機系群管理制御装置7Yの双方に通信異常が発生した場合、つまり伝送路5X及び伝送路5Yの双方を切り離した場合には、故障発報手段66からの故障信号は、伝送路5A,5B,5Cを介して運転制御装置4A,4B,4Cのいずれか(群管理制御を担当する装置は予め設定されているものとする)に送信されることになる。これにより、その運転制御装置は、次に述べるように、自ら群管理制御を行うことになる。以上が伝送分配器6が行う送受信処理及び伝送監視の具体的動作例である。
次に、本実施形態の運転制御装置4A,4B,4Cが行う処理を図14乃至図17のフローチャートを参照しつつ説明する。図14は、運転制御装置4A,4B,4Cが行う各処理を示すフローチャートであり、群管理制御(ステップ141)、かご呼び処理(ステップ142)、乗場呼び処理(ステップ143)、及び運転処理(ステップ144)がある。但し、ステップ141の群管理制御は、主系群管理制御装置7X及び待機系群管理制御装置7Yの双方が通信異常である場合に、予め群管理制御を代行するように設定されている運転制御装置(例えば4Aとする)のみが行う処理である。また、ステップ142のかご処理は、自号機のかご内のかご呼び釦の操作に応答するだけの単純な処理であるため、説明を省略する。
図15は、ステップ141の群管理制御の内容を示すフローチャートである。予め群管理制御を代行するように設定されている運転制御装置4Aは、群管理制御装置7X,7Yが全て通信異常になっているか否かについて判別する(ステップ151)。本実施形態では、上述したように、伝送分配器6の故障発報手段66からの故障信号に基づきこの判別が容易に行えるようになっているが、伝送分配器6が故障発報の機能を備えていない場合には、運転制御装置4A自身がこのステップ151についての判別機能を持っているものとする。そして、ステップ151の判別結果が「NO」の場合、つまり群管理制御装置7X,7Yのうちのいずれかが正常であれば、その正常な群管理制御装置が群管理制御を実行するので、そのまま運転制御装置4Aの処理は終了する。
一方、群管理制御装置7X,7Yが全て通信異常になっている場合、運転制御装置4Aは、乗場呼び登録許可情報及びかご呼び登録許可情報の生成、出力(ステップ152)、乗場呼び検出(ステップ153)、割当評価演算(ステップ154)、及び最適号機への割当出力(ステップ155)を行う。これらステップ152〜155の動作は、図9に示した主系群管理制御装置7Xのステップ92〜95と同様のものである。
なお、運転制御装置4Aは、通常運転中も主系群管理制御装置7Xから図11に示した群管理用データを定期的に入力してデータ更新を行っており、常に最新の群管理データを用いて群管理制御を代行できるようになっている。
図16は、ステップ143の乗場呼び処理の内容を示すフローチャートである。運転制御装置4A,4B,4Cは、それぞれ乗場呼び登録が有ったか否かを判別し(ステップ161)、有る場合にはその呼びが自号機へのものであるか否かにつき判別する(ステップ162)。そして、自号機への呼びであれば他号機に乗場呼び登録信号を送信する(ステップ163)。
ステップ163の送信が行われた後、又はステップ161若しくはステップ162の判別結果が「NO」の場合に、各運転制御装置は、乗場呼び入力が有った階床に対する消去信号が生成されているか否かについて判別し(ステップ164)、消去信号が生成されていれば、それが自号機で生成されたものであるか否かにつき判別する(ステップ165)。そして、自号機で生成されたものであれば他号機にこの消去信号を送信する(ステップ166)。
ステップ166の送信が行われた後、又はステップ164若しくはステップ165の判別結果が「NO」の場合に、各運転制御装置は、乗場呼び状態と消去状態とを合成して乗場釦のランプ出力を制御する(ステップ167)。つまり、乗場呼び登録が行われ且つ消去信号がない場合には乗場釦を点灯し、一方、乗場呼び登録がない場合、又は乗場呼び登録があっても消去信号が生成されている場合には乗場釦を消灯するようにランプ出力の制御を行う。
図17は、ステップ144の運転処理の内容を示すフローチャートである。運転制御装置4A,4B,4Cのそれぞれは群管理用伝送路が正常であるか否かにつき判別する(ステップ171)。ここで、群管理用伝送路とは、群管理制御装置7X又は7Yが群管理制御を行っている場合には当該群管理制御装置と各運転制御装置との間の伝送路を指し、また、運転制御装置4Aが群管理制御を代行している場合には、運転制御装置4Aと運転制御装置4B又は4Cとの間の伝送路を指す。
そして、群管理用伝送路が正常であれば、自号機のかご内のかご呼び入力信号と、群管理制御に基づく割当制御信号とを合成し(ステップ172)、この合成の結果に基づき次停止階を決定した(ステップ173)後、エレベータの起動を行う(ステップ174)。
一方、群管理用伝送路が異常の場合は、自号機のかご内のかご呼び入力信号と、自号機の乗場呼び入力信号とを合成し(ステップ175)、その後ステップ173,174の処理を行う。したがって、各号機は、全ての群管理用伝送路が異常であるような場合も、少なくとも自号機に対して直接行われた呼び入力については応答機能を確保していることになる。
以上説明してきたように、本発明では、自分自身の通信異常を検出することはできないが他の装置についての通信異常の検出は可能であるという群管理制御装置の特性を考慮し、主系及び待機系の2系の群管理制御装置を設けて相互に通信状態を監視させるようにし、主系側に異常が発生した場合には、直ちに待機系が主系に切り換わって制御を担当するようになっている。そして、この待機系群管理制御装置は、主系に切り換わったとしても、それまでの主系群管理制御装置とほぼ同等の群管理制御を実行することが可能なものである。したがって、これら主系群管理制御装置及び待機系群管理制御装置をパーソナルコンピュータにより構成しても、信頼性の低下や利用者に対するサービスの低下を有効に防止することが可能になる。
また、上述した実施形態では、群管理制御装置に通信異常の現象が見られても、これを直ちに回復不可能な通信異常とする取り扱いはせず、リスタート動作を行って極力回復を図る措置を講じるようにしている。したがって、この点においても従来装置に比べて信頼性の低下や利用者に対するサービスの低下を極力抑制することができる。そして、本実施形態では、伝送分配器についても伝送監視機能を具備させるようにしているので、この効果は一層大きなものとなる。
なお、上記実施形態では、待機系群管理制御装置は1台の場合につき説明したが、2台以上設ける構成とすることは勿論可能である。
本発明の実施形態に係るエレベータ制御システムの構成図。 図1における主系群管理制御装置7Xの構成を示すブロック図。 図2における通信状態監視手段75の構成を示すブロック図。 図1における伝送分配器6の構成を示すブロック図。 図1における主系群管理制御装置7Xの処理を示すフローチャート。 図5におけるステップ51の伝送制御についてのフローチャート。 図6におけるステップ62の伝送監視についてのフローチャート。 図6におけるステップ63の主系・待機系切換処理についてのフローチャート。 図5におけるステップ52の群管理制御についてのフローチャート。 図9におけるステップ91のデータ整合処理についてのフローチャート。 図10のステップ102,103で送受信される群管理用データについての説明図であり、(a)は、エレベータ運転中実際に主系群管理制御装置7Xから運転制御装置4Cに対して送信されるデータ、(b)は、主系及び待機系の群管理制御装置同士でのみ送受信されるデータを示す。 図1における伝送分配器6の処理を示すフローチャート。 図12におけるステップ122の伝送監視についてのフローチャート。 図1における運転制御装置4A,4B,4Cが行う各処理を示すフローチャート。 図14におけるステップ141の群管理制御の内容を示すフローチャート。 図14におけるステップ143の乗場呼び処理の内容を示すフローチャート。 図14におけるステップ144の運転処理の内容を示すフローチャート。
符号の説明
1A,1B,1C かご
2A,2B,2C 巻上機
3A,3B,3C かご用伝送路
4A,4B,4C 運転制御装置
5A,5B,5C 伝送路
5X,5Y 伝送路
6 伝送分配器
61 送受信回路
62A,62B,62C 送受信手段
63 伝送監視回路
64 通信状態監視手段
65 リセット出力手段
66 故障発報手段
67 伝送路切り離し手段
7X 主系群管理制御装置
71 群管理伝送用インタフェース
72 乗場呼び検出手段
73 群管理手段
74 制御指令入出力手段
75 通信状態監視手段
751 判別用データ送信手段
752 判別用データ受信手段
753 主系切換指令手段
754 リセット指令手段
755 送信タイマ
756 送信カウンタ
757 再送信カウンタ
758 リセットカウンタ
76 リセット入出力手段
77 故障発報手段
7Y 待機系群管理制御装置
8A1,8B1,8C1 1階の乗場釦
8A2,8B2,8C2 2階の乗場釦
9A1,9B1,9C1 1階の乗場ランタン
9A2,9B2,9C2 2階の乗場ランタン
10A,10B,10C 乗場用伝送路

Claims (8)

  1. 各エレベータ号機についての運転制御をそれぞれ行う複数台の運転制御装置と、
    前記複数台の運転制御装置と群管理用伝送路を介して接続され、最適号機の割当評価に基づき割当制御を行う主系群管理制御装置と、
    前記複数台の運転制御装置と群管理用伝送路を介して接続され、前記主系群管理制御装置と同じ割当評価のみを行う待機系群管理制御装置と、
    を備えており、
    更に、前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置は、互いに相手側の通信異常の有無を監視する通信状態監視手段を有するものであり、
    前記待機系群管理制御装置が前記主系群管理制御装置の通信異常を検出した場合に、この待機系群管理制御装置が新たに主系群管理制御装置に切り換わり、前記割当制御を行う、
    ことを特徴とするエレベータ制御システム。
  2. 前記待機系群管理制御装置及び前記主系群管理制御装置の前記通信異常の有無の監視は、予め作成してある通信異常判別用データを一方の制御装置が他方の制御装置に対して送信し、更に、この送信に基づく通信異常判別用データを一方の制御装置が他方の制御装置から所定時間以内に受信したか否かを判別することにより行うものである、
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ制御システム。
  3. 前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置は、一方の制御装置が他方の制御装置の通信異常を検出した場合に他方の制御装置に対してこの通信異常を復帰させるためのリセット信号を出力し、このリセット信号を入力した他方の制御装置はリスタート動作を行う、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータ制御システム。
  4. 前記一方の制御装置は、前記他方の制御装置が所定回数だけ前記リスタート動作を行ったにもかかわらず、この他方の制御装置の通信異常が復帰しない場合に故障発報を行う、
    ことを特徴とする請求項3記載のエレベータ制御システム。
  5. 前記待機系群管理制御装置は、群管理制御に関する内部データを前記主系群管理制御装置における内部データに一致させるデータ整合処理を所定タイミング毎に行うものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  6. 前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置の通信異常の有無を監視する伝送分配器を備えており、
    この伝送分配器は、いずれかの制御装置の通信異常を検出した場合に、この制御装置を伝送路から切り離す伝送路切り離し手段を有するものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  7. 前記複数台の運転制御装置のうちのいずれかは、前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置の通信異常の有無を監視することが可能なものであり、これらの制御装置の全てについて通信異常を検出した場合に、前記主系群管理制御装置に代わって群管理制御の一部を行うことが可能なものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  8. 前記主系群管理制御装置及び前記待機系群管理制御装置はパーソナルコンピュータにより形成されるものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
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