WO2007069429A1

WO2007069429A1 - 歯磨組成物

Info

Publication number: WO2007069429A1
Application number: PCT/JP2006/322952
Authority: WO
Inventors: Chiharu Kitagawa; Kouichi Sugawara
Original assignee: Lion Corporation
Priority date: 2005-12-15
Filing date: 2006-11-17
Publication date: 2007-06-21
Also published as: KR20080074087A; KR101331734B1; JPWO2007069429A1

Abstract

　（Ａ）一般式　Ｍn+2ＰnＯ3n+1（但し、式中、ＭはＮａ又はＫを示し、ｎは２又は３の整数である。）で表される直鎖状の水溶性ポリリン酸塩の少なくとも１種を０．３～１．２質量％、（Ｂ）２５°C、ｐＨ７．０における２．０質量％水溶液の粘度が５～１０００ｍＰａ・ｓであるメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体を０．１～２．０質量％、（Ｃ）ラウリル硫酸塩を０．６～２．０質量％、（Ｄ）ベタイン型両性界面活性剤０．２～１．０質量％を含有し、かつ（Ｃ）／（Ｄ）の配合割合が質量比で１～４であることを特徴とする歯磨組成物。この歯磨組成物は、口腔粘膜に対する刺激がほとんどなく、使用時の泡立ちに優れ、かつ歯面汚れに対する付着抑制効果に優れる。

Description

明細書

歯磨組成物

技術分野

[0001] 本発明は、口腔粘膜に対する刺激がほとんどな使用時の泡立ちに優れ、かつ歯面汚れに対する付着抑制効果に優れた歯磨組成物に関する。

背景技術

[0002] タバコャニゃ茶渋などで着色した歯を白くするために、従来から様々な方法が検討されてきている。例えば、高研磨性研磨剤の使用や、過酸化物による白色化、ポリエチレングリコールなどによるタバコャ二の溶解除去、キレート剤による鉄イオンなどの除去、再石灰化による歯面の平滑化などが一般的である。

[0003] し力ながら、高研磨性研磨剤の使用は歯牙を傷つける懸念があり、ポリエチレングリコールなどでは歯石様の頑固な着色汚れの溶解除去効果は不十分である。また

、過酸化物による方法も、エナメル質表面の有機物が脱却して耐酸性が低下するなどの問題点も指摘され、わが国では歯科医のみが可能な処置となっているのが現状である。

[0004] 従来、ピロリン酸ナトリウムなどの直鎖状ポリリン酸塩は、歯石予防や歯の汚れを除去する成分として公知であり、口腔用組成物に配合されている（特許文献 1、 2、 3参照）。また、水溶性ポリリン酸塩とメチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体を含む合成ァニオン線状高分子ポリカルボキシレートとラウリル硫酸塩を配合した歯石防止口腔用組成物も報告されている（特許文献 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 11参照）。これらの提案では、例えばピロリン酸ナトリウムなどの水溶性ポリリン酸塩を 1. 5質量％以上とラウリル硫酸塩を 1. 2質量％以上含む組成が提案されており、口腔粘膜に対して強い刺激が生じるという問題点があった。

[0005] 一方、特許文献 12では、実施例 1としてメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体（商品名：ガントレッツ S— 97)を 13. 6質量％、ピロリン酸ナトリウムを 0. 125質量％、ラウリル硫酸塩を 0. 945質量％配合した組成物が記載されているが、この組成ではピロリン酸ナトリウムの配合濃度が低いため、歯面汚れに対する付着抑制効果が得られない。

[0006] また、特許文献 10では、実施例 1としてメチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体（商品名：ガントレッツ S— 97)を 15質量％、ピロリン酸ナトリウムを 0. 25質量⁰ /₀、ラウリル硫酸塩を 0. 75質量％配合した組成が記載されているが、組成物中のピロリン酸ナトリウム及び界面活性剤量の配合量が少なぐ使用時の泡立ちが悪かつ歯面汚れに対する付着抑制効果も得られない。

[0007] このように従来技術では、歯面汚れに対する優れた付着抑制効果を有し、口腔粘膜に対して低刺激であり、かつ使用時の泡立ちにも優れ、これら特性のすべてを満足する歯磨組成物は得られていないのが現状であり、これらの課題を克服した歯磨組成物の開発が望まれている。

[0008] 特許文献 1 :特開平 9 175966号公報

特許文献 2：特開平 10— 182389号公報

特許文献 3：特開平 11 343220号公報

特許文献 4 :特開平 2— 4708号公報

特許文献 5：特開平 4— 270210号公報

特許文献 6：特公平 8 - 18961号公報

特許文献 7：特許第 2528492号公報

特許文献 8：特表平 11 - 506104号公報

特許文献 9 :特開 2002— 316920号公報

特許文献 10：特開 2002— 526394号公報

特許文献 11 :特表 2004— 517833号公報

特許文献 12 :特表 2002— 500174号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔粘膜に対して低刺激であり、歯磨時の口内での泡立ちも良好であり、かつ優れた歯面汚れに対する付着抑制効果を有する歯磨組成物を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 [0010] 本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、歯面汚れの付着抑制のために (A)直鎖状の水溶性ポリリン酸塩、（B) 25°C、pH7. 0における 2. 0質量⁰ /₀水溶液の粘度が 5〜1000mPa' sであるメチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体、（C)ラウリル硫酸塩を配合し、更に、口腔粘膜に対して低刺激で、かつ使用時に優れた泡立ちを確保するために (D)ベタイン型両性界面活性剤を (C) / (D) の配合割合が質量比で 1〜4となるように配合し、特に、水溶性ポリリン酸塩はラウリル硫酸塩との併用配合組成においては 1. 2質量％を超えると口腔粘膜に対して刺激を生じるため、（A)成分の水溶性ポリリン酸塩を 0. 3〜： 1. 2質量％、（B)成分のメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体を 0.：!〜 2. 0質量％、（C)成分のラウリル硫酸塩を 0. 6〜2. 0質量％、（D)成分のベタイン型両性界面活性剤を 0. 2〜1 . 0質量％配合し、かつ（C) / (D)を上記割合とすることにより、口腔粘膜に対して低刺激で、歯面汚れに対する付着抑制効果が相乗的に高まり、かつ歯磨時に優れた泡立ちが得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。

[0011] 従って、本発明は、（A)—般式 M P O (但し、式中、 Mは Na又は Kを示し、 n

n+2 n 3n+l

は 2又は 3の整数である。 )で表される直鎖状の水溶性ポリリン酸塩の少なくとも 1種を 0. 3〜： ! · 2質量％、（B) 25°C、pH7. 0における 2. 0質量％水溶液の粘度が 5〜： 10 OOmPa' sであるメチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体を 0.：!〜 2. 0質量 %、（C)ラウリル硫酸塩を 0. 6〜2. 0質量％、（D)ベタイン型両性界面活性剤 0. 2 〜1. 0質量％を含有し、かつ（C) / (D)の配合割合が質量比で 1〜4であることを特徴とする歯磨組成物、及び、更に、研磨剤を 5〜50質量％、粘稠剤を 10〜50質量 %、及び増粘剤を 0.：!〜 5質量％配合し、練歯磨組成物として調製された上記の歯磨組成物を提供する。

発明の効果

[0012] 本発明の歯磨組成物は、口腔粘膜に対して低刺激性で、使用時に十分な泡立ちが得られ、かつ優れた歯面汚れに対する付着抑制効果を発現させることができる。発明を実施するための最良の形態

[0013] 以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨組成物は、（A)直鎖状の水溶性ポリリン酸塩、（B)メチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体、（C)ラウリル硫酸塩及び (D)ベタイン型両性界面活性剤を含有するものである。

[0014] 本発明の歯磨組成物に用いる (A)成分の水溶性ポリリン酸塩は、一般式 M P

n+2 n

〇（伹し、式中、 Mは Na又は Kを示し、 nは 2又は 3の整数である。 )で表される。

3n+l

具体的な化合物としては、重合度 n= 2のピロリン酸ナトリウム (太平化学産業 (株）製等)やピロリン酸カリウム (太平化学産業 (株)製等）、 n= 3のトリポリリン酸ナトリウム (セントラル硝子 (株)製等)やトリポリリン酸カリウム (太平化学産業 (株)製等)などが挙げられる。その中でも特にピロリン酸ナトリウムが好ましい。これらのポリリン酸塩は、その 1種を単独で又は 2種以上を混合して使用される。

[0015] 水溶性ポリリン酸塩の配合量は、組成物全体の 0. 3〜： 1. 2% (質量％、以下同様）であり、特に 0. 5〜： ! · 0%が好ましい。 0. 3%未満であると歯面汚れに対する付着抑制効果が十分に発揮されず、 1. 2%を超えるとラウリル硫酸塩との併用配合組成におレ、ては口腔粘膜に対して刺激が発生する場合がある。

[0016] 本発明の歯磨組成物に用いる（B)成分のメチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体は、 25°C、pH7. 0における 2. 0%水溶液の粘度が 5〜1000mPa' sを示すものである。なお、 2. 0%水溶液は、メチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体と水を 60〜70°Cに加温しながら撹拌して溶解させた後、 25°Cに冷却後、 ION Na OHを用いて pH7. 0に調整し、濃度が 2. 0%になるように蒸留水を加えた後、最終 p Hが 7. 0になるように作製した。メチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体は、メチルビュルエーテルと無水マレイン酸を共重合反応させたものであり、メチルビュルエーテルと無水マレイン酸の配合比率は、 25。C、 pH7. 0における 2. 0%水溶液の粘度が上記記載の粘度内であれば特に限定されない。

[0017] また、 25⁰C、 pH7. 0における 2. 0%水溶 f夜の米占度は、 5〜： 1000mPa' s、好ましくは 5〜500mPa' sである。粘度が 5mPa' s未満であると歯面汚れに対する付着抑制効果が十分に発揮されず、 lOOOmPa' sを超えると歯磨組成物使用時に口腔内にベタつきが生じ、使用時に十分な泡立ちが得られない。なお、粘度は、（株)東京計器製 B型粘度計 (形式: BL)、ローター No. 1又は 2を使用、回転数 30rpm、測定時間 3分間、 25°C、 pH7. 0に調整した 2. 0%水溶液における測定値である。なお、 p H調整には、 pHメーター（東亜ディーケーケ一株式会社製、型式: HM— 30G)及び pH電極（東亜ディーケーケ一株式会社製、型式: GST—5721C)を用いた。

[0018] このような共重合体としては、 ISP社製のガントレッツ、例えば、 GANTREZ AN— 119 (25°C, pH7. 0における 2. 0%水溶 ί夜の米占度力 ^lOmPa - s)、 AN— 139 (25。C 、pH7. 0における 2. 0%水溶 f夜の米占度力 S60mPa ' s)、 AN _ 169 (25°C、 pH7. 0 における 2. 0%水溶液の粘度が 450mPa ' s)等が利用可能である。

[0019] メチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体の配合量は、組成物全体の 0. 1〜 2. 0%であり、特に 0. 5〜： 1. 0%が好ましい。配合量が 0. 1 %未満であると、歯面汚れに対する付着抑制効果が十分に発揮されず、 2. 0%を超えると使用時の泡立ちが悪くなる。

[0020] 本発明に用いる（C)成分のラウリル硫酸塩は、高級脂肪酸より合成された平均アルキル鎖長が 12であるァニオン性界面活性剤である。具体的には、ラウリル硫酸ナトリゥム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニゥム等が挙げられる力歯磨組成物への配合のしゃすさから、ラウリル硫酸ナトリウム (東邦化学工業 (株)製、第一製薬（株)製等)が最も好ましい。

[0021] ラウリル硫酸塩の配合量は、組成物全体の 0. 6〜2. 0%であり、好ましくは 0. 8〜

1. 5%である。配合量が 0. 6%未満であると歯面汚れ付着抑制効果が発揮されない。また、 2. 0%を超えると口腔粘膜に対して刺激が生じる場合がある。

[0022] また、本発明の歯磨組成物は、泡立ち改善成分として (D)成分のベタイン型両性界面活性剤を含有する。ベタイン型両性界面活性剤としては、 2—アルキル一 N—力ルボキシメチル一N—ヒドロキシェチルイミダゾリゥムベタイン、ラウリルジメチルァミノ酢酸べタイン、脂肪酸アミドプロピルべタイン等が挙げられ、これらの 1種を単独で又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。

[0023] 上記両性界面活性剤のアルキル鎖長としては、いずれの場合も泡立ちの点から、好ましくはアルキル鎖の炭素数が 8〜20、より好ましくは 10〜： 18である。これらの中では、泡立ち及び低刺激性である点から、 2 _アルキル—N—カルボキシメチル—N —ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインが好ましレ、。 2 _アルキル一N—カルボキシメチル一N—ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインとしては、商品名工ナジコール C— 40Hとしてライオン（株）より販売されている 2 ヤシ油アルキル N—カルボキシメチル _N—ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインナトリウム水溶液等が用いられる。

[0024] ベタイン型両性界面活性剤の配合量は、組成物全体に対して、純分換算として 0.

2〜： 1. 0%、好ましくは 0. 3〜0. 8%である。配合量が 0. 2%未満であると歯磨時における泡立ちが不十分である。また、 1. 0%を超えると、水溶性ポリリン酸塩及びラウリル硫酸塩との併用配合組成においては口腔粘膜に対して刺激が生じる。

なお、ベタイン型両性界面活性剤は水等との混液としてしか得られないものがある力本発明における配合時の質量は溶媒等を除いた活性剤の純分である。

[0025] また、本発明では、歯面汚れに対する付着抑制効果と使用時に十分な泡立ちを有し、かつ口腔粘膜に対して低刺激であるために、上記べタイン型両性界面活性剤に対するラウリル硫酸塩の配合量（（C) / (D) )を質量比で 1〜4、好ましくは 2〜3の範囲とすることが必要である。 (C) / (D)が 1未満では歯面汚れに対する付着抑制効果が発揮されず、使用時の泡立ちも不十分になる。 4を超えると刺激が生じる場合がある。

[0026] 本発明の歯磨組成物は、練歯磨、液体歯磨、潤製歯磨等として常法により調製できる力上記必須成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で剤型に応じた任意成分を配合することができる。練歯磨の場合であれば、任意成分として、研磨剤、ラウリル硫酸塩及びべタイン型両性界面活性剤以外の界面活性剤、粘稠剤、粘結剤、甘味剤、防腐剤、香料、各種有効成分等を配合し、水と混和し、常法に従って製造すること力 Sできる。

[0027] 研磨剤としては、第 2リン酸カルシウム（2水和物あるいは無水物）、第 1リン酸カルシゥム、第 3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミ二ゥム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第 3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、ゼォライト、無水ケィ酸、含水ケィ酸、ケィ酸チタニウム、ケィ酸ジリコ二ゥム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられるが、効果の面力無水ケィ酸等のシリカ系の研磨剤が好ましい。研磨剤の配合量は、代表的な剤型である練歯磨の場合には、組成物全体の 5〜50%がよぐ好ましくは 10〜50%がよい。 [0028] 更に、界面活性剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、ノニオン界面活性剤を 1種単独で又は 2種以上を併用することが可能である。ノニオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラタトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルあるいはプル口ニック等力 S挙げられる。ノニオン界面活性剤の配合量は、組成物全体の 0. 1〜2%が好適である。なお、本発明組成物において、界面活性剤の総配合量は 0. 8〜3%の範囲であることが望ましい。

[0029] 粘稠剤としては、ソノレビット、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラタチトールから選ばれる、少なくとも 1種以上に加えて、適宜、 1 , 3—ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エタノール、変性エタノール、糖アルコール還元でんぷん糖ィ匕物等を使用することができる。その配合量は、本発明の口腔用組成物の形態、使用目的等に応じ適宜選択される（通常配合量は組成物全体の 10〜 50 % )。

[0030] 増粘剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキエチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、カラャガム、ァラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビュルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビ二ルポリマー、ポリビュルピロリドン、カーボポール、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラボナイト等が挙げられる（通常配合量は組成物全体の 0. 1〜5%)。

[0031] 甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビォサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチノレリチン、ソーマチン、ァスパラチルフエ二ルァラニンメチルエステル等が挙げられる。 [0032] 香料としては、メントール、ァネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、 n—デシノレアノレコーノレ、シトロネロール、ひ一テレビネオール、シトロネリルアセテート、シネオ一ノレ、リナローノレ、ェチノレリナローノレ、ヮニリン、チモーノレ、スペアミント油、ぺノ一ミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油あるいはユーカリ油等が挙げられる（通常配合量は 0. 000 01〜1% )。

[0033] 本発明の組成物には、これらの成分以外にも薬効成分あるいは有効成分として、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、モノフルォロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第 1スズ等のフッ化物、トラムキサム酸、ィプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、ァズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミン類等の抗炎症剤、銅クロロフィノレ、ダルコン酸銅、セチルピリジゥムクロライド、塩化ベンザノレコニゥム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリリン酸塩類、ゼォライト等の歯石予防剤なども配合できる。なお、上記薬効成分あるいは有効成分の配合量は、有効量とすることができる。

[0034] 本発明の歯磨組成物の pHは 6〜9が好適である。 pHが 6未満であると、歯磨使用時に歯牙エナメル質が損傷する場合がある。また、 pHが 9を超えると、歯面汚れに対する付着抑制効果が発揮されないことがある。なお、 pH調整剤としては、通常、水酸化ナトリウム、リン酸水素ニナトリウム等が挙げられる。

[0035] 本発明の歯磨組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常歯磨組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリェチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器等が使用できる。

実施例

[0036] 以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではなレ、。なお、以下の例において配合量はいずれも質量 %である。

[0037] [実施例：!〜 9、比較例:!〜 9]

表 1、 2に示す組成の歯磨組成物を下記製造法により調製した。歯磨組成物の製造法：

(1)精製水中に水溶成分 (粘結剤、プロピレングリコール等を除く）を常温で混合溶解させた A相を調製した。

(2)プロピレングリコール中に粘結剤を常温で分散させた B相を調製した。

撹拌中の A相の中に B相を添加混合し、 C相を調製した。

(3) C相中に、香料、研磨剤、界面活性剤等の水溶性成分以外の成分を、 1. 5L二ーダー（石山工作所製）を用い常温で混合し、減圧による脱泡を行い、歯磨組成物 1 • 2kgを得た。

[0038] 得られた試験歯磨剤を用いて、歯面汚れ付着抑制効果、口腔粘膜に対する刺激性、歯磨時の泡立ちを以下の方法により評価した。なお、歯面汚れ付着抑制効果の評価は、代表的な歯面汚れであるタンニン鉄スティン付着抑制評価を行った。

[0039] タンニン鉄スティン付着抑制評価の試験方法：

ハイドロキシアパタイトペレット表面（ペンタックス社製、直径 7mm X厚さ 3· 5mm) をサンドブラストにて処理後、中性洗剤水溶液中、超音波洗浄機で洗浄した。 30%リン酸水溶液にて表面をエッチング (10分間）、水洗し、自然乾燥後、分光式色差計（日本電色工業株式会社製、型式: SE— 2000)を用いてタンニン鉄スティン付着前のペレットの Lab値を測定し、 L値を L0とした。また、調製した歯磨剤を 2倍量のィォン交換水で希釈した歯磨分散液を作製した。上記のペレットに対し、歯磨分散液→0 . 5質量⁰ /₀アルブミン水溶液→タンニン抽出液→0. 6質量⁰ /₀クェン酸鉄（III)アンモニゥム水溶液で 1時間ずつ繰り返し浸漬する操作を 50回繰り返し、常温で 1日風乾した後、流水で洗浄し、再び風乾して着色ペレットを作製した。タンニン抽出液は、沸騰させたイオン交換水 1200mL中に、日本茶（銘柄：老松） 50g、紅茶（リプトン製ブリスクティーバック） 5袋、インスタントコーヒー（ネスカフェ製） 12gを入れー晚放置し、日本茶及び紅茶をろ過にて取り除き作製した。作製した着色ペレットの Lab値を測定し、 L値を L1とした。なお、歯磨分散液の代わりにイオン交換水処理をしたペレットの L値 (L2)を対照とし、次式により着色汚れ付着抑制率を算出し、着色汚れ付着抑制効果を算出した。

着色汚れ付着抑制率（％) =〔 (L1 -L2) / (L0-L2)〕 X 100 [0040] 得られた着色汚れ付着抑制率から、以下の基準に従いタバコャニ除去効果を評価した。

評価基準

◎：着色汚れ付着抑制率 60%以上

〇：着色汚れ付着抑制率 50%以上 60%未満

△：着色汚れ付着抑制率 40%以上 50%未満

X：着色汚れ付着抑制率 40%未満

[0041] 口腔粘膜に対する刺激性の評価方法：

粘膜刺激に敏感な被験者 10名を用い、表 1、 2に示す各組成の歯磨組成物約 lg を歯ブラシにとり、 3分間歯磨を行った際の口腔粘膜に対する刺激の程度を、「刺激を強く感じる」を 1点、「刺激を感じる」を 2点、「刺激をほとんど感じない」を 3点、「刺激を感じなレ、」を 4点として、 10名の平均点から以下の基準で口腔粘膜に対する刺激性を評価した。

評価基準；

◎:平均点 3. 5点以上 4. 0点以下

〇：平均点 3. 0点以上 3. 5点未満

△:平均点 2. 0点以上 3. 0点未満

X：平均点 1. 0点以上 2. 0点未満

[0042] 歯磨時の泡立ちの評価方法：

被験者 10名を用い、表 1、 2に示す各組成の歯磨約 lgを歯ブラシにとり、 3分間歯磨を行った際の泡立ちを、「泡立ちが非常に良い」、「泡立ちが良い」、「泡立ちがやや少ない」、「泡立ちが少なレ、」の 4段階で回答を得た。この回答のうち、「泡立ちが非常に良レ、」を 4点、「泡立ちが良レ、」を 3点、「泡立ちがやや少ない」を 2点、「泡立ちが少ない」を 1点として、 10名の平均点から以下の基準で使用感を評価した。

◎:平均点 3. 5点以上 4. 0点以下

〇：平均点 3. 0点以上 3. 5点未満

△:平均点 2. 0点以上 3. 0点未満

X：平均点 1. 0点以上 2. 0点未満 [0043] [表 1]

* 1： 30%品を用レ、、表中の値は純分換算した配合量を示した。

* 2 : (D)成分は純分換算し、その値を用いて（C)Z(D)の比率を求めた。

[0044] [表 2]

比較例

配合成分（％)

1 2 3 4 5 6 7 8 9

(A)t' pリン酸四ナトリウム 1.0 1, 0 0.3 2, 0 し 0 1.0 1.0 0, 3

(B)メチル匕 "" Ao テル

1.0 1, 0 1.0 1, 0 3,0 1.0 1.0 1, 0 無水マレイン酸共重合体

(C)テウ^硫酸ナトリウム 1.8 1.8 2.0 0, 8 1.5 0.3 0.6 3, 0

(D) 2_ヤシ油ァ;ゅル -N-カルホ"キシメ

チ N-ヒト "nキシェチ;レイミタ"ソ"リニゥ 0.6 0.6 1,0 0,4 0,6 0.1 1.5 0, 5 ムへ"タインナトリウム（*1)

(C)/(D) (*2) 3.0 3.0 2, 0 2.5 3.0 0.4 6, 0 無水ケィ酸 25.0 25, 0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0

70 ソルビット液 40, 0 40.0 40.0 40.0 40, 0 40, 0 40.0 40,0 40.0 フ' uヒ'レンク *リコール 3.0 3.0 3, 0 3.0 3, 0 3,0 3.0 3.0 3, 0 力 JI/ホ*キシメチル tt/ —スナトリウム 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 香料 1.0 1.0 L 0 1.0 し 0 し 0 1.0 1.0 し 0 サッカリンナトリウム 0.1 0.1 0, 1% 0.1 0' 1 0' 1 0.1 0.1 0' 1 ハラへン 0.01 0.01 0,01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0,01 水ハ-'ランス 'ランスハ-'ランス「、.'ランスランス 'ランスハ-'ランス「、.'ランス！、. 'ランスム 100' 0 100' 0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100' 0 100.0 タンン鉄ステイン付着抑制効果 Δ X X Δ 〇〇 X Δ Δ 口腔粘膜に対する刺激性 X X @ X Δ Δ @ Δ X 使用時の泡立ち @ © X @ X Δ X 〇 @

[0045] * 1： 30%品を用レ、、表中の値は純分換算した配合量を示した。

*2: (D)成分は純分換算し、その値を用いて（C)Z(D)の比率を求めた。

ピロリン酸四ナトリウム：大平化学社製

トリポリリン酸ナトリウム：セントラル硝子 (株)製

メチルビュルエーテル無水マレイン酸共重合体： ISP社製（商品名：ガントレッツ AN -169)

ラウリル硫酸ナトリウム:東邦化学社製

2 -ヤシ油アルキル _ N -カルボキシメチル _ N—ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインナトリウム（30%水溶液））：ライオン社製（商品名：ェナジコール C— 40H)

[0046] 表 1、 2から、本発明の (A)〜（D)成分を特定量含有し、かつ（C) /(D)の質量比力^〜 4である歯磨組成物（実施例：!〜 9)は、歯面汚れ付着抑制効果、口腔粘膜に対する刺激性、歯磨時の泡立ちのいずれも良好であった。一方、本発明の必須要件のいずれかを欠く歯磨組成物（比較例:!〜 9)は、歯面汚れ付着抑制効果、口腔粘膜に対する刺激性、歯磨時の泡立ちのレ、ずれかの点で充分な効果が発揮されてレ、なかった。 [計実施例 10]練歯磨

(A)ピロリン酸 4ナトリウム 1. 2%

(B)ガントレッツ AN— 169 1. 0

(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1. 2

(D) 2 _ヤシ油ァノレキノレ _ N _カノレボキシメチノレ -N- ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインナトリウム（ * 1) 0.

無水ケィ酸 25. 0

液 20. 0

Jコール 3. 0

カルボキシメチルセルロー 1 4

0. 1

グリチルリチン酸カリウム 1. 0

トラネキサム酸 0. 05

α —アルミナ無水物 3. 0

メチルパラベン 0. 05

塩化べンゼトニゥム 0. 25

香料 1. 0

リン酸水素 2ナトリウム 1. 0

A

100. 0%

* 1 : 30%品を用い、純分換算した配合量を示した。

(C) / (D) = 2

タンニン鉄スティン付着抑制効果：◎

口腔粘膜に対する刺激性 :〇

使用時の泡立ち評価：〇

上記の歯磨組成物は、代表的な歯面汚れであるタンニン鉄スティンに対する付着抑制効果を有し、口腔粘膜に対して低刺激で、使用時の泡立ちも高いことを確認し [計実施例 11]練歯磨

(A)ピロリン酸 2ナトリウム 2カリウム 1. 0%

(B)ガントレッツ AN— 139 ―. 0

(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1. 2

(D) 2 _ヤシ油ァノレキノレ _ N _カノレボキシメチノレ - ■N- ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインナトリウム（ * 1) 0. 4

水酸化アルミニウム 35. 0

酸化チタン 2. 0

85%グリセリン 20. 0

ヒドロキシェチルセルロースナトリウム 4

—ノレ 3. 0

0. 1

コロイド状シリカ 3. 0

0. 22

0.

メチルパラベン 0. 05

香料 . 0

A 羞

100. 0%

* 1 : 30%品を用い、純分換算した配合量を示した。

(C) / (D) = 3

タンニン鉄スティン付着抑制効果：〇

口腔粘膜に対する刺激性:◎

使用時の泡立ち評価：〇

上記の歯磨組成物は、代表的な歯面汚れであるタンニン鉄スティンに対する付着抑制効果を有し、口腔粘膜に対して低刺激で、使用時の泡立ちも高いことを確認した。

[実施例 12]練歯磨

計 (A)ピロリン酸 4ナトリウム 0. 8%

(B)ガントレッツ AN— 119 1. 0

(C)ラウリル硫酸ナトリウム 0. 9

(D) 2 _ヤシ油ァノレキノレ _ N _カノレボキシメチノレ -N- ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインナトリウム（ * 1) 0. 3

無水ケィ酸 30. 0

70%ソルビット液 20. 0

85%グリセリン 10. 0

ポリアクリル酸ナトリウム 1. 5

—ノレ 3. 0

0. 2

安息香酸ナトリウム 0. 3

パラォキシ安息香酸メチル 0. ]

モノフルォロリン酸ナトリウム 0. 76

酢酸トコフェローノレ 0. 1

香料 1. 0

100. 0%

* 1 : 30%品を用い、純分換算した配合量を示した。

(C) / (D) = 3

タンニン鉄付着抑制効果 :〇

口腔粘膜に対する刺激性:◎

使用時の泡立ち評価：〇

[実施例 13]液状歯磨

(A)ピロリン酸 4ナトリウム 1. 0% (B)ガントレッツ AN— 139 2. 0

(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1. 0

(D)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルべタイン（ * 1) 0. 4

無水ケィ酸 15. 0

60%ソノレビット液 30. 0

85%グ!;セ!;ン 35. 0

キサンタンガム 0. 2

カラギーナン 0. 5

アルギン酸ナトリウム 1 · 0

プロピレングリコーノレ 2. 0

モノフルォロリン酸ナトリウム 0. 76

デキストラナーゼ（100万 u/g) 0. 5

サッカリンナトリウム 0· 1

香料 1. 0

m _

計 100. 0%

* 1 : 30%品を用い、純分換算した配合量を示した。

(C) / (D) = 2. 5

タンニン鉄スティン付着抑制効果：◎

口腔粘膜に対する刺激性:◎

使用時の泡立ち評価：〇

[実施例 14]練歯磨

(A)ピロリン酸 4ナトリウム 1. 0%

(B)ガントレッツ AN— 169 1. 2

(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1. 0 (D) 2 _ヤシ油ァノレキノレ _ N _カノレボキシメチノレ -N- ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインナトリウム（ * 1)

カルボキシメチルセルロースナトリウム 1. 2

70%ソノレビット液 30. 0

無水ケィ酸 25. 0

プロピレングリコーノレ 2. 5

フツイ匕ナトリウム 0. 21

青色 1号 0. 0001

香料 1. 3

酸化アルミニウム 2. 0

4 A型ゼオライト 1 · 5

サッカリンナトリウム 0· 2

酸化チタン 0. 2

B

計 100. 0%

* 1 : 30%品を用い、純分換算した配合量を示した。

(C) / (D) = 2

タンニン鉄スティン付着抑制効果：◎

口腔粘膜に対する刺激性:◎

使用時の泡立ち評価:◎

[実施例 15]練歯磨

(A)ピロリン酸 4ナトリウム 0. 3%

(B)ガントレッツ AN— 169 1. 5

(C)ラウリル硫酸ナトリウム 1. 2

(D) 2—ヤシ油ァノレキノレ N—カルボキシメチル N— ヒドロキシェチルイミダゾリニゥムベタインナトリウム（ * 1)

無水ケィ酸 25. 0

70%ソノレビット液 30. 0

カルボキシメチルセルロースナトリウム 1. 2

プロピレングリコーノレ 2. 0

サッカリンナトリウム 0. 2

安息香酸ナトリウム 0. 3

パラォキシ安息香酸メチル 0. 1

モノフルォロリン酸ナトリウム 0. 76

酢酸トコフェローノレ 0. 1

香料 1. 0

m _

計 100. 0%

* 1 : 30%品を用い、純分換算した配合量を示した。

(C) / (D) = 3

タンニン鉄付着抑制効果:〇

口腔粘膜に対する刺激性:◎

使用時の泡立ち評価:◎

Claims

請求の範囲

[1] (A)—般式 M P O (但し、式中、 Mは Na又は Kを示し、 nは 2又は 3の整数で

+2 n 3n+l

ある。）で表される直鎖状の水溶性ポリリン酸塩の少なくとも 1種を 0. 3〜： 1. 2質量％、（B) 25°C、pH7. 0における 2· 0質量％水溶液の粘度が 5〜： lOOOmPa' sであるメチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体を 0.：!〜 2. 0質量⁰ /₀、（C)ラウリル硫酸塩を 0. 6〜2. 0質量％、（D)ベタイン型両性界面活性剤 0. 2〜： 1. 0質量％を含有し、かつ（C) / (D)の配合割合が質量比で 1〜4であることを特徴とする歯磨組成物。

[2] 更に、研磨剤を 5〜50質量％、粘稠剤を 10〜50質量％、及び増粘剤を 0. ：!〜 5 質量％配合し、練歯磨組成物として調製された請求項 1記載の歯磨組成物。