明 細 書
帯電防止剤組成物
技術分野
[0001] 本発明は、耐熱性に優れ、合成樹脂と反応しにくぐ即効性及び持続性に優れた 帯電防止剤組成物に関する。
背景技術
[0002] 合成樹脂は、軽量、加工が容易であり、用途に応じて基材を設計することができる 等の優れた特性を有して 、るため、現代では欠かすことのできな 、広 、分野に使用 されている重要な素材である。合成樹脂の重要な特性の一つとして、電気絶縁性が 高いという性質がある。そのため合成樹脂は電気製品の種々のコンポーネントとして 頻繁に利用されている。しかし、あまりに絶縁性が高いため、摩擦等によって製品が 帯電するという問題がある。
[0003] 帯電した榭脂は、周囲の埃やチリを引き付けるため、榭脂成形品の外観を損ねると いう問題がある。又、電子製品、例えばコンピュータ一等の精密機器は、帯電により 回路が正常に働くことができなくなる場合がある。更に、電撃による問題も存在する。 榭脂から人体に対して電撃が発生すると不快感を与え、又、可燃性気体や粉塵のあ るところでは、爆発事故を誘引する可能性もある。従って、このような問題を解消する ため、通常、榭脂には帯電を防止する処理がなされており、一般的には、合成樹脂 に帯電防止剤を加える方法が知られている。帯電防止剤には、榭脂の分子中に帯 電防止ユニットを共重合させる永久帯電防止剤と、榭脂を加工成形する際に添加す る、練り込み型帯電防止剤に大別することができるが、安価で加工容易な練り込み型 帯電防止剤が広く使用されている。
[0004] 練り込み型帯電防止剤は、合成樹脂の表面にブリードして効果を発揮するものであ るが、摩擦や水洗などにより樹脂の表面から取り除かれてしまうため、帯電防止効果 の持続性が十分でないという点で問題があった。又、合成樹脂との相溶性が良くない 場合は、内部の帯電防止剤がすぐに合成樹脂表面にブリードアウトしてしまい、数日 力も数週間で効果が無くなってしまうという問題もあった。
この持続性を改良するために高分子型の帯電防止剤が検討され、例えば特許文 献 1には、 (A)共役ジェン系単量体を 50重量% (質量%)以上含むジェン系共重合 体ラテックス 5〜80重量部 (質量部)(固形分換算)の存在下に、下記一般式(1) [化 1]
(式中、 R、 R、 Rは水素又は炭素数 1〜4のアルキル基、 nは 3〜50の整数を表わ
1 2 3
す)で示される単量体 5〜: L00重量% (質量%)、ビニル芳香族化合物、メタクリル酸 エステル、アクリル酸エステル及びビュルシアン化合物からなる群力 選ばれた少な くとも 1種の単量体 95〜0重量% (質量%)からなる単量体組成物 95〜20重量部(質 量部)をグラフト重合して得られるグラフト共重合体 10〜: L00重量% (質量%)と、 (B) 上記グラフト共重合体と相溶性のある熱可塑性榭脂 90〜0重量% (質量%)とからな り、ジェン系共重合体の割合が 5〜30重量% (質量%)である榭脂 100重量部(質量 部)と、少なくとも 1種以上の下記一般式 (2)
Rf-X-M (2)
(式中、 Rfは炭素数 4〜 15のパーフルォロアルキル基、 Xは— SO—、—COO—、
3
Mは 1価の金属を表わす)で示されるパーフルォロアルキル基を有するフッ素アルキ ル含有化合物のスルホン酸の 1価の金属塩又はカルボン酸の 1価の金属塩 0. 05〜 10重量部 (質量部)とからなる帯電防止榭脂組成物が開示されている。
また、特許文献 2には、(A) (a)炭素原子数 6以上のアミノカルボン酸またはラタタム 、もしくは炭素原子数 6以上のジァミンとジカルボン酸の塩、(b)数平均分子量 200〜 6000のポリ(アルキレンォキシド)グリコールおよび(c)炭素原子数 4〜20のジカルボ ン酸力ら構成されるポリエーテルエステルアミドで、ポリエーテルエステル単位が 95 〜10重量% (質量%)であるポリエーテルエステルアミド 1〜50重量部(質量部)、 (B )ポリカーボネート榭脂 99〜50重量部 (質量部)および (C)スチレン系熱可塑性榭脂 0〜49重量部からなり、かつ (A) + (B) + (C)の合計量が 100重量部(質量部)とな る割合で配合してなる熱可塑性榭脂組成物が開示されている。
更に、特許文献 3には、下記の一般式(1)
[化 2]
(式中、 R1は炭化水素基を表わし、 R2は水素原子又は炭化水素基若しくはエステル 基を有する炭化水素基又は親水基を表わし、 mは 1以上の数を表わし、 nは 2以上の 数を表わす。)で表わされる高分子帯電防止剤が開示されている。また、特許文献 3 の [0008]段落には、「一般式(1)において、 R1は炭化水素基である力 好ましくは 炭素数 2〜4のアルキレン基である。一般式(1)の(R1— O) の部分は、エチレンォキ m
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、 aーォレフインオキサイド、スチレ ンオキサイド等のアルキレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができる。 アルキレンオキサイド等を付加することによって (Ri— O) の部分を形成する場合は、 m
付加させるアルキレンオキサイド等により R1が決定される。付加させるアルキレンォキ サイド等の重合形態は特に限定されず、 1種類のアルキレンオキサイド等の単独重合 、 2種類以上のアルキレンオキサイド等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダ ム/ブロック共重合等であってもよい。 R1としてはエチレン基が最も好ましぐ R1が 2 種類以上の基である場合は 1種はエチレン基であることが好ましい。」旨の記載があ る。また、 [0009]段落には、「R2は水素原子又は炭化水素基を表わす。炭化水素基 としては例えばアルキル基、ァルケ-ル基、ァリール基、シクロアルキル基、シクロア ルケニル基等が挙げられる。」旨の記載もある。
また、持続性及び即効性を両立した帯電防止剤組成物として、特許文献 4には、下 記の一般式(1)
(式中、 R1はアルキレン基を表わし、 R2は水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を 表わし、 Xは水素原子、炭化水素基、イソシァネート残基、エステル基を有する炭化 水素基、又はァ-オン性親水基を表わし、 mは 1以上の数を表わす。)で表わされる 単量体ユニットを含有する重合体 (A)と、低分子量有機ァニオン化合物 (B)を含有 することを特徴とする帯電防止性組成物が開示されている。また、特許文献 4の [001 2]段落には、「前記一般式(1)において、(R1— O) の部分は、フエノール又は置換 m
基を有するフエノールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンォキサ イド、テトラヒドロフラン(1, 4—ブチレンオキサイド)、長鎖ひ一ォレフィンオキサイド、 スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等を付加重合することにより得ることが できる。このアルキレンオキサイド等を付加重合することによって ( ー。) の部分を m 形成する場合は、付加させるアルキレンオキサイド等の種類により(R1— O)の種類が 決定される。付加されるアルキレンォキサシド等の重合形態は限定されず、 1種類の アルキレンオキサイド等の単独重合、 2種類以上のアルキレンオキサイド等のランダ ム共重合、ブロック共重合又はランダム Zブロック共重合等の 、ずれであってもよ 、。 (R'-O) の部分がポリアルキレンオキサイドである場合は、 R1はアルキレン基である m
1S 炭素数 2〜4のアルキレン基が好ましぐエチレン基が最も好ましい。また、(R1— O) の部分が 2種類以上のアルキレンオキサイド等の共重合により形成される場合は m
、そのうちの一種はエチレンオキサイドであることが好ましい。」旨の記載がある。 特許文献 1:特開昭 63— 101444号公報 特許請求の範囲
特許文献 2:特開昭 62— 273252号公報 特許請求の範囲
特許文献 3 :特開平 2000— 34330号公報 特許請求の範囲 [0008] [0009]
特許文献 4:特開平 2002— 60734号公報 特許請求の範囲 [0012] 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] し力しながら、特許文献 1に開示されて!、るようなポリオキシアルキレン鎖を有する( メタ)アクリル榭脂は、耐熱性が低いため、融解温度の高い合成樹脂に用いることは できない。また、特許文献 2に開示されているようなポリエーテルエステルアミドでは、 耐熱性は改良されているものの十分ではなぐ更に一般の合成樹脂との相溶性が悪 くスチレン系榭脂に用途が限られるといった問題点があった。
[0011] また、特許文献 3に記載されている高分子帯電防止剤は、フエノール榭脂骨格を有 するポリアルキレングリコール誘導体のみ力も構成されており、更に、特許文献 3の実 施例では、特許文献 3の一般式(1)の R2がアルキル基であるフエノール榭脂骨格を 有するポリアルキレングリコール誘導体しか開示されておらず、これらポリアルキレン グリコール誘導体力 なる高分子帯電防止剤の相溶性や耐熱性は、従来の高分子 型の帯電防止剤と比較して改善されて 、るが、高温でエステル結合等を持つ合成榭 脂と長時間混合していると、合成樹脂と反応してしまい、合成樹脂の分解が促進する という問題があった。又、耐熱性も十分ではなぐ更に持続性には優れている力 即 効性がなく初期の帯電防止効果に劣るという問題もあった。
[0012] 更に、特許文献 4に開示されているようなフエノール榭脂骨格を有するポリアルキレ ングリコール誘導体 (重合体 A)と低分子量有機ァニオン化合物の組み合わせた帯 電防止性組成物にぉ 、て、フエノール榭脂骨格を有するポリアルキレングリコール誘 導体のアルキレングリコールの付加形態によっては、配合する合成樹脂と反応してし まうという問題があり、更に、フエノール化合物の置換基 (R2)力 水素原子やハロゲン 原子の場合は耐熱性が不十分であり、また、置換基が炭化水素の場合であっても、 特定の構造以外では耐熱性が不十分であることが判明した。更に、特許文献 4の帯 電防止性組成物は、帯電防止性の持続性と即効性を両立させたものであるが、配合 する樹脂との反応性や耐熱性と 、う問題に関しては全く考慮されて 、な 、ものであつ た。
[0013] 従って、本発明の目的は、高温で混合しても合成樹脂と反応せず、耐熱性が良好
で、持続性及び即効性を両立した練り込み型の帯電防止剤組成物を提供することに ある。
課題を解決するための手段
[0014] そこで本発明者等は鋭意検討し、特定の構造を持ったフ ノール榭脂骨格を有す るポリアルキレングリコール誘導体と低分子量有機ァ-オンィ匕合物の組み合わせを 見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の帯電防止剤組成物は、下記の一般式(1)
[化 4]
(式中、 R1は、ベンゼン環を含む炭化水素基を表し、 Aはメチル基又はェチル基を表 し、複数個ある Aは、同一でも異なっていてもよぐォキシアルキレン基の平均重合度 である m及び nは 1以上の数を表わし、 pは 2以上の数を表す。)で表される単量体ュ ニットを含有する重合体 (A)と、低分子量ァニオン化合物 (B)を含有してなることを特 徴とする。
発明の効果
[0015] 本発明の効果は、耐熱性が高ぐ合成樹脂と反応しにくぐ持続性と即効性を両立 した高分子型の帯電防止剤組成物を提供したことにある。
発明を実施するための最良の形態
[0016] 本発明の一般式 )で表される単量体ユニットを含有する重合体 (A)は、具体的に は、ベンゼン環含有の置換基を有するフエノール化合物とホルムアルデヒドとの脱水 縮合物に、特定のアルキレンォキシドを付加したィ匕合物を単量体ユニットとして含む 重合体である。
[0017] 次に、この重合体 (A)について更に詳しく説明する。
一般式(1)において、(一 CH CH — O—) (エチレンォキシド)の部分は、例えば
2 2 m
、ベンゼン環含有の置換基を有するフエノールイ匕合物の水酸基に、エチレンォキシド を付加することによって得ることができる。 mは、エチレンォキシドの平均重合度を表 し、 1以上の数であり、好ましくは 1〜200であり、より好ましくは 5〜: L00であり、更に 好ましくは 5〜50、最も好ましくは 8〜40である。
[0018] (-CH CHA-O-) (Aは、メチル基またはェチル基を表わす)の部分は、上記
2 n
エチレンォキシドを付加した後、炭素数 3または 4のアルキレンォキシドを付加するこ とによって得ることができる。具体的なアルキレンォキシドとしては、プロピレンォキシ ド、ブチレンォキシドが挙げられ、これらのアルキレンォキシドは単独でも、ブロック重 合やランダム重合のように複数のアルキレンォキシドを混合して使用してもよいが、製 造法が簡便なことから、プロピレンォキシド又はブチレンォキシドを単独で使用するこ とが好ましい。なお、プロピレンォキシドを使用した場合には、 Aはメチル基となり、ブ チレンォキシドを使用した場合には、 Aはェチル基となる。 nは、これらのアルキレン ォキシドの平均重合度を表し、 1以上の数であり、好ましくは 1〜: LOO、より好ましくは 3〜50、更に好ましくは 3〜30である。
[0019] R1は、ベンゼン環を含む炭化水素基を表し、例えば、フエ-ル基、トリル基、ベンジ ル基、キシリル基、フ ネチル基、スチリル基、トリメチルフヱ-ル基、タメ-ル基、クミ ル基、ヒドロシンナミル基、シンナミル基、テトラメチルフエ-ル基、チミル基、カルバタ リル基、クミ-ル基、ネオフィル基、キセ-ル基、ベンズヒドリル基、トリフエ-ルメチル 基、ェチルフエ-ル基、プロピルフエ-ル基、ブチルフエ-ル基、ペンチルフエ-ル基 、へキシルフエ-ル基、ヘプチルフエ-ル基、ォクチルフエ-ル基、ノ-ルフエ-ル基 、デシルフヱ-ル基、ゥンデシルフヱ-ル基、ドデシルフヱ-ル基、ナフチル基等が 挙げられる。これらの中でも、合成樹脂との混和性や相溶性、耐熱性の面から、 R1は フエ-ル基、タミル基、フエネチル基が好ましい。こうした基を持つフエノール類として は、例えば、 o—フエ-ルフエノール、 m—フエ-ルフエノール、 p—フエ-ルフエノー ル、ベンジルフエノール、 p—タミルフエノール、スチレン化フエノール等が挙げられる
[0020] 一般式(1)で表わされる単量体ユニットを含有する重合体 (A)は、既知の方法によ り、 R1の置換基を持ったフ ノール類をホルムアルデヒドで縮合させた後、アルキレン ォキシドを付加することによって得ることができる。また、この重合体 (A)は、一般式( 1)で表わされる単量体ユニットを少なくとも 2個以上、つまり一般式(1)における qは 2 以上であり、好ましくは 3〜50個含有した縮合体である。
[0021] また、 R1の置換基を持ったフエノール類とホルムアルデヒドを縮合させる場合には、 縮合可能なその他の化合物と共に縮合させることもできる。共縮合可能なその他の 化合物としては、例えば、その他のフエノール類、レゾルシン、カテコール、ハイドロキ ノン、ァ-ソール等が挙げられ、共縮合した場合の重合体 (A)の縮合度は 2以上あれ ばよいが、 3〜: L00が好ましぐ 3〜80がより好ましぐ 5〜50が更に好ましい。縮合度 力 S100を超えると、製品粘度が大きくなり、取り扱いに不便を生じる場合や合成樹脂 に練り込むのが困難になる場合がある。
[0022] 一般式(1)で表わされる単量体ユニットを含有する重合体 (A)中の、一般式(1)で 表わされる単量体ユニットの割合は特に限定されない。しかし、この割合が少ない場 合には、得られる帯電防止剤組成物が十分な効果を発揮しにくぐ十分な効果を出 すためには合成樹脂に多量に添加する必要があり、合成樹脂の強度等の物性低下 をまねく場合がある。このため、重合体 (A)中の一般式(1)で表わされる単量体ュ- ットの割合は、重合体 (A)全量に対して 30質量%以上とすることが好ましぐ 50質量 %以上とすることがより好ましぐ 70質量%以上が更に好ましぐ 90質量%以上が更 に好ましぐ 100質量%が最も好ましい。一般式(1)で表わされる単量体ユニットの割 合が 100質量%の重合体 (A)を製造するには、 1種もしくは 2種以上の R1の置換基を 持ったフエノール類をホルムアルデヒドで縮合させた後、一般式(1)で示す順番にェ チレンォキシドとアルキレンォキシドを付カ卩してやればよい。
[0023] 次に、帯電防止剤組成物と合成樹脂との反応について説明する。
合成樹脂の中でも、ポリエステル榭脂ゃポリカーボネート榭脂、ポリアミド榭脂のよう にエステル結合やアミド結合を持つ合成樹脂は、高温下で水酸基、リン酸基、カルボ ン酸基、アミノ基等の活性水素を持つ基と接触すると、エステル交換反応等の交換 反応を起こし、合成樹脂が分解して劣化することが知られている。活性水素基を持つ
帯電防止剤には従来力もこうした欠点が知られていたが、活性水素基は帯電防止性 能に良好な作用を示すため、これらの活性水素基をなくすと帯電防止効果が落ちて しまう場合がある。ここで、本発明者らは、活性水素基の中でも 2級水酸基が合成榭 脂との交換反応をほとんど起こさず、更に帯電防止効果にも優れていることを見出し た。一般式(1)で表される単量体ユニットを含有する重合体 (A)は、 CH CHA-
2
O-H の水酸基を含有するが、この水酸基は 2級水酸基であるため、高温で合成榭 脂と混合しても合成樹脂との交換反応をほとんど起こさず、合成樹脂を劣化させな 、 のである。よって、重合体 (A)は、エチレンォキシドを付カ卩した後に、プロピレンォキ シドあるいはブチレンォキシドを付加する力 例えば、エチレンォキシドとプロピレン ォキシドのランダム共重合のような重合方法の場合では、その組成物中に本発明の 帯電防止剤組成物を構成する重合体 (A)の構造が存在する場合もあるが、同時に エチレンォキシド由来の 1級水酸基を有する重合体も存在するため、合成樹脂との 交換反応を抑えることはできない。
本発明の帯電防止剤組成物に使用する低分子量有機ァニオンィ匕合物 (B)は、酸 性基を有する有機化合物又はそれと塩基性ィ匕合物との中和物である。この酸性基を 有する有機化合物としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸、(アルキル置換) 安息香酸、 (アルキル置換)サリチル酸、ポリアクリル酸、 N ァシルメチルァミノ酢酸 塩、ァシル化アミノ酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸等の有機 カルボン酸;アルキルスルホン酸、(アルキル置換)ベンゼンスルホン酸、(アルキル置 換)フエ-ルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸のホ ルムアルデヒド縮合物、イセチオン酸、イセチオン酸脂肪酸エステル、イセチオン酸 アルキルエーテル、 α—ォレフインスルホン酸、ひ—スルホ脂肪酸メチルエステル、 スルホコハク酸ジエステル等の有機スルホン酸;アルキル硫酸エステル、アルケニル 硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシァ ルキレンアルキルフエ-ルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アル 力ノールアマイド硫酸エステル、スルホ脂肪酸エステル等の有機硫酸エステル;酸性 アルキルリン酸エステル、酸性アルキル亜リン酸エステル、酸性ポリオキシアルキレン アルキルリン酸エステル、アルキルホスホン酸等の有機リン酸等が挙げられる。これら
の中でも特に有機スルホン酸が好ましい。これらの酸性基を有する有機化合物は、そ の分子量が大きい場合には、本発明の帯電防止性組成物の速効性が発揮されない 場合がある。従って、酸性基を有する有機化合物の平均分子量は 100〜500が好ま しく、 100〜400力より好まし!/ヽ。
[0025] また、酸性基を有する有機化合物は遊離酸の形でも帯電防止の効果を発現するが 、好ましくは、塩基性ィ匕合物との中和物として使用する方が好ましい。こうした塩基性 化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、水酸化マグネシ ゥム、水酸ィ匕カルシウム、酸化マグネシウム、酸ィ匕カルシウム等の金属水酸ィ匕物又は 金属酸化物;アンモ-ゥムとしては、例えば、アンモニア、メチルァミン、ジメチルアミ ン、ェチルァミン、ジェチルァミン、 (イソ)プロピルァミン、ジ (イソ)プロピルァミン、モ ノエタノールァミン、 N—メチルモノエタノールァミン、 N—ェチルエタノールァミン、ジ エタノールァミン、トリエタノールァミン、モルホリン、モノプロパノールァミン、ジプロパ ノールァミン、トリプロパノールァミン、 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジォー ル、アミノエチルエタノールァミン、 N, N, Ν', Ν'—テトラキス(2—ヒドロキシプロピル )エチレンジァミン等のアンモ-ゥム;テトラフエ-ルホスホ-ゥム、テトラブチルホスホ -ゥム等の有機ホスホ-ゥム等が挙げられる。これらの中でも、特に、アルカリ金属類 又はアルカリ土類金属類の金属水酸化物又は金属酸化物が好ましぐアルカリ金属 類がより好ましぐ水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウムが更に好ましい。
[0026] このような特に好まし 、有機スルホン酸の中和物としては、例えば、デシルスルホン 酸 Na、 C9〜C13ァルキルスルホン酸Na、ォクタデシルスルホン酸 Na、 p—トルエン スルホン酸 Na、ドデシルベンゼンスルホン酸 Li、ドデシルベンゼンスルホン酸 Na、ド デシルベンゼンスルホン酸 K、ナフタリンスルホン酸 Na、ノ-ルナフタリンスルホン酸 Na、イセチオン酸 Na、イセチオン酸ラウリルエステル Na、イセチオン酸ラウリルエー テル Na、硫化 C12〜C14ォレフィン Na、硫ィ匕 C16〜C18ォレフィン Na、 α—スルホ ステアリン酸メチルエステル Na、スルホコハク酸ジブチルエステル Na、スルホコハク 酸ジー 2—ェチルへキシルエステル Na等が挙げられる。これらの有機スルホン酸中 和物の中でも、デシルスルホン酸 Na、 C9〜C13ァルキルスルホン酸Na、ォクタデシ ルスルホン酸 Na、ドデシルベンゼンスルホン酸 Naが特に好まし!/、。
[0027] 本発明の帯電防止剤組成物において、一般式(1)で表わされる単量体ユニットを 有する重合体 (A)と有機ァニオン化合物 (B)の割合は、質量比で (A) / (B)が 10Z 90-99. 5/0. 5であることが好ましぐより好ましくは (A)Z(B)が 15Z85〜99Z 1である。
[0028] 本発明の帯電防止剤組成物は、そのまま合成樹脂に添加しても良いが、必要に応 じて担体に含浸させて力も添加することもできる。担体に含浸させる場合は、本発明 の帯電防止性組成物と担体とをそのまま加熱混合しても良いし、必要に応じて、有機 溶媒で希釈してから担体に含浸させ、その後溶媒を除去する方法を用いても良い。 こうした担体としては、合成樹脂のフィラーや充填剤として知られているものが使用で き、例えば、ケィ酸カルシウム粉、シリカ粉、タルク粉、アルミナ粉、酸化チタン粉等が 挙げられる力 これらの担体の中でも特にシリカ粉が好ましい。これらの担体は、平均 粒径が 0. 1〜100 111のものが好ましぐ0. 5〜50 /ζ πιのものがより好ましい。
[0029] 次に、本発明の合成樹脂組成物は、このような帯電防止剤組成物を種々の合成榭 脂に添加'配合してなることを特徴とするものである。このような合成樹脂としては、例 えば、低密度ポリエチレン榭脂、直鎖状低密度ポリエチレン榭脂、高密度ポリエチレ ン榭脂、ポリプロピレン榭脂、ポリメチルペンテン榭脂、エチレン プロピレン共重合 体榭脂、ポリブタジエン榭脂、ポリイソプレン榭脂等のポリオレフイン榭脂;ポリスチレ ン榭脂;ポリ塩ィ匕ビュル榭脂、ポリ塩ィ匕ビユリデン榭脂、ポリクロ口プレン榭脂、ェチレ ンー塩化ビニル共重合体榭脂、塩ィ匕ビュル 酢酸ビニル共重合体榭脂、塩化ビ- ル—塩ィ匕ビユリデン共重合体榭脂等のポリハロォレフイン榭脂、アクリロニトリル—ブ タジェン—スチレン共重合体榭脂 (ABS)、アクリロニトリル—スチレン共重合体榭脂( AS)、ポリ酢酸ビュル榭脂、エチレン 酢酸ビニル共重合体榭脂 (EVA)、ポリビ- ルアルコール榭脂、エチレン ビュルアルコール共重合体榭脂、ポリビュルホルマ ール榭脂、ポリビニルプチラール榭脂、ポリメチルメタタリレート榭脂、アクリル榭脂、 ケトン樹脂、ノルボルネン榭脂、ポリアセタール榭脂、ポリアミド榭脂、ポリアミドイミド 榭脂、ポリアリレート榭脂、ポリイミド榭脂、ポリエーテルイミド榭脂、ポリエーテノレケトン 榭脂、ポリエチレンテレフタレート榭脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート榭脂(PBT )、ポリへキサメチレンテレフタレート榭脂等ポリエステル榭脂、ポリカーボネート榭脂
、ポリサルホン榭脂、ポリフエ-レンエーテル榭脂、ポリフエ-レンサルファイド榭脂等 の熱可塑性榭脂;エポキシ榭脂、ポリウレタン榭脂、フエノール榭脂、不飽和ポリエス テル榭脂、ポリ乳酸榭脂、ポリイミド榭脂、ウレァ榭脂、メラミン榭脂、キシレン榭脂、グ アナミン榭脂、ジァリルフタレート榭脂、ビュルエステル榭脂、フラン榭脂、ロジン変性 マレイン酸榭脂等の熱硬化性榭脂;シリコーン榭脂;ポリフッ化ビュル、ポリフッ化ビ- リデン等のフッ素榭脂;天然ゴム (NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエン ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン プロピレン ジェンゴム(EPDM) 、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコ ーンゴム等のゴム系高分子化合物等が挙げられる。また、これら合成樹脂を組み合 わせた、いわゆるポリマーァロイでも良い。
[0030] これらの合成樹脂の中でも、耐熱性を要求されるエンジニアリングプラスチック類が 好ましぐ帯電防止効果の持続性に優れることから、ポリカーボネート ZABS榭脂、 ポリカーボネート ZAS榭脂、ポリカーボネート Zゴム系高分子化合物、ポリカーボネ ート ZABS榭脂 Zゴム系高分子化合物等のポリカーボネート榭脂を使用したポリマ ーァロイがより好ましい。ポリカーボネート榭脂を使用したポリマーァロイに含有される ポリカーボネート榭脂の割合は、ポリマーァロイ中の 50〜98質量0 /0であることが好ま しい。
[0031] 本発明に使用できるポリカーボネート榭脂は、通常市販されているものでよぐ例え ば、 1種以上のビスフエノール類とホスゲン又は炭酸ジエステルとの反応によって製 造することができる。ビスフエノール類としては、例えば、ハイドロキノン、 4, 4—ジヒド ロキシフエ-ル、ビス一(4—ヒドロキシフエ-ル)一アルカン、ビス一(4—ヒドロキシフ ェニル)一シクロアルカン、ビス一(4—ヒドロキシフエ-ル)一スルフイド、ビス一(4—ヒ ドロキシフエ-ル)一エーテル、ビス一(4—ヒドロキシフエ-ル)一ケトン、ビス一(4— ヒドロキシフヱ-ル)ースルホン、或いはこれらのアルキル置換体、ァリール置換体、 ハロゲン置換体などが挙げられ、これらは 1種又は 2種以上組み合わせて用いられる 。こうしたポリカーボネート榭脂の中でも、 2, 2 ビス一(4ーヒドロキシフエ-ル)プロ パン、 、わゆるビスフエノール Aを原料としたビスフエノール A系ポリカーボネート榭脂 力 巿場で容易に入手できるという点力も好ましい。更に、これらのポリカーボネート
榭脂の粘度平均分子量は、 10, 000-50, 000であること力好ましい。
[0032] 合成樹脂に配合する本発明の帯電防止剤組成物の量は特に限定されない。しか し、あまり多量に配合すると、合成樹脂の機械的強度等の物性が低下したり、配合す るのが難しくなつたりする場合があり、また、あまりに配合量が少ないと帯電防止効果 が不十分となる場合があるので、好ましい配合量は合成樹脂に対して 0. 01〜20質 量%、より好ましくは 0. 05〜15質量%、最も好ましくは 1〜: LO質量%である。配合方 法は特に限定されず、通常使用されている任意の方法を用いることができる。例えば 、ロール混練り、バンパー混練り、押し出し機、ニーダ一等により混合、練りこみして 配合すれば良い。
[0033] 本発明の帯電防止剤組成物は、合成樹脂に対して難燃剤と共に添加'配合して合 成榭脂組成物とすることにより、合成樹脂組成物の帯電防止効果の持続性を向上さ せることができる。併用することができる難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフエ ノール A、へキサブロモベンゼン、トリス(2, 3—ジブロモプロピル)イソシァヌレート、 2 , 2—ビス(4—ヒドロキシエトキシ— 3, 5—ジブロモフエ-ル)プロパン、デカブロモジ フエ-ルオキサイド、へキサブ口モシクロデカン、テトラブロモ無水フタル酸、塩素化ポ リエチレン、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、クロレンド酸、テトラクロ 口無水フタル酸等のハロゲン系難燃剤;リン酸アンモ-ゥム、トリクレジルフォスフエ一 ト、トリェチルフォスフェート、トリス(j8—クロロェチル)フォスフェート、トリスクロロェチ ルフォスフェート、トリスジクロ口プロピルフォスフェート、クレジルジフエ-ルフォスフエ ート、キシレ -ルジフエ-ルフォスフェート、フエ二レンビス(ジフエニルフォスフェート) 、フエ-レンビス(フエ-ルクレジルフォスフェート)、フエ-レンビス(ジクレジルフォス フェート)、フエ二レンビス(ジキシレ-ルフォスフェート)、ビスフエノール Aビス(ジフエ -ルフォスフェート)、ビスフエノール Aビス(ジクレジルフォスフェート)等のリン系難燃 剤;赤燐、酸化スズ、三酸ィ匕アンチモン、水酸ィ匕ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、ホ ゥ酸亜鉛、水酸ィ匕アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒素化グァ-ジン等の無機系 難燃剤が挙げられる。難燃剤のなかでも、ハロゲン系難燃剤や含ハロゲンリン系難燃 剤等のハロゲンを含有する難燃剤を配合した合成樹脂は、燃焼時にダイォキシン類 が発生する恐れがあることから、近年では、ハロゲンを含有する難燃剤は敬遠される
傾向にある。
また、難燃剤の中には本発明の帯電防止剤組成物と併用すると、合成樹脂によつ ては、熱により合成樹脂が着色したり、耐熱性が低下したりするものもある。こうした恐 れのな ヽ難燃剤としては、下記の一般式(2)で表わされるリン系化合物が好ま ヽ: [化 5]
(式中、 R2〜R5はァリール基を表し、 Yはァリーレン基を表し、 a〜dは 0若しくは 1の数 を表し、 sは 1〜5の数を表す。 )
[0035] 一般式(2)にお 、て、 R2〜R5は、ァリール基を表わし、それぞれ同一であっても異 なっていても良い。ァリール基としては、前記一般式(1)の R1の場合に記載したァリ ール基と同一のものが挙げられ、中でも、フエ-ル、クレジル、キシレ -ルが好ましい 。また、 Yはァリーレン基を表わす。ァリーレン基は 2価のフエノール類から水酸基を 除いた残基である。こうした 2価フエノール類としては、例えば、レゾルシン、力テコー ル、ハイドロキノン、ビスフエノーノレ A、ビスフエノーノレ F、ビスフエノーノレ S、ビフエノー ル等が挙げられる。 a〜dは 0又は 1の数を表わし、それぞれ同一であっても異なって いても良い。 sは繰り返し単位の平均値であり、 1〜5の数を表わす。
[0036] なお、一般式(2)で表わされるリン系化合物は、公知の方法 (例えば、特開昭 59— 202240号公報)により製造することができる。これらの一般式(2)で表わされるリン系 化合物の具体例としては、例えばフエ-レンビス(ジフエ-ルフォスフェート)、フエ- レンビス(フエ-ルクレジルフォスフェート)、フエ二レンビス(ジクレジルフォスフェート) 、フエ-レンビス(ジキシレ-ルフォスフェート)、ビスフエノール Aビス(ジフエ-ルフォ スフエート)、ビスフエノール Aビス(ジクレジルフォスフェート)等が挙げられる。これら の難燃剤の配合量は、基材となる合成樹脂の種類及び用途によって変化するため
一概に言えないが、概ね合成樹脂に対して 0. 5〜30質量%が好ましぐ 1〜25質量 %がより好ましぐ 5〜20質量%が最も好ましい。
[0037] この他に、本発明の帯電防止剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、公知 の酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、フルォロォレフイン榭脂、その他の帯電 防止剤、防曇剤、滑剤、可塑剤、着色剤、リン系以外の難燃剤、難燃助剤、防黴剤、 結晶核剤、相溶剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、無機電解質、フィラー、充填剤、 顔料、香料、シリコーンオイル、カップリング剤等のその他の合成樹脂添加剤と併用 することができ、又、カーボン繊維やステンレス繊維等の導電性物質を配合してもよ い。これらの中でも酸化防止剤、フルォロォレフイン榭脂又は滑剤を併用することが 好ましい。
[0038] このような酸ィ匕防止剤としては、フエノール系酸ィ匕防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄 系酸ィ匕防止剤が挙げられる。フエノール系酸ィ匕防止剤としては、例えば、 2, 6 ジー tert. ブチルフエノール(以下 tert. ブチルを t ブチルと略記する。)、 2, 6 ジ tーブチルー 4 メチルフエノール、 2, 6 ジー tーブチルー 4 ェチルフエノール 、 2, 4 ジメチルー 6— t—ブチルフエノール、 4, 4'—メチレンビス(2, 6 ジ一 t—ブ チルフエノール)、 4, 4 '—ビス(2, 6 ジー t ブチルフエノール)、 4, 4 '—ビス(2— メチルー 6 t—ブチルフエノール)、 2, 2'—メチレンビス(4ーメチルー 6 t—ブチル フエノール)、 2, 2'—メチレンビス(4ーェチルー 6 t ブチルフエノール)、 4, 4' ブチリデンビス(3—メチルー 6— t—ブチルフエノール)、 4, 4 '—イソプロピレデンビス (2, 6 ジ一 t—ブチルフエノール)、 2, 2'—メチレンビス(4—メチル 6 シクロへ キシルフェノール)、 2, 2'—メチレンビス(4—メチル 6 ノ-ルフエノール)、 2, 2' —イソブチリデンビス(4, 6 ジメチルフエノール)、 2, 6 ビス(2'—ヒドロキシ一 3'— t ブチル 5 '—メチルベンジル) 4 メチルフエノール、 3— t ブチル 4ーヒドロキ シァ-ノール、 2— t—ブチル 4 ヒドロキシァ-ソール、 3— (4 ヒドロキシ一 3, 5 —ジ— t—ブチルフエ-ル)プロピオン酸ステアリル, 3— (4—ヒドロキシ— 3, 5—ジ t ブチルフエ-ル)プロピオン酸ォレイル, 3—(4ーヒドロキシ—3, 5—ジ—tーブ チルフエ-ル)プロピオン酸ドデシル, 3—(4ーヒドロキシ—3, 5—ジ—tーブチルフ ェ -ル)プロピオン酸ォクチル,テトラキス { 3—(4ーヒドロキシ—3, 5—ジ—tーブチ
ルフエ-ル)プロピオ-ルォキシメチル}メタン、 3— (4—ヒドロキシ— 3, 5—ジ— t— ブチルフエ-ル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、 3—(4ーヒドロキシ—3, 5—ジ t ブチルフエ-ル)プロピオン酸とグリセリンモノォレイルエーテルとのエステル、 3 一(4ーヒドロキシ—3, 5—ジー t ブチルフエ-ル)プロピオン酸ブチレングリコール エステル, 3—(4ーヒドロキシ—3, 5—ジー t ブチルフエ-ル)プロピオン酸チォジ グリコールエステル、 4, 4'ーチォビス(3—メチルー 6— t—ブチルフエノール)、 4, 4' ーチォビス(2—メチルー 6 t ブチルフエノール)、 2, 2' チォビス(4ーメチルー 6 —t ブチルフエノール)、 2, 6 ジ一 t—ブチルー a—ジメチルァミノ一 p クレゾ一 ル、 2, 6 ジ— t—ブチル 4 (Ν, Ν'—ジメチルァミノメチルフエノール)、ビス(3, 5 ージ—tーブチルー 4ーヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス { (3, 5—ジ—tーブチ ルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルーォキシェチル }イソシァヌルレート、トリス( 3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシフエ-ル)イソシァヌレート、 1, 3, 5 トリス(3, , 5 ' ジ一 t ブチル 4 ヒドロキシベンゾィル)イソシァヌレート、ビス { 2 -メチル 4一(3— n—アルキルチオプロピオ-ルォキシ)ー5— t—ブチルフエ-ル}サルフアイ ド、 1, 3, 5 トリス(4 ジ— t—ブチル—3 ヒドロキシ— 2, 6 ジメチルベンジル)ィ ソシァヌレート、テトラフタロイルージ(2, 6 ジメチルー 4— t ブチル 3 ヒドロキ シベンジルサルファイド)、 6— (4—ヒドロキシ— 3, 5 ジ— t—ブチルァ-リノ)— 2, 4 ビス(オタチルチオ) 1, 3, 5 トリァジン、 2, 2 チォー {ジェチルービスー3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)}プロピオネート、 N, Ν'—へキサメ チレンビス(3, 5—ジ一 t ブチル 4—ヒドロキシ一ヒドロシナミド)、 3, 5—ジ一 t— ブチル 4—ヒドロキシ一ベンジル -リン酸ジエステル、ビス( 3 -メチル 4—ヒドロキ シ 5— t—ブチルベンジル)サルファイド、 3, 9 ビス [1, 1 ジメチルー 2— { j8—( 3— t ブチル 4 ヒドロキシ 5—メチルフエ-ル)プロピオ-ルォキシ }ェチル]
2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカン、 1, 1, 3 トリス(2—メチル—4 —ヒドロキシ一 5— t—ブチルフエニル)ブタン、 1, 3, 5 トリメチルー 2, 4, 6 トリス(
3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス { 3, 3'—ビス一(4'— ヒドロキシー 3'— t—ブチルフエ-ル)ブチリックアシッド }グリコールエステル等が挙げ られる。
[0039] リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフエ-ルホスフアイト、ジフエ-ルイソデシル ホスファイト、フエ-ルジイソデシルホスフアイト、 4, 4—ブチリデンビス(3—メチル 6 —t ブチルフエ-ルジイソトリデシル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトール ジホスフアイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスフアイト、トリス(ノ -ルフエ-ル )ホスフアイト、トリス(ジノユルフェ-ル)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ一 t—ブチルフエ -ル)ホスファイト、ビス(2, 6 ジ一 t—ブチル 4—メチルフエ-ル)ペンタエリスリト ールホスファイト、 2, 2—メチレンビス(4, 6 ジー t ブチルフエ-ル)ォクチルホス ファイト、 1, 1, 3 ブチリジントリス(3—メチル—6— t—ブチルフエ-ルジイソトリデシ ル)ホスファイト、 2, 2 プロピリデンビス(3—メチルー 6 t—ブチルフエ-ルジイソト リデシル)ホスファイト、テトラキス(2, 4 ジ一 t—ブチルフエ-ル)一 4, 4 ビフエ- レン一ジホスホナイト、 9, 10 ジヒドロ一 9—ォキサ 10 ホスファフェナントレン一 10—オキサイド、 10— (3, 5 ジ— t—ブチル—4 ヒドロキシベンジル)—9, 10— ジヒドロ一 9—ォキサ 10 ホスファフェナントレン一 10—オキサイド、 10 デシル ォキシ 9, 10 ジヒドロー 9 ォキサ 10 ホスファフェナントレン等が挙げられる
[0040] 硫黄系酸ィ匕防止剤としては、例えば、ジォクチルチオジプロピオネート、ジデシル チォジプロピオネート、ジラウリノレチォジプロピオネート、ジミリスチノレチォジプロピオ ネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、 ジステアリル j8 , β, ーチォジブチレート、(3—ォクチルチオプロピオン酸)ペンタ エリスリトールテトラエステル、(3—デシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテト ラエステル、(3—ラウリルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3 ーステアリルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3—ォレイルチ ォプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3—ラウリルチオプロピオン酸) —4, 4' チォジ(3—メチルー 5—t—ブチルー 4 フエノール)エステル、 2 メルカ ブトべンズイミダゾール、 2—メルカプトメチルベンズイミダゾール、 2—べンズイミダゾ ールジスルフイド、ジラウリルサルファイド、アミルチオグリコール等が挙げられる。
[0041] これらの酸ィ匕防止剤の配合量は、基材となる合成樹脂によって変化するためー概 に言えないが、概ね合成樹脂に対して 0. 001〜15質量%が好ましぐ 0. 005-10
質量%がより好ましぐ 0. 01〜5質量%が最も好ましい。
[0042] 本発明の合成樹脂組成物は、フルォロォレフイン榭脂を含有することが好ましい。
フルォロォレフイン榭脂を配合した合成樹脂組成物は、溶融時に滴下が防止される ことにより、火災が発生した場合に着火又は燃焼し難くなる。ここでいうフルォロォレ フィン榭脂とは、フルォロエチレン構造を含む重合体であり、例えば、ジフルォロェチ レン重合体、テトラフルォロエチレン重合体、テトラフルォロエチレン一へキサフルォ 口プロピレン重合体、テトラフルォロエチレンとフッ素を含まな 、エチレン系モノマーと の共重合体等が挙げられる。好ましくは、ポリテトラフルォロエチレン (PTFE)であり、 平均分子量が 50万以上の PTFEが更に好ましぐ 50万〜 1000万の PTFEが特に 好ましい。その具体例としては、例えばテフロン (登録商標) 6— J (三井'デュポンフロ 口ケミカル社製)、ポリフロン D—l、ポリフロン FA— 100、ポリフロン F— 103、ポリフロ ン F— 201、ポリフロン MPA (ダイキン工業社製) CD076 (旭アイシーアィフロロポリ マーズ社製)、ァルゴフロン F5 (モンテフルォス社製)等が挙げられる。フルォロォレ フィン榭脂の配合量は、基材となる合成樹脂及び用途によって変化するためにー概 には言えないが、概ね合成樹脂に対して 0. 05〜5質量%が好ましぐ 0. 1〜2質量 %がより好ましぐ 0. 5〜1. 5質量%が最も好ましい。
[0043] 本発明に使用できる滑剤としては、例えば、流動パラフィン、ノ ラフィンワックス、ポリ エチレンワックス等の炭化水素系滑剤;ステアリルアルコール、ステアリン酸、 12—ヒ ドロキシステアリン酸等の脂肪族系滑剤;ステアリン酸アミド、ォレイン酸アミド、エル力 酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンステアリン酸アミド等のアミド系滑剤 ;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸 鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム/ステアリン 酸亜鉛複合体、ステアリン酸亜鉛 Zステアリン酸カルシウム複合体等の金属石鹼系 滑剤;硬化油脂、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸プチル、ペンタエリスリトー ルステアレート、ステアリン酸ステアリル等のエステル系滑剤が挙げられる。これらの 滑剤の配合量は、基材となる合成樹脂によって変化するため一概に言えないが、概 ね合成樹脂に対して 0. 001〜15質量%が好ましぐ 0. 005〜10質量%がより好ま しぐ 0. 01〜5質量%が最も好ましい。
[0044] 本発明に使用できる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、 ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、その他の紫外線吸収剤が挙げられる。ベンゾトリア ゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、 2- (2' ヒドロキシ 5' メチルフエ-ル )ベンゾトリァゾール、 2— (2'—ヒドロキシ一 5'— t—ブチルフエ-ル)ベンゾトリァゾー ル、 2— (2'—ヒドロキシ— 3', 5'—ジ— t—ブチルフエ-ル)ベンゾトリァゾール、 2— ( 2' -ヒドロキシ 3' t ブチル 5'—メチルフエニル)ベンゾトリァゾール、 2- { 2' —ヒドロキシ一 3', 5'—ビス ( a , a—ジメチルベンジル)フエ-ル}ベンゾトリアゾール 、 2- (2'—ヒドロキシ一 3'— t—ブチル 5'—メチルフエニル) 5 クロ口べンゾトリ ァゾール、 2— (2'—ヒドロキシ一 3', 5'—ジ一 t—ブチルフエ-ル)一 5 クロ口べンゾ トリァゾール、 2— (2'—ヒドロキシ一 3', 5'—ジ一 t—ァミルフエ-ル)ベンゾトリァゾー ル、 2— (2'—ヒドロキシ一 5'— t—ォクルフエ-ル)ベンゾトリァゾール、 2— { 2'—ヒド 口キシ一 3'— (3", 4", 5", 6"—テトラヒドロフタルイミドメチル) 5'—メチルフエ-ル }ベンゾ卜リァゾール、 2, 2—メチレンビス {4— (1, 1, 3, 3—テ卜ラメチルブチル)—6 - (2H ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエノール }、 2- (2'—ヒドロキシ一 5'—メタ クリロキシフエ-ル)一 2H—ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
[0045] ベンゾフエノン系紫外線吸収剤としては、例えば、 2, 4ージヒドロキシベンゾフエノン 、 2 ヒドロキシー4ーメトキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキシー4—オタトキシベンゾフ ェノン、 2 ヒドロキシ一 4 ドデシルォキシベンゾフエノン、 2, 2'—ジヒドロキシ一 4— メトキシベンゾフエノン、 2, 2' ジヒドロキシ 4, 4'ーメトキシベンゾフエノン、 2 ヒド ロキシ 4—メトキシ一 5—スルホベンゾフエノン、ビス ( 5 -ベンゾィル 4—ヒドロキ シ一 2—メトキシフエ二ルメタン)等が挙げられる。
[0046] その他の紫外線吸収剤としては、例えば、フエ-ルサリシレート、 4 t ブチルフエ -ルサリシレート、 4ーォクチルフエ-ルサリシレート等のサリシレート系;ェチルー 2— シァノー 3, 3 ジフエ-ルアタリレート、 2 ェチルへキシルー 2 シァノー 3, 3 ジ フエ-ルアタリレート等のシァノアクリレート系; 2—エトキシ 2'—ェチルォキザリック アシッドビスァ-リド等のォキザリックアシッド系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
[0047] これらの紫外線防止剤の配合量は、基材となる合成樹脂によって変化するため一 概に言えないが、概ね合成樹脂に対して 0. 001〜15質量%が好ましぐ 0. 005〜1
0質量%がより好ましぐ 0. 01〜5質量%が最も好ましい。
[0048] 本発明に使用できるヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2, 2, 6, 6 —テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N—メチル 2, 2, 6, 6—テトラメ チルー 4ーピペリジル)セバケート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピベリジ ル)—2— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシベンジル)— 2— n—ブチルマロネ ート、テトラキス(2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)—1, 2, 3, 4 ブタンテ トラカルボキシレート、テトラキス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジル) 1 , 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト— 2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ーピペリジル Zトリデシル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、(ミックストー 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジル Zトリデシル)— 1, 2, 3, 4 ブタンテ トラカルボキシレート、ミックスト— {2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル Z J8 , β , β ' , j8 ,一テトラメチル一 3, 9- (2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデ カン)ジェチル}ー1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、ミックストー { 1, 2, 2, 6, 6—ペンタメチノレー 4—ピベリジノレ Z J8 , β , β ' , j8 ,一テトラメチノレー 3, 9— (2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカン)ジェチル} 1, 2, 3, 4 ブタンテト ラカルボキシレート、ポリ {6—(1, 1, 3, 3, ーテトラメチルブチル)イミノー 1, 3, 5 ト リアジン一 2, 4 ジィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)イミノ}へキサ メチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)イミノ} ,ジメチルサクシネート Z4 ヒドロキシ 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 1ーピペリジンエタノール重合体、 2, 2 , 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジルメタタリレート、 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ーピペリジルメタタリレート、エチレンビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 3 ォキサー4 ーピペリジン)等が挙げられる。
[0049] 本発明に使用できるその他の光安定剤としては、例えば、 {2, 2' チォビス (4— t —ォクチルフエノレート) }— 2—ェチルへキシルァミンニッケル(Π)、ニッケルジブチ ルジチォカルバメート、 {2, 2' チォビス(4 tーォクチルフエノレート)} 2 ブチ ルァミンニッケル(Π)、ニッケルビス(ォクチルフヱ-ル)サルファイド、 3, 5—ジー t— ブチル—4—ヒドロキシベンジルリン酸モノェチレートニッケル錯体等のニッケル系光 安定剤; 2, 4 ジー t—ブチルフエ二ルー 3, 5' ジ—tーブチルー 4'ーヒドロキシべ
ンゾエート等が挙げられる。
[0050] これらの光安定剤の配合量は、基材となる合成樹脂によって変化するため一概に 言えないが、概ね合成樹脂に対して 0. 001〜15質量%が好ましぐ 0. 005〜10質 量%がより好ましぐ 0. 01〜5質量%が最も好ましい。
[0051] 本発明に使用できるその他の帯電防止剤としては、例えば、グリセリンモノ脂肪酸 エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ジエタノールァミン脂肪酸アミド、ポリアルキ レングリコールアルキルエーテル、 N—アルキルアンモ-ゥムクロライド等が挙げられ る。 本発明に使用できるその他の添加剤としては、例えば、ジベンジリデンソルビト ール、ビス(p メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p -ェチルベンジリデン)ソル ビトール、ヒドロキシージ(t ブチル安息香酸)アルミニウム、リン酸ビス(4 tーブチ ルフエニル)ナトリウム、リン酸 2, 2—メチレンビス(4, 6 ジ一 t—ブチルフエニル)ナ トリウム塩等の造核剤;フタル酸エステル、二塩基酸エステル、塩素化パラフィン、ポリ エステル、エポキシィ匕エステル、リン酸エステル、トリメリット酸エステル等の可塑剤;金 属石鹼、有機スズ、有機鉛、ホスファイト、エポキシド、 β—ジケトン、ポリオール、過 塩素酸塩、ノ、イド口タルサイト、ゼォライトイ匕等の安定剤、チタン化合物等の着色剤、 ケィ酸カルシウム粉、シリカ粉、タルク粉、マイ力粉、アルミナ粉、酸化チタン粉、ガラ スフレーク等の充填剤等が挙げられる。
[0052] このような前記一般式(1)で表わされる単量体ユニットを含む重合体 (Α)と前記有 機ァ-オン化合物(Β)とを必須成分として含有し、必要に応じて種々の添加剤を添 カロして得られる本発明の帯電防止剤組成物は、特に各種の合成樹脂の成形加工の 際、高温による練り込みでも合成樹脂と反応せず、優れた帯電防止性能を発揮する と共に、この帯電防止効果が合成樹脂への添加加工の直後から長期間にわたって 維持されるという特徴を有する。
実施例
[0053] 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。尚、以下の実施例等におい て、「部」及び「%」は、特に記載が無い限り質量基準である。又、ポリエーテルの構造 中の ΕΟはォキシエチレン基、 ΡΟはォキシプロピレン基、 ΒΟはォキシブチレン基の 略記であり、「一」はブロック共重合、「Ζ」はランダム共重合を表す。
[0054] 重合体 (A)の合成
温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器及び攪拌装置を取り付けた 4つ口フラスコに 、 p—タミルフエノール 212g、パラホルムアルデヒド 36g、 p—トルエンスルホン酸 0. 3 g及び溶媒としてメシチレン(トリメチルベンゼン) lOOgを仕込み、 120°Cで 5時間縮 合反応させた。この反応物を加圧反応装置に仕込み、水酸化カリウム 1. 5gを加え、 140°Cでエチレンォキシドを 660g反応させ、エチレンォキシドを完全に反応させた 後、同温度でプロピレンォキシド 580gを反応させ、反応終了後に溶媒のメシチレン を減圧蒸留にて除去し、ポリオキシエチレン( 15)ポリオキシプロピレン( 10) p—タミル フエノールホルムアルデヒド縮合物 (A— 1)を得た。
[0055] 同様にして、反応条件並びに、フエノール類、共縮合可能なその他の成分、パラホ ルムアルデヒド、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの仕込み量を種々変え て、 A— 2〜A— 15を製造した。下記の表 1にこれらの化合物の構造を示す。なお、 表中の「縮合度」は GPCによって求めた平均縮合度を表し、「その他の成分」は本発 明に使用できるフエノールイ匕合物と、共縮合したィ匕合物を表し、 A—l〜9の「割合」 は、重合体 (A)中の一般式 (1)で表わされる単量体ユニットの割合 (質量換算)を表 す。又、 A— 10〜14の「割合」は、その他の成分との共縮合を行わな力つたので全て 100%になっている。
[0056] [表 1]
表 1
[0057] 表 1中、 A— 12及び A— 14は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのラン ダム共重合体であり、ポリエーテルの水素側末端がエチレンオキサイドである重合体 と、プロピレンオキサイドである重合体の混合物(比較品)である。
[0058] 低分子量ァニオン化合物(B)
B-1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(分子量 348)
B-2:ポリオキシエチレン(5)ノニルフエノールエーテル硫酸エステルナトリウム(分 子量 542)
[0059] その他の成分
C 1:シリカ粉(トクャマ製 商品名:トクシール NP)
C 2:ポリオキシエチレン(30)ノユルフェノールエーテル
C-3:ポリエチレングリコール(平均分子量 6000)
C 4:グリセリンモノステアレート
C-5:フエ二レンビス(ジキシレニルフォスフェート)
[化 6]
(旭電化製、商品名:アデカスタブ FP— 500)
[0060] 上記試料を、表 2及び表 3に示す割合で配合し、本発明品及び比較品の帯電防止 剤組成物を調整し、これらを各種試験に用いた。
[0061] [表 2]
表 2 (質量部)
[0062] 表 2中、本発明品 13は、粉体混合用ミキサー(タンブラ一ミキサー)にシリカ粉を入 れ、そこに本発明品(A— 1及び B— 1の混合物)を 80°Cで滴下して混合することによ り、本発明品をシリカ粉に均一に含浸させたものである。なお、シリカ粉は珪酸ソーダ を原料に、溶液中でィ匕学反応によって製造された湿式シリカであり、平均粒径は 11 μ mである。
[0063] [表 3]
表 3 (質量部)
[0064] 次に、本発明品 1〜13及び比較品 1〜10の各種帯電防止剤組成物を用いて、下 記に示す割合でポリエチレンテレフタレート (PET— G)榭脂に配合し、押し出し機で 280°C、 20rpmの条件でペレット状の樹脂組成物を作成した。このペレットを 280°C で射出成形機を使用し、 280°Cで直径 10cm、厚さ 1. 5mmの成形品とした。これら の成形品を試験片として、下記の方法によってそれらの表面抵抗値を測定し、帯電 防止性を評価した。又、試験片及び原料の榭脂組成物の粘度を下記の方法で測定 し、各種帯電防止剤組成物を添加することによる樹脂の粘度低下を測定した。 更に、曲げ弾性率と熱変形温度 (HDT)を測定した。榭脂が劣化すると曲げ弾性 率の値が下がり、耐熱性が低下しているものほど HDTの値がさがる。それぞれの試 験方法は下記に示した。又、全ての評価結果を表 4に示した。
[0065] 配合割合
配合物 配合量 (部)
ポリエチレンテレフタレート(PET— G) 100
テトラキス {3— (3, 5—ジ一 t—ブチルー 4—ヒドロキシフエ-ル) 0. 1 プロピオ-ルォキシメチル}メタン (酸化防止剤、旭電化工業製:アデ力
スタブ AO— 60)
トリス(2, 4—ジ一 t一ブチルフエニル)フォスファイト 0. 1
(酸化防止剤、旭電化工業製:アデカスタブ 2112)
本発明品または比較品の帯電防止剤糸且成物 7
[0066] <帯電防止性の評価 >
各種試験片を、温度 23°C、湿度 50%の条件下に保存し、成形加工の 10分後及び 7日保存後に、これらの試験片の表面固有抵抗値を下記の条件にて測定した。なお 、 7日保存後の試験片は、流水中に 30分間浸し、風乾後に表面固有抵抗値を測定 した。
測定装置:アドバンテスト社製デジタル超高抵抗計 R8340
測定温度: 23°C
測定湿度: 50%
印加電圧: 500V
印加時間: 1分
[0067] <粘度平均分子量の測定による樹脂の劣化評価 >
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度( r? )を 25°C
SP
でクロ口ホルム 100mlに各種榭脂組成物 0. 7gを溶解した試料溶液からォストワルド 粘度計を用いて求める。
比粘度(r? ) = (t-t ) /t
SP 0 0
[tはクロ口ホルムの落下秒数、 tは試料溶液の落下秒数]
0
次に、得られた比粘度( 7?
SP )から次の数式により各榭脂組成物の粘度平均分子量
Mを算出した:
r? /c= [ r? ] +0. 45 ' [ 7? ] 2。(伹し[ 7? ]は極限粘度 =0. 7)
SP
[ τ? ] = 1. 20· 10"5Μ°·82
求めた各種粘度平均分子量は、次式を使って帯電防止剤添加前後の分子量比と して評価した。粘度比が 1に近いほど、榭脂が劣化していないということを表す。 粘度比 =帯電防止剤添加後の粘度平均分子量 Ζ帯電防止剤添加前の粘度平均分
[0068] <曲げ弾性率 (MPa)の測定方法 >
各種榭脂組成物を長さ 110mm、幅 12mm、厚さ 6. 5mmの試験片に成形し、曲げ 速度 15mmZ分、試験温度 23°Cの条件で、 ASTM D790の試験方法に準拠して
測定した。
[0069] <熱変形温度 (HDT)の測定方法 >
各種榭脂組成物を長さ 110mm、幅 12mm、厚さ 4mmの試験片に成形し、 ASTM D648に準拠し、熱変形温度 (HDT)を HDT測定装置 (東洋精機製作所製: HDT 測定機 3A— 2)で測定した。なお、試験条件は、荷重 0.46MPa、昇温速度 2°CZ 分で行った。
[0070] [表 4] 表 4
表面固有抵抗値(ΩΖ口) 曲げ弾性率 HDT 粘度比
成形 10分後 成形 7曰後 (MPa) (°C)
1 8.2 X 1012 2.3 X 1012 0.98 2800 65
2 9.0 1012 2.6 X 1012 0.97 2700 64
3 8.6 X 1012 2.4 X1012 0.98 2800 64
4 9.2 X1012 6.3 1012 0.97 2800 61
5 9.1 1012 5.3 X 1012 0.98 2700 60 本 6 8.8 X1012 4.3 X 1012 0.98 2700 63 発
7 8.7 X1012 7.3 1012 0.97 2800 62 明
□ 8 8.8 X1012 2.7 X 1012 0.98 2800 65
9 8.4 X1012 2.6 1012 0.97 2800 65
10 1.2X1013 2.4 X1012 0.97 2700 64
11 9.4 X1012 3.3 X1012 0.97 2700 63
12 8.6 X 1012 2.8 1012 0.98 2800 65
13 9.0 X1012 2.9 X1012 0.98 2800 65
1 4.5 1015 2.6 1012 0.98 2700 65
2 9.0 X 1012 2.6 1012 0.86 1600 57
3 8.9 X1015 8.8 1015 0.98 2700 61 比 4 8.6 X 1012 3.6 1012 0.89 1800 58 早父 5 8.6 1012 3.6 1012 0.97 2700 48 口
6 8.5 X 1012 3.5 1012 0.88 1800 46
7 8.5 X 1012 1.8 1013 0.85 1500 41
8 9.1 X 1012 2.8 X 1015 0.76 1400 39
9 9.5 X 1012 1.2X 1013 0.98 2700 40 ブランク 5.0 X1016 5.0 X 1016 1.0 2900 67
[0071] 表 4中、ブランクは帯電防止剤組成物未添加のもの
[0072] 更に、本発明品 1〜13及び比較品 1〜10の各種帯電防止剤組成物を用いて、下 記に示す割合でポリカーボネート ZABS榭脂に配合し、押し出し機で 260°C、 25rp mの条件でペレット状の榭脂組成物を作成した。このペレットを 260°Cで射出成形機 を使用し、 260°Cで直径 10cm、厚さ 2. 5mmの成形品とした。これらの成形品を試 験片として、実施例 1と同様の試験を行った。全ての評価結果を表 5に示す。
[0073] 配合割合
配合物 配合量 (部)
ポリカーボネート ZABS榭脂 100
テトラキス {3— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシフエ-ル) 0. 1 プロピオ-ルォキシメチル}メタン (酸化防止剤、旭電化工業製:アデ力
スタブ AO— 60)
トリス(2, 4 ジ一 t—ブチルフエ-ル)フォスファイト 0. 1
(酸化防止剤、旭電化工業製:アデカスタブ 2112)
C-5 10
本発明品または比較品の帯電防止剤糸且成物 4 ポリカーボネート ZABS榭脂は、ポリカーボネート ZABS = 8Z2のポリマーァロイで 、ポリカーボネートの粘度平均分子量は 20000である。
[0074] [表 5]
表 5
[0075] 以上の結果より、ポリオキシアルキレン鎖の末端が 1級水酸基のものは、粘度平均 分子量が小さくなり、榭脂が大きく分解していることがわかる。又、榭脂の分解により、 曲げ弾性率も下がってしまう。更に、 R1の構造にベンゼン環が入っていないものは熱 安定性に劣り、 HDTの値が大きく下がっていることがわかる。
[0076] 次に、前の試験で使用した、 PET— Gとポリカーボネート ABS樹脂を使用して、
下記に示した配合で、温度 25°C、湿度 50%の恒温槽中に保管し、成形から 7日後と ェ年後の試験片を、それぞれ流水中に 30分間浸し、風乾後に表面固有抵抗値を測 定した。なお、試験片は直径 10cm、厚さ 2. 5mmで、前に示したそれぞれの樹脂の 製造条件と同様の方法で作成した。結果を表 6に示す。
[0077] 配合割合
配合物 配合量 (部)
榭脂(PET— G又はポリカーボネート ZABS榭脂) 100
テトラキス {3— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4ーヒドロキシフエニル) 0. 1
プロピオ-ルォキシメチル}メタン (酸ィ匕防止剤、旭電ィ匕工業製:アデ力
スタブ AO— 60)
トリス(2, 4 ジ一 t ブチルフエニル)フォスファイト 0. 1
(酸化防止剤、旭電化工業製:アデカスタブ 2112)
[0078]
以上の長期保存試験より、構造の末端に 1級水酸基があるもの(比較品 2、 4、 6)は 、長期持続性に問題があることがわかり、本発明の帯電防止剤組成物においては、 帯電防止効果の長期持続性が確認された。更に、本発明のポリカーボネート含有の 合成樹脂組成物は、他の樹脂と比較して、帯電防止効果の長期持続性に優れてい ることが確認できた。