JP2000226507A - シートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

シートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物

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JP2000226507A
JP2000226507A JP11118848A JP11884899A JP2000226507A JP 2000226507 A JP2000226507 A JP 2000226507A JP 11118848 A JP11118848 A JP 11118848A JP 11884899 A JP11884899 A JP 11884899A JP 2000226507 A JP2000226507 A JP 2000226507A
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thermoplastic resin
card
sheet
resin composition
weight
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JP11118848A
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Hidetoshi Sakai
秀敏 坂井
Jiro Kumaki
治郎 熊木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯電防止性やエンボス加工性に優れる磁気カー
ドやICカード等のカード用の熱可塑性樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネートを30重量
%以上含有する熱可塑性樹脂100重量部に対し、
(B)非イオン系帯電防止剤0.02〜10重量部を配
合してなるシートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性に優れ
る磁気カードやICカード等のカード用に使用されるシ
ートまたはカード用の熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ストライプカードやICカー
ド等のカード類が広く用いられている。これらのカード
材料としては、一般には硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の多
層シートが用いられている。しかし、環境問題意識の高
まりからポリ塩化ビニル樹脂以外の優れたカード材料が
要望されている。
【0003】ポリ塩化ビニル樹脂以外のカード材料とし
ては、芳香族ポリカーボネートや1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール誘導体共重合ポリエステルが知られてい
る。
【0004】また、特開昭53−94536号公報に
は、ポリカーボネートとポリ(1,4−シクロヘキサン
ジメタノールテレフタレート−コ−イソフタレート)と
のブレンド物が示されている。また、特開昭59−12
0648号公報には、ポリカーボネートと1,4−シク
ロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステルとの
ブレンド物が示されている。しかしながら、これらのカ
ード材料において帯電防止性が不十分で、製造時の作業
性やICへの悪影響が問題視されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気カード
やICカード等のカード用に使用される、塵埃の付着や
静電気による取扱時の障害などを防いだシートまたはカ
ード用熱可塑性樹脂組成物を提供することをその課題と
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、帯電防止
性に優れる磁気カードやICカード等のカード用に使用
されるシートまたはカード用の熱可塑性樹脂組成物を提
供すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に特定の帯電
防止剤を添加することで帯電防止性を付与させつつ、さ
らにエンボス加工性が改良されることを見い出し、本発
明を完成させるにいたった。また、カードに文字を立体
的に刻印するエンボス加工においても、エンボス加工後
のカード反りの低減を抑えるため、熱可塑性樹脂に特定
粒径の無機板状充填剤を配合することが効果的であるこ
とを見出した。
【0007】すなわち本発明は、(1)(A)芳香族ポ
リカーボネートを30重量%以上含有する熱可塑性樹脂
100重量部に対し、(B)非イオン系帯電防止剤0.
02〜10重量部を含むシートまたはカード用熱可塑性
樹脂組成物、(2)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
を30重量%以上含有する熱可塑性樹脂100重量部に
対し、(B)非イオン系帯電防止剤0.02〜10重量
部、(C)平均粒径が0.5〜20μmである無機板状
充填剤0.5〜25重量部を含むシートまたはカード用
熱可塑性樹脂組成物、(3)(C)成分がタルクである
ことを特徴とする(1)または(2)記載のシートまた
はカード用熱可塑性樹脂組成物、(4)(A)成分が
(A−1)芳香族ポリカーボネートと、(A−2)テレ
フタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレング
リコール単位(I)および1,4−シクロヘキサンジメ
タノール単位(II)を主とするグリコール単位からなる
ポリエステルを含有してなる熱可塑性樹脂であることを
特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載のシートまた
はカード用熱可塑性樹脂組成物、(5)(A)成分が
(A−1)芳香族ポリカーボネートと、(A−2)テレ
フタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレング
リコール単位(I)および1,4−シクロヘキサンジメ
タノール単位(II)を主とするグリコール単位からなる
ポリエステルであって、かつエチレングリコール単位
(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(I
I)のモル比(I)/(II)が1以上であるポリエステ
ルと、(A−3)テレフタル酸単位を主とするジカルボ
ン酸単位とエチレングリコール単位(I)および1,4
−シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主とするグ
リコール単位からなるポリエステルであって、かつエチ
レングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジ
メタノール単位(II)のモル比(I)/(II)が1より
小さいポリエステルを含有してなる熱可塑性樹脂である
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載のシー
トまたはカード用熱可塑性樹脂組成物、(6)上記
(1)〜(5)のいずれか記載のシートまたはカード用
熱可塑性樹脂組成物からなるエンボス加工を施したシー
トまたはカード、(7)上記(1)〜(5)のいずれか
記載のシートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物がシー
トまたはカードの一部に使用されたシートまたはカー
ド、(8)上記(1)〜(5)のいずれか記載のシート
またはカード用熱可塑性樹脂組成物がシートおよび/ま
たはカードの表面に使用されたシートまたはカードであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる(A)成分は芳香
族ポリカーボネートを30重量%以上含有する熱可塑性
樹脂である。
【0009】上記(A)成分における芳香族ポリカーボ
ネートとしては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルアルカン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテルから選ばれた一種以上を主原料とするものが
好ましく挙げられ、なかでもビスフェノールAを主原料
として製造されるものが好ましい。具体的には、上記ビ
スフェノールAをジヒドロキシ成分として用い、エステ
ル交換法あるいはホスゲン法により得られたポリカーボ
ネートが好ましい。さらに、ビスフェノールAの一部、
好ましくは10モル%以下を4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルアルカンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテルで置換したものも好ましい。
【0010】さらに本発明の(A)成分として芳香族ポ
リカーボネート以外に他の熱可塑性樹脂を含有すること
も可能であり、他の熱可塑性樹脂としては押出機によっ
て成形加工できる熱可塑性樹脂であれば特に制限は無い
が、ガラス転移温度が70〜170℃、さらに好ましく
は70〜155℃であることがカード製造時の熱融着温
度とカード材料の耐熱性のバランスの面で好ましく、ポ
リスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、ス
チレン/ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ポリ
エステル等が好ましい例として挙げられ、中でもテレフ
タル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリ
コール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール
単位を主とするグリコール単位からなるポリエステルが
好ましく、特にエチレングリコール単位(I)と1,4
−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比
[(I)/(II)]が1以上であるポリエステルが好適
である。さらに、エチレングリコール単位(I)と1,
4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比
[(I)/(II)]が1以上であるポリエステルおよび
エチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/(II)]
が1より小さいポリエステルをブレンドして使用するこ
とが好ましく、この場合における好ましい配合割合{モ
ル比[(I)/(II)]が1以上であるポリエステル}
/{モル比[(I)/(II)]が1より小さいポリエス
テル}は、5/95〜95/5であり、さらに30/7
0〜90/10であることが好ましく、特に40/60
〜80/20であることが好ましい。
【0011】1,4−シクロヘキサンジメタノール誘導
体共重合ポリエステルを用いる場合の製造方法は特に限
定されるものではないが、例えば、有機チタン化合物な
どの触媒の存在下もしくは非存在下において、テレフタ
ル酸またはその低級アルキルエステルと1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールを重縮
合して得る方法が挙げられる。重合条件としては、例え
ば米国特許第2,901,466号に記載された条件な
どが適用され得る。1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル誘導体共重合ポリエステルには、本発明の効果を損な
わない範囲、通常20モル%以下、好ましくは10モル
%以下の範囲で、酸成分として、イソフタル酸、オルト
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、メチルテレフタル酸、4−4’−ビフェニルジカ
ルボン酸、2−2’−ビフェニルジカルボン酸、1,
2’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、コ
ハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン
酸、ダイマー酸、および1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸などの他のジカルボン酸、また、グリコール成分
として、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘ
キサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール、および2,2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシ
フェニル)プロパンなどの他のグリコールを共重合した
ものも用いることができる。
【0012】本発明において(A)成分の芳香族ポリカ
ーボネートが30重量%より少なすぎる場合には、得ら
れたシートまたはカードの耐熱性が低くなるため、好ま
しくは40重量%以上さらに好ましくは45重量%以上
が推奨される。
【0013】本発明の(B)成分の非イオン系帯電防止
剤としては、熱可塑性樹脂に使用される一般的な非イオ
ン系の帯電防止剤を使用することが可能である。具体的
にはポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリオキシエチレンアルキルおよびアリルエーテ
ル、高級脂肪酸アミドおよびそのエチレンオキサイド付
加物、ジアルキルアミド、メチルイミノビスプロピオン
アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ステアリ
ン酸のグリセリンエステル、高級脂肪酸のポリエチレン
グリコールエステル、ポリエチレングリコールのフタル
酸やイタコン酸のエステル、アルキルフェノールのエチ
レンオキサイド付加物、アルコールのエチレンオキサイ
ド付加物などが挙げられる。
【0014】帯電防止剤としては非イオン系以外に、ア
ニオン系、カチオン系、両性系などが挙げられるが、こ
れらの帯電防止剤をポリカーボネート樹脂に配合した組
成物は熱履歴を加えると発泡や変色などを起こしたり、
物性を低下させることがあるため好ましくない。
【0015】(B)成分の非イオン系帯電防止剤の添加
量は、少なすぎると十分な帯電防止性の付与やエンボス
加工性の改良効果が劣り、逆に多すぎると熱可塑性樹脂
の熱安定性を損なう傾向にあるため、(A)成分100
重量部に対して、0.02〜10重量部が好ましく、な
かでも0.05〜7重量部、さらには0.1〜5重量部
がより好ましい。また、帯電防止剤の添加はエンボス性
を向上させる効果も有している。
【0016】また、本発明において、(C)成分の無機
板状充填剤としては、いわゆる板状の無機充填剤であ
り、粒子形状が立体的に非等方性で2軸配向性をもつ充
填剤が好ましい。具体的には、タルク、カオリン、マイ
カ、セリサイト、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、ガラスフレーク等が挙げられる。これら充填
剤は2種類以上併用しても良い。これらのなかではタル
ク、カオリンが好ましく、なかでもタルクが最も好まし
い。
【0017】無機板状充填剤の添加量は、(A)成分1
00重量部に対して、0.5〜25重量部が好ましく、
なかでも1〜20重量部が、さらに4〜15重量部がよ
り好ましい。この範囲であると成形性が良好で、良好な
シートやカードが得られ、エンボス加工性の改善効果が
高く、また透明性にも優れる。
【0018】無機板状充填剤の平均粒径は、配合後の段
階で0.5〜20μmが好ましく、なかでも0.5〜1
0μmが、さらには1〜5μmが好ましく使用できる。
この範囲であるとシート、カードへの成形性が良好で、
エンボス加工性の改善効果が高く、また透明性にも優れ
る。
【0019】かかる無機板状充填剤の平均粒径は、本発
明の熱可塑性樹脂組成物を有機溶剤で処理あるいは電気
炉等で燃焼させ無機板状充填材成分のみを分離した後、
遠心沈降式粒度分布測定装置で測定し求めることができ
る。
【0020】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物に対し
て、本発明の目的を損なわない範囲でさらに他の各種の
添加剤を配合することもできる。これら他の添加剤とし
ては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊
維、岩綿、炭酸カルシウム、ケイ砂、ベントナイト、硫
酸バリウム、ガラスビーズ、などの強化材、あるいは酸
化防止剤(リン系、硫黄系など)、紫外線吸収剤、熱安
定剤(ヒンダードフェノール系など)、滑剤、滑り改良
剤、ブロッキング防止剤、染料および顔料を含む着色
剤、難燃剤(ハロゲン系、リン系など)、難燃助剤(三
酸化アンチモンに代表されるアンチモン化合物、酸化ジ
ルコニウム、酸化モリブデンなど)、発泡剤、架橋剤
(例えば、多価のエポキシ化合物、イソシアネート化合
物、酸無水物など)などが挙げられる。また他の合成樹
脂(例えば、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アク
リル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、など)を含有せしめることもできる。
【0021】本発明におけるカードとは、長辺が10m
m〜300mm、短辺が10mm〜200mm、厚みが
50〜5000μmの大きさの板状の成形品であり(長
辺と短辺は同じ長さ、すなわち正方形であってもよ
い)、これを超える広がりを持つ成形品をシートとい
い、本発明ではカードを作る前段階の材料を指す。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は
周知の方法で行うことができる。その具体的な製造方法
としては、(A)と(B)成分および必要に応じて
(C)成分を単軸あるいは二軸押出機を用いて均一に溶
融混練する方法が挙げられる。また、溶融混練の際、あ
らかじめ特定成分のみ予備混練した後残りの成分と混練
するマスターバッチ化の方法を用いても良い。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシー
トの製造方法としては、熱可塑性樹脂組成物を溶融混練
後ペレタイズし、通常公知の射出成形でシートに加工す
る方法や、熱可塑性樹脂組成物を溶融混練後、Tダイ法
やインフレーション法等の公知の方法によってシート化
する方法が挙げられる。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシー
トは、単層からなっても2枚以上のシートを積層してな
ってもいずれでもよい。2枚以上のシートからなる場合
の積層方法には特に限定はなく、共押出法や加熱積層法
等、任意の周知の方法が用いられる。その場合、そのう
ちの少なくとも1層が本発明の熱可塑性樹脂組成物で形
成されていればよく、特に表面層に本発明の熱可塑性樹
脂組成物が形成されていることが優れたエンボス性の面
で好ましい。
【0025】シートの厚みとしては、単層の場合、50
〜5000μm、好ましくは100〜1000μmの厚
みが好んで用いられる。2枚以上のシートを積層してな
る場合、その厚みは積層する枚数と全体の厚み、装飾上
の理由などによって適宜決定されるが、全体で150μ
m〜5000μm、好ましくは全体で300μm〜10
00μmの厚みが好んで用いられる。特に、表面層(オ
ーバーシート)約50μm〜100μm、表面層以外の
層(コアシート)約100μm〜700μmのシートが
好んで用いられる。
【0026】本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるカー
ドの製造方法としては、熱可塑性樹脂組成物を溶融混練
後ペレタイズし、通常公知の射出成形でカードに加工す
る方法や、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシート
を特定の大きさに切断しカードに加工する方法が挙げら
れる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシー
トを数枚積層し、多層シートとした後に特定の大きさに
切断しカードに加工してもよい。この際、多層シートの
各層間には必要に応じて接着剤層やアンテナ回路等の層
を設けても良い。さらに、各層には印刷を施しても良
く、また、磁性体を塗布しても良い。かかる磁性層は、
シート全面であってもストライプ状等シートの一部分で
あっても良い。また、上記シートにプレス成形等の二次
加工を施し、カード形状に加工しても良い。
【0027】カードの大きさとしては、長辺が10mm
〜300mm、短辺が10mm〜200mmの広がりを
持つ長方形形状で、厚みが50〜5000μmのものが
好ましく、特に長辺が50mm〜100mm、短辺が2
5mm〜80mmの広がりを持つ長方形形状で、厚みが
400〜2000μmのものが好ましい。なかでも長辺
が約85mm、短辺が約54mmの長方形形状で、厚み
が600〜900μmのものがより好ましい。
【0028】本発明におけるカードは、一般に情報を記
録し得るカードであり、特に電気的、光学的または磁気
的に読み出すことが可能な機能、書き込むことが可能な
情報を記録できる機能、エンボス加工により情報を記録
し得る機能などの一種以上の機能を有するカードに好適
である。具体的には、接触型ICカード(スマートカー
ド)、ICチップおよびアンテナ回路がカード内に埋め
込まれた非接触型ICカード、磁気ストライプカードな
どの磁気カード、光カード等が好ましい。用途として
は、プリペイドカード、クレジットカード、バンキング
カード、各種証明用カード等があげられる。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂組成物が磁気カード
やICカード等のJIS X6301準拠のカード用に
供される場合、通常本発明の熱可塑性樹脂組成物100
重量部に対し、酸化チタン2〜25重量部を加え不透明
にして使用される。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物は文字や模様
を刻印するようなエンボス加工性に優れるので、磁気カ
ードやICカード等のカード用途に好適である。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに
説明する。引張試験はASTMD638に従って測定
し、引張衝撃試験はASTM D1822に従って測定
した。エンボス性としてエンボス文字刻印後のカード反
り量は、JIS X6301に準拠したカードに手動式
エンボッサー(日本字研社製NE−1600)を用いて
エンボス文字を3行にわたって刻印し、JIS X63
01に従ってカード反りを測定した。表面固有抵抗値
は、東亜電波工業製の超絶縁抵抗計SM−10型を用い
て測定した。熱履歴の影響はシートまたはカード用熱可
塑性樹脂のペレットを乾燥後20g試験管内に入れ、ア
ルミブロックヒーターで250℃×30min加熱後の
発泡や変色の有無を確認した。発泡や変色を起こさなか
ったものを○で、発泡や変色を起こしたものを×で表
す。
【0032】(A)成分の熱可塑性樹脂として以下のも
のを使用した。
【0033】A−1:芳香族ポリカーボネート樹脂 ”
ユーピロン”S3000 三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 A−2:ポリエステル樹脂”イースター”GN071 イーストマン・ケミカル社製 A−3:ポリエステル樹脂”イースター”DN003 イーストマン。ケミカル社製 A−4:ABS樹脂 ”トヨラック”タイプ920 東レ(株)製 (B)成分の帯電防止剤として以下のものを使用した。
【0034】B−1:ポリオールの脂肪酸エステル ”
デヒダート”VPA1726 ヘンケル・ジャパン(株)製 B−2:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム TM
E−020 竹本油脂(株)製 (C)成分の無機板状充填剤としては、平均粒径1.4
μmのタルク(富士タルク工業(株)製LMS−30
0)を使用した。なお、配合前後のタルクの平均粒径に
変化はなかった。
【0035】実施例1〜6、比較例1〜5 表1に記載の組成比で(A)成分、(B)成分、(C)
成分をVブレンダーでドライブレンドした後、260℃
に加熱した2軸スクリュー押出機に供給しペレタイズし
熱可塑性樹脂ペレットを得た。次に得られたペレットを
260℃に加熱したシート製膜用のTダイを設けた2軸
スクリュー押出機に供給し、厚み100μmおよび30
0μmのシートを得た。
【0036】上記100μmおよび300μmのシート
を100/300/300/100μm(“/”は積層
を表す)の順に重ね、加熱プレス成形機に供し、温度2
00℃、圧力1MPa、保持時間5分間の条件で熱融着
し120×120×厚さ0.72〜0.78mmのシー
トを作成し、各種試験片とJIS X6301準拠のカ
ードを打ち抜きプレスで打ち抜いて得た。
【0037】尚、無機板状充填剤のタルクの配合前後の
平均粒径に変化はなかった。
【0038】
【表1】
【0039】本発明のシートまたはカード用熱可塑性樹
脂組成物は、各種特性値で良好であり、熱履歴による悪
影響も見られなかった。比較例の中で帯電防止剤にドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用したものは、
シート押出時にもシート中に気泡が発生していた。
【0040】
【発明の効果】本発明の組成物は、磁気カードやICカ
ード等のカード類に用いれば、エンボス加工を施しても
反り等が少なく、帯電防止性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 69/00 71:02) Fターム(参考) 4F071 AA22 AA34 AA45 AA46 AA50 AA51 AA77 AB17 AB21 AB26 AB28 AC10 AC12 AD05 AE16 AE17 AH14 BA01 BB06 BC01 4J002 BC03X BC06X BN15X CF00X CF06X CG01W CH02Y CH05Y DE146 DE266 DJ006 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 ED027 ED057 EH047 EP017 FA016 FD016 FD060 FD070 FD10Y FD107 FD130 FD140 5D006 CB01 CB05 CB06 CB07 DA01 DA04 FA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ポリカーボネートを30重量
    %以上含有する熱可塑性樹脂100重量部に対し、
    (B)非イオン系帯電防止剤0.02〜10重量部を含
    むシートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂を30
    重量%以上含有する熱可塑性樹脂100重量部に対し、
    (B)非イオン系帯電防止剤0.02〜10重量部、
    (C)平均粒径が0.5〜20μmである無機板状充填
    剤0.5〜25重量部を含むシートまたはカード用熱可
    塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(C)成分がタルクである請求項1または
    2記載のシートまたはカード用熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分が(A−1)芳香族ポリカーボ
    ネートと、(A−2)テレフタル酸単位を主とするジカ
    ルボン酸単位とエチレングリコール単位(I)および
    1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主と
    するグリコール単位からなるポリエステルを含有してな
    る熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか記載のシートまたはカード用熱可塑性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】(A)成分が(A−1)芳香族ポリカーボ
    ネートと、(A−2)テレフタル酸単位を主とするジカ
    ルボン酸単位とエチレングリコール単位(I)および
    1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主と
    するグリコール単位からなるポリエステルであって、か
    つエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキ
    サンジメタノール単位(II)のモル比(I)/(II)が
    1以上であるポリエステルと、(A−3)テレフタル酸
    単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール
    単位(I)および1,4−シクロヘキサンジメタノール
    単位(II)を主とするグリコール単位からなるポリエス
    テルであって、かつエチレングリコール単位(I)と
    1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
    比(I)/(II)が1より小さいポリエステルを含有し
    てなる熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか記載のシートまたはカード用熱可塑性樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載のシートまた
    はカード用熱可塑性樹脂組成物からなるエンボス加工を
    施したシートまたはカード。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか記載のシートまた
    はカード用熱可塑性樹脂組成物がシートまたはカードの
    一部に使用されたシートまたはカード。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか記載のシートまた
    はカード用熱可塑性樹脂組成物がシートまたはカードの
    表面に使用されたシートまたはカード。
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