JP3159140B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、機械特性
に優れたポリエステル樹脂組成物および成形物品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】1,4−シクロヘキサンジメタノール誘
導体共重合ポリエステルは非晶性のポリマーであり、透
明性、耐薬品性、耐衝撃性が良く、成形用として医療、
光学、スポーツ・レジャー用途等に、また押出シートと
して、食品包装や建材等に広く用いられている。しかし
ながら、1,4−シクロヘキサンジメタノール誘導体共
重合ポリエステルはガラス転移温度が約80℃と低いた
め、高耐熱が要求されるような用途には用いることがで
きなかった。1,4−シクロヘキサンジメタノール誘導
体共重合ポリエステルの耐熱性を向上させる方法の1つ
として、高ガラス転移温度を有するポリマーをブレンド
する方法は従来から考えられてきた方法の一つである。
【0003】特開昭53−94536号公報、特開昭5
3−94538号公報には、ポリカーボネートと、テレ
フタル酸単位およびイソフタル酸単位を主とするジカル
ボン酸単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール単
位)を主とするグリコール単位からなるポリエステルと
のブレンド物が示されている。このブレンド物は広い範
囲にわたって相溶系をなし、ポリカーボネートや、テレ
フタル酸単位およびイソフタル酸単位を主とするジカル
ボン酸単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール単
位)を主とするグリコール単位からなるポリエステルの
特徴である透明性を保持している。しかしながら、耐熱
性はポリカーボネートと、テレフタル酸単位およびイソ
フタル酸単位を主とするジカルボン酸単位と1,4−シ
クロヘキサンジメタノール単位)を主とするグリコール
単位からなるポリエステルの中間的な性質しか示さなか
った。
【0004】また、特開昭59−120648号公報に
は、ポリカーボネートと1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール誘導体共重合ポリエステルとのブレンド物が示さ
れている。このブレンド物は、用いる1,4−シクロヘ
キサンジメタノール誘導体共重合ポリエステル中のグリ
コール成分中1,4−シクロヘキサンジメタノールとエ
チレングリコールのどちらが多く含まれているかによ
り、実質的に透明(1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルの割合が多い場合)または半透明ないし不透明(エチ
レングリコールの割合が多い場合)なブレンドを形成す
る。しかしながら、実質的に透明なブレンド物では、耐
熱性はポリカーボネートと1,4−シクロヘキサンジメ
タノール誘導体共重合ポリエステルとの中間的な性質し
か示さず、また、半透明ないし不透明なブレンド物で
は、ポリカーボネートと1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール誘導体共重合ポリエステルの相溶性の悪さから、
耐熱性は低い値しか示さなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステルの
耐熱性をポリカーボネートをブレンドすることによって
向上させるにあたり、ポリカーボネート/1,4−シク
ロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステル2成
分相溶系、ポリカーボネート/1,4−シクロヘキサン
ジメタノール誘導体共重合ポリエステル2成分非相溶系
いずれのブレンド物よりも高耐熱性を有し、かつ機械物
性も良好なポリエステル樹脂組成物を提供することをそ
の課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは耐熱性、機
械特性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供すべく鋭
意検討した結果、本発明を完成させるにいたった。
【0007】すなわち本発明は (1)(A)テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸
単位とエチレングリコール単位(I)および1,4−シ
クロヘキサンジメタノール単位(II)を主とするグリコ
ール単位からなるポリエステルであって、かつエチレン
グリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール単位(II)のモル比(I)/(II)が90/10
〜60/40であるポリエステル、 (B)テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位と
エチレングリコール単位(I)および1,4−シクロヘ
キサンジメタノール単位(II)を主とするグリコール単
位からなるポリエステルであって、かつエチレングリコ
ール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール
単位(II)のモル比(I)/(II)が1より小さいポリ
エステル、および (C)芳香族ポリカーボネートを含有せしめてなるポリ
エステル樹脂組成物、(2)(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対
して、(C)成分が10〜900重量部である上記
(1)記載のポリエステル樹脂組成物、 (3)(A)成分と(B)成分の重量比(A)/(B)
が、90/10〜30/70である上記(1)または
(2)記載のポリエステル樹脂組成物、)(A)成分および(B)成分を主とする相が連続
相となる分散構造をとることを特徴とする上記(1)記
載のポリエステル樹脂組成物、 ()(B)成分および(C)成分を主とする相が連続
相となる分散構造をとることを特徴とする上記(1)記
載のポリエステル樹脂組成物、 ()上記(1)〜(5)のいずれか記載のポリエステ
ル樹脂組成物からなる成形物品、
【0008】()カード状であることを特徴とする上
記()記載の成形物品)上記(1)〜(5)のいずれか記載のポリエステ
ル樹脂組成物からなるシート、および ()上記記載のシートからなるカードである。
【0009】本発明において(A)成分は、テレフタル
酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコー
ル単位(I)および1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル単位(II)を主とするグリコール単位からなるポリエ
ステルであって、かつエチレングリコール単位(I)と
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
比(I)/(II)が90/10〜60/40であるポリ
エステルである。
【0010】(A)成分として用いられる1,4−シク
ロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステルの好
ましいものは、グリコール成分中、エチレングリコール
単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
(II)のモル比(I)/(II)が75/25〜65/3
5で、かつ酸成分がテレフタル酸からなるものである。
【0011】また本発明において(B)成分は、テレフ
タル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリ
コール単位(I)および1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール単位(II)を主とするグリコール単位からなるポ
リエステルであって、かつエチレングリコール単位
(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(I
I)のモル比(I)/(II)が1より小さいポリエステ
ルである。
【0012】(B)成分として用いられる1,4−シク
ロヘキサンジメタノール誘導体共重合ポリエステルの好
ましいものは、グリコール成分中、エチレングリコール
単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
(II)のモル比(I)/(II)が2/3以下であるポリ
エステルであり、酸成分として、テレフタル酸単位以外
にイソフタル酸単位を含むものも好ましく使用できる。
より好ましくは、エチレングリコール単位(I)と1,
4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比
(I)/(II)が30/70〜40/60で、かつ酸成
分がテレフタル酸単位からなるものである。
【0013】本発明において(A)成分および(B)成
分として用いられる1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル誘導体共重合ポリエステルの製造方法は特に限定され
るものではないが、例えば、有機チタン化合物などの触
媒の存在下もしくは非存在下において、テレフタル酸ま
たはその低級アルキルエステルと1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールおよびエチレングリコールを重縮合して
得る方法が挙げられる。重合条件としては、例えば米国
特許第2,901,466号に記載された条件などが適
用され得る。
【0014】本発明において(A)成分および(B)成
分として用いられる1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル誘導体共重合ポリエステルには、本発明の効果を損な
わない範囲、通常20モル%以下、好ましくは10モル
%以下の範囲で、酸成分として、イソフタル酸、オルト
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、メチルテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカ
ルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、1,
2’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、コ
ハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン
酸、ダイマー酸、および1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸などの他のジカルボン酸、また、グリコール成分
として、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘ
キサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール、および2,2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシ
フェニル)プロパンなどの他のグリコールを共重合した
ものも用いることができる。
【0015】本発明において(C)成分として用いられ
るポリカーボネートは、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルアルカン、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルエーテルから選ばれた一種以上を主原料とする
ものが好ましく挙げられ、なかでもビスフェノールAを
主原料として製造されるものが好ましい。具体的には、
上記ビスフェノールAをジヒドロキシ成分として用い、
エステル交換法あるいはホスゲン法により得られたポリ
カーボネートが好ましい。さらに、ビスフェノールAの
一部、好ましくは10モル%以下を4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルアルカンあるいは4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルなどで置換したものも好ましい。
【0016】さらに本発明においては、(A)、
(B)、および(C)成分からなるポリエステル樹脂組
成物は、(A)成分および(B)成分を主とする相が連
続相となる分散構造をとる場合や、(B)成分および
(C)成分を主とする相が連続相となる分散構造をとる
場合に特に耐熱性が向上する。かかる分散構造として
は、(A)成分および(B)成分を主とする連続相中
に、(B)成分および(C)成分を主とする相が分散相
として存在する場合や、(A)成分および(B)成分を
主とする相、(B)成分および(C)成分を主とする相
いずれもが連続相を形成する場合、(B)成分および
(C)成分を主とする連続相中に、(A)成分および
(B)成分を主とする相が分散相として存在する場合等
が挙げられる。ここで分散構造とは単一相ではない何ら
かの多相構造を形成する場合をいう。
【0017】本発明におけるポリエステル樹脂組成物の
各成分の配合量としては、(A)成分と(B)成分の合
計100重量部に対して、(C)成分は10〜900重
量部が好ましく、特に20〜500重量部であることが
好ましい。
【0018】特に、(A)成分と(B)成分の合計10
0重量部に対して、(C)成分が10〜100重量部で
あると(A)成分および(B)成分を主とする相が連続
相となる分散構造をとりやすく、易加工性の点から好ま
しい。また、(A)成分と(B)成分の合計100重量
部に対して、(C)成分が100重量部超900重量部
以下であると(B)成分および(C)成分を主とする相
が連続相となる分散構造をとりやすく、耐熱性の点から
好ましい。
【0019】本発明におけるポリエステル樹脂組成物の
(A)成分と(B)成分の好ましい重量比(A)/
(B)は、90/10〜30/70であり、さらに好ま
しくは80/20〜50/50である。
【0020】なお、本発明の組成物に対して、本発明の
目的を損なわない範囲でさらに他の各種の添加剤を含有
せしめることもできる。これら他の添加剤としては、例
えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、岩綿、
炭酸カルシウム、ケイ砂、ベントナイト、カオリン、タ
ルク、クレー、ワラステナイト、硫酸バリウム、ガラス
ビーズ、マイカ、酸化チタンなどの強化材、充填材、あ
るいは酸化防止剤(リン系、硫黄系など)、紫外線吸収
剤、熱安定剤(ヒンダードフェノール系など)、滑剤、
離型剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、染料および
顔料を含む着色剤、難燃剤(ハロゲン系、リン系な
ど)、難燃助剤(三酸化アンチモンに代表されるアンチ
モン化合物、酸化ジルコニウム、酸化モリブデンな
ど)、発泡剤、架橋剤(例えば、多価のエポキシ化合
物、イソシアネート化合物、酸無水物など)などが挙げ
られる。また他の合成樹脂(例えば、ポリアミド樹脂、
ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、
エチレン/酢酸ビニル共重合体、フェノキシ樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂、など)を含有せしめること
もできる。
【0021】本発明のポリエステル樹脂組成物および成
形物品の製造方法は周知の方法で行うことができる。そ
の具体的な製造方法としては、単軸あるいは二軸押出機
を用いて均一に溶融混練し、ペレタイズした後、通常公
知の射出成形で成形物品に加工する方法や、押出成形し
た後、二次加工する方法あるいはプレス成形等が用いら
れる。
【0022】シートに加工する場合、Tダイ法やインフ
レーション法等の公知の方法が用いられる。また、本発
明のポリエステル樹脂組成物からなるシートは、単層か
らなっても同種あるいは異種の2枚以上のシートを積層
してなるものでもいずれでもよい。2枚以上のシートか
らなる場合の積層方法には特に限定はなく、共押出法や
加熱積層法等、任意の周知の方法が用いられる。その場
合、そのうちの少なくとも1層が本発明の熱可塑性樹脂
組成物で形成されていればよい。
【0023】シートの厚みとしては、単層の場合、50
〜5000μm、好ましくは100〜1000μmの厚
みが好んで用いられる。2枚以上のシートを積層してな
る場合、全体で150μm〜5000μm、好ましくは
全体で300μm〜1000μmの厚みが好んで用いら
れる。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるカー
ドの製造方法としては、熱可塑性樹脂組成物を溶融混練
後ペレタイズし、通常公知の射出成形あるいはプレス成
形でカードに加工する方法や、上記シートを特定の大き
さに切断しカードに加工する方法が挙げられる。また、
上記シートにプレス成形等の二次加工を施し、カード形
状に加工しても良い。なかで射出成形による方法あるい
はシートを特定の大きさに切断する方法などが好まし
く、特に後者の方法が好ましい。
【0025】本発明におけるカードの大きさとしては、
長辺が10mm〜300mm、短辺が10mm〜200
mmの広がりを持つ長方形形状で、厚みが50〜500
0μmのものが好ましく、特に長辺が50mm〜100
mm、短辺が25mm〜80mmの広がりを持つ長方形
形状で、厚みが400〜2000μmのものが好まし
い。なかでも長辺が約85mm、短辺が約54mmの長
方形形状で、厚みが600〜900μmのものがより好
ましい。
【0026】本発明のポリエステル樹脂組成物からなる
カードが磁気カードやICカード等のJIS X630
1準拠のカードに用いられる場合、必要に応じて本発明
の熱可塑性樹脂組成物の合計100重量部に対し、酸化
チタン2〜25重量部を加え不透明にして使用される。
【0027】本発明のポリエステル樹脂組成物は、特に
シートに加工した場合の耐熱性に優れているので、シー
ト用途に好適であり、かかるシートは加工してカードと
して実用的に用いることができる。かかるカードとして
は、一般に情報を記録し得るカード、例えば磁気的、電
気的あるいは光学的に読みおよび/または書き可能なカ
ードが挙げられ、具体的には、磁気カードやICカード
などに好適に用いることができる。また、用途的な観点
からはプリペイドカード、クレジットカード、バンキン
グカード、各種証明用カード、運転免許証用カード等に
好適に用いることができる。特に本発明のカードは、高
温になるような場所、例えば真夏の自動車中に放置して
も変形がほとんどないので、極めて実用的である。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに
説明する。
【0029】実施例1〜3、比較例1〜3 テレフタル酸単位とエチレングリコール単位および1,
4−シクロヘキサンジメタノール単位からなるポリエス
テルであって、かつエチレングリコール単位(I)と
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
比(I)/(II)が、70/30であるポリエステル
(イーストマンケミカル社“イースター”GN071)
((A)成分)、テレフタル酸単位とエチレングリコー
ル単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
からなるポリエステルであって、かつエチレングリコー
ル単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単
位(II)のモル比(I)/(II)が、35/65である
ポリエステル(イーストマンケミカル社“イースター”
DN003)((B)成分)、および芳香族ポリカーボ
ネート(三菱瓦斯化学(株)“ユーピロン”S300
0)((C)成分)を表1に記載の組成比でVブレンダ
ーを用いてドライブレンドした後、270℃に設定した
2軸スクリュー押出機を使用して溶融混練、ペレタイズ
し樹脂組成物を得た。また、組成物を加工温度230
℃、圧力1MPaでプレス成形し、100mm×100
mm×0.9mmのシートを成形した。
【0030】上記シートを、85mm×54mmに切り
出し、ヒートサグ試験で耐熱性を評価した。具体的に
は、温度100℃の熱風オーブン中で片端20mm×5
4mmを水平支持し、60分経過後の試験片先端の垂れ
下がった距離(垂直距離)を測定した。
【0031】また、上記シートを四酸化ルテニウムで染
色し、透過型電子顕微鏡でその薄片試料の分散形態を観
測した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例4〜5、比較例4〜6 表2に記載の組成比で、実施例1〜3、比較例1〜3と
同様に溶融混練、ペレタイズ後プレス成形し、温度10
5℃の熱風オーブン中でヒートサグ試験を行った。
【0034】
【表2】
【0035】実施例6〜7、比較例7〜9 表3に記載の組成比で、実施例1〜3、比較例1〜3と
同様に溶融混練、ペレタイズ後プレス成形し、温度11
5℃の熱風オーブン中でヒートサグ試験を行った。
【0036】
【表3】
【0037】実施例8〜9、比較例10〜12 表4に記載の組成比で、実施例1〜3、比較例1〜3と
同様に溶融混練、ペレタイズ後プレス成形し、温度13
5℃の熱風オーブン中でヒートサグ試験を行った。
【0038】
【表4】
【0039】実施例10〜12、比較例13〜15 実施例1〜3、比較例1〜3と同様に溶融混練、ペレタ
イズし樹脂組成物を得た。また、組成物を射出成形機に
供し、加工温度260℃、金型温度40℃で、厚さ2m
m、幅25mm、長さ150mmの短冊状の試験片を成
形した。
【0040】上記試験片を用いて、ヒートサグ試験で耐
熱性を評価した。具体的には、温度100℃の熱風オー
ブン中で片端25mm×20mmを水平支持し、60分
経過後の試験片先端の垂れ下がった距離を測定した。
【0041】
【表5】
【0042】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、実
施例でも明らかなように耐熱性が良好であり、特にシー
トに加工した場合の耐熱性に優れているので、、カード
等のシート用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)テレフタル酸単位を主とするジカル
    ボン酸単位とエチレングリコール単位(I)および1,
    4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主とする
    グリコール単位からなるポリエステルであって、かつエ
    チレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサン
    ジメタノール単位(II)のモル比(I)/(II)が90
    /10〜60/40であるポリエステル、(B)テレフ
    タル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリ
    コール単位(I)および1,4−シクロヘキサンジメタ
    ノール単位(II)を主とするグリコール単位からなるポ
    リエステルであって、かつエチレングリコール単位
    (I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(I
    I)のモル比(I)/(II)が1より小さいポリエステ
    ル、および(C)芳香族ポリカーボネートを含有せしめ
    てなるポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分と(B)成分の合計100重量
    部に対して、(C)成分が10〜900重量部である請
    求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分と(B)成分の重量比(A)/
    (B)が、90/10〜30/70である請求項1また
    は2記載のポリエステル樹脂組成物
  4. 【請求項4】(A)成分および(B)成分を主とする相
    が連続相となる分散構造をとることを特徴とする請求項
    1記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B)成分および(C)成分を主とする相
    が連続相となる分散構造をとることを特徴とする請求項
    1記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載のポリエステ
    ル樹脂組成物からなる成形物品。
  7. 【請求項7】カード状であることを特徴とする請求項
    記載の成形物品。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか記載のポリエステ
    ル樹脂組成物からなるシート。
  9. 【請求項9】請求項記載のシートからなるカード。
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