JP2000103948A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2000103948A
JP2000103948A JP11210585A JP21058599A JP2000103948A JP 2000103948 A JP2000103948 A JP 2000103948A JP 11210585 A JP11210585 A JP 11210585A JP 21058599 A JP21058599 A JP 21058599A JP 2000103948 A JP2000103948 A JP 2000103948A
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thermoplastic resin
resin composition
resin
acid component
component
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JP11210585A
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Satoshi Kanayama
聡 金山
Tatsuhiko Hatakeyama
達彦 畠山
Shinya Miya
新也 宮
Kenichi Narita
賢一 成田
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明で且つ耐薬品性や耐熱性などに優れた、ポ
リカーボネート樹脂などの透明熱可塑性樹脂と特定の共
重合ポリエステル樹脂とから成る熱可塑性樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】透明芳香族熱可塑性樹脂(a)及び少なく
とも2種類のジカルボン酸成分とジオール成分とから成
り且つジカルボン酸成分の1〜50モル%がナフタレン
ジカルボン酸成分である共重合ポリエステル樹脂(b)
を含有し、(a)及び(b)成分の合計量に対する
(a)の割合が50〜99.99重量%であり、(b)
の割合が0.01〜50重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物に関し、詳しくは、ポリカーボネート樹脂などの透明
芳香族熱可塑性樹脂と特定の共重合ポリエステル樹脂と
から成る熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特にエンジニアリングプ
ラスチックは、優れた機械的強度や耐衝撃強度を有する
ことから、各種用途に使用されている。しかし、例え
ば、ポリエステル樹脂は耐薬品性などに優れているが耐
熱性の点で必ずしも満足できず、また、ポリカーボネー
ト樹脂は透明性や耐熱性に優れているが耐薬品性が不十
分でありその用途が制限されている。
【0003】これまでに、ポリカーボネート樹脂の耐薬
品性を改良する目的で各種の樹脂を配合する提案がなさ
れている。例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリ
カーボネートとを溶融混合した熱可塑性材料が特公昭3
6−14035号公報に記載され、ポリテトラメチレン
ナフタレート及び/又はポリヘキサメチレンナフタレー
トを含有するポリカーボネート組成物が特開昭48−9
6646号公報に記載されているが、透明性が低下する
欠点がある。
【0004】また、ポリカーボネートとポリテトラメチ
レンテレフタレートとの樹脂組成物が特開昭48−54
160号公報に記載されているが、ポリテトラメチレン
テレフタレートの配合量を多くすると耐薬品性は改良さ
れるものの透明性が失われる欠点があり、透明で且つ耐
薬品性や耐熱性などに優れる熱可塑性樹脂組成物を得る
ことは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
で且つ耐薬品性や耐熱性などに優れた、ポリカーボネー
ト樹脂などの透明熱可塑性樹脂と特定の共重合ポリエス
テル樹脂とから成る熱可塑性樹脂組成物を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、透明芳香族熱可塑性樹脂(a)及び少なくとも2種
類のジカルボン酸成分とジオール成分とから成り且つジ
カルボン酸成分の1〜50モル%がナフタレンジカルボ
ン酸成分である共重合ポリエステル樹脂(b)を含有
し、(a)及び(b)成分の合計量に対する(a)の割
合が50〜99.99重量%であり、(b)の割合が
0.01〜50重量%であることを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物に存する。
【0007】以下、本発明につき詳細に説明する。先
ず、本発明で使用する透明芳香族熱可塑性樹脂(a)に
ついて説明する。本発明における透明芳香族熱可塑性樹
脂は、分子内に芳香環を有し、可視領域の光線透過率が
高い熱可塑性樹脂を指す。具体的には、厚さ3mmの成
形体とした際のJIS R 3106に記載の可視光線
透過率が80%以上であることを意味する。斯かる透明
芳香族熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、
ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂など
が好適に使用されるが、MS樹脂、透明ABS樹脂、ポ
リスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、透明ポリ
アミド樹脂なども使用し得る。メタクリル樹脂の様な透
明脂肪族熱可塑性樹脂の場合は、後述の共重合ポリエス
テル樹脂(b)との配合により透明性が低下する。
【0008】ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化
合物をホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることに
よって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリ
カーボネートの重合体または共重合体が挙げられる。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示され
るビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等
で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィ
ド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド
類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニ
ルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリール
スルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル
ジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリ
ールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。これら
の芳香族ジヒドロキシ化合物は、必要に応じ2種以上混
合して使用してもよい。これらの中では特に2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好適に使用さ
れる。
【0010】また、分岐した芳香族ポリカーボネート樹
脂を得るには、フロログルシン、2,6−ジメチル−
2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−
ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−
トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェノール、α,α’,α”−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼン等で例示されるポリヒドロキシ化合物、3,
3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール
(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビ
スフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノー
ル、5−ブロムイサチンビスフェノール等を使用すれば
よい。
【0011】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤または分子量調節剤を使用してもよい。末端停止
剤または分子量調節剤としては、一価のフェノール性水
酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p
−t−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他
に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロラ
イド、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキ
シ安息香酸アルキルエステル、アルキルエーテルフェノ
ール等が例示される。本発明で使用されるポリカーボネ
ート樹脂の場合、末端停止剤または分子量調節剤は、必
要に応じ2種以上混合して使用してもよい。
【0012】ポリアリレートは、芳香族ジカルボン酸と
二価フェノールから成る全芳香族ポリエステル樹脂であ
る。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸およびこれらの混合フタル酸などが挙げられ、
二価フェノールとしては、ビスフェノールAなどが挙げ
られる。ポリアリレートとしては、好ましくは、テレフ
タール酸/イソフタール酸とビスフェノールAから成る
全芳香族ポリエステルが挙げられる。
【0013】ポリスチレンとしては、スチレン単量体を
重合してなる単独重合体が挙げられる。スチレン単量体
の重合の際、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン
等のスチレン系単量体を一部使用することも出来る。ポ
リスチレンの製造方法としては、乳化重合法、溶液重合
法、懸濁重合法、塊状重合法などが挙げられる。ポリス
チレンの重量平均分子量は、通常100,000〜50
0,000程度である。重量平均分子量は例えば光散乱
法により求めることが出来る。
【0014】AS樹脂は、アクリロニトリルとスチレン
のランダム共重合体であり、ポリスチレンと同様の重合
法により製造できる。
【0015】透明芳香族熱可塑性樹脂(a)の分子量
は、メチレンクロライド溶媒中25℃で測定された溶液
粘度より換算した粘度平均分子量として、通常10,0
00〜100,000であり、好ましくは15,000
〜50,000である。透明芳香族熱可塑性樹脂(a)
として特にポリカーボネート樹脂が好適に使用される。
【0016】次に、本発明で使用する共重合ポリエステ
ル樹脂(b)について説明する。本発明においては、少
なくとも2種類のジカルボン酸成分とジオール成分とか
ら成り且つ全ジカルボン酸成分の1〜50モル%がナフ
タレンジカルボン酸成分である共重合ポリエステル樹脂
を使用する。共重合ポリエステル樹脂を得る方法として
は、例えば、ナフタレンジカルボン酸およびナフタレン
ジカルボン酸以外のジカルボン酸とジオールとを使用し
て共重合する方法が挙げられる。ナフタレンジカルボン
酸やナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸の代わ
りにそれらのエステル形成性誘導体を使用することも出
来る。
【0017】ナフタレンジカルボン酸としては、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカル
ボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナ
フタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン
酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、
1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレン
ジカルボン酸などの各種異性体が挙げられる。これらの
ナフタレンジカルボン酸異性体は、必要に応じ2種以上
混合して使用してもよい。これらの中では特に2,6−
ナフタレンジカルボン酸が好適に使用される。
【0018】ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン
酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸およびオキシ酸などが挙げら
れ、好ましくは芳香族ジカルボン酸である。芳香族ジカ
ルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸などが挙げられる。
【0019】脂環族ジカルボン酸としては、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの上記
の芳香族ジカルボン酸の核水添化合物が挙げられる。脂
肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジオン酸などが挙げられる。オキシ酸としては、
ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシカプロン酸などが挙げ
られる。これらのジカルボン酸成分は、必要に応じ2種
以上混合して使用してもよい。これらのジカルボン酸の
中では、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸が
好ましく、テレフタル酸が更に好ましい。
【0020】ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環
族ジオール、芳香族ジオール、芳香族ジオールのエチレ
ンオキサイド付加物などが挙げられ、好ましくは脂肪族
ジオールである。脂肪族ジオールとしては、エチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−デカ
ンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチル
グリコール等が挙げられる。
【0021】脂環族ジオールとしては、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のポリアルキレングリコール;1,2−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール等が挙げられる。芳香族ジオ
ールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0022】芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加
物としては、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエト
キシフェニル)スルホン等が挙げられる。これらのジオ
ール成分は、必要に応じ2種以上混合して使用してもよ
い。これらの中では、エチレングリコール及び1,4−
ブタンジオールが好ましく、エチレングリコールが更に
好ましい。
【0023】共重合ポリエステル樹脂(b)におけるジ
カルボン酸成分中のナフタレンジカルボン酸成分の割合
は1〜50モル%である。1モル%未満であると耐薬品
性の改良効果が不充分であり、50モル%を超えると透
明性が低下する。ジカルボン酸成分中のナフタレンジカ
ルボン酸の割合の下限は、好ましくは2モル%以上であ
り、更に好ましくは4モル%以上であり、特に好ましく
は6モル%以上である。ジカルボン酸成分中のナフタレ
ンジカルボン酸の割合の上限は、好ましくは40モル%
以下であり、更に好ましくは25モル%以下である。
【0024】本発明における共重合ポリエステル樹脂
(b)の分子量は、特に限定されないが、テトラクロロ
エタン/フェノール=5/5混合溶媒中30℃で測定さ
れた極限粘度として、通常0.3〜2.0dl/g、好
ましくは0.4〜1.5dl/g、更に好ましくは0.
5〜1.4dl/gである。
【0025】透明熱可塑性樹脂(a)と共重合ポリエス
テル樹脂(b)の割合は、両成分の合計量に対する割合
として次の通りである。すなわち、(a)の割合が50
〜99.99重量%であり、(b)の割合が0.01〜
50重量%である。共重合ポリエステル樹脂(b)の割
合が0.01重量%未満であると耐薬品性の改良効果が
不充分であり、50重量%を超えると耐熱性が不充分と
なる。共重合ポリエステル樹脂(b)の割合の下限は、
好ましくは0.1重量%以上であり、更に好ましくは
0.2重量%以上であり、特に好ましくは0.5重量%
以上である。共重合ポリエステル樹脂の割合の上限は、
好ましくは45重量%以下である。
【0026】本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方
法としては、最終成形品を成形する直前までの任意の段
階で、当業者に周知の種々の方法によって配合し混練す
る方法が挙げられる。配合方法としては、例えば、タン
ブラー、ヘンシェルミキサー等を使用する方法、フィー
ダーにより定量的に押出機ホッパーに供給して混合する
方法などが挙げられる。混練方法としては、一軸押出
機、二軸押出機などを使用する方法が挙げられる。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、その目
的に応じ、所望の特性を付与する他のポリマー、難燃
剤、耐衝撃改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発
泡剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭
素繊維、繊維状マグネシウム、チタン酸カリウムウィス
カー、セラミックウィスカー、マイカ、タルク等の補強
剤、充填剤、染顔料などの一種または二種以上を含有さ
せてもよい。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成
形、ブロー成形など、慣用の成形方法に従って、所望の
成形品とすることが出来る。本発明の熱可塑性樹脂組成
物から成る成型品の用途としては、例えば、シート、フ
ィルム、雑貨、家電部品、自動車部品、建築材料、中空
容器などが挙げられる。更に具体的には、アーケード、
カーポート、屋内プール等の屋根用パネル、表示板カバ
ー、スイッチボタン、表示ボタン、表示パネル、メータ
ーパネル等の透過光式成型品、デリニエーター、信号
灯、遮音壁、自動車のサイドウィンドー、リアクオータ
ーウィンドー、サンルーフ、リアパネルガーニッシュ、
ヘッドランプレンズ、テールランプ等の自動車部品、鉄
道用灯具カバー、カメラレンズ、電話ジャック、リレー
カバー、端子台カバー、太陽電池ハウジング、アイロン
水タンク、コントロールボックス、パチンコ用玉入れケ
ース、飾り治具、スキー用などのゴーグル、保護眼鏡、
保護面体、人口透析器、人口肺ケース及びそのキャップ
並びにコネクター、ミネラルウォーターボトル、街灯カ
バー等が挙げられる。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる
成形品のヘーズは、厚さ3mmの試験片での測定値とし
て、通常17%以下、好ましくは15%以下、更に好ま
しくは10%以下である。本発明の熱可塑性樹脂組成物
から得られる成形品の荷重撓み温度は、通常90℃以上
であり、好ましくは100℃以上である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で使用
した原材料および評価方法は次の通りである。
【0031】<透明熱可塑性樹脂> (1)ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプ
ラスチックス株式会社製「ユーピロン S−2000」
(粘度平均分子量25,000) (2)ポリアリレート樹脂:ユニチカ株式会社製「Uポ
リマー U−100」 (3)ポリスチレン樹脂:エー・アンド・エム スチレ
ン株式会社製「ダイヤレックス HH−102」 (4)超耐熱性スチレン系樹脂:積水化成品工業株式会
社製「ダイラーク #232」(以下「D−232」と
略記する) (5)メタクリル樹脂:三菱レーヨン株式会社製「アク
リペット VH」
【0032】<ポリエステル樹脂(実施例用)> (1)共重合ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製
「ノバペックス NC102Z」:ナフタレンジカルボ
ン酸8モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、
極限粘度0.81 (2)共重合ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製
「N10PET」:ナフタレンジカルボン酸10モル%
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、極限粘度0.
80 (3)共重合ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製
「N31PET」:ナフタレンジカルボン酸31モル%
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、極限粘度0.
50
【0033】<ポリエステル樹脂(比較例用)> (1)ポリエチレンテレフタレート樹脂:三菱化学株式
会社製「ノバペックスGS400」極限粘度0.70 (2)共重合ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製
「ノバペックス NC900Z」:ナフタレンジカルボ
ン酸92モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹
脂、極限粘度0.61 (3)ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製「ノバペ
ックス FS405Z」:ポリエチレンナフタレート樹
脂、極限粘度0.70
【0034】<評価方法> (1)透明性:厚さ3mmの試験片を使用してヘーズを
測定した。 (2)荷重撓み温度:ASTM D648に準じ、1.
82MPa荷重下で測定した。 (3)耐薬品性(1):厚さ3.2mmの引張試験片に
変形率1%の撓みを負荷した状態で試験薬品を塗布し、
48時間後の破断エネルギーの保持率(試験薬品を塗布
しないものに対する比率)により評価した。試験薬品と
しては次の薬品を使用した。
【0035】(a)PEG400:ポリエチレングリコ
ール(日本油脂(株)製) (b)DOP:シ゛オクチルフタレート(フタル酸ジ(2
−エチルヘキシル))(東京化成工業(株)製) (c)TCP:トリクレジルフォスフェート(リン酸ト
リクレジル)(東京化成工業(株)製)
【0036】(4)耐薬品性(2):厚さ3.0mmの
試験片を試験薬品中に浸漬し、24時間後の外観変化に
より評価した。試験薬品としては次の薬品を使用した。
また、評価は以下の表1に記載の3段階で行った。
【0037】(a)TCP:トリクレジルフォスフェー
ト(リン酸トリクレジル)(東京化成工業(株)製) (b)ENK:エチルノニルケトン(3−デカノン)
(東京化成工業(株)製)
【0038】
【表1】 ○:変化無し △:僅かに白濁または膨潤 ×:完全に白濁または膨潤
【0039】実施例1〜8及び比較例2〜5 ポリカーボネート樹脂(「S−2000」)と表2に示
すポリエステル樹脂とを同表に記載の比率でタンブラー
にて混合し、直径40mmの一軸ベント式押出機を使用
し、バレル温度270℃で押出してペレットを得た。こ
のペレットを熱風乾燥器中で120℃にて5時間以上乾
燥した後、樹脂温度270℃、金型温度80℃にて、物
性測定用試験片を射出成形し、評価を行った。結果を表
2に示す。
【0040】比較例1 ポリカーボネート樹脂(「S−2000」)を熱風乾燥
器中で120℃にて5時間以上乾燥した後、実施例1と
同様に射出成形し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0041】実施例9、10及び比較例6 ポリアリレート樹脂(「U−100」)と表3に示す共
重合ポリエステル樹脂(「NC−102Z」)とを同表
に記載の比率でタンブラーにて混合し、直径30mmの
二軸ベント式押出機を使用し、バレル温度360℃で押
出してペレットを得た。但し、比較例6はポリアリレー
ト樹脂のみを成形したペレットである。これらの各ペレ
ットを熱風乾燥器中で120℃にて9時間乾燥した後、
樹脂温度360℃、金型温度120℃にて、物性測定用
試験片を射出成形し、評価を行った。結果を表3に示
す。
【0042】実施例11及び比較例7 ポリスチレン樹脂(「HH−102」)と表3に示す共
重合ポリエステル樹脂(「NC−102Z」)とを同表
に記載の比率でタンブラーにて混合し、直径30mmの
二軸ベント式押出機を使用し、バレル温度260℃で押
出してペレットを得た。但し、比較例7はポリスチレン
樹脂のみを成形したペレットである。これらの各ペレッ
トを熱風乾燥器中で80℃にて3時間乾燥した後、樹脂
温度260℃、金型温度40℃にて、物性測定用試験片
を射出成形し、評価を行った。結果を表3に示す。
【0043】実施例12、13及び比較例8 超耐熱性ポリスチレン樹脂(「D−232」)と表3に
示す共重合ポリエステル樹脂(「NC−102Z」)と
を同表に記載の比率でタンブラーにて混合し、直径30
mmの二軸ベント式押出機を使用し、バレル温度260
℃で押出してペレットを得た。但し、比較例8は超耐熱
性ポリスチレン樹脂のみを成形したペレットである。こ
れらの各ペレットを熱風乾燥器中で90℃にて3時間乾
燥した後、樹脂温度260℃、金型温度60℃にて、物
性測定用試験片を射出成形し、評価を行った。結果を表
3に示す。
【0044】比較例9及び10 メタクリル樹脂(「VH」)と表3に示す共重合ポリエ
ステル樹脂(「NC−102Z」)とを同表に記載の比
率でタンブラーにて混合し、直径30mmの二軸ベント
式押出機を使用し、バレル温度260℃で押出してペレ
ットを得た。但し、比較例9はメタクリル樹脂のみを成
形したペレットである。これらの各ペレットを熱風乾燥
器中で90℃にて5時間乾燥した後、樹脂温度260
℃、金型温度60℃にて、物性測定用試験片を射出成形
し、評価を行った。結果を表3に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】以上説明した本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、荷重撓み温度がポリエステル樹脂に比べ高くて耐
熱性に優れ、耐薬品性が例えばポリカーボネート樹脂に
比べ非常に優れており、しかも、ヘーズの値が小さくて
透明性にも優れているため、透明性を要し且つ耐薬品性
と耐熱性が必要な各種用途に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠山 達彦 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 宮 新也 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 成田 賢一 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明芳香族熱可塑性樹脂(a)及び少な
    くとも2種類のジカルボン酸成分とジオール成分とから
    成り且つジカルボン酸成分の1〜50モル%がナフタレ
    ンジカルボン酸成分である共重合ポリエステル樹脂
    (b)を含有し、(a)及び(b)成分の合計量に対す
    る(a)の割合が50〜99.99重量%であり、
    (b)の割合が0.01〜50重量%であることを特徴
    とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 透明芳香族熱可塑性樹脂(a)がポリカ
    ーボネート樹脂である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 透明芳香族熱可塑性樹脂(a)の粘度平
    均分子量が、メチレンクロライド溶媒中25℃で測定さ
    れた溶液粘度より換算した粘度平均分子量として、1
    0,000〜100,000である請求項1又は2に記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 共重合ポリエステル樹脂(b)における
    ジカルボン酸成分の2〜40モル%がナフタレンジカル
    ボン酸成分である請求項1〜3の何れかに記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 共重合ポリエステル樹脂(b)における
    ナフタレンジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分が
    芳香族ジカルボン酸成分である請求項1〜4の何れかに
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 芳香族ジカルボン酸成分が、フタル酸成
    分、イソフタル酸成分および/またはテレフタル酸成分
    である請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 共重合ポリエステル樹脂(b)における
    ジオール成分が脂肪族ジオール成分である請求項1〜6
    の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 脂肪族ジオール成分ジがエチレングリコ
    ール成分または1,4−ブタンジオール成分である請求
    項7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 共重合ポリエステル樹脂(b)の極限粘
    度が、テトラクロロエタン/フェノール=5/5混合溶
    媒中30℃での測定値として、0.3〜2.0dl/g
    である請求項1〜8の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279109A (ja) * 2000-01-25 2001-10-10 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 熱可塑性樹脂組成物
KR20170056523A (ko) 2014-09-08 2017-05-23 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 열가소성 수지 조성물 및 그것을 이용한 성형체
JP2018104654A (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 帝人株式会社 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品

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KR20170056523A (ko) 2014-09-08 2017-05-23 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 열가소성 수지 조성물 및 그것을 이용한 성형체
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