JP2002121365A - 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法、シートおよびカード - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、その製造方法、シートおよびカード

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JP2002121365A
JP2002121365A JP2000318700A JP2000318700A JP2002121365A JP 2002121365 A JP2002121365 A JP 2002121365A JP 2000318700 A JP2000318700 A JP 2000318700A JP 2000318700 A JP2000318700 A JP 2000318700A JP 2002121365 A JP2002121365 A JP 2002121365A
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thermoplastic resin
resin composition
card
sheet
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JP2000318700A
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Sadayuki Kobayashi
定之 小林
Hiroo Karasawa
啓夫 唐澤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンボス加工性及び耐衝撃性に優れる磁気カ
ードやICカード等のカード用に適した熱可塑性樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 非晶ポリエステルおよび芳香族ポリカー
ボネートから選ばれる熱可塑性樹脂に対し、無機板状充
填材を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であり、無機板
状充填材が、予め熱可塑性樹脂と予備混練してマスター
ペレット化することにより溶融混練されており、かつ予
備混練前後の熱可塑性樹脂のメルトフローレートの比が
0.1〜10の範囲である熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボス加工性お
よび耐衝撃性に優れ、特に情報記録可能なシートまたは
カードとして好適に用いられる熱可塑性樹脂組成物、そ
の製造方法、エンボス加工性および耐衝撃性に優れる磁
気カードやICカード等のカードの製造に用いられるシ
ートおよび前記の特性を備えたカードに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エンボス加工により記号、文字等
の表示を立体的に刻印した磁気ストライプカードやIC
カード等のカード類が広く用いられている。これらのカ
ード材料に対する要求性能としては、エンボス加工によ
ってカードが反ったり割れたりしないことがまず第1に
挙げられ、一般には硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の多層シ
ートが主として用いられている。しかし、ポリ塩化ビニ
ル樹脂は燃焼させることにより人体に有害な物質を発生
する危険性が問題とされているため、ポリ塩化ビニル樹
脂以外の樹脂からなり、かつエンボス加工性に優れたカ
ード材料の実現が要望されていた。
【0003】ポリ塩化ビニル樹脂以外のカード材料とし
ては、1,4−シクロヘキサンジメタノール誘導体共重
合ポリエステルが知られており、特開昭53−9453
6号公報には、ポリカーボネートとポリ(1,4−シク
ロヘキサンジメタノールテレフタレート−コ−イソフタ
レート)とのブレンド物からなるカード材料が開示され
ている。
【0004】また、特開昭59−120648号公報に
は、ポリカーボネートと1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール誘導体共重合ポリエステルとのブレンド物からな
るカード材料が開示されている。
【0005】しかしながら、これらのカード材料におい
ては、エンボス加工による反りを十分に低減させること
はできなかった。
【0006】また、特開平11−1607号公報には、
ポリエステルおよび芳香族ポリカーボネートから選ばれ
る1種または2種以上の熱可塑性樹脂に無機板状充填材
を混合した樹脂組成物からなるプラスチックカード基材
が開示されている。しかしながら、この樹脂組成物の場
合、エンボス加工性については改善されるものの、無機
板状充填材を添加することにより耐衝撃性の低下を生じ
るという問題があり、このこの問題の改善がしきりに要
望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0008】したがって、本発明の目的は、エンボス加
工性および耐衝撃性に優れ、特に情報記録可能なシート
またはカードとして好適に用いられる熱可塑性樹脂組成
物、その製造方法、エンボス加工性および耐衝撃性に優
れる磁気カードやICカード等のカードの製造に用いら
れるシートおよび前記の特性を備えたカードを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に
無機板状充填材を配合するに際して、無機板状充填材を
予め熱可塑性樹脂と予備混練してマスターペレット化す
ることにより溶融混練し、かつ予備混練前後での熱可塑
性樹脂およびマスターペレットのメルトフローレートの
変化を制御することにより得られた熱可塑性樹脂組成物
により、エンボス加工性および耐衝撃性を高度にバラン
ス良く改良されることを見い出し本発明を完成させるに
いたった。すなわち本発明は、(A)非晶ポリエステル
および(B)芳香族ポリカーボネートから選ばれる1種
または2種以上の熱可塑性樹脂の合計100重量部に対
し、(C)平均粒径が0.5〜20μmである無機板状
充填材2〜25重量部を溶融混合してなる熱可塑性樹脂
組成物であって、前記(C)無機板状充填材が、予め前
記(A)非晶ポリエステルおよび/または(B)芳香族
ポリカーボネートからなる熱可塑性樹脂と予備混練して
マスターペレット化することにより溶融混練されてお
り、かつ前記予備混練前の前記熱可塑性樹脂のメルトフ
ローレートに対する、前記予備混練後のマスターペレッ
トのメルトフローレートの比が0.1〜10の範囲であ
ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供するもの
である。
【0010】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
前記(C)無機板状充填材を、予め(A)非晶ポリエス
テルおよび/または(B)芳香族ポリカーボネートから
なる熱可塑性樹脂と予備混連してマスターペレット化す
るに際して、さらに(D)有機シラン系化合物を、前記
無機板状充填材100重量部に対して0.1〜5重量部
添加してなること、および前記(D)有機シラン系化合
物が、シラン系カップリング剤およびシリコーンオリゴ
マーから選ばれた1種以上であることが、それぞれ望ま
しい。
【0011】また、前記非晶ポリエステル(A)が、テ
レフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレン
グリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール単位を主とするグリコール単位からなるポリエステ
ルであること、特に前記非晶ポリエステル(A)が、
(A−1)エチレングリコール単位(I)と1,4−シ
クロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比(I)
/(II)が1以上であるポリエステル、および(A−
2)エチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘ
キサンジメタノール単位(II)のモル比(I)/(I
I)が1より小さいポリエステルからなることが望まし
い。
【0012】さらには、前記熱可塑性樹脂が、(A−
1)エチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘ
キサンジメタノール単位(II)のモル比(I)/(I
I)が1以上であるポリエステル、(A−2)エチレン
グリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール単位(II)のモル比(I)/(II)が1より
小さいポリエステル、および(B)芳香族ポリカーボネ
ートからなることが望ましい。
【0013】また、前記(C)無機板状充填材はタルク
であることが好ましく、この(C)無機板状充填材が、
予め(A)非晶ポリエステルと予備混練しマスターペレ
ット化することにより溶融混練されており、かつ前記予
備混練後のマスターペレットの250℃、1kg荷重下
でのメルトフローレートの値が50g/10min以下
であることが望ましい。
【0014】そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
シートまたはカードの製造に用いられること、特に情報
記録可能なカードの製造に用いられるシートまたは情報
記録可能なカードの製造に用いられることが望ましい。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)非
晶ポリエステルおよび(B)芳香族ポリカーボネートか
ら選ばれる1種または2種以上の熱可塑性樹脂の合計1
00重量部に対し、(C)平均粒径が0.5〜20μm
である無機板状充填材2〜25重量部を溶融混合した樹
脂組成物を製造するに際し、前記(C)無機板状充填材
を、予め前記(A)非晶ポリエステルおよび/または
(B)芳香族ポリカーボネートからなる熱可塑性樹脂の
一部と予備溶融混練してマスターペレットとなし、この
予備溶融混練条件を、予備溶融混練前の前記熱可塑性樹
脂のメルトフローレートに対する予備溶融混練後のマス
ターペレットのメルトフローレートの比が0.1〜10
の範囲となるように制御し、次いで前記マスターペレッ
トと、前記(A)非晶ポリエステルおよび/または
(B)芳香族ポリカーボネートからなる熱可塑性樹脂の
残部とを溶融混練する方法により製造される。
【0016】また、本発明のシートは、前記熱可塑性樹
脂組成物からなることを特徴とし、エンボス加工が施さ
れていることおよび情報記録可能なカードの製造に用い
られることが望ましい。
【0017】さらに、本発明のカードは、前記熱可塑性
樹脂組成物または前記シートからなることを特徴とし、
エンボス加工が施されていることおよび情報記録可能な
カードとして用いられることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳述する。
【0019】本発明において使用する(A)成分の非晶
ポリエステルとは、示差走査型熱量計で溶融状態から1
0℃/分の速度で降温したときの結晶化熱量が5cal
/g以下であるポリエステルのことをいう。この(A)
非晶ポリエステルの構成成分としては、酸成分としてテ
レフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフ
タル酸、4−4’−ビフェニルジカルボン酸、2−2’
−ビフェニルジカルボン酸、1,2’−ビス(4−カル
ボキシフェノキシ)−エタン、コハク酸、アジピン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、および
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を用い、グリコ
ール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,2−シクロヘキサンジメタノール、および2,
2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ン等を用いたものが挙げられる。
【0020】また(A)非晶ポリエステルのなかでは、
テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレ
ングリコール単位および1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール単位を主とするグリコール単位からなる非晶ポリ
エステルが好ましく、特にエチレングリコール単位
(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(I
I)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポ
リエステルが好適である。
【0021】(A)非晶ポリエステルとしては、2種類
以上の非晶ポリエステルをブレンドして使用してもよ
く、この場合には、エチレングリコール単位(I)と
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステ
ル、およびエチレングリコール単位(I)と1,4−シ
クロヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)
/(II)]が1より小さい非晶ポリエステルをブレンド
して使用することが、耐熱性が特に向上するため好まし
い。
【0022】この場合に、エチレングリコール単位
(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(I
I)のモル比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポ
リエステルを用いる場合の上記モル比[(I)/(I
I)]の上限に特に制限はないが、99以下であること
が好ましい。また、エチレングリコール単位(I)と
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
比[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル
を用いる場合に、その下限に特に制限はないが、1/9
9以上であることが好ましい。
【0023】さらに、エチレングリコール単位(I)と
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位(II)のモル
比[(I)/(II)]が1以上である非晶ポリエステル
およびエチレングリコール単位(I)と1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール単位(II)のモル比[(I)/
(II)]が1より小さいポリエステルをブレンドして使
用する場合における配合割合{モル比[(I)/(I
I)]が1以上である非晶ポリエステル/モル比
[(I)/(II)]が1より小さい非晶ポリエステル}
は、5/95〜95/5であり、さらに30/70〜9
0/10であることが好ましく、特に40/60〜80
/20であることが好ましい。
【0024】(A)非晶ポリエステル成分として1,4
−シクロヘキサンジメタノール誘導体共重合非晶ポリエ
ステルを用いる場合の製造方法は特に限定されるもので
はないが、例えば、有機チタン化合物などの触媒の存在
下もしくは非存在下において、テレフタル酸またはその
低級アルキルエステルと、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールおよびエチレングリコールを重縮合して得る方
法が挙げられる。重合条件としては、例えば米国特許第
2,901,466号に記載された条件などが適用され
得る。
【0025】(A)非晶ポリエステル成分として用いら
れる1,4−シクロヘキサンジメタノール誘導体共重合
非晶ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範
囲、通常20モル%以下、好ましくは10モル%以下の
範囲であれば、酸成分としてイソフタル酸、オルトフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフ
タレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、メチルテレフタル酸、4−4’−ビフェニルジカル
ボン酸、2−2’−ビフェニルジカルボン酸、1,2’
−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、コハク
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダ
イマー酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
などの他のジカルボン酸、また、グリコール成分として
プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、および2,2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)プロパンなどの他のグリコールを共重合したも
のも用いることができる。
【0026】本発明において使用する(B)成分の芳香
族ポリカーボネートとしては、ビスフェノールA、つま
り2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカンあるい
は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、および
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれ
た1種以上を主原料とするものが好ましく挙げられ、な
かでもビスフェノールA、つまり2,2’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料として製造され
るものが好ましい。具体的には、上記ビスフェノールA
などをジヒドロキシ成分として用い、エステル交換法あ
るいはホスゲン法により得られたポリカーボネートが好
ましい。さらに、ビスフェノールAの一部、好ましくは
10モル%以下を4,4’−ジヒドロキシジフェニルア
ルカンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、および4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ルなどで置換したものも好ましい。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性
樹脂成分は、(A)成分単独、(B)成分単独、および
(A)成分および(B)成分、いずれからなっていても
よいが、耐熱性向上の点から(A)成分と(B)成分両
方を含むことが好ましい。(A)成分と(B)成分の配
合割合には特に限定はなく任意の割合が用いられるが、
(A)成分と(B)成分の好ましい重量比(A)/
(B)は、95/5〜5/95であり、さらに好ましく
は80/20〜20/80である。
【0028】また、本発明において使用する(C)平均
粒径が0.5〜20μmである無機板状充填材とは、い
わゆる板状の無機充填材であり、粒子形状が立体的に非
等方性で2軸配向性をもつ充填材が好ましい。具体的に
は、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、塩基性炭
酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、およびガラスフ
レーク等が挙げられる。これら充填材は2種類以上併用
してもよい。これらのなかではタルク、カオリンが好ま
しく、なかでもタルクが最も好ましい。
【0029】(C)無機板状充填材の添加量は、(A)
非晶ポリエステルおよび/または(B)芳香族ポリカー
ボネートからなる熱可塑性樹脂成分100重量部に対し
て、0.5〜25重量部が好ましく、なかでも1〜20
重量部が、さらには2〜18重量部がより好ましい。こ
の範囲であると、良好な成形性のもとにシートやカード
が得られ、しかもシートやカードのエンボス加工性の改
善効果が高く、また透明性にも優れる。
【0030】(C)無機板状充填材の平均粒径は、配合
後の段階で0.5〜20μmであるが好ましく、なかで
も0.5〜10μm、さらには1〜5μmであることが
好ましい。(C)無機板状充填材の平均粒径がこの範囲
であると、シートやカードへの成形性が良好で、エンボ
ス加工性の改善効果が高く、しかも透明性にも優れたシ
ートやカードが得られる。
【0031】かかる(C)無機板状充填材の平均粒径
は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を有機溶剤で処理ある
いは電気炉等で燃焼させて、無機板状充填材成分のみを
分離した後、遠心沈降式粒度分布測定装置で測定するこ
とにより求めることができる。
【0032】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
ては、優れたエンボス加工性および耐衝撃強度を得るた
めに、(C)平均粒径が0.5〜20μmである無機板
状充填材は、予め(A)非晶ポリエステルおよび/また
は(B)芳香族ポリカーボネートからなる熱可塑性樹脂
と予備混練してマスターペレット化することにより溶融
混練されており、かつ予備混練前の熱可塑性樹脂のメル
トフローレートに対する、予備混練後のマスターペレッ
トのメルトフローレートの比が0.1〜10の範囲であ
ることが重要である。上記メルトフローレートの比が上
記の範囲より小さいマスターペレットを用いた場合は、
その後の混練工程で濾圧が上昇し製造が困難となり、ま
た上記メルトフローレートの比が上記の範囲より大きい
マスターペレットを用いた場合は、耐衝撃性の低下が顕
著となるため好ましくない。
【0033】また、耐衝撃性の低下を抑制する目的か
ら、(C)平均粒径が0.5〜20μmである無機板状
充填材は、(A)非晶ポリエステルと予備混練してマス
ターペレット化することが好ましく、さらには、予備混
練後の250℃、1kg荷重下でのメルトフローレート
の値が、50g/10min以下、好ましくは40g/
10min以下、さらに好ましくは30g/10min
以下であることが望ましい。
【0034】ここで、メルトフローレートとは、JIS
K7210に準拠し、250℃、荷重1kgで測定し
た値である。
【0035】また(C)平均粒径が0.5〜20μmで
ある無機板状充填材を予め(A)非晶ポリエステルおよ
び/または(B)芳香族ポリカーボネートからなる熱可
塑性樹脂と予備混練する際の組成は特に制限がないもの
の、通常、無機板状充填材の含有率が10〜60wt%
の範囲が用いられ、好ましくは20〜50wt%の範囲
である。
【0036】ここで(C)平均粒径が0.5〜20μm
である無機板状充填材を予め熱可塑性樹脂と予備混練を
行わないと、(C)平均粒径が0.5〜20μmである
無機板状充填材が凝集をおこすなど分散性が低下し、シ
ート化する際に異物を発生するなどの問題が生じること
から好ましくない。
【0037】また、(C)無機板状充填材を、予め
(A)非晶ポリエステルおよび/または(B)芳香族ポ
リカーボネートからなる熱可塑性樹脂と予備混練しマス
ターペレット化するに際しては、さらに(D)有機シラ
ン系化合物を、(C)無機板状充填材100重量部に対
して0.1〜5重量部添加することが、耐衝撃性をより
高める意味において有効である。
【0038】ここで使用する(D)有機シラン系化合物
としては、シラン系カップリング剤およびシリコーンオ
リゴマーを好ましい例として挙げることができる。
【0039】このシラン系カップリング剤の具体例とし
ては、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラ
ン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの
メルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピル
トリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有
アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルト
リエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、およびN―β―
(N−ビニルベンジルアミノエチル)―γ―アミノプロ
ピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の炭素炭素不飽和基
含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
【0040】また、シリコーンオリゴマーの具体例とし
ては、メトキシ基を含有するメチル系シリコーンや、メ
チルフェニルシリコーンが挙げられ、なかでもメトキシ
基が10〜50重量%のものが好ましく、特に好ましく
は20〜50重量%のものが挙げられる。なお、シリコ
ーンオリゴマーの粘度には特に制限はないが、通常25
℃において1〜50mPa・sのものが用いられ、特に
10〜40mPa・sのものが好ましく用いられる。
【0041】特に、(A)熱可塑性樹脂として、非晶ポ
リエステルおよび芳香族ポリカーボネートから選ばれた
1種および2種以上の熱可塑性樹脂を用いた場合には、
炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン系カップリング
剤、アミノ基含有アルコキシシラン系カップリング剤、
エポキシ基含有アルコキシシラン系カップリング剤、お
よびシリコーンオリゴマーが好ましく用いられ、またこ
れらの中から2種以上を併用して用いることも可能であ
る。
【0042】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物に対し
ては、本発明の目的を損なわない範囲でさらに他の各種
の添加剤を配合することもできる。これら他の添加剤と
しては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊
維、岩綿、炭酸カルシウム、ケイ砂、ベントナイト、硫
酸バリウム、ガラスビーズなどの強化材、酸化防止剤
(リン系、硫黄系など)、紫外線吸収剤、熱安定剤(ヒ
ンダードフェノール系など)、滑剤、離型剤、帯電防止
剤、滑り改良剤、ブロッキング防止剤、染料および顔料
を含む着色剤、難燃剤(ハロゲン系、リン系など)、難
燃助剤(三酸化アンチモンに代表されるアンチモン化合
物、酸化ジルコニウム、酸化モリブデンなど)、発泡
剤、および架橋剤(例えば、多価のエポキシ化合物、イ
ソシアネート化合物、酸無水物など)などが挙げられ
る。
【0043】上記の構成成分からなる本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、(C)無機板状充填材を、予め前記
(A)非晶ポリエステルおよび/または(B)芳香族ポ
リカーボネートからなる熱可塑性樹脂の一部と予備溶融
混練してマスターペレットとなし、この予備溶融混練条
件を、予備溶融混練前の前記熱可塑性樹脂のメルトフロ
ーレートに対する予備溶融混練後のマスターペレットの
メルトフローレートの比が0.1〜10の範囲となるよ
うに制御し、次いで前記マスターペレットと、前記
(A)非晶ポリエステルおよび/または(B)芳香族ポ
リカーボネートからなる熱可塑性樹脂の残部とを溶融混
練することにより製造されるが、(D)有機シラン系化
合物は、予備溶融混練前の(C)無機板状充填材に予め
付与しておくことが好ましく、その他の添加剤について
は、溶融混練前後の任意の段階で添加することができ
る。
【0044】溶融混練方法としては、単軸あるいは二軸
押出機を用いて均一に溶融混練する方法が挙げられる。
【0045】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、文字や模
様を刻印するようなエンボス加工性に優れると共に、耐
衝撃性にも優れているため、磁気カードやICカード等
のカード用途に好適である。
【0046】本発明におけるカードとは、長辺が10m
m〜300mm、短辺が10mm〜200mm、厚みが
50〜5000μmの大きさの板状の成形品であり(長
辺と短辺は同じ長さ、すなわち正方形であってもよ
い)、これを超える広がりを持つ成形品をシートとい
う。
【0047】本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシー
トの製造方法としては、熱可塑性樹脂組成物を溶融混練
後ペレタイズし、通常公知の射出成形でシートに加工す
る方法や、熱可塑性樹脂組成物を溶融混練後、Tダイ法
やインフレーション法等の公知の方法によってシート化
する方法が挙げられる。
【0048】本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシー
トは、単層からなっても2枚以上のシートを積層してな
ってもいずれでもよい。2枚以上のシートからなる場合
の積層方法には特に限定はなく、共押出法や加熱積層法
等の任意の周知の方法が用いられる。その場合には、そ
のうちの少なくとも1層が本発明の熱可塑性樹脂組成物
で形成されていればよい。
【0049】シートの厚みとしては、単層の場合、50
〜5000μm、好ましくは100〜1000μmの厚
みが好んで用いられる。2枚以上のシートを積層してな
る場合には、その厚みは積層する枚数と全体の厚み、装
飾上の理由などによって適宜決定されるが、全体で15
0μm〜5000μm、好ましくは全体で300μm〜
1000μmの厚みが好んで用いられる。特に、表面層
(オーバーシート)約50μm〜100μm、表面層以
外の層(コアシート)約100μm〜700μmのシー
トが好んで用いられる。
【0050】本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるカー
ドの製造方法としては、熱可塑性樹脂組成物を溶融混練
後ペレタイズし、通常公知の射出成形でカードに加工す
る方法や、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシート
を特定の大きさに切断しカードに加工する方法が挙げら
れる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるシー
トを数枚積層し、多層シートとした後に特定の大きさに
切断しカードに加工してもよい。この際、多層シートの
各層間には必要に応じて接着剤層やアンテナ回路等の層
を設けてもよい。さらに、各層には印刷を施しても良
く、また、磁性体を塗布してもよい。かかる磁性層は、
シート全面であってもストライプ状等シートの一部分で
あってもよい。
【0051】また、上記シートにプレス成形等の二次加
工を施すことによって、カード形状に加工しても良い。
【0052】カードの大きさとしては、長辺が10mm
〜300mm、短辺が10mm〜200mmの広がりを
持つ長方形形状で、厚みが50〜5000μmのものが
好ましく、特に長辺が50mm〜100mm、短辺が2
5mm〜80mmの広がりを持つ長方形形状で、厚みが
400〜2000μmのものが好ましい。なかでも長辺
が約85mm、短辺が約54mmの長方形形状で、厚み
が600〜900μmのものがより好ましい。
【0053】本発明におけるカードは、一般に情報を記
録し得るカードであり、特に電気的、光学的または磁気
的に読み出すことが可能および/または書き込むことが
可能な情報を記録できる機能を有するおよび/またはエ
ンボス加工により情報を記録し得る機能を有するカード
に好適である。具体的には、接触型ICカード(スマー
トカード)、ICチップおよびアンテナ回路がカード内
に埋め込まれた非接触型ICカード、磁気ストライプカ
ードなどの磁気カード、光カード等が好ましい。このカ
ードの具体的な用途としては、プリペイドカード、クレ
ジットカード、バンキングカードおよび各種証明用カー
ド等が挙げられる。
【0054】本発明の熱可塑性樹脂組成物が、磁気カー
ドやICカード等のJIS X6301準拠のカード用
に供される場合には、通常本発明の熱可塑性樹脂組成物
100重量部に対し、酸化チタン2〜25重量部を加え
ることにより、不透明にして使用される。
【0055】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに
説明する。
【0056】なお、上記の説明および実施例でいうメル
トフローレートとは、JIS K7210に準拠し、2
50℃、1kg荷重下で測定した値である。
【0057】また、引張試験はASTM D638に従
って測定し、引張衝撃試験はASTM D1822に従
って測定した。
【0058】エンボス性としてのエンボス文字刻印後の
カード反り量は、JIS X6301に準拠したカード
に手動式エンボッサー(日本字研社製NE−1600)
を用いてエンボス文字を3行にわたって刻印し、JIS
X6301に従ってカード反りを測定した。
【0059】(A)成分の熱可塑性樹脂として以下のも
のを使用した。
【0060】A−1:非晶ポリエステル樹脂“イースタ
ー”GN071 イーストマン・ケミカル社製 A−2:非晶ポリエステル樹脂“イースター”DN00
3 イーストマン・ケミカル社製 (B)成分の芳香族ポリカーボネートとして以下のもの
を使用した。
【0061】B−1:芳香族ポリカーボネート“ユーピ
ロン”S3000 三菱エンジニアリングプラスチックス社製 (C)成分の無機板状充填材としては、次のものを使用
した。
【0062】C−1:平均粒径1.4μmのタルク L
MS−300 富士タルク工業社製。
【0063】(D)成分の有機シラン化合物としては以
下のものを使用した。
【0064】D−1:メタクリル基含有アルコキシシラ
ン系カップリング剤 KBM503 信越シリコーン社製 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン D−2:メトキシ基含有量30wt%、25℃での粘度
25mPa・Sのシリコーンオリゴマー KR−500 信越シリコーン社製 [実施例1〜9、比較例1〜3]表1に記載の組成でA
成分、C成分、および必要に応じてD成分を、押出時の
温度を各種温度に設定した二軸スクリュー押出機で予備
溶融混練を行い、マスターペレットを得た。この時、予
備混練前の熱可塑性樹脂のメルトフローレート、予備混
練後得られたマスターペレットのメルトフローレートお
よびその比(混練後/混練前)を測定した結果を表1に
示した。
【0065】
【表1】 次に、表2に記載の組成でA成分、上記予備混練により
得られたマスターペレット1〜6および必要に応じてB
成分を、Vブレンダーでドライブレンドした後、単軸ス
クリュー押出機に供給し、Tダイから吐出し、それぞれ
の厚みが100μmおよび300μmのシート1〜12
を得た。
【0066】
【表2】 上記100μmおよび300μmのシートを、それぞれ
表3に記載した組合わせで100/300/300/1
00μm(“/”は積層を表す)の順に重ね、加熱プレ
ス成形機に供し、圧力1MPa、保持時間10分間の条
件で熱融着することにより、120×120×厚さ0.
72〜0.78mmのシートを作製し、各種試験片とJ
IS X6301準拠のカードを打ち抜きプレスで打ち
抜いて得た。
【0067】なお、いずれの場合にも無機板状充填材の
タルクの配合前後の平均粒径に変化はなかった。
【0068】このようにして得られたカードの反り量
と、試験片の引張強度、破断伸度および引張衝撃強度の
評価結果を表3に併記した。
【0069】
【表3】 表3の結果から明らかなように、本発明の熱可塑性樹脂
組成物から得られるカードは、エンボス加工後の反り量
が小さく、かつ、破断伸度も大きく引張衝撃強度も高
い。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、エンボス加工性および耐衝撃性に優れ、
特に情報記録可能なシートまたはカードとして好適に用
いられる。
【0071】また、本発明のシートは、エンボス加工性
および耐衝撃性に優れ、特に情報記録可能なカードとし
て好適に用いられる。
【0072】さらに、本発明のカードは、エンボス加工
を施しても反り等が少なく、かつエンボス加工性および
耐衝撃性に優れており、磁気カードやICカード等とし
て好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/541 C08K 5/541 7/00 7/00 C08L 69/00 C08L 69/00 G11B 5/73 G11B 5/73 Fターム(参考) 2C005 HA10 HB04 HB09 JA02 JA08 JA11 KA01 KA15 KA37 LA02 LA03 LA06 LA09 LA29 MA11 MB02 MB08 NA09 PA03 PA18 RA04 RA07 RA09 TA22 4F070 AA47 AA50 AB11 AB12 AB24 AC22 AC27 AC28 AC52 AC92 AD01 AE01 AE08 AE22 FA03 FA17 FB03 FB04 FC05 4J002 CF001 CF05X CF06W CG00Y CG001 DE146 DE266 DJ006 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 EX037 EX067 EX077 EX087 FA016 FD016 FD147 GS00 5D006 CB01 CB05 DA01

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)非晶ポリエステルおよび(B)芳
    香族ポリカーボネートから選ばれる1種または2種以上
    の熱可塑性樹脂の合計100重量部に対し、(C)平均
    粒径が0.5〜20μmである無機板状充填材2〜25
    重量部を溶融混合してなる熱可塑性樹脂組成物であっ
    て、前記(C)無機板状充填材が、予め前記(A)非晶
    ポリエステルおよび/または(B)芳香族ポリカーボネ
    ートからなる熱可塑性樹脂と予備混練してマスターペレ
    ット化することにより溶融混練されており、かつ前記予
    備混練前の前記熱可塑性樹脂のメルトフローレートに対
    する、前記予備混練後のマスターペレットのメルトフロ
    ーレートの比が0.1〜10の範囲であることを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(C)無機板状充填材を、予め
    (A)非晶ポリエステルおよび/または(B)芳香族ポ
    リカーボネートからなる熱可塑性樹脂と予備混連してマ
    スターペレット化するに際して、さらに(D)有機シラ
    ン系化合物を、前記無機板状充填材100重量部に対し
    て0.1〜5重量部添加してなることを特徴とする請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(D)有機シラン系化合物が、シラ
    ン系カップリング剤およびシリコーンオリゴマーから選
    ばれた1種以上であることを特徴とする請求項2に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記非晶ポリエステル(A)が、テレフ
    タル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリ
    コール単位および1,4−シクロヘキサンジメタノール
    単位を主とするグリコール単位からなるポリエステルで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記非晶ポリエステル(A)が、(A−
    1)エチレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘ
    キサンジメタノール単位(II)のモル比(I)/(I
    I)が1以上であるポリエステル、および(A−2)エ
    チレングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサン
    ジメタノール単位(II)のモル比(I)/(II)が
    1より小さいポリエステルからなることを特徴とする請
    求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂が、(A−1)エチレ
    ングリコール単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメ
    タノール単位(II)のモル比(I)/(II)が1以
    上であるポリエステル、(A−2)エチレングリコール
    単位(I)と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位
    (II)のモル比(I)/(II)が1より小さいポリ
    エステル、および(B)芳香族ポリカーボネートからな
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記(C)無機板状充填材がタルクであ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記(C)無機板状充填材が、予め
    (A)非晶ポリエステルと予備混練しマスターペレット
    化することにより溶融混練されており、かつ前記予備混
    練後のマスターペレットの250℃、1kg荷重下での
    メルトフローレートの値が50g/10min以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 シートまたはカードの製造に用いられる
    ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 情報記録可能なカードの製造に用いら
    れるシートまたは情報記録可能なカードの製造に用いら
    れることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とするシー
    ト。
  13. 【請求項13】 エンボス加工が施されていることを特
    徴とする請求項12に記載のシート。
  14. 【請求項14】 情報記録可能なカードの製造に用いら
    れることを特徴とする請求項12または13に記載のシ
    ート。
  15. 【請求項15】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物または請求項12〜14のいずれ
    か1項に記載のシートからなることを特徴とするカー
    ド。
  16. 【請求項16】 エンボス加工が施されていることを特
    徴とする請求項15に記載のカード。
  17. 【請求項17】 情報記録可能なカードとして用いられ
    ることを特徴とする請求項15または16に記載のカー
    ド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005097342A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Toppan Printing Co Ltd カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート
WO2011114692A1 (ja) * 2010-03-16 2011-09-22 住友ベークライト株式会社 樹脂組成物シートおよびその成形方法
JP2018203884A (ja) * 2017-06-05 2018-12-27 Psジャパン株式会社 ポリスチレン系樹脂組成物、製造方法、及び発泡成形品

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