JP4610056B2 - 帯電防止剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として樹脂用に使用する帯電防止剤、帯電防止剤組成物及び帯電防止剤含浸物に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂は、軽量であり、加工が容易であり、用途に応じて素材を設計することができる等の優れた特性を有しているため、現代では欠かすことのできない重要な素材である。樹脂の特性の一つとして高い電気絶縁性がある。そのため樹脂成形品は電気製品の各種部材として頻繁に利用されている。しかし、あまりに樹脂の絶縁性が高いため、摩擦等により樹脂成形品が容易に帯電するという問題がある。
【0003】
帯電した樹脂成形品は、周囲の埃やチリを引き付けるために汚れやすく、樹脂成形品の外観を損ねるという問題がある。また、電子製品、例えば、コンピューター等の精密機器は、樹脂成形部材の帯電により回路が誤作動することがある。更に、電撃による問題も存在し、例えば、樹脂成形品から人体に対して電撃が発生すると不快感を与えるし、また、可燃性気体や粉塵のあるところでは、爆発事故を誘引する可能性もある。
【0004】
従ってこのような問題を解消するため、通常、樹脂には帯電を防止する処理が施されている。最もポピュラーな処理方法は、樹脂に帯電防止剤を加える方法である。帯電防止剤には、樹脂の分子中に帯電防止ユニットを共重合させる永久帯電防止剤と、樹脂を加工成形する際に添加する、いわゆる練り込み型帯電防止剤に大別することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらのうち、練り込み型帯電防止剤は、樹脂成形品の表面にブリードして帯電防止効果を発揮するものであるが、摩擦や水洗等により樹脂成形品の表面から帯電防止剤が取り除かれてしまうため、帯電防止効果の持続性という点で問題があった。また、樹脂との相溶性が良くない場合は、内部の帯電防止剤が直ちに樹脂成形品の表面にブリードしてしまい、数日から数週間で帯電防止効果が失われるという問題点があった。そこで、帯電防止効果の持続性を改良するために、高分子系の帯電防止剤が検討されおり、例えば、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル樹脂(例えば、特開昭63−101444号公報)や、ポリエーテルエステルアミド(例えば、特開昭62−273252号公報)は、実際に市販もされている。
【0006】
しかし、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル樹脂は、耐熱性が低く、エンジニアリングプラスチックのような溶解温度の高い樹脂に用いることはできないし、ポリエーテルエステルアミドは耐熱性は改良されているものの、一般の樹脂との相溶性が悪く、スチレン系樹脂に用途が限られるといった欠点があった。耐熱性及び相溶性が改良された高分子系の帯電防止剤としては、ポリオキシアルキレン鎖を有するフェノール類とジビニルベンゼンの反応生成物(特開平7−70293号公報)、フェノキシ樹脂骨格を有するポリアルキレングリコール誘導体(特開平8−12963号公報)、フェノール樹脂骨格を有するポリアルキレングリコール誘導体(特開平12−34330号公報)等があるが、いずれも樹脂に対する添加量が多くないと十分な帯電防止性効果が得られなかった。
【0007】
本発明の目的は、樹脂との相溶性に優れ、樹脂に添加する量が少量でも高い帯電防止効果が得られる帯電防止剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する手段】
そこで本発明者等は鋭意検討した結果、2価以上のポリオキシアルキレン化合物と2価以上のポリエポキシ化合物との反応物が種々の樹脂に相溶し、優れた帯電防止効果があることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、下記の一般式(1)
Figure 0004610056
(式中、Mはポリオールから水酸基を除いた残基を表わし、R1はアルキレン基又は側鎖がエーテル基で置換されたアルキレン基を表わし、nは1以上の数を表わし、Xは水素原子又はアニオン性親水基を表わし、mはポリオールの水酸基の数と同数を表わす2以上の数である。)
で表わされるポリオキシアルキレン化合物と、2価以上のポリエポキシ化合物との反応物からなることを特徴とする帯電防止剤、帯電防止剤組成物及び帯電防止剤含浸物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
まず、一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物について説明する。一般式(1)において、Mはポリオールから水酸基を除いた残基を表わす。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール(3−メチル−1,3−ブタンジオール)、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、オクタンジオール(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ソルバイド、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、ペンタメチルグリセリン(2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール)等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ソルビタン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等の4価アルコール;アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価アルコール;蔗糖等の8価アルコール;ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、フェノキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの共重合物)等の多価アルコール;カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等の2価のフェノール;トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン等の3価のフェノール;フェノール類とジビニルベンゼンの反応生成物、フェノール類のホルムアルデヒド縮合物、ヒドロキシスチレン重合物等の多価フェノールが挙げられる。これらの中でも、芳香環を有するアルコール又はフェノール類が好ましい。
【0010】
一般式(1)において、(R1O)nの部分は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキサイド)、長鎖α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド;メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル等を付加重合することにより得ることができる。アルキレンオキサイドやモノグリシジルエーテル等を付加重合することによって、(R1O)nの部分を形成する場合は、付加させるアルキレンオキサイドやモノグリシジルエーテル等によりR1Oが決定される。
【0011】
付加されるアルキレンオキシドやモノグリシジルエーテル等の重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキサイド又はグリシジルエーテル等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイドやモノグリシジルエーテル等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってよい。R1は、アルキレンオキサイドを用いた場合はアルキレン基、モノグリシジルエーテルを用いた場合は側鎖がエーテル基で置換されたアルキレン基となる。R1としては、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、エチレン基が最も好ましい。また、R1が2種類以上の基である場合は、その少なくとも1種はエチレン基であることが好ましい。重合度nは1以上の数であり、好ましくは1〜300であり、より好ましくは1〜200であり、最も好ましくは5〜100である。
尚、一般式(1)において、(R1O)nで表わされる基はm個存在するが、それぞれの(R1O)nで表わされる基は同一であっても異なっていてもよい。
【0012】
一般式(1)において、Xは水素原子又はアニオン性親水基を表わす。アニオン性親水基としては、例えば、−CA2ASO3Y(但し、Aは2〜5の数を表わす。)で表わされるアルキルスルホン酸基、−SO3Yで表わされる硫酸エステル基、−PO32で表わされるリン酸エステル基、−CH2COOYで表わされるメチルカルボキシル基等が挙げられる。上記式中、Yは水素原子又は金属原子を表わす。金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げられる。これらのアニオン性親水基を導入することによって一層帯電防止効果が向上する。
【0013】
一般式(1)において、Xで表わされる基はm個存在するが、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。これらのアニオン性親水基は、ポリオールにアルキレンオキサイドを付加して得られた化合物の末端の水酸基の一部又は全部について、必要に応じて既知の方法によりアニオン性親水基を導入すれば得ることができる。
【0014】
一般式(1)の化合物として最も好ましいものは、下記の一般式(2)
Figure 0004610056
(式中、R1、n及びXは一般式(1)と同義であり、R2は水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表わす。)
又は、下記の一般式(3)
Figure 0004610056
(式中、R1、n及びXは一般式(1)と同義である。)
で表わされる単量体ユニットを有する重合体である。
【0015】
一般式(2)において、R2は水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表わす。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル等のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル等のアルケニル基;フェニル、スチリル、ベンジル、クミル等のアリール基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル等のシクロアルキル基又はシクロアルケニル基等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂との混和性や相溶性の面から、R2としては水素原子、ハロゲン原子又は炭素数30以下の炭化水素基が好ましく、水素原子、塩素原子、臭素原子又は炭素数18以下のアルキル基若しくはアリール基が最も好ましい。
【0016】
一般式(2)で表わされる単量体ユニットを有する重合体は、既知の方法でフェノール類をホルムアルデヒドで縮合させた後、アルキレンオキシド等を付加し、必要に応じてXをアニオン性親水基に置換することにより得ることができる。また、フェノール類を縮合させる場合には、縮合可能な他の化合物と縮合させることができる。フェノール類と縮合可能な化合物としては、例えば、キシレン、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、アニソール等が挙げられる。
また、一般式(3)で表わされる単量体ユニットを有する重合体は、ヒドロキシスチレンを単独で又は他の重合性化合物と共重合させた後、アルキレンオキシド等を付加し、必要に応じてXをアニオン性親水基に置換することにより得ることができる。
【0017】
ヒドロキシスチレンと共重合させることができる他の重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、イソプレン等のオレフィン系化合物;スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン、メトキシスチレン、(モノ、ジ又はトリ)クロロスチレン、インデン、クマロン等の環状ビニル系化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン系化合物;アクリル酸、メタクリル酸(以下、これらをまとめて「(メタ)アクリル酸」と記載する。)、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビニル、α−ハロ(メタ)アクリル酸又はそのエステル(以下、これらを「〜酸(エステル)」と記載する。)、クロトン酸(エステル)、イタコン酸(エステル)、マレイン酸(エステル)、フマル酸(エステル)等のアクリル酸系化合物;(メタ)アクリロニトリル、α−置換アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアクリロニトリル及びアクリルアミド系化合物;酢酸ビニル、(モノ又はジ)クロロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、アセト酢酸ビニル、安息香酸ビニル等の酢酸ビニル系化合物;アルキルビニルエーテル、ビニルアリールエーテル、ビニリデンエーテル、(メタ)アクロレイン等のヘテロ原子含有ビニル系化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、ジメチルブタジエン等のジエン系化合物等が挙げられる。
【0018】
一般式(3)で表わされる単量体ユニットを含有する重合体中の、一般式(3)で表わされる単量体ユニットの割合は特に限定されない。しかし、この割合が少ない場合には、得られる帯電防止剤が十分な帯電防止効果を発揮しにくく、十分な効果を出すためには樹脂基材に多量に添加する必要があり、樹脂基材の強度等の物性の低下を招く場合がある。このため、重合体中の一般式(3)で表わされる単量体ユニットの割合は、重合体全量に対して10質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上とすることがより好ましい。
【0019】
次に、一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物と反応させる、2価以上のポリエポキシ化合物について説明する。
2価以上のポリエポキシ化合物としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリンジ又はトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ又はトリグリシジルエーテル、ジグリセリントリ又はテトラグリシジルエーテル等の芳香環を含まないアルコールのグリシジルエーテル;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル等の芳香環を含むアルコールのグリシジルエーテル;ビフェノールジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールEジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラキス(グリシジルフェニル)エタン、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノールのグリシジルエーテル;テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、メチルテトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等の芳香環を含まないカルボン酸のグリシジルエステル;フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸グリシジルエステル、トリメリット酸グリシジルエステル等の芳香環を含むカルボン酸のグリシジルエステル;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、m−グリシドキシ−N,N’−ジグリシジルアニリン、4,4’−メチレンビス(ジグリシジルアニリン)等のアニリン類のグリシジルアミン;4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス(2−メチル−4,5−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等の脂環式のエポキシ化合物;エポキシ化大豆油、エポキシ化ナタネ油等のエポキシ化油脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン等のエポキシ化ポリジエン;トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらの中でも、芳香環を含有するエポキシ化合物及びエポキシ化ポリジエン化合物が好ましい。
また、2価以上のポリエポキシ化合物の重量平均分子量は、好ましくは2,500以下、より好ましくは2,000以下である(尚、ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーにて分析した場合のポリスチレン換算の平均分子量である)。これは、あまりに分子量が大きいと、得られる帯電防止剤の分子量が大きくなりすぎ、添加する樹脂基材との相溶性が高くなりすぎて帯電防止効果を得るまでに時間がかかったり、粘度が高くなりすぎてハンドリングが悪くなる場合があるためである。
【0020】
前記一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物と、以上説明した2価以上のポリエポキシ化合物とを反応させる場合、それぞれ、1種類ずつ用いて反応させてもよいし、どちらか又は両方を2種類以上用いて反応させてもよい。一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物と、2価以上のポリエポキシ化合物のどちらも芳香環又はポリジエン構造を有する化合物でない場合、得られる反応物は、スチレン系樹脂には良く相溶し、優れた帯電防止性を発現するが、オレフィン系樹脂等への相溶性があまり良くない傾向がある。この傾向は、分子内に芳香環又はポリジエン構造を導入することにより相溶性を向上させることができる。従って、一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物又は2価以上のポリエポキシ化合物の少なくとも何れか一種は、芳香環又はポリジエン構造を有する化合物であることが好ましい。
【0021】
一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物と、2価以上のポリエポキシ化合物は、触媒の存在下又は非存在下、50〜200℃、好ましくは80〜160℃で加熱及び混合することにより反応させることができる。一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物と、2価以上のポリエポキシ化合物との反応比は、一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物の反応基(水酸基及びアニオン性親水基の合計の当量)1当量に対して、2価以上のポリエポキシ化合物のエポキシ基を、好ましくは0.2〜5当量の範囲、更に好ましくは0.4〜2.5当量の範囲で反応させることがよい。また、必要に応じて、イソオクタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶剤や、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒を使用してもよい。
【0022】
反応に際して使用することができる触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、セシウムメトキシド等のアルカリ;トリブチルアミン、ジメチルラウリルアミン等の3級アミン;硫酸、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、三フッ化ホウ素、塩化スズ(II、IV)、塩化鉄(II、III)等の酸;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムハイドロゼンサルフェイト、トリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、N−ラウリルピリジニウムクロライド、N−ラウリルピコリニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、メチルトリデシルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩等が挙げられる。尚、一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物として、Xがアニオン性親水基であるものを反応させる場合は、これらの置換基が自己触媒となるので、改めて触媒を添加しなくてもよい場合がある。
【0023】
一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物と、2価以上のポリエポキシ化合物との反応で得られる本発明の帯電防止剤は、単独で樹脂に添加しても十分な帯電防止性が得られるが、低分子量アニオン化合物と共に樹脂に配合することにより、帯電防止効果が発現するまでの時間が短縮され、いわゆる即効性が向上するので好ましい。ここでいう低分子量アニオン化合物は、酸性基を有する有機化合物、又はそれと塩基性化合物との中和物が代表的である。酸性基を有する化合物としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸、(アルキル置換)安息香酸、(アルキル置換)サリチル酸、ポリアクリル酸、N−アシルメチルアミノ酢酸塩、アシル化アミノ酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸等のカルボン酸;アルキルスルホン酸、(アルキル置換)ベンゼンスルホン酸、(アルキル置換)フェニルエーテルジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、イセチオン酸、イセチオン酸脂肪酸エステル、イセチオン酸アルキルエーテル、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、スルホコハク酸ジエステル等のスルホン酸;アルキル硫酸エステル、アルケニル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアマイド硫酸エステル、スルホ脂肪酸エステル等の硫酸エステル;酸性アルキルリン酸エステル、酸性アルキル亜リン酸エステル、酸性ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル、アルキルホスホン酸等のリン酸等が挙げられる。これらの中でも、特にスルホン酸が好ましい。
酸性基を有する化合物が高分子量の場合、帯電防止効果の速効性が十分発揮されない場合がある。従って、酸性基を有する化合物の分子量は100〜500が好ましく、100〜400がより好ましい。
【0024】
上記の酸性基を有する化合物は遊離酸の形でもよいが、塩基性化合物との中和物として使用することが好ましい。こうした塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;アンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアミン;テトラフェニルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム等の有機ホスホニウム等が挙げられる。中でも特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属類の水酸化物が好ましい。
【0025】
このような低分子量アニオン化合物として典型的なものは、一般にアニオン界面活性剤として知られている化合物である。例えば、ラウリン酸ナトリウム(Na)塩、ラウリン酸カリウム(K)塩、ステアリン酸Na塩、ステアリン酸K塩、N−ラウリルメチルアミノ酢酸トリエタノールアミン塩、N−ラウリルグルタミン酸Na塩、ドデセニルコハク酸Na塩、オクタデセニルコハク酸Na塩、t−ブチル安息香酸Na塩、デシルスルホン酸Na塩、炭素数9〜13のアルキルスルホン酸Li塩、炭素数9〜13のアルキルスルホン酸Na塩、オクタデシルスルホン酸Na塩、p−トルエンスルホン酸Na塩、ドデシルベンゼンスルホン酸Li塩、ドデシルベンゼンスルホン酸Na塩、ドデシルベンゼンスルホン酸K塩、ナフタリンスルホン酸Na塩、ノニルナフタリンスルホン酸Na塩、イセチオン酸Na塩、イセチオン酸ラウリルエステルNa塩、イセチオン酸ラウリルエーテルNa塩、炭素数12〜14のα−オレフィンスルホン酸Na塩、炭素数16〜18のα−オレフィンスルホン酸Na塩、α−スルホステアリン酸メチルエステルNa塩、スルホコハク酸ジブチルエステルNa塩、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルNa塩、ラウリルサルフェートNa塩、ステアリルサルフェートNa塩、ステアリルサルフェートK塩、オレイルサルフェートNa塩、炭素数14〜15のアルキルサルフェートNa塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェートNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートNa塩、ポリオキシエチレンステアリン酸エタノールアマイドサルフェートNa塩、スルホオレイン酸ブチルエステルNa塩、ラウリルホスフェートNa塩、ステアリルホスフェートNa塩、ステアリルホスファイトNa塩、ブチルジグリコールホスフェートNa塩、フェニルジグリコールホスフェートNa塩、ラウリルホスホン酸Na塩等が挙げられる。
【0026】
本発明の帯電防止剤と、低分子量アニオン化合物との配合割合は、質量比で10/90〜99.5/0.5であることが好ましく、15/85〜99/1であることがより好ましい。
本発明の帯電防止剤は、そのまま樹脂に添加してもよいが、必要に応じて担体に含浸させてから添加することもできる。担体に含浸させる場合は、そのまま加熱、混合してもよいし、必要に応じて、有機溶媒で希釈してから担体に含浸させ、その後溶媒を除去する方法でもよい。こうした担体としては、樹脂のフィラーや充填剤として知られているものが使用できる。例えば、ケイ酸カルシウム粉、シリカ粉、タルク粉、アルミナ粉及び酸化チタン粉等が挙げられるが、特にシリカ粉が好ましい。
【0027】
本発明の帯電防止剤を配合することができる樹脂基材としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィン;ポリスチレン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロプレン、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等のポリハロオレフィン;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリイミド樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等の熱硬化性樹脂;シリコーン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム等のゴム系高分子化合物等が挙げられる。また、これら樹脂を組み合わせた、いわゆるポリマーアロイでもよい。
これらの中でも、本発明の帯電防止剤の効果が発現しやすい樹脂基材は、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル及びポリカーボネート等である。
【0028】
本発明の帯電防止剤を樹脂基材に配合する量は特に限定されない。しかし、あまり多量に配合すると、基材の樹脂の機械的強度等の物性が低下したり、配合するのが難しくなる場合があり、あまりに配合量が少ないと帯電防止効果が不十分となる場合があるので、好ましい配合量は樹脂基材に対して0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜15質量%、最も好ましくは0.1〜10質量%である(シリカ等の担体に含浸させている場合は、含浸させた帯電防止剤の量として。)。配合方法は特に限定されず、通常使用されている任意の方法を用いることができる。例えば、ロール混練り、バンパー混練り、押し出し機或いはニーダー等により混合すればよい。
【0029】
本発明の帯電防止剤は、公知の樹脂添加剤、例えば、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、その他の帯電防止剤、防曇剤、滑剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、防黴剤、結晶核剤、相溶剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、無機電解質、フィラー、充填剤、顔料、香料等と併用することができる。これらの中でも酸化防止剤又は滑剤を併用することが好ましい。
【0030】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert.−ブチルフェノール(以下、tert.−ブチルを「t−ブチル」と略記する。)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌルレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)サルファイド、1,3,5−トリス(4−ジ−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル−ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルサルファイド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−{ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−リン酸ジエステル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイド、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等が挙げられる。
【0031】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジイソトリデシル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、1,1,3−ブチリジントリス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジイソトリデシル)ホスファイト、2,2−プロピリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジイソトリデシル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジホスホナイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシルオキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン等が挙げられる。
【0032】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジオクチルチオジプロピオネート、ジデシルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリル−β,β’−チオジブチレート、(3−オクチルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−デシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−ラウリルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−ステアリルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−オレイルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−ラウリルチオプロピオン酸)−4,4’−チオジ(3−メチル−5−t−ブチル−4−フェノール)エステル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−ベンズイミダゾールジスルフィド、ジラウリルサルファイド、アミルチオグリコール等が挙げられる。
【0033】
これらの酸化防止剤の配合量は、基材となる樹脂によって変化するため一概にいえないが、概ね樹脂基材に対して0.001〜15質量%が好ましく、0.005〜10質量%がより好ましく、0.01〜5質量%が最も好ましい。
【0034】
滑剤としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤;ステアリルアルコール、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪族系滑剤;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンステアリン酸アミド等のアミド系滑剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム/ステアリン酸亜鉛複合体、ステアリン酸亜鉛/ステアリン酸カルシウム複合体等の金属石鹸系滑剤;硬化油脂、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸ブチル、ペンタエリスリトールステアレート、ステアリン酸ステアリル等のエステル系滑剤が挙げられる。
これらの滑剤の配合量は、基材となる樹脂によって変化するため一概にいえないが、概ね樹脂基材に対して0.001〜15質量%が好ましく、0.005〜10質量%がより好ましく、0.01〜5質量%が最も好ましい。
【0035】
これらの他、紫外線吸収剤、光安定剤等も好ましく併用することができる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0036】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニルメタン)等が挙げられる。
【0037】
その他の紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート等のサリシレート系;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系;2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド等のオキザリックアシッド系等が挙げられる。
【0038】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト−{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト−{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}、ジメチルサクシネート/4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノール重合体、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、エチレンビス(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキサ−4−ピペリジン)等が挙げられる。
【0039】
その他の光安定剤としては、例えば、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)}−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルジブチルジチオカルバメート、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)}−2−ブチルアミンニッケル(II)、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチレートニッケル錯体等のニッケル系光安定剤;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0040】
その他の帯電防止剤としては、例えば、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ジエタノールアミン脂肪酸アミド、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、N−アルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0041】
その他の添加剤としては、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム塩等の造核剤;テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロデカン、テトラブロモ無水フタル酸、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、クロレンド酸、テトラクロロ無水フタル酸等のハロゲン系難燃剤;リン酸アンモニウム、トリクレジルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリス(β−クロロエチル)フォスフェート、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニルフォスフェート等のリン系難燃剤;赤燐、酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒素化グアニジン等の無機系難燃剤;フタル酸エステル、二塩基酸エステル、塩素化パラフィン、ポリエステル、エポキシ化エステル、リン酸エステル、トリメリット酸エステル等の可塑剤;金属石鹸、有機スズ、有機鉛、ホスファイト、エポキシド、β−ジケトン、ポリオール、過塩素酸塩、ハイドロタルサイト、ゼオライト等の塩化ビニル安定剤等が挙げられる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例中、部及び%は特に記載のない限り質量基準である。
【0043】
まず、以下の化合物A(A−1〜11)及び化合物B(B−1〜9)を用いて、本発明品を合成した。構造式中のEOはオキシエチレン基を表わし、POはオキシプロピレン基を表わす。
【0044】
A−1:ノニルフェノールホルムアルデヒド縮合物(重合度15)ポリエチレングリコール(10)エーテル
Figure 0004610056
【0045】
A−2:p−クミルフェノールホルムアルデヒド縮合物(重合度10)ポリエチレングリコール(10)エーテルの部分エーテルカルボン酸
Figure 0004610056
【0046】
A−3:フェノールホルムアルデヒド縮合物(重合度10)ポリエチレングリコール(10)ポリプロピレングリコール(10)エーテルの部分硫酸エステル
Figure 0004610056
【0047】
A−4:ブロムフェノールホルムアルデヒド縮合物(重合度8)のエチレンオキサイド及びメチルグリシジルエーテルブロック付加物
Figure 0004610056
【0048】
A−5:ポリヒドロキシスチレン(重合度10)のエチレンオキサイド付加物
Figure 0004610056
【0049】
A−6:ヒドロキシスチレン/スチレン共重合物のエチレンオキサイド付加物
Figure 0004610056
【0050】
A−7:ビスフェノールA{ビスポリエチレングリコール(10)エーテル}
Figure 0004610056
【0051】
A−8:1,1,3−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン{トリスポリエチレングリコール(10)エーテル}
Figure 0004610056
【0052】
A−9:ポリエチレングリコール(数平均分子量1,000)
A−10:ポリオキシエチレン(45)ポリオキシプロピレン(10)グリコール(ランダム状)
A−11:グリセリントリスポリエチレングリコール(7)エーテル
尚、A−2、A−3、A−6はブッロク状ポリマーである。
【0053】
B−1:クレゾールホルムアルデヒド縮合物(重合度7)グリシジルエーテル
Figure 0004610056
【0054】
B−2:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
Figure 0004610056
【0055】
B−3:フタル酸ジグリシジルエステル
Figure 0004610056
【0056】
B−4:エポキシ化ポリブタジエン(重量平均分子量1,000、エポキシ当量200g/eq)
B−5:エポキシ化ポリイソプレン(重量平均分子量2,000、エポキシ当量250g/eq)
【0057】
B−6:トリグリシジルイソシアヌレート
Figure 0004610056
【0058】
B−7:ポリエチレングリコール(数平均分子量1,000)ジグリシジルエーテル
【0059】
B−8:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
Figure 0004610056
【0060】
B−9:(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート
Figure 0004610056
【0061】
<<本発明品1の合成>>
攪拌機及び温度計を備えた100mlの4口フラスコに化合物A−1を67.4g、化合物B−1(エポキシ当量219g/eq)21.9g、及び触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド1.5gを入れ、140℃で5時間攪拌し反応させて本発明品1を得た。以下、同様に反応させて、本発明品2〜18を合成した。使用した化合物A、化合物B、それらの使用割合、及び触媒を表1に示す。
【0062】
【表1】
本発明品の合成
Figure 0004610056
当量比=Aの反応基/Bのエポキシ基 ( )内の数値は質量比である。
【0063】
また、上記本発明品とドデシルベンゼンスルホン酸を配合し、本発明品19及び20とした。
本発明品19:本発明品1とドデシルベンゼンスルホン酸を質量比100:20で混合したもの
本発明品20:本発明品15とドデシルベンゼンスルホン酸を質量比100:20で混合したもの
【0064】
また、上記本発明品をシリカ粉(トクヤマ製、商品名:トクシールNP)40質量部に含浸にさせたものを本発明品21及び22とした。
本発明品21:100部の本発明品1を、40部のシリカ粉に含浸させたもの
本発明品22:100部の本発明品15を、40部のシリカ粉に含浸させたもの
【0065】
また、比較品として以下のものを用いた。
比較品1:ポリエチレングリコール(数平均分子量4,000)
比較品2:ポリエーテルエステルアミド(ω−アミノデカン酸30部、ドデカ二酸13部及びポリエチレングリコール(数平均分子量1,000)57部の反応物)
比較品3:前記化合物A−1
比較品4:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
【0066】
<実施例1>
本発明品1〜6、16〜21又は比較品1〜4の各帯電防止剤を用いて、下記の表2に示す割合でポリプロピレンの樹脂組成物を配合し、押し出し機を用いて250℃及び15rpmの条件でペレットを作成した。このペレットを射出成形機を用いて250℃の条件で、直径10cm及び厚さ1mmのシートを作成した。
【0067】
【表2】
実施例1の配合割合
Figure 0004610056
【0068】
<実施例2>
本発明品1、7〜15、19又は比較品2、4の各帯電防止剤を用いて、下記の表3に示す割合でポリカーボネートの樹脂組成物を配合し、押し出し機を用いて280℃及び15rpmの条件でペレットを作成した。このペレットを射出成形機を用いて280℃の条件で、直径10cm及び厚さ1mmのシートを作成した。
【0069】
【表3】
実施例2の配合割合
Figure 0004610056
【0070】
<実施例3>
本発明品3〜9、18〜21又は比較品1、2の各帯電防止剤を用いて、下記の表4に示す割合でポリスチレンの樹脂組成物を配合し、押し出し機を用いて250℃及び15rpmの条件でペレットを作成した。このペレットを射出成形機を用いて250℃の条件で、直径10cm及び厚さ1mmのシートを作成した。
【0071】
【表4】
実施例3の配合割合
Figure 0004610056
【0072】
<帯電防止性評価方法>
上記実施例1〜3で作成したシート形の樹脂試験片を、成形加工後、温度23℃及び湿度60%の環境で1日間保存後に、樹脂試験片の表面固有抵抗値を下記条件にて測定した。
測定装置:アドバンテスト社製デジタル超高抵抗計R8340
測定温度:23℃
測定湿度:60%
印加電圧:500V
印加時間:1分間
次いで、試験片を、水を含ませたガーゼにて往復50回拭取り、風乾し、更に流水中に30分浸漬し、風乾後の表面抵抗値を測定した。得られた結果を表5〜7に示す。
【0073】
【表5】
実施例1の評価結果
Figure 0004610056
【0074】
【表6】
実施例2の評価結果
Figure 0004610056
【0075】
【表7】
実施例3の評価結果
Figure 0004610056
【0076】
以上の評価試験結果から明らかなように、本発明の帯電防止剤を使用した種々の樹脂成形品は、比較品を使用した樹脂成形品に比べて、その表面抵抗値が低く、ガーゼで拭取った後でも殆ど変化しないか、変化幅が小さいことがわかる。また、ポリプロピレン樹脂(実施例1)では、本発明の帯電防止剤を使用した樹脂成形品は、比較品より少量の添加で、比較品を添加した樹脂成形品よりも、その表面抵抗値が低い。従って、本発明の帯電防止剤は、多くの種類の樹脂に対して少量の添加でも優れた帯電防止効果とその持続性に優れていることがわかる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の効果は、少量でも帯電防止効果が高く、帯電防止効果の持続性に優れた高分子型の帯電防止剤を提供したことにある。

Claims (7)

  1. 下記の一般式(1)
    Figure 0004610056
    (式中、Mはポリオールから水酸基を除いた残基を表わし、R1はアルキレン基又は側鎖がエーテル基で置換されたアルキレン基を表わし、nは1以上の数を表わし、Xは水素原子又はアニオン性親水基を表わし、mはポリオールの水酸基の数と同数を表わす2以上の数である。)
    で表わされるポリオキシアルキレン化合物と、2価以上のポリエポキシ化合物との反応物からなることを特徴とする帯電防止剤。
  2. 前記一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物又は2価以上のポリエポキシ化合物のうちの少なくとも一種が、芳香環又はポリジエン構造を有する化合物である請求項1に記載の帯電防止剤。
  3. 2価以上のポリエポキシ化合物の重量平均分子量が、2,500以下である請求項1又は2に記載の帯電防止剤。
  4. 前記一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物が、下記の一般式(2)
    Figure 0004610056
    (式中、R1、n及びXは一般式(1)と同義であり、R2は水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表わす。)
    で表わされる単量体ユニットを有する重合体である請求項1、2又は3に記載の帯電防止剤。
  5. 前記一般式(1)で表わされるポリオキシアルキレン化合物が、下記の一般式(3)
    Figure 0004610056
    (式中、R1、n及びXは一般式(1)と同義である。)
    で表わされる単量体ユニットを有する重合体である請求項1、2又は3に記載の帯電防止剤。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の帯電防止剤、及び低分子量アニオン化合物を含有することを特徴とする帯電防止剤組成物。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の帯電防止剤を担体に含浸させてなることを特徴とする帯電防止剤含浸物。
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