JP4841750B2 - 帯電防止剤、帯電防止剤組成物、帯電防止剤含浸物及び樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として合成樹脂用に使用する帯電防止剤、帯電防止剤組成物、並びに帯電防止剤含浸物に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂は、軽量、加工が容易である、用途に応じて基材を設計することができる等の優れた特性を有しているため、現代では欠かすことのできない広い分野に使用されている重要な素材である。合成樹脂の重要な特性の一つとして、電気絶縁性が高いという性質がある。そのため合成樹脂は電気製品の種々のコンポーネントとして頻繁に利用されている。しかし、あまりに絶縁性が高いため、摩擦等によって製品が帯電するという問題がある。
【0003】
帯電した樹脂は、周囲の埃やチリを引き付けるため、樹脂成形品の外観を損ねるという問題がある。又、電子製品、例えばコンピューター等の精密機器は帯電により回路が正常に働くことができなくなる。更に、電撃による問題も存在する。樹脂から人体に対して電撃が発生すると不快感を与えるし、又、可燃性気体や粉塵のあるところでは、爆発事故を誘引する可能性もある。
従ってこのような問題を解消するため、通常、樹脂には帯電を防止する処理がなされている。最もポピュラーなのは、合成樹脂に帯電防止剤を加える方法である。帯電防止剤には、樹脂の分子中に帯電防止ユニットを共重合させる永久帯電防止剤と、樹脂を加工成形する際に添加する、練り込み型帯電防止剤に大別することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらのうち練り込み型帯電防止剤は、樹脂の表面にブリードして効果を発揮するものであるが、摩擦や水洗などにより樹脂の表面から取り除かれてしまうため、帯電防止効果の持続性が十分でないという点で問題があった。又、樹脂との相溶性が良くない場合は、内部の帯電防止剤がすぐに樹脂表面にブリードアウトしてしまい、数日から数週間で効果が無くなってしまうという問題点があった。この持続性を改良するために高分子系の帯電防止剤が検討されおり、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル樹脂(例えば、特開昭63−101444号公報)やポリエーテルエステルアミド(例えば、特開昭62−273252号公報)は、実際市販もされている。しかし、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル樹脂は耐熱性が低いためエンジニアリングプラスチックのような融解温度の高い樹脂に用いることはできないし、ポリエーテルエステルアミドは耐熱性は改良されているものの一般の樹脂との相溶性が悪くスチレン系樹脂に用途が限られるといった問題点があった。耐熱性および相溶性が改良されたものとしては、ポリオキシアルキレン鎖を有するフェノール類とジビニルベンゼンの共重合物(例えば、特開平7−70293号公報)、フェノキシ樹脂骨格を有するポリアルキレングリコール誘導体(例えば、特開平8−12963号公報)、フェノール樹脂骨格を有するポリアルキレングリコール誘導体(例えば、特開平12−34330号公報)等があるが、これらの従来提案されている帯電防止剤は、いずれも添加量が多くないと十分な帯電防止性効果が得られず、帯電防止効果の持続性も十分ではなかった。
本発明の目的は、樹脂との相溶性及び耐熱性に優れ、樹脂に少量添加しても高い帯電防止効果が得られ、帯電防止効果の持続性に優れた帯電防止剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は鋭意検討した結果、オキシアルキレン基の側鎖にハロゲン原子、エーテル基又はスルホン酸基を有するポリエーテル化合物が種々の合成樹脂に相溶し、良好な耐熱性を有し、優れた帯電防止効果及びその持続性があることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、下記の一般式(1)又は(2)
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】
{式中、Aは炭化水素を表わし、Xはハロゲン原子、−OR 1 (但し、R 1 は炭化水素基を表わす)で表わされる基又は−SO 3 Y(但しYは水素原子、金属原子、アンモニウム又は4級ホスホニウムを表わす)で表わされる基を表わし、Zは水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表わし、aは0又は1以上の数を表わし、bは1以上の数を表わす}で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物を含むことを特徴とする帯電防止剤である。
また、本発明は、前記一般式(1)又は(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物、及び低分子量アニオン化合物を含有することを特徴とする帯電防止剤組成物である。また、本発明は、前記一般式(1)又は(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物、及び必要に応じて低分子量アニオン化合物、その他の添加物を担体に含浸させてなる帯電防止剤含浸物である。
【0009】
更に、本発明は、樹脂基材に、前記帯電防止剤、帯電防止剤組成物若しくは帯電防止剤含浸物、及び下記の一般式(3)
【0010】
【化6】
【0011】
(式中、R2〜R5は、アリール基を表わし、Qはアリーレン基を表わし、c〜fは0若しくは1の数を表わし、sは1〜5の数を表わす。)
で表わされるリン系化合物を添加した樹脂組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
一般式(1)及び(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物は、ポリオールの水酸基にアルキレンオキシド等を反応させ、そのオキシアルキレン鎖の末端に、エピハロヒドリン又はモノグリシジルエーテルを付加重合させて、ハロゲン原子、−ORで表わされるエーテル基又は−SO3Yで表わされるスルホン酸基を導入した構造のポリエーテル化合物である。本発明は、このようなポリエーテル化合物を有効成分として含有する、主として合成樹脂用に使用する帯電防止剤、帯電防止剤組成物、又は帯電防止剤含浸物、並びに樹脂基材にこれらの帯電防止剤及び難燃剤としてのリン系化合物を添加してなる樹脂組成物である。
【0014】
一般式(1)及び(2)において、Aは炭化水素であるが、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。一般式(1)の(AO)aの部分は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキサイド)、長鎖α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができるオキシアルキレン鎖等である。アルキレンオキサイド等を付加重合することによって、(AO)aの部分を形成する場合は、付加させるアルキレンオキサイド等により(AO)aの種類が決定される。付加されるアルキレンオキシド等の重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキサイド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイド等のランダム共重合、ブロック共重合若しくはランダム/ブロック共重合等のいずれであってもよい。(AO)aが2種類以上のアルキレンオキサイド等である場合は、そのうちの一種はオキシエチレン基であることが好ましい。重合度aは0又は1以上の数であり、好ましくは0〜300であり、より好ましくは0〜200であり、最も好ましくは0〜100である。
【0015】
一般式(1)及び(2)において、Xはハロゲン原子、−OR1で表わされる基又は−SO3Yで表わされる基を表わす。ハロゲン原子としては、例えば、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。−OR1で表わされる基において、R1は炭化水素基を表わす。
【0016】
この炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル等のアルキル基;例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル等のアルケニル基;フェニル、スチリル、ベンジル、クミル等のアリール基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル等のシクロアルキル基又はシクロアルケニル基等が挙げられる。このような炭化水素基の中でも炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、ブチル基及びフェニル基が更に好ましい。
【0017】
−SO3Yで表わされる基において、Yは水素原子、金属原子、アンモニウム又は4級ホスホニウムを表わす。金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げられ、アンモニウムとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオパール、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアンモニウムが挙げられる。また、4級ホスホニウムとしては、例えば、テトラブチルホスホニウム、トリフェニルホスホニウム等が挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)において、下記の一般式(4)
【0018】
【化7】
【0019】
で表わされる部分は、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリン;メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル等を付加重合させ、必要に応じて、エーテル化やスルホン化することにより得ることができる。即ち、(I)エピハロヒドリンを付加重合させることによりXがハロゲン原子のものが得られ、(II)モノグリシジルエーテルを付加重合させることによりXが−OR1で表わされる基のものが得られ、(III)Xがハロゲン原子のものに亜硫酸ナトリウム等を反応させてハロゲン原子をスルホン酸基で置換することによりXが−SO3Yで表わされる基のYがナトリウムであるものが得られる。Yをナトリウムから水素原子に変える場合にはアニオン交換してナトリウムを除けば良いし、Yがナトリウム及び水素原子以外の場合には、Yがナトリウムであるものを公知の方法で塩交換するか、Yが水素原子であるものを対応するアルカリ性化合物で中和すれば良い。
【0020】
なお、(II)Xが−OR1で表わされる基のものである場合は、Xがハロゲン原子のもののハロゲン原子の部分若しくはXが水酸基であるものの水酸基を公知の方法によりエーテル化反応させることによっても得ることができる。
【0021】
一般式(1)及び(2)において、bは付加反応させるエピハロヒドリン又はモノグリシジルエーテルのモル数によって決定される値であり、bは1以上の数を表わし、好ましくは1〜300であり、より好ましくは2〜200であり、最も好ましくは5〜100である。一般式(1)及び(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物の分子は2つ以上のXを含有するが、その全てが同一の基でも良いし、複数の異なった種類の基の混合でも良い。なお、一般式(1)及び(2)では、便宜上、(AO)aの部分と一般式(4)で表わされる部分がブロック共重合させるように表現されているが、AOのユニットと−CH2CH(CH2X)O−のユニットとがそれぞれランダムに重合したものでも良い。また、一般式(4)で表わされる部分は、実際には−CH2CH(CH2X)O−と−CH(CH2X)CH2O−との両方の構造が存在しそのいずれも本発明に含まれるが、便宜上、−CH2CH(CH2X)O−のみで表わしたものである。
【0027】
一般式(1)で表わされる単量体ユニットを含むポリエーテル化合物は、置換又は非置換フェノールのホルムアルデヒド縮合物の水酸基に、アルキレンオキシド等及びエピハロヒドリン又はモノグリシジルエーテル等を反応させて得られる重合体、又はこれに更にスルフォン酸基を導入した重合体である。
【0028】
一般式(1)においてZは水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル等のアルキル基;例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル等のアルケニル基;フェニル、スチリル、ベンジル、クミル等のアリール基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル等のシクロアルキル基又はシクロアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、樹脂との混和性や相溶性の面から、水素、ハロゲン又は炭素数30以下の炭化水素基が好ましく、水素、塩素、臭素又は炭素数18以下のアルキル基若しくはアリール基が最も好ましい。
【0029】
一般式(1)で表わされる単量体ユニットを有するポリエーテル化合物は、既知の方法でフェノール類をホルムアルデヒドで縮合させた後、アルキレンオキシド、及びエピハロヒドリン、又はモノグリシジルエーテル等を付加し、必要に応じてXのハロゲン原子をスルホン酸基に置換することにより得ることができる。また、フェノール類を縮合させる場合にはフェノール類と縮合可能な化合物と縮合させることができる。フェノール類と縮合可能な化合物としては、例えば、キシレン、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、アニソール等が挙げられる。
【0030】
また、一般式(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物は、ヒドロキシスチレンを単独で又は他の重合性化合物と共重合させた後、その水酸基にアルキレンオキシド等、及びエピハロヒドリン、又はモノグリシジルエーテル等を付加して得られる重合体、又は更に必要に応じてXのハロゲン原子をスルホン酸基に置換することにより得られる重合体である。ヒドロキシスチレンと共重合させる他の重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、イソプレン等のオレフィン系化合物;スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン、メトキシスチレン、(モノ、ジ、トリ)クロロスチレン、インデン、クマロン等の環状ビニル系化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン系化合物;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビニル、α−ハロ(メタ)アクリル酸(エステル)、クロトン酸(エステル)、イタコン酸(エステル)、マレイン酸(エステル)、フマル酸(エステル)等のアクリル酸系化合物;(メタ)アクリロニトリル、α−置換アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアクリロニトリル及びアクリルアミド系化合物;酢酸ビニル、(モノ、ジ)クロロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、アセト酢酸ビニル、安息香酸ビニル等の酢酸ビニル系化合物;アルキルビニルエーテル、ビニルアリールエーテル、ビニリデンエーテル、(メタ)アクロレイン等のヘテロ原子含有ビニル系化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、ジメチルブタジエン等のジエン系化合物等が挙げられる。
【0031】
一般式(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物中の一般式(3)の単量体ユニットの割合は特に限定されない。しかし、この割合が少ない場合には、帯電防止効果を発揮しにくく、十分な効果を出すためには樹脂基材に多量に添加する必要があり、樹脂基材の強度等の物性の低下をまねく。このため、ポリーテル化合物中の一般式(2)で表わされる単量体ユニットの割合は、10重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上とすることがより好ましい。
【0032】
本発明の一般式(1)及び(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物は、これを単独で樹脂に添加しても十分な帯電防止性が得られるが、特定の有機アニオン化合物を配合した帯電防止剤組成物とすることにより帯電防止効果が発現するまでの時間、いわゆる即効性が向上するので好ましい。本発明の帯電防止剤組成物に使用可能な有機アニオン化合物としては、酸性基を有する有機化合物を挙げることができる。この酸性基を有する有機化合物としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸、(アルキル置換)安息香酸、(アルキル置換)サリチル酸、ポリアクリル酸、N−アシルメチルアミノ酢酸塩、アシル化アミノ酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸等の有機カルボン酸;アルキルスルホン酸、(アルキル置換)ベンゼンスルホン酸、(アルキル置換)フェニルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、イセチオン酸、イセチオン酸脂肪酸エステル、イセチオン酸アルキルエーテル、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、スルホコハク酸ジエステル等の有機スルホン酸;アルキル硫酸エステル、アルケニル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアマイド硫酸エステル、スルホ脂肪酸エステル等の有機硫酸エステル;酸性アルキルリン酸エステル、酸性アルキル亜リン酸エステル、酸性ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル、アルキルホスホン酸等の有機リン酸等が挙げられる。これらの中でも特に有機スルホン酸が好ましく、アルキルスルホン酸又は(アルキル置換)ベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
【0033】
酸性基を有する有機化合物が高分子量の化合物である場合、帯電防止効果の即効性が発揮されない場合がある。従って。酸性基を有する有機化合物の平均分子量は100〜500が好ましく、100〜400がより好ましい。
【0035】
また、本発明の帯電防止剤組成物に使用可能な有機アニオン化合物としては、一般にアニオン界面活性剤として知られている化合物を挙げることができる。例えば、ラウリン酸Na、ドデセニルコハク酸Na、ラウリン酸K、ステアリン酸Na、ステアリン酸K、オクタデセニルコハク酸Na、t−ブチル安息香酸Na、N−ラウリルメチルアミノ酢酸トリエタノールアミン、N−ラウリルグルタミン酸Na、デシルスルホン酸Na、C9〜C13アルキルスルホン酸Li、C9〜C13アルキルスルホン酸Na,オクタデシルスルホン酸Na、p−トルエンスルホン酸Na、ドデシルベンゼンスルホン酸Li、ドデシルベンゼンスルホン酸Na、ドデシルベンゼンスルホン酸K、ナフタリンスルホン酸Na、ノニルナフタリンスルホン酸Na、イセチオン酸Na、イセチオン酸ラウリルエステルNa、イセチオン酸ラウリルエーテルNa、硫化C12〜14オレフィンNa、硫化C16〜18オレフィンNa、α−スルホステアリン酸メチルエステルNa、スルホコハク酸ジブチルエステルNa、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルNa、ラウリルサルフェートNa、ステアリルサルフェートNa、ステアリルサルフェートK、オレイルサルフェートNa、C14〜15アルキルサルフェートNa、硫酸化α−C12〜18オレフィンNa、ポリオキシエチレンラウリエーテルサルフェートNa、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートNa、ポリオキシエチレンステアリン酸エタノールアマイドサルフェートNa、スルホオレイン酸ブチルエステルNa、ラウリルホスフェートNa、ステアリルホスフェートNa、ステアリルホスファイトNa、ブチルジグリコールホスフェートNa、フェニルジグリコールホスフェートNa、ラウリルホスホン酸Na等が挙げられる。
【0036】
本発明の帯電防止剤組成物において、一般式(1)又は(2)で表わされる単量体ユニットを含有するポリエーテル化合物と有機アニオン化合物との割合は、重量比で10/90〜99.5/0.5であることが好ましく、より好ましくは15/85〜99/1である。
【0037】
本発明の帯電防止剤又は帯電防止剤組成物は、そのまま樹脂に添加しても良いが、必要に応じて適当な担体に含浸させた帯電防止剤含浸物の状態としてから添加しても良い。担体に帯電防止剤又は帯電防止剤組成物を含浸させる場合は、これらをそのまま加熱、混合しても良いし、必要に応じて、これらを有機溶媒で希釈してから担体に含浸させ、その後溶媒を除去する方法でも良い。こうした担体としては、樹脂のフィラーや充填剤として知られているものが使用できる。例えば、ケイ酸カルシウム粉、シリカ粉、タルク粉、アルミナ粉、酸化チタン粉等が挙げられるが、特に、シリカ粉が好ましい。
【0038】
本発明の帯電防止剤、帯電防止剤組成物又は帯電防止剤含浸物は、これらを樹脂基材に添加・配合して使用する。本発明の樹帯電防止剤を配合する樹脂基材としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィン;ポリスチレン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロプレン、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等のポリハロオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(ABS)、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート等ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリイミド樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等の熱硬化性樹脂;シリコーン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム等のゴム系高分子化合物等が挙げられる。また、これら樹脂を組み合わせた、いわゆるポリマーアロイでも良い。
【0039】
本発明の帯電防止剤、帯電防止剤組成物又は帯電防止剤含浸物を樹脂基材に配合する量は特に限定されない。しかし、あまり多量に配合すると、基材の樹脂の機械的強度等の物性が低下したり、配合するのが難しくなる場合があり、一方、あまりに配合量が少ないと帯電防止効果が不十分となる場合があるので、好ましい配合量は樹脂基材に対して0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜15重量%、最も好ましくは1〜10重量%である。配合方法は特に限定されず、通常使用されている任意の方法を用いることができる。例えば、ロール混練り、バンパー混練り、押し出し機、ニーダー等により混合すれば良い。
【0040】
本発明の帯電防止剤、帯電防止剤組成物又は帯電防止剤含浸物は、樹脂基材に対して難燃剤と共に添加・配合して樹脂組成物とすることにより、樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。併用することができる難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロデカン、テトラブロモ無水フタル酸、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、クロレンド酸、テトラクロロ無水フタル酸等のハロゲン系難燃剤;リン酸アンモニウム、トリクレジルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリス(β−クロロエチル)フォスフェート、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニルフォスフェート、フェニレンビス(ジフェニルフォスフェート)、フェニレンビス(フェニルクレジルフォスフェート)、フェニレンビス(ジクレジルフォスフェート)、フェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルフォスフェート)、ビスフェノールAビス(ジクレジルフォスフェート)等のリン系難燃剤;赤燐、酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒素化グアニジン等の無機系難燃剤が挙げられる。難燃剤のなかでも、ハロゲン系難燃剤や含ハロゲンリン系難燃剤等のハロゲンを含有する難燃剤を配合した合成樹脂は、燃焼時にダイオキシン類が発生する恐れがあることから、近年では、ハロゲンを含有する難燃剤は敬遠される傾向にある。また、難燃剤の中には本発明の帯電防止性組成物と併用すると、樹脂基材によっては、熱により着色したり、耐熱性が低下したりするものもある。こうした恐れのない難燃剤としては、下記の一般式(3)
【0041】
【化8】
【0042】
(式中、R2〜R5は、アリール基を表わし、Qはアリレーン基を表わし、c〜fは0又は1の数を表わし、sは1〜5の数を表わす。)
で表わされるリン系化合物が特に好ましい。
【0043】
一般式(3)において、R2〜R5は、アリール基を表わし、それぞれ同一であっても異なっていても良い。アリール基としては、例えば、前記一般式(1)のXが−OR1で表わされる基の場合に記載したアリール基と同一のものが挙げられ、中でも、フェニル、クレジル、キシレニルが好ましい。また、Qはアリーレン基を表わす。アリーレン基は2価のフェノール類から水酸基を除いた残基である。こうした2価フェノールとしては、例えば、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール等が挙げられる。c〜fは0又は1の数を表わし、それぞれ同一であっても異なっていても良い。sは繰り返し単位の平均値であり、1〜5の数を表わす。なお、一般式(3)で表わされるリン系化合物は、公知の方法(例えば、特開昭59−202240号公報)により製造することができる。これらのリン系化合物としては、例えばフェニレンビス(ジフェニルフォスフェート)、フェニレンビス(フェニルクレジルフォスフェート)、フェニレンビス(ジクレジルフォスフェート)、フェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルフォスフェート)、ビスフェノールAビス(ジクレジルフォスフェート)等が挙げられる。
【0044】
これらの難燃剤の配合量は、基材となる樹脂及び用途によって変化するため一概に言えないが、概ね樹脂基材に対して0.5〜30重量%が好ましく、1〜25重量%がより好ましく、5〜20重量%が最も好ましい。
【0045】
本発明の帯電防止剤、帯電防止剤組成物又は帯電防止剤含浸物は、この他に、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、その他の帯電防止剤、防曇剤、滑剤、可塑剤、着色剤、防黴剤、結晶核剤、相溶剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、無機電解質、フィラー、充填剤、顔料、香料等のその他の樹脂添加剤を配合して併用することができる。中でも酸化防止剤又は滑剤を併用することが好ましい。
【0046】
このような酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤が挙げられる。
【0047】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert.−ブチルフェノール(以下tert.−ブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピレデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル,3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル,3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル,3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル,テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールエステル,3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌルレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)サルファイド、1,3,5−トリス(4−ジ−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル−ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルサルファイド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−{ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−リン酸ジエステル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイド、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等が挙げられる。
【0048】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジイソトリデシル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、1,1,3−ブチリジントリス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジイソトリデシル)ホスファイト、2,2−プロピリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジイソトリデシル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジホスホナイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシルオキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン等が挙げられる。
【0049】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジオクチルチオジプロピオネート、ジデシルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリル−β,β’−チオジブチレート、(3−オクチルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−デシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−ラウリルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−ステアリルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−オレイルチオプロピオン酸)ペンタエリスリトールテトラエステル、(3−ラウリルチオプロピオン酸)−4,4’−チオジ(3−メチル−5−t−ブチル−4−フェノール)エステル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−ベンズイミダゾールジスルフィド、ジラウリルサルファイド、アミルチオグリコール等が挙げられる。
【0050】
これらの酸化防止剤の配合量は、基材となる樹脂によって変化するため一概に言えないが、概ね樹脂基材に対して0.001〜15重量%が好ましく、0.005〜10重量%がより好ましく、0.01〜5重量%が最も好ましい。
【0051】
本発明の使用できる滑剤としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤;ステアリルアルコール、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪族系滑剤;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンステアリン酸アミド等のアミド系滑剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム/ステアリン酸亜鉛複合体、ステアリン酸亜鉛/ステアリン酸カルシウム複合体等の金属石鹸系滑剤;硬化油脂、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸ブチル、ペンタエリスリトールステアレート、ステアリン酸ステアリル等のエステル系滑剤が挙げられる。
【0052】
これらの滑剤の配合量は、基材となる樹脂によって変化するため一概に言えないが、概ね樹脂基材に対して0.001〜15重量%が好ましく、0.005〜10重量%がより好ましく、0.01〜5重量%が最も好ましい。
【0053】
本発明の使用できるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0054】
本発明の使用できるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニルメタン)等が挙げられる。
【0055】
本発明の使用できるその他の紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート等のサリシレート系;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系;2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド等のオキザリックアシッド系等が挙げられる。
【0056】
本発明の使用できるヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト−{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト−{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエチル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ},ジメチルサクシネート/4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノール重合体、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、エチレンビス(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキサ−4−ピペリジン)等が挙げられる。
【0057】
本発明の使用できるその他の光安定剤としては、例えば、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)}−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルジブチルジチオカルバメート、{2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)}−2−ブチルアミンニッケル(II)、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチレートニッケル錯体等のニッケル系光安定剤;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0058】
本発明の使用できるその他の帯電防止剤としては、例えば、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ジエタノールアミン脂肪酸アミド、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、N−アルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0059】
その他の添加剤としては、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム塩等の造核剤;フタル酸エステル、二塩基酸エステル、塩素化パラフィン、ポリエステル、エポキシ化エステル、リン酸エステル、トリメリット酸エステル等の可塑剤;金属石鹸、有機スズ、有機鉛、ホスファイト、エポキシド、β−ジケトン、ポリオール、過塩素酸塩、ハイドロタルサイト、ゼオライト化等の塩ビ安定剤等が挙げられる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中、「部」、「%」等の単位は特に記載の無い限り重量基準である。
まず、以下の製造例1〜4に従って、本発明の帯電防止剤(本発明品1〜7及び9〜14)を製造した。
【0061】
製造例1:
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた3000cm3のステンレス製加圧反応装置に、ノニルフェノールホルムアルデヒド縮合物(重合度15)234g及びナトリウムメチラートの28%メタノール溶液1gを仕込み、装置内を窒素で置換後、100℃に加熱し減圧してメタノールを除去した。この後130℃でエチレンオキサイド440gを反応させ、次いで、メチルグリシジルエーテル360gを反応させて本発明品1を得た。
以下、本発明品1と同様の方法で、本発明品2、本発明品6、本発明品9を、出発物質をヒドロキシスチレン重合体(重合度15)に代えて本発明品10、本発明品11及び本発明品14を製造した。
【0062】
製造例2:
本発明品1の製造例1と同様の反応装置に、ノニルフェノールホルムアルデヒド縮合物(重合度15)234g及びナトリウムメチラート28%メタノール溶液1gを仕込み、装置内を窒素で置換後、100℃に加熱し減圧してメタノールを除去した。この後130℃でエチレンオキサイド352gを反応させた。冷却後、触媒として塩化第二スズ2gを加え、100℃に加熱しエピクロルヒドリン370gを反応させて本発明品3を得た。
以下、本発明品3と同様の方法で、出発物質をヒドロキシスチレン重合体(重合度15)に代えて本発明品12を製造した。
【0063】
製造例3:
本発明品1の製造例と同様の反応装置に、p−クミルフェノールホルムアルデヒド縮合物(重合度8)181g及びナトリウムメチラート28%メタノール溶液1gを仕込み、装置内を窒素で置換後、100℃に加熱し減圧してメタノールを除去した。この後130℃でエチレンオキサイド282gを反応させた。冷却後、触媒として塩化第二スズ2gを加え、100℃に加熱しエピクロルヒドリン74gを反応させた。次いで、水1000g及び亜硫酸ナトリウム102gを加えて、100℃で5時間反応させてスルホン化反応を行った後、100℃に加熱し減圧下に水を除去して本発明品4を得た。
以下、本発明品4と同様の方法で本発明品7、及び出発物質をヒドロキシスチレン重合体(重合度15)に代えて本発明品13を製造した。
【0064】
製造例4:
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた200cm3のガラス製反応装置に、本発明品4を47g、テトラブチルホスホニウムブロマイド12g及び水60gを仕込み、60℃で1時間攪拌して、スルホン酸塩をナトリウム塩からホスホニウム塩に交換した。この後、100℃に加熱し減圧下に水を除去して本発明品5を得た。
【0065】
このようにして得られた本発明品1〜7及び9〜14のポリエーテル化合物の化学構造及びその説明を下記の化学式及び表1と表2に示す。尚、表1及び表2の化学構造の説明中の「EO」はオキシエチレン基、「PO」はオキシプロピレン基、−C6H5はフェニル基、−C4H9はブチル基を表わす。また、( )間の「−」はブロック共重合を表わし、「/」はランダム共重合を表わす。
【0066】
【化9】
【0067】
【表1】
【0068】
【化10】
【0069】
【表2】
【0070】
更に、本発明品のポリエーテル化合物に低分子量アニオン化合物を配合して、以下の本発明品15及び本発明品16の帯電防止剤組成物を製造した。
本発明品15:本発明品6とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとが同重量の配合物。
本発明品16:本発明品10とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとが同重量の配合物。
【0071】
また、本発明品のポリエーテル化合物を担体であるシリカ粉(トクヤマ製 商品名:トクシールNP)に含浸させて、以下の本発明品17及び本発明品18の帯電防止剤含浸物を製造した。
本発明品17:本発明品6の100重量部をシリカ粉40重量部に含浸させたもの。
本発明品18:本発明品15の100重量部をシリカ粉40重量部に含浸させたもの。
【0072】
また、比較対照用として、以下の比較品1〜比較品5を別途用意した。
比較品1:ポリエチレングリコール(分子量4000)
比較品2:ポリオキシエチレン(30)ノニルフェノールサルフェートのナトリウム塩
比較品3:ビスフェノールAのエチレンオキサイド20モル付加物
比較品4:グリセリンモノステアレート
【0073】
【化11】
【0074】
また、樹脂組成物に配合する難燃剤として、以下のものを用いた。
【0075】
【化12】
【0076】
難燃剤2:トリフェニルフォスフェート
【0077】
これらのものを用いて本発明の帯電防止剤及び比較品の帯電防止剤を配合した樹脂組成物を調製し、以下の実施例において、下記の方法によって表面個有抵抗、耐熱性及び着色性を測定し、その帯電防止剤としての性能の評価を行なった。
【0078】
(1)帯電防止性
シート状に成形された樹脂試験片を用いて、表面固有抵抗値を下記条件にて測定し、帯電防止性を評価した。
測定装置:アドバンテスト社製デジタル超高抵抗系R8340
測定温度:23℃
測定湿度:60%
印加電圧:500V
印加時間:1分間
なお、測定は、成形加工後、温度23℃、湿度60%の条件で24時間経過後の試験片、及びこの1日後の試験片を攪拌された40℃の水中に1時間浸漬した後、水滴をガーゼ拭取った直後の試験片の両者について表面抵抗値を測定した。
【0079】
(2)耐熱性
長さ110mm、幅4mm、高さ12mmに成形された樹脂試験片について、JIS K7207に準拠し、下記の試験機を用いて熱変形温度(HDT)を測定し、帯電防止剤の添加による耐熱性の変化を評価した。なお、熱変形温度の低いものほど耐熱性が低下していることを示す。
HDT測定装置: 東洋精機製作所社製 HDT測定機3A−2
荷 重: 18.5kgf/cm2(A法)
【0080】
(3)熱着色性
シート状に成形された樹脂試験片について、下記の試験機を用いて帯電防止剤を添加したものとブランク(帯電防止剤及び難燃剤を無添加のもの)との成形品表面の色差(△E)測定し、樹脂成形時の熱着色性を評価した。この色差の値の大きいものほど、熱着色性が大きく、帯電防止剤として適当でないことをを示している。
色差測定装置: ミノルタ社製 色差計CM−3700d
【0081】
実施例1:
本発明品1〜4、6、9〜10、14〜18又は比較品1〜5の各帯電防止剤を用いて、下記の表3に示す割合でポリプロピレンの樹脂組成物を配合し、押し出し機で250℃、15rpmの条件でペレットを作成した。このペレットを射出成形機を使用し250℃の条件で、直径10cm、厚さ1mmのシートを作成した。
このポリプロピレンシートについての表面固有抵抗の測定結果を表4に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
実施例2:
本発明品4,6,10,12,13,15〜18又は比較品1、3、4、5の各帯電防止剤を用いて、下記の表5に示す割合でポリカーボネート/ABS樹脂の樹脂組成物を配合し、押し出し機で280℃、15rpmの条件でペレットを作成した。このペレットを射出成形機を使用し280℃の条件で、直径10cm、厚さ1mmのシート及び長さ110mm、幅4mm、高さ12mmの棒状試験片を作成した。
このポリカーボネート/ABS樹脂シートについての色差及び表面固有抵抗、ポリカーボネート/ABS樹脂棒状試験片についてのHDTの測定結果を表6に示す。
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
実施例3:
本発明品3〜5、7及び13〜18又は比較品1、2、4及び5の各帯電防止剤を用いて、下記の表7に示す割合でポリスチレンの樹脂組成物を配合し、押し出し機で250℃、15rpmの条件でペレットを作成した。このペレットを射出成形機を使用し250℃の条件で、直径10cm、厚さ1mmのシートを作成した。このポリスチレンシートについての表面固有抵抗の測定結果を表8に示す。
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
以上の評価試験結果から明らかなように、種々の樹脂について本発明品を使用した樹脂成形品は、比較品を使用した樹脂成形品に比べて、その表面抵抗値が低く、水浸漬後でもほとんど変化しないか、変化幅が小さく、優れた帯電防止性を有し、これが長期間にわたって持続することがわかる。また、ポリカーボネート/ABS樹脂組成物では、樹脂に対して、耐熱性の低下や着色も少ない。従って、本発明品の帯電防止性組成物は、多くの種類の樹脂に対して優れた帯電防止性能とその持続性を有し、かつ耐熱性も優れることがわかる。
【0091】
【発明の効果】
本発明の効果は、少量でも帯電防止効果が高く、持続性に優れた、かつ良好な耐熱性を有する高分子型の合成樹脂用帯電防止剤を提供したことにある。
Claims (4)
- 請求項1に記載の帯電防止剤と、脂肪酸、アルケニルコハク酸、(アルキル置換)安息香酸、(アルキル置換)サリチル酸、ポリアクリル酸、N−アシルメチルアミノ酢酸塩、アシル化アミノ酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸、アルキルスルホン酸、(アルキル置換)ベンゼンスルホン酸、(アルキル置換)フェニルエーテルジスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、イセチオン酸、イセチオン酸脂肪酸エステル、イセチオン酸アルキルエーテル、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、スルホコハク酸ジエステル、アルキル硫酸エステル、アルケニル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアマイド硫酸エステル、スルホ脂肪酸エステル、酸性アルキルリン酸エステル、酸性アルキル亜リン酸エステル、酸性ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル、アルキルホスホン酸、ラウリン酸Na、ドデセニルコハク酸Na、ラウリン酸K、ステアリン酸Na、ステアリン酸K、オクタデセニルコハク酸Na、t−ブチル安息香酸Na、N−ラウリルメチルアミノ酢酸トリエタノールアミン、N−ラウリルグルタミン酸Na、デシルスルホン酸Na、C9〜C13アルキルスルホン酸Li、C9〜C13アルキルスルホン酸Na,オクタデシルスルホン酸Na、p−トルエンスルホン酸Na、ドデシルベンゼンスルホン酸Li、ドデシルベンゼンスルホン酸Na、ドデシルベンゼンスルホン酸K、ナフタリンスルホン酸Na、ノニルナフタリンスルホン酸Na、イセチオン酸Na、イセチオン酸ラウリルエステルNa、イセチオン酸ラウリルエーテルNa、硫化C12〜14オレフィンNa、硫化C16〜18オレフィンNa、α−スルホステアリン酸メチルエステルNa、スルホコハク酸ジブチルエステルNa、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルNa、ラウリルサルフェートNa、ステアリルサルフェートNa、ステアリルサルフェートK、オレイルサルフェートNa、C14〜15アルキルサルフェートNa、硫酸化α−C12〜18オレフィンNa、ポリオキシエチレンラウリエーテルサルフェートNa、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートNa、ポリオキシエチレンステアリン酸エタノールアマイドサルフェートNa、スルホオレイン酸ブチルエステルNa、ラウリルホスフェートNa、ステアリルホスフェートNa、ステアリルホスファイトNa、ブチルジグリコールホスフェートNa、フェニルジグリコールホスフェートNa、及びラウリルホスホン酸Naからなる群から選択される有機アニオン化合物とを含有することを特徴とする帯電防止剤組成物。
- 請求項1に記載の帯電防止剤又は請求項2に記載の帯電防止剤組成物を担体に含浸させることを特徴とする帯電防止剤含浸物。
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