WO2006095826A1

WO2006095826A1 - ポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルム及びポリテトラフルオロエチレン樹脂含浸体

Info

Publication number: WO2006095826A1
Application number: PCT/JP2006/304628
Authority: WO
Inventors: Yasukazu Nakatani; Toshirou Miura; Yasuhiko Sawada; Hiroshi Torii
Original assignee: Daikin Industries, Ltd.
Priority date: 2005-03-10
Filing date: 2006-03-09
Publication date: 2006-09-14
Also published as: US20090035582A1; JPWO2006095826A1; US8105694B2; JP4766044B2

Abstract

本発明は、機械的安定性に優れ、組成物の送液時や加工時にＰＴＦＥ樹脂の繊維化による凝集物の発生量の極めて少ないＰＴＦＥ水性分散液組成物を提供するものである。本発明は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂（Ａ）、炭化水素系非イオン性化合物（Ｂ）及び主鎖に酸素原子を有さない水溶性高分子化合物（Ｃ）を含むことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性分散液組成物である。

Description

明細書

ポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルォロェチレン樹脂フィルム及びポリテトラフルォロエチレン樹脂含浸体

技術分野

[0001] 本発明は、ポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物、ポリテトラフルォロェチレン榭脂フィルム及びポリテトラフルォロエチレン榭脂含浸体に関する。

背景技術

[0002] ポリテトラフルォロエチレン〔PTFE〕榭脂を含む水性分散液組成物は、従来、ガラス繊維、カーボン繊維、ケプラー繊維等に含浸して膜構造建築物の屋根材等の含浸体の製造に用いられ、また、高周波プリント基板、搬送用ベルト、パッキン等の用途において、被塗装物上に塗布し焼成することよりなるフィルム形成に用いられてきた。

[0003] 従来の PTFE榭脂を含む水性分散液組成物は、機械的応力を受けた場合、 PTFE 粒子が凝集物となりやすぐ組成物やこれを用いて得られるフィルムや含浸体の品質が損なわれる問題があった。すなわち、ポンプなどを用いて組成物を移送する際に組成物中に凝集物が発生し、ポンプ内やフィルター上などで詰まったりすることがあつた。また、金属基材ゃ繊維基材上にドクターバーを用いて均一な厚みの被膜を形成させる際にドクターバー付近で凝集物が発生し、被膜上に異物として残ることがあつた。また、各種基材上にスプレーガンを用いて被膜を形成させる際にガンのノズル部などで凝集物が発生し、被膜上に異物として付着することがあった。

[0004] このような機械的安定性の改善を目的とした PTFEの水性分散液組成物としては、ポリエチレンォキシドゃ水溶性ポリウレタン系会合型増粘剤を配合したもの（例えば、特許文献 1参照。）等が提案されている。

[0005] しかしながら、特許文献 1では、ポリエチレンォキシドと水溶性ポリウレタン系会合型増粘剤以外の水溶性高分子化合物を配合した PTFEの水性分散組成物につヽて記載されていない。

[0006] 特許文献 1 :特開 2000— 198899号公報（請求項 1、〔0019〕）

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明の目的は、上記現状に鑑み、機械的安定性に優れ、組成物の送液時や加工時に凝集物の発生量の極めて少ない PTFE水性分散液組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明は、ポリテトラフルォロエチレン榭脂 (A)、炭化水素系非イオン性化合物 (B) 及び主鎖に酸素原子を有さない水溶性高分子化合物 (C)を含むことを特徴とするポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物である。

[0009] 本発明は、被塗装物上に上記ポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物を塗装することにより得られることを特徴とするポリテトラフルォロエチレン榭脂フィルムである

[0010] 本発明は、被含浸体と、上記被含浸体に上記ポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有することを特徴とするポリテトラフルォ口エチレン榭脂含浸体である。

以下に本発明を詳細に説明する。

[0011] 本発明のポリテトラフルォロエチレン〔PTFE〕水性分散液組成物は、 PTFE榭脂 (A) 、炭化水素系非イオン性化合物 (B)及び主鎖に酸素原子を有さな、水溶性高分子化合物 (C) (以下、「主鎖に酸素原子を有さない水溶性高分子化合物 (C)」は、単に「水溶性高分子化合物（C)」とヽぅことがある。 )を含むものである。

[0012] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、特に限定されないが、コーティング用組成物として好適である。コーティング用組成物として用いる際、本発明の PTFE水性分散液組成物を被塗装物上に塗装又は被含浸体に含浸することにより、 PTFE榭脂 (A) 力もなる被膜を被塗装物上又は被含浸体表面上に形成することができる。本明細書にお、て、上記被塗装物と被含浸体との両方を含み得る概念として「基材」と、うことがある。塗装及び含浸は、一般に、本発明の PTFE水性分散液組成物を被塗装物上に塗布し又は被含浸体を浸漬し (本明細書にぉヽて、塗布及び浸漬を含み得る概念として「適用」ということがある。）、必要に応じて加熱等を行うことにより乾燥し、次いで、 PTFE榭脂 (A)の融点以上の温度に焼成することよりなる操作を！、う。 [0013] 本発明の PTFE水性分散液組成物は機械的安定性に優れ、ポンプ等を用いた移送時や、各種基材上に被膜を形成する際にドクターバーやスプレーガンのノズル部等に発生しやす!、凝集物が極めて少な!/、ものである。

[0014] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、 PTFE榭脂 (A)を含むものである。

本発明の PTFE水性分散液組成物において、上記 PTFE榭脂 (A)は、 PTFE榭脂（ A)粒子を構成している。該 PTFE榭脂 (A)粒子は、本発明の PTFE水性分散液組成物にお、て後述の水性媒体中に分散して、る。

[0015] 本明細書にぉ、て、 PTFE榭脂 (A)は、テトラフルォロエチレン〔TFE〕単独重合体及び Z又は変性ポリテトラフルォロエチレン〔変性 PTFE〕力もなる榭脂である。

[0016] 上記変性 PTFEは、 TFEと、 TFEと共重合可能な微量の単量体との共重合体である。上記微量の単量体としては、例えば、フルォロォレフイン、フッ素化（アルキルビ- ルエーテル）、環式のフッ素化された単量体、パーフルォロアルキルエチレン等が挙げられる。

[0017] 上記フッ素化（アルキルビュルエーテル）としては、例えば、パーフルォロ（アルキルビュルエーテル）〔PAVE〕が挙げられ、上記 PAVEとしては、例えば、パーフルォロ（メチルビ-ルエーテル）〔PMVE〕、パーフルォロ（ェチルビ-ルエーテル）〔PEVE〕、パーフルォロ（プロピルビュルエーテル）〔PPVE〕等が挙げられる。

[0018] 上記微量の単量体に由来する微量単量体単位は、変性 PTFEのポリマー鎖全体の 0. 001〜2質量％の範囲であることが好ましぐ 0. 01〜1質量％の範囲であることがより好ましい。上記微量単量体単位が上記範囲内であると、一般的に溶融成形できな!、と、う特徴をもちながらも TFE単独共重合体では達成不可能な性状を有する加ェ品が得られるという効果がある。具体的な性状としては、加工品の透明性などが挙げられる。

[0019] 本明細書において、上記微量の単量体に由来する微量単量体単位は、 PTFE水性分散体又は PTFE水性分散液組成物を凝析、洗浄、乾燥して得られたパウダーを用 V、て、赤外吸収スペクトル測定を行って得られた値である。

[0020] 本明細書にお!、て、上記微量単量体単位等の「単量体単位」は、変性 PTFEの分子構造上の一部分であって、対応する単量体に由来する部分を意味する。例えば、 PP VE単位は、変性 PTFEの分子構造上の一部分であって、 PPVEに由来する部分であり、 [CF -CF (-0-C F；) ]—で表される。

2 3 7

[0021] 上記 PTFE榭脂（A)は、数平均分子量が 100万〜 2000万であることが好ましぐ 15 0万〜 1500万であることがより好ましい。

上記数平均分子量が 100万未満であると、被膜が脆くなる傾向があり、 2000万を超えると、溶融粘度が高すぎて粒子同士が融着しに《なる傾向がある。

本明細書において、上記数平均分子量は、「Journal of Applied Polymer Sci ence」第 17卷、第 3253〜3257頁（1973)に記載の方法により測定して求めることができる。

[0022] 本発明の PTFE水性分散液組成物において、 PTFE榭脂 (A)粒子は、平均粒子径力 S200〜500nmであるものが好ましい。上記平均粒子径のより好ましい下限は 220 nmであり、より好ましい上限は 400nmである。 200nm以上であると、造膜性が飛躍的に高まる力 500nmを超えると、粒子が沈降しやすくなり、水性分散液組成物の安定性が低下する。

[0023] 本明細書において、上記平均粒子径は、固形分濃度 0. 22質量％に調整した、 PT FE水性分散液組成物又は PTFE水性分散体の単位長さに対する 550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒径との検量線をもとにして、上記透過率から決定した値である。

[0024] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、 PTFE榭脂 (A)が PTFE水性分散液組成物の 30〜70質量％であるものが好ましい。 30質量％未満であると、塗装、含浸を多数回要する場合があり、 70質量％を超えると、粘度が高くなり取扱いが困難となることがある。

上記 PTFE榭脂 (A)濃度は、より好まし!/、下限が PTFE水性分散液組成物の 40質量％、より好まし!/、上限が PTFE水性分散液組成物の 65質量％である。

[0025] 本明細書にぉ、て、上記 PTFE榭脂 (A)濃度は、 PTFE水性分散液組成物 10gを 3 80°Cの温度にて 45分間乾燥して得られた残渣の質量を、該乾燥前の上記 PTFE水性分散液組成物の質量に占める割合の百分率として求めたものである。

[0026] 上記 PTFE榭脂 (A)は、 TFE、又は、 TFEと上述の微量の単量体とを、乳化重合、懸濁重合等、公知の重合方法にて水性媒体の存在下に重合することにより得られる PTFE水性分散体により供給することができる。

上記重合は、乳化重合にて行うことが好ましい。

上記重合において、使用する水性媒体としては、例えば、水、水と公知の水溶性溶媒との混合液等が挙げられる。

上記重合は、使用する PTFE榭脂 (A)の種類及び量、並びに、乳化剤の種類等に応じて、条件を適宜設定して行うことができる。

[0027] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、上記 PTFE榭脂 (A)に加え、炭化水素系非イオン性化合物（B)及び水溶性高分子化合物（C)をも含むものである。

[0028] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、炭化水素系非イオン性化合物 (B)及び主鎖に酸素原子を有さなヽ水溶性高分子化合物 (C)が PTFE榭脂 (A)粒子を機械的応力から保護することとなり、凝集物の発生を防止するものと考えられる。

[0029] 本発明の PTFE水性分散液組成物中における炭化水素系非イオン性ィ匕合物 (B)としては、例えば、式 (I) :

R - O - A¹ - H (I)

(式中、 Rは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数 8〜19、好ましくは 10〜16のアルキル基; A¹は、炭素数 8〜58のポリオキシアルキレン鎖）

で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルや、式（Π)：

R-C H O— A¹— H (II)

6 4

(式中、 Rは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数 2〜13、好ましくは 4〜 12のアルキル基； A¹は、炭素数 8〜58のポリオキシアルキレン鎖）

で表されるポリオキシアルキレンアルキルフエ-ルエーテルが好ましい。

上記 A¹としては、 4〜20個のォキシエチレン単位及び 0〜6個のォキシプロピレン単位を有するポリオキシアルキレン鎖が好まし、。

[0030] 上記炭化水素系非イオン性化合物（B)としては、上記式 (I)で表されるポリオキシァルキレンアルキルエーテル及び上記式（Π)で表されるポリオキシアルキレンアルキルフエニルエーテルを何れか一方のみを用いてもよいし、両方とも用いてもよい。また、上記式 (I)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び上記式 (Π)で表されるポリオキシアルキレンアルキルフエ-ルエーテルとしては、それぞれ、 1種のみを用いてもよいし、 2種以上を用いてもよい。

[0031] 上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、式（ΠΙ)：

C H CH (C H ) C H 0 (C H O) H (III)

x 2x+ l y 2y+ l z 2z 2 4 n

(式中、 xは 1以上の整数、 yは 1以上の整数、 zは 0又は 1以上の整数、但し、 x、 y及び zは x+y+z = 7〜18の関係にある。 nは、 4〜20の整数である）

で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び Z又は、式 (IV)：

C H O A²— H (IV)

p 2p + l

(式中、 pは 8〜19の整数、 A²は、炭素数 13〜46のポリオキシアルキレン鎖である。 ) で表わされるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好適に使用できる。

上記式（IV)において、 A²は、 4〜20個のォキシエチレン単位及び 0〜6個のォキシプロピレン単位を有するポリオキシアルキレン鎖が好ましい。

上記ポリオキシアルキレンアルキルフエ-ルエーテルとしては、式 (V)：

C H C H O A³— H (V)

q 2q+ l 6 4

(式中、 qは 2〜13、好ましくは 4〜12の整数、 A³は、 4〜20個のォキシエチレン単位及び 0〜6個のォキシプロピレン単位を有するポリオキシアルキレン鎖が好まし!/、。 ) で表わされるポリオキシアルキレンアルキルフエ-ルエーテルが好適に使用できる。

[0032] 上記炭化水素系非イオン性化合物 (B)は、得られる水性分散液組成物の造膜性の点で、 150°C前後から徐々に分解が始まり、 350〜400°Cの温度範囲で 5分程度カロ熱した場合、加熱前の 1〜： L0質量％残存するものが好ましい。

上記炭化水素系非イオン性化合物（B)は、平均 HLBが 10〜16の範囲にあることが好ましぐさらに 11〜15の範囲にあることがより好ましい。

本明細書において、上記 HLBは、 Griffinの式に基づき算出した値である。

[0033] 本発明の PTFE水性分散液組成物において、炭化水素系非イオン性ィ匕合物 (B)は PTFE榭脂 (A) 100質量部に対して 2〜 12質量部であることが好ましい。炭化水素系非イオン性ィ匕合物 (B)が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対して 2質量部未満であると、組成物の安定性が損なわれることがあり、 PTFE榭脂 (A) 100質量部に対して 12 質量部を超えると、 PTFE水性分散液組成物を用いて得られる被膜が着色するなど、 PTFE被膜としての物性が低下することがある。

炭化水素系非イオン性化合物 (B)の PTFE榭脂 (A) 100質量部に対する含有量は、より好ましい下限が 3質量部、更に好ましい下限力質量部であり、より好ましい上限が 10質量部である。

[0034] 本発明の PTFE水性分散液組成物における水溶性高分子化合物（C)は、主鎖に酸素原子を有さなヽ水溶性高分子化合物である。上記水溶性高分子化合物 (C)としては、ある範囲の分子量を有し、側鎖の小さいものが好ましい。

主鎖に酸素原子を有する水溶性高分子化合物 (C)は、組成物に含まれる電解質や組成物温度の影響を受けやすぐ例えば、組成物中に電解質成分が多量に含まれるような場合には、粘度が増大することがあり、また、 PTFE榭脂 (A)の凝集物の発生を十分に防止できないことがある。上記水溶性高分子化合物 (C)は、水性分散体に調製して使用することが好ましい。

[0035] 上記主鎖に酸素原子を有さない水溶性高分子化合物（C)としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体、ポリビュルピロリドン、ポリビュルメチルエーテル、ポリビュルアルコールよりなる群力選ばれる少なくとも 1つであることが好まし、。上記群を構成するポリアクリル酸等の各種ィ匕合物又は化合物群は、それぞれ、 1種のみを用いてもよいし、 2種以上を用いてもよい。

[0036] 上記ポリアクリル酸誘導体としては、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド及び Z又はポリアクリル酸エステル等が挙げられる。上記「ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド及び Z又はポリアクリル酸エステル」としては、これら 3種のうち 1種のみを用いてもよいし、 2種以上を用いてもよぐまた、これら 3種それぞれについて、 1種のみを用いてもよいし、 2種以上を用いてもよい。

[0037] 上記ポリアクリル酸塩としては特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸と 1価の陽ィォンとにより形成される塩等が挙げられる。該 1価の陽イオンとしては、例えば、 Li+、 Na +、 K+、 ΝΗ⁴⁺等が挙げられ、なかでも、 Na+、 NH⁴⁺が好ましい。本明細書において、上記「ポリアクリル酸塩」は、本発明の PTFE水性分散液組成物において、全部又は一部が電離して、るものをも含む。

[0038] 上記ポリアクリル酸エステルとしては特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、ポリアクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基としては、例えば、炭素数 1〜5のアルキル基が好ましぐ炭素数 1〜3のアルキル基がより好ましい。

本発明におけるポリアクリル酸誘導体としては、なかでも、ポリアクリル酸塩、ポリアタリルアミドが好ましい。

[0039] 上記ポリアクリル酸、及び、その誘導体の平均分子量は 1万〜 2000万であることが好ましい。平均分子量が高いほど機械的安定性が向上するが、平均分子量が高すぎると水性分散体の粘度が高くなり、取扱いが困難となることがある。より好ましい下限は 2万であり、より好ましい上限は 1000万である。

[0040] 上記ポリビニルピロリドンの平均分子量は 1万〜 2000万であることが好ましい。平均分子量が高いほど機械的安定性が向上するが、平均分子量が高すぎると水性分散体の粘度が高くなり、取扱いが困難となることがある。より好ましい下限は 2万であり、より好ましい上限は 1000万である。

[0041] 上記ポリビュルメチルエーテルの平均分子量は 1万〜 2000万であることが好ましい。平均分子量が高いほど機械的安定性が向上するが、平均分子量が高すぎると水性分散体の粘度が高くなり、取扱いが困難となることがある。より好ましい下限は 2万であり、より好ましい上限は 1000万である。

[0042] 上記ポリビュルアルコールの重合度は 300〜6000であることが好ましい。重合度が高いほど分子量が高くなり、機械的安定性が向上するが、重合度が高すぎると水性分散体の粘度が高くなり、取扱いが困難となることがある。より好ましい下限は 500であり、より好ましい上限は 5000である。

[0043] 上記ポリビュルアルコールの鹼化度は 70〜99モル％であることが好まし!/、。この範囲においては、酸ィ匕度が高いほど水溶性が低ぐ酸ィ匕度が低いほど水溶性が高くなるが、安定な水性分散液組成物を調製するには上記範囲が適当である。より好ましい下限は 75モル⁰ /₀であり、より好ましい上限は 98モル⁰ /₀、更に好ましくは 95モル⁰ /₀ である。

[0044] 本発明の PTFE水性分散液組成物にぉヽて、水溶性高分子化合物（C)は PTFE榭脂 (A) 100質量部に対して 0. 00001〜1質量部であることが好ましい。 PTFE榭脂（ A) 100質量部に対して 0. 00001質量部未満であると、機械的安定性が不充分であることがあり、 PTFE榭脂 (A) 100質量部に対して 1質量部を超えると、組成物の粘度が高くなり、取扱いが困難となることがある。より好ましい下限は PTFE榭脂 (A) 10 0質量部に対して 0. 0001質量部である。

[0045] 本明細書にぉ、て、上記炭化水素系非イオン性化合物 (B)、上記水溶性高分子化合物 (C)の各量は、上記 PTFE榭脂 (A)濃度と、本発明の PTFE水性分散液組成物を調製する際に配合する量 (PTFE水性分散体調製時に配合した場合はその配合量も含む)とから、 PTFE榭脂 (A) 100質量部に対する質量として求めることができる。

[0046] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、本発明の効果を損なわな!/、かぎり、種々の公知の添加剤を配合することができる。上記添加剤としては、例えば、顔料、充填剤、消泡剤、乾燥遅延剤、造膜剤、レべリング剤、ハジキ防止剤、造膜助剤等が挙げられる。

上記顔料としては、特に限定されず、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等、公知の顔料が挙げられる。

上記充填剤としては、特に限定されず、公知のものが挙げられる。

上記消泡剤としては、例えば、トルエン、キシレン、炭素数 9〜11の炭化水素系などの非極性溶剤等が挙げられる。消泡剤としては、また、市販のシリコーン系コンパゥンドの乳化物、又は、シリコーンェマルジヨン（シリカ 'オタタメチルシクロテトラシロキサンのェマルジヨン）系消泡剤を添カ卩してもよぐシリコーンェマルジヨン系消泡剤としては、例えば、 SNデフォーマー 382 (サンノプコ社製）、 FSアンチフォーム 013A (ダウコ一-ングアジア社製）、 FSアンチフォーム 1277 (ダウコーユングアジア社製)等が挙げられる。これらは、 PTFE水性分散液組成物の 0. 01〜1質量％を添加することが好ましぐまた、コーティング等の加工直前に添加することが好ましい。

上記乾燥遅延剤としては、例えば、 200〜300°C程度の沸点を有する溶剤等が挙げられ、このような溶剤としては、水溶性溶剤が好ましい。

上記造膜剤としては、例えば、アクリル榭脂等が挙げられる。

上記レべリング剤ゃノヽジキ防止剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。

[0047] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、 25°Cにおける粘度が 0. lPa' s以下であるものが好ましい。粘度が高すぎると取扱いが困難になることがある。

より好ましい上限は 0. 06Pa' sであり、上記範囲内であれば、 0. OlPa' s以上であつてもよい。

本明細書において、上記粘度は、 B型回転粘度計 (東京計器社製)を用いて、 JIS K 6893に準拠して、 25°Cの温度にて測定したものである。

[0048] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、特に限定されないが、例えば、重合により得られた PTFE水性分散体を攪拌しながら、炭化水素系非イオン性ィヒ合物 (B)、水溶性高分子化合物 (C)及び所望により他の添加剤を添加し、混合することにより調製することができる。

[0049] 上記調製にお、て、炭化水素系非イオン性化合物 (B)は、 PTFE水性分散体を調製する際に添加することもでき、例えば、重合生成物である水性分散体を濃縮するに際し従来用いられてきた分散剤として添加してもよいが、通常、 PTFE水性分散体の調製後に追加して、目的とする PTFE水性分散体組成物の粘度に調整することが好ましい。

上記攪拌、添加及び混合の各操作の条件は、使用する組成物の成分や量により適宜設定することができる力 5〜30°Cの温度にて行うことが好ましい。

[0050] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、上述の構成からなるので、上述のように機械的安定性に優れるものである。

本明細書において、上記機械的安定性は、 35°Cに保持した 100mlの PTFE水性分散液組成物を、内径 8mm、外径 11mmの塩ィ匕ビニルチューブを備えたダイヤフラムポンプで 1500mlZ分の条件で 20分循環後、 200メッシュ SUS網を用いてろ過して、メッシュアップ量を、用いた PTFE水性分散液組成物に含まれる PTFE榭脂 (A)量に占める割合 (質量％)として測定し、これを機械的安定性指数として評価する。機械的安定性指数は 0. 65質量％以下であることが好ま U、。

[0051] 被塗装物上に上述の本発明の PTFE水性分散液組成物を塗装することにより得られるポリテトラフルォロエチレン〔PTFE〕榭脂フィルムもまた、本発明の一つである。上記被塗装物としては、特に限定されず、例えば、各種金属、ホーロー、ガラス、各種セラミックス、各種耐熱榭脂成形品が挙げられる。上記被塗装物は、何れの形状であってもよい。上記塗装は、通常、本発明の PTFE水性分散液組成物を塗布した後、乾燥し、次いで焼成することにより行うことができる。本発明の PTFE水性分散液組成物は、基材に直接塗装してもよいが、基材との密着性を向上させるために、プライマー層を設けてその上塗り層として形成することもできる。

[0052] 上記塗布は、特に限定されないが、デイツビング法、スプレー法、ロールコート法、ドクタ一ブレード法、フローコート法等、公知の塗装方法にて行うことができる。

上記乾燥は、使用する炭化水素系非イオン性ィヒ合物 (B)、水溶性高分子化合物 (C )等の種類等に応じて適宜設定することができる力室温〜 150°C、好ましくは 80〜 150°Cの温度にて、 5〜20分間行うことが好ましい。

上記焼成は、一般に、使用する PTFE榭脂 (A)の溶融温度以上、通常、 340〜415 °Cにて 5〜60分間行うこと力でき、 360〜400°Cにて 10〜30分間行うこと力子まし!/、本発明の PTFE榭脂フィルムは、用いた被塗装物の種類によっては上記焼成ののち該被塗装物から剥離したものであってもよいが、被塗装物と接したままのもの、又は、被塗装物とプライマー層等を介して接したままのものであってもよい。

[0053] 本発明の PTFE榭脂フィルムは、上述の本発明の PTFE水性分散液組成物を塗装してなるものである。

上記 PTFE榭脂フィルムは、通常、 5 μ m以上、好ましくは、約 10〜： LOO μ mの厚さを有する。

本発明の PTFE榭脂フィルムは、被塗装物が焼成時に実質的に劣化しな、ものであれば特に限定することなく得ることができ、例えば、金属調理器具、ベアリング、バルブ、電線、金属箔、ボイラー、パイプ、船底、オーブン内張り、アイロン底板、製氷トレ一、雪かきシャベル、すき、シュート、コンベア、ロール、金型、ダイス、のこぎり、やすり、きり等の工具、包丁、はさみ、ホッパー、その他の工業用コンテナ（特に半導体ェ業用）、铸型等の被覆材とすることができる。

本発明の PTFE榭脂フィルムは、特に、高周波プリント基板、搬送用ベルト、パッキン等の被覆材として好適に使用することができる。

[0054] 被含浸体と、前記被含浸体に上述の本発明の PTFE水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有するポリテトラフルォロエチレン〔PTFE〕榭脂含浸体もまた、本発明の一つである。

[0055] 上記被含浸体としては特に限定されず、例えば、繊維基材、織布 '不織布等が挙げられる。上記繊維基材としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、ァラミド繊維 (ケプラー (登録商標)繊維等）が挙げられる。上記含浸は、公知の方法にて行うことができる。

上記被膜は、上述の本発明の PTFE水性分散液組成物を含浸してなるものであるので、基材の形状や厚みにもよるが、通常、約 10〜： LOO /z mの厚さを有する。

発明の効果

[0056] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、上述の構成力なるものであるので、機械的安定性に優れ、組成物の送液時や加工時に PTFE榭脂の凝集物の発生を大きく低減することができる。

本発明の PTFE榭脂フィルムは、上述の構成力もなるものであるので、異物等の欠陥がなぐ均一な被膜とすることが容易である。

本発明の PTFE榭脂含浸体は、上述の構成力なるものであるので、異物等の欠陥がなぐ均一な被膜とすることが容易である。

発明を実施するための最良の形態

[0057] 本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。

[0058] 各実施例及び比較例で行った測定は、以下の方法により行った。

(1)平均粒子径

榭脂固形分濃度を 0. 22質量％に調整した PTFE水性分散体の単位長さに対する 5 50nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒径との検量線をもとにして、上記透過率から決定した。

(2) PTFE榭脂 (A)濃度

PTFE水性分散体組成物 10gを 380°Cの温度にて 45分間乾燥して得られた残渣の質量と、該乾燥前の上記 PTFE水性分散体組成物の質量に占める割合の百分率として求めた。

(3) PTFE水性分散液組成物における炭化水素系非イオン性ィヒ合物 (B)濃度上記（2)により求めた PTFE榭脂 (A)濃度と、本発明の PTFE水性分散液組成物を調製する際に配合する量 (PTFE水性分散体調製時に配合した場合はその配合量も含む)とから、 PTFE榭脂 (A) 100質量部に対する質量として求めた。

(4) PTFE水性分散液組成物における水溶性高分子化合物 (C)濃度

上記（2)により求めた PTFE榭脂 (A)濃度と、本発明の PTFE水性分散液組成物を調製する際に配合する量とから、 PTFE榭脂 (A) 100質量部に対する質量として求めた。

(5)粘度

B型回転粘度計 (東京計器社製)を用い、 JIS K 6893に準拠して、 25°Cにおける粘度を測定した。

(6)機械的安定性指数

35°Cに保持した 100mlの PTFE水性分散液組成物を、内径 8mm、外径 11mmの塩ィ匕ビュルチューブを備えたダイヤフラムポンプで 1500mlZ分の条件で 20分循環後、 200メッシュ SUS網を用いてろ過して、メッシュアップ量を、用いた PTFE水性分散液組成物に含まれる PTFE榭脂 (A)量に占める割合 (質量％)として測定した。

[0059] 調製例 1

PTFE榭脂 (A)として、乳化重合により平均粒径 325nm、 PTFE榭脂 (A)濃度 [P. C. ] 30.

得られた PTFE水性分散体に、炭化水素系非イオン性化合物 (B)としてポリオキシェチレンアルキルエーテル (商品名ノィゲン TDS— 80、第一工業製薬社製；平均 HLB = 13)を加えて、 70°C、 8時間静置して濃縮し、 P. C. 69. 5質量％、炭化水素系非イオン性ィ匕合物（B)濃度 [N. C. ]が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 2. 9質量部である PTFE水性分散液濃縮品を調製した。

[0060] 調製例 2

得られた PTFE水性分散体に、炭化水素系非イオン性化合物 (B)としてポリオキシェチレンアルキルエーテル (商品名ノィゲン TDS— 30、第一工業製薬社製；平均 HLB =8)をカ卩えて、液温 20〜80°Cの範囲にて濃縮を試みた力もとの濃度（P. C. 30. 2質量％)以上に濃縮されることはな力つた。

[0061] 調製例 3

得られた PTFE水性分散体に、炭化水素系非イオン性化合物 (B)としてポリオキシェチレンアルキルエーテル (商品名ノィゲン TDS— 200D、第一工業製薬社製；平均 H LB= 16. 3)をカ卩えて液温 20〜80°Cの範囲で濃縮を試みた力もとの濃度（P. C. 30. 2質量％)以上に濃縮されることはな力つた。

[0062] 実施例 1

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物 (C)としてポリアクリル酸水性分散体（日本純薬社製、分子量 2万、榭脂濃度 30質量⁰ /₀) 0. lg、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 61. 0質量⁰ /₀、 N. C.力 PTFE榭脂（A ) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物（C)が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 0. 02質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 3. 50 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 59質量％であった。

[0063] 実施例 2

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物 (C)としてポリアクリル酸水性分散体（日本純薬社製、分子量 100万、榭脂濃度 5 質量⁰ /₀) 0. 04g、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 61. 0質量⁰ /₀、 N. C.力PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物 (C)が PTFE榭脂 (A) 1 00質量部に対し 0. 001質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 3. 80 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 49質量％であった。 [0064] 実施例 3

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物 (C)としてポリアクリル酸水性分散体（日本純薬社製、分子量 100万、榭脂濃度 5 質量⁰ /₀) 0. 4g、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 60. 9質量⁰ /₀、 N. C.力 PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物（C)が PTFE榭脂 (A) 10 0質量部に対し 0. 01質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 4. 50 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 40質量％であった。

[0065] 実施例 4

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物 (C)としてポリアクリル酸ナトリウム水性分散体（日本純薬社製、分子量 100万、榭脂濃度 10質量％) 0. 2g、純水 35. 5gを添カ卩して、 P. C. 61. 0質量％、 N. C.が P TFE榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物（C)が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 0. 01質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 4. 35 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 39質量％であった。

[0066] 実施例 5

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物（C)としてポリアクリルアミド水性分散体 (三井ィ匕学アクアポリマー社製、分子量 10 00万、榭脂濃度 0. 4質量％) 10. 4g、純水 35. 5gを添カ卩して、 P. C. 59. 2質量％、N. C.が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物（C )が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 0. 02質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 3. 75 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 52質量％であった。

[0067] 実施例 6

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物 (C)としてポリビニルピロリドン水性分散体（日本触媒社製、分子量 10万、榭脂濃度 30質量⁰ /₀) 7. 0g、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 59. 8質量⁰ /₀、 N. C.力PTFE 榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物 (C)が PTFE榭脂 (A ) 100質量部に対し 1. 0質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 3. 70 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 55質量％であった。

[0068] 実施例 7

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物 (C)としてポリビニルピロリドン水性分散体（日本触媒社製、分子量 110万、榭脂濃度 20質量⁰ /₀) 2. lg、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 60. 6質量⁰ /₀、 N. C.力PTFE 榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物 (C)が PTFE榭脂 (A ) 100質量部に対し 0. 2質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 3. 15 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 33質量％であった。

[0069] 実施例 8

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物 (C)としてポリビニルピロリドン水性分散体（日本触媒社製、分子量 110万、榭脂濃度 20質量⁰ /₀) 5. 2g、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 60. 1質量⁰ /₀、 N. C.力PTFE 榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物 (C)が PTFE榭脂 (A ) 100質量部に対し 0. 5質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 4. 30 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 53質量％であった。

[0070] 実施例 9

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物（C)としてポリビニルアルコール水性分散体（日本酢ビ*ポバール社製、重合度 50 0、酸化度 88%、榭脂濃度 10質量％) 10. 4g、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 59. 2質量％、N. C.が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物（C)が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 0. 5質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 2. 60 X 10"'Pa- s,機械的安定性指数は 0. 63質量％であった。

[0071] 実施例 10

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、該水溶性高分子化合物（C)としてポリビニルアルコール水性分散体（日本酢ビ 'ポバール社製、重合度 3000、鹼化度 88%、榭脂濃度 10質量％) 2. lg、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 6 0. 6質量％、N. C.が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物（C)が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 0. 1質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 2. 40 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 53質量％であった。

[0072] 実施例 11

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、水溶性高分子化合物（C)としてポリビニルアルコール水性分散体（日本酢ビ*ポバール社製、重合度 30 00、酸化度 88%、榭脂濃度 10質量％) 4. 2g、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 60. 3質量％、N. C.が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 5. 9質量部、水溶性高分子化合物（C)が PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 0. 2質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 2. 80 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 41質量％であった。

[0073] 実施例 12

ガラス繊維を実施例 3で調製した PTFE水性分散液組成物に含浸、焼成して含浸体を成形した。用いたガラス繊維の厚みは 50 m、幅は 30cmであり、 1. 2mZ分の速度で移動させた。組成物は含浸時 25°Cに保ち、焼成温度は 380°C、焼成時間は 40 秒であった。

上記含浸、焼成を 125分間にわたって行い、被膜厚み lO /z m 150mの長さの含浸体を成形したが、異物は観察されなカゝつた。

また、ノィゲン TDS— 80Cは 350°Cで 5分間加熱した場合の固形分残存率が 4質量 %であり、成形された含浸体に着色は見られな力つた。

[0074] 実施例 13

実施例 7で調製した PTFE水性分散液組成物に、シリコーンェマルジヨン系消泡剤である FSアンチフォーム 013A (ダウコーユングアジア社製）を該 PTFE水性分散液組成物の 0. 1質量％の量で添加した。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 3. 30 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 35質量％であった。

[0075] 実施例 14

実施例 3で調製した PTFE水性分散液組成物の代わりに、実施例 7、及び、実施例 1 3で調製した PTFE水性分散液組成物を用ヽて、それぞれ実施例 12と同様の方法で含浸体を成形した力異物は観察されな力つた。消泡剤を添加した実施例 13の水性分散液組成物は、実施例 3、及び、実施例 7で調製した水性分散液組成物に比べ、含浸体成形時の泡立ちが少なく加工性も良好であった。

[0076] 実施例 15

実施例 7、及び、実施例 13で調製した PTFE水性分散液組成物につ、て、 JIS K 3362— 1990に規定の合成洗剤試験方法 (6. 5 起泡力と泡の安定度）に記載の装置（図 1に示す。 )を用ヽて泡試験を行つた（ロスマイルス法の応用）。

該装置に、それぞれの PTFE水性分散液組成物を試料として予め 50ml入れておき、該水面から 90cmの高さに先端が位置するように設置したピペットに 200mlの PTF E水性分散液組成物を入れ、該 PTFE水性分散液組成物を落下させ、生じた泡の高さを落下直後力も落下後 60分まで 10分おきに測定した。結果を表 1に示す。

[0077] [表 1]

[0078] 表 1に示す結果から、消泡剤を添加した実施例 13の水性分散液組成物は泡立ちが少なぐ加工性に優れていることが分力つた。

[0079] 比較例 1

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、純水 35. 5gを添加して、 P. C. 61. 0質量％、 N. C.が PTFE榭脂（A) IOO質量部に対し 5. 9質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 2. 70 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 96質量％であった。

[0080] 比較例 2

PTFE水性分散液濃縮品 300gに、ノィゲン TDS— 80 6. 3g、ポリエチレンォキシド水性分散体 (明成化学社製、分子量 100万、榭脂濃度 2質量％) 5. 2g、純水 35. 5 gを添加して、 P. C. 60. 1質量⁰ /o、N. C.カPTFE榭脂（A) 100質量部に対し5. 9 質量部、ポリエチレンォキシドが PTFE榭脂 (A) 100質量部に対し 0. 05質量部である PTFE水性分散液組成物を得た。

得られた PTFE水性分散液組成物の粘度は 4. 00 X 10"²Pa- s,機械的安定性指数は 0. 67質量％であった。

[0081] 比較例 3

ガラス繊維を比較例 1で調製した PTFE水性分散液組成物に含浸、焼成して含浸体を成形した。用いたガラス繊維や加工条件は実施例 12と同一とした。含浸開始後、約 40分経過時より、含浸体に断続的に異物が観察された。

産業上の利用可能性

[0082] 本発明の PTFE水性分散液組成物は、上述の構成力なるものであるので、機械的安定性に優れ、組成物の送液時や加工時に PTFE榭脂の凝集物の発生を大きく低減することができる。

本発明の PTFE榭脂含浸体は、上述の構成力なるものであるので、異物等の欠陥がなぐ均一な被膜とすることが可能である。

図面の簡単な説明 [0083] [図 1]図 1は、実施例 15において泡試験に用いた実験装置の模式図である。符号の説明

[0084] 1 起泡力測定装置

2 試料 50ml

3 ピペット

Claims

請求の範囲

[1] ポリテトラフルォロエチレン榭脂 (A)、炭化水素系非イオン性化合物 (B)及び主鎖に酸素原子を有さな!/、水溶性高分子化合物 (C)を含む

ことを特徴とするポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物。

[2] ポリテトラフルォロエチレン榭脂 (A)は、ポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物の 30〜70質量％であり、

炭化水素系非イオン性化合物 (B)は、前記ポリテトラフルォロエチレン榭脂 (A) 100 質量部に対して 2〜 12質量部であり、

水溶性高分子化合物 (C)は、前記ポリテトラフルォロエチレン榭脂 (A) 100質量部に対して 0. 00001〜1質量部である請求項 1記載のポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物。

[3] ポリテトラフルォロエチレン榭脂 (A)粒子は、平均粒子径が 200〜500nmである請求項 1又は 2記載のポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物。

[4] 水溶性高分子化合物（C)は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘導体、ポリビュルピロリドン、ポリビュルメチルエーテル、及び、ポリビュルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも 1つである請求項 1、 2又は 3記載のポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物。

[5] ポリアクリル酸誘導体は、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド及び Z又はポリアクリル酸エステルである請求項 4記載のポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物。

[6] 被塗装物上に請求項 1、 2、 3、 4又は 5記載のポリテトラフルォロエチレン水性分散液組成物を塗装することにより得られる

ことを特徴とするポリテトラフルォロエチレン榭脂フィルム。

[7] 被含浸体と、前記被含浸体に請求項 1、 2、 3、 4又は 5記載のポリテトラフルォロェチレン水性分散液組成物を含浸することにより得られる被膜とを有する

ことを特徴とするポリテトラフルォロエチレン榭脂含浸体。