WO2006093072A1

WO2006093072A1 - 航空機用座席

Info

Publication number: WO2006093072A1
Application number: PCT/JP2006/303552
Authority: WO
Inventors: Bungo Asami; Kohei Suzuki
Original assignee: Koito Industries, Ltd.
Priority date: 2005-03-01
Filing date: 2006-02-27
Publication date: 2006-09-08
Also published as: DE602006015434D1; HK1117114A1; US8020936B2; CN100519338C; US20100155536A1; EP1854718A1; EP1854718A4; JP4260124B2; EP1854718B1; CN101115656A; JP2006240379A

Abstract

　シートバックフレームを備えずに背板部材だけで着座者の荷重を受けることができるとともにシートバックフレームに起因した着座空間の犠牲をなくし、同時に座席の重量を軽減できる航空機用座席である。航空機の搭乗客が着座するための航空機用座席（１）において、航空機用座席（１）は、着座者の背中を受けるクッション（１２）を前面（１１ａ）に装着した背板部材（１１）と、該背板部材（１１）の後面（１１ｂ）に配設した、背板部材（１１）を補強する補強メンバー（１３）と、からなるシートバック（１０）を備え、背板部材（１１）を面剛性が高められる曲面状に形成した。

Description

明細書

航空機用座席

技術分野

[0001] 本発明は、航空機の搭乗客が着座するための航空機用座席に関する。

背景技術

[0002] 従来、航空機用座席や車両用座席など乗り物の座席一般に共通する構造が特開 2001— 057916号公報に記載されている。すなわち、乗り物の床に固定する脚部にベースフレームを固定して、そこにボトムフレームとシートバックフレームとを連結したものである。このように構成されたボトムフレームには着座者が座するボトムクッションが取り付けられ、シートバックフレームには着座者の背部を受けるシートバッククッションが取り付けられる。シートバッククッションは不図示の背板部材に取り付けられ、背板部材の側縁部および上縁部を囲むようにしてシートバックフレームが取り付けられる。

[0003] 航空機用座席では、シートバックフレームをチューブフレームによって形成し、背板部材を補強している。着座者による荷重は、背板部材を介してこのシートバックフレームが受けている。

発明の開示

[0004] し力しながら、このような従来の技術では、着座者の荷重を受けるための強度を得るためにシートバックフレームの幅が広ぐ着座者側に突き出る部分が大き力つた。このため、シートバックフレームが着座者に触れて着座感を損なわな！/、ようにするために、シートバックフレームと背板部材との段差を埋めるだけの厚さを有するシートバッククッションを装着していた。しかし、シートバッククッション自体力も得られる着座感の点からは不要に厚い場合もあり、その分、着座空間が犠牲になったり、座席の重量が重くなつたりすることがあるという問題点があった。

[0005] また、シートバックの美的外観の点から、目に触れる面には表生地あるいは別付けの意匠パネルを覆ってあるので、その分、部品点数が多くなつているという問題点がめつに。 [0006] さらに、これらのシートバッククッションおよび表生地の着脱は複雑な作業を必要とするので、着脱作業に手間が力かるという問題点もあった。

[0007] 本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、シートバックフレームを備えずに背板部材だけで着座者の荷重を受けることができるとともにシートバックフレームに起因した着座空間の犠牲をなくし、同時に座席の重量を軽減できる航空機用座席を提供することを目的として!ヽる。

[0008] さらに、部品点数の削減を可能にした航空機用座席を提供することを目的とする。

[0009] さらに、背板部材へのシートバッククッションの着脱が容易な航空機用座席を提供することを目的とする。

[0010] かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。

[1] 航空機の搭乗客が着座するための航空機用座席において、

着座者の背中を受けるクッションを前面に装着した背板部材と、該背板部材の後面に配設した、前記背板部材を補強する補強メンバーと、力もなるシートバックを備え、前記背板部材は、面剛性を高める曲面状に形成したことを特徴とする航空機用座席。

[0011] [2] 前記曲面は、着座者を安楽な姿勢に維持する形状であることを特徴とする [1

]に記載の航空機用座席。

[0012] [3] 前記クッションは、前記曲面に沿った形状に形成したことを特徴とする [1]または [2]に記載の航空機用座席。

[0013] [4] 前記補強メンバーと前記背板部材の後面との間隙をポケットに形成したことを特徴とする [ 1] , [2]または [3]に記載の航空機用座席。

[0014] [5] 前記背板部材は、側縁が前記前面から連続して一体に前方または後方に曲げられた側縁部を有し、該側縁部の内部は中空であることを特徴とする [1] , [2] , [3

]または [4]に記載の航空機用座席。

[0015] [6] 前記側縁部の中空の内部は、横断面の形状が連続して変化していることを特徴とする [5]に記載の航空機用座席。

[0016] [7] 前記クッションを前記背板部材の前面に着脱可能に装着するための装着部材を備え、

前記装着部材は、前記背板部材の前面側に設けた第 1部材と、前記クッション側に設けた第 2部材と、力成り、該第 2部材が前記第 1部材に係止して前記クッションが前記背板部材の前面に装着されることを特徴とする [1] , [2] , [3] , [4] , [5]または [6]に記載の航空機用座席。

[0017] 前記本発明は次のように作用する。

航空機用座席のシートバックは、硬質榭脂によって形成された背板部材の前面に着座者の背中を受けるためのクッションが装着されており、背板部材の後面には補強メンバーが設けられている。

[0018] 背板部材に形成された曲面形状は、背板部材の面剛性を高める効果を発揮して、る。これにより、シートバックフレームによる背板部材の補強が不要になるとともに背板部材を薄くできる。従来は、クッションを厚くしてシートバックフレームと背板部材との段差を埋めていた力シートバックフレームがないので、クッションは、クッション本来の機能として必要最小限の厚さにすることができる。その結果、シートバック全体を薄くすることができるので、シートバックの厚さによる着座空間の犠牲が少なくなつて、着座空間を拡張することができる。また、シートバックの重量を軽量ィ匕することができる。さらに、背板部材の曲面は人間工学に基づいて、着座者に安楽感を与える形状を併せ持つように形成することができる。

[0019] 背板部材の前面に装着するクッションは、背板部材に装着する面を背板部材の前記曲面に沿った形状に形成してあり、背板部材への装着が容易であるとともに、前記曲面による安楽感を効果的にもたらすことができる。クッションは、さらに着座者の背中を直接に受ける面も前記背板部材の曲面形状に沿った曲面形状にしてもよぐこれにより、さらにより良い安楽感をもたらすことができる。

[0020] 背板部材の前面と該前面へのクッションの装着面とには、クッションを背板部材の前面に着脱可能に装着するための装着部材が設けられている。装着部材としては、例えば、クッションの装着面と背板部材の前面とに貼着したベルク口（登録商標）等の面ファスナーである。これに替えて、あるいは、これに加えて、互いに嵌り合う形状に形成した嵌合部材をクッションの装着面と背板部材の前面とに取り付けてもよ、。タツシヨンは薄いものでもよぐ軽量であり、前記装着部材によって容易に着脱できる。

[0021] 背板部材の後面に設けた補強メンバーは、背板部材の強度を補強するものであり、背板部材と一体に形成してもよいし、別体に形成したものを後面に取り付けるようにしたものでもよい。背板部材はこの補強メンバーによって補強されるので、厚さを一層に薄くすることができる。

[0022] また、この補強メンバーは、背板部材の後面の両側力もそれぞれ後席側に張出した側部と、この側部から連続して前記背板部材の後面に沿って該後面との間に所定の間隙を形成する正面部とから成っている。この補強メンバーの上縁部は、背板部材の後面との間に上向きの開口を形成している。一方、補強メンバーの下端部は少なくとも部分的に閉じられている。これにより、補強メンバーと背板部材の後面とによつて形成された前記間隙は、ポケットとして利用することができる。このポケットは、開口が上を向いているので、雑誌や新聞等の比較的長い物品でも片手で容易に出し人れすることができる。

[0023] 航空機用座席は、シートバックの後面側に後席の着座者が使用するためのテープルを備えて、るが、補強メンバーは使用時の状態にあるテーブルの位置よりも上方に位置している。不使用時のテーブルは、物品の載置面が補強メンバーの正面部に面した状態に保持することができる。

[0024] なお、背板部材は、側縁が前面力連続して一体に前方または後方に曲げられた側縁部を形成し、該側縁部を中空に形成してもよい。これにより、背板部材の強度がさらに向上するとともに、側縁部が中空であるので背板部材の重量の増加を小さく抑えることができる。

[0025] また、 GFRP CFRP等の複合材料の特質上、背板部材の表面は榭脂であるので、後面などの目視できる部分の表面処理の仕方によっては、表生地や意匠パネルなどで覆う必要をなくすことができる。これにより、部品点数を減らすことができるとともに、表生地や意匠パネルなどの装着作業を不要にすることができる。

図面の簡単な説明

[0026] [図 1]本発明の一実施の形態に係る航空機用座席を示す斜視図である。

[図 2]本発明の一実施の形態に係る航空機用座席を示す側面図である。 [図 3]図 2における、 A— A線断面図である。

[図 4]図 2における、 B— B線断面図である。

[図 5]図 2における、 C— C線断面図である。

[図 6]図 2における、 D— D線断面図である。

[図 7]本発明の一実施の形態に係る航空機用座席の縦断面図である。

[図 8]本発明の一実施の形態に係る航空機用座席の背板部材にクッションを装着する装着部材の配置例の説明図であり、（A)は背板部材の前面側を示し、（B)はクッシヨンの装着面側を示す。

[図 9]図 8における装着部材の一つを示す拡大図であり、（A)は、背板部材の前面側に設けられた装着部材の一つを示し、（B)は、クッションの装着面側に設けられた装着部材の一つを示す。

発明を実施するための最良の形態

[0027] 以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。

図 1から図 9までの各図は本発明の一実施の形態を示している。

図 1は、本実施の形態にかかる航空機用座席を 3席繋げた 3人掛けの航空機用座席を斜め後方から見た斜視図であり、図 2は、本実施の形態に力かる航空機用座席の側面図である。

[0028] 航空機用座席 1は、シートバック 10、シートボトム 20、アームレスト 30、テーブル 40 など力も構成されている。シートボトム 20は、ボトムフレーム 21の上に設けられている。このボトムフレーム 21は、ベースフレーム 22に連結されている。このベースフレーム 22は脚部 23によって支持されており、この脚部 23は、航空機の客室内の床に設置される。

[0029] シートバック 10は、硬質の榭脂によって成形された背板部材 11、その前面 11aに装着されたクッション 12、および背板部材 11の後面 1 lb側に設けられた補強メンバ一 13力も成っている。背板部材 11は、傾動可能にベースフレーム 22に連結されている。

[0030] 背板部材 11は、例えば硬質榭脂によって形成され、面剛性を高めるために曲面状に形成されている。また、目視できる後面 l ibなどは、表生地や意匠パネルなどで覆う必要のない表面処理、例えば、エンボス力卩ェが施されている。このため、表生地や意匠パネルの装着を省、て部品点数を少なくできるので、シートバック 10の軽量ィ匕や製造工程の削減を図ることができる。図 3から図 6までは、それぞれ背板部材 11の横断面を示しており、図 3は、図 2の A— A線断面図であり、図 4は、図 2の B— B線断面図であり、図 5は、図 2の C C線断面図であり、図 6は、図 2の D— D線断面図である。また、図 7は、背板部材 11の縦断面図である。

[0031] 図 3は、補強メンバー 13よりも上で背板部材 11の最上部近くの横断面を示している。全体が僅かに後面 l ib側に反るように湾曲している。背板部材 11の両側縁部 11c は、背板部材 11の前面 11aから僅かに盛り上がっており、その内部は中空になっている。この側縁部 11cは、背板部材 11の強度を向上させる効果を有している。

[0032] 図 4は、図 3に示した断面の位置よりも下方位置の断面を示している。この位置では、前面 1 laは、片側の側縁部 1 lcからもう一方の側の側縁部 1 lcまで滑らかな曲面が形成されており、図 3に示した位置と同様に全体が僅か〖こ後面 l ib側に反るように湾曲している。側縁部 11cは、図 3に示した位置とは異なり、後面 l ib側に出ている。側縁部 11cの中空部分 l idは、図 3に示した位置の中空よりも大きくなつている。側縁部 1 lcは、背板部材 11の強度を高める効果を有して、る。

[0033] 側縁部 11cを覆うようにして補強メンバー 13が設けられている。補強メンバー 13は、背板部材 11とは別体に形成されたものであり、側縁部 11cを覆う両側部 13a, 13a と、該両側部 13a, 13aから連続して背板部材 11の後面 l ibとの間に空間 Sを形成する正面部 13bとから成っている。空間 Sは、後述するようにポケット Pとして使用される。

[0034] 図 5は、図 4に示した断面の位置よりも下方位置の断面を示している。この位置でも全体が僅かに後面 l ib側に反るように湾曲している。また、側縁部 11cおよび中空部分 l idがより大きくなつており、空間 Sもさらに大きくなつている。

[0035] 図 6は、図 5に示した断面の位置よりも下方で、アームレスト 30と略同じ位置における断面を示して、る。この位置でも全体が僅かに後面 1 lb側に反るように湾曲してヽる。また、側縁部 11cは後方に細長く突き出すような形状に変化している。この位置には補強メンバー 13に連続した部分はあるが、背板部材 11の前面 11 aとの間に空間 Sはなく、したがって、ポケット Pは無い。

[0036] 以上、図 3から図 6までに示した側縁部 11cおよび中空部分 l idは、横断面の形状が連続に変化している。上記したように、背板部材 11は側縁部 11cによって強度が一層に向上して、るが、側縁部 1 lcの内部は中空部分 1 Idが形成されて、るので、シートバック 10の重量増加は僅かになっている。

[0037] 図 7に示したように、背板部材 11の縦断面は極めて緩やかな S字状の曲面状に形成されて!/、る。この縦断面に示された曲面形状と前記横断面に示された曲面形状と力曲面によって背板部材 11の面剛性が高められている。さらに、人間工学的に着座者が安楽感を得られる形状に形成されている。背板部材 11の上端部と下端部とはそれぞれ中空に形成されている。これにより、軽量ィ匕がなされている。後面 l ibの中央部にはフランジ 18が設けられている。このフランジ 18は、補強メンバー 13の下部を支えるように位置しており、ポケット Pの底部をなしている。フランジ 18は、補強メンバー 13の下部を完全に塞いでもよいし、ポケット Pに収納する物品が落ちない程度に塞いでもよい。

[0038] 前記補強メンバー 13が形成される位置は、図 1、および図 2の 2点鎖線で示した使用状態にあるテーブル 40よりも上方である。

[0039] ポケット Pは、雑誌 Mを縦に収納できるだけの深さを有して、る。ポケット Pへ物品を出し入れするための出し入れ口 14は、背板部材 11の後面 l ibと補強メンバー 13の上縁部 13cとによって上向きに形成されている。この出し入れ口 14は、後面 l ibに沿つた横長の開口に形成されている。

[0040] 図示したようにこの出し入れ口 14を上方に延長した空間には、ポケット Pへの物品の出し入れを妨げるような部材等が配設されておらず開放されている。上縁部 13cは、側部 13aにおいては背板部材 11の後面 l ibから下方に緩や力に傾斜している。したがって、出し入れ口 14の開口面は、背板部材 11の後面 l ibから下方に緩やかに傾斜している。このため、シートバック 10がアップライトの状態でも、後席の着座者は出し入れ口 14を見ることができるので、ポケット Pへの物品の出し入れが容易にできる。

[0041] 補強メンバー 13は、正面部 13bに取出し口 15が開設されている。取出し口 15の下縁部はポケット Pの底部よりも高い位置にある。この取出し口 15からもポケット Pに物品を出し入れすることができる。この取出し口 15は、不使用時のテーブル 40によって塞ぐことができる。テーブル 40は、その端部を、基端側が回動自在に枢支された 2本のアーム 50の先端側に挟まれるようにして回動自在に枢支されて、る。不使用時のテーブル 40は、物品の載置面 41側を補強メンバー 13の正面部 13bに沿って保持させておくことができる。取出し口 15の周縁には、テーブル 40を保持したときに、載置面 41とは反対側の裏面 42と正面部 13bの面との間に殆ど段差が生じないように凹みが形成されている。この凹みに収納されたテーブル 40は、補強メンバー 13と一体感を醸し出すように保持される。

[0042] 補強メンバー 13の正面部 13b側には、テーブル 40を保持するためのテーブル保持部 17が出し入れ口 14の近くに設けられている。テーブル保持部 17は、補強メンバ一 13の表面から一段凹んだ凹部 17aと、該凹部 17aに回動自在に設けられた回動部材 17bとから成る。

[0043] 一方、テーブル 40の裏面 42側にも一段凹んだ凹部 42aが設けられている。テープル 40を正面部 13bに沿って保持される位置に位置させると、凹部 42aとテーブル保持部 17の凹部 17aとは略同一面になるので、回動部材 17bを回して該回動部材 17 bの一部が凹部 42aに掛力るようにすることによってテーブル 40を保持することができる。

[0044] 図 8の (A)および (B)に示したように、背板部材 11の前面 11a側には、クッション 12 を着脱可能に装着するための 2種類の装着部材 60, 70が設けられている。この装着部材 60, 70それぞれは、互いに係止しあるいは嵌合する一対の部材であればよい。図示した例では、装着部材 60は面ファスナー 60であり、別の装着部材 70は、互いに嵌合する嵌合レール 70である。

[0045] 面ファスナー 60は、表面のほぼ全面に亘つて多数の鈎状部分が形成された第 1テープ 61 (第 1部材)と表面のほぼ全面に亘つて多数のパイル状部分が形成された第 2テープ 62 (第 2部材）とが一対をなす。これら第 1テープ 61と第 2テープ 62とを密着させたときに鈎状部分とパイル状部分とが互いに係止するものである。図示したように、第 1テープ 61は、前面 11aの両側に沿って背板部材 11の長手方向（縦方向）に貼着されており、第 2テープ 62は、クッション 12の装着面の両側に沿ってクッション 12 の長手方向（縦方向）に貼着されている。なお、面ファスナー 60は、第 1テープ 61と第 2テープ 62との組合せで使用すれば、第 1テープ 61および第 2テープ 62のどちらを前面 11aまたはクッション 12の装着面に取り付けてもよい。

[0046] 嵌合レール 70は、図 9の（A)に示したように長手方向に凸状部分 71aが延びた凸状レール 71と、図 9の（B)に示したように長手方向に凹状部分 72aが延びた凹状レール 72とが一対をなしており、凸状部分 71aと凹状部分 72aとが互いに嵌合するものである。凸状レール 71は、前面 11aの上端部に横方向に取り付けられており、凹状レール 72は、クッション 12の装着面の上端部に横方向に取り付けられている。なお、嵌合レール 70は、凸状レール 71と凹状レール 72との組合せで使用すれば、凸状レール 71および凹状レール 72のどちらを前面 11aまたはクッション 12の装着面に取り付けてもよい。

[0047] クッション 12は、前面 11aへの貼着を容易にするとともに、背板部材 11に形成された着座者に安楽感を与える曲面形状の効果を減殺しな、ようにするために、装着面を前面 11aの曲面形状に沿うように形成してもよい。さらに、全体形状を前面 11aの曲面形状に沿った形状にしてもよい。

[0048] 次に作用を説明する。

本発明の航空機用座席 1は、背板部材 11の前面 11a側にはクッション 12を装着し、後面 l ib側には背板部材 11とは別体の補強メンバー 13を固設する。補強メンバー 13は、下端部がフランジ 18に支持される位置に配設する。前面 11aへのクッション 1 2の装着は、前面 11aの上部に取り付けられた凸状レール 71の凸状部分 71aの一端力もクッション 12の装着面の上端部に取り付けられた凹状レール 72の凹状部分 72a の一端を嵌めてスライドさせ、凹状部分 72aの全体を凸状部分 71aに嵌め込む。その後、クッション 12を前面 11aに合わせて前面 11a側に貼着された第 1テープ 61と、クッシヨン 12側に貼着された第 2テープ 62とを密着させて互いに係止させればよい。

[0049] クッション 12は、装着面を後面 l ibの曲面形状に沿うように形成することによって前記の装着作業をより容易にすることができる。また、クッション 12は、厚みを薄くした場合でも、前面 11aの曲面形状力 Sもたらす安楽感を減殺することなく発揮させることができる。

[0050] 背板部材 11は、前記のように曲面化による面剛性の向上と補強メンバー 13による補強とがなされているので、薄くすることができるとともに補強のためのシートバックフレームを不要にしている。このため、背板部材 11とシートバックフレームとの段差をクッシヨン 12の厚みで埋める必要がないので、クッション 12は、クッション本来の機能として必要最小限の厚みにすることができる。その結果、シートバック 10全体を薄くすることができ、着座空間を拡張することができる。また、シートバック 10の重量を軽量化することができ、部品点数も少なくすることができる。

[0051] 背板部材 11の後面 l ibに形成されたポケット Pは、出し入れ口 14が上方を向いており、出し入れ口 14よりも上には出し入れ口 14からの物品の出し入れを妨げるものがないので、片手で容易に出し入れすることができる。また、雑誌や畳んだ新聞のように比較的に長い物品でも途中で折り曲げたりすることなぐ上力真直ぐにポケット P内に収納することができる。さらに、出し入れ口 14の開口面は、背板部材 11の後面 l ibから下方に緩や力に傾斜しているので、開口面積が広ぐ後席の着座者が出し入れ口 14を直接に見ることができるので、ポケット Pへの物品の出し入れがより容易になっている。

[0052] 補強メンバー 13の正面部 13bに保持されているテーブル 40は、使用せずに保持位置に保持された保持状態および使用のために保持位置カゝら後部座席の着座者の前方に下げられた使用状態のいずれであっても、出し入れ口 14からの物品の出し入れには影響することがない。テーブル 40を使用状態にしたときは、補強メンバー 13 の正面部 13bに形成された取出し口 15が着座者の前方に露出するので、この取出し口 15からポケット Pに物品の出し入れをすることができる。

[0053] なお、前記実施の形態においては、背板部材 11の両側力前面 11aに突き出したシートバックフレームを有していないが、側縁を前面 1 laから連続して一体に前方に曲げ、内部を中空にした側縁部を形成して、背板部材 11の強度を高めるようにしてもよい。また、着座者の体側をサポートするように形成してもよい。

[0054] また、補強メンバー 13は、背板部材 11と一体に形成してもよい。

[0055] なお、本実施の形態では、面ファスナー 60および嵌合レール 70の 2種類の装着部材を使用した例を示したが、何れか一方のみを使用してもょヽ。

[0056] また、装着部材は、互いに嵌り合う形状を有するものあるいは係止し合うものであればよぐ前記の例に限定されるものではない。

産業上の利用可能性

[0057] 本発明の航空機用座席によれば、背板部材を曲面状に形成したことによって面剛性が高められる上に補強メンバーによって補強したことにより、主として背板部材が着座者からの荷重を受けることができるので、シートバックフレームによる背板部材の補強が不要となり、シートバックをスリム化できる。この結果、シートバックの厚さによる着座空間の犠牲が少なくなり、着座空間を拡大させることができる。さらに、座席の重量を軽減でき、部品点数が減るとともに製造コストを下げることができる。

[0058] また、本発明の航空機用座席のように背板部材の曲面を着座者が安楽な姿勢に維持される形状にすることが好ましぐこれにより、クッションを薄くしても安楽姿勢をもたらす効果が発揮されるので、クッションを薄くすることにより、さらにシートバックのスリム化を図ることができ、着座空間の一層の拡大が可能になる。

[0059] また、本発明の航空機用座席のようにクッションを背板部材の曲面に沿った形状に形成することが好ましぐこれにより、背板部材への装着が容易であるとともに、背板部材の曲面力もたらす安楽感をそのまま発揮させることができるので、より快適な座席となる。

[0060] さらに、本発明の航空機用座席は、補強メンバーと背板部材の後面との間隙をボケットとして形成してあり、このポケットに物品を出し入れするための開口が上を向いているので、雑誌や新聞等の比較的長い物品でも片手で容易に出し入れすることができる。

[0061] また、本発明の航空機用座席のように背板部材の側縁を前面力連続して一体に前方または後方に曲げられた側縁部を形成して該側縁部を中空にしてもよぐこれにより、背板部材の強度がさらに向上するとともに、側縁部が中空であるので背板部材の重量の増加を小さく抑えることができる。

[0062] また、本発明の航空機用座席のようにクッションを背板部材の前面に着脱可能に装着するための装着部材を備えることが好ましぐ装着部材は、背板部材の前面側に設けた第 1部材とクッション側に設けた第 2部材とが係止するので、クッションを背板部材の前面に装着できるとともに係止を外して容易にクッションを背板部材力離すことができる。

Claims

請求の範囲

[1] 航空機の搭乗客が着座するための航空機用座席（1)において、

着座者の背中を受けるクッション（12)を前面（11a)に装着した背板部材（11)と、該背板部材（11)の後面（l ib)に配設した、前記背板部材（11)を補強する補強メンバー（13)と、力もなるシートバック（10)を備え、

前記背板部材 (11)は、面剛性を高める曲面状に形成したことを特徴とする航空機用座席（1)。

[2] 前記曲面は、着座者を安楽な姿勢に維持する形状であることを特徴とする請求項 1 に記載の航空機用座席（1)。

[3] 前記クッション（12)は、前記曲面に沿った形状に形成したことを特徴とする請求項

1または 2に記載の航空機用座席（1)。

[4] 前記補強メンバー（13)と前記背板部材 (11)の後面（1 lb)との間隙をポケット (P) に形成したことを特徴とする請求項 1, 2または 3に記載の航空機用座席（1)。

[5] 前記背板部材（11)は、側縁が前記前面（11a)から連続して一体に前方または後方に曲げられた側縁部 (11c)を有し、該側縁部（ 1 lc)の内部（ 1 Id)は中空であることを特徴とする請求項 1, 2, 3または 4に記載の航空機用座席（1)。

[6] 前記側縁部（11c)の中空の内部（l id)は、横断面の形状が連続して変化していることを特徴とする請求項 5に記載の航空機用座席（1)。

[7] 前記クッション（ 12)を前記背板部材（ 11 )の前面（ 11 a)に着脱可能に装着するための装着部材 (60, 70)を備え、

前記装着部材 (60, 70)は、前記背板部材（11)の前面（11a)側に設けた第 1部材

(61 , 71)と、前記クッション（12)側に設けた第 2部材 (62, 72)と、力成り、該第 2 部材 (62, 72)が前記第 1部材 (61, 71)に係止して前記クッション（12)が前記背板部材（11)の前面（11a)に装着されることを特徴とする請求項 1, 2, 3, 4, 5または 6 に記載の航空機用座席（1)。