WO2006070791A1

WO2006070791A1 - パターン形成方法及びパターン形成装置

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Publication number: WO2006070791A1
Application number: PCT/JP2005/023868
Authority: WO
Inventors: Yoshihide Yumoto
Original assignee: Grapac Japan Co., Inc.
Priority date: 2004-12-28
Filing date: 2005-12-27
Publication date: 2006-07-06
Also published as: US7776402B2; EP1844921A4; HK1117099A1; CN101115611A; JP2006181554A; EP1844921A1; JP4684647B2; CN101115611B; US20080095934A1

Description

パターン形成方法及びパターン形成装置

技術分野

[0001] この発明はパターン形成方法及びパターン形成装置に関し、更に詳しくは、例えば基材に形成された画像を鮮明に視認可能にするパターンを形成するパターン形成方法及びそのパターン形成方法を実施することのできるパターン形成装置に関する背景技術

[0002] 従来にお!、て、レンズ付き印刷物の製造方法につき、特許文献 1及び特許文献 2 に記載の発明がある。この特許文献 1に記載された発明は、「一対の右眼用画像と左眼用画像が複数並設されることで構成されている所望の画像をベースシート表面に印刷し、下層用榭脂を画像表面に印刷して透明な下層榭脂部を形成し、パターン形成区画線を下層榭脂部表面の所定位置に所定間隔で印刷し、パターン形成区画線に対して相容性のない透明なレンズ形成用榭脂を下層榭脂部表面に塗工し、パターン形成区画線とレンズ形成用榭脂との不相容性によるハジキ及びレンズ形成用榭脂の表面張力を利用して、レンズ形成用榭脂を、隣設するパターン形成区画線相互間に夫々凸レンズ状にして配列せしめ、これを硬化させて複数のレンズ部を形成することを特徴とした立体画像印刷物の製造方法」（特許文献 1の請求項 1参照)であり、「ベースシートと、ベースシート表面に設けられると共に、一対の右眼用画像と左眼用画像を複数並設して形成される画像と、画像表面に形成される透明な下層榭脂部と、下層榭脂部表面の所定位置に、所定間隔で印刷されるパターン形成区画線と、隣設するパターン形成区画線相互間に夫々配置される凸レンズ状の透明なレンズ部と力なり、レンズ部を一対の右眼用画像と左眼用画像に跨がるように配置したことを特徴とする立体画像印刷物」（特許文献 1の請求項 2参照)であり、「透明ベースシートと、透明ベースシート裏面に設けられると共に、一対の右眼用画像と左眼用画像を複数並設して形成される画像と、透明ベースシート表面の所定位置に、所定間隔で印刷されるパターン形成区画線と、隣設するパターン形成区画線相互間に夫々配置される凸レンズ状の透明なレンズ部とからなり、レンズ部を一対の右眼用画像と左眼用画像に跨がるように配置したことを特徴とする立体画像印刷物」（特許文献 1の請求項 3参照）である。

[0003] 特許文献 2に記載された発明は、「基材上に形成したパターン上に透明な液体榭脂を塗工することにより製造されたマイクロレンズにおいて、基材上に形成したパターン面とパターンを形成していない部分が液体榭脂に対して異なる濡れ特性を有する材料で形成されたことを特徴とするマイクロレンズ」（特許文献 2の特許請求の範囲第 1項参照)であり、「基材上に形成したパターン上に透明な液体榭脂を塗工してマイク口レンズを製造する方法にお、て、パターン表面とパターンを形成してヽな、面に対する濡れ特性が異なる透明榭脂を塗工し、過剰の榭脂を除去した後に、透明榭脂を硬化することを特徴とするマイクロレンズの製造方法」（特許文献 2の特許請求の範囲第 3項参照)である。

[0004] 前記特許文献 1及び 2に記載された立体画像印刷物の製造方法、及びマイクロレンズの製造方法では、一方の表面が上側の面になるように配置された基材のその上表面にパターン形成区画線を形成するなどしてレンズ部を形成していると、その明細書の全記載及び添付された図面の記載から理解される。

[0005] 上記発明について本願発明者が更に検討したところ、前記特許文献に記載された方法によると、例えば 0. 8mm又は 0. 8mm程度の焦点距離で結像するレンズが得られることが判明した。この場合の焦点距離は、ベースシート又は基材の厚み及びレンズの厚みの合計と同じである。ところが、用途によっては、よりいつそう薄い厚み、例えば 0. lmm, 0. 2mm又は 0. 3mmといった薄い基材に、その基材の厚みを焦点距離とするレンズを形成する必要があることも判明した。

[0006] 一方、特許文献 3には両面多色刷枚葉オフセット印刷機が開示される。この特許文献 3に係る両面多色刷枚葉オフセット印刷機は、水平方向に搬送される枚用紙の裏面を印刷するための「裏面印刷ユニットを複数個並設した裏面印刷部」（特許文献 3 の請求項 1参照）を備える。この裏面印刷部の具体的構造は、「第 1色目'第 2色目の裏面印刷ユニット 1Α· 1BJを備え (特許文献 3の 0015欄参照）、「上記第 1色目と第 2 色目の裏面印刷ユニット 1Α· IBの圧胴 lla' libを、不図示の紙くわえ爪を設けた中間胴 17aを介して水平方向略直線状に接続することにより裏面印刷部 1が形成される」（特許文献 3の 0017欄参照)。これらの記載からすると、裏面に第 1色目が印刷された枚用紙のその裏面が前記中間胴 17aの周表面に接しつつ圧胴 1 lbに搬送されるものと、理解される。少なくとも前記特許文献 3には、中間胴 17aと送られる枚用紙と

、ての記載がな、。

[0007] 特許文献 4にも両面印刷用の「枚葉印刷機」が開示される。この特許文献 4に記載されている枚葉印刷機は、「裏面印刷装置 (裏面印刷部） 1と表面印刷装置 (表面印刷部） 2との中間に 4つの中間胴 3a〜3d」（特許文献 4の 0019欄参照）を備え、「裏面印刷装置 1と表面印刷装置 2との中間に設備した中間胴 3b, 3dを外周面に吸引機能を持たせたサクシヨンドラムとして形成し、走行するシート 4を該中間胴 3b, 3dの外周面に吸着保持させる」（特許文献 4の 0023欄参照)構成を採用している。このこと力、中間胴 3aの周表面に、裏面印刷された枚葉紙の印刷面つまり裏面が接した状態で、裏面印刷された枚葉紙が次の中間胴 3bに移送されていくものと、理解される。

[0008] 特許文献 1 :特開平 5— 303153号公報

特許文献 2 :特開平 4— 165301号公報

特許文献 3：特開平 7— 9654号公報

特許文献 4：特開 2003 - 266627号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] この発明は、基材に形成された画像をパターンを通して観察すると、立体視効果、モアレ効果等の特殊視覚効果を得ることのできるパターン形成方法、さらには CCD 撮像素子、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機 EL表示装置等にも応用可能なパターン形成方法、及びパターン形成装置を提供することを、課題とする。課題を解決するための手段

[0010] 例えば前記特許文献 1に記載の方法に即して言うと、前記課題を解決するためにこの発明者が種々の検討を重ねたところ、基材の表面に形成されるレンズの焦点距離 Aの長さよりも基材の厚み Bが短くなると、そのように厚みの薄い基材表面にレンズを形成しても、鮮明な画像を視認することができないのは、水平に配置した基材の上側の面に上に向かって凸状に形成されたレンズ部の形状力期待通りになって!/、な！/、カゝらであると、推測された。液状であるレンズ形成用榭脂を水平方向に延在する基材の上表面に塗工すると、形成されるレンズ部の形状は、重力により僅か〖こ扁平になつてしまうと、推測された。

この発明は、前記知見に基づいて完成された。すなわち、前記課題を解決するための手段として、

請求項 1は、基材の表面に形成されたパターン形成用区画線間に、このパターン形成用区画線を形成する榭脂に対して相溶性の小さな、又は実質的に相溶性のなヽパターン形成用榭脂組成物を、前記パターン形成用区画線が形成された基材の表面を下に向けた状態で塗工し、基材の下に向けられた表面にパターン形成用榭脂組成物が保持された状態に維持することによりパターン形成用区画線間にあるバターン形成用榭脂組成物を下に凸状の形状にし、下に凸状の形状になっているその前記パターン形成用榭脂組成物を硬化させることによりパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法であり、

請求項 2は、基材の表面に第 1下塗り層を形成し、次いで、前記第 1下塗り層の表面に所定間隔を設けて第 2下塗り層を形成し、前記第 1下塗り層及び第 2下塗り層を有する基材の表面を下に向けた状態で、前記第 1下塗り層に対して相溶性が小さな、又は実質的に相溶性がなぐ第 2下塗り層には相溶性のあるパターン形成用榭脂組成物を塗工し、下に向けられた第 2下塗り層にパターン形成用榭脂組成物が保持された状態に維持することにより第 2下塗り層に保持されたパターン形成用榭脂組成物を下に凸状の形状にし、下に凸状の形状になっているその前記パターン形成用榭脂組成物を硬化させることによりパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法であり、

請求項 3は、前記パターンが凸レンズである前記請求項 1又は 2に記載のパターン形成方法であり、

請求項 4は、基材の表面を下に向けた状態で、前記基材の下向きの表面にパターン形成用榭脂組成物を塗工するパターン形成用榭脂組成物塗工部と、下方に向けられた基材の表面に塗工されたパターン形成用榭脂組成物を基材の下側の面に保持された状態で移送されてきたその基材におけるパターン形成用榭脂組成物を硬化させることによりパターンを形成する硬化部とを備え、基材の上側の面に印刷をする上面印刷部を備えていないことを特徴とするパターン形成装置であり、

請求項 5は、前記パターンが凸レンズである前記請求項 4に記載のパターン形成装置である。

発明の効果

[0012] この発明によると、基材の表面を下に向けた状態のままで、基材の下側表面にバターン形成用榭脂組成物を塗工し、パターン形成用榭脂組成物を塗工した面を下に向けた状態のままに維持すると、重力とパターン形成用榭脂組成物の表面張力との作用により、塗工されたパターン形成用榭脂組成物は下に向力つて凸状に形成され、下に向カゝつて凸状に形成されたパターン形成用榭脂組成物がその状態で硬化されるので、パターン形成用榭脂組成物の表面張力による球形化現象と重力による力テナリー曲面形状の合成形状を有する、下に凸状態となつたパターンが形成される。この形状は、凸レンズの作用を有する。

[0013] 従来の発明におけるように、基材の上側の面を上側に向けた状態のままで、基材の上側の面にパターン形成用榭脂組成物を塗工したときには、そのパターン形成用榭脂組成物は重力の作用により、やや扁平な、上に凸のパターンが形成されることにより焦点距離が長いか、又は所望位置に焦点を結ばないレンズ状パターンが形成されることに基づく不利な現象、例えば基材に設けられた、例えば立体視画像及びモアレ効果による画像等を鮮明に視認することができな、と、つた不利を、この発明は解消することができる。換言すると、この発明のノターン形成方法及びパターン形成装置によると、基材の下側の面に塗工されたパターン形成用榭脂組成物は表面張力と重力との作用による下に凸の合成曲面形状をしたレンズが形成されるので、そのレンズの焦点距離に応じた薄い厚みの基材に形成された図形を明確に視認することができるパターン印刷物を製造することができる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]図 1は、この発明の一例であるパターン形成方法の手順を示す説明図である。 [図 2]図 2は、この発明の他の例であるパターン形成方法の手順を示す説明図である

[図 3]図 3は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 4]図 4は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 5]図 5は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 6]図 6は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 7]図 7は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 8]図 8は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 9]図 9は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 10]図 10は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 11]図 11は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 12]図 12は、この発明の方法において採用されることのできる、基材表面に形成される画像を示す例である。

[図 13]図 13は、この発明の方法により、パターン形成用榭脂組成物が形作る縦断面形状を示す断面図である。

[図 14]図 14は、従来の方法により、パターン形成用榭脂組成物が形作る縦断面形状を示す断面図である。

[図 15]図 15は、この発明の一例であるパターン形成装置を示す概略説明図である。

[図 16]図 16は、この発明の他の例であるパターン形成装置を示す概略説明図である符号の説明

1 基材

2 画像

3 パターン

4 第 1下塗り層

5 パターン形成区画線

5b 第 2下塗り層

6 ノターン形成用榭脂組成物

7 パターン

8 パターン

9 パターン形成装置

9A パターン形成装置

10 パターン形成用榭脂塗工部

11 基材移送部

12 硬化部

13 圧胴

14 ブランケット月同

15 ローラ

16 枚葉紙

16A 枚葉紙

16B 印刷後枚用紙

17 搬送胴

20 パターン形成区画線塗工部

21 ローラ

22 区画線転写ローラ

23 送り第 1ローラ

24 第 1下塗り層形成部 25 第 2下塗り層形成部

26 ローラ

27 送りローラ

28 送りローラ

29 送りローラ

30 搬送第 2月同

31 水銀ランプ

発明を実施するための最良の形態

[0016] <第 1の形態 >

この発明の一例に係るパターン形成方法は、（1)基材の表面を下に向けた状態のままでパターン形成用樹脂組成物をその基材の表面に塗工する工程、（₂₎パターン形成用榭脂組成物が塗工された基材の表面を下に向けた状態を維持する工程、及び ( 3)基材の下側の面に所定のパターンに形成されたパターン形成用榭脂組成物を硬化する工程を有する。

[0017] [第 1の工程]

この第 1の工程は、基材の表面に、その表面を下に向けた状態で、パターン形成用榭脂組成物を塗工する工程である。

[0018] この発明の方法により得られるパターン印刷物においては、基材の一方の表面に形成された画像を、基材の他方の表面に形成されたところの、パターン形成用榭脂組成物を硬化してなるレンズ状の硬化物を通して観察するのであるから、この発明の方法における基材は、透明又は半透明の部材により形成されるのが好ましい。後述のパターン及び基材の両方を通して画像を観察するときには、背景が透カゝされて見えることにより画像の視認の妨げにならないように、基材の反対側面、換言するとバターンが形成された面とは反対側の面に不透明層を設けても良い。この不透明層は、別に反射層とも称され、要するに、透力して見ることができないように透過性を低下ないし消失させる機能を有する層である。この反射層は、また、光を反射させることにより画像の視認性向上を図ることもできる。

[0019] この第 1の工程では、図 1に示されるように、基材 1の一方の表面に画像 2が形成され、画像 2が形成された面とは反対側の基材 1の表面に所定間隔を設けて形成されたパターン区画形成線 5の間にレンズの形状をなすパターン 3が形成される。この場合、透明な基材は、前記パターン 3を保持するための支持体としての機能及びバターン 3の形状であるレンズによる焦点が画像に位置するように焦点距離を調整する焦点調整機能を備えることもある。なお、画像 2の表面に不透明層、換言すると反射層（図示せず。）が設けられていても良い。基材が透明であっても、用途に応じて、画像を形成した基材表面にパターンを形成しても良!、。

[0020] 基材の厚みは、パターン形成用榭脂組成物の硬化物であるレンズの焦点距離と実質的に同じ長さであることが望ましぐ通常の場合、形成されるレンズの焦点距離に応じて 0. 01〜0. 8mmである。

[0021] 基材 1の表面に形成される画像はパターンと干渉を起こして立体視又はモアレ効果による視覚効果等の特殊視覚効果が得られるものであればよぐ図 3〜 12に示される各種の画像であっても良い。図 3に示される画像は、ハ-カム形とハ-カム形を形作つている各六角形中に形成された円とを組み合わせた図形であり、図 4に示される画像は、ハ-カム形とそのハ-カム形を形作っている各六角形中に形成されたノヽート形とを組み合わせた図形であり、図 5に示される画像は、ノ、二カム形とそのハ-カム形を形作って、る各六角形中に形成された星形とを組み合わせた図形であり、図 6 に示される画像は、図 3〜図 5に示されるのとは異なるハ-カム形とそのハ-カム形を形作って、る各五角形中に形成された星形とを組み合わせた図形であり、図 7に示される画像は渦巻き線であり、図 8に示される画像は複数の同心円を組み合わせて成る図形であり、図 9に示される画像は、一点から放射状に延在する多数の直線の組み合わせから成る図形であり、図 10に示される画像は、一点から放射状に延在する多数の直線と、それら直線間に配置される複数の半径方向の線分との組み合わせからなる図形であり、図 11に示される画像は、正六角形とその正六角形の各頂点と向かい側の頂点とを結んだ直線とで形成される六個の三角形と、各三角形の中に、隣接する三角形の中に形成された複数の平行な平行線とは方向が異なるように形成された複数の平行線とを組み合わせてなる図形であり、図 12に示される画像は、一点から半径方向に向かって延在する複数の曲線力もなる図形である。基材の表面に形成される画像は前記図 3〜12に示される画像に限定されないことは、言うまでもない。

[0022] この発明においては、基材は単層であっても複数の層力もなる積層体であっても良い。

[0023] 基材が積層体である場合、積層体を形成する各層はそれぞれ透明であっても良い。いずれにしても複数の層を積層してなる積層体である基材は、パターンを保持する機能を有する。画像を形成した基材面とは反対側の面にレンズ状のパターンを形成してパターン側カゝら基材を透カゝして画像を視認する場合には、当然のことながら、基材を構成する各層はそれぞれ透明であることを要する。

[0024] 透明な二層以上を積層してなる基材の場合、それら透明な層の少なくとも一層はパターンを実現するための支持層としての機能を有し、他の層は支持層である透明層と協同して更に支持力を高める補助支持層としての機能を有し、また、場合によっては、レンズ状をなすパターンによる焦点が画像面に結像するように焦点距離を調整する焦点距離調整層としての機能を有する。

[0025] したがって、基材の片面に画像を形成し、基材の他方の面から前記画像を視認するときには、基材が単層であれ、あるいは積層体であれ、自己支持性を考慮し、またノターンがレンズ状を成すときにはその焦点距離等を考慮して基材の材質、厚みなどが決定される。

[0026] 基材の材質としては、上記機能を達成し、また画像を形成することができる限り特に制限がない。透明な単層の基材の材質としては、例えば、合成樹脂、ガラス又は透明な塗装膜などを挙げることができる。

[0027] なお、ここで「透明」とは画像を視認することができる程度の透明性があることを意味し、無色透明、半透明、有色透明、有色半透明の状態を含む概念である。

[0028] 基材の形状としても、平面形状、曲面形状、任意の凹凸形状のいずれであっても良い。

[0029] この発明の方法の一例においては、図 1に示されるように、基材 1の、画像の形成された表面とは反対側の表面にパターン形成区画線 5を、塗工により形成する。

[0030] この基材 1におけるパターン形成区画線の形成される表面は、できるだけ平滑であることが好ましい。

[0031] 基材 1の、パターン形成区画線が形成される表面の好ましい平滑度は、 JIS B 06 01により規定された算術平均粗さ値 (Ra値)及び最大高さ値 (Ry値）により規定することができる。

[0032] 基材 1の、パターン形成区画線が形成される表面の好ましい Ra値は、 0. 001-5 であり、特【こ好ましく ίま 0. 002〜0. 6であり、好ましヽ Ry値 ίま、 0. 001〜28であり、特【こ好まし <ίま 0. 002〜3である。なお、場合【こよって ίま、前記 0. 001〜0. 6及び 0 . 002〜5を Ra値の好まし! /、範囲とすることもできるし、 0. 002〜28及び 0. 001〜3 を Ry値の好まし、範囲にすることもできる。

[0033] 基材 1の、パターン形成区画線が形成される表面の平滑度が前記範囲内にあると、印刷手法によるパターン形成区画線の形成及びパターンの形成を効果的に行うことができる。前記平面の平滑度が悪いと、最終的に形成されるパターン自体の機能が損なわれることがある。

[0034] 基材 1の表面の平滑度がパターン形成面として十分でないときには、下塗り層を基材 1の表面に形成して、ノターン形成面に必要な平滑度を得ても良い。

[0035] このような下塗り層は、デイツビング、刷毛塗り、スプレー、ロールコータによる塗工、印刷及びその他の方法により、形成することができる。

[0036] なお、図 1においては、水平に配置された基材 1の下側の面にパターン区画形成線 5が形成されているように描かれている力パターン区画形成線 5は、水平に配置された基材 1の上面となる面に塗工により形成されていても良い。つまり、パターン区画形成線 5を形成するために、基材を水平にしたときの下面にパターン区画形成線 5 を形成しなければ成らないことは、ない。

[0037] パターン形成区画線は、基材の下面に塗工されたパターン形成用榭脂組成物をはじいてパターン形成区画線により囲繞された領域あるいはパターン形成区画線により挟まれた部位で、パターン形成用榭脂組成物を凸状に懸垂させる機能を有する。

[0038] パターン形成区画線を形成するための素材は、基材 1の表面であってパターンが形成される面、すなわちパターン形成面に十分に微細な線を、密着性良く形成することができ、し力も後述するパターン形成用榭脂組成物に対する相溶性がなくてこのノターン形成用榭脂組成物をはじくことができる限り種々の材料を採用することができる。好適なパターン形成区画線の主たる材質としては、例えばロジン変性フエノール榭脂、尿素樹脂、メラミン榭脂、ケトン樹脂、ポリ塩ィ匕ビュル榭脂 (PVC)、塩ィ匕ビ- ル '酢酸ビュル共重合榭脂、ポリビニルブチラール榭脂 (プチラール樹脂）、スチレン 'マレイン酸榭脂、塩素化ポリプロピレン、アクリル榭脂、クマロン'インデン榭脂、石油榭脂、ポリエステル榭脂、アルキッド榭脂、ポリアミド榭脂、エポキシ榭脂、ポリウレタン

、ニトロセノレロース（硝ィ匕綿）、ェチノレセノレロース、ェチノレヒドロキシェチノレセノレロース（

EHEC)、環化ゴム、塩ィ匕ゴム等を挙げることができる。

[0039] このパターン形成区画線の形状は繰り返し図形である。この繰り返し図形がどのようであるかは、パターンにより相違する。

[0040] 例えば、レンチキュラーレンズの機能及び形状を有するパターンを形成するのであれば、このパターン形成区画線は所定のピッチ間隔をもって互いに平行に形成された線にするのが良い。この平行な線であるパターン形成区画線は、直線であっても良いし、湾曲した弓状の曲線あるいはジグザグの線であっても良い。通常のレンチキユラ一レンズを製造する場合、このパターン形成区画線は、所定のピッチ間隔をもつて互いに平行に形成された直線である。

[0041] フライアイレンズを製造するのであれば、このパターン形成区画線は円又は多角形の繰り返し図形である。多角形の繰り返し図形の好適例としてハ-カム図形を挙げることができる。前記多角形の繰り返し図形としては、六角形、五角形、四角形、三角形を基本単位とし、この基本単位の図形が繰り返されてなる図形がある。その他に、パターン形成区画線を螺旋状に形成することもでき、この螺旋状のパターン形成区画線は一定の法則に従った繰り返し図形である。

[0042] フレネルレンズを製造するのであれば、このパターン形成区画線は、複数の同心円である。この複数の同心円は、中心を共通にする円の繰り返し図形である。

[0043] パターン形成区画線の線幅を 0. 2〜250 μ mにするのが良、。パターン形成区画線の線幅が余り大きいと、相対的にパターンの面積が減少することになつてパターンが有するレンズ機能が低下することがある。パターン形成区画線の線幅が過小であると、パターン形成区画線間に塗工されたパターン形成用榭脂組成物が隣接するバターン形成区画線間に跨がり、パターン形成区画線間毎にレンズ部を形成するのに困難を来すことがある。ノターン形成区画線の線幅が前記範囲内にあることにより、パターン形成区画線間毎にレンズ部を独立して容易に形成することができる。

[0044] ノターン形成区画線と隣接するパターン形成区画線との間隔すなわちピッチ幅を 0 . 2〜30 /ζ πιにすると、パターンの表面を指触してもパターンの凹凸を感じさせない程の細かなパターンを製造することができる。

[0045] パターン形成区画線の形成方法は、特に制限されるものではな!ヽが、エッチング法、印刷手法等を採用するのが好ましい。好ましいのは印刷手法である。印刷手法として、例えば、平版印刷、凸版印刷、凹版印刷、ダラビヤ印刷、スクリーン印刷、孔版印刷等を挙げることができる。上記したような細かなピッチ幅ある、は線幅を有するパターン形成区画線を形成するのであれば、パターン形成区画線の形成は平版印刷もしくはダラビヤ印刷によるのが好まし、。

[0046] パターン形成区画線が形成された後に、パターン形成用榭脂組成物を、パターン形成区画線を有するパターン形成面に塗工する。

[0047] ここで重要なことは、前記パターン形成用榭脂組成物は、パターン形成区画線を形成する榭脂に対して相溶性の小さな、又は実質的に相溶性がないことである。ノターン形成用榭脂組成物がパターン形成区画線を形成する榭脂に対して相溶性が小さいか、又は実質的に相溶性がない場合には、塗工されたパターン形成用榭脂組成物がパターン形成区画線にはじかれて、図 1に示されるように、互いに隣接するパターン形成区画線 5の間にパターン形成用榭脂組成物 6が懸垂される。

[0048] このようなパターン形成用榭脂組成物としては、パターン形成区画線を形成する素材に対して小さくとも 15度の接触角を有することが好ましく、そのような接触角を有する限り、例えば重合性物質を含有して形成されることができる。

[0049] 重合性物質としては、熱重合、又は紫外線重合等の放射線重合の可能な物質であれば良ぐ通常の場合、重合性二重結合含有基を有する。

[0050] この重合性二重結合含有基として、紫外線、可視光線、電子線、 X線等の活性放射線の照射あるいは加熱等により反応して硬化する反応性二重結合を有する基を挙げることができる。 [0051] この重合性二重結合含有基である反応性二重結合を有する基として、例えばアタリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ァリル基あるいはエポキシ基を含む官能基等が挙げられる。好ましい重合性二重結合含有基としては、アタリロイル基、メタタリロイル基及びエポキシ基を挙げることができる。

[0052] このパターン形成用榭脂組成物は、更に、屈折率が 1. 35〜： L 75であるのが好ましい。このような範囲の屈折率を有するパターン形成用榭脂組成物であると、パターンとして形成されるレンズがそのレンズ機能を十分に発揮することができる。

[0053] この発明におけるパターン形成用榭脂組成物はその硬化時における収縮を防止するために収縮防止剤を含有することが好ましい。この収縮防止剤としては、この発明におけるパターン形成用榭脂組成物を硬化させるときの収縮を抑制する機能及びノターン形成用榭脂組成物を硬化して得られるノ《ターンの透明性を疎外しない機能を有する物質が使用される。

[0054] このような機能を有する物質として、例えば、硫酸バリウム、シリカ、アルミナホワイト

、炭酸カルシウム等を挙げることができる。

[0055] この発明における収縮防止剤として透明性充填剤を使用することもできる。

[0056] V、ずれにしても収縮防止剤ある!/、は透明性充填剤として、硫酸バリウム、シリカなどが好ましい。

[0057] この発明におけるパターン形成用榭脂組成物は、流動性を調整するために溶剤を含んでいても良い。この発明に好適に使用することのできる溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ミネラルスピリッツなどの鉱油、ジメチルケトン、メチルェチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアルキルケトン等を挙げることができる。

[0058] この発明における好適なパターン形成用榭脂組成物の一例をあげると、重合性物質 50〜95重量％、好ましくは 60〜95重量％であり、収縮防止剤が 0〜5重量％、好ましくは 0. 1〜1重量％、重合開始剤が 1〜15重量％、好ましくは 3〜12重量％である。上記各成分が前記配合量範囲内にあると、このパターン形成用榭脂組成物が塗工性の良好な粘度に調整され、パターン形成面に塗工されたときの表面張力も適正になって例えばレンズ状をなすパターンを良好に形成することができ、し力もパターン形成用榭脂組成物が硬化する際の収縮も低く抑制されるので、より高品位な光学性能を有するパターンを製造することができるようになる。

[0059] この発明の方法において重要なことは、基材の下面側を下側に向けた状態、換言するとパターン形成面を下側に向けた状態、また換言するとパターン形成区画線を形成する面を下側に向けた状態のままで、パターン形成用榭脂組成物を塗工することである。

[0060] 基材におけるパターン形成面を下側に向けた状態で、パターン形成面にパターン形成用榭脂組成物を塗工すると、図 13に示されるように、塗工されたパターン形成用榭脂組成物は、パターン形成用榭脂組成物 6の表面張力により半球を形成しようとする作用及び重力により力テナリー曲線を形成しょうとする作用との合成作用による曲面を有する、下方に向力つて凸状のパターン 7を形成する。

[0061] 従来においては、基材におけるパターン形成面を上側にして、そのパターン形成面上にパターン形成用榭脂組成物を塗工すると、図 14に示されるように、パターン形成用榭脂組成物の表面張力により球面が形成されようとするところ、重力の作用により頂上部がやや扁平な、上に凸となったパターン 8が形成される力この発明においては、上述したように下方に向かって凸状の、し力も扁平ではない曲面パターン 7が形成される。

[0062] [第 2の工程]

この第 2の工程は、パターン形成用榭脂組成物が塗工された基材の下側の面を下側に向けられることによって塗工されたパターン形成用榭脂組成物が懸垂された状態を維持する工程である。要するに、この第 2の工程は、懸垂されたパターン形成用榭脂組成物を所定の時間懸垂状態に維持する工程である。この工程では、下側に向けられたパターン形成面に塗工されたパターン形成用榭脂組成物がパターン形成区画線によりはじかれて、塗工されたパターン形成用榭脂組成物が重力の作用により力テナリー又は力テナリー用の曲面を形成するに必要な時間をかけてパターン形成用榭脂組成物が懸垂状態に維持される。塗工されたパターン形成用榭脂組成物を懸垂状態に維持し続ける時間としては、通常 0. 1秒〜 6秒くらいである。もっとも、前記時間は 6秒を上回る時間であってもよいのである力長くするほどの利点は特にない。

[0063] [第 3の工程]

この第 3の工程では、基材の下側の面に所定のパターン、例えばレンチキュラーレンズ状に形成されたパターン形成用榭脂組成物を硬化する。

[0064] パターン形成用榭脂組成物で形成されたパターンの硬化は、熱硬化、放射線硬化のいずれであっても良いのである力放射線硬化が好適に採用される。この放射線としては紫外線、電子線等が採用される。この放射線硬化条件等はパターン形成用榭脂組成物に応じて適宜に決定される。

[0065] [パターン形成装置]

この発明の方法を実施する一例としてのパターン形成装置における主要部を、模式的に図 15に示す。図 15に示されるように、パターン形成装置 9は、基材の下側の面を下に向けた状態で、前記基材の下側の面にパターン形成用榭脂を塗工するパターン形成用榭脂塗工部 10と、パターン形成用榭脂が塗工された基材を、塗工面を下側に向けた状態で移動させる基材移送部 11と、基材の下側の面に塗工されたパターン形成用榭脂を硬化させることによりパターンを形成する硬化部 12とを備える。また、前記パターン形成用榭脂塗工部 10には、パターン形成区画線塗工部 20が前置される。

[0066] このパターン形成区画線塗工部 20は、収容されている枚葉紙を給紙する給紙部から送られてきた枚葉紙 16をローラ 21に卷回してこれを移送しつつ区画線転写ローラ 22により枚葉紙 16の下面に所定間隔の多数のパターン形成用区画線を形成し、下面にパターン形成用区画線を形成した枚様紙 16 Aを送り第 1ローラ 23により送り出すように、形成される。なお、ローラ 21に送り込まれる枚様紙 16は、パターン形成用区画線が形成される面とは反対側の面に、画像が塗工形成されていてもよい。また、ローラ 21に送り込まれる枚用紙 16が、パターン形成用区画線が形成される面とは反対側の面に画像が塗工形成されていない場合には、このパターン形成装置によりパターン形成されたパターン印刷物力パターン印刷面とは反対側の面に画像を印刷する印刷機に送り込まれることにより、一方の面に画像を、また他方の面にパターンを形成してなる視覚効果印刷物が製造される。 [0067] ノターン形成用榭脂塗工部 10は、図 15に示されるように、圧胴 13、この圧胴 13の下部に配置され、圧胴 13によって搬送される基材 1のパターン形成面にパターン形成榭脂組成物を塗工するブランケット胴 14、このブランケット胴 14に接し、パターン形成榭脂組成物をブランケット胴 14に供給するローラ 15とを備える。

[0068] このパターン形成用榭脂塗工部 10に送り込まれてくる枚用紙は、図 1に示されるように、基板 1と、その一方の面に形成された画像 2と、その画像 2が形成された面とは反対側の面に形成された複数のパターン形成区画線 5とを有してなる、半印刷の枚葉紙 16Aであっても良い。以下の説明においては、この半印刷の枚用紙 16Aを例にする。

[0069] この枚葉紙 16Aは、パターン形成区画線 5が形成されている面を下側に向けて、圧胴 13に搬送される。圧胴 13は、そのドラム面に枚葉紙 16Aを装着しつっこの枚葉紙 16 Aを圧胴 13の回転とともに搬送し、ブランケット胴 14でパターン形成用榭脂組成物を枚葉物 16Aのパターン形成面に塗工する。

[0070] 基材搬送部 11は、圧胴 13により搬送されつつパターン形成面にパターン榭脂組成物が塗工された枚葉物 16Aを、そのパターン形成面を下方に向けつつ搬送するように形成される。

[0071] 基材搬送部 11は、下側に向けられたパターン形成面に未硬化のパターン形成用榭脂組成物を塗工してなる印刷後枚用紙 16Bを、パターン形成用榭脂組成物を塗ェした面を下側に向けた状態で、つまりパターン形成用榭脂組成物を懸垂した状態で、次の硬化部 12に、搬送することができるように形成されていればどのような構造であってもよい。

[0072] この基材搬送部 11においては、この印刷後枚葉紙 16Bがこの搬送胴 17により搬送されている期間中、パターン形成用榭脂組成物が塗工されている面が下方に向けられ、しかも搬送胴 17の周面と塗工されたパターン形成用榭脂組成物とが直接に接触しないようにされているので、図 13に示されるように、パターン形成区画線 5にはじかれたパターン形成用榭脂組成物が、隣接するパターン形成区画線 5の間で、重力とその表面張力とによって、下向きに凸状となった力テナリー又は力テナリー用の断面輪郭を形成するように、基材 1の下面に保持される。 [0073] 硬化部 12は、印刷後枚葉紙 16Bの下面を下に向けた状態、つまり基材 1の表面に形成されたパターン形成区画線 5を下に向けた状態で搬送されてくる印刷後枚葉紙 16Bを搬送する搬送第 2胴 30と、この搬送第 2胴 30の周面に保持されている印刷後枚葉紙 16Bにおける凸状のパターン 7を形成するパターン形成用榭脂組成物を硬化させる例えば光照射手段例えば水銀ランプ 31とを、備える。

[0074] この硬化部 12は、下方に向けられた基材すなわち印刷後枚葉紙 16Bの表面に塗ェされたパターン形成用榭脂組成物を基材すなわち印刷後枚葉紙 16Bの下側の面に保持された状態で移送されてきたその基材すなわち印刷後枚葉紙 16Bにおけるパターン形成用榭脂組成物を硬化させる。このパターン形成装置 9においては、硬化部 12における搬送第 2胴 30により印刷後枚葉紙 16Bが搬送されつつ前記水銀ランプ 31による光照射によって、未硬化のパターン形成用榭脂組成物自体の表面張力とその重力との両作用の合成により形成される曲面を有しているパターン形成用榭脂組成物が硬化し、固化したパターン 7が形成される。

[0075] 一方の面に画像を有し、他方の面に固化したパターン 7を有する印刷物は、画像を有する面に更に印刷加工をすることなぐこのパターン形成装置 9から排出される。このパターン形成装置 9に供給される枚葉紙が、その一面に既に画像が形成されている場合には、このパターン形成装置 9から排出された印刷物は、基材の片面に形成された画像をパターンを通して観察するとモアレ模様、立体視画像、見る角度により異なる画像の視認等の特殊視覚効果を有する視覚効果印刷物である。

[0076] この特殊視覚効果は、例えばパターン形成区画線の線幅を 0. 2-250 μ mにし、ピッチ幅を 0. 2〜30 mにし、基材の厚みを 0. 01〜0. 8mmにした場合に、好適に発現される。このような特殊視覚効果は、基材のパターン形成面を下に向けた状態で、前記パターン形成面にパターン形成用榭脂組成物を塗工することにより、バターン形成用榭脂組成物の表面張力及び重力の両作用により形成された曲面を有するパターンを硬化してなることにより得られるのであって、基材のパターン形成面を上に向けた状態でパターン形成用榭脂組成物を塗工したのでは決して得ることができない。

[0077] <第 2の形態 > この第 2の形態であるパターン形成方法が前記第 1の形態であるパターン形成方法と相違するところは、前記第 1の形態における「基材の表面に形成されたパターン形成用区画線間に、このパターン形成用区画線を形成する榭脂に対して相溶性の小さな、又は実質的に相溶性のないパターン形成用榭脂組成物を、前記パターン形成用区画線が形成された基材の表面を下に向けた状態で塗工する」第 1の工程の代わりに、（1)基材の表面に第 1下塗り層を形成する第 1の工程、（2)前記第 1下塗り層の表面に所定間隔を設けて第 2下塗り層を形成する第 2の工程、及び (3)前記第 1下塗り層及び第 2下塗り層を有する基材の表面を下に向けた状態で、前記第 1下塗り層に対して相溶性が小さ、か実質的に相溶性がなぐ第 2下塗り層には相溶性のあるバターン形成用榭脂組成物を塗工する第 3の工程を有することである。この第 2の形態であるパターン形成方法における (3)パターン形成用榭脂組成物が塗工された基材の表面を下に向けた状態を維持する工程、及び (4)基材の下側の面に所定のパターンに形成されたパターン形成用榭脂組成物を硬化する工程は、前記第 1の形態であるノターン形成方法における (2)パターン形成用榭脂組成物が塗工された基材の表面を下に向けた状態を維持する工程、及び (3)基材の下側の面に所定のパターンに形成されたパターン形成用榭脂組成物を硬化する工程と同様である。

[0078] すなわち、この第 2の形態における第 1の工程においては、図 2に示されるように、基材 1の一方の表面に形成された画像 2とは反対側の表面に第 1下塗り層 4を形成する。第 1下塗り層 4は、図 2の表示とは異なって、画像 2が形成された面を下側にした基材 1の上側の表面に、塗工しても良い。塗工方法は、ロールコータ法等の公知の塗工方法を採用することができる。

[0079] この第 2の形態における第 2の工程においては、図 2に示されるように、前記第 1下塗り層 4の表面に所定間隔を設けて第 2下塗り層 5bを形成する。

[0080] この第 2の形態における第 3の工程においては、図 2に示されるように、前記第 1下塗り層 4及び第 2下塗り層 5bを有する基材 1の表面を下に向けた状態で、パターン形成用榭脂組成物 6を塗工する。

[0081] この第 2の形態においては、第 1下塗り層を形成する第 1下塗り層用榭脂組成物は基材に対して接着性を有する材料を選定し、第 2下塗り層を形成する第 2下塗り層用榭脂組成物は第 1下塗り層用榭脂組成物に接着性を有する材料を選定し、パターン形成用榭脂組成物は前記第 1下塗り層に対して相溶性が小さいか実質的に相溶性力 Sなぐ第 2下塗り層に対して相溶性の良好な材料を選定することが好ましい。

[0082] もっとも第 1下塗り層用榭脂組成物、第 2下塗り層用榭脂組成物及びパターン形成用榭脂組成物をどのような組成物にするかは、基材の種類、パターン形成用榭脂組成物中の樹脂の種類、パターン形成用榭脂組成物の粘度、硬化速度等に応じて適宜に決定される。

[0083] この第 3の工程で、前記第 1下塗り層 4及び第 2下塗り層 5bを有する基材 1の表面を下に向けた状態で、パターン形成用榭脂組成物 6を塗工すると、図 2に示されるように、パターン形成用榭脂組成物は第 1下塗り層に対して相溶性が小さいか、実質的相溶性がないのでパターン形成用榭脂組成物ははじかれて第 1下塗り層の表面にパターン形成用榭脂が懸垂されず、一方、パターン形成用榭脂組成物は第 2下塗り層に対して相溶性が良好であるので、所定間隔を設けて形成された第 2下塗り層の下側の表面にパターン形成用榭脂糸且成物が、その表面張力及び重力の両作用により形成された曲面を有する状態で懸垂され、パターン 3を形成する。

[0084] パターン形成用榭脂組成物のパターン 3が第 2下塗り層 5bに懸垂された状態を維持しつつこのパターン形成用榭脂組成物を硬化する。

[0085] 硬化については第 1の形態におけるのと、同様である。

[0086] この第 2下塗り層 5bを下向けにした状態でパターン形成用榭脂組成物を塗工するには、図 16に示されるような、パターン形成装置 9Aを使用するのが、好適である。

[0087] パターン形成装置 9Aは、第 1下塗り層形成部 24と、第 2下塗り層形成部 25と、バターン形成用榭脂塗工部 10と、基材移送部 11と、硬化部 12とを備える。前記パターン形成用榭脂塗工部 10と、基材移送部 11と、硬化部 12とは、前記第 1の形態におけるパターン形成装置 9と同様の構成を有する。

[0088] 前記第 1下塗り層形成部 24は、収容されている枚葉紙を給紙する給紙部から送られてきた枚葉紙 16をローラ 26に卷回してこれを移送しつつ、枚葉紙 16の下側の表面に第 1下塗り層用榭脂組成物を塗工し、第 2下塗り層形成部 25は、下側の面に第 1下塗り層を塗工した枚葉紙 16をローラ 27に卷回してこれを移送しつつ、第 1下塗り層の表面に所定間隔を設けて第 2下塗り層用榭脂組成物を塗工し、第 2下塗り層を塗工した枚葉物をパターン形成用榭脂塗工部 10に送り込むように、形成される。なお、図 16【こお!ヽて 27、 28及び 29ίま送りローラを示す。

[0089] このパターン形成装置 9Αにおいては、前記パターン形成装置 9と同様に、硬化部 12を経由した枚葉紙は、その表側に印刷されることなくパターン印刷物として排出される。

[0090] この第 2の形態に係るパターン形成方法によっても前記第 1の形態にかかるパターン形成方法と同様に、未硬化のパターン形成用榭脂組成物自体の表面張力とその重力との両作用の合成により形成される曲面を有しているパターン形成用榭脂組成物が硬化し、固化したパターン 7が形成されてなるパターン印刷物を得ることができる

[0091] 以上、この発明について第 1の形態及び第 2の形態を開示しつっこの発明について詳述したが、この発明は前記第 1の形態及び第 2形態に限定されない。上記バターン形成装置でパターン形成される対象物は枚葉紙であつたが、長尺のロール紙であっても良い。

産業上の利用可能性

[0092] この発明によれば、基材に形成された画像をパターンを通して観察すると、立体視効果、モアレ効果等の特殊視覚効果を得ることのできるパターン形成方法、さらには CCD撮像素子、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機 EL表示装置等にも応用可能なパターン形成方法、及びパターン形成装置を提供することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 基材の表面に形成されたパターン形成用区画線間に、このパターン形成用区画線を形成する榭脂に対して相溶性の小さな、又は実質的に相溶性のなヽパターン形成用榭脂組成物を、前記パターン形成用区画線が形成された基材の表面を下に向けた状態で塗工し、基材の下に向けられた表面にパターン形成用榭脂組成物が保持された状態に維持することによりパターン形成用区画線間にあるパターン形成用榭脂組成物を下に凸状の形状にし、下に凸状の形状になっているその前記パターン形成用榭脂組成物を硬化させることによりパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。

[2] 基材の表面に第 1下塗り層を形成し、次いで、前記第 1下塗り層の表面に所定間隔を設けて第 2下塗り層を形成し、前記第 1下塗り層及び第 2下塗り層を有する基材の表面を下に向けた状態で、前記第 1下塗り層に対して相溶性が小さな、又は実質的に相溶性がなぐ第 2下塗り層には相溶性のあるパターン形成用榭脂組成物を塗工し、下に向けられた第 2下塗り層にパターン形成用榭脂組成物が保持された状態に維持することにより第 2下塗り層に保持されたパターン形成用榭脂組成物を下に凸状の形状にし、下に凸状の形状になっているその前記パターン形成用榭脂組成物を硬化させることによりパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。

[3] 前記パターンが凸レンズである前記請求項 1又は 2に記載のパターン形成方法。

[4] 基材の表面を下に向けた状態で、前記基材の下向きの表面にパターン形成用榭脂組成物を塗工するパターン形成用榭脂組成物塗工部と、下方に向けられた基材の表面に塗工されたパターン形成用榭脂組成物を基材の下側の面に保持された状態で移送されてきたその基材におけるパターン形成用榭脂組成物を硬化させることによりパターンを形成する硬化部とを備え、基材の上側の面に印刷をする上面印刷部を備えて、な、ことを特徴とするパターン形成装置。

[5] 前記パターンが凸レンズである前記請求項 4に記載のパターン形成装置。