JPH05303153A - レンズ付印刷物の製造方法及びレンズ付印刷物 - Google Patents

レンズ付印刷物の製造方法及びレンズ付印刷物

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JPH05303153A
JPH05303153A JP11082792A JP11082792A JPH05303153A JP H05303153 A JPH05303153 A JP H05303153A JP 11082792 A JP11082792 A JP 11082792A JP 11082792 A JP11082792 A JP 11082792A JP H05303153 A JPH05303153 A JP H05303153A
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lens
forming
transparent
image
resin
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Yoshihide Yumoto
好英 湯本
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GURAPATSUKU JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型サイズのレンズ付印刷物の製造が簡単、
確実に行え、部分的にレンズ部分を設けることもでき、
比較的薄く形成でき、柔軟性に優れ、製造コストの大幅
な低減を可能とする。 【構成】 視覚表現2をベースシート1表面に印刷し、
視覚表現2表面に透明な下層樹脂部3を形成し、レンズ
形成用区画線4を下層樹脂部3表面の所定位置に印刷
し、この区画線4に対して相容性のない透明なレンズ形
成用樹脂5を下層樹脂部3表面に塗布し、不相容性によ
るハジキ及びレンズ形成用樹脂5の表面張力を利用し
て、レンズ形成用樹脂5を、隣設するレンズ形成用区画
線4相互間に夫々凸レンズ状にして配列せしめ、これを
硬化させて複数のレンズ部6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面的な図柄を立体的
(三次元的)に視認できるようにすべく用いられている
所謂レンチキュラーレンズを印刷手段によって簡単に構
成できるようにし、更に、このレンチキュラーレンズを
利用して印刷による所定の図柄を立体的に視認せしめら
れるようにした立体画像印刷物の製造方法及び立体画像
印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、立体写真の如き所定の画
像を立体的に視認できるようにした立体画像印刷物は、
種々の手段によって製造されている。そして、一般的に
は、金型等による加熱、加圧手段によって、レンズシー
トの表面へかなり細かな凸レンズを多数列設してなるレ
ンチキュラーレンズを形成し、このレンズシートの裏面
に、所定の立体画像用の図柄等が印刷されているシート
材を貼り合せることにより構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の如き
立体画像印刷物にあっては、レンチキュラーレンズの一
つ一つの凸レンズのピッチと、立体画像用の図柄等のピ
ッチとを一致せしめなければならないと共に、レンチキ
ュラーレンズの一つ一つの凸レンズと、立体画像用の図
柄とを正確に合致せしめなければ、図柄を綺麗に且つ立
体的に視認させることができず、これらを正確に製造す
ることが比較的面倒で且つ難しかった。特に、大型サイ
ズの立体画像印刷物を製造しようとすると、誤差がより
大きくなってその製造が困難であった。すなわち、レン
ズシートにシート材を貼り合わせる時に夫々に伸縮等が
発生し、シート材の図柄とレンズシートの凸レンズと
を、隅々まで正確に合致させることが困難であった。ま
た、レンチキュラーレンズ自体が比較的厚く構成されて
しまうため、立体画像印刷物自体の柔軟性が損なわれて
しまうと共に、立体画像印刷物自体の厚みや重量が多く
なる難点があった。しかも、立体画像印刷物を製造する
ための費用が比較的高くなってしまう難点等があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、前述
の如き難点等を解消すると共に、その製造が比較的簡単
に且つ確実に行え、また、大型サイズの立体画像印刷物
の製造も容易に行え、部分的に立体画像部分を設けるこ
ともでき、更に、立体画像印刷物自体を比較的薄く且つ
軽く形成できて、柔軟性があり、しかも、立体画像印刷
物の製造コストを大幅に低減できるようにすべく創出さ
れたもので、請求項1記載の立体画像印刷物の製造方法
にあっては、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2bが
複数並設されることで構成されている所望の画像2をベ
ースシート1表面に印刷する。そして、下層用樹脂を画
像2表面に印刷して透明な下層樹脂部3を形成する。そ
れから、レンズ形成用区画線4を下層樹脂部3表面の所
定位置に所定間隔で印刷する。更に、レンズ形成用区画
線4に対して相容性のない透明なレンズ形成用樹脂5を
下層樹脂部3表面に塗布し、レンズ形成用区画線4とレ
ンズ形成用樹脂5との不相容性によるハジキ及びレンズ
形成用樹脂5の表面張力を利用して、レンズ形成用樹脂
5を、隣設するレンズ形成用区画線4相互間に夫々凸レ
ンズ状にして配列せしめ、これを硬化させて複数のレン
ズ部6を形成する手段を採用した。
【0005】また、請求項2記載の立体画像印刷物にあ
っては、ベースシート1と、ベースシート1表面に設け
られると共に、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2b
を複数並設して形成される画像2と、画像2表面に形成
される透明な下層樹脂部3と、下層樹脂部3表面の所定
位置に、所定間隔で印刷されるレンズ形成用区画線4
と、隣設するレンズ形成用区画線4相互間に夫々配置さ
れる凸レンズ状の透明なレンズ部6とで構成する。そし
て、レンズ部6を一対の右眼用画像2aと左眼用画像2
bに跨がるように配置する手段を採用した。
【0006】更に、請求項3記載の立体画像印刷物にあ
っては、透明ベースシート10と、透明ベースシート1
0裏面に設けられると共に、一対の右眼用画像2aと左
眼用画像2bを複数並設して形成される画像2と、透明
ベースシート10表面の所定位置に、所定間隔で印刷さ
れるレンズ形成用区画線4と、隣設するレンズ形成用区
画線4相互間に夫々配置される凸レンズ状の透明なレン
ズ部6とで構成する。そして、レンズ部6を一対の右眼
用画像2aと左眼用画像2bに跨がるように配置する手
段を採用した。
【0007】
【作用】しかして、請求項1記載の立体画像印刷物の製
造方法にあっては、画像2は、一対の右眼用画像2aと
左眼用画像2bを複数並設した状態で、ベースシート1
表面に印刷され、透明な下層樹脂部3は、画像2表面に
印刷手段によって形成される。レンズ形成用区画線4
は、下層樹脂部3表面の所定位置に所定間隔で印刷さ
れ、そして、透明なレンズ形成用樹脂5は、下層樹脂部
3表面に塗布され、レンズ形成用区画線4とレンズ形成
用樹脂5との不相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹
脂5の表面張力によって、隣設するレンズ形成用区画線
4相互間に夫々配列されると共に、夫々が凸レンズ状に
形成され、これが硬化して複数のレンズ部6となる。す
なわち、透明な下層樹脂部3と複数の透明なレンズ部6
とによってレンチキュラーレンズが構成され、このレン
チキュラーレンズを通して画像2が立体的に視認される
ようになる。
【0008】また、請求項2記載の立体画像印刷物にあ
っては、ベースシート1表面に画像2が形成され、この
画像2表面に透明な下層樹脂部3が設けられ、この下層
樹脂部3表面のレンズ形成用区画線4を除いた部分に凸
レンズ状の透明なレンズ部6が複数設けられる。しか
も、レンズ部6は、一対の右眼用画像2aと左眼用画像
2bに跨がるように配置される。すなわち、透明な下層
樹脂部3と複数の透明なレンズ部6とによってレンチキ
ュラーレンズが構成され、このレンチキュラーレンズを
通してベースシート1表面の画像2が立体的に視認され
るようになる。
【0009】更に、請求項3記載の立体画像印刷物にあ
っては、透明ベースシート10裏面に画像2が形成さ
れ、透明ベースシート10表面のレンズ形成用区画線4
を除いた部分に凸レンズ状の透明なレンズ部6が複数設
けられ、しかも、レンズ部6は、一対の右眼用画像2a
と左眼用画像2bに跨がるように配置される。すなわ
ち、透明ベースシート10と複数の透明なレンズ部6と
によってレンチキュラーレンズが構成され、このレンチ
キュラーレンズを通して透明ベースシート10裏面の画
像2が立体的に視認されるようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示例に基づいて説明する。
本発明の立体画像印刷物の製造方法は、一対の細長帯状
の右眼用画像2aと細長帯状の左眼用画像2bを複数並
設することで構成されている所望の画像2をベースシー
ト1表面全面に(或いは、部分的に)印刷する(図2参
照)。そして、透明な下層用樹脂を前記画像2表面に印
刷して、所定厚みの透明な下層樹脂部3を形成する(図
3参照)。それから、レンズ形成用区画線4を下層樹脂
部3表面の所定位置に所定間隔で印刷する(図4参
照)。すなわち、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2
b毎に画像2を隔てるように比較的細いレンズ形成用区
画線4を平行に印刷する。更に、レンズ形成用区画線4
に対して相容性のない透明なレンズ形成用樹脂5を下層
樹脂部3表面に所定厚さに塗布する(図5参照)。しか
も、レンズ形成用区画線4とレンズ形成用樹脂5との不
相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹脂5自身の表面
張力を利用して、レンズ形成用樹脂5を、隣設するレン
ズ形成用区画線4相互間に夫々凸レンズ状にして配列せ
しめ、これを、紫外線や、熱や、電子線等によって硬化
させて、断面略半円状でかなり細長い複数のレンズ部6
を並列状態に形成して構成する(図6参照)。すなわ
ち、透明な下層樹脂部3と複数の透明なレンズ部6とに
よってレンチキュラーレンズを構成し、このレンチキュ
ラーレンズを通して画像2を見ると、一対の右眼用画像
部2aと左眼用画像部2bに跨がるように配置されるレ
ンズ部6によって、右眼用画像2aと左眼用画像2bと
が視差を生じた状態で現出するために、画像2が立体的
に視認されるように構成してある。尚、一つのレンズ部
6に配置される一対の右眼用画像部2aと左眼用画像部
2bは、これを見るものに対して一つのレンズ部6の左
がわに右眼用画像2aが配され、一つのレンズ部6の右
がわに左眼用画像2bが配される。ところで、前述の如
く構成される立体画像印刷物は、図1に示すように、例
えば、所定寸法の略シート状としたベースシート1に画
像印刷工程A部分で画像2を印刷し、更に、下層樹脂部
印刷工程B部分で下層樹脂部3を印刷し、次に、レンズ
形成用区画線印刷工程C部分でレンズ形成用区画線4を
印刷し、それから、レンズ形成用樹脂印刷工程D部分
で、レンズ形成用樹脂5を塗布し、最後に、レンズ部硬
化成形工程E部分で、レンズ部6を硬化形成せしめて立
体画像印刷物を形成できるようにしてある。すなわち、
夫々の工程が一つの生産ライン上に連続するように配置
してあり、立体画像印刷物の製造が効率的に行えるよう
にしてある。
【0011】また、図7に示すような立体画像印刷物
は、一対の細長帯状の右眼用画像2aと細長帯状の左眼
用画像2bを複数並設することで構成されている所望の
画像2を透明ベースシート10裏面全面に(或いは、部
分的に)印刷し、レンズ形成用区画線4を透明ベースシ
ート10表面の所定位置に所定間隔で印刷し(すなわ
ち、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2b毎に画像2
を隔てるように比較的細いレンズ形成用区画線4を平行
に印刷する)、レンズ形成用区画線4に対して相容性の
ない透明なレンズ形成用樹脂5を透明ベースシート10
表面に所定厚さに塗布し、レンズ形成用区画線4とレン
ズ形成用樹脂5との不相容性によるハジキ及びレンズ形
成用樹脂5自身の表面張力を利用して、レンズ形成用樹
脂5を、隣設するレンズ形成用区画線4相互間に夫々凸
レンズ状にして配列せしめ、これを硬化させて複数の断
面略半円状のかなり細長いレンズ部6を並列状態に形成
し、更に、画像2裏面に透過防止用層11を形成して構
成する。
【0012】尚、ベースシート1は、印刷が簡単に施せ
るように比較的薄いシート状を呈し、紙、合成樹脂、金
属、その他の適宜材料によって構成されている。しか
も、その具体的形状や、寸法は自由に設定される。
【0013】レンチキュラーレンズを通して立体的に視
認される画像2(右眼用画像2a、左眼用画像2b)
は、任意の図柄を採用できると共に、その配設位置や、
寸法も自由に設定される。
【0014】下層樹脂部3は、その具体的材質や、厚み
や、屈折率等が、レンズ部6の具体的材質や、形状や、
焦点距離や、屈折率等によって適宜設定される。
【0015】レンズ形成用区画線4は、下層樹脂部3表
面や透明ベースシート10表面に容易に印刷できて、レ
ンズ形成用樹脂5を確実にハジクことができるものであ
れば良く、その具体的配設状態や寸法等は、適宜自由に
設定される。
【0016】レンズ形成用樹脂5は、例えば、紫外線
や、熱や、電子線等によって硬化する樹脂が利用され、
しかも、レンズ形成用区画線4に対して相容性がなくて
確実にハジキを生じ、レンズ形成用樹脂5自身の表面張
力によって半円状に形成されるように、その具体的材料
や、粘度や、硬化速度等が決定される。
【0017】透明ベースシート10は、前記下層樹脂部
3と同様に、その具体的材質や、厚みや、屈折率等が、
レンズ部6の具体的材質や、形状や、焦点距離や、屈折
率等によって適宜設定される。
【0018】透過防止用層11は、画像2における光の
透過を防止し、画像2をより鮮明に視認させるようなも
のであれば良く、例えば、白色や銀色が利用されるが、
その具体的材料や、厚み、色彩等は、適宜自由に設定さ
れる。ところで、この透過防止用層11を設けずに、そ
の透過性を利用したより興趣に富んだ立体画像印刷物を
形成しても良い。
【0019】
【発明の効果】従って、請求項1記載の立体画像印刷物
の製造方法にあっては、一対の右眼用画像2aと左眼用
画像2bが複数並設されることで構成されている所望の
画像2をベースシート1表面に印刷し、下層用樹脂を画
像2表面に印刷して透明な下層樹脂部3を形成し、レン
ズ形成用区画線4を下層樹脂部3表面の所定位置に所定
間隔で印刷し、レンズ形成用区画線4に対して相容性の
ない透明なレンズ形成用樹脂5を下層樹脂部3表面に塗
布し、レンズ形成用区画線4とレンズ形成用樹脂5との
不相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹脂5の表面張
力を利用して、レンズ形成用樹脂5を、隣設するレンズ
形成用区画線4相互間に夫々凸レンズ状にして配列せし
め、これを硬化させて複数のレンズ部6を形成するの
で、平面的な画像2を立体的(三次元的)に視認できる
興趣に富んだ立体画像印刷物の製造が熟練を要さず、簡
単に、確実に、且つ短時間で行えるようになり、量産性
に優れ、立体画像印刷物の製造コストを従来の手段に比
べてかなり大幅に低減でき、経済性の優れたものとな
る。
【0020】特に、透明な下層樹脂部3と複数の透明な
レンズ部6とによってレンチキュラーレンズを構成で
き、しかも、これを印刷手段によって構成できるように
なるため、従来のようにベースシートにレンチキュラー
レンズを貼り合わせる時等に生じていた伸縮等が発生し
難くなり、画像2の印刷とレンズ部6の形成とが、ベー
スシート1に対して隅々にまでズレることなく正確に行
えるようになり、大型サイズの立体画像印刷物の製造に
適したものとなると共に、これを容易に行えるようにな
る。しかも、部分的に立体画像部分を設けることが容易
に行えるようになる。更に、立体画像印刷物自体を比較
的薄く且つ軽量に形成でき、柔軟性のある立体画像印刷
物を製造できるようになる。すなわち、請求項1記載の
立体画像印刷物の製造方法によれば、あらゆる印刷物
(例えば、雑誌、ポスター等)にレンチキュラーレンズ
を簡単に構成でき、立体画像印刷物が製造可能な範囲
(利用範囲)を飛躍的に拡大できるようになる。
【0021】また、請求項2記載の立体画像印刷物にあ
っては、ベースシート1と、ベースシート1表面に設け
られると共に、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2b
を複数並設して形成される画像2と、画像2表面に形成
される透明な下層樹脂部3と、下層樹脂部3表面の所定
位置に、所定間隔で印刷されるレンズ形成用区画線4
と、隣設するレンズ形成用区画線4相互間に夫々配置さ
れる凸レンズ状の透明なレンズ部6とからなり、レンズ
部6を一対の右眼用画像2aと左眼用画像2bに跨がる
ように配置したので、透明な下層樹脂部3と複数の透明
なレンズ部6とによってレンチキュラーレンズを構成で
き、このレンチキュラーレンズを通して画像2を見たと
きに、レンズ部6及び下層樹脂部3によって、一対の右
眼用画像2aと左眼用画像2bとが視差を生じた状態で
現出して、画像2を立体的に視認できるようになる。
【0022】更に、請求項3記載の立体画像印刷物にあ
っては、透明ベースシート10と、透明ベースシート1
0裏面に設けられると共に、一対の右眼用画像2aと左
眼用画像2bを複数並設して形成される画像2と、透明
ベースシート10表面の所定位置に、所定間隔で印刷さ
れるレンズ形成用区画線4と、隣設するレンズ形成用区
画線4相互間に夫々配置される凸レンズ状の透明なレン
ズ部6とからなり、レンズ部6を一対の右眼用画像2a
と左眼用画像2bに跨がるように配置したので、透明ベ
ースシート10と複数の透明なレンズ部6とによってレ
ンチキュラーレンズを構成でき、このレンチキュラーレ
ンズを通して透明ベースシート10裏面の画像2を見た
ときに、レンズ部6及び透明ベースシート10によっ
て、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2bとが視差を
生じた状態で現出して、画像2を立体的に視認できるよ
うになる。しかも、透明ベースシート10自身の透過性
を利用しているので、立体画像印刷物をより簡素に構成
できるようになると共に、比較的強度が高く、より薄
く、柔軟な立体画像印刷物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体画像印刷物の製造工程を示す概略図であ
る。
【図2】画像をベースシート表面に印刷した状態の断面
図である。
【図3】画像表面に透明な下層樹脂部を形成した状態の
断面図である。
【図4】レンズ形成用区画線を下層樹脂部表面に印刷し
た状態の断面図である。
【図5】透明なレンズ形成用樹脂を下層樹脂部表面に塗
布した状態の断面図である。
【図6】レンズ形成用樹脂を硬化させて複数のレンズ部
を形成した状態の断面図である。
【図7】透明ベースシートを利用した立体画像印刷物の
断面図である。
【符号の説明】
A 画像印刷工程 B 下層
樹脂部印刷工程 C レンズ形成用区画線印刷工程 D レン
ズ形成用樹脂印刷工程 E レンズ部硬化成形工程 1 ベースシート 2 画像 2a 右眼用画像 2b 左眼
用画像 3 下層樹脂部 4 レン
ズ形成用区画線 5 レンズ形成用樹脂 6 レン
ズ部 10 透明ベースシート 11 透過
防止用層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月2日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 レンズ付印刷物の製造方法及びレンズ
印刷物
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に、印刷による平面
的な絵や図柄等の視覚表現が立体的(三次元的)に視認
できるレンズ付印刷物を簡単に構成できるようにしたレ
ンズ付印刷物の製造方法及びレンズ付印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、立体写真の如き所定の
覚表現(画像)を立体的に視認できるようにした立体画
像印刷物は、種々の手段によって製造されている。そし
て、一般的には、金型等による加熱、加圧手段によっ
て、レンズシートの表面へかなり細かな凸レンズを多数
列設してなるレンズ(所謂レンチキュラーレンズ)を形
成し、このレンズシートの裏面に、所定の立体用の絵
や図柄等の視覚表現が印刷されているシート材を貼り合
せることにより構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の如き
立体画像印刷物にあっては、レンズ(所謂レンチキュラ
ーレンズ)の一つ一つの凸レンズのピッチと、立体
絵や図柄等の視覚表現のピッチとを一致せしめなけれ
ばならないと共に、レンチキュラーレンズの一つ一つの
凸レンズと、立体用の絵や図柄等の視覚表現を正確に
合致せしめなければ、視覚表現を綺麗に且つ立体的に視
認させることができず、これらを正確に製造することが
比較的面倒で且つ難しかった。特に、大型サイズの立体
画像印刷物を製造しようとすると、誤差がより大きくな
ってその製造が困難であった。すなわち、レンズシート
にシート材を貼り合わせる時に夫々に伸縮等が発生し、
シート材の図柄とレンズシートの凸レンズとを、隅々ま
で正確に合致させることが困難であった。また、レンチ
キュラーレンズ自体が比較的厚く構成されてしまうた
め、立体画像印刷物自体の柔軟性が損なわれてしまうと
共に、立体画像印刷物自体の厚みや重量が多くなる難点
があった。しかも、立体画像印刷物を製造するための費
用が比較的高くなってしまう難点等があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、前述
の如き難点等を解消すると共に、その製造が比較的簡単
に且つ確実に行え、また、大型サイズのレンズ付印刷物
の製造も容易に行え、部分的にレンズ部分を設けること
もでき、更に、レンズ付印刷物自体を比較的薄く且つ軽
く形成できて、柔軟性があり、しかも、レンズ付印刷物
の製造コストを大幅に低減できるようにすべく創出され
たもので、請求項1記載のレンズ付印刷物の製造方法に
あっては、一対の右眼用視覚表現2aと左眼用視覚表現
2bが複数並設されることで構成されている所望の視覚
表現2をベースシート1表面に印刷する。そして、視覚
表現2表面透明な下層樹脂部3を形成する。それか
ら、レンズ形成用区画線4を下層樹脂部3表面の所定位
置に所定間隔で印刷する。更に、レンズ形成用区画線4
に対して相容性のない透明なレンズ形成用樹脂5を下層
樹脂部3表面に塗布し、レンズ形成用区画線4とレンズ
形成用樹脂5との不相容性によるハジキ及びレンズ形成
用樹脂5の表面張力を利用して、レンズ形成用樹脂5
を、隣設するレンズ形成用区画線4相互間に夫々凸レン
ズ状にして配列せしめ、これを硬化させて複数のレンズ
部6を形成する手段を採用した。
【0005】また、請求項2記載のレンズ付印刷物にあ
っては、ベースシート1と、ベースシート1表面に設け
られると共に、一対の右眼用視覚表現2aと左眼用視覚
表現2bを複数並設して形成される視覚表現2と、視覚
表現2表面に形成される透明な下層樹脂部3と、下層樹
脂部3表面の所定位置に、所定間隔で印刷されるレンズ
形成用区画線4と、隣設するレンズ形成用区画線4相互
間に夫々配置される凸レンズ状の透明なレンズ部6とで
構成する。そして、レンズ部6を一対の右眼用視覚表現
2aと左眼用視覚表現2bに跨がるように配置する手段
を採用した。
【0006】更に、請求項3記載のレンズ付印刷物にあ
っては、透明ベースシート10と、透明ベースシート1
0裏面に設けられると共に、一対の右眼用視覚表現2a
と左眼用視覚表現2bを複数並設して形成される視覚表
2と、透明ベースシート10表面の所定位置に、所定
間隔で印刷されるレンズ形成用区画線4と、隣設するレ
ンズ形成用区画線4相互間に夫々配置される凸レンズ状
の透明なレンズ部6とで構成する。そして、レンズ部6
を一対の右眼用視覚表現2aと左眼用視覚表現2bに跨
がるように配置する手段を採用した。
【0007】
【作用】しかして、請求項1記載のレンズ付印刷物の製
造方法にあっては、視覚表現2は、一対の右眼用視覚表
2aと左眼用視覚表現2bを複数並設した状態で、ベ
ースシート1表面に印刷され、透明な下層樹脂部3は、
視覚表現2表面に形成される。レンズ形成用区画線4
は、下層樹脂部3表面の所定位置に所定間隔で印刷さ
れ、そして、透明なレンズ形成用樹脂5は、下層樹脂部
3表面に塗布され、レンズ形成用区画線4とレンズ形成
用樹脂5との不相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹
脂5の表面張力によって、隣設するレンズ形成用区画線
4相互間に夫々配列されると共に、夫々が凸レンズ状に
形成され、これが硬化して複数のレンズ部6となる。す
なわち、透明な下層樹脂部3と複数の透明なレンズ部6
とによってレンズが構成され、このレンズを通して視覚
表現2が視認されるようになる。
【0008】また、請求項2記載のレンズ付印刷物にあ
っては、ベースシート1表面に視覚表現2が形成され、
この視覚表現2表面に透明な下層樹脂部3が設けられ、
この下層樹脂部3表面のレンズ形成用区画線4を除いた
部分に凸レンズ状の透明なレンズ部6が複数設けられ
る。しかも、レンズ部6は、一対の右眼用視覚表現2a
と左眼用視覚表現2bに跨がるように配置される。すな
わち、透明な下層樹脂部3と複数の透明なレンズ部6と
によってレンズが構成され、このレンズを通してベース
シート1表面の視覚表現2が視認されるようになる。
【0009】更に、請求項3記載のレンズ付印刷物にあ
っては、透明ベースシート10裏面に視覚表現2が形成
され、透明ベースシート10表面のレンズ形成用区画線
4を除いた部分に凸レンズ状の透明なレンズ部6が複数
設けられ、しかも、レンズ部6は、一対の右眼用視覚表
2aと左眼用視覚表現2bに跨がるように配置され
る。すなわち、透明ベースシート10と複数の透明なレ
ンズ部6とによってレンズが構成され、このレンズを通
して透明ベースシート10裏面の視覚表現2が視認され
るようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示例に基づいて説明する。
本発明のレンズ付印刷物の製造方法は、一対の細長帯状
の右眼用視覚表現2aと細長帯状の左眼用視覚表現2b
を複数並設することで構成されている所望の視覚表現
をベースシート1表面全面に(或いは、部分的に)印刷
する(図2参照)。そして、透明な下層用樹脂を前記
覚表現2表面に塗布して、所定厚みの透明な下層樹脂部
3を形成する(図3参照)。それから、レンズ形成用区
画線4を下層樹脂部3表面の所定位置に所定間隔で印刷
する(図4参照)。すなわち、一対の右眼用視覚表現
aと左眼用視覚表現2b毎に視覚表現2を隔てるように
比較的細いレンズ形成用区画線4を平行に印刷する。更
に、レンズ形成用区画線4のインキ素材に対して相容性
のない透明なレンズ形成用樹脂5を下層樹脂部3表面に
所定厚さに塗布する(図5参照)。しかも、レンズ形成
用区画線4とレンズ形成用樹脂5との不相容性によるハ
ジキ及びレンズ形成用樹脂5自身の表面張力を利用し
て、レンズ形成用樹脂5を、隣設するレンズ形成用区画
線4相互間に夫々凸レンズ状にして配列せしめ、これ
を、紫外線や、熱や、電子線等によって硬化させて、断
面略半円状(断面略弓形状を含む)でかなり細長い複数
のレンズ部6を並列状態に形成して構成する(図6参
照)。すなわち、透明な下層樹脂部3と複数の透明なレ
ンズ部6とによってレンズ(所謂レンチキュラーレン
ズ)を構成し、このレンズを通して視覚表現2を見る
と、一対の右眼用視覚表現2aと左眼用視覚表現2bに
跨がるように配置されるレンズ部6によって、右眼用
覚表現2aと左眼用視覚表現2bとが視差を生じた状態
で現出するために、視覚表現2が立体的に視認されるよ
うにる。尚、一つのレンズ部6に配置される一対の右
眼用視覚表現2aと左眼用視覚表現2bは、これを見る
ものに対して一つのレンズ部6の左がわに右眼用視覚表
2aが配され、一つのレンズ部6の右がわに左眼用
覚表現2bが配される。ところで、前述の如く構成され
レンズ付印刷物は、図1に示すように、例えば、所定
寸法の略シート状としたベースシート1に視覚表現印刷
工程A部分で視覚表現2を印刷し、更に、下層樹脂部印
刷工程B部分で下層樹脂部3を塗布し、次に、レンズ形
成用区画線印刷工程C部分でレンズ形成用区画線4を印
刷し、それから、レンズ形成用樹脂印刷工程D部分で、
レンズ形成用樹脂5を塗布し、最後に、レンズ部硬化成
形工程E部分で、レンズ部6を硬化形成せしめてレンズ
印刷物を形成できるようにしてある。すなわち、夫々
の工程が一つの生産ライン上に連続するように配置して
あり、レンズ付印刷物の製造が効率的に行えるようにし
てある。
【0011】また、図7に示すようなレンズ付印刷物
は、一対の細長帯状の右眼用視覚表現2aと細長帯状の
左眼用視覚表現2bを複数並設することで構成されてい
る所望の視覚表現2を透明ベースシート10裏面全面に
(或いは、部分的に)印刷し、レンズ形成用区画線4を
透明ベースシート10表面の所定位置に所定間隔で印刷
し(すなわち、一対の右眼用視覚表現2aと左眼用視覚
表現2b毎に視覚表現2を隔てるように比較的細いレン
ズ形成用区画線4を平行に印刷する)、レンズ形成用区
画線4に対して相容性のない透明なレンズ形成用樹脂5
を透明ベースシート10表面に所定厚さに塗布し、レン
ズ形成用区画線4とレンズ形成用樹脂5との不相容性に
よるハジキ及びレンズ形成用樹脂5自身の表面張力を利
用して、レンズ形成用樹脂5を、隣設するレンズ形成用
区画線4相互間に夫々凸レンズ状にして配列せしめ、こ
れを硬化させて複数の断面略半円状(断面略弓形状を含
む)のかなり細長いレンズ部6を並列状態に形成し、更
に、視覚表現2裏面に透過防止用層11を形成して構成
する。
【0012】尚、ベースシート1は、印刷が簡単に施せ
るように比較的薄いシート状を呈し、紙、合成樹脂、金
属、その他の適宜材料によって構成されている。しか
も、その具体的形状や、寸法は自由に設定される。
【0013】レンズ(レンチキュラーレンズ)を通して
立体的に視認される視覚表現2(右眼用視覚表現2a、
左眼用視覚表現2b)は、任意の絵や図柄等を採用でき
ると共に、その配設位置や、数や、寸法も自由に設定さ
れる。
【0014】下層樹脂部3は、その具体的材質や、厚み
や、屈折率等が、レンズ部6の具体的材質や、形状や、
焦点距離や、屈折率等によって適宜設定される。
【0015】レンズ形成用区画線4は、下層樹脂部3表
面や透明ベースシート10表面に容易に印刷できて、
のインキ素材がレンズ形成用樹脂5を確実にハジクこと
ができるものであれば良く、その具体的配設状態や寸法
等は、適宜自由に設定される。
【0016】レンズ形成用樹脂5は、例えば、紫外線
や、熱や、電子線等によって硬化する樹脂が利用され、
しかも、レンズ形成用区画線4のインキ素材に対して相
容性がなくて確実にハジキを生じ、レンズ形成用樹脂5
自身の表面張力によって略半円状(略弓形状を含む)
形成されるように、透明度や、屈折率や、分散率や、
の具体的材料や、粘度や、硬化速度等が決定される。
【0017】透明ベースシート10は、前記下層樹脂部
3と同様に、その具体的材質や、厚みや、屈折率等が、
レンズ部6の具体的材質や、形状や、焦点距離や、屈折
率等によって適宜設定される。
【0018】透過防止用層11は、視覚表現2における
光の透過を防止し、視覚表現2をより鮮明に視認させる
ようなものであれば良く、例えば、白色や銀色が利用さ
れるが、その具体的材料や、厚み、色彩等は、適宜自由
に設定される。ところで、この透過防止用層11を設け
ずに、その透過性を利用したより興趣に富んだレンズ付
印刷物を形成しても良い。
【0019】
【発明の効果】従って、請求項1記載のレンズ付印刷物
の製造方法にあっては、一対の右眼用視覚表現2aと左
眼用視覚表現2bが複数並設されることで構成されてい
る所望の視覚表現2をベースシート1表面に印刷し、
覚表現2表面透明な下層樹脂部3を形成し、レンズ形
成用区画線4を下層樹脂部3表面の所定位置に所定間隔
で印刷し、レンズ形成用区画線4に対して相容性のない
透明なレンズ形成用樹脂5を下層樹脂部3表面に塗布
し、レンズ形成用区画線4とレンズ形成用樹脂5との不
相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹脂5の表面張力
を利用して、レンズ形成用樹脂5を、隣設するレンズ形
成用区画線4相互間に夫々凸レンズ状にして配列せし
め、これを硬化させて複数のレンズ部6を形成するの
で、平面的な視覚表現2を立体的(三次元的)に視認で
きるようになり、興趣に富んだレンズ付印刷物の製造が
熟練を要さず、簡単に、確実に、且つ短時間で行えるよ
うになり、量産性に優れ、レンズ付印刷物の製造コスト
を従来の手段に比べてかなり大幅に低減でき、経済性の
優れたものとなる。
【0020】特に、透明な下層樹脂部3と複数の透明な
レンズ部6とによってレンズ(所謂レンチキュラーレン
ズ等)を構成でき、しかも、これを同一工程中で処理
きるようになるため、従来のようにベースシートにレン
チキュラーレンズを貼り合わせる時等に生じていた伸縮
等が発生し難くなり、視覚表現2の印刷とレンズ部6の
形成とが、ベースシート1に対して隅々にまでズレるこ
となく正確に行えるようになり、大型サイズのレンズ付
印刷物の製造に適したものとなると共に、これを容易に
且つ極短時間で行えるようになる。しかも、部分的に
ンズを設けることが容易に行えるようになる。更に、
ンズ付印刷物自体を比較的薄く且つ軽量に形成でき、柔
軟性のあるレンズ付印刷物を製造できるようになる。す
なわち、請求項1記載のレンズ付印刷物の製造方法によ
れば、あらゆる印刷物(例えば、雑誌、ポスター等)に
レンズ(レンチキュラーレンズ等)を簡単に構成でき、
レンズ付印刷物が製造可能な範囲(利用範囲)を飛躍的
に拡大できるようになる。そして、レンズ形成用区画線
4相互の間隔を狭くすることにより、レンズ部6の焦点
距離を短くできるので、下層樹脂部3を薄く構成できる
ようになる。ひいては、レンズ付印刷物全体をより薄く
構成できるようになる。
【0021】また、請求項2記載のレンズ付印刷物にあ
っては、ベースシート1と、ベースシート1表面に設け
られると共に、一対の右眼用視覚表現2aと左眼用視覚
表現2bを複数並設して形成される視覚表現2と、視覚
表現2表面に形成される透明な下層樹脂部3と、下層樹
脂部3表面の所定位置に、所定間隔で印刷されるレンズ
形成用区画線4と、隣設するレンズ形成用区画線4相互
間に夫々配置される凸レンズ状の透明なレンズ部6とか
らなり、レンズ部6を一対の右眼用視覚表現2aと左眼
視覚表現2bに跨がるように配置したので、透明な下
層樹脂部3と複数の透明なレンズ部6とによってレンズ
(レンチキュラーレンズ等)を構成でき、このレンズ
通して視覚表現2を見たときに、レンズ部6及び下層樹
脂部3によって、一対の右眼用視覚表現2aと左眼用
覚表現2bとが視差を生じた状態で現出して、視覚表現
2を立体的に視認できるようになる。
【0022】更に、請求項3記載のレンズ付印刷物にあ
っては、透明ベースシート10と、透明ベースシート1
0裏面に設けられると共に、一対の右眼用視覚表現2a
と左眼用視覚表現2bを複数並設して形成される視覚表
2と、透明ベースシート10表面の所定位置に、所定
間隔で印刷されるレンズ形成用区画線4と、隣設するレ
ンズ形成用区画線4相互間に夫々配置される凸レンズ状
の透明なレンズ部6とからなり、レンズ部6を一対の右
眼用視覚表現2aと左眼用視覚表現2bに跨がるように
配置したので、透明ベースシート10と複数の透明なレ
ンズ部6とによってレンズ(レンチキュラーレンズ等)
を構成でき、このレンズを通して透明ベースシート10
裏面の視覚表現2を見たときに、レンズ部6及び透明ベ
ースシート10によって、一対の右眼用視覚表現2aと
左眼用視覚表現2bとが視差を生じた状態で現出して、
視覚表現2を立体的に視認できるようになる。しかも、
透明ベースシート10自身の透過性を利用しているの
で、レンズ付印刷物をより簡素に構成できるようになる
と共に、比較的強度が高く、より薄く、柔軟なレンズ付
印刷物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付印刷物の製造工程を示す概略図であ
る。
【図2】視覚表現をベースシート表面に印刷した状態の
断面図である。
【図3】視覚表現表面に透明な下層樹脂部を形成した状
態の断面図である。
【図4】レンズ形成用区画線を下層樹脂部表面に印刷し
た状態の断面図である。
【図5】透明なレンズ形成用樹脂を下層樹脂部表面に塗
布した状態の断面図である。
【図6】レンズ形成用樹脂を硬化させて複数のレンズ部
を形成した状態の断面図である。
【図7】透明ベースシートを利用したレンズ付印刷物の
断面図である。
【符号の説明】 A 視覚表現印刷工程 B 下層
樹脂部印刷工程 C レンズ形成用区画線印刷工程 D レン
ズ形成用樹脂印刷工程 E レンズ部硬化成形工程 1 ベースシート 2 視覚
表現 2a 右眼用視覚表現 2b 左眼
視覚表現 3 下層樹脂部 4 レン
ズ形成用区画線 5 レンズ形成用樹脂 6 レン
ズ部 10 透明ベースシート 11 透過
防止用層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の右眼用画像と左眼用画像が複数並
    設されることで構成されている所望の画像をベースシー
    ト表面に印刷し、下層用樹脂を画像表面に印刷して透明
    な下層樹脂部を形成し、レンズ形成用区画線を下層樹脂
    部表面の所定位置に所定間隔で印刷し、レンズ形成用区
    画線に対して相容性のない透明なレンズ形成用樹脂を下
    層樹脂部表面に塗布し、レンズ形成用区画線とレンズ形
    成用樹脂との不相容性によるハジキ及びレンズ形成用樹
    脂の表面張力を利用して、レンズ形成用樹脂を、隣設す
    るレンズ形成用区画線相互間に夫々凸レンズ状にして配
    列せしめ、これを硬化させて複数のレンズ部を形成する
    ことを特徴とした立体画像印刷物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ベースシートと、ベースシート表面に設
    けられると共に、一対の右眼用画像と左眼用画像を複数
    並設して形成される画像と、画像表面に形成される透明
    な下層樹脂部と、下層樹脂部表面の所定位置に、所定間
    隔で印刷されるレンズ形成用区画線と、隣設するレンズ
    形成用区画線相互間に夫々配置される凸レンズ状の透明
    なレンズ部とからなり、レンズ部を一対の右眼用画像と
    左眼用画像に跨がるように配置したことを特徴とする立
    体画像印刷物。
  3. 【請求項3】 透明ベースシートと、透明ベースシート
    裏面に設けられると共に、一対の右眼用画像と左眼用画
    像を複数並設して形成される画像と、透明ベースシート
    表面の所定位置に、所定間隔で印刷されるレンズ形成用
    区画線と、隣設するレンズ形成用区画線相互間に夫々配
    置される凸レンズ状の透明なレンズ部とからなり、レン
    ズ部を一対の右眼用画像と左眼用画像に跨がるように配
    置したことを特徴とする立体画像印刷物。
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