WO2006070720A1

WO2006070720A1 - かつら及びその製造方法

Info

Publication number: WO2006070720A1
Application number: PCT/JP2005/023740
Authority: WO
Inventors: Yoko Kitsu; Kumiko Saito; Katsuo Sugai; Yoshimi Sasaki
Original assignee: Aderans Co., Ltd.
Priority date: 2004-12-28
Filing date: 2005-12-26
Publication date: 2006-07-06
Also published as: CN101132712A; AU2005320660A1; JP4883550B2; KR20070091042A; EP1832188B1; EP1832188A4; RU2401020C2; NO335276B1; MY142602A; CN100586324C; NO20073459L; KR100899400B1; CA2594204A1; JP2006183214A; US20080041405A1; TW200631511A; EP1832188A1; HK1112162A1; RU2007124932A; TWI289046B

Abstract

　短毛（３）及び長毛（４）となるべき毛髪のかつらベース（２）への総植設量を設定して所定密度とし、さらに、短毛（３）と長毛（４）との植設割合を所定割合として設定し、最初に、短毛（３）となるべき長い毛髪を当該所定割合でかつらベース（２）に植設した後、所定長にカットして短毛（３）とし、次に、植設した短毛（３）の間に長毛（４）となるべき長い毛髪を植設し所定長にカットして長毛（４）とすることで、予め設定した毛髪量で短毛（３）及び長毛（４）を植設でき、しかも、短毛（３）及び長毛（４）をそれぞれ予め設定した混合割合に制御して植設でき、短毛（３）に支持された長毛（４）の立上りによりボリューム感が豊かなかつらが得られる。

Description

明細書

かつら及びその製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、かつらベースへの毛髪の少ない植設量で十分なボリューム感を呈し得ると共に、毛髪量を予め定めた所定の密度で正確に制御してかつらベースに植設でき、し力長毛と短毛とを所定の割合に制御して万遍なく混合させ得るようにしたかつらと、その製造方法に関するものである。

背景技術

[0002] かつらベースに植設する毛髪の長さを変えて自然な外観を得るようにしたかつらは、従来より知られている。このようなかつら 20は、例えば図 8に示すように、フィラメント 24でネットワークを形成することでネットベースとし、このネットベースに長い毛髪 30a と短い毛髪 30bとこれらの中間の長さの毛髪 30cとを取り付けて構成される。これらの毛髪は、ネット状のフィラメント 24に結着されて結び目 26が形成されている。図 8に示すかつら 20の場合には、毛髪の長さ、その太さ、その色を不同として、自然な毛髪外観を得るようにしてレ、る（特許文献 1参照）。

[0003] また、自然な毛髪外観を得るために、特許文献 2には、長毛と短毛を交互に並べた毛髪を用いたかつらが開示されている。

[0004] 特許文献 1 :特開昭 63— 196705号公報（図 1 )

特許文献 2：実公昭 54— 14154号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 従来のかつらにおいて、 1本又は 2, 3本の毛髪をまとめて中央で折り返し、この折り返したところをネットベースに結着すると、結着した基端部から上方へ延びる一対の毛髪が比較的大きな角度で左右に分かれてしまう。左右に分かれた毛髪は上方に立ち上がること無くネットベースに倒伏してその表面に沿って延び、特に毛髪の先端部寄りでは実質的にネットベースの表面に寝て延びてしまう。このため、毛髪の立上りによるボリューム感を得ることが困難であると共に、植設量が少ないとかつらベースが露見してしまう。

[0006] さらに、上記特許文献 1及び 2のような短毛を備えたかつらにおいては、短毛の長さを 1乃至 3cmの短さに設定するためには、 2乃至 6cm程度の長さの人毛または人工毛を用意し、これを上記のように:!〜 3cmに二つ折りにして植設することが必要である。し力、しながら、植設すべき人毛または人工毛の全長が短いと、特にカール毛や縮毛の場合に植設作業が非常にやりに《なってしまい、作業時間が長くなると共に、生産性が低下してしまう。とくに、毛髪長が 5cmより短くなるとどんなに熟練した者であつてもかつらベースへの植設作業は不可能であるため、長い毛髪を植設してその都度：!〜 3cm程度に切り揃えていく作業が必要となり、極めて非効率的である。

[0007] かつらベースの全領域に長い毛髪を植設した後、すき鋏を使用して毛髪をカットして一部を短毛とすることにより、毛髪の立上りを改善する方法も行われている力カツトする領域が比較的大きくなつてしまい、短毛部分が特定領域に多く集まって、全体として短毛がまだらに配置され、かつらの見栄えが低下してしまう。よってこのような従来の方法では、短毛の長毛に対する植設割合を正確に規定することは不可能である

[0008] ところで、かつらを作製する場合、植設する毛量 (植設密度）をかつらの部位毎に変化させる場合がある。例えば天頂部領域は 100%の毛量で植設し、その周りを 80% や 70%の毛量に設定することで自然感を出そうとしたり、使用者の残毛と調和させるために特定部分を 50%の毛量としたり、或いは顧客の指示で毛量を調整するなど、好みの又は症状に沿って規定した密度でかつらベースの特定の部位毎に植設する。いま、かつらの或る領域において予め設定した植設密度が例えば 70%に設定されている場合、最初から 70%の規定密度で植設すると、部分的に粗密が形成されてまだらになり、また短毛を形成するためにすき鋏を入れると所定の密度以下になったりまだらが顕著になって見栄えが低下してしまう。そこでまず、毛植え技術者はかつらベースに 90〜： 100%で毛植えした後で、すき鋏を使用して短毛を形成することにより立ち上がりをよくし、最終的に全体を 70。/o程度の密度に調整していくが、上述のように極めて難しレ、作業を要する。

[0009] 本発明の一目的は、上記課題に鑑み、かつらベースに植設する毛髪量を、かつら製作時等に予め設定した密度に従って正確に植設できると共に、この規定密度において、長毛と短毛との量の割合を、予め定めた所定の割合に制御して、且つ、該長毛と短毛とが良く調和して万遍なく混じり合うように制御してかつらベースに植設することができるようにし、これによつて、毛髪の立上りによる所望のボリューム感を呈し得るかつらを提供することにある。

さらに、本発明の他の目的は、各毛髪の間に植設する短毛の植設作業が容易に行なわれるようにしたかつらの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明の上記一目的を達成するため、本発明のかつらは、かつらベースとかつらベースに植設される人毛又は人工毛髪からなる毛髪とを備え、毛髪が短毛と長毛とからなり、短毛及び長毛が、予め設定した所定の毛髪量でかつらベースに植設されると共に、該短毛及び長毛が、それぞれ、予め設定した所定の割合に制御されて植設されていることを特徴とする。

また本発明によれば、上記短毛と長毛とは、それぞれ異なるカール径を有し、短毛、かつらベースに植設される毛髪量の 20〜50%の割合に制御されて植設されることを特徴とする。

上記構成によれば、かつらベースの特定の部位毎に、予め定めた所定の毛髪量（本数)で植設されるので、症状に合わせた、或いは、かつらベースの部位毎に異なる毛量で植設した極めて自然感に富むかつらが提供される。また、短毛と長毛とが、それぞれ、予め設定した割合に制御されて植設されるので、部位毎に異なる毛量感が出現できると共に、毛髪の立ち上がりに優れたかつらが提供される。そして、短毛が長毛と異なるカール径で、且つ、長毛をカットして作った短毛が所定の割合、例えば 20〜50%で長毛の間に配置されていると、長毛の根元部分が、その周囲に位置する短毛によって支持されるので、長毛の立上りが良好となると共に、かつらベースの露見が防止される。

[0011] 上記構成において、好ましくは、短毛の長さは一定ではなぐ短毛の各々の長さが長毛の二分の一以下で、且つ、：!〜 5cmの範囲で不均一な毛髪長分布を有する。このように、短毛を任意の長さに異ならせて配置することができるので、所定の毛髪長分布を形成でき、植設した毛髪の自然な立上りを形成することができる。

[0012] 上記短毛がカール毛であり、短毛のカール径が長毛のカール径より小さい場合は、長毛の根元部分がカール径の小さな短毛によって確実に支持され、立上りが一層良好になると共に、カール径の比較的大きな長毛は、自然な状態でカールする。

[0013] 上記短毛及び長毛が互いに異なる色であると、短毛と長毛が互いに混在してほぼ均等に配置されることにより、それぞれの色が十分に混色されて、従来の植設方法では得られない色彩感が生まれ、色彩のグラデーションを生成することが可能である。さらに、短毛の分布密度に勾配を付与したり、短毛の長さ分布分部を付与することによって、より自然に色彩のグラデーションを生成することができる。

[0014] また、短毛及び長毛が互いに異なる太さであり、例えば短毛としてより太い毛髪を使用すると、短毛により長毛がより確実に支持されて長毛の立上りが良好になり、少ない毛量でもかつら全体のボリュームを増すことができ、したがって、見栄えが向上する。

[0015] 上記他の目的を達成するため、本発明のかつらの製造方法の第 1の構成は、かつらベースに対して、毛髪を植設する第 1の段階と、第 1の段階で植設された各毛髪を所定長さの短毛にカットする第 2の段階と、その後、かつらベースに対して、短毛の間に長毛を植設する第 3の段階と、を含んでいることを特徴とする。

本発明のかつらの製造方法の第 2の構成は、かつらベースに植設する短毛と長毛との混合割合を所定の割合に設定すると共に、該所定の割合に設定した短毛となるべき毛髪をかつらベースに植設する第 1の段階と、第 1の段階で植設された各毛髪を所定長さの短毛にカットする第 2の段階と、上記所定の割合に設定した長毛となるベき毛髪を上記かつらベースの短毛の間に植設する第 3の段階と、を含んでいることを特徴とする。

上記構成において、第 2の段階にて、例えばかつらベースに植設される毛髪量の 2 0〜50%で所定割合に制御して短毛となる毛髪を植設すると共に、各毛髪を所定長さの短毛にカットした後、毛髪長分布をつけるカットを行う。また好ましくは、第 2の段階にて、短毛の各々の長さを、前記長毛の二分の一以下で、且つ、 l〜5cmの範囲で不均一にする。さらに、第 3の段階にて、既に植設されている短毛と併せて規定密度の所定割合となるように制御して、長毛を植設してもよい。

[0016] 上記第 1の構成によれば、第 1の工程によってかつらベースに植設された毛髪が、第 2の工程で所定長さにカットされて短毛とされる。このため、第 1の工程では植設作業が容易な長い毛髪を植設することができる。その後、第 2の工程で所定の長さに短くなるようにカットされるので、短毛を容易に所定割合に制御して植設することができ、作業が短時間で遂行できて生産効率が向上する。第 2の工程によって短毛を形成した後に長毛をかつらベースに植設すると、長毛が所定割合に制御されて分散される。このため、従来のすき鋏によるカットの場合のように、短毛がまだらに配置されるようなことはなく、自然感が向上すると共に、短毛の分布密度に勾配を備えることも可能になる。

上記第 2の構成によれば、第 1の工程において、短毛となるべき毛髪を植設するに先立って、かつらベースに植設する短毛と長毛との混合割合を調整して適宜に設定することができるので、所望の立ち上がり感をもって所定割合に制御して容易に植設作業を実行することができる。

また、本発明法によれば、かつらベースに植設された毛髪が、第 2の工程で所定長さにカットされて短毛とされる。このため、植設の際には、植設作業が容易な長い毛髪を植設することができる。その後に、所定の短さにカットされるので、規定の毛髪密度において、長毛に対して短毛を所定割合に制御して植設することができ、植設ェ程が短時間で可能となり生産効率が向上する。

しかも、本発明によれば、かつらの設計時に、薄毛状態に応じて又は使用者との打合せによって、かつらベースへの植毛量を所望の毛量となるよう制御でき、し力も、長毛と短毛との分布や短毛の長さ分布も任意に且つ自在に設計して調整することができるので、使用者の細かなニーズに沿ったかつらを製作することができる。

発明の効果

[0017] 本発明のかつらによれば、かつらベースに植設された短毛及び長毛が、予め定められた混合割合に制御されて植設されることにより、毛髪の立上りが良好でボリューム感のある極めて優れたかつらを提供することができる。

[0018] 本発明のかつらの製造方法によれば、植設が容易な長い毛髪を予め設定した割合に制御して植設した後で、これをカットすることにより短毛を形成するので、短毛及び長毛を有するかつらを、容易に、かつ、短時間で製造することができる。

さらに本発明によれば、かつらの設計時に、かつらベースに植設する毛髪密度（本数）をかつらベースの部位毎に、予め定めた所定の密度に決定することができる。また、短毛及び長毛の混合割合を予め設定した所定の割合で、しかも植設位置を厳密に制御して植設していくことができる。したがって、植毛作業が効率的に実行できると共に、毛量並びに毛髪分布が同一で立ち上がりや外観も実質的に同一のかつらを複数個提供することができるので、ユーザーは予備として同一のかつらを保持することが可能になる。

[0019] 本発明によれば、かつらの設計時に、薄毛状態に応じて又はユーザーとの打合せによって、かつらベースへの植毛量が所望の毛量となるよう厳密に制御でき、し力も、長毛と短毛との分布や短毛の長さ分布も、予めユーザーとの打合せや所望のデザィンに沿って任意に且つ自在に設計して調整することができるので、ユーザーの細かなニーズに沿ったかつらを製作することができる。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]本発明の第 1の実施の形態によるかつらの構成を模式的に示す斜視図である。

[図 2]図 1のかつらの構成を模式的に示す拡大図である。

[図 3]本発明のかつらの製造方法の一実施形態による各工程を順次に模式的に示す断面図である。

[図 4]図 3のかつらの製造方法における第 1の工程にて、短毛の植設パターンを示す概略図である。

[図 5]図 3のかつらの製造方法における第 3の工程にて、長毛の植設パターンを示す概略図である。

[図 6]図 3のかつらの製造方法における短毛及び長毛の植設状態を示す概略図である。

[図 7]本発明により製造されたかつらの短毛及び長毛の植設状態の変形例を示す概略図である。

[図 8]従来のかつらの一例の構成を示す概略模式図である。符号の説明

[0021] 1 :かつら

2 :かつらベース

3 :短毛

3a :結び目

4 :長毛

4a :結び目

5 :短毛となる毛髪

5a :結び目

発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下、図面に示した実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。

最初に、本発明のかつらについて、図 1に示す模式的斜視図により説明する。図 1 に示すように、かつら 1は、使用者の頭部に装着されるかつらベース 2とかつらベース 2に植設される人毛又は人工毛髪からなる毛髪とを備えており、毛髪が短毛 3と長毛 4とからなっている。

[0023] 図 2は、図 1のかつらの構成を模式的に示す拡大図である。図示するように、短毛 3 及び長毛 4は、例えばネット部材を用いたかつらベース 2のフィラメント又はその交点に対して、例えば、紐などを結ぶときに用いられるひばり結び、まき結び、左右結び、あるいはこれらを応用した公知の結び方で結着される。図において、短毛 3及び長毛 4の結び目がそれぞれ 3a, 4aである。

なお、かつらベース 2に短毛 3と長毛 4との混毛で植設した点は公知技術と同様であるが、従来は短毛は後工程によってすき鋏で形成していたため、長毛に対してランダムに配置せざるを得なかった。これに対し、本発明のかつら 1では、かつらベース 2 に対して、短毛 3及び長毛 4が予め設定した所定の毛髪量でかつらベース 2に植設されることができると共に、さらに、これら短毛 3及び長毛 4が、それぞれ、予め設定した所定の割合に制御されて植設されることが可能である。

[0024] すなわち、本発明では、長毛と短毛を合計した総毛髪密度（又は本数）をどのように設定するかとか、かつらベースのどの領域にどのような毛髪密度分布に植設するかなどを、かつらの設計時に、ユーザーとの打合せにより厳密に設定することができる。さらに、上記のようにして設定した総毛髪密度分布において、長毛 4と短毛 3との混合割合をどのように配分すると毛髪のボリューム感を出せるかとか、頭部のどの部位にどれ位の割合で短毛 3を混ぜるかとか、この短毛 3の長さを部位によって何 cmの長さに設定するかなどについて、かつら 1の設計時に、脱毛，薄毛状態の様子を観察しながら、さらにユーザーとの細かな打合せによって、かつらベース 2への植毛量が所望の毛量となるよう厳密に制御することができ、し力、も、長毛 4と短毛 3との分布や短毛 3の長さ分布も、予め使用者との打合せや所望のデザインに沿って任意に且つ自在に設計して調整することができる。

[0025] ここで、規定密度とは、かつらベース 2に植設できる全毛髪量 (全毛髪本数）に対して、実際に植設する短毛 3及び長毛 4の合計本数の毛髪密度（毛髪量)を言い、上記したようにかつらの設計時に厳密に設定することができる。そして、所定割合とは、かつらベースの特定の植毛領域において、上記規定密度で決まる植設すべき短毛 3及び長毛 4の合計毛髪本数に対する、短毛 3と長毛 4との本数割合、すなわち混合割合である。

[0026] 本発明では、短毛 3及び長毛 4が予め設定した所定の毛髪量でかつらベース 2に植設されている。そして、短毛 3及び長毛 4は、かつらの設計時に決定した所定の割合に制御されて植設されている。このようにして、全体のボリューム感を調整しながら長毛 4の間に短毛 3が配置されることによって、長毛 4の根元部分が、その周囲に位置する短毛 3によって支持されることになるので、長毛 4の立上りが良好となると共に、かつらベース ₂の露見が防止される。また、短毛 3が適宜に分散されることになるので、従来のすき鋏によるカットの場合のように、短毛 3がまだらに配置されるようなことはなぐ自然感が向上すると共に、短毛 3の分布密度に勾配を備えることも可能である。

[0027] 短毛 3の長さは一定ではなぐ毛髪長分布を有していてもよレ、。この場合には、短毛

3が、それぞれ長さが異なるような毛髪長分布を形成できる。このため、植設した毛髪の自然な立上りを形成することができる。

[0028] 短毛 3として、カール毛を用いることもできる。長毛 4は直毛であっても又は短毛 3のカール径より大きなカール径を有するカール毛であってもよレ、。短毛 3をカール毛とする場合、長毛 4の根元部分が短毛 3により支持される際に、カール径の比較的小さなカール毛から成る短毛 3によってより確実に支持され、立上りがより一層良好になると共に、カール径の比較的大きな長毛 4は自然な状態でカールすることになる。

[0029] 短毛 3及び長毛 4は、互いに異なる色であってもよレ、。この場合には、短毛 3と長毛 4が互いに混在してほぼ均等に配置されることにより、それぞれの色が十分に混色されて、従来の植設方法では得られない色彩感が生まれると共に、色彩のグラデーシヨンを生成することが可能である。さらに、短毛 3の分布密度に勾配を付与したり、短毛 3に長さ分布を付与した場合には、より自然に色彩のグラデーションを生成することができる。

[0030] 短毛 3及び長毛 4は、互いに異なる太さのものを用いることもできる。例えば、短毛 3 としてより太い毛髪を使用すると、短毛 3により長毛 4がより確実に支持されて長毛 4の立上りが良好になり、かつらに植設される毛髪のボリュームが増す。短毛は、上記かつらベース 2に植設される毛髪量の 20〜50%の割合に制御されて植設されていることが好ましい。この割合が 20%以下では毛髪の立ち上がりが低下する。一方、この割合が 50%以上では長毛が少なくなり、毛髪のボリュームが低下するので好ましくない

[0031] ここで、かつらベース 2は、ネット部材ゃ人工皮膚、又は人工皮膚及びネット部材を組み合わせたもので形成することができる。網目をもったネット部材の材料としては、ナイロンやポリエステルなどの合成樹脂からなるモノフィラメントにて織成又は編成したもの、或いは不織製のものが使用できる。人工皮膚の材料は例えばウレタン樹脂のような軟質合成樹脂を用いることができる。かつらベース 2には、かつら 1の表面での光沢をなくすための艷消し処理が施されていることが、より好ましい。

上記実施形態に従ってネット部材からなるかつらベース 2に対して毛髪を取り付けるには、例えば、ネット部材を構成するフィラメント又はその交点に、 1本又は 2, 3本の毛髪を中央で二つ折りにしてループを形成し、このループ内に毛髪の一対となつた自由端側を差し込んでこれを引き抜き、さらに、必要により一対の毛髪の一方を他方の毛髪に二重又は三重に結着して固定していく。また、かつらベースが人工皮膚で成る場合は、単にこの人工皮膚に毛髪を貫通させて一方を引き抜ぐいわゆる V植えによる植設法を用いてもよぐ他の公知の方法でもよい。

[0032] 本発明のかつら 1によれば、短毛 3及び長毛 4が予め設定した所定の毛髪量でかつらベース 2に植設され、さらに、該短毛 3及び長毛 4が、それぞれ、予め設定した所定の割合に制御されて植設されている。これにより、種々の髪形に対応した毛量と毛流を付与することができると共に、毛髪の立上りが良好で、ボリューム感のある極めて優れたかつらを提供することができる。

[0033] 次に、本発明のかつらの製造方法について説明する。

図 3は、本発明のかつらの製造方法の一実施形態による各工程を順次に模式的に示す断面図である。

まず図 3 (A)に示すように、使用者の頭部形状類似のかつらベース 2、又は、使用者の頭部形状に対応して形成されたかつらベース 2が用意される。図示の場合は、かつらベース 2を、合成樹脂からなるモノフィラメントを平織りしたネット部材で構成したネットベースとして説明する。

図 3 (B)に示すように、第 1の工程において、ネットベース 2に対して、カール径の比較的小さいカール毛力短毛となる毛髪 5として植設される。この最初に植設される毛髪 5の長さは、植設作業を容易に行うために、規定した短毛 3の長さよりも充分に長くしておく。この長さは、基本的には長毛 4と同じ長さである力これより長くても短いものを用いても構わない。

短毛 3用の毛髪 5はネットベース 2の縦横のフィラメント又はその交点に対して植設される。毛髪 5は、例えば、 1本又は 2, 3本の毛髪 5の中央部分を二つ折りにして一対とした各毛髪の折り返し部分に、専用の鉤針を引っ掛けて、ネットベース 2に結び目 5aを形成して植設される。

[0034] 図 4は、図 3のかつらの製造方法の第 1の工程において、短毛を予め定めた規定の密度で植設するパターンを示す概略図である。図 4において、ネットベースの他にも人工皮膚ベースにも同じように適用できるが、縦横の交点が毛髪の植設箇所を仮想的に示しているものとする。これらの交点の全てに毛髪を植設した場合に 100%の規定密度となる。図示するように、交点に短毛となるべき毛髪 5 (図の白丸（〇印））が所定の密度になるように結着される。短毛となる毛髪 5は、使用者のヘアスタイルや毛流などを考慮して予め定めた所定割合で植設していく。

[0035] この実施例では、予め定めた規定密度となるように、例えば毛量が 70%となるように植設するものとする。ここで、規定密度について図 4を用いて説明すると、前述のようにネットベースの交点全てに毛髪を植設した場合が規定密度 100%とすると、図 4 ではネットベースの交点が 49箇所あり、その全てに毛髪を植設すると 100%になる。そこで、規定密度を 70%にするには、上記交点の 49%の 70。/oの交点、すなわち 34 箇所の交点に毛髪を植設する。そして、上記 70%の規定密度において、長毛 4と短毛 3との所定割合を 50%に設定したとすると、長毛 4と短毛 3とのそれぞれが、規定密度 70%の毛髪本数の半分、即ち、規定密度の 35%ずつ、図 4では長毛と短毛とがそれぞれ 17本ずつ、ネットベース 2に対して植設される。なお、短毛 3と長毛 4の植設位置は万遍なく偏りが無いように設定する力かつら 1のスタイルに応じて適宜設定してもよい。

植毛量を設定すると共に、長毛 4と短毛 3の混合割合を設定する場合は、例えば、使用者の頭部領域の薄毛状態を検分し、また、使用者のヘアスタイルや毛流などを考慮して、かつら 1の設計時に、所望の毛量と立ち上がり分布などを規定する。例えば、前頭力頭頂部にかけては立ち上がりを良くするために、短毛量の長毛量に対する割合を 50%とし、頭頂部から後頭部及び側頭部にかけては 20〜35%に設定するなど、適宜に規定することができる。

[0036] 続いて、図 3 (C)に示すように、第 2の工程において、かつらベース 2に植設された短毛となる毛髪 5が、所定長さに、例えば 1乃至 3cm程度に鋏でカットされて短毛 3に成形される。

[0037] 短毛 3を形成する場合は、まず第 1の工程にて短毛となるべき、カット前の比較的長い毛髪 5 (例えば全長 20cm程度）をかつらベース 2に対して植設する。この場合、 20 cm程度の長さの 1本又は 2, 3本の毛髪を中央で二つ折りにしてループを形成し、フイラメントに巻き付けた状態でこのループ内に一対となった毛髪の自由端側を揷入して結着すると、ほぼ 10cm程度の毛髪が一対となってネットベースに植設される。短毛となるべき毛髪 5をこのようにして所定の本数で且つ所定の分布パターンで植毛作業を繰り返して所定の密度に植設したら、次に、これを予め設定した所定長さ、例えば l〜3cm程度にカットすることにより所定長の短毛 3として形成される。

このように、短毛となるべき毛髪 5を長毛の状態で植設できるため、熟練技術者でなくても取付作業が容易で、植設工程を短時間で行なうことができ、生産効率が向上する。そして、短毛 3は、所定分布で植設されることから、従来のすき鋏によりカットされた短毛の場合のように、まだらに配置されるようなことはなぐ当初の設計に従って配置されるので、自然感が向上する。

[0038] 短毛 3を一定の長さに揃えることなぐ毛髪長分布を形成することができる。この場合、毛髪 5に対して鋏を例えば斜めから入れてカットすることで、長さの異なる短毛の毛髪長分布を形成すればよい。このように適宜に短毛の長さ分布を形成すると、長毛の立ち上がりによるボリューム感が一層自然感を呈する。

[0039] 第 3の工程では、図 3 (D)に示すように、かつらベース 2に対して、直毛又はカール径の比較的大きなカール毛力長毛 4として、短毛と同様にネットベース 2に結び目 4 aを形成して植設される。長毛 4は、短毛となる毛髪 5と同じ色及び同じ太さであってもよぐ或いは、ファッション性を豊かにするために、同系色または全く異なる色調や色彩の毛髪を用いてもよい。

[0040] 図 5は、上記第 3の工程における長毛の植設パターンを示す概略図である。図 5において、点線はネットベース 2のフィラメントを示し、フィラメントの交点に長毛 4 (図の黒丸（秦印））が結着されている。図示するように、長毛 4は、短毛 3と併せて規定密度となるように、例えば 70%となるように植設されてレ、る。

そして、長毛 4と短毛 3との所定割合を 50%に設定しているときには、長毛 4が、規定密度 70 Q/oの毛髪量 (本数）の半分、即ち規定密度の 35%で、ネットベース 2に対して植設される。この長毛 4も短毛 3と同様の方法で、予め設定した所定の分布パターンで植設される。

[0041] 最後に、製作したかつらを使用者の頭部に被着して、長毛を必要な長さにカットして調髪することにより、使用者の希望する毛量で、立ち上がりが良くボリューム感が豊力、な所定のヘアスタイルのかつらに仕上げることができる。

以上のように、本発明によれば、短毛 3及び長毛 4となるべき毛髪のかつらベース 2 への総植設量を設定して所定密度とし、さらに、短毛 3と長毛 4との植設割合を所定割合として設定し、最初に、短毛 3となるべき長い毛髪を当該所定割合でかつらべ一ス 2に植設した後、所定長にカットして短毛 3とし、次に、植設した短毛 3の間に長毛 4 となるべき長い毛髪を植設し所定長にカットして長毛 4とすることで、予め設定した毛髪量で短毛 3及び長毛 4を植設でき、しかも、短毛 3及び長毛 4をそれぞれ予め設定した混合割合に制御して植設でき、短毛 3に支持された長毛 4の立上りによりボリユーム感が豊かなかつらが得られる。

[0042] 図 6は図 3のかつらの製造方法における短毛及び長毛の植設状態を示す概略図である。図 6に示すように、本発明に従って製造されたかつら 1は、かつらベース 2に対して、短毛 3及び長毛 4がそれぞれ規定の密度、本例では 35%ずつで植設されることによって、全体として 70%の規定密度で植設が行なわれる。長毛 4は、その根元部分の周囲が、その近傍に植設した短毛 3によって支持されるので、長毛 4が寝てしまうのが阻止され立上りが良好になり、ボリューム感が得られると共に、短毛 3の存在によつてかつらベース 2の露見が防止され得ることになり、見栄えが向上する。

[0043] 図 7は、本発明の第 2の実施形態によって得られたかつら 1の短毛 3及び長毛 4の植設状態の変形例を示す概略図である。上述した第 2の実施形態により製造されたかつらにおいては、図 6に示すように、短毛 3及び長毛 4は、それぞれ、規定密度の 3 5%ずつの密度で植設されるようになっている。一方、図 7に示すかつらでは、短毛 3 及び長毛 4の規定密度は、図 6の場合と同様にかつらベース 2が露見しにくい 70%とし、長毛 4と短毛 3との所定割合を、それぞれ、 70%、 30%に設定している場合を示してレ、る。したがって、長毛 4及び短毛 3は、それぞれ、 49%、 21%の規定密度で植設されている。

[0044] このように、 70%の規定密度において、長毛と短毛との所定割合を調整し、図 6に示す 50%の所定割合に対して長毛 4の密度を高くすると、短毛 3の存在により長毛 4 の立上りが良好で自然感が向上し、全体としてかつらベース 2がー層露見しにくくなる効果が得られる。

[0045] 上述した実施形態においては、かつらベース 2は、ネットベースとして構成されている力これに限らず、人工皮膚ベースであってもよいことは明らかである。また、上述した実施形態においては、短毛 3及び長毛 4は、互いに同じ色及び同じ太さであって、そのカール径が互いに異なるが、これに限らず、短毛 3及び長毛 4が互いに異なる色，異なる太さであってもよぐこれらの差により、従来の植設方法では得られない色彩感，ボリューム感等が得られ、自然感或いはファッション性が向上する。

実施例 1

[0046] 実施例 1として、本発明によるかつら 1を製造した。

予め用意したかつら被着者の頭部形状の石膏型を利用し、ナイロンやポリエステルなどの合成樹脂からなるネットを被覆し、熱硬化性樹脂溶液を塗布した後に、約 100 °Cに加熱して、頭部形状に湾曲した形態に成形し、かつらベースとなるネットベース 2 を作製した。

第 1の工程として、上記ネットベース 2に対して、カール径の比較的小さい約 30cm 長のカールを付けた毛髪 5を、ネットベース 2の縦横のフィラメント及びその交点に対して植設した。毛髪 5は、 1本の毛髪 5の中央部分を二つ折りにして一対とした各毛髪の折り返し部分に、専用の鉤針を引っ掛けて、ネットベース 2に結び目 5aを形成して植設した。この最初に植設した毛髪 5は、長毛 4と同じ 15cmの長さであった。ネットべース 2の植設面積を 300cm²、規定密度を 70%と設定したので、長さ 15cmの毛髪の重量は 50gであった。また、短毛 3の毛髪本数の所定割合を 50%と規定したので、最初に植設した毛髪 5の毛髪重量は、約 25gであった。

[0047] 第 2の工程として、ネットベース 2に植設した毛髪 5を短毛 3とすべぐ 3cmとなるように鋏でカットした。さらに、この 3cmにカットした短毛を、所定の幅に揃えて、挟みにより斜め方向にカットすることにより、短毛 3の長さを l〜3cmとして、短毛 3に長さ分布を付与した。

[0048] 第 3工程として、ネットベース 2に対して、全長が約 30cmのカール径の比較的大きなカール毛を二つ折りにして、予め定めた取付位置に結着して、長さが 15cmの長毛 4を植設した。

ここで、短毛 3及び長毛 4は同じ黒色で、同じ太さのナイロンフィラメントからなる人ェ毛髪を用いた。長毛 4の所定割合は、短毛と同じように所定割合を 50%とし、所定の間隔で短毛 3の間に植設した。実施例 2

[0049] 短毛 3及び長毛 4の所定割合を、それぞれ、 33%、 67%とした以外は、実施例 1と同じ本発明によるかつら 1を製造した。

実施例 3

[0050] 短毛 3の色をダークブラウン、長毛 4の色をライトブラウンとした以外は、実施例 2と同じ本発明によるかつら 1を製造した。

[0051] (比較例）

長さ 3cmの短毛とするためには、全長 6cmの毛材を用レ、、これを二つ折りにしてかつらベースに植設しなければならなレ、ので、熟練した技術者であつても力なりの植設時間を要する。そこで、長さ 30cmの毛髪を用いて植設した後、すき鋏で短毛を作る従来のやり方で短毛入りかつらを製作した。この場合、すき鋏によるまだらの形成を考慮して、通常、規定密度より 20〜30%多く植設しており、本例では規定密度を実施例 1と同様に 70%とするために、 90%の密度で植設し、植設後、すき鋏を用いて 7 0%程度になるよう目視によりカットした。

この比較例のかつらの植設時間は、実施例 1のそれに対して 20%増量する分だけ多くの時間を要した。

[0052] 次に、実施例:!〜 3及び比較例の外観検查を行った。

実施例 1〜3の何れのかつらの場合も、比較例に比し植設された毛髪の立ち上がりが顕著であり、そして、立体感があるために見栄えに優れていることが分かった。これに対して、比較例の場合には、植設の立ち上がりが殆どなかった。また、実施例:!〜 3のかつら 1において、短毛 3をカットして、その長さ分布を形成した場合は、自然感が増すことが分かった。

[0053] 実施例 2及び 3のかつらは、実施例 1のかつらに対して、短毛 3の植設割合が少ない（33%)が、実施例 1のかつらに比較すると、かつらの立ち上がり及び自然さにおいて、見栄えに優れていることが分かった。

[0054] 実施例 3の場合は、短毛 3がダークブラウンで、長毛 4がライトブラウンであるので、ボリューム感の向上に加えて、短毛 3と長毛 4が互いに混在してほぼ均等に配置されることにより、頭皮に近い根元付近は暗色でまた毛先側は明色のブラウンとなってそれぞれの色が十分に混色されて、従来の植設方法では得られなレ、色彩感が生まれると共に、優れたグラデーションを生成することができた。

以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は図示の実施形態にのみ限定されるものでなぐ本発明の範囲内で適宜変更等が可能である。さらに、上記実施形態で説明した具体的数値等は、必要に応じて適宜変更可能である。また、かつらベース 2はネット製によることなぐ人工皮膚を用いてもよい。人工皮膚のかつらベースは、予め用意したかつら被着者の頭部形状の石膏型に、ウレタン樹脂を所定厚みで塗布乾燥して成形すると優れた人工皮膚製のかつらベース 2が製作できる。この人工皮膚によるかつらベース 2に短毛と長毛を規定の密度で、且つ、所定の割合で制御して取り付けるには、人工皮膚の裏面に予め定めた密度と短毛及び長毛の分布パターンとをマーカー等で書き込むか、これらを書き込んだ用紙を頭部形状の雄型に貼着し、その上に人工皮膚ベースを重ねて、人工皮膚ベースに透けた分布パターンに沿って人工皮膚ベースに植設していけば作業効率が向上する。そして、このようなパターンにより、実質的に同一のかつらを所望の枚数製作することが可能になる。

Claims

請求の範囲

[1] かつらベースと、該かつらベースに植設される毛髪と、を備えるかつらであって、上記毛髪が、短毛と長毛とからなり、

上記短毛及び長毛が、予め設定した所定の毛髪量でかつらベースに植設されると共に、該短毛及び長毛が、それぞれ、予め設定した所定の割合に制御されて植設されていることを特徴とする、かつら。

[2] かつらベースと、該かつらベースに植設される毛髪と、を備えるかつらであって、上記毛髪が、異なるカール径を有する短毛と長毛とからなり、

上記短毛が、上記かつらベースに植設される毛髪量の 20〜50%の割合に制御されて植設されていることを特徴とする、かつら。

[3] 前記短毛の長さが、一定ではなぐ毛髪長分布を有することを特徴とする、請求項 1 又は 2に記載のかつら。

[4] 前記短毛の各々の長さが、前記長毛の二分の一以下で、且つ、 l〜5cmの範囲で不均一に植設されていることを特徴とする、請求項 1〜3の何れかに記載のかつら。

[5] 前記短毛が前記長毛より小さなカール径を有することを特徴とする、請求項:!〜 3の何れかに記載のかつら。

[6] 前記短毛及び長毛が、互いに異なる色であることを特徴とする、請求項:!〜 5の何れかに記載のかつら。

[7] 前記短毛及び長毛が、互いに異なる太さであることを特徴とする、請求項:!〜 6の何れかに記載のかつら。

[8] 前記かつらベースが、軟質合成樹脂からなる人工皮膚で構成されてレ、ることを特徴とする、請求項 1又は 2に記載のかつら。

[9] 前記かつらベースの、全体または少なくとも一部がネット部材で構成されていることを特徴とする、請求項 1又は 2に記載のかつら。

[10] かつらベースに対して、毛髪を植設する第 1の段階と、

上記第 1の段階で植設された各毛髪を所定長さの短毛にカットする第 2の段階と、その後、上記かつらベースに対して、上記短毛の間に長毛を植設する第 3の段階とを含んでいることを特徴とする、かつらの製造方法。

[11] 前記第 1の段階にて、所定密度の毛髪量における所定割合に制御して短毛となる毛髪を植設することを特徴とする、請求項 10に記載のかつらの製造方法。

[12] かつらベースに植設する短毛と長毛との混合割合を設定すると共に、所定の混合割合に設定した短毛となるべき毛髪をかつらベースに植設する第 1の段階と、上記第 1の段階で植設された各毛髪を所定長さの短毛にカットする第 2の段階と、上記所定の割合に設定した長毛となるべき毛髪を上記かつらベースの上記短毛の間に植設する第 3の段階と、

を含んでいることを特徴とする、かつらの製造方法。

[13] 前記かつらベースに植設する短毛と長毛との混合割合を設定するに先立ち、前記かつらベースに植設する短毛及び長毛の総毛髪密度を、予め設定する段階を含むことを特徴とする、請求項 12に記載のかつらの製造方法。

[14] 前記短毛の割合が、前記かつらベースに植設される毛髪量の 20〜50%に制御して植設されることを特徴とする、請求項 11又は 12に記載のかつらの製造方法。

[15] 前記第 2の段階にて、各毛髪に不均一な毛髪長分布をつけるカットを行うことを特徴とする、請求項 10乃至 12の何れかに記載のかつらの製造方法。

[16] 前記第 2の段階にて、前記短毛の各々の長さを、前記長毛の二分の一以下で、且つ、 l〜5cmの範囲で不均一にすることを特徴とする、請求項 10〜： 15の何れかに記載のかつらの製造方法。

[17] 前記第 3の段階にて、既に植設されている短毛と併せて規定密度になるように、所定割合に制御して前記長毛を植設することを特徴とする、請求項 10に記載のかつらの製造方法。

[18] 前記長毛が直毛又はカール毛であり、前記短毛が前記長毛より小さなカール径を有することを特徴とする、請求項 10〜： 17の何れかに記載のかつらの製造方法。

[19] 前記短毛及び長毛が、互いに異なる色であることを特徴とする、請求項 10〜： 18の何れかに記載のかつらの製造。

[20] 前記短毛及び長毛が、互いに異なる太さであることを特徴とする、請求項 10〜： 19 の何れかに記載のかつらの製造。前記かつらベースを、軟質合成樹脂からなる人工皮膚で構成することを特徴とする

、請求項 10又は 12に記載のかつらの製造方法。

前記かつらベースを、全体または少なくとも一部がネット部材で構成することを特徴とする、請求項 10又は 12に記載のかつらの製造方法。