JP5312981B2 - カツラ - Google Patents

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Description

本発明は、かつらベースに毛髪を植設して形成されるカツラに関する。
従来、かつらは、ネット部材や人工皮膚などのかつらベースに天然毛髪や人工毛髪などの毛髪を植設することにより作製される。例えば、ポリウレタンなどの合成樹脂を素材とした人工皮膚で作製されるかつらベースは、ネット部材によって作製されるかつらベースと比較すると、形状安定性には優れるが通気性が劣ることがある。快適さが要求されるかつらにおいて、通気性の確保は重要な要素となる。そのため、例えば特許文献1の図2や特許文献2に開示されているように、網目からなるネット部材で作製したかつらベースが提供されている。
特開平7−229009号公報 特開2004−60060号公報
しかしながら、ネット部材からなるかつらベースは、比較的弾性回復力があり、植設した毛髪の根元付近を立ち上がらせることができる人工皮膚などの素材と比較して、毛髪が倒れやすく自然なボリューム感を得ることができず、所望のヘアスタイルが作れないことがある。
通常、毛髪はネット部材を形成している縦糸もしくは横糸に結びつけることで植設される。この植設は通常手作業で行われ、さらに、毛髪を縦糸又は横糸に巻き付けた後に、一定方向に毛髪を引っ張って結び目を形成することで確実に結びつけているため植設された毛髪は一定方向への指向性を有することになる。このような植設方法によると、毛髪が同一方向に規則正しく並び、同一方向に集束してしまうので、特に、上方向からの力が加わると毛髪が立ち上がらずに寝てしまうことがある。
そのため、特許文献1に開示されているように、ネット部材を形成している縦糸及び横糸に不規則に複数本の毛髪を植設する方法も考えられる。この方法によれば、従来のかつらに比べてかつらベースに植設される毛髪量が多くなるので毛髪同士が支え合うことができ、植設した毛髪がある程度立ち上がる。しかしながら、このようなかつらでは必要以上に毛髪量が多くなり、不自然な外観となってしまうため満足のいくかつらを得ることは難しいという問題があった。
また、特許文献2に開示されているように、一つのかつらベースに複数の異なる形状のネット部材を用いることで、毛髪の指向性が一定の方向に向かわないようにする方法も考えられる。このようなネット部材に毛髪を植設したかつらによれば、植設された毛髪の指向性が同一方向に集まることは少ない。しかしながら、このようなかつらでは植設された毛髪全体あるいは部分的に指向性を制御することが困難となり、毛髪がまとまらなくなってしまうことから満足のいくヘアスタイルをセットすることが難しいという問題があった。
また、他の問題として、ネット部材からなるかつらベースは、長期間使用していると、特に日々のかつら着脱時に生じる引張荷重によって、ネット部材を構成している縦糸または横糸が伸びてしまい、ネット部材にシワが生じる傾向がある。このようにしてネット部材に生じたシワは、かつらベースの形状が歪む原因となる。かつらベースの形状に歪みが生じると、かつらベースの変形、フィット感の低下等の問題が生じることがあり、上述した公知のいずれの方法でも満足のいくかつらを得ることはできなかった。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたもので、全部又は一部がネット部材からなるかつらベースを備えたカツラであって、自然なボリューム感を得ると共に、かつら装着者の自毛と馴染みがよく自然な外観とヘアスタイルが得られ、さらに、フィット感と形状安定性に優れるカツラを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のカツラは、
全部又は一部がネット部材によって形成されるかつらベースに、毛髪を植設してなるカツラであって
フィラメントを連続して編成することにより形成される前記ネット部材の網目構造は毛髪を植設するための円弧状部を有する略扇型形状を為すと共に、前記円弧状部の頂点近傍及び当該網目の左右両端部を連結して編成されていて
前記円弧状部にのみ毛髪が植設されており、
前記網目の開口部には複数本の形状安定糸が掛け渡されて形成され、前記ネット部材は前記円弧状部の突出方向が前額部側に向くように配置されてなることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のカツラにおいて、円弧状部の中心角度は、85°以上155°以下であることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載のカツラにおいて、ネット部材の剛軟度は、JIS L1096のA法で15mm以上70mm以下であることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のカツラにおいて、形状安定糸は、網目の開口部に2本以上6本以下の偶数本で、且つ、円弧状部の中心線に対して左右対称に掛け渡されていることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のカツラにおいて、ネット部材は、隣接する網目の円弧状部の列が互い違いになるように連続して編成されていることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、請求項6に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のカツラにおいて、ネット部材は、隣接する網目の円弧状部の列が同列になるように連続して編成されていることを特徴とする。
本発明のカツラによれば、ネット部材の網目構造を形成する円弧状部の突出方向に毛先側が向くように植設することで毛髪の指向性が放射状となり、隣接する網目に植設した毛髪と交差するため、それぞれの毛髪の立ち上がりがよくなり、従来のかつらにはない自然なボリューム感とヘアスタイルを得ることができるという効果がある。
また、後頭部付近においては、円弧状部の突出方向とは反対方向に毛先側が向くように植設することで毛髪の指向性が一方向になるため、それぞれの毛髪が重なり合いやすく必要以上の毛髪の立ち上がりがなくなり、かつらの外周端部でかつらの毛髪と装着者の自毛との馴染みが向上し、うなじ付近は特に馴染みがよくなり、自然な外観とヘアスタイルを得ることができるという効果がある。
また、網目の開口部に形状安定糸を配置したので、ネット部材に軟らかく高いフィット感を維持させながら引張強度を向上することが可能となり、かつら着脱時に生じるネット部材のひずみを減少させ、従来のかつらにはないかつらベースの形状安定性を得ることができるという効果がある。
本発明に係るかつらベースの一実施形態を使用したかつらの平面図である。 本発明の網目の編成を表した模式図である。 (a)はネット部材の第1の実施形態の拡大図、(b)はネット部材の第2の実施形態の拡大図である。 (a)はネット部材の円弧状部の突出方向へ植設した毛髪の指向性を示す図、(b)はネット部材の円弧状部の突出方向とは反対方向へ植設した毛髪の指向性を示す図である。 実施例9の毛髪の指向性を示す図である。 実施例10の毛髪の指向性を示す図である。 毛髪を不規則に、且つ、指向性も一方向でないように植設した状態を示す図である。
以下、本発明に係るかつらベースの好ましい実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係るかつらベースの一実施形態を使用したかつらの平面図である。図示されたかつらベース1は、装着者の頭頂部の形状に即した形状のネット部材2により構成されており、かつらはこのネット部材2に毛髪15を植設することによって形成されている。ネット部材2は、図3(a)(b)に示すように、網目3の構造が一部に円弧状部5を有する略扇型形状をなしている。そして、網目3の円弧状部5の円弧の突出方向が、かつらベース1の前額部側(図1のF方向)に向くように配置されている。尚、ネット部材2は本来、かつらベース1の全面に張られ、毛髪15が所定の箇所に植設されているが、図1では便宜上、一部のネット部材2のみを図示している。
ネット部材2は、55〜223dtexのフィラメント20をほぼ平面に編成されてなるものであるが、フィラメント20同士の編み込みにより平面的に閉じられた空間を「網目」と呼び、図2は網目3を拡大した図である。そして、ネット部材2の第1の実施形態として図3(a)に示すように、フィラメント20が所定の中心角度を持って連続して円弧状に形成されることで円弧状部5を編成し、また、網目3をそれぞれのフィラメント20の頂点近傍11及び円弧状部5の左右両端部12で連結することで連結部6を編成し、さらに、円弧状部5のa列とb列が互い違いになるように連続して編成されている。加えて、形状安定糸7が円弧状部5から網目3の開口部を跨ぐようにして略平行に掛け渡されている。このように編成された網目3はあたかも扇のような形状を成している。ここで、中心角度とは、円弧状部5の左右両端部12と、この左右両端部12からそれぞれ伸びる直線部が互いに交わる連結部6を結んだ際のなす角度のことである。また、第2の実施形態として図3(b)に示すネット部材2は、第1の実施形態と同様に、所定の中心角度を持つ円弧状部5が連続して連結されているが、円弧状部5のc列及びd列が同列になるように連続して編成されている点で第1の実施形態のかつらベース1と相違している。尚、形状安定糸7が網目3の開口部を跨ぐようにして円弧状部5とほぼ直交する方向に略平行に掛け渡されて網目3が構成されている点では同じである。
次に、このネット部材2への毛髪15の植設について説明する。図4(a)に示すように、毛髪15は円弧状部5のみに植設する。そして、かつらベース1の前額部及び頭頂部付近では円弧状部5の突出方向に沿ってそれぞれの毛髪15の結び目10が重ならないような所定の間隔で規則正しく毛髪15を植設し、毛髪15の毛先が円弧状部5の接線方向に対してほぼ垂直で突出方向に指向性を有するように植設することが好ましい。このように植設することで毛髪15の指向性が放射状となり、隣接する網目3に植設した毛髪15と交差することになるため、それぞれの毛髪15の立ち上がりがよくなるからである。例えば、図7に示すように、規則正しく毛髪15を植設せずに、円弧状部5から垂直に指向性を有しないように植設した場合には、毛髪15の指向性が不規則に分散してしまい、毛髪15のまとまりが欠けることで外観が不自然になってしまうので好ましくなく、前額部及び頭頂部付近では毛髪15の指向性が放射状とならずに、毛髪15の根元から毛先まで重なり集束し、それぞれの毛髪15が互いの自重で倒れてしまい、良好な毛髪15の立ち上がりが得られないことがあるので好ましくない。さらに、図4(b)に示すように、かつらベース1の後頭部付近では、円弧状部5の接線方向に対してほぼ垂直で突出方向と反対側に指向性を有するように規則正しく、毛髪15を植設することが好ましい。図7に示すように、毛髪15を不規則に、且つ、指向性も一方向でないように植設した場合には、毛髪15が集束せずに分散してしまうので、毛髪15が立ち上がりやすくなり、かつらの外周端部16の毛髪15と装着者の自毛とが馴染み合わず、かつら装着者の特にうなじ付近で自然な外観とヘアスタイルが得られなくなるので好ましくない。
また、円弧状部5以外の部位である連結部6や形状安定糸7に毛髪15を植設することは好ましくない。連結部6に植設すると、連結部6を構成するフィラメント20がほつれることがあること、また、連結部6は円弧状でないので、植設する毛髪15に所定の指向性を持たすことができずに、毛髪15が集束してしまい良好な立ち上がりが得られないことがあるからである。また、形状安定糸7に植設すると、フィラメントがほつれることがあること、また、形状安定糸7は円弧状部5と直交する方向に直線状に掛け渡されているので、植設する毛髪15の指向性が放射状にならずに毛髪15が立ち上がりにくくなるので好ましくないからである。
ここで、円弧状部5の円弧の中心角度9は、85°以上155°以下の範囲であることが好ましい。図5に示すように、円弧状部5の中心角度9が85°未満の場合であっても毛髪15は放射方向に植設されるため隣接する網目3に植設した毛髪15との交差によって毛髪15の立ち上がりがよくなるとういう効果は認められるが、円弧状部5の長さが相対的に短くなるために毛髪15の放射方向が制限されるのでその分だけ隣接する網目3に植設した毛髪15との交差が少なくなる。また、図6に示すように、中心角度が155°を超えるような場合には、毛髪15の立ち上がりがよくなるとういう効果は認められるが、円弧状部5の形状が半円(中心角度180度)状態に近づくために、植設した毛髪15の指向性が広がり過ぎてしまう。従って、より十分な効果を得るためには円弧状部5の円弧の中心角度9は、85°以上155°以下の範囲とすることが好ましい。また、円弧状部5の中心角度が155°を超えるようなネット部材2の場合には毛髪15の植設範囲を85°以上155°以下の範囲にすることでより効果的な毛髪15の立ち上がりを実現することが可能となる。また、かつら装着者の頭部の残毛状態に応じて、網目の開口部の大きさを変えたネット部材2を用いることができる。尚、図中の矢印は毛髪15の指向方向を表している。
前記のように構成されたネット部材2をかつらベース1に使用する場合には、円弧状部5の突出方向がかつらの前額部側F以外に向くようにして配置してしまうと、かつらとして自然な外観を得るために最も重要な前額部、または、頭頂部付近において、前額部側に向かう毛髪15の指向性が放射状にならなくなるので、毛髪15の立ち上がりが不十分となり、自然なボリューム感とヘアスタイルが得られなくなるので好ましくない。
ネット部材2の素材は特に限定しないが、形状安定性に優れるポリエステルが好ましく、かつらの装着感及びフィット感を向上させるために、ネット部材2の縦及び横方向ともJIS L1096剛軟度試験法のA法(45度カンチレバー法)に準拠して、縦方向及び横方向の剛軟度が15mm以上70mm以下の範囲であることが好ましい。ネット部材2の剛軟度が15mm未満の場合には、ネット部材2がやや軟らかくなるため、かつらベース1が変形しやすい傾向がありフィット感がやや低下するおそれがあるからである。一方、ネット部材2の剛軟度が70mmを超える場合には、ネット部材2がやや硬くなるため、頭部の大きな動きに対してかつらベース1全体が動きやすくなるおそれがあるからである。
また、形状安定糸7は、円弧状部5から扇形の直線部に向かうように複数配設することが好ましい。奇数本の形状安定糸7を配設することも可能であるが、できれば円弧状部5の中心線8に対して左右対称に偶数本を配設することがより好ましい。形状安定糸7が奇数本で且つ網目3の開口部への配設に片寄りがあると円弧状部5の形状保持に際してのバランスが悪くなり装着快適性が低下するおそれがあるからである。尚、円弧状部5を設けることによりネット部材2の剛軟度や形状安定糸7の本数いかんにかかわらず毛髪15の立ち上がりをよくすることができるという効果を奏することはいうまでもない。
〔かつらの製造〕
次に、本発明に係るかつらベースを用いたかつらの製造方法について説明する。
はじめに、第一工程として、かつら装着者の頭部形状に模して作製した雄型の石膏型に、円弧状部5の突出方向が前額部側に向くようにネット部材2を張り付けて固定してから、熱硬化性ウレタン樹脂溶液を塗布し、加熱温度100℃で8時間乾燥させて成形を行なった後、ネット部材2を石膏型から取り外す。ここで、使用した熱硬化性ウレタン樹脂溶液は、日新レジン株式会社製のE―64A(No.1.2.3)を6.5g、E−65BS(No.1)を3.5g、メチルエチルケトンを所定量混合したものを使用する。尚、メチルエチルケトンの配合量を調整することにより、ネット部材2の剛軟度を調整することができる。
次に、第二工程として、かつら装着者の頭部形状に成形されたネット部材2の外周に帯状ネット部材4を取り付ける。帯状ネット部材4の取り付けは、まず帯状ネット部材4を14mm幅で長さ70cm以上にカットしてから、第一工程と同様に樹脂溶液を塗布して成形を行なう。次に、ネット部材2の外周端部にある不要ネットを切除した後、ネット部材2の外周に前記帯状ネット部4を半折りにして取り付け、縫製によりネット部材2と一体化してかつらベース1を作製する。
次に、第三工程として、かつらベース1に毛髪15を植設する。毛髪15の植設は、まず頭部形状の雄型にかつらベース1を合わせて固定する。次に、前額部及び頭頂部付近は円弧状部5の突出方向であって、円弧状部5の接線方向と垂直で円弧の突出方向に毛髪15の毛先が向くように、ネット部材2の表面から鉤針を挿入してネット部材2を構成するフィラメントを掬い上げた後、鉤針の鉤部に毛髪15を引っ掛けて結ぶ。また、後頭部付近はそれとは逆に、円弧状部5の接線方向と垂直で円弧の突出方向とは反対方向に毛先が向くように毛髪15の植設を行なう。
植設する毛髪15は、天然毛髪もしくは人工毛髪のいずれでも良く、毛髪15の中央部を二つ折りにした折れ部をネット部材2の円弧状部5に結びつけることで植設される。その際、毛髪15の指向性を一定にするために、それぞれの結び目が重なり合わないように、円弧状部5上に所定の間隔で植設を行なう。
〔残留ひずみ率測定方法〕
JIS L1096 B−2法(定伸長法)を一部変更し、試験片の寸法を1.5cm×15cmに切断採取し、1gの初荷重を加えたこと以外はJIS規格に則って行なった。
以下に示す条件のネット部材2を用いてかつらベース1を作製し、さらに毛髪15を植設してかつらを製作した。
すなわち、図1に示すように、円弧状部5の突出方向がかつらの前額部側に向くように配置されている。
ネット部材2のフィラメント :84dtex36f
網目3の中心角度9 :120°
剛軟度(前額部側(縦方向)) :27mm
(側頭部側(横方向)) :35mm
残留ひずみ率(前額部側(縦方向)) :6%
(側頭部側(横方向)) :3%
網目3一目あたりの形状安定糸7の本数 :円弧状部5の中心線に対して左右対称に2本
円弧状部5一辺あたりの毛髪の植設箇所 :円弧状部5に対して80°〜100°度の指向性で、それぞれ0.2mm間隔で6箇所に植設(1箇所あたり2本の毛髪を植設するので毛髪本数は12本となる)
円弧状部5の列の並び方 :円弧状部5のa列及びb列が互い違いになるように編成
円弧状部5のc列及びd列が同列になるように編成されている以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
網目の中心角度が85°であること以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
網目の中心角度が155°であること以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
ネット部材2の縦方向の剛軟度が15mmで、横方向の剛軟度が19mmで構成されている以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
ネット部材2の縦方向の剛軟度が53mmで、横方向の剛軟度が70mmで構成されている以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
形状安定糸の本数が6本で、円弧状部5の中心線に対して左右対称に3本ずつで構成されている以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
形状安定糸7の本数が4本で、円弧状部5の中心線に対して左右対称に2本ずつで構成されている以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
網目の中心角度が80°であること以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
網目の中心角度が160°であること以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
ネット部材2の剛軟度が、縦方向10mm、横方向16mmで構成されている以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
ネット部材2の剛軟度が、縦方向61mm、横方向75mmで構成されている以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
形状安定糸の本数が8本で、円弧状部5の中心線に対して左右対称に配設した以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
形状安定糸の本数が6本で、円弧状部5の中心線に対して左側に4本、右側に2本の配置とした以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
〔比較例1〕
円弧状部5の突出方向がかつらの後頭部側に向くように配置したこと以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
〔比較例2〕
円弧状部5の突出方向がかつらの右側頭部側に向くように配置したこと以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。尚、かつらベース1は、ほぼ左右対称であるので、円弧状部5の突出方向を左側頭部側に向けて配置しても同様の結果になると考えられる。
〔比較例3〕
形状安定糸7が配設されていない以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
〔比較例4〕
形状安定糸7が横方向に平行に配置したこと以外は実施例1と同様のかつらベースに実施例1と同様に毛髪を植設してかつらを製作した。
〔比較例5〕
以下に示す条件の図示しない矩形ネット部材を用いて、かつらベースを作製し、さらに毛髪を植設してかつらを製作した。尚、材質は本実施形態のネット部材2と同様にポリエステルを用いた。
ネット部材の縦糸及び横糸の長さ :1.5mm×1.5mm
ネット部材のフィラメント :84dtex36f
形状安定糸の本数 :なし
剛軟度(前額部側(縦方向)) :44mm
(側頭部側(横方向)) :41mm
残留ひずみ率(前額部側(縦方向)) :4%
(側頭部側(横方向)) :2%
網目の縦糸及び横糸への毛髪植設箇所 :各糸に対して80度から100度の角度の指向性で、1箇所あたり2本の毛髪をそれぞれの辺(計4辺)に3箇所ずつ植設(計24本の毛髪を植設)
〔結果〕
実施例1−8のかつらは、何れもかつらベース1の前額部側の毛髪15の指向性が放射状になり、かつらベース1に植設した毛髪15が十分に立ち上がり、自然なボリューム感とヘアスタイルが得られた。また、後頭部側の毛髪15の指向性が一方向に向かい毛髪15の立ち上がりを防ぎ、かつらベース1の外周端部でかつらの毛髪15と装着者の自毛とが馴染み合い、うなじ付近が特に馴染み自然な外観とヘアスタイルが得られた。また、図3(a)に示すように、実施例1では円弧状部のa列とb列とが互い違いになるように編成されているので、前額部側に植設した毛髪15が重なり合う交点、例えば交点1a、2aなどが多くなり、それぞれの毛髪15が支え合って立ち上がり易くなることから、少ない毛髪でも自然なボリューム感を得ることができた。また、ネット部材2が適度な軟らかさを維持しながら引張強度を向上させることができるので、満足のいくかつらのフィット感とかつらの形状安定性が得られ、快適にかつらを装着することができた。また、図3(b)に示すように、実施例2では、実施例1よりも網目間の隙間17が大きくなり、毛髪を植設できる円弧状部が少なくなったが、毛髪の指向性が放射状で毛髪の重なり合う交点が多く、自然なボリューム感を得ることができた。
実施例9のかつらは、毛髪15の立ち上がりがよくなるという効果は認められたが、図5に示すように、網目3の中心角度を80°としたことで、自然なボリューム感、及び所望のヘアスタイルのセットという点では実施例3の方がより好ましかった。
実施例10のかつらは、毛髪15の立ち上がりがよくなるという効果は認められたが、図6に示すように、網目の中心角度を160°としたことで、毛髪15全体のまとまり安さの点では実施例4の方がより好ましかった。
実施例11のかつらは、毛髪15の立ち上がりがよくなるという効果は認められたが、ネット部材2の剛軟度を縦方向10mm、横方向16mmで構成したので、かつらベース1が少し軟らく、毛髪15の植設時に網目3が伸びぎみであった。また、フィット感という点では実施例5、6の方がより好ましかった。
実施例12のかつらは、毛髪15の立ち上がりがよくなるという効果は認められたが、ネット部材2の剛軟度を縦方向61mm、横方向75mmで構成したので、かつらベース1が少し硬く、頭部の大きな動きに対してかつらベース1全体が動きやすくなる傾向がみられた。また、フィット感という点では実施例5、6の方がより好ましかった。
実施例13のかつらは、形状安定糸7の本数を8本配設したので、ネット部材2の残留ひずみ率が縦方向2%、横方向1%と低く、かつらベース1の形状安定性は得られた。しかし、網目3に多くの形状安定糸7を配置することになったので網目3の隙間の面積が小さくなり通気性がやや低下する傾向があった。そのため装着快適性という点では実施例7、8の方がより好ましかった。
実施例14のかつらは、形状安定糸7が円弧状部5の中心線に対して左右対称に配設されていないので、網目3の開口部への配設に片寄りがあり、円弧状部5の形状保持に際してのバランスがやや低下する傾向があった。そのため、実施例7、8の方がフィット感という点ではより好ましかった。
一方、比較例1のかつらは、円弧状部5の突出方向がかつらの後頭部側に向くように配置したことで、前額部側に向かう毛髪15の指向性が放射状にならなくなり、かつらとして自然な外観を得るために最も重要な前額部付近の毛髪15の立ち上がりが十分でなく、自然な毛髪15のボリューム感とヘアスタイルを得ることができなかった。また、毛髪15の立ち上がりの少ない方が自然な外観となる後頭部側において、毛髪15が立ち上がってしまうことで、不自然な外観となってしまった。
比較例2のかつらは、円弧状部5の突出方向がかつらの右側頭部側に向くように配置したことで、比較例1と同様に、かつらとして自然な外観を得るために最も重要な前額部付近の毛髪15の立ち上がりが十分でなく、自然な毛髪15のボリューム感とヘアスタイルを得ることができなかった。また、毛髪15の立ち上がりの少ない方が自然な外観となる側頭部側において、毛髪15が立ち上がってしまうことで、不自然な外観となってしまった。さらに、形状安定糸の配置も側頭部側に向くので、満足のいくかつらの前後方向の引張強度が得られなかった。
比較例3のかつらは、形状安定糸7が配設されていないため、ネット部材2の残留ひずみ率が縦方向18%、横方向6%となった。縦方向の残留ひずみ率が15%を超えてしまうので、日々のかつら着脱時に生じるネット部材2のひずみが大きくなり、かつらの長期間の使用でかつらベース1が変形してフィット感が低下し、かつらベース1の形状安定性が得られなかった。
比較例4のかつらは、形状安定糸7を横方向に平行に配設してことで、残留ひずみ率が縦方向16%、横方向5%となってしまい、縦方向の残留ひずみ率が15%を超えてしまうので、日々のかつら着脱時に生じる前額部から後頭部への引張荷重により、ネット部材2のひずみが徐々に大きくなり、かつらベース1が変形してフィット感が低下し、かつらベース1の形状安定性が得られなかった。
比較例5のかつらは、図示しない矩形ネット部材を用いてかつらを作製したことで、植設した図示しない毛髪の指向性が同一の方向に集束してしまい、上方向からの力が何度か加わると、それぞれの毛髪の自重などで毛髪が立ち上がらずに自然なボリューム感を得ることができなかった。また、ボリューム感を得るために、網目に植設する毛髪の本数を増やすと、かつらとして毛髪量が必要以上に多くなってしまい、不自然な外観となってしまった。
1 かつらベース
2 ネット部材
3 網目
4 帯状ネット部材
5 円弧状部
6 連結部
7 形状安定糸
8 円弧状部の中心線
9 中心角度
10 毛髪の結び目
11 頂点近傍
12 円弧状部の左右両端部
15 毛髪
16 外周端部
17 網目間の隙間
20 フィラメント

Claims (6)

  1. 全部又は一部がネット部材によって形成されるかつらベースに、毛髪を植設してなるカツラであって
    フィラメントを連続して編成することにより形成される前記ネット部材の網目構造は毛髪を植設するための円弧状部を有する略扇型形状を為すと共に、前記円弧状部の頂点近傍及び当該網目の左右両端部を連結して編成されていて
    前記円弧状部にのみ毛髪が植設されており、
    前記網目の開口部には複数本の形状安定糸が掛け渡されて形成され、前記ネット部材は前記円弧状部の突出方向が前額部側に向くように配置されてなることを特徴とするカツラ
  2. 前記円弧状部の中心角度は、85°以上155°以下であることを特徴とする請求項1に記載のカツラ
  3. 前記ネット部材の剛軟度は、JIS L1096のA法で15mm以上70mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカツラ
  4. 前記形状安定糸は、前記網目の開口部に2本以上6本以下の偶数本で、且つ、前記円弧状部の中心線に対して左右対称に掛け渡されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカツラ
  5. 前記ネット部材は、隣接する網目の円弧状部の列が互い違いになるように連続して編成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカツラ
  6. 前記ネット部材は、隣接する網目の円弧状部の列が同列になるように連続して編成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカツラ
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