JP2010144272A - かつらベース及びそれを用いたかつら - Google Patents

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Abstract

【課題】かつらベースに植設した毛髪の根元部を立ち上げることでボリューム感を図りながら、頭部に生育している自毛のようにあらゆる方向の動きを可能して、さらにかつら装着時に自然な凹凸による外観を表現できるかつら及びかつらベースを提供する。
【解決手段】かつらベース2aを多角形の網目を有する縦糸31と横糸32で構成し、隣接する縦糸31a,31b間に、上方に半円状の緩やかな弧を描く曲線のループ4a1を、縦糸31b,31c間にループ4a2を順次形成し、且つ、ループ4a1〜4anは隣接する縦糸31間において、同一線上に配置せず、横方向に千鳥状に配列して形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、かつらベース及びかつらベースに毛髪が植設されたかつらに関する。
かつらは、基本的には、かつら装着者の頭部形状に類似する形状に成形されたかつらベースと、かつらベースに植設された人毛又は人工毛髪とから構成され、このかつらベースには、例えば合成樹脂製の人工皮膚やフィラメントを編成したネット素材が使用されている。かつらベースへの毛髪の植設は、人工皮膚の場合には、例えば人工皮膚に2ヶ所に穿孔して、その孔に毛髪を挿通させた後にかつらベースの表面上で結び目を作り結着させている。一方、かつらベースがネット素材の場合には、ネットを構成しているフィラメントに毛髪を捲回して結着する方法が行われている。しかし、これらの一般的な植設方法では、毛髪の立ち上がりが結び目に抑制されるのでボリュームが出ず、かつら全体が重く見えてしまうことが指摘されている。
また、一般的に、かつらベースに植設される毛髪の長さは均一なので、かつら表面の凹凸が少なく、人の頭部と比べて不自然な外観になり易い傾向にある。これらを克服するために、特許文献1及び特許文献2では種々の長さの毛髪をかつらベースに結び付けることで、短い毛髪が長い毛髪の立ち上がりを維持し、自然の毛髪に近い感触を持ったヘアピースにする技術を開示している。また、特許文献3では、かつらベースに植設する毛髪の折り返し位置を、毛髪全長の半分の位置以下にすることで、かつらベースの表面から突出する毛髪の長さが異なって不規則になるので、頭部に生育している自毛と近似した外観を呈することが開示されている。
特開昭63−196705号公報 特開2006−183214号公報 特開平8−60421号公報
これらの方法では、ある程度のボリューム感の向上や頭部に生育している自毛と近似した外観を呈させることはできる。しかし、かつらベースの表面は、人の頭部に似せて湾曲しているだけなので、植設した毛髪を立ち上げてボリュームを出すことや、かつら表面を人の頭部表面の凹凸に近似させることには限界がある。また、かつらベースの結着部分から延出した毛髪は結び目の状態によって可動範囲が限定的であるため、頭部に生育している自毛と比べて可動範囲が狭く、かつら装着時の意図しない毛分かれが発生する危険性が高かった。
本発明は、かつらベースに植設した毛髪の根元部を立ち上げることでボリューム感を図りながら、自毛のようにあらゆる方向の動きを可能にして、さらにかつら装着時に頭部形状の自然な凹凸による外観を表現できるかつらベースとこれに毛髪を植設して成るかつらを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のかつらベースは、多角形状の網目を有するネット部材と、ネット部材の表面から立ち上がり半円状の緩やかな弧を描く複数のループとからなる。
ネット部材上のループは、好ましくは、ネットの網目を構成する多角形の一つの辺とその辺と隣接しない一つの辺とを橋渡しして形成され、且つ隣り合うループは同一線上に配置される第一ループを構成している。
また、かつらベースは、第一ループに加えて、網目を構成する多角形一つの辺上、又はその一辺から隣接する多角形の一辺上にかけて形成された第二ループとを含んでいてもよい。
さらに本発明は、多角形の網目を有するネット部材と、ネット部材の表面から立ち上がり半円状の緩やかな弧を描く複数のループと、ループと反対方向に立ち上がり半円状の緩やかな弧を描く複数のクッションループと、を備えたかつらベースを提供する。
本発明のかつらは、多角形状の網目を有するネット部材と、ネット部材上に設けられた複数のループとに毛髪が植設されたものである。
本発明のかつらは、かつらベースに設けられたループが可撓性を有するので、かつら装着時にかつらの毛髪が、かつら装着時の頭部の動きに追随でき、頭部に生育している自毛と近似する動きが可能になり、かつら装着時の意図しない毛分かれが防止できる。また、植設した毛髪の結び目の位置がループとネット部材では高さが異なるので、従来のかつらにおける毛髪の結び目と比べて各毛髪の結び目位置に高低差が生じることで、迷彩効果が顕著になり自然な外観が得られる。
さらに、ネット部材に植設された毛髪がループに保持されるので毛髪の立ち上がりが良くなり、自然な外観やボリューム感が得られる。
以下、本発明の幾つかの実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るかつら1は、かつらベース2とかつらベース2に植設された毛髪5とからなる。かつらベース2は、多角形の網目を有するネット部材3とネット部材3上に形成されたループ4とからなり、毛髪5は、ネット部材3及びループ4に植設されている。
ここで、ループ4とは、糸又は撚糸のようなフィラメントによって形成される曲線であって、半円状の緩やかな弧を描いてネット部材の表面から立ち上がる線状物を意味する。
また、ここでいうかつら1とは、頭部全体を被う全頭かつら又は頭部の一部分を覆う部分かつらであってもよい。
本明細書中において、ネット部材3について、網目形状が四角形のものを中心に説明するが、網目形状は四角形に限定されるものではなく、多角形状のものであってもよい。また、数種類の網目形状、例えば、五角形状の網目や六角形状の網目が混在するものであってもよく、網目パターンが菱形状や円形状などであってもよい。
ネット部材3の網目の大きさは、特に限定されるものではないが、2〜4mmの範囲が好ましい。ネット部材3を構成する素材は特に限定されるものではないが、寸法安定性や形状安定性に優れるポリエステルやポリアミド樹脂がよく、かつらベース全体に柔軟性を付与するためにモノフィラメントを複数本撚ったマルチフィラメントで構成されることが好ましい。ネット部材3は、例えば平織りして交差した糸の交点を接着剤又は熱溶着で固定して形成することができるが、糸を編みこんで作成してもよい。
ループ4は可撓性を有することが好ましく、且つネット部材3に対して50〜90°の角度で立ち上がっていることが望ましい。ループ4の立ち上がり角度が50°未満では毛髪を植設したかつら表面の凹凸の差が小さくなり、さらにループに植設した毛髪が十分に立ち上がらずボリューム感を出すことが困難になる。また、50〜90°の角度で立ち上がったループは、植設する毛髪の自重やブラシなどのブラッシング程度の力で撓む可撓性がある。ループ4は、ネット部材3を構成する糸との交点を熱溶着で固定して形成することができるが、ネット部材3の糸にループ4の糸を絡めて編みこんで作成してもよい。
ループ4に可撓性がないと、植設した毛髪が垂直に立ち上がってしまい、植設した毛髪の柔軟な動きが制限されるため、自毛のようにはあらゆる方向への動きができ難くなる。さらに、かつら装着時の意図しない毛分かれが発生し易く、自然な外観が得にくくなってしまうので、ループ4にはある程度の可撓性を有させることが好ましい。
ループ4を構成する素材は、特に限定されるものではないが、寸法安定性や形状安定性に優れるポリエステルやポリアミド樹脂製のフィラメントがよく、モノフィラメントやモノフィラメントを複数本撚ったマルチフィラメントで作製し得る。ループ4の太さは、特に限定されるものではないが、直径0.1〜0.2mmの範囲が好ましい。ループの太さが0.1mmより細いと、毛髪をループに植設したときに、毛髪との結び目で折り目がつき易く、毛髪の立ち上がりが悪くなり易い。ループの太さが0.2mmを超えると、ループが目立って迷彩効果に劣り、かつらを装着していることが露見しやすくなる。また、毛髪の結び目が緩み易いため、かつらから毛髪の脱離が起こりやすくなる。
ネット部材3とループ4の頂点との距離h(後述する第2の実施の形態で説明する図3を参照のこと。)は、2〜4mmの範囲が好ましい。距離が4mm以上になると、ネット表面とループにそれぞれ植設した毛髪の結び目間の距離が離れ過ぎるため、植設した毛髪が浮いて見え、さらにループ4に植設した結着部分が目立ち不自然な外観になる虞が生じ得る。2mm未満の場合、ループが低過ぎてかつらベース表面の凹凸の差が少なくなり、植設した毛髪の根元部を立ち上げてボリュームアップを図ることが難しくなる。
ループ4の数とサイズは、所望の毛髪量などによって適宜選択すればよいが、例えば、ループ幅2〜4mm、ループ数14〜36個/cmの範囲であれば好ましい。ループ4は、モノフィラメントあるいはマルチフィラメントをネット部材3の所望の辺上に固着して形成すればよい。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係るかつらベース2aを図2及び図3に示す。なお、図3は図2の断面図である。
本第2の実施の形態において、図2ではかつらベース2aのごく一部を示しているにすぎないが、かつらベース2aにおいて、符号31で示すフィラメントを縦糸とし、符号32で示すフィラメントを横糸とすると、ループ4a〜4aは、縦糸31のうち、隣り合う縦糸31a,31b同士、縦糸31b,31c同士、縦糸31c,31d同士に順次架橋されて、上方に半円状の緩やかな弧を描く曲線で形成されている。本明細書では、隣り合う縦糸31同士に橋渡しすることで形成されたループを第一ループ4aという。そして、各第一ループ4a同士は、隣接するループの始点41と終点42とが縦糸31において重ならないように形成されている。従って、隣り合う第一ループ4aの仮想底辺43は、それぞれ同一直線上に配置されていない。例えば、第一ループ4aは、隣り合う縦糸31a及び31b間に懸架されているが、次の第一ループ4aは隣り合う縦糸31b及び31c間の半目ずれた位置で懸架され、次の第一ループ4aは、隣り合う縦糸31c及び31d間の半目ずれた第一ループ42aと同じ位置で懸架されている。このように、第一ループ4a〜4aは隣接する縦糸31間において、横方向に千鳥状に配列されて形成されている。
第一ループ4aの大きさは、特に限定されるものではないが、実施の形態1のループ4について説明したように、直径0.1〜0.2mmの範囲が好ましい。
前述したように、ネット部材3と第一ループ4aの頂点との距離hは、2〜4mmが好ましい(図3参照)。4mm以上になると、ネット表面とループに植設した各毛髪結び目間の距離が離れ過ぎて植設した毛髪が浮いて見えること、さらにループに植設した結着部分が目立ち過ぎて不自然な外観になる。2mm未満の場合、ループが低過ぎてかつらベース表面の凹凸の差が少なくなり、植設した毛髪の根元部を立ち上げてボリュームアップを図ることが難しくなる。
図4は、ネット部材3の網目が六角形のかつらベース2aを示すものである。第一ループ4aは、多角形の一つの辺131と辺131に隣接しない一つの辺132とを橋渡しして上方に半円状の緩やかな弧を描く曲線で形成されており、且つ隣り合う第一ループ4aの底辺(図示せず)が、同一直線上に配置されていないところに特徴がある。すなわち、ネット部材3上で、隣接する第一ループ4aの始点と終点とが重ならないように形成されている。隣接する第一ループ4a同士を同一直線上に配置するか又は隣接する第一ループ4aの始点と終点とが重なるように配置すると、第一ループ4aがネット部材3上で直線状に配置され、植設した毛髪が直線状に見えて不自然な外観となってしまうためである。なお、ここで多角形の一つの辺とは、多角形の頂点を含み、一つの頂点からもう一つの頂点までを結ぶ線をいう。
図5に示すように、第一ループ4aの立ち上がり角度αは、ネット部材3に対して50〜90°の角度で立ち上がり、且つ可撓性を有することが好ましい。第一ループ4aの立ち上がり角度が50°未満では毛髪を植設したかつら表面の凹凸の差が小さくなり、さらに第一ループ4aに植設した毛髪が十分に立ち上がらずボリューム感を出すことが難しくなる。50〜90°の角度で立ち上がった第一ループ4aは、植設する毛髪の自重やブラシなどのブラッシング程度の力で撓む可撓性がある。
第一ループ4aに可撓性がないと、植設した毛髪が垂直に立ち上がり、第一ループ4aに植設した毛髪の自由度が制限されて、頭部に生育している自毛のようにはあらゆる方向への動きができ難くなること、かつら装着時の意図しない毛分かれが発生し易くなり、自然な外観を得ることが難しくなる。
第一ループ4aの数とサイズは、所望の毛髪量などによって適宜選択すればよいが、本実施の形態においては、ループの幅は2〜4mmが毛髪を植設した時にかつら全体として自然に見えるので好ましく、第一ループ4aの数は14〜18個/cmの範囲があらゆる毛髪量やスタイルに対応できるので好ましい。
第一ループ4aは、フィラメント(モノフィラメントあるいはマルチフィラメント)をネット部材3の所望の辺上に固着して形成することができるが、ネット部材3のフィラメント(モノフィラメントあるいはマルチフィラメント)に編みこんで形成することが好ましい。この場合、ネット部材3のフィラメント全体に編み込んでループを形成しないことが望ましい。すなわち、隣接するループを共通のフィラメントで形成するのではなく、別々のフィラメントで形成する。例えば、図10に示すように、フィラメント二本を撚って構成した隣接する縦糸31にフィラメントを橋渡しして編み込んで第一ループ4aを形成すればよい。このように、橋渡しする縦糸31が異なれば、第一ループ4aを構成するフィラメントも異なるようにすることで、ループを引っ張っても他のループが影響を受けることなく、毛髪の立ち上がりや外観に変化が出ないようにすることが可能である。
<第3の実施の形態>
図6に第一ループ4aの他に、縦糸上に形成された複数の第二ループ4bを含むかつらベース2bを示す。
第二ループ4bの底辺は第一ループ4aの底辺43と交差している。第二ループ4bは第一ループ4a同様、ネット部材3に対して50〜90°の角度で立ち上がっていることが好ましい。また、ネット部材3と第一ループ4aの頂点との距離も第一ループ4a同様、2〜4mmが好ましい。このような条件で第二ループ4bを形成することで第一ループ4aと第二ループ4bがお互いに支えあうので、さらに第一ループ4aの可撓性を向上することが可能となる(図7参照)。
第二ループ4bを構成する素材は、特に限定されるものではないが、第一ループ4aと同様に寸法安定性や形状安定性に優れるポリエステルがよく、モノフィラメントを複数本撚ったマルチフィラメントであってもよい。
第二ループ4bは、フィラメント(モノフィラメントあるいはマルチフィラメント)をネット部材3の所望の辺上に固着して形成することができるが、ネット部材3のフィラメント(モノフィラメントあるいはマルチフィラメント)に編みこんで形成してもよい。例えば、図11に示すように編みこんで成形することができる。第二ループ4bの径のサイズは特に限定されるものではないが、第一ループ4aと同様、直径0.1〜0.2mmの範囲が好ましい。第一ループ4aと第二ループ4bの数は、合計で32〜36個/cmの範囲が、あらゆる毛髪量やスタイルに対応できるので好ましい。
網目が多角形である場合、第二ループ4bは、多角形の一つの辺131と辺131に隣接する多角形の一辺133上に形成される(図4参照)。
<第4の実施の形態>
図8及び図9に、第一ループ4a及び/又は第二ループ4bと反対方向、すなわち、かつら装着者の頭側に向けて、立ち上がる複数のクッションループ4cを備えたかつらベース2cの模式図を示す。
ネット部材3、第一ループ4a、第二4bは、第2の実施形態2及び第3の実施形態で説明したとおりである。
クッションループ4cは、かつら装着時に頭部に当接してかつらと頭部との間に隙間を作り、通気性を向上させることを目的としているので、高さは0.5〜2.0mmの範囲がよい。0.5mm未満ではかつら装着時にかつらと頭部との間に十分な隙間ができないので通気性が向上しない。一方、2.0mm以上の場合、隙間が開き過ぎて、かつらが浮いて見えるので不自然な外観になり易いので好ましくない。
クッションループ4cを構成する素材は、特に限定されるものではないが、寸法安定性や形状安定性に優れるポリエステル或いはポリアミド樹脂がよく、クッション性をより向上させるために弾力性があるモノフィラメントが好ましい。クッションループ4cは、ネット部材3の所望の辺上に固着して形成することができるが、ネット部材3のフィラメント(モノフィラメントあるいはマルチフィラメント)に編みこんで形成してもよい。編みこみ法の一例を図12に示す。この例では、フィラメント二本を撚って構成した隣接する縦糸31にフィラメントを編みこんで、クッションループ4cを形成している。また、第一ループ4aと同様に、多角形の一つの辺31と該辺31と隣接しない一つの辺32とを橋渡しして形成されており、且つ隣り合う第一ループ4aの底辺43が、同一直線上に配置されないようにすることで頭部全体に万遍なくループが当接するので望ましい。
クッションループ4cの個数、立ち上がり角度θ(図5参照)は、第1のループ4aと同一に設計してよい。
かつらベース2、2a、2b及び2cは、縦方向、横方向ともJIS L1096「一般織物試験法のB法(定荷重法)」に準拠した伸長率測定法で、20〜26%の伸長率の範囲が好ましい。伸長率が20%未満の場合には、かつら装着時の頭部の動きに追随できず、頭部の大きな動きに対してかつら全体が動きやすくなるので安定性の面から好ましくない。伸長率が26%以上の場合には、かつらベースが伸長した時に自然な外観を保つためのかつらベースへの適正な毛髪植設方法がないこと、かつらを固定した箇所が引っ張られる力が大きくなり装着者が痛みを感じてしまうことなどの理由で好ましくない。
<第5の実施の形態>
本発明のかつら1は、第1〜4の実施形態で説明したかつらベース2、2a、2b及び2cのネット部材3とループ4、第一ループ4aと第二ループ4bとに毛髪5が植設されている。
毛髪5は天然毛髪または人工毛髪のいずれであってもよい。毛髪5の植設方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法によって行えばよい。植設する毛髪量は、所望の条件に応じて適宜選択すればよい。以下にかつらの製造方法の一例を示す。
伸長率が20〜26%の範囲にあるかつらベースは、かつら装着者の頭部形状に合わせることなく、平面形状の状態で頭部に装着してもある程度のフィット感が得られるが、かつら装着者の頭部形状の雄型にループ付ネットを張って固定した後に加熱成形して頭部形状を付与することが望ましい。加熱温度は、使用したネット素材の軟化温度程度に調節し、伸縮性を失わせない程度の濃度に調整したウレタンエラストマーやシリコーン樹脂溶液を頭部形状付与補助剤として塗布してもよい。頭部形状成形加工が終了した後に、頭部形状の雄型からかつらベースを外し、周縁部6にループ付ネットのほつれ防止のため、合成樹脂製からなるレーステープを半折り状態でループ付ネットの周縁付近を挟み込み、ミシンなどで縫製して一体化する。かつらベースに植設する毛髪の本数は、1本から複数本を一束にして適宜選択すればよい。
以上述べたように、本発明のかつらは、かつらベースに設けられた可撓性を有するループに植設された毛髪が頭部の動きに追随できるので、頭部に生育している自毛と近似する動きが可能になり、また、かつら装着時の意図しない毛分かれが防止できる。また、植設した毛髪の結び目の位置がループとネット部材では高さが異なるので、従来のかつらにおける毛髪の結び目と比べて各毛髪の結び目位置に高低差が生じることで迷彩効果が顕著になり自然な外観が得られる。
さらに、ネット部材に植設された毛髪がループに保持されるので毛髪の立ち上がりが良くなり、自然な外観やボリューム感が得られる。
また、かつらベースに設けられたクッションループが、かつら装着時に頭部に当接してかつらと頭部との間に隙間ができるので、かつら装着時の通気性が向上し、蒸れ等の不快感を取り除くことが可能になる。
図10に示すように、所定の間隔を有する略平行に並べた縦糸と横糸を用い、四角のネット目を有するネット部材上に、縦糸を橋渡しする第一ループ4aを有するかつらベースを作成した。
すなわち、二本のフィラメントを絡めて構成する縦糸31の撚目に横糸32を通し、縦糸31と横糸32を絡めて四角のネット目を有するネット部材3を編成した。得られたネット部材3の隣り合う縦糸を一本のマルチフィラメントで橋渡しして、さらに縦糸31に絡ませて編みこんで第一ループ4aをネット部材上に形成した。1本のフィラメント又は糸をネット全体の縦糸に編み込んでループを形成するのではなく、隣接する縦糸のみに一本のフィラメント又は糸を編みこんで第一ループ4aを形成している。すなわち、橋渡しした縦糸が異なる第一ループ4aは異なるフィラメント又は糸で形成されている。また、縦糸は、第一ループ4aによって連結されているので、横糸32は、図10のように、縦糸31を貫通する補助的な連結方法でもかつらベースの強度等に問題はない。
縦糸の太さ:0.3mm(フィラメントを二本撚り合わせたマルチ糸)
第一ループ4a:0.085mmのモノフィラメント糸を2本撚ったマルチ糸
横糸:0.17mmのモノフィラメント糸
第一ループ4aの幅:20mm
第一ループ4aの高さ:3.0mm
第一ループ4aの立ち上がり角度:80°
隣接するループの終点と始点との距離:0.6mm
伸長率(%):縦方向、横方向とも21%(JIS L1096一般織物試験法のB法(定荷重法)に準拠)。
かつらベースへの毛髪の植設箇所:第一ループ4aの最頂部、第一ループ4aの最頂部と両端部との中間付近と、縦糸の長さ方向の隣接する第一ループ4a間の4ヶ所。
装着者の頭部の前頭部から後頭部のラインと上記条件で作製されたかつら用ベース素材の縦糸の長さ方向とを合わせ、毛髪付きかつらベースを頭部形状の雄型に張って固定してかつらベースを作製した。図13に示すように第一ループ4aの毛髪にはMの方向性、縦糸31の毛髪にはN及びLの方向性を示すように毛髪を植設した。
図11に示すように、所定の間隔で略平行に並べた縦糸と、縦糸を連結する横糸と、隣り合う縦糸間に掛け渡した第一ループ4aと、縦糸上に形成した第二ループ4bで構成されている。第二ループ4bは、縦糸上の長さ方向に沿って連続的に、且つ隣り合う縦糸上の第二ループ4bと半周期ずらして形成したこと以外は、実施例1と同一条件でかつらを作製した。
なお、第二ループ4bは太さ0.085mmのモノフィラメントを2本撚ったマルチ糸を用い、縦糸と絡み合わせて編成した。
第一ループ4aは実施例と同一条件で形成し、クッションループ4cは0.1mmのモノフィラメントを用いて図12に示すように縦糸に編み込んでかつらベースを作成した。
他の条件は実施例1と同一の条件でかつらを作製した。
<比較例>
比較例1のかつらは、縦糸の長さ方向に沿った位置のみに第一ループ4aを形成した以外は実施例1と同様に作成した。
比較例2のかつらは、縦糸に対する第一ループ4aの立ち上がり角度を30°とした以外は実施例1と同様に作成した。
比較例3のかつらは、隣接する第一ループ4aの終点と始点とを重なるように形成した以外は実施例1と同様に作成した。
比較例4のかつらは、伸長率を縦方向、横方向とも10%にした以外は実施例1と同様に作成した。
比較例5のかつらは、伸長率を縦方向、横方向とも30%にした以外は実施例1と同様に作成した。
実施例1〜3のかつらは、何れもかつらベースに植設した毛髪が立ち上がり十分なボリューム感が得られた。また、自毛が生育している人体の頭部のような凹凸が生じ、さらにかつらベースの縦方向(頭部の前頭部から後頭部側の方向)と横方向(左右側頭部側)に所定の伸長率があることで頭部の動きに追随した自然な外観が得られるとともに、ループの自由度も高く、装着時の意図しない毛分かれは発生しなかった。さらに実施例3のかつらでは、頭部に当接する部分にもループが形成されているので、頭部とかつらの間に隙間が出来ることで、かつら装着時の通気性が良くなり長時間の装着も快適であった。
比較例1のかつらは、実施例と同様にかつらベースに植設した毛髪が立ち上がり十分なボリューム感が得られ、自毛が生育している頭部のように大きな凹凸が生じ、さらにかつらベースの縦方向と横方向に所定の伸長率があることで頭部の動きに追随できる。しかし、縦糸上の長さ方向に沿った位置のみに第一ループ4aを形成しているので、縦糸の長さ方向の自由度が他の方向と比べて制限され、装着時の意図しない毛分かれが発生し、実施例1〜3のかつらと比べると外観の自然感は劣った。
比較例2は、ループの立ち上がり角度を実施例よりも低くしたことで、かつらベースに植設した毛髪の立ち上がりが不十分となりボリューム感は得られなかった。また自毛が生育している頭部のようには大きな凹凸が生じず、自然な外観に乏しいものであった。
比較例3のかつらは、隣接する第一ループ4aの終点と始点とを重なるよう形成したため、植設した毛髪が直線状に整列してしまい不自然さが目立ち、また、隣接するループが当接するためループの自由度が制限されてしまい、自毛のような動きにならず不自然さが目立った。
比較例4のかつらは、かつらベースに植設した毛髪が立ち上がり十分なボリューム感が得られた。また、自毛が生育している頭部のような大きな凹凸が生じたが、かつらベースの伸長率を低くしたために、特にかつら装着時の頭部の大きな動きに十分追随できず、頭部の動きとかつらの動きに差が生じ、頭部に生育している自毛の挙動と異なり従来のかつらの装着時と同様の不自然さが残った。
比較例5のかつらは、比較例4同様にかつらベースに植設した毛髪が立ち上がり十分なボリューム感が得られ、且つ自毛が生育している頭部のような大きな凹凸が生じた。しかし、かつらベースの伸長率が高いために、頭部が大きく動いた時に、かつらも追随して動いてしまい、大きく伸長した部分の毛髪が薄く且つ直線的に見えて不自然であった。
本発明にかかるかつらを模式的に示した図である。 本発明にかかるかつらベースの第1の実施形態を示した断面図である。 図2の断面図である。 ネット部材の網目が六角形のかつらベースを示す図である。 第一ループ及びクッションループの立ち上がり角度を示す図である。 本発明にかかるかつらベースの第2の実施形態を示した断面図である。 図6の断面図である。 本発明にかかるかつらベースのさらに他の実施形態を示した断面図である。 図8の断面図である。 実施例1のかつらベースの編み方を示す模式図である。 実施例2のかつらベースの編み方を示す模式図である。 実施例3のかつらベースの編み方を示す模式図である。 実施例1〜3のかつらベースへの毛髪の方向性を示す図である。
符号の説明
1 かつら
2、2a、2b かつらベース
3 ネット部材
4 ループ
4a 第一ループ
4b 第二ループ
4c クッションループ
5 毛髪
6 周縁部
31 縦糸
32 横糸
43 第一ループ4aの底辺

131 多角形の一つの辺
132 隣接しない一つの辺

Claims (7)

  1. 多角形の網目を有するネット部材と、該ネット部材の表面から立ち上がり半円状の緩やかな弧を描く複数のループとからなる、かつらベース。
  2. 前記ループは、前記多角形の一つの辺と該辺と隣接しない一つの辺とを橋渡しして形成され、且つ隣り合うループは同一線上に配置されていない、請求項1記載のかつらベース。
  3. 前記ループは、前記多角形の一つの辺と該辺と隣接しない一つの辺とを橋渡しして形成され且つ隣り合うループは同一線上に配置されていない第一ループと、前記多角形の一辺上又は該一辺から隣接する上記多角形の一辺上にかけて形成された第二ループと、を含む、請求項1記載のかつらベース。
  4. 多角形の網目を有するネット部材と、該ネット部材の表面から立ち上がり半円状の緩やかな弧を描く複数のループと、該ループと反対方向に立ち上がり半円状の緩やかな弧を描く複数のクッションループと、を備えた、かつらベース。
  5. 前記ループは、前記多角形の一つの辺と該辺と隣接しない一つの辺とを橋渡しして形成され、且つ隣り合うループは同一線上に配置されていない、請求項4記載のかつらベース。
  6. 前記ループが、前記多角形の一つの辺と該辺と隣接しない一つの辺とを橋渡しして形成され且つ隣り合うループは同一線上に配置されていない第一ループと、前記多角形の一辺上又は該一辺から隣接する上記多角形の一辺上にかけて形成された第二ループと、を含む、請求項4記載のかつらベース。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のかつらベースの前記ネット部材及び前記ループに毛髪が植設された、かつら。
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