JP5384403B2 - かつら - Google Patents

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本発明は毛髪がかつらベースに植設されたかつらに関する。
かつらは、ネットや人工皮膚などのかつらベースに天然毛髪や人工毛髪を植えつけたものであり、装着していることが目立たないようにすることはもちろんのこと、使用者の望むヘアスタイルに対応可能な様々なバリエーションをもつ形態が求められている。
人間の頭髪は、頭部のつむじ付近を起点として、前頭側に流れる毛髪の流れ、左右の側頭部に向けて流れる毛髪の流れ、後頭部に向けて流れる基本的な毛髪の流れが形成されている。この基本的な毛流に変化を加えることにより、様々なヘアスタイルが形作られている。
かつらにおいて、つむじは、前頭部の後頭部寄り側の一部に、放射状に毛流を拡散させて構成するものや、渦巻き状の毛流とすることにより形成されている。
たとえば、特許文献1には、かつら全体を渦巻き状の毛流とすることでつむじを形成したかつらが示されている。また、特許文献2には、渦巻き状のつむじと前頭部及び後頭部などの部分の毛流を渦巻きの流れに沿った形態としたかつらが示されている。
また、つむじから額にかけて形成される髪の分け目も、かつらのヘアスタイルの大切な要素である。一般に、かつらのヘアスタイルは、植設された毛髪の毛流を整えて、装着者の好みにセットされるが、特許文献1、2のようにかつら全体の毛流を渦巻き状とするすると、髪の分け目のセットが困難になる。そこで、特許文献3には、渦巻き状の毛流ではなく、つむじから額にかけて毛流を前側に揃えたかつらが開示されている。
一方、特許文献4にはつむじから額にかけて、毛流を左右に分けて髪の分け目をあらかじめ形成したかつらが開示されている。
特開2009−41119号公報 特開2009−35829号公報 実開平1−83022号 実開平5−54509号
しかし、かつらベースに植設された毛髪は、実際に頭部に生えている髪、すなわち、自毛と異なり、外部からの力に対して弾力的に追随することが難しい。図7(A)に示すように、自毛110は、皮膚111の内部にある毛包112によって固定されているが、皮膚は弾力性を有するとともに、表面付近では自毛110との間に窪み113があり、根元付近で皮膚111が自毛110の前後左右の動きに弾力的に追従できる構造となっている。したがって、自毛は、外部からの力に対して無理なく追従することができ、ブラッシング等によって毛流を揃える、あるいは毛流を変化させても柔軟に対応することができる。
これに対し、図7(B)に示すように、人工毛髪120は、かつらベース121に結び付けられ又は埋め込んで固定されているだけで、自毛のように根元付近で弾力的に可動できる構造とはなっていない。したがって、人工毛髪に外部からの力が加わると、根元から倒れやすく、又は折れ癖がつきやすい。そして、人工毛髪は一度倒伏又は折れると復元することが困難である。
かつらベースに固定された人工毛髪等(以下、毛髪という)には柔軟性がないため、毛髪はかつらベースに固定される際、あらかじめ特定の方向性が付与されている。すなわち、毛髪はかつらベースに植設される際、根元部分から毛髪を左方向又は右方向に向けて引き上げられながらかつらベースに固定される。かつらベースが人工皮膚の場合には、針足の方向性を変化させて人工皮膚に固定される。このようにして、毛髪には右方向又は左方向へ流れる特性が付与される。この植設時に毛髪に付与される流れの方向を指向性という。指向性を揃えて植設された毛髪を束にして指向性と同じ方向にさらに整えることにより、かつらに毛流が形成される。
特許文献1及び2に記載されたかつらは、かつら全体の毛流の方向が渦巻き状のつむじの毛流の方向に揃えられて形成されている。したがって、かつらのつむじから額にかけて髪の分け目をセットする場合には、つむじの毛流の方向とは正反対の方向に向けて毛流を形成しなければならない。しかし、前述したように、かつらに植設された毛髪の根元部分は自由度が抑制されているため、あらかじめ設定された毛髪の指向性を正反対の方向に変えることは困難である。無理に正反対の方向に毛髪の指向性を変更した場合には、毛髪の根元部分からの倒伏や折れが発生し、髪の分け目に沿ってライン状に毛割れが発生する。毛割れの発生により、かつらの外観が不自然になるばかりでなく、生じたラインを透してかつらを装着していることが露顕されてしまうという不都合が生じてしまう。
また、セットされた髪の分け目付近で毛流が全体の毛流と方向が異なる毛流が形成されるので、髪の分け目一帯につむじの毛流とは異なる不自然な毛流が形成されることになる。この結果、かつら全体としての毛流に繋がりがなくなり、かつら全体に不自然な外観を呈することになってしまう。
特許文献3には、毛髪をつむじ部から前額側に向けてほぼ直線状に植設したかつらが開示されている。この技術では、特許文献1及び2に記載されたかつらに比べ、毛髪の分け目をセットする時には、毛髪の指向性を大きく変更する必要はない。しかし、前額側に向けて直線状に指向性を持つ毛髪を左右に分ける毛髪の手入れが日常的に行われることにより、毛髪の根元からの折れや倒伏が起こりやすくなる。毛髪が根元から折れたり、倒伏すると毛割れが生じたり、毛髪の分け目だけが目立ちやすくなるため、かつらの外観が不自然になってしまう。
特許文献4のかつらでは、毛髪が髪の分け目である仮想線を挟んで毛髪の指向性を約180°異なった方向に揃えられた状態で左右対称に植設されている。このかつらの場合、毛髪の指向性が毛髪の分け目に沿って左右に分けて整えられているので、特許文献1〜3に比べ、毛髪の分け目がセットされても毛髪の指向性はそれほど変化しない。しかし、毛髪の分け目のラインの位置が固定されているため、日常的に毛髪を手入れすることにより、あらかじめ設定された指向性の方向に髪の毛が倒伏しやすく、分け目のライン上あるいはラインに沿って毛割れが生じやすいという問題がある。
本発明の目的は、髪の分け目付近での毛割れが発生しにくく、つむじ部分と髪の分け目付近に不自然な毛流が目立ちにくいかつらを提供することにある。
本発明のかつらは、かつらベースと該かつらベースに植設された複数の毛髪とからなり、かつらベースには頭頂部から前額側に延びて所定の幅を有する分髪領域が設けられ、分髪領域は、分髪領域の右側への指向性を有する毛髪を植設した右流れブロックと左側への指向性を有する毛髪を植設した左流れブロックとを備える。
右流れブロックと左流れブロックは隣接して分髪領域に配置されている。また、分髪領域の頭頂部側にはつむじ部が設けられていてもよい。
本発明のかつらは、つむじ部分と分け目部分との境界に不自然な外観がなく、つむじから額にかけての髪の分け目付近での毛割れが発生しにくい。従って、自然な分け目を呈する外観のかつらを得ることに加え、植設した毛髪同士がもたれ合うことによって、毛髪の立ち上がりがよく、ボリューム感も向上させることができる。また、髪の分け目をボカしたヘアスタイルにも対応可能である。
本発明のかつらの概念図である。 本発明に係る実施形態1の分髪領域の概念図であり、つむじ部と縦長のブロックを備える分髪領域に髪が植設されている状態を示す正面図である。 実施形態1の変形例の分髪領域を示し、つむじ部と扇形状のブロックを備える分髪領域に髪が植設されている状態の正面図である。 実施形態2のつむじ部を備えない分髪領域を示す概念図である。 実施形態3の分髪領域の状態を示す概念図である。 実施形態3の変形例の分髪領域を示す概念図である。 自毛と植設された毛髪との相違を説明する概念図である。
以下、本発明を幾つかの実施形態並びに変形例に基づいて図面を参照して詳細に説明する。
[実施形態1]
最初に、本発明の本実施形態1に係るかつら1を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、かつら1は、ネットベース又は柔軟な合成樹脂で成形した人工皮膚で成るかつらベース2に多数の毛髪(図示せず)が植設されて構成されている。本発明に係るかつら1は、全頭形のかつらであっても部分かつらであっても等しく適用可能であるが、実施形態では部分かつらに適用した例を示すものとする。
かつら1には、かつらベース2内に、頭頂部から前額側に延びる所定の幅を有する分髪領域3と、毛流を一定方向に揃えた左サイド部を構成する第一植毛領域5と、該第一植毛領域5とは異なる方向の毛流を有するフロント部を構成する第二植毛領域6とを備え、分髪領域3は第一植毛領域5と第二植毛領域6とに挟まれて左側に形成されて配置されている。分髪領域3には後述するように、指向性の異なる毛髪が植設されている(図2参照)。
図1に示すように、分髪領域3の頭頂部側にはつむじ部4が形成されている。つむじ部4は、通常、かつら装着者の頭頂部の百会付近にある、いわゆるつむじと称される場所に位置して形成する。図1において、つむじ部4の位置をかつら1の左後方側に示すが、この図の位置に限定されるものではなく、かつら装着者のつむじ位置に合わせて設けてもよい。
図1中の矢印は、かつらベース2に植設された毛髪の毛流の方向を示す。第一植毛領域5又は第二植毛領域6の毛流は、かつらベース2に植設された人工毛髪等の指向性を一定方向に揃え、髪の流れを整えることによって形成される。髪の指向性は、人工毛髪等(以下、毛髪という)をかつらベースに植設する際、根元から引き上げながらかつらベースに固定するとき毛髪に付与される左方向又は右方向の流れ方向である。領域内で髪の指向性を揃えて植設することにより、髪の流れを容易に整えることができる。
かつらにおいて、左右の側頭部側(L方向又はR方向)では左向き又は右向きの毛流、後頭部(B方向)では後ろ向きの毛流、前頭部側(F方向)では前向きの毛流が一般的に形成されている。しかし、かつらの毛流の方向はこれに限定されるものではなく、装着者の好みのスタイルに応じて、流れの方向が変更されていてもよい。
本実施形態のかつら1は、かつらベース2の後方左側を起点として、分髪領域3が左側頭部寄りにおいて、前額側にかけてかつらベース2内に配置され、分髪領域3の両側には第一植毛領域5及び第二植毛領域6が配置されている。なお、本明細書において、前額側とは、かつら装着者の額の髪の生え際に該当する位置を意味する。
左サイド部の第一植毛領域5では前額左側へ向けた毛流を備え、フロント部領域に対応する第二植毛領域6では、分髪領域3を軸として第一植毛領域5の毛流とほぼ線対象の関係にある毛流を有する。すなわち、本実施形態において、第二植毛領域6は、少なくとも分髪領域3の付近では前額右側へ向けた毛流を備える。なお、第二植毛領域6の右サイド部寄り及び後頭部寄りではほぼ前方に向かった毛流を形成している。尤も、すべての毛流をこの方向に揃えて毛髪を植設することは必ずしも必要ではない。
分髪領域3は第一植毛領域5と第二植毛領域6に挟まれて配置され、分髪領域3を境に毛流が線対象の方向に揃えられる。すなわち、分髪領域3が髪の分け目となって、髪が左右に分けられたヘアスタイルが構成されることになる。
本実施形態において、分髪領域3はかつらベース2の左側に配置されているので、髪を左分けとするヘアスタイルとなる。右分けにする場合には、後頭部右側から前額側にかけて分髪領域3を設け、その両側に第一植毛領域、第二植毛領域を構成すればよい。
図2に分髪領域3とつむじ部4の植毛状態を示す。図2中の矢印の方向は、植設された毛髪の指向性の方向を示している。
図2に示すように、つむじ部4は、分髪領域3内において、後頭部側の一端部に円弧を備える直径5mm〜50mm程度の大きさの半円形状の領域として配置される。すなわち、円弧は分髪領域3の後端部に接している。かつらにおいて、つむじは、一般につむじ中心から渦巻き状に広がる毛流又はつむじ中心から放射状に広がる毛流を備えて形成される。しかし、本発明においては、つむじは、毛髪の指向性を半円形状の中心から円弧側に向け、毛流を放射状にすることが望ましい。これは、つむじの毛流と分け目の境目に不自然な毛流が生じないようにするためである。
分髪領域3は、ほぼ全長にわたって、つむじ部4の直径とほぼ同等の幅を有している。そして、放射状に毛流が形成されたつむじ部4を除き、分髪領域3には異なる指向性を備えた毛髪が植設されている。異なる指向性を備えた毛髪とは、左方向又は右方向の流れが付与された毛髪を意味する。
具体的には、図2に示すように、つむじ部4を除く分髪領域3には、前額側に向かって列状に、複数のブロック31、図2では4つのブロック31に画成されている。このブロック31は、右側への指向性を有する毛髪が植設されている右流れ毛流ブロック31a,31cと、前額側に向かって左側への指向性を有する毛髪が植設されている左流れブロック31b,31dと、が隣り合わせに配置されている。分髪領域3に右流れブロック31a,31cと左流れブロック31b,31dとを隣接して配置することにより、隣り合うブロックの毛髪が互いに支えあうことになり、毛髪の倒伏や折れを防止することが可能になる。また、髪の分け目が明瞭に見えないため、分け目をはっきり見せない新しいヘアスタイルにも対応可能である。
指向性の異なる毛髪が植設されたブロックを備える分髪領域3の例を図2及び図3を用いてさらに説明する。
図2は、ブロックを細長い縦列として複数備える分髪領域3の例である。複数のブロック31(図2では31a〜dで表す)が縦長に隣接して分髪領域3の長さ方向に沿って配置されている。いちばん内側のブロック31aに植設された毛髪の指向性は、第二植毛領域6の毛流と同じ右流れであり、最も外側のブロック31dに植設された毛髪の指向性は、第一植毛領域5と同じ左流れの毛流である。図2では4列の毛髪が植設されたブロックを示すが、列数はこれに限定されるものではない。
隣り合うブロックに植設された毛髪の指向性はそれぞれ異なっており、分髪領域3内には右流れブロック31a,31cと左流れブロック31b,31dとが、複数列に交互に並列配置されている。すなわち、左側から順に1列目、3列目、5列目・・・の奇数列には第一植毛領域5の毛流と同じ指向性の毛髪を備えるブロックが配置され、2列目、4列目、6列目・・・の偶数列では第二植毛領域6の毛流と同じ指向性の毛髪を備えるブロックが配置されている。なお、両最外列ブロックの毛髪の指向性を、隣接する第一植毛領域5又は第二植毛領域6の毛流に合わせることにより、分髪領域3と周辺の毛流の不調和を抑えることが可能となるので、かつら外観の不自然さが生じることを防ぐことができる。なお、図示しないが、細長い列のブロックを短辺を介して縦長に隣接して設定してもよい。
図3は実施形態1の変形例を示すものである。図3に示すように、ブロックは分髪領域内で前額側に向けて広がる扇形状のブロックを含んで形成してもよい。図3において、ブロック31は、つむじ部4内に想定した収束点43から前額側に放射状に広がって延びる線によって形成される扇形状のブロックを含んでいる。ブロック31の形状を扇形状とした場合も、前述したように、分髪領域3内に右流れブロック31a,31cと左流れブロック31b,31dとが複数列に交互に並列配置されている。そして、左側から順に1列目、3列目、5列目・・・の奇数ブロックは第一植毛領域5の毛流に合わせた指向性の毛髪が植設された植毛列とする。2列目、4列目、6列目・・・の偶数ブロックは第二植毛領域6の毛流に合わせた指向性の毛髪が植設された植毛列とする。このようにして右流れブロック及び左流れブロックを分髪領域3内に整列させればよい。
分髪領域3を細分化して面積の小さなブロックに分け、ブロックごとに髪の指向性を異ならせることにより、毛髪の根元部分をブロック単位で支えあうことになるので、櫛等で梳かしても根元が倒れにくくなり、分け目をぼかすことができる。よって、分髪領域3内で発生しやすい毛割れを防ぐことが可能になる。また、ブロックごとに指向性を同じくすればよいので、植毛作業時に、毛髪1本ずつの指向性を確認することもなく植設でき、作業性がよい。前述したように、ブロック数は複数であり、毛割れを防止する観点から4以上とすることが好ましい。
なお、分髪領域3の後頭部側につむじ部4を設けず、分髪領域3の幅を5mm〜50mm程度として、装着者の髪の分け目に合わせるようにかつらベース2上に設けてもよい。この場合、つむじを明確にしないヘアスタイルを構成することができる。
かつらベース2には、熱可塑性樹脂の人工皮膚やネットを使用することができる。人工皮膚としてはウレタンエラストマー、シリコンが、ネットにはナイロン又はポリエステル繊維を網目状に構成したものが好適である。ネットを使用する場合には、より網目の小さい方が細やかな領域分割や毛髪の指向性に変化をつけ易く、例えば60メッシュ/インチ以上のメッシュ数で編成されたネットが好ましい。
なお、かつらベース2に人工皮膚を用いた場合、毛髪の針足の方向と毛髪を引き上げる方向とによって毛髪に指向性が付与される。
毛髪は、かつらベース2に想定したつむじ部4あるいは分髪領域3に直接植設してもよいが、つむじ部4と分髪領域3とを一体化した形状に裁断した基布に毛髪を植設してもよい。この場合、毛髪が植設された基布をかつらベース2に上乗せし、固定することにより、かつら1に分髪領域3が配置されることになる。
[実施形態2]
実施形態2のかつらは、つむじ部が形成されていない点で実施形態1のかつらと異なる。図4に示すように、分髪領域3Aには、収束点43を起点とし、前額側に広がって延びる放射状の線によって形成される複数の扇形状のブロック31が含まれる。収束点43は、分髪領域3Aの頭頂部側、すなわち後端側である一端部に想定することが好ましい。
複数のブロック31には、それぞれ指向性の異なる毛髪が植設されており、分髪領域3内には右流れブロックと左流れブロックとが、複数列に交互に並列配置されている。すなわち、左側から順に1列目、3列目、5列目・・・の奇数列のブロックには第一植毛領域5の毛流と同じ指向性の毛髪が植設されている。一方、2列目、4列目、6列目・・・の偶数ブロックには第二植毛領域6の毛流と同じ指向性の毛髪が植設されている。なお、両最外列のブロックの毛髪の指向性を隣接する第一植毛領域5又は第二植毛領域6の毛流と合わせることにより、毛流の乱れによるかつら外観に不自然さが生じることを防ぐことができる。ブロック数は複数であり、毛割れを防止する観点から、4以上とすることが望ましい。
本実施形態ではつむじ部が形成されていないため、つむじ中心がはっきりしなくなる。しかし、分髪領域3Aと第一植毛領域5の毛流と第二植毛領域6の毛流とが異なっているため、収束点43が分髪領域の起点となって見える。したがって、収束点43につむじが存在するように見えることになる。従って、つむじをぼかした外観を呈させることができる。
[実施形態3]
実施形態3に係るかつら1は、短冊状のブロック32を分髪領域3Bのつむじ部4から前額側に向けて配置した点で実施形態1と異なっている。
実施形態3に係るかつらを図5に示す。実施形態1と同様につむじ部4の毛流は放射状となるように形成する。なお、つむじ部4は、分髪領域3Bとの間で生ずる毛流の不自然さを解消する観点から、後頭部側に円弧を有する半円状とすることが好ましい。すなわち、つむじの円弧部分は分髪領域3Bの一端部に接することになる。
つむじ部4から前額側に向けて、複数の短冊状のブロック32が互いの上辺と下辺が重なるように分髪領域3Bに配置される。図5においては、複数の短冊状ブロック32の長辺である上辺と下辺がそれぞれ重なるように隣接し、つむじ部4から前額側に向けて段状に並べられている。
つむじ部4に接する側から順に1段目、3段目、5段目・・・の奇数段は第一植毛領域5の毛流と同じ指向性の毛髪が植設されたブロックである。2段目、4段目、6段目・・・の偶数段は第二植毛領域6の毛流と同じ指向性の毛髪が植設されたブロックである。すなわち、短冊状の右流れブロックと左流れブロックとが、つむじ部から前額側へ交互に複数段で配置された構成としている。
短冊状のブロック32の段数は、つむじ部4、第一植毛領域5及び第二植毛領域6の毛流との調和を図るため、なるべく多くすることが望ましい。すなわち、短冊状ブロック32の短辺は短いほうが望ましい。具体的には、つむじ部の直径より短く、好ましくは、半径以下でとする。
複数の短冊状のブロック32をつむじ部4から前額側に向けて長辺を隣接して段状に配置することにより、実施形態1、2に比べ、髪の分け目をさらにぼかすことができる。
図6は図5に示す実施形態3の変形例を示している。図6に示すように、短冊状のブロック32をさらに、対角線によって二つに分け、三角形のブロック形状としても良い。
三角形のブロック32a、32bは、分髪領域3の長手方向に対して左又は右の側端部の一方に三角形の底辺を有し、頂点を他側端部に有する。
そして、右側側端部に底辺を有する三角形のブロック32aには、左側側端部に底辺を有する三角形32bが斜辺を介して隣接して配置されている。このように、2つの三角形のブロック32a、32bが重なることで短冊状のブロック32が形成されている。
なお、三角形のブロック32aには、第二植毛領域6の毛流と同じ指向性を有する毛髪が植設され、ブロック32bには、第一植毛領域5の毛流と同じ指向性を有する毛髪が植設されている。
このように、ブロックの面積を小さくすることにより、さらに分髪部内での毛割れを生じにくくなる。短冊状のブロック32の分割は、この例に限られるものではなく、ブロック32の長辺を分断してより小さなブロックとしてもよい。植毛列の面積を小さくすることで、ブラッシング等の外的な力に対しても、毛髪が束になって倒れることを防止でき、分髪領域3Cのボリューム感を維持することが可能になる。また、実施形態1や2に比べ、髪の分け目が目立ちにくく、分け目をぼかす新しいヘアスタイルにも柔軟に対応できる。
以下に本発明のかつらの作製の一例を説明する。
かつら装着者の頭部に被せて頭部形状を型取りした合成樹脂製の雌型に、石膏を流し込んで頭型雄型を作製する。この頭型雄型の表面に熱可塑性樹脂の人工皮膚やネットの基布を張って、固定した後、例えば熱硬化性ウレタンなどの熱硬化性樹脂溶液を雄型に固定した基布に塗布して加熱処理により基布を頭部形状に成形してかつらベースを作製する。
次に、作製したかつらベースにかつらベースの外周線、つむじの中心をマークする。そして、つむじの中心からかつらベースの前額の縁部に向けて髪の分け目の仮想中心線をマークする。分け目の仮想中心線の角度は所望に応じて適宜設定すればよい。
つむじ中心を中心として半径2〜3cmの円を描き、分け目も仮想中心線を起点として分け目の仮想中心線に平行な線をかつらベースの前縁部と、つむじの中心を中心点として描いた円とに接するようにして、つむじと分け目の一体化部分、すなわち分髪領域を画成する。
つむじは、完全な円形状のつむじではなく半円状態のほうが好ましい。つむじを完全な円形状で表現した場合、毛髪の指向性の違いによる毛流に乱れや毛分れが発生しやすくなるからである。
次に、画成した分髪領域を分け目のスタイルに応じて複数のブロックに分割して、ブロックごとに毛髪の指向性を変えて植設していく。
植設する毛髪は人毛でも合成樹脂製の人工毛髪の何れでもよく、人工毛髪の場合には植設後に所望のカールの付与が困難であるので、予めカールが付与された毛髪を植設しても良い。
1 かつら
2 かつらベース
3,3A,3B,3C 分髪領域
4 つむじ部
5 第一植毛領域
6 第二植毛領域
7 後部植毛領域
8 側部植毛領域
31、32 ブロック
43 収束点

Claims (9)

  1. かつらベースと該かつらベースに植設された複数の毛髪とからなり、
    上記かつらベースには頭頂部から前額側に延びて所定の幅を有する分髪領域が設けられ、
    上記分髪領域は、上記前額側に向かっての右側への指向性を有する毛髪を植設した右流れブロックと左側への指向性を有する毛髪を植設した左流れブロックとを備え
    前記右流れブロックと左流れブロックとが、複数列に交互に並列配置されている、かつら。
  2. 前記右流れブロックと左流れブロックとが、前記分髪領域の長手方向に沿って、縦長に隣接して配置されている、請求項1記載のかつら。
  3. 前記右流れブロックと左流れブロックとが、前額側に向けて扇形状に拡がって前記分髪領域の長手方向に沿って隣接して配置されている、請求項1記載のかつら。
  4. 前記分髪領域の頭頂部側に、円弧を有する半円状のつむじ部が形成されている、請求項1又は2に記載のかつら。
  5. 前記つむじ部において、毛髪の指向性がつむじの中心部から円弧に向けて放射状に揃えられている、請求項4記載のかつら。
  6. 前記分髪領域の頭頂部側に、円弧を有する半円状のつむじ部が形成されていて、
    前記右流れブロックと左流れブロックとが複数個で短冊状に形成され、該短冊状の右流れブロックと左流れブロックとが、前記つむじ部から前額側へ交互に複数段で配置されている、請求項1記載のかつら。
  7. 前記分髪領域の頭頂部側に、円弧を有する半円状のつむじ部が形成されていて、
    前記分髪領域において、前記つむじ部から前額側に向けて広がる扇形状の右流れブロックと、前記つむじ部から前額側に向けて広がる扇形状の左流れブロックとが隣接して配置されている、請求項1記載のかつら。
  8. 前記分髪領域の頭頂部側に、円弧を有する半円状のつむじ部が形成されていて、
    前記分髪領域において、三角形状の右流れブロックと、三角形状の左流れブロックとが斜辺を介して隣接し、前記つむじ部から前記前額側へ複数段配置されている、請求項1記載のかつら。
  9. 前記つむじ部において、毛髪の指向性がつむじの中心部から円弧に向けて放射状に揃えられている、請求項6〜8のいずれか1つに記載のかつら。
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