WO2006064827A1

WO2006064827A1 - ワーク移載装置及びワーク移載方法

Info

Publication number: WO2006064827A1
Application number: PCT/JP2005/022924
Authority: WO
Inventors: Minoru Ueda; Masami Mitsuhashi; Nobuo Mashino; Eisaku Andou; Yasushi Tokoyo
Original assignee: Honda Motor Co., Ltd.
Priority date: 2004-12-16
Filing date: 2005-12-14
Publication date: 2006-06-22
Also published as: US20070267878A1; US7762757B2; JP2006168551A; CN101132887A; CN101132887B

Description

明細書

ワーク移載装置及びワーク移載方法

技術分野

[0001] 本発明は，ワークを所定の場所に移載する際，ワークに傾斜及び反転の姿勢変化を与える得るワーク移載装置及びワーク移載方法に関する。

背景技術

[0002] 例えば，自動車の組立ラインにおいて，予備車輪を，予備車輪供給部から取り出して，自動車の後部下方の予備車輪保持皿に移載するには，予備車輪を傾斜させたり ,反転させるなど種々の姿勢を与えなければならず，このような作業を従来では全て人手に頼っていた。この場合，予備車輪が重量物であるので，その移載作業は重労働となる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 本発明は，力 Aる事情に鑑みてなされたもので，一人の作業者でもワークに傾斜及び反転の姿勢変化を容易に与え得るようにしたワーク移載装置及びワーク移載方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0004] 上記目的を達成するために，本発明のワーク移載装置は，支持部に回転可能に支持されるブラケットと，このブラケットを回転させるベく前記支持部に設けられる回転駆動手段と，前記ブラケットに揺動可能に軸支されるワーク支持アームと，このワーク支持アームを揺動すべくブラケットに設けられる揺動駆動手段と，前記ワーク支持ァームの先端部に設けられて移載すべきワークを保持するワーク保持手段とを備えてなり ,前記回転駆動手段の作動時には，前記揺動駆動手段の作動によりワークを傾斜させて，ワークの重心が回転駆動手段の回転軸線上の近傍に来るようにしたことを第 1 の特徴とする。

[0005] また本発明は，第 1の特徴に加えて，前記支持部を，支柱と，この支柱に昇降可能に支持されて水平方向に延び，且つ支柱の軸線周りに回転可能な第 1アームと，この第 1アームの先端部に回動可能に連結されて水平方向に延びる第 2アームとで構成したことを第 2の特徴とする。

[0006] さらに本発明は，第 2の特徴に加えて，前記第 1アームの，支柱の軸線周り回転を阻止する第 1ブレーキと，前記第 1及び第 2アームの相対回動を阻止する第 2ブレーキと，前記ブラケットの回転を阻止する第 3ブレーキとを備えことを第 3の特徴とする。

[0007] さらにまた本発明は，第 3の特徴に加えて，前記第 3ブレーキを前記回転駆動手段に内蔵したことを第 4の特徴とする。

[0008] さらにまた本発明は，第 2〜第 4の特徴の何れかに加えて，前記支柱を水平方向に移動可能に支持するガイド手段を備えることを第 5の特徴とする。

[0009] さらにまた本発明は，第 1〜第 5の特徴の何れかに加えて，前記揺動駆動手段の作動による前記ワーク支持アームの揺動角度を一定に規制する規制手段を備えることを第 6の特徴とする。

[0010] 尚，前記ワーク支持アームは，本発明の後述する実施例中の第 3アーム 33に対応し，また前記昇降駆動手段は第 1エアシリンダ 20に，前記回転駆動手段は電動モータ 30に，前記揺動駆動手段は第 2エアシリンダ 35に，前記ワーク保持手段はクランプ 40に，前記ガイド手段はガイドレール 11に，前記規制手段はストッパ 36にそれぞれ対応する。

[0011] また本発明のワーク移載方法は，支持部に水平軸線周りに回転可能に支持されるブラケットに軸支されるワーク支持アームの先端部により，移載すべきワークを保持する第 1ステップと，この第 1ステップ後，ワーク支持アームを前記水平軸線周りに回転して前記ワークを反転させる第 2ステップと，この第 2ステップ後，前記ブラケットを移動して前記ワークを所定の移載位置に移し，該ワークの保持を解放する第 3ステップとを含み，前記第 2ステップでは，ワーク支持アームの前記水平軸線周りの回転によるワークの反転前に，ワーク支持アームを上下方向に揺動して前記ワークの重心を前記水平軸線もしくはその近傍に設定することを第 7の特徴とする。

[0012] また本発明は，第 7の特徴に加えて，前記第 2ステップでは，ワーク支持アームの前記水平軸線周りの回転を人力で行うことを第 8の特徴とする。

[0013] さらに本発明は，第 7の特徴に加えて，前記第 2ステップでは，ワーク支持アームの前記水平軸線周りの回転をァクチユエータの作動により行うことを第 9の特徴とする。発明の効果

[0014] 本発明の第 1の特徴によれば，揺動駆動手段の作動によりワークを傾斜させ，回転駆動手段の作動によりワークを反転させることができるので， 1人の作業者でもワークに傾斜及び反転の姿勢変化を容易に与えることができる。しかも回転駆動手段の作動時には，それに先立って揺動駆動手段の作動によりワークを傾斜させることで，ヮークの重心を回転駆動手段の回転軸線上の近傍に位置させるので，回転駆動手段の回転負荷を軽減することができ，これによつて回転駆動手段は，比較的小出力の小型なもので足り，装置の軽量化及び製作コスト低減を図ることができる。

[0015] また本発明の第 2の特徴によれば，第 1アームの昇降，第 1アームの支柱の軸線周りの回転，第 1及び第 2アームの相対回動，ブラケットの回転及びワーク支持アームの揺動を行うことで，ワーク保持手段で保持したワークに昇降，水平移動，傾斜及び反転等の変位を軽快に与えることができ，したがって 1人の作業者でも，しかも狭い場所においても，ワークを所望のところに容易に移載することができ，作業者の負担を大幅に軽減することができる。

[0016] さらに本発明の第 3の特徴によれば，第 1ブレーキの作動により第 1アームの，支柱の軸線周り回転を規制したり，第 2ブレーキの作動により第 1及び第 2アームの相対回動を規制したり，第 3ブレーキの作動によりブラケットの回転を規制することができ，ワークの姿勢を安定させて，移載作業を一層容易，的確に行うことが可能となる。

[0017] さらにまた本発明の第 4の特徴によれば，回転駆動手段の作動の停止と同時にブラケットの回転を規制し得て，ワークの反転姿勢を安定させ，移載作業を，より一層容易，的確に行うことが可能となる。

[0018] さらにまた本発明の第 5の特徴によれば，ワークを移載すべき対象物が移動している場合でも，支柱の水平方向の移動方向を上記対象物の移動方向に合わせることにより，上記対象物にワークを容易に移載することができる。

[0019] さらにまた本発明の第 6の特徴によれば，揺動駆動手段の作動時，規制手段によりワーク支持アームの揺動角度を自動的に一定に規制することができ，したがって常にワークの重心を回転駆動手段の回転軸線上の近傍に的確に位置させることができるから，回転駆動手段の回転負荷を確実に軽減する。

[0020] また本発明の第 7の特徴によれば， 1人の作業者でもワークに傾斜及び反転の姿勢変化を容易に与えることができる。し力もワークの反転時には，予めワーク支持ァームを上下方向に揺動してワークの重心を前記水平軸線もしくはその近傍に設定することにより，ワークの反転を軽快に実行することができる。

[0021] また本発明の第 8の特徴によれば，ワークの反転時には，予めワーク支持アームを上下方向に揺動してワークの重心を前記水平軸線もしくはその近傍に設定することにより，ワークの反転を人力により軽快に実行することができる。

[0022] さらに本発明の第 9の特徴によれば，ワークの反転時には，予めワーク支持アームを上下方向に揺動してワークの重心を前記水平軸線もしくはその近傍に設定することにより，比較的小容量のァクチユエータによるワークの反転が可能となる。

図面の簡単な説明

[0023] [図 1]図 1は本発明に係るワーク移載装置を備えた自動車の組立ラインの要部平面図である。（第 1実施例）

[図 2]図 2は上記ワーク移載装置を異なる状態で示した同様の平面である。（第 1実施例）

[図 3]図 3は図 2の 3矢視図である。（第 1実施例）

[図 4]図 4は図 1の 4_4線拡大断面図である。（第 1実施例）

[図 5]図 5は図 4の 5矢視図である。（第 1実施例）

[図 6]図 6は図 4の 6 _ 6線断面図である。（第 1実施例）

[図 7]図 7は図 1の 7— 7線拡大断面図で，ワークを保持する直前の状態を示す図である。（第 1実施例）

[図 8]図 8はワークの保持状態を示す，図 7との対応図である。（第 1実施例）

[図 9]図 9は保持したワークを回転移動した状態を示す，図 7との対応図である。（第 1 実施例）

[図 10]図 10はワークに傾斜姿勢を与えた状態を示す，図 7との対応図である。（第 1 実施例）

[図 11]図 11は傾斜姿勢のワークを上下反転した状態を示す，図 7との対応である。 ( 第 1実施例）

符号の説明

[0024] W--- ··ワーク (予備車輪）

11·· ··ガイドレーノレ

13·· ··支柱

15·· ··第 1ブレーキ

20·· '·昇降駆動手段 (第 1エアシリ

22·· '·第 1アーム

24·· '·第 2アーム

25·· '·第 2ブレーキ

30·· '·回転駆動手段 (電動モータ)

30a- ··出力軸

31·· '，ブラケット

33·· '·第 3アーム

34·· '·第 3ブレーキ

35·· ··揺動駆動手段 (第 2エアシリ

40·· ··ワーク保持手段 (クランプ）

発明を実施するための最良の形態

[0025] 本発明の実施の形態を，添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて説明する。

実施例 1

[0026] 先ず，図 1〜図 3に示すように，自動車の組立ラインには，多数の車体 B， B…を多数のハンガ 2， 2…で支持して一定方向 Aへ搬送するオーバヘッドコンベア 1と，ハンガ 2, 2…の移動と同期して走行する移動床 3と，この移動床 3の一側で床に設置される予備車輪供給コンベア 4と，予備車輪供給コンベア 4の排出部 4aに到着した予備車輪 Wを搬送中の各車体 B下部の予備車輪保持皿 Baに移載する本発明のワーク移載装置 5とが設けられる。

[0027] 予備車輪供給コンベア 4は，予備車輪 Wを，その外側面を上向きにした水平状態で排出部 4aに向かって搬送するもので，その排出部 4aには，予備車輪 Wの移動を停止するストッパ壁 6と，排出部 4aに到着した予備車輪 Wの，ワーク移載装置 5の後述する第 1アーム 22による掬い上げを可能にする切欠き 7とが設けられる。予備車輪供給コンベア 4において，予備車輪 Wを，その外側面を上向きにした状態で搬送することは，該コンベア 4との摺接による予備車輪 Wのホイール部外側面の傷つきを防ぐためである。

[0028] さて，ワーク移載装置 5について説明する。

[0029] 図 1 ,図 4〜図 6に示すように，予備車輪移載ステーション 10では，その上方に前記オーバヘッドコンベア 1の一側でそれと平行に一対のガイドレール , 11が架設され，このガイドレール 11， 11上を移動する台車 12には，下方に垂直に延びる中空の支柱 13がベアリング 14を介して回転自在に取り付けられる。この支柱 13と台車 12との間には，支柱 13の回転を規制し得る第 1ブレーキ 15が設けられる。この第 1ブレーキ 15は，台車 12に取り付けられた電磁式キヤリパ 16と，支柱 13の上端部に固定され ,キヤリパ 16の作動によって制動されるブレーキディスク 17とで構成される。

[0030] 図 4〜図 5に示すように，上記支柱 13の中空部には，その内周面を上下に転動し得る多数のガイド車輪 18， 18…を備えた昇降体 19が収容され，この昇降体 19と，支柱 13の上端部との間に第 1エアシリンダ 20が取り付けられ，この第 1エアシリンダ 20 の伸縮作用により昇降体 19を昇降させ得るようになってレ、る。

[0031] 支柱 13の一側壁には，その長手方向に延びるガイドスリット 21が設けられており，このガイドスリット 21を通して第 1アーム 22が昇降体 19に一体的に連結される。

[0032] 第 1アーム 22は水平に配置されるもので，その先端部には，支柱 13と平行な支軸 2 3の上端部がベアリング 28を介して回転自在に連結される。この支軸 23には，その下端部から水平に延出する第 2アーム 24がー体に形成されており，第 2アーム 24は ,支軸 23と共に，第 1アーム 22に対して回動し得るようになつている。

[0033] 第 1アーム 22及び支軸 23間には，第 1及び第 2アーム 22, 24間の相対回動を規制し得る第 2ブレーキ 25が設けられる。この第 2ブレーキ 25は，第 1アーム 22に取り付けられた電磁式キヤリパ 26と，支軸 23の上端部に固定され，キヤリバ 26の作動によって制動されるブレーキディスク 27とで構成される。 [0034] 図 6及び図 7に示すように，第 2アーム 24の先端部には，電動モータ 30のステータが固着される。この電動モータ 30は，その出力軸 30aが第 2アーム 24と直角をなして水平に配置されるもので，その出力軸 30aにブラケット 31がー体的に連結される。

[0035] このブラケット 31には，出力軸 30aと直角をなした水平な枢軸 32を介して第 3ァーム 33が上下揺動可能に取り付けられる。したがって，電動モータ 30は，その作動により出力軸 30aからブラケット 31を自由に回転することができる。この電動モータ 30は ,その不作動時には，出力軸 30aの回転を自動的に阻止する第 3ブレーキ 34を内蔵している。

[0036] 第 3アーム 33とブラケット 31との間には第 2エアシリンダ 35が取り付けられ，この第 2 エアシリンダ 35の収縮時には（図 9参照）第 3アーム 33を略水平状態に保持し，伸長時には（図 10参照）第 2アーム 24を，ブラケット 31に設けられたストッパ 36に当接させる所定の傾斜状態に保持するようになっており，その傾斜状態では，後述のクランプ 40を介して第 3アーム 33に保持した予備車輪 Wの重心 Gが，電動モータ 30の出力軸 30aの軸線 Xの近傍に来て，電動モータ 30の回転負荷を軽減するようになっている。

[0037] 図 7及び図 8に示すように，第 3アーム 33の先端部には，予備車輪 W中心部の取り付け孔 39に係脱可能に係合して予備車輪 Wを保持するクランプ 40が設けられる。このクランプ 40は，第 3アーム 33の先端部上面にシリンダ本体 41aを固着されるエアクランプシリンダ 41と，上記シリンダ本体 41aの上端面に固着され，上端部を円錐状にしたクランプ芯軸 42と，このクランプ芯軸 42のスリット 43内で軸支されて，上端の爪部をスリット 43から出没させる複数のクランプ爪 44, 44と，これらクランプ爪 44, 44をスリット 43内方へ付勢する複数のばね 45， 45とで構成され，クランプ爪 44, 44に内側面に，これを突出方向に回動し得るよう，エアクランプシリンダ 41のピストンロッド先端の拡張部材 41bが対向配置される。

[0038] 而して，クランプ芯軸 42を予備車輪 Wの取り付け孔 39に嵌合した状態で，エアクランプシリンダ 41を作動すれば，拡張部材 41bが突出してクランプ爪 44, 44をスリット 43外方へ回動し，その爪部を上記取り付け孔 39の外端周縁部に係合することにより ,クランプ 40は予備車輪 Wを保持したクランプ状態（図 8の状態）となる。またエアクランプシリンダ 41を不作動にすれば，ばね 45, 45の付勢力でクランプ爪 44, 44をスリット 43内に退去させることにより，クランプ 40は，予備車輪 Wを解放したアンクランプ状態（図 7の状態）となる。

[0039] 再び図 5において，第 2アーム 24には，その長手方向に離間して配置される左右一対のグリップ 46, 46^r と，その一方のグリップ 46に隣接するスィッチ群 47とが付設される。スィッチ群 47には，前記第 1及び第 2エアシリンダ 20， 35を伸縮作動させるスィッチや，前記第 1及び第 2ブレーキ 15, 25の電磁式キヤリパ 16, 26を作動させるスィッチや，電動モータ 30の正逆転を制御するスィッチ等が含まれる。

[0040] 尚，図中，符号 Mは作業者を示す。

[0041] 次に，この実施例の作用について説明する。

[0042] 先ず，予備車輪供給コンベア 4の排出部 4aに到着した予備車輪 Wを取り出すには ,図 1及び図 7に示すように，作業者 Mは，グリップ 46， 46^r を把持して，第 1及び第 2アーム 22, 24を相互に閉じると共に，クランプ 40を先頭にして，自力で支柱 13を前記排出部 4aに近づける。このとき，電動モータ 30を作動して，クランプ 40が上向きとなるようにブラケット 31を回転しておき，またクランプ 40はアンクランプ状態にしておく。また第 1エアシリンダ 20を伸長させて第 3アーム 33を予備車輪供給コンベア 4と略同じ高さまで下げ，同時に第 2エアシリンダ 35を伸長させて第 3アーム 33を下向きに傾斜させておく。この場合，第 1及び第 2アーム 22, 24を相互に閉じることにより，比較的狭い予備車輪移載ステーション 10でも，第 1及び第 2アーム 22, 24と他物との干渉を回避することができる。

[0043] 支柱 13を前記排出部 4aに近づけたならば，クランプ 40を切欠き 7を通して前記排出部 4a上の予備車輪 Wの取り付け孔 39の直下まで移動させた後，第 2エアシリンダ 35を収縮させて第 3アーム 33を水平にしながらクランプ芯軸 42を上記取り付け孔 39 に嵌合させる。そしてクランプ 40をクランプ状態にして予備車輪 Wを保持する。

[0044] 予備車輪 Wをクランプ 40で保持したならば，第 1又は第 2エアシリンダ 35を僅かに収縮させることで，予備車輪 Wを前記排出部 4aから掬い上げる。

[0045] 次に，作業者 Mは自力でアーム 22, 24, 33群を支柱 13周りに回転して，図 9に示すように，上記予備車輪 Wを予備車輪供給コンベア 4と反対側に回転移動し，次いで図 10に示すように，第 2エアシリンダ 35を伸長させて第 3アーム 33と共に予備車輪 Wを前下がりに所定角度傾斜させる。この傾斜角度は，第 2アーム 24がブラケット 31 のストッパ 36に当接することで常に一定に規制される。この一定角度の傾斜によれば ,クランプ 40に保持された予備車輪 Wの重心 Gが前述のように電動モータ 30の出力軸 30aの軸線 Xの近傍に来て，電動モータ 30の回転負荷を軽減するので，図 11に示すように，電動モータ 30を作動して出力軸 30aによりブラケット 31を 180° 回転すれば，予備車輪 Wを軽快に上下反転させることができる。これによつて電動モータ 30 は，比較的小出力の小型なもので足り，ワーク移載装置 5の軽量ィヒ及び製作コスト低減を図ることができる。し力、も電動モータ 30は，その不作動時，出力軸 30aの回転を自動的に阻止する第 3ブレーキ 34を内蔵しているので，予備車輪 Wの反転後，その姿勢を自動的に固定することができる。

[0046] 図 11のように反転した予備車輪 Wは，先刻とは反対の前上がりの傾斜姿勢をとることになり，この傾斜姿勢は，搬送中の各車体 Bの後部に準備された予備車輪保持皿 Baの後端を開放した受け入れ姿勢に対応する。

[0047] そこで，図 2,及び図 3に示すように，作業者 Mは，第 1及び第 2アーム 22, 24間を開いて，前記予備車輪保持皿 Baの真後ろに予備車輪 Wを移動すベぐ移動床 3上に乗り，そして予備車輪 Wを予備車輪保持皿 Baの真上に移した後，クランプ 40をァンクランプ状態にして，クランプ 40から予備車輪 Wを切り離す。

[0048] こうして予備車輪 Wは，搬送中の車体 Bの予備車輪保持皿 Baに移載されるのであるが，この移載作業中も車体 Bはオーバヘッドコンベア 1により搬送され続けるので，その搬送に伴ない支柱 13は，移動床 3上の作業者 M側から引かれてレール 11, 11 上を移動し，移載作業に支障を来さない。

[0049] 上記作業中，作業者 Mは，必要に応じて第 1及び第 2ブレーキ 15， 25を作動することで，支柱 13,第 1アーム 22及び第 2アーム 24の各間の相対回動を自由に阻止することができる。例えば，移動床 3上で予備車輪 Wを予備車輪保持皿 Baの真後ろに移動させたとき，両ブレーキ 15, 25を作動して，支柱 13，第 1アーム 22及び第 2ァーム 24の三者の相対回動を阻止すれば，予備車輪 Wの左右動がなくなるから，予備車輪 Wの予備車輪保持皿 Ba真上への移行を容易に行うことができる。 [0050] 以下，同様の作業の繰り返しにより，予備車輪供給コンベア 4上の予備車輪 Wを，順次される搬送される車体 Bの予備車輪保持皿 Baに移載することができる。

[0051] このように，一人の作業者が，支柱 13の水平移動，第 1アーム 22の昇降，第 1ァーム 22の支柱 13の軸線周りの回転，第 1及び第 2アーム 22， 24の相対回動，ブラケット 31の回転及び第 3アーム 33の揺動を適宜行うことで，クランプ 40で保持した予備車輪 Wに傾斜や上下反転等の種々の姿勢を与えながら，これを狭い場所においても搬送中の車体 Bの予備車輪保持皿 Baに容易，軽快に移載することができ，作業者 Mの負担を大幅に軽減することができる。

[0052] 本発明は，上記実施例に限定されるものではなぐその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば，本発明は予備車輪 Wの移載に限らず，種々のワークの移載に適用することができる。また電動モータ 30に代えて，出力軸 30aに手動ハンドルを連結し，その手動ハンドルを回転することにより，ワーク Wを反転させることちできる。

Claims

請求の範囲

[1] 支持部に回転可能に支持されるブラケット（31)と，このブラケット（31)を回転させるベく前記支持部に設けられる回転駆動手段（30)と，前記ブラケット（31)に揺動可能に軸支されるワーク支持アーム（33)と，このワーク支持アーム（33)を揺動すべくブラケット (31)に設けられる揺動駆動手段（35)と，前記ワーク支持アーム（33)の先端部に設けられて移載すべきワーク (W)を保持するワーク保持手段 (40)とを備えてなり，前記回転駆動手段（30)の作動時には，前記揺動駆動手段（35)の作動によりワーク (W)を傾斜させて，ワーク (W)の重心（G)が回転駆動手段（30)の回転軸線 (X)上もしくはその近傍に来るようにしたことを特徴とする，ワーク移載装置。

[2] 請求項 1記載のワーク移載装置において，

前記支持部を，支柱（13)と，この支柱（13)に昇降可能に支持されて水平方向に延び，且つ支柱（13)の軸線周りに回転可能な第 1アーム（22)と，この第 1アーム（2 2)の先端部に回動可能に連結されて水平方向に延びる第 2アーム（24)とで構成したことを特徴とする，ワーク移載装置。

[3] 請求項 2記載のワーク移載装置において，

前記第 1アーム（22)の，支柱（13)の軸線周り回転を阻止する第 1ブレーキ（15)と ,前記第 1及び第 2アーム（22, 24)の相対回動を阻止する第 2ブレーキ（25)と，前記ブラケット（31)の回転を阻止する第 3ブレーキ（34)とを備えことを特徴とする，ヮ一ク移載装置。

[4] 請求項 3記載のワーク移載装置において，

前記第 3ブレーキ（34)を前記回転駆動手段（30)に内蔵したことを特徴とする，ヮ一ク移載装置。

[5] 請求項 2〜4の何れかに記載のワーク移載装置において，

前記支柱（13)を水平方向に移動可能に支持するガイド手段（11)を備えることを特徴とする，ワーク移載装置。

[6] 請求項 1〜4の何れかに記載のワーク移載装置において，

前記揺動駆動手段（35)の作動による前記ワーク支持アーム（22)の揺動角度を一定に規制する規制手段（36)を備えることを特徴とする，ワーク移載装置。

[7] 支持部に水平軸線 (X)周りに回転可能に支持されるブラケット（31)に軸支されるヮーク支持アーム（33)の先端部により，移載すべきワーク (W)を保持する第 1ステップと，この第 1ステップ後，ワーク支持アーム（33)を前記水平軸線 (X)周りに回転して前記ワーク (W)を反転させる第 2ステップと，この第 2ステップ後，前記ブラケット（31) を移動して前記ワーク (W)を所定の移載位置に移し，該ワーク (W)の保持を解放する第 3ステップとを含み，前記第 2ステップでは，ワーク支持アーム（33)の前記水平軸線 (X)周りの回転によるワーク (W)の反転前に，ワーク支持アーム（33)を上下方向に揺動して前記ワーク (W)の重心（G)を前記水平軸線 (X)もしくはその近傍に設定することを特徴とする，ワーク移載方法。

[8] 請求項 7記載のワーク移載方法において，

前記第 2ステップでは，ワーク支持アーム（33)の前記水平軸線 (X)周りの回転を人力で行うことを特徴とする，ワーク移載方法。

[9] 請求項 7記載のワーク移載方法において，

前記第 2ステップでは，ワーク支持アーム（33)の前記水平軸線 (X)周りの回転をァクチユエータ（30)の作動により行うことを特徴とする，ワーク移載方法。