JPH07197640A - 天井材張り付け作業車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １台の車両で天井材を天井面まで持ち上げ、
かつ所定取付位置に位置決めすることができ、小回りが
利いて作業現場への搬出入も容易な天井材張り付け作業
車を提供する。 【構成】 作業台４を昇降可能に設けた台車２の両側部
に、左右一対の揚重アーム６，６を垂直方向に一体的に
回動可能に設け、両揚重アーム６，６の先端に天井材搭
載部７を取付け、作業台４に昇降可能に配設した天井材
支持装置５に、天井材吸着機構７を設けると共に、該天
井材支持装置５を水平状態と垂直状態とに起伏可能とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井材を天井面まで持
ち上げ、かつ所定取付位置に位置決めする天井材張り付
け作業車に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の作業車としては、例えば、特開
平３−１９１１７３号公報に示されるように、作業者が
乗る作業台を昇降可能に設け、該作業台に天井材支持装
置を昇降可能に配設した台車と、該台車に牽引される天
井材積載車とから構成されるものや、作業台を備えた台
車と、天井材積載車と、天井材積載車から作業台上の天
井材支持装置に天井材を移動する移載車とで構成される
ものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の構成で
は、複数の車両を必要とするため、作業車の占有する面
積が広くなり、建築作業現場のような狭苦しい場所での
使用は、行動範囲が制限されて非常に使いにくい。ま
た、作業現場への搬出入手段が大掛かりとなって手間と
時間がかかる。

【０００４】そこで本発明は、１台の車両で天井材を天
井面まで持ち上げ、かつ所定取付位置に位置決めするこ
とができ、小回りが利いて作業現場への搬出入も容易な
天井材張り付け作業車を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため本発明は、台車に昇降可能に設けた作業台に、天井
材支持装置を昇降可能に配設した天井材張り付け作業車
において、前記台車の両側部に、左右一対の揚重アーム
を垂直方向に一体的に回動可能に設け、両揚重アームの
先端に天井材搭載部を取付け、前記天井材支持装置に、
天井材吸着機構を設けると共に、該天井材支持装置を水
平状態と垂直状態とに起伏可能としたことを特徴として
いる。

【０００６】

【作 用】上記構成によれば、天井材搭載部に天井材を
搭載して所定の取付位置下方へ移動し、両揚重アームを
回動して天井材を作業台上部側方へ揚重し、水平状態に
倒した天井材支持装置の天井材吸着機構によって天井材
を吸着し、天井材支持装置を垂直状態に起こして天井材
を仰向け水平状態に支持し、作業台を上昇して天井材の
取付位置直下へ天井材を位置させ、さらに天井材支持装
置を上昇して天井材を取付位置に位置決めする。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
さらに詳細に説明する。

【０００８】天井材張り付け作業車１は、前後方向、横
方向、斜め方向への走行が可能で、かつその場でのスピ
ンターンもできる自走式の台車２の上部に、シリンダ
（図示せず）にて開閉するシザースリンク３を介して作
業台４を昇降可能に設け、該作業台４上に天井材支持装
置５を昇降可能に設けると共に、両側部に、左右一対の
揚重アーム６，６を垂直方向に一体的に回動可能に設
け、両揚重アーム６，６の先端に天井材搭載部７を取付
けている。

【０００９】天井材搭載部７は、両揚重アーム６，６の
先端にそれぞれ回動可能に設けられるフォーク８，８間
に梯子状の横桟９を掛け渡して構成され、天井材１０を
やや傾斜して立て掛けた状態で搭載する。また、荷受け
部分にはゴム板１１を敷いて天井材１０を保護するよう
にしている。

【００１０】天井材搭載部７は、両揚重アーム６，６の
回動により上昇し、床面にて搭載した天井材１０をその
姿勢を維持したまま最下部まで下降した作業台４の上部
側方へ揚重する。このため、揚重アーム６，６は、アー
ム回動支軸とフォーク回動支軸にそれぞれ同径のスプロ
ケットを設け、両スプロケット間にローラチェーンを掛
け渡している。

【００１１】また、横桟９は、両揚重アーム６，６同士
の昇降アンバランスが生じても拘束されることなく自由
に追従できるように、上部部材９ａをフォーク８，８に
引っ掛け、下部部材９ｂを固定せずにしている。

【００１２】天井材支持装置５は、作業台４上に立設さ
れたガイド枠１２に沿って昇降するガイドレール１３に
車体前後方向に移動可能に設けられるベースフレーム１
４と、該ベースフレーム１４に水平状態と垂直状態とに
起伏可能に設けられる平行リンク機構１５と、該平行リ
ンク機構１５を起伏するシリンダ１６と、平行リンク機
構１５の先端に設けられる天井材吸着機構１７とから構
成されている。

【００１３】平行リンク機構１５は、２本のリンク１５
ａ，１５ｂと、両リンク１５ａ，１５ｂの先端をそれぞ
れ回動可能に連結した逆三角形状のブラケット１５ｃと
からなり、該ブラケット１５ｃに天井材吸着機構１７が
回動支軸１８にて略９０度回動可能に設けられている。

【００１４】天井材吸着機構１７は、天井材１０を吸着
する４個の吸着パット１９と、回動するためのハンドル
２０を有し、ハンドル２０を押し下げ・押し上げによ
り、平行リンク機構１５が起立した状態で、各吸着パッ
ト１９が上を向く仰向け水平状態と、各吸着パット１９
が横を向く横向き状態とに略９０度回動し、仰向け水平
状態以上への回動はストッパ２１により規制されてい
る。

【００１５】また、天井材吸着機構１７は、回動支軸１
８の一側に一方向クラッチと可変式トルクリミッタを内
装し、仰向け水平状態から横向き状態方向への回動に
は、天井材吸着機構１７と天井材１０の重量分を多少上
回る程度のブレーキを利かし、横向き状態から仰向け水
平状態方向へは全くフリーになるようにしている。

【００１６】このように構成することにより、平行リン
ク機構１５を水平状態に倒して、天井材吸着機構１７の
吸着パット１９にて天井材搭載部７にやや傾斜して立て
掛けた状態で搭載された天井材１０を吸着し、平行リン
ク機構１５を垂直状態方向へ起こすと、天井材１０は、
吸着された状態のまま平行移動し、平行リンク機構１５
が垂直状態になると、平行リンク機構１５と略平行な状
態となる。

【００１７】そして、天井材１０を仰向け水平状態にす
るために、ハンドル２０を押し下げ天井材吸着機構１７
を回動すると、天井材１０は、天井材搭載部７に搭載さ
れた残りの天井材１０から充分離れているので、天井材
吸着機構１７を容易に回動するすることができる。

【００１８】また、天井材吸着機構１７は、仰向け水平
状態方向への回動以外は、ハンドル２０に天井材吸着機
構１７と天井材１０の重量が直接伝わらないので、楽に
操作でき、かつ回動途中でハンドル２０を離してもその
ままの姿勢角度が維持できて安全である。

【００１９】吸着パット１９は、折り畳み可能に２分割
された吸着パット取付枠体２２ａ，２２ｂにそれぞれ２
個づつ設けられ、作業台４上に載置されたポンプユニッ
ト２３によって内部を負圧状態にして天井材１０を吸着
する。

【００２０】吸着パット取付枠体２２ａ，２２ｂには、
各吸着パット１９に隣接してバネ式押上具２４がそれぞ
れ設けられ、天井材１０の仰向け水平時に、吸着パット
１９の負圧状態が解除されると、バネ式押上具２４が天
井材１０を押上て天井材１０下面から吸着パット１９を
離し天井材１０を支持する。

【００２１】したがって、天井材１０を取付位置に位置
合わせするために水平移動しても、天井材１０下面の損
傷を防止できる。

【００２２】また、吸着パット取付枠体２２ａ，２２ｂ
は、天井材搭載部７に搭載された天井材１０が多少乱雑
に立て掛けた状態であっても、天井材１０に各吸着パッ
ト１９が密着するように、スプリング２５，２５によっ
て左右に傾動可能に支持されしている。

【００２３】さらに、吸着パット取付枠体２２ａ，２２
ｂは、天井材張り付け作業車１の搬送時や保管時に折り
畳むことによってコンパクトな格納状態にできる。

【００２４】このように構成された天井材張り付け作業
車１による作業は、床面まで下げた天井材搭載部７に天
井材１０をやや傾斜して立て掛けた状態で搭載し、台車
２を走行させて所定の取付位置下方へ移動し、両揚重ア
ーム６，６を回動して天井材搭載部７を上昇させ、最下
部まで下降した作業台４の上部側方へ天井材１０を揚重
する。

【００２５】次に、天井材支持装置５の平行リンク機構
１５を倒して、平行リンク機構１５を水平状態にし、吸
着パット１９を天井材搭載部７に搭載した天井材１０方
向へ向けてから、天井材支持装置５を前進させて吸着パ
ット１９によって天井材１０を吸着する。この際に、天
井材搭載部７に搭載された天井材１０が比較的薄くて脆
いものであっても、天井材１０の背当て部に横桟９を掛
け渡しているので、天井材１０が曲がって破損すること
がない。

【００２６】そして、平行リンク機構１５を起立して天
井材支持装置５を垂直状態に起こし、続いてハンドル２
０をストッパ２１に当接するまで押し下げて天井材吸着
機構１７を回動して天井材１０を仰向け水平状態に支持
し、作業台４を上昇して天井材１０の取付位置直下へ天
井材１０を概略位置させ、さらに天井材支持装置５を上
昇して天井材１０を取付位置に微調整位置決めする。

【００２７】この状態で吸着パット１９の負圧状態を解
除すると、バネ式押上具２４によって天井材１０が支持
され、天井材１０下面から吸着パット１９が離れるの
で、天井材１０を手動にて水平移動して微妙な位置合わ
せを行い、天井材１０をビス等で取付位置に固定する。

【００２８】このようにして、天井材張り付け作業車１
は、１台の車両で天井材１０を天井面まで持ち上げ、か
つ所定取付位置に位置決めすることができ、小回りが利
いて作業現場への搬出入も容易である。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、作業台を
昇降可能に設けた台車の両側部に、左右一対の揚重アー
ムを垂直方向に一体的に回動可能に設け、両揚重アーム
の先端に天井材搭載部を取付け、作業台に昇降可能に配
設した天井材支持装置に、天井材吸着機構を設けると共
に、該天井材支持装置を水平状態と垂直状態とに起伏可
能としたので、天井材搭載部に天井材を搭載して所定の
取付位置下方へ移動し、両揚重アームを回動して天井材
を作業台上部側方へ揚重し、水平状態に倒した天井材支
持装置の天井材吸着機構によって天井材を吸着し、天井
材支持装置を垂直状態に起こしてから天井材を仰向け水
平状態に支持し、作業台を上昇して天井材の取付位置直
下へ天井材を位置させ、さらに天井材支持装置を上昇し
て天井材を取付位置に位置決めする。

【００３０】したがって、１台の車両で天井材を天井面
まで持ち上げ、かつ所定取付位置に位置決めすることが
でき、小回りが利いて作業現場への搬出入も容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す天井材張り付け作業
車の側面図である。

【図２】 天井材搭載部の側面図である。

【図３】 天井材搭載部の正面図である。

【図４】 天井材支持装置の倒した状態の平面図であ
る。

【図５】 天井材支持装置の倒した状態の側面図であ
る。

【図６】 天井材吸着機構の平面図である。

【図７】 天井材吸着機構の側面図である。

【符号の説明】

１…天井材張り付け作業車、２…台車、４…作業台、５
…天井材支持装置、６…揚重アーム、７…天井材吸着機
構、１０…天井材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台車に昇降可能に設けた作業台に、天井
   材支持装置を昇降可能に配設した天井材張り付け作業車
   において、前記台車の両側部に、左右一対の揚重アーム
   を垂直方向に一体的に回動可能に設け、両揚重アームの
   先端に天井材搭載部を取付け、前記天井材支持装置に、
   天井材吸着機構を設けると共に、該天井材支持装置を水
   平状態と垂直状態とに起伏可能としたことを特徴とする
   天井材張り付け作業車。