明 細 書
消臭剤
技術分野
[0001] 本発明は、アルデヒド系ガスに対する消臭剤および当該消臭剤を含有する種々の 悪臭に対して優れた消臭性能を有する消臭剤組成物に関する。更に、この消臭剤ま たは消臭剤組成物を含有させることにより優れた消臭性能を発揮させることができる 各種繊維、塗料、シート、および成形品などの消臭製品に関する。
背景技術
[0002] 近年、消費者の特に煙草臭などを対象とした消臭に対するニーズが急速に高まつ ている。ァセトアルデヒドは、この煙草臭の主要成分である。また、シックハウス zシッ クビル症候群などに見られるように、ホルムアルデヒドによる健康障害も注目をされて いる。これらアルデヒド系ガスの除去剤として、アミンィ匕合物力もなるアルデヒド除去剤 が主に検討されている。
アミンィ匕合物はアルデヒド系ガスと親和性が高ぐアルデヒド系ガスを含有する排ガ スをァミンィ匕合物が溶解した液と接触させることにより、排ガス中のアルデヒド系ガスを 除去できることが知られている(例えば、特許文献 1参照)。しかし、液状のァミン化合 物は、強い不快臭を放っため生活空間、例えば居間や台所を始めとする日常生活 に応用するには不適であった。
[0003] また、ァミン化合物を無機物に担持させたガス吸収剤が知られている。このガス吸 収剤は、榭脂、抄紙、およびフィルムへ添加する際の加熱処理に耐えうる特徴を有し ている。
例えば、活性炭にアンモニゥム塩ゃァニリンなどを担持させたり(例えば、特許文献 2参照、特許文献 3参照)、ケィ酸マグネシウム質粘土鉱物に分子内に第 1級ァミノ基 を有する化合物を担持させたり(例えば、特許文献 4参照)、層状燐酸塩 ( a燐酸ジ ルコ-ゥム)の層間にポリアミンィ匕合物を担持させたガス吸収剤が知られている(例え ば、非特許文献 1参照)。
[0004] また、水に対する溶解度性が 25°Cで 5gZリットル以下であるヒドラジン誘導体 (例え
ば、特許文献 5参照)や、ケィ酸マグネシウム粘土鉱物と分子内に第 1級アミノ基を有 する化合物カゝらなる消臭剤 (例えば、特許文献 6参照)、合成樹脂中にヒドラジド化合 物を含む組成物(例えば、特許文献 7参照)がアルデヒド系ガス消臭剤として知られ ている。しかし、これらのガス吸収剤は、アルデヒド系ガスに対する吸収能が実用的 水準にないばかりか、繊維や塗料に添加することによって、更にアルデヒド吸着能力 が低下してしまう。
[0005] また、シリカの表面にアミノ基を含有する有機ケィ素化合物を担持させることにより ァセトアルデヒドの消臭性能を発現させたものが知られている(例えば、特許文献 8参 照)。この材料についても、塩基性ガスや硫黄系ガスに効果の高い消臭剤を併用す ると本来発揮されるはずの消臭性能が十分に発揮されないことが明らかになった。
[0006] また、空気清浄用に用いられるフィルターにアルデヒド類除去用の薬剤を活性炭な どの担持体に担持したもので形成するものが示されて ヽて、このアルデヒド類除去用 の薬剤として硝酸グァ-ジン、硫酸アミノグァ二ジンが例示されている(例えば、特許 文献 9参照)。
[0007] 〇先行文献
特許文献 1 特開昭 51 —44587号公報
特許文献 2 特開昭 53 — 29292号公報
特許文献 3 特開昭 56 — 53744号公報
特許文献 4特開平 9 28778号公報
特許文献 5 特開平 8— 280781号公報
特許文献 6 特開平 9 28778号公報
特許文献 7 特開平 10 — 36681号公報
特許文献 8 特開平 9 173830号公報
特許文献 9 特開平 10 — 235129号公報
非特許文献 1 :津波古ら, PHARM. TECH. JAPAN, 1996年, 12卷, 12号, p. 7 7-87
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は、ァセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド系ガスに対する消 臭性能が優れた消臭剤およびこの消臭剤を含有した消臭剤組成物を提供することで あり、消臭剤または消臭剤組成物を含有する繊維、塗料、シート、成形品などの消臭 製品においても優れた消臭性能を発揮するものを提供することを課題とするものであ る。
課題を解決するための手段
[0009] 上記の問題を解決するため本発明者が鋭意検討した結果、モノアミノグァ二ジン塩 、ジァミノグァ-ジン塩、およびトリアミノグァ二ジン塩からなる群から選ばれる少なくと も 1種以上のものを含有するアルデヒド系ガス消臭剤がァセトアルデヒドおよびホルム アルデヒドなどのアルデヒド系ガスに対する吸着性能に優れることを見出し本発明を 完成させた。またモノアミノグァ二ジン塩、ジァミノグァ-ジン塩、およびトリアミノグァ 二ジン塩力もなる群力も選ばれる少なくとも 1種以上のものを担持体に担持させたァ ルデヒド系ガス消臭剤担持体力 ァセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド 系ガスに対する消臭性能に優れ、且つ当該消臭剤担持体が耐水性も優れることを見 いだし本発明を完成させた。更に、硫黄系ガス消臭剤、塩基性ガス消臭剤および有 機酸性ガス消臭剤力 選ばれる少なくとも 1種以上の物質と、上記記載のアルデヒド 系ガス消臭剤および Zまたは上記記載のアルデヒド系ガス消臭剤担持体と、を含有 する消臭剤組成物を提供することである。また、本発明の消臭剤、消臭剤担持体また は消臭剤組成物を含有した繊維、塗料、シート、成形品などの消臭製品も消臭性能 に優れることを見いだした。
本発明を下記に例示する。
(1)モノアミノグァ二ジン塩、ジァミノグァ-ジン塩およびトリアミノグァ二ジン塩からな る群力 選ばれる少なくとも 1種以上のものを含有するアルデヒド系ガス消臭剤である
(2)上記 1記載のアルデヒド系ガス消臭剤を担持体に担持したアルデヒド系ガス消臭 剤担持体である。
(3)硫黄系ガス消臭剤、塩基性ガス消臭剤および有機酸性ガス消臭剤カゝら選ばれる 少なくとも 1種以上の物質と、上記 1に記載のアルデヒド系ガス消臭剤および Zまたは
上記 2に記載のアルデヒド系ガス消臭剤担持体とを含有する消臭剤組成物である。
(4)上記 1に記載のアルデヒド系ガス消臭剤および Zまたは上記 2に記載のアルデヒ ド系ガス消臭剤担持体を含有する消臭製品である。
(5)上記 3記載の消臭剤組成物を含有する消臭製品である。
発明の効果
[ooio] 本発明のアルデヒド系ガス消臭剤および Zまたはアルデヒド系ガス消臭剤担持体 は、アルデヒド系ガスに対する消臭性能に優れることから、室内など力 効率的にァ ルデヒド系ガスを除去することができる。また、本発明の消臭剤組成物は、優れた硫 黄系ガス、塩基性ガスまたは有機酸性ガスの消臭性能などを保ちつつ、アルデヒド系 ガスの消臭性能を十分発揮することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0011] 以下本発明を詳細に説明する。
[0012] 〇アミノグァ二ジン塩
本発明において用いるモノアミノグァ二ジン塩、ジァミノグァ-ジン塩、およびトリアミ ノグァ-ジン塩は総称してアミノグァ二ジン塩と称する。
モノアミノグァ二ジン塩の具体 ί列としてはアミノグァ二ジン硫酸塩、アミノグァ二ジン 塩酸塩、およびアミノグァ二ジン重炭酸塩などがあり、また、ジアミノグアン-ジン塩と してはジアミノグアン-ジン塩酸塩、およびジァミノグァ-ジン硫酸塩などがあり、また 、トリアミノグァ二ジン塩としてトリアミノグァ二ジン塩酸塩などがある。これらは単独ま たは混合していずれも用いることができる。なお、アミノグァ二ジン塩酸塩、アミノグァ 二ジン硫酸塩、ジアミノグアン二ジン塩酸塩、またはトリアミノグァ二ジン塩酸塩が耐水 性が高!、ため好ましぐより好ましくはジァミノグァ-ジン塩酸塩またはトリアミノグァ二 ジン塩酸塩である。また、アミノグァ二ジン塩酸塩、アミノグァ二ジン硫酸塩、ジァミノ グアン-ジン塩酸塩、またはトリアミノグァ二ジン塩酸塩が担持体に担持した時の耐 水性が高いため好ましぐより好ましくはジァミノグァ-ジン塩酸塩、またはトリアミノグ ァ-ジン塩酸塩である。なお、化合物の安全性を考慮した場合にはァミノグァ-ジン 塩酸塩またはアミノグァ二ジン硫酸塩が好ましい。また、アミノグァ二ジン塩とケィ酸マ グネシゥム質粘土とを混合して用いることにより消臭性を向上させることができる。
[0013] 〇担持体
本発明にお ヽてァミノグァ-ジン塩を担持する担持体は耐水性を向上できるもので あれば制限はない。具体的な担持体には、ケィ酸塩ィ匕合物、 4価金属リン酸塩化合 物、ゼォライト、シリカゲル、および活性炭などを例示することができ、ケィ酸塩化合物 、 4価金属リン酸塩化合物、ゼォライト、およびシリカゲルが好ましぐ特にケィ酸塩ィ匕 合物、 4価金属リン酸塩ィ匕合物またはゼォライトが高 、耐水性が得られるため好まし い。
[0014] 〇ケィ酸塩化合物
本発明にお ヽてァミノグァ-ジン塩を担持するケィ酸塩ィ匕合物としては、耐水性の 向上が可能な化合物であれば特に限定はない。具体的には、ケィ酸アルミニウムま たはケィ酸マグネシウムが好ましぐ非晶質ケィ酸アルミニウムまたは非晶質ケィ酸マ グネシゥムが耐水性の向上の点からより好ましい。また、これらは天然物あるいは合 成物であっても良い。例えば合成のケィ酸アルミニウムは下記式(1)で表されるもの である。
Al O -nSiO ·πιΗ Ο (1)
2 3 2 2
但し、式(1)において、 ηは 6以上の正数であり、より好ましくは ηが 6〜50で且つ m が 1〜20の正数であり、特に好ましくは nが 8〜 15で mが 3〜 15である。
またケィ酸マグネシウムは下記式(2)で表されるものである。
MgO -nSiO ·πιΗ Ο (2)
2 2
但し、式(2)において、 ηは 1以上の正数であり、より好ましくは ηが 1〜20で且つ m が 0. 1〜20の正数であり、更に好ましくは nが 1〜15で mが 0. 3〜10であり、特に好 ましくは nが 3〜 15で mが 1〜8である。
[0015] 合成品のケィ酸塩化合物は、例えば以下のような手段によって合成することができ る。アルミニウム塩またはマグネシウム塩の水溶液とケィ酸アルカリ金属塩の水溶液と を混合し、室温、大気圧条件下に必要に応じて酸もしくはアルカリを加えて、 pH約 3 〜約 7の条件に維持して共沈せしめ、これを、例えば約 40°C〜約 100°C程度におい て熟成し、もしくは熟成せずに共沈物を水洗、脱水、乾燥することにより合成すること ができる。
[0016] ケィ酸アルミニウムの合成におけるアルミニウムの水溶性塩とケィ酸アルカリ金属塩 との使用量は、 SiO /Al Oのモル比が 6以上、例えば 6〜50の範囲、より好ましく
2 2 3
は 8〜 15の範囲となるように選択することができる。
ケィ酸マグネシウムの合成におけるマグネシウムの水溶性塩とケィ酸アルカリ金属 塩との使用量は、 SiO /MgOのモル比が 1以上、例えば 1〜20の範囲、より好ましく
2
は 1〜15の範囲となるように選択することができる。
また、他の合成手段としては、例えば、シリカゾルに、アルミニウム塩またはマグネシ ゥム塩の水溶液を加え、更に、酸またはアルカリにより、系の pHを約 3〜7に維持して 、十分に均一に混合し、更に、例えば約 40°C〜約 100°C程度に加温して、熟成しま たは熟成しないで、その後、水洗、脱水、乾燥することにより、形成することができる。 この際、シリカゾルとアルミニウムまたはマグネシウムの水溶性塩の使用量は、上記 Si O /Al O、 SiO ZMgOと同じように選択することができる。いままでの説明は、非
2 2 3 2
晶質ケィ酸アルミニウムおよび非晶質ケィ酸マグネシウムを各々単独で合成する例 のものであるが、アルミニウムまたはマグネシウムの水溶性塩の混合水溶液から両金 属を含有したィ匕合物を合成することもできる。
上記水溶性塩としては、例えば硫酸塩、硝酸塩、塩化塩、沃化塩、臭化塩のごとき 水溶性塩を例示することができる。
更に、上記合成で用いるアルカリまたは酸の例としては、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕 カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア水などのアルカリ類、塩酸、硫酸、 硝酸などの酸類を例示することができる。
[0017] 〇4価金属リン酸塩化合物
本発明における 4価金属リン酸塩ィ匕合物としては、水に対して不溶性または難溶性 の 4価金属リン酸塩化合物であり、好ましい具体例として、リン酸ジルコニウム、リン酸 チタン、リン酸スズなどがある。これらの化合物には、 α型結晶、 j8型結晶、 γ型結晶 、ナシコン型結晶など、種々の結晶系を有する結晶質のものと非晶質のものがあるが 、いずれも使用できる。なかでも、 α型結晶質ィ匕合物は耐水性を向上できる度合い が高ぐ且つアンモニア消臭性も有して!/、るため好ま 、。
[0018] 〇ゼォライト
本発明におけるゼォライトは天然物あるいは合成物であっても良 、。ゼォライトの構 造は多様であるが公知のものは 、ずれのものも使用できる。この構造として例えば、
A型、 X型、 Y型、 α型、 |8型、 ZSM— 5等がある。
[0019] 〇シリカゲル
シリカゲルは製造方法により表面積および Ζまたは細孔径を調整たし様々な特徴 を有するものがある力 公知のものはいずれも使用できる。この製造例としては水ガラ スに硫酸を添加し得られたゲルを水洗し、乾燥後粉砕することで得られる。
[0020] 〇活性炭
木材、褐炭、泥炭などを塩化亜鉛、燐酸などの活性化剤で処理して乾留したものや 、木炭などを水蒸気で活性ィ匕したものがあるが、公知のものはいずれも使用できる。 この具体例としてはやしの実の殻から作られるやし殻活性炭がある。
[0021] 〇消臭剤担持体の製造方法
本発明の消臭剤担持体の製造法について例示する。
担持体を攪拌しながらアミノグァ二ジン塩の溶液を滴下ある 、は噴霧した後、 60〜 120°Cで、好ましくは 80〜110°Cで乾燥して本発明の消臭剤担持体を得ることがで きる。更に耐水性を向上させるために、この乾燥後に 140〜240°Cに加熱、好ましく は 160°C〜220°Cに加熱して製造する方法が例示できる。このアミノグァ二ジン溶液 は、水溶液でもアルコールやメタノールなどの有機溶媒を用いてもよいが、好ましくは 水溶液である。
また、担持体とアミノグァ二ジン塩とをヘンシェルミキサーなどで均一に混合した後、 アミノグァ二ジン塩の分解温度以下の温度で加熱して製造する方法が例示できる。 具体的な加熱温度は溶液を滴下ある 、は噴霧した後に加熱する場合と同じである。 さらに、アミノグァ二ジン塩の担持体として有効な化合物をフィルター、繊維または 紙など力も構成される消臭製品に予め付着力卩ェなどをしたものに、アミノグァ二ジン 塩の溶液を滴下あるいは噴霧などして処理することも可能である。
アミノグアン-ジン塩の各種担持体への担持量は担持体 100質量部に対し 0. 1〜 80質量部であり、好ましくは 3〜50質量部であり、更に好ましくは 10〜30質量部で ある。アミノグァ二ジン塩の担持量が 0. 1質量部より少ないと十分な消臭効果が得ら
れず、また担持量が 80質量部より多いと担持体に十分に担持されないため、水など で洗浄した際に有効成分が溶出し、添加量に応じた消臭効果が期待できないば力り か、アルデヒド系ガス消臭剤以外の消臭剤と混合した際、混合した消臭剤の消臭効 果を低下させることがあるため好ましくな 、。
[0022] 〇他の消臭剤との混合
本発明の消臭剤および消臭剤担持体は、アルデヒド系ガスに対して有効であり、ァ ルデヒド系ガスとしては、例えばァセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、ノネナールなど 力 Sある。実際の使用方法としては、アルデヒド系ガス単独を対照とする場合は少なぐ アルデヒド系ガス以外の悪臭を消臭可能な消臭剤と混合 (消臭剤組成物)したり、併 用することがある。また、消臭剤組成物にケィ酸マグネシウム質粘土を混合して用い ることにより消臭性を向上させることができる。
[0023] 具体的例としては、アンモニア、トリメチルァミンなどの塩基性ガスを消臭するための 塩基性ガス消臭剤と本発明の消臭剤および Zまたは消臭剤担持体とを混合して用 いることができる。例えば、塩基性ガス消臭剤として水に対して不溶性または難溶性 の 4価金属リン酸塩ィ匕合物を用いて、本発明の消臭剤および Zまたは消臭剤担持体 と混合することにより消臭剤組成物とすることができる。当該 4価金属リン酸塩化合物 の好ましい具体例として、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸スズなどがある。こ れらの化合物には、 α型結晶、 j8型結晶、 γ型結晶、ナシコン型結晶など、種々の 結晶系を有する結晶質のものと非晶質のものがあるが、ガス吸着性を有するものは、 いずれも本発明の消臭剤および Ζまたは消臭剤担持体と混合することができる。
[0024] また、硫化水素、メチルメルカブタンなどの硫黄系ガスを消臭するための硫黄性ガ ス消臭剤と本発明の消臭剤および Ζまたは消臭剤担持体とを混合して用いることが できる。例えば、銅、亜鉛、マンガン力も選ばれる少なくとも 1種以上の金属イオンを 担持した 4価金属リン酸塩化合物、酸化亜鉛、またはケィ酸亜鉛と本発明の消臭剤 および Ζまたは消臭剤担持体とを混合することにより消臭剤糸且成物とすることができ る。当該 4価金属リン酸塩ィ匕合物に担持する金属イオンの中でも特に銅イオンが硫 化水素などの消臭効果が高 、ことから好ま 、。
[0025] 4価金属リン酸塩化合物に金属イオンを担持させるには、 4価金属リン酸塩化合物
を、金属イオンの塩溶液に接触させ、イオン交換などにより担持させればよい。
金属イオンの担持量は、 4価金属リン酸塩ィ匕合物のイオン交換容量内であれば、 1 00%まで所望により自由に調整することができる。
また、酸化亜鉛、ケィ酸銅およびケィ酸亜鉛については比表面積の大きいものが消 臭性能が高く好ましい。
[0026] 酢酸、イソ吉草酸、酪酸などの悪臭を消臭するための有機酸性ガス消臭剤と本発 明の消臭剤および Zまたは消臭剤担持体とを混合して用いることができる。例えば、 水和酸化ジルコニウム、水和酸化チタン、ハイド口タルサイト、またはハイド口タルサイ ト焼成物とを本発明の消臭剤および Zまたは消臭剤担持体と混合することにより消臭 剤組成物とすることができる。
水和酸化ジルコニウムは、ォキシ塩化ジルコニウム水溶液などのジルコニウム含有 溶液を、水やアルカリ溶液で加水分解することにより作製することができる。なお、水 和酸化ジルコニウムは、ォキシ水酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、含水酸ィ匕 ジルコニウム、酸化ジルコニウム水和物など、いろいろな言い方がなされる場合があ る力 水和酸化ジルコニウムと同じである。
[0027] ケィ酸マグネシウム質粘土は、ケィ酸マグネシウムを主成分とする粘土鉱物で、孔 径約 lnm細孔を有することからガス吸着性能を有する。ケィ酸マグネシウム質粘土を 添加した本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物は、塩基性悪臭ガス 、酸性悪臭ガス、含硫黄悪臭ガス、アルデヒドガスに対する消臭性能を更に向上させ ることができる。このことから、本発明においては、消臭剤、消臭剤担持体または消臭 剤組成物にケィ酸マグネシウム質粘土を添加することが好ましい。特に、ケィ酸マグ ネシゥム質粘土を添加することによりタバコ臭の主成分の一つであるピリジン、ニコチ ンなどに対する消臭性能が向上する。
本発明に用いるケィ酸マグネシウム質粘土の具体例として、セピオライト、シロタイ ル、ラフリナイト、およびァタパルジャイト等が挙げられる。
本発明の消臭剤 100質量部に対して、ケィ酸マグネシウム質粘土を 0. 2〜20質量 部配合することが好ましぐ更に 0. 5〜: LO質量部配合することが好ましい。ケィ酸マ グネシゥム質粘土が 0. 2質量部より少ないと、消臭性能の向上が期待できないことが
あり、 20質量部より多く配合しても消臭性能の向上ができないことがある力または他 の悪臭ガスに対する消臭性能が悪くなることがある。消臭剤担持体および消臭剤組 成物に対するケィ酸マグネシウム質粘土の配合量は、上記記載と同様である。
[0028] 上述した本発明における消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物は、 V、ずれも 通常粉体状で得られ、好ましい平均粒径は 0. 01〜50 /ζ πιであり、より好ましくは 0. 02-20 μ mである。平均粒径が 0. 01 μ m未満では取扱いが困難である、再凝集し やすいといった問題があり好ましくない。また、 50 /z mより大きいと、バインダーなどの 表面処理剤に分散させ繊維などに後加工する場合に表面処理剤中で均一に分散さ せにくかったり、成形用榭脂へ添加する場合、成形機のフィルターが目詰まりをおこ したり、分散不良がおこったりするなどの問題があり好ましくない。
また、使用目的により本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物を粒状 化してもよい。この場合、消臭剤を 1成分ごとに粒状化しても、あるいは、消臭剤組成 物を粒状化しても構わな!/ヽ。粒状体の製造方法は通常粉体を粒状化する方法は ヽ ずれも用いることができる。例えば、アルミナゾル、粘土などをバインダーとして用い、 粒状体とする方法がある。粒径は粒状体の硬さや、密度、粉砕強度のなどにより様々 に調整することができる力 取り扱いのし易さ力 0. l〜3mmとすることが好ましい。
[0029] 本発明は、モノアミノグァ二ジン塩、ジァミノグァ-ジン塩およびトリアミノグァ二ジン 塩力 なる群力 選ばれる少なくとも 1種以上のものを含有するアルデヒド系ガス消臭 剤、および Zまたはモノアミノグァ二ジン塩、ジァミノグァ-ジン塩およびトリアミノグァ 二ジン塩力もなる群力 選ばれる少なくとも 1種以上のものを担持したアルデヒド系ガ ス消臭剤と; 4価金属リン酸塩化合物、ケィ酸亜鉛、銅、亜鉛およびマンガンカゝら選ば れる少なくとも 1種以上の金属イオンを担持した 4価金属リン酸塩化合物、水和酸ィ匕 ジルコニウム、水和酸化チタン、酸化亜鉛、ハイド口タルサイト、並びにハイド口タルサ イト焼成物など力 選ばれる少なくとも 1種以上の物質と、を混合した消臭剤組成物 である。これらの混合割合は特に制限はなぐ消臭剤組成物を使用する環境により適 宜変ィ匕させることができる。
[0030] 〇耐水性
本発明の消臭剤は、耐水性が高いことが特長である。耐水性とは消臭剤を少なくと
も 1度は水と接触後、消臭性能の低下が少ないことを意味する。例えば、消臭剤を 1 回水に浸漬処理した後、ァセトアルデヒドガスに対する消臭性能を測定した場合、浸 漬処理前の消臭性と比較して低下率で 50%以下であることが目安となる。さらに具 体的に試験条件を説明すれば、室温において 100mlの精製水に lgの消臭剤を入 れてよく撹拌した懸濁液をろ過した後、更に 1000mlの精製水で洗浄し、 110°Cで乾 燥させる。この水洗を行った消臭剤にっ 、てァセトアルデヒドガスの消臭活性を測定 することで確認できる。
[0031] 〇用途
本発明の消臭剤および消臭剤担持体は、ァセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、ノネ ナールなどのアルデヒド系ガスに対して消臭効果を有する。また、本発明の消臭剤お よび Zまたは消臭剤担持体に他の消臭剤とを混合した消臭剤組成物は、アルデヒド 系ガスの消臭以外にアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタンなどの種々の悪臭に 対する消臭効果に優れている。このことから、本発明の消臭剤または消臭剤組成物 は、活性炭など、従来の消臭剤が使用されている種々の分野、例えば、タバコ臭消 臭、生活臭消臭、体臭消臭、糞尿臭消臭、ゴミ臭消臭などの分野で有効である。 また、本発明の消臭剤および Zまたは消臭剤担持体は、基材自身力もアルデヒドを 発生する材料、例えば、合板、集成材、フローリング材、パーティクルボード、断熱材 、フロアーカーペット、消音パット、クッション材、カーシート、ヘッドレスト、アームレスト 、トァトリム、成形天井、サンバイザー、リアパッケージトレイ、インストルメントパネル、 ダッシュインシュレーサーなどに使用することにより、基材自身から揮発アルデヒドを 低減することが可能である。更に、消臭剤組成物においてもこれら用途に使用するこ とがでさる。
[0032] 本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物は、粉末、顆粒、または粒状 のものを消臭製品として使用することができる。例えば消臭剤、消臭剤担持体または 消臭剤組成物の粉末、顆粒、または粒状品は、カートリッジに詰めて消臭製品とする ことが可能である。また、本発明の消臭剤の水溶液、消臭剤粉末、消臭剤担持体ま たは消臭剤組成物の粉末を分散させた液を用いたスプレー状の消臭剤とすることも 可能である。その他に、本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物を各種
製品に含有または塗添させて各種消臭性加工品とすることも可能である。
[0033] 本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物を含有する消臭製品は、消 臭性繊維、消臭性塗料、消臭性シートおよび消臭性榭脂成形品などが例示できる。 本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物を含有する消臭繊維は、消 臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭繊維は、衣類、 肌着、ストッキング、靴下、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、 ソファー、カバー、シート、カーシート、エアーフィルターを始めとして、多くの繊維製 品に使用できる。又、本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物を含有 する消臭塗料は、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該 消臭塗料は、建物の内壁、外壁、鉄道車両の内壁などで使用できる。又、本発明の 消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物を含有する消臭性シートは、消臭性を 必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性シートは、医療用包 装紙、食品用包装紙、鮮度保持紙、紙製衣料、空気清浄フィルター、壁紙、ティッシ ュペーパー、トイレットペーパー、不織布、紙、フィルター、フィルムなどで使用できる
。また、本発明の消臭剤、消臭剤担持体または消臭剤組成物を含有する消臭性成 形品は、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性成 形品は、空気清浄器、冷蔵庫などの家電製品や、ゴミ箱、水切りなどの一般家庭用 品、ポータブルトイレなどの各種介護用品、日常品などで使用できる。
[0034] <実施例 >
以下、本発明を更に具体的に説明する力 これに限定されるものではない。なお、 %は質量%である。
消臭剤、消臭剤担持体および消臭剤組成物の試料調製方法と得られたサンプル の各種評価試験方法およびその結果は以下の通りである。
[0035] 〇ケィ酸アルミニウム
実施例で用いたケィ酸アルミニウムは、この合成時の SiO: Al Oのモル比が 9 : 1
2 2 3
のものである。
実施例 1
[0036] 100質量部のケィ酸アルミニウムを撹拌し、これに 25質量部の 20%アミノグァ-ジ
ン塩酸塩水溶液を室温で添加した。添加後、均一になるまで撹拌した。その後、 100 °Cで 30分間乾燥後、 180°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 Aを得た。
実施例 2
[0037] 100質量部のケィ酸アルミニウムを撹拌し、これに 25質量部の 20%アミノグァ-ジ ン硫酸塩水溶液を室温で添加した。添加後、均一になるまで撹拌した。その後、 100 °Cで 30分間乾燥後、 210°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 Bを得た。
実施例 3
[0038] 100質量部のケィ酸アルミニウムを撹拌し、これに 25質量部の 20%ジァミノグァ- ジン塩酸塩水溶液を室温で添加した。添加後、均一になるまで撹拌した。その後、 1 00°Cで 30分間乾燥後、 180°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 Cを得た。
実施例 4
[0039] 100質量部のケィ酸アルミニウムを撹拌し、これに 25質量部の 20%トリアミノグァ二 ジン塩酸塩水溶液を室温で添加した。添加後、均一になるまで撹拌した。その後、 1 00°Cで 30分間乾燥後、 180°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 Dを得た。
実施例 5
[0040] ケィ酸アルミニウムの代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 1と同 様に操作し、消臭剤 Εを得た。
実施例 6
[0041] ケィ酸アルミニウムの代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 2と同 様に操作し、消臭剤 Fを得た。
実施例 7
[0042] ケィ酸アルミニウムに代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 3と同 様に操作し、消臭剤 Gを得た。
実施例 8
[0043] ケィ酸アルミニウムに代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 4と同 様に操作し、消臭剤 Ηを得た。
実施例 9
[0044] ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si /Al=30)を用いたこと以外は、実施例 1と同様に操作し、消臭剤 Iを得た。
実施例 10
[0045] ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si /Al=30)を用いたこと以外は、実施例 2と同様に操作し、消臭前を得た。
実施例 11
[0046] ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si /Al=30)を用いたこと以外は、実施例 3と同様に操作し、消臭剤 Kを得た。
実施例 12
[0047] ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si /Al=30)を用いたこと以外は、実施例 4と同様に操作し、消臭剤 Lを得た。
実施例 13
[0048] 〇乾式担持による消臭剤 A1の製造
100質量部のケィ酸アルミニウムと 25質量部のアミノグァ二ジン塩酸塩とを室温で 混合した後、 180°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 A1を得た。
実施例 14
[0049] 〇乾式担持による消臭剤 B1の製造
100質量部のケィ酸アルミニウムと 25質量部のアミノグァ二ジン硫酸塩とを室温で 混合した後、 210°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 B1を得た。
実施例 15
[0050] 〇乾式担持による消臭剤の C1製造
100質量部のケィ酸アルミニウムと 25質量部のジァミノグァ-ジン塩酸塩とを室温 で混合した後、 180°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 C1を得た。
実施例 16
[0051] 〇乾式担持による消臭剤 D1の製造
100質量部のケィ酸アルミニウムと 25質量部のトリアミノグァ二ジン塩酸塩とを室温 で混合した後、 180°Cで 30分間加熱処理を行い、消臭剤 D1を得た。
実施例 17
[0052] 〇乾式担持による消臭剤 Elの製造
ケィ酸アルミニウムに代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 13と 同様に操作し、消臭剤 E1を得た。
実施例 18
[0053] 〇乾式担持による消臭剤 F1の製造
ケィ酸アルミニウムに代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 14と 同様に操作し、消臭剤 F1を得た。
実施例 19
[0054] 〇乾式担持による消臭剤 G1の製造
ケィ酸アルミニウムに代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 15と 同様に操作し、消臭剤 G1を得た。
実施例 20
[0055] 〇乾式担持による消臭剤 HIの製造
ケィ酸アルミニウムに代わり αリン酸ジルコニウムを用いたこと以外は、実施例 16と 同様に操作し、消臭剤 HIを得た。
実施例 21
[0056] 〇乾式担持による消臭剤 IIの製造
ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si /Al=30)を用いたこと以外は、実施例 13と同様に操作し、消臭剤 IIを得た。
実施例 22
[0057] 〇乾式担持による消臭前 1の製造
ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si /Al=30)を用いたこと以外は、実施例 14と同様に操作し、消臭前 1を得た。
実施例 23
[0058] 〇乾式担持による消臭剤 K1の製造
ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si
/Al=30)を用いたこと以外は、実施例 15と同様に操作し、消臭剤 K1を得た。
実施例 24
[0059] 〇乾式担持による消臭剤 L1の製造
ケィ酸アルミニウムに代わりゼォライト ZSM5 (水澤ィ匕学工業 (株)ミズカシーブス Si /Al=30)を用いたこと以外は、実施例 16と同様に操作し、消臭剤 L1を得た。
実施例 25
[0060] 実施例 1で作製した消臭剤 Aを 70質量部、 α型層状リン酸ジルコニウムを 10質量 部、銅結合型 α型層状リン酸ジルコニウムを 10質量部および水和酸化ジルコニウム を 10質量部、を室温で良く混合して消臭剤組成物 Αを作製した。
実施例 26
[0061] 消臭剤 Aの代わりに実施例 2で作製した消臭剤 Bを用いて実施例 25と同様に操作 し、消臭剤組成物 Bを作製した。
実施例 27
[0062] 消臭剤 Aの代わりに実施例 3で作製した消臭剤 Cを用いて実施例 25と同様に操作 し、消臭剤組成物 Cを作製した。
実施例 28
[0063] 消臭剤 Aの代わりに実施例 4で作製した消臭剤 Dを用いて実施例 25と同様に操作 し、消臭剤組成物 Dを作製した。
実施例 29
[0064] ケィ酸アルミニウムに代わりシリカゲル(富士シリシァ化学 (株)サイリシァ 740)を用い たこと以外は、実施例 1同様に操作し、消臭剤 Mを得た。
実施例 30
[0065] ケィ酸アルミニウムに代わりシリカゲル(富士シリシァ化学 (株)サイリシァ 740)を用い たこと以外は、実施例 2と同様に操作し、消臭剤 Nを得た。
[0066] <比較例 1 >
ケィ酸アルミニウムを用いた代わりにケィ酸カルシウム CSH (河合石灰工業 (株)製
)を用いたこと以外は、実施例 1と同様に操作し試料 aを作製した。
[0067] <比較例 2 >
ケィ酸アルミニウムを用いた代わりにケィ酸カルシウム CSH (河合石灰工業 (株)製 )を用いたこと以外は、実施例 2と同様に操作し試料 bを作製した。
[0068] <比較例 3 >
ケィ酸アルミニウムを用いた代わりにケィ酸カルシウム CSH (河合石灰工業 (株)製 )を用いたこと以外は、実施例 3と同様に操作し試料 cを作製した。
[0069] <比較例 4 >
ケィ酸アルミニウムを用いた代わりにケィ酸カルシウム CSH (河合石灰工業 (株)製 )を用いたこと以外は、実施例 4と同様に操作し試料 dを作製した。
[0070] <比較例 5 >
実施例 13でケィ酸アルミニウムとアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した後、加 熱処理を行わな力つたものを試料 eとした。
[0071] <比較例 6 >
実施例 14でケィ酸アルミニウムとアミノグアン-ジン硫酸塩を室温で混合した後、加 熱処理を行わなカゝつたものを試料 した。
[0072] <比較例 7 >
実施例 15でケィ酸アルミニウムとジアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した後、 加熱処理を行わなカゝつたものを試料 gとした。
[0073] <比較例 8 >
実施例 16でケィ酸アルミニウムとトリアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した後 、加熱処理を行わなカゝつたものを試料 hとした。
[0074] <比較例 9 >
実施例 17で aリン酸ジルコニウムとアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した後、 加熱処理を行わなカゝつたものを試料 iとした。
[0075] <比較例 10 >
実施例 18で aリン酸ジルコニウムとアミノグアン-ジン硫酸塩を室温で混合した後、 加熱処理を行わなカゝつたものを試料 jとした。
[0076] <比較例 11 >
実施例 19で aリン酸ジルコニウムとジアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した 後、加熱処理を行わなカゝつたものを試料 kとした。
[0077] <比較例 12 >
実施例 20で aリン酸ジルコニウムとトリアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した 後、加熱処理を行わなカゝつたものを試料 1とした。
[0078] <比較例 13 >
実施例 21でゼオライト ZSM5とアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した後、カロ 熱処理を行わなかったものを試料 mとした。
[0079] <比較例 14 >
実施例 22でゼオライト ZSM5とアミノグアン-ジン硫酸塩を室温で混合した後、カロ 熱処理を行わなカゝつたものを試料 nとした。
[0080] <比較例 15 >
実施例 23でゼオライト ZSM5とジアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した後、 加熱処理を行わなカゝつたものを試料。とした。
[0081] <比較例 16 >
実施例 24でゼオライト ZSM5とトリアミノグアン-ジン塩酸塩を室温で混合した後、 加熱処理を行わなカゝつたものを試料 Pとした。
[0082] <比較例 17 >
アミノグァ二ジン塩酸塩の 20%水溶液の代わりにグァニジン塩酸塩の 20%水溶液 を 50質量部用いた以外は、実施例 1と同様に操作し試料 qを作製した。
[0083] <比較例 18 >
比較例 1で作製した試料 aを 70質量部、 oc型層状リン酸ジルコニウムを 10質量部、 銅結合型 a型層状リン酸ジルコニウムを 10質量部および水和酸ィ匕ジルコニウムを 10 質量部、を室温で良く混合して試料組成物 aを作製した。
[0084] <比較例 19 >
試料 aの代わりに比較例 5で作製した試料 eを用いて比較例 18と同様に操作し、試 料組成物 eを作製した。
[0085] <比較例 20 >
試料 aの代わりに比較例 17で作製した試料 qを用いて比較例 18と同様に操作し、 試料組成物 qを作製した。
実施例 31
[0086] 〇消臭剤の耐水性試験
実施例 1〜 12で作製した消臭剤 A〜Lをそれぞれ精製水で洗浄後、ァセトアルデヒ ドガスに対する消臭活性を測定した。即ち、室温において 100mlの精製水に lgの消 臭剤 Aを入れて 1分間よく撹拌する。この懸濁液をろ過した後、更に 1000mlの精製 水で洗浄し、 110°Cで乾燥させた。この水洗を行った消臭剤 Aについてァセトアルデ ヒドガスに対する消臭活性を測定した。同様に、他の消臭剤についてもこの水洗処理 を行ったものについて消臭活性を測定した。また、比較例 1〜4及び比較例 17で作 製した試料につ!、ても同様の水洗処理を行!ヽ、消臭活性を測定した。
[0087] 〇消臭効果の測定
消臭効果の測定は、耐水性試験を行った各サンプル 0. 02gを、それぞれフッ化ビ -ル製バック (フッ化ビュル製フィルムを袋状に加工して使用、以下テドラーバックと 称する)に入れ、これにァセトアルデヒドガスを lOOppm含有する空気を 1リットル注入 し、室温で 2時間放置した。 2時間後に、テドラーバッグ中の残存するァセトアルデヒド ガス濃度をガス検知管 ((株)ガステック社製、以下同社製品を使用)で測定した。これ らの測定結果を表 1 (ppm)に示す。また、試薬のアミノグァ二ジン塩酸塩、アミノグァ 二ジン硫酸塩、ジアミノグアン-ジン塩酸塩、またはトリアミノグァ二ジン塩酸塩各 lm gをそのままこの評価系に直接入れて消臭活性を測定したところ、ァセトアルデヒドの 濃度はそれぞれ 22ppm、 24ppm、 10ppm、または 8ppmであった。
[0088] [表 1]
水洗処理前 水洗処理後
消臭剤 A <0. 2 1 0
消臭剤 B <0. 2 1 0
消臭剤 c <0. 2 2
消臭剤 D <0. 2 3
消臭剤 E <0. 2 1
消臭剤 F <0. 2 1 2
消臭剤 G <0. 2 4
消臭剤 H <0. 2 4
消臭剤 1 <0. 2 32
消臭剤」 <0. 2 30
消臭剤 K <0. 2 1 4
消臭剤 L <0. 2 1 0
試料 a <0. 2 85
試料 b <0. 2 80
1¾ギ斗 c <0. 2 72
試料 d <0. 2 72
試料 q 88 95
[0089] 表 1の結果から、アミノグァ二ジン塩をケィ酸アルミニウム、 αリン酸ジルコニウム、ま たはゼォライト等の担持体に担持した本発明の消臭剤担持体はァミノグァ-ジン塩を ケィ酸カルシウムに担持した試料 a〜d及び、グアンジン塩酸塩をケィ酸アルミニウム に担持した試料 qに比べ耐水性が優れて!/、る。
このことは、本発明の消臭剤担持体は、水洗処理を行っても消臭活性が低下するこ とが少なぐ且つ、消臭効率が優れている。このことから本発明の消臭剤担持体は、 耐久性に優れることを示唆して 、る。
実施例 32
[0090] 〇乾式担持した消臭剤の性能評価
0. lgの消臭剤 A1をテドラーバックに入れ、これにァセトアルデヒドを 600ppm含有 する空気を 1リットル注入した。室温で 2時間放置後、テドラーバック内に残存するァ セトアルデヒドの濃度をガス感知管で測定した。この結果を表 2に示す。消臭剤 Bl〜 Ll、試料 e〜pについても同様に測定を行い、これらの結果を表 2 (ppm)に示す。
[0091] [表 2]
水洗処理前 水洗処理後
消臭剤 A 1 <0. 1 55
消臭剤 B 1 <0. 1 60
消臭剤 C 1 <0. 1 35
消臭剤 D 1 <0. 1 35
消臭剤 E 1 <0. 1 60
消臭剤 F 1 <0. 1 60
消臭剤 G 1 <0. 1 40
消臭剤 H 1 <0. 1 38
消臭剤 I 1 <0. 1 1 1 0
消臭剤」 1 <0. 1 1 20
消臭剤 K 1 <0. 1 82
消臭剤 L 1 <0. 1 80
la料 e <0. 1 325
試料 f <0. 1 325
試料 g <0. 1 220
試料 h <0. 1 220
試料 i <0. 1 325
試料 j <0. 1 350
試料 k <0. 1 280
試料 1 <0. 1 260
試料 m <0. 1 425
試料 n <0. 1 475
試料 o <0. 1 3 70
試料 P <0. 1 350
[0092] 表 2の結果から、アミノグァ二ジン塩と担持体を混合した後に加熱することにより、水 洗処理を行っても消臭活性の低下が少なぐ且つ、消臭効率が優れている。また、加 熱処理を行っていない試料 e〜pは、水洗処理前の消臭剤 A1〜L1と同じモル数に なるように消臭評価系に入れたものであるが、本発明の消臭剤担持体の方が優れた 消臭活性を示している。
このことは、本発明の消臭剤担持体は、水洗処理を行っても消臭活性が低下するこ と力 S少なく、且つ、消臭効率が優れていることを示している。このことから耐久性に優 れることを示唆している。
実施例 33
[0093] 〇消臭剤組成物の耐水性試験
室温において 100mlの精製水に lgの消臭剤組成物 Aを入れて 1分間よく撹拌する
。この懸濁液をろ過した後、更に 1000mlの精製水で洗浄し、 110°Cで乾燥させた。 この水洗を行った消臭剤組成物 Aについてァセトアルデヒドガス、アンモニアガス、硫 化水素ガスおよび酢酸ガスに対する消臭活性を測定した。同様に、消臭剤組成物 B 〜Dについてもこの水洗処理を行ったものについても消臭活性を測定した。また、比 較例 18〜20で作製した試料組成物 a、 e、 qについても同様の水洗処理を行い、消 臭活性を測定した。
[0094] 〇消臭効果の測定
消臭効果の測定は、上記の耐水性試験を行った各サンプル 0. 02gをそれぞれテド ラーバックに入れ、これにァセトアルデヒドガス 20ppm、アンモニアガス 40ppm、硫 化水素ガス lOppmおよび酢酸ガス 40ppmを含有する空気を 1リットル注入し、室温 で 2時間放置した。 2時間後に、テドラーバッグ中の残存ガス濃度を対応するガス検 知管でそれぞれ測定した。これらの結果を表 3 (ppm)に示した。
[0095] [表 3]
[0096] 本発明の消臭剤と他の悪臭消臭剤とを混合した本発明の消臭剤組成物は、比較 例に比べァセトアルデヒドに対する消臭性能の低下が小さいことが分かる。
実施例 34
[0097] 〇消臭性繊維 A1の作製
精製水 100質量部に対して実施例 1で作製した消臭剤 Aを 3質量部、アクリル系バ インダー (KB— 1300、東亞合成 (株)製)を 3質量部添加した懸濁液を作製した。こ の懸濁液をポリエステル繊維 100質量部に対して 50質量部を塗布し、 150°Cで乾燥 して消臭性繊維 A1 (消臭剤の含有量は榭脂 100質量部に対して 1. 5部含有する)
を得た。
実施例 35
[0098] 〇消臭性繊維 A2の作製
精製水 100質量部に対して実施例 25で作製した消臭剤組成物 Aを 3質量部、ァク リル系バインダー (KB— 1300、東亞合成 (株)製)を 3質量部添加した懸濁液を作製 した。この懸濁液をポリエステル繊維 100質量部に対して 50質量部を塗布し、 150 °Cで乾燥して消臭性繊維 A2 (消臭剤の含有量は繊維 100質量部に対して 1. 5質量 部含有する)を得た。
実施例 36
[0099] 〇消臭性繊維 A3の作製
精製水 100質量部に対してアミノグアン-ジン塩酸塩を 1質量部溶解させた水溶液 を
ポリエステル繊維 100質量部に対して 50質量部を塗布し、 150°Cで乾燥して消臭性 繊維 A3 (ァミノグァ-ジン塩酸塩の含有量は繊維 100質量部に対して 0. 5質量部含 有する)を得た。
実施例 37
[0100] 〇消臭性繊維 A4の作製
アミノグアン-ジン塩酸塩を用いる代わりにジァミノグァ-ジン塩酸塩を用いて実施 例 36と同様に操作し、消臭性繊維 A4 (ジァミノグァ-ジン塩酸塩の含有量は繊維 1 00質量部に対して 0. 5質量部含有する)を得た。
実施例 38
[0101] 〇消臭性繊維 A5の作製
アミノグアン-ジン塩酸塩を用いる代わりにトリジァミノグァ-ジン塩酸塩を用いて実 施例 36と同様に操作し、消臭性繊維 A5 (トリアミノグァ二ジン塩酸塩の含有量は繊 維 100質量部に対して 0. 5質量部含有する)を得た。
[0102] <比較例 21 >
〇比較例用繊維 qlの作製
精製水 100質量部に対して比較例 17で作製した試料 qを 3質量部、アクリル系バイ ンダー (KB— 1300、東亞合成 (株)製)を 3質量部添加した懸濁液を作製した。この 懸濁液をポリエステル繊維 100質量部に対して 50質量部を塗布し、 150°Cで乾燥し て比較例用繊維 ql (消臭剤の含有量は繊維 100質量部に対して 1. 5部含有する) を得た。
[0103] <比較例 22 >
〇比較例用繊維 q2の作製
精製水 100質量部に対して比較例 20で作製した試料組成物 qを 3質量部、アクリル 系バインダー (KB— 1300、東亞合成 (株)製)を 3質量部添加した懸濁液を作製した 。この懸濁液をポリエステル繊維 100質量部に対して 50質量部を塗布し、 150°Cで 乾燥して比較例用繊維 q2 (消臭剤の含有量は繊維 100質量部に対して 1. 5部含有 する)を得た。
実施例 39
[0104] 〇消臭性繊維に対する消臭効果の測定
消臭性繊維 A1〜A5、比較例用繊維 ql及び q2それぞれ 10gづっテドラーバッグ に入れ、悪臭ガス 1リットル(ァセトアルデヒドガスは 20ppm、アンモニアガスは 40pp m、硫ィ匕水素ガスは lOppmおよび酢酸ガスは 40ppm含有)を注入し、 2時間後のテ ドラーバッグ中の残存ガス濃度を測定した。
これらの結果を表 4 (ppm)に示した。なお、表中の NDは、評価を行わなかったこと を示す。以下、同様である。
[0105] [表 4] アンモニア ァセトアルデヒド 硫化水素 酢酸 消臭性繊維 A 1 ND 4 ND ND 消臭性繊維 A2 <0. 2 6 3 < 1 消臭性繊維 A3 ND 4 ND ND 消臭性繊維 A4 ND 4 ND ND 消臭性繊維 A5 ND 4 ND ND 比較例用繊維 q 1 ND 1 8 ND ND 比較例用繊維 q2 ND 4 ND ND
実施例 40
[0106] 〇消臭性鋼板 Alの作製
キシレン 100質量部に対して、アクリル榭脂 (J— 500 SCジョンソンポリマー社 (株) 製)を 70質量部、分散剤 (BYK- 110 BYK Chemie (株)製)を 3質量部、増粘剤 (ベントン SD2 ウィルバーェルス (株)製)を 2質量部、実施例 1で作製した消臭剤 A を 200質量部で配合し、 3本ロールの混合機で良く練り分散させたペースト状組成物 を得た。これをキシレンで 10倍に希釈し、 70 X I 50mmの亜鉛めつき鋼板の両面に 膜厚 100 mで塗付し 1晚風乾して、消臭性鋼板 A1を作製した。
実施例 41
[0107] 〇消臭性鋼板 A2の作製
消臭剤 Aの代わりに消臭剤組成物 Aを用いた以外は、実施例 40と同様に操作し消 臭性鋼板 A2を作製した。
実施例 42
[0108] 〇消臭性鋼板 A3の作製
消臭剤 Aの代わりにアミノグアン-ジン塩酸塩を 20質量部用いた以外は、実施例 4 0と同様に操作し消臭性鋼板 A3を作製した。
実施例 43
[0109] 〇消臭性鋼板 A4の作製
消臭剤 Aの代わりにジアミノグアン-ジン塩酸塩を 20質量部用いた以外は、実施例 40と同様に操作し消臭性鋼板 A3を作製した。
実施例 44
[0110] 〇消臭性鋼板 A4の作製
消臭剤 Aの代わりにトリアミノグアン-ジン塩酸塩を 20質量部用いた以外は、実施 例 40と同様に操作し消臭性鋼板 A4を作製した。
[0111] <比較例 23 >
〇比較用鋼板 qlの作製
消臭剤 Aの代わりに試料 qを用いた以外は、実施例 40と同様に操作し比較用鋼板
qlを作製した。
[0112] <比較例 24 >
〇比較用鋼板 q2の作製
消臭剤 Aの代わりに試料組成物 qを用いた以外は、実施例 40と同様に操作し比較 用鋼板 q2を作製した。
実施例 45
[0113] 〇消臭性鋼板に対する消臭効果の測定
消臭性鋼板 Al〜A5、比較用鋼板 q 1および比較用鋼板 q2をそれぞれ 1枚ずっテ ドラーバッグに入れ、悪臭ガス 1リットル(ァセトアルデヒドガスは 20ppm、アンモニア ガスは 40ppm、硫化水素ガスは lOppmおよび酢酸ガスは 40ppm含有)を注入し、 2 時間後のテドラーバッグ中の残存ガス濃度を測定した。その結果を表 5 (ppm)に示し た。表 5の NDは、表 4と同じである。
[0114] [表 5]
[0115] 〇消臭性ポリウレタン Aの作製
消臭剤 Aを 4. 0%およびウレタンバインダー KB— 3000 (東亞合成 (株)製、榭脂 分 30%)を 4. 4%含有する分散水溶液を作製した。そして、この分散水溶液を自動 車内装用のポリウレタン製クッション材に塗布し、乾燥させて消臭性ポリウレタン Aを 作製した。この消臭性ポリウレタン Aには、 lm2当たり消臭剤 Aが 6g、ノインダー KB 一 3000力 g (榭脂分として)添加されて ヽる。
実施例 47
[0116] 〇消臭性ポリウレタン B〜Nの作製
消臭剤 Aの替わりに消臭剤 B〜Nをそれぞれ用いた以外は実施例 46と同様に操作 し、消臭性ポリウレタン B〜Nを作製した。
実施例 48
[0117] 〇消臭性ポリウレタン Oの作製
消臭剤 Aの替わりにアミノグァ二ジン塩酸塩を用いた以外は実施例 46と同様に操 作し、消臭性ポリウレタン Oを作製した。
実施例 49
[0118] 〇消臭性ポリウレタン Pの作製
消臭剤 Aの替わりにアミノグァ二ジン硫酸塩を用いた以外は実施例 46と同様に操 作し、消臭性ポリウレタン Pを作製した。
<比較例 25 >
〇比較用ポリウレタンの作製
消臭剤 Aの替わりに試料 a〜d、 qをそれぞれ用いた以外は実施例 46と同様に操作 し、比較用ポリウレタン a〜d、 qを作製した。
また、消臭剤 Aを用いない以外は実施例 46と同様に操作し、比較用ポリウレタン rを 作製した。
実施例 50
[0119] 〇消臭性ポリウレタンの消臭効果の測定
消臭性ポリウレタン Aを 10cm X 10cmで切り出し、これをテドラーバッグに入れ、窒 素ガスを 500mLを注入し、 65°Cで 2時間放置した。 2時間後にテドラーバッグ中のホ ルムアルデヒド濃度およびァセトアルデヒド濃度を測定した。これらの結果を表 6 (pp m)に示す。
消臭性ポリウレタン B〜Pおよび比較用ポリウレタン a〜d、 q、 rについても、同様に 操作してホルムアルデヒド濃度およびァセトアルデヒド濃度を測定した。これらの結果 を表 6 (ppm)に示す。
[0120] [表 6]
ホルムアルデヒド ァセ卜アルデヒド
消臭性ポリウレタン A <0. 1 0. 3
消臭性ポリウレタン B <0. 1 0. 3
消臭性ポリウレタン C <0. 1 0. 2
消臭性ポリウレタン D <0. 1 0. 2
消臭性ポリウレタン E <0. 1 0. 4
消臭性ポリウレタン F <0. 1 0. 4
消臭性ポリウレタン G <0. 1 0. 3
消臭性ポリウレタン H <0. 1 0. 3
消臭性ポリウレタン 1 <0. 1 0. 4
消臭性ポリウレタン J <0. 1 0. 4
消臭性ポリウレタン K <0. 1 0. 4
消臭性ポリウレタン L <0. 1 0. 4
消臭性ポリウレタン M <0. 1 0. 2
消臭性ポリウレタン N <0. 1 0. 2
消臭性ポリウレタン 0 <0. 1 1. 2
消臭性ポリウレタン P <0. 1 1. 2
比較用ポリウレタン a 0. 2 2. 2
比較用ポリウレタン b 0. 2 2. 2
比較用ポリウレタン c 0. 2 1. 9
比較用ポリウレタン d 0. 2 1. 9
比較用ポリウレタン q 1. 4 2. 6
比較用ポリウレタン r 2. 0 2. 9
[0121] 本発明の消臭剤および消臭剤担持体は、自動車内装材などに用いられるポリウレ タン力ものアルデヒドガスの生成を抑制することができた。
実施例 51
[0122] 〇消臭性パーティクルボード Aの作製
消臭剤 Aを 4.0%およびウレタンバインダー KB— 3000 (東亞合成 (株)製、榭脂 分 30%)を 3.3%含有する分散水溶液を作製した。そして、この分散水溶液をパー ティクルボードに塗布し、乾燥させて消臭性パーティクルボード Aを作製した。この消 臭性パーティクルボード Aには、 lm2当たり消臭剤 Aが 2g、バインダー KB— 3000が 0.5g (榭脂分として)添加されている。
実施例 52
[0123] 〇消臭性パーティクルボード B〜Nの作製
消臭剤 Aの替わりに消臭剤 B〜Nをそれぞれ用いた以外は実施例 51と同様に操作
し、消臭性パーティクルボード B〜Nを作製した。
実施例 53
[0124] 〇消臭性パーティクルボード Oの作製
消臭剤 Aの替わりにアミノグァ二ジン塩酸塩を用いた以外は実施例 51と同様に操 作し、消臭性パーティクルボード Oを作製した。
実施例 54
[0125] 〇消臭性パーティクルボード Pの作製
消臭剤 Aの替わりにアミノグァ二ジン硫酸塩を用いた以外は実施例 51と同様に操 作し、消臭性パーティクルボード Pを作製した。
<比較例 26 >
〇比較用パーティクルボードの作製
消臭剤 Aの替わりに試料 a〜d、 qをそれぞれ用いた以外は実施例 51と同様に操作 し、比較用パーティクルボード a〜d、 qを作製した。
また、消臭剤 Aを用いない以外は実施例 51と同様に操作し、比較用パーティクル ボード rを作製した。
実施例 55
[0126] 〇消臭性パーティクルボードの消臭効果の測定
消臭性パーティクルボード Aを 15cm X 30cmで切り出し、純水 20mlを入れたビー カーと共にアクリル製のボックス(内容積 40L)内に入れ、 20°Cで 24時間静置した。 その後、純水中のホルムアルデヒド濃度をァセチルアセトン法で測定した。この結果 を表 7 (mgZL)に示す。
消臭性パーティクルボード B〜Pおよび比較用パーティクルボード a〜d、 q、 rにつ いても、同様に操作して純水中のホルムアルデヒド濃度を測定した。これらの結果を 表 7 (mgZL)に示す。
[0127] [表 7]
ホルムアルデヒド
消臭性パ一テイクルポ一ド A <0. 1
消臭性パーティクルボード B <0. 1
消臭性パーティクルボード C <0. 1
消臭性パーティクルボード D <0. 1
消臭性パーティクルボード E <0. 1
消臭性パーティクルボード F <0. 1
消臭性パーティクルボード G <0. 1
消臭性パーティクルボード H <0. 1
消臭性パーティクルボード 1 <0. 1
消臭性パーティクルボード j <0. 1
消臭性パーティクルボード K <0. 1
消臭性パーティクルボード L <0. 1
消臭性パーティクルボード M <0. 1
消臭性パーティクルボード N <0. 1
消臭性パーティクルボード o <0. 1
消臭性パーティクルボ一ド P <0. 1
比較用パーティクルボード a 0. 2
比較用パーティクルボード b 0. 2
比較用パーティクルボード c 0. 2
比較用パーティクルボード d 0. 2
比較用パーティクルボ一ド q 1. 0
比較用パーティクルボード r 1. 7
[0128] 本発明の消臭剤および消臭剤担持体は、自動車内装材などに用いられるパーティ クルボードからのアルデヒドガスの生成を抑制することができた。
産業上の利用可能性
[0129] 本発明の消臭剤および消臭剤担持体は、それ単体でァセトアルデヒドなどのアル デヒド系ガスに対する消臭性能が優れるのは勿論のこと、塩基性ガスおよび硫黄系 ガスなどに対して優れた消臭性能を示す他の消臭剤と混合 (消臭剤組成物)して使 用しても、優れた塩基性ガスや硫黄系ガス消臭性能を保ちつつ、アルデヒド系ガス消 臭性能を十分発揮することができる。このことから、本発明の消臭剤、消臭剤担持体 および消臭剤組成物は、繊維、塗料、シート、成形品、加工品などに優れた消臭性 を付与することができ、これらは消臭製品として用いることができる。