JP2017000567A - 体臭用消臭剤組成物、及びそれを用いた消臭性加工品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アミノグアニジン塩酸塩が下記式(1)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されているガス吸着剤を含有し、
前記ガス吸着剤の水分が0.6〜10質量%であることを特徴とする体臭用消臭剤組成物。
xNa2O・Al2O3・ySiO2・nH2O (1)
[式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。]
【選択図】なし
Description
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ジケトンの化学吸着性能が高く、加工性や耐熱性に優れる体臭用消臭剤組成物、及びそれを用いた消臭性加工品を提供することである。
即ち、本発明は次の通りである。
1.アミノグアニジン塩酸塩が下記式(1)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されているガス吸着剤を含有し、
前記ガス吸着剤の水分が0.6〜10質量%であることを特徴とする体臭用消臭剤組成物。
xNa2O・Al2O3・ySiO2・nH2O (1)
[式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。]
2.上記非晶質ケイ酸アルミニウムのBET比表面積が200m2/g以上である上記1に記載の体臭用消臭剤組成物。
3.上記アミノグアニジン塩酸塩と非晶質ケイ酸アルミニウムの質量配合比率が、5:95〜60:40である上記1又は2に記載の体臭用消臭剤組成物。
4.上記1〜3のいずれかに記載の体臭用消臭剤組成物を含有することを特徴とする消臭性加工品。
xNa2O・Al2O3・ySiO2・nH2O (1)
[式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。]
xの好ましい範囲は、0.1〜0.4である。xの値が0.1未満の場合は、ジケトンの化学吸着性が低下する。一方、0.5より大きくても化学吸着性が低下し、樹脂に配合した時に黄変などの不具合を生じやすい。
yの好ましい範囲は、7〜12である。yの値が5未満、又は15を超えると化学吸着性能が低下する。
nの好ましい範囲は、0.5〜7である。nの値が0.5未満の場合は、安定に製造することはできない。一方、10を超えるものは消臭性能が低下するうえ、樹脂に配合した時に黄変などの不具合を生じやすい。
また、他の合成手段としては、例えば、シリカゾルに、アルミニウムの水溶液を加え、次いで、酸又はアルカリにより、系のpHを約3〜7に維持して、十分に均一に混合し、更に、例えば約40℃〜約100℃程度に加温して、熟成し、その後、水洗、脱水、及び乾燥することにより、合成することができる。ここで、前記熟成工程は、必ずしも必要ではない。また、シリカゾルとアルミニウムの水溶性塩の使用量は、上記SiO2/Al2O3と同じように選択することができる。
MgO・zSiO2・mH2O (2)
但し、式(2)において、zは1以上の正数であり、より好ましくはzが1〜20であり、且つ、mが0.1〜20の正数であり、更に好ましくはzが1〜15であり、且つ、mが0.3〜10であり、特に好ましくはzが3〜15であり、且つ、mが1〜8である。
ここで、非晶質ケイ酸アルミニウムとアミノグアニジン塩酸塩との混合割合は、非晶質ケイ酸アルミニウム100質量部に対してアミノグアニジン塩酸塩が5〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量部であり、更に好ましくは15〜50質量部である。当該混合割合が前記の範囲内であれば、アミノグアニジン塩酸塩が非晶質ケイ酸アルミニウムに担持され、優れた消臭効果が得られる。
また、酸化亜鉛、ケイ酸銅及びケイ酸亜鉛については、比表面積の大きいものが、消臭性能が高く好ましい。
水和酸化ジルコニウムは、オキシ塩化ジルコニウム水溶液などのジルコニウム含有溶液を、水やアルカリ溶液で加水分解することにより作製することができる。なお、水和酸化ジルコニウムは、オキシ水酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、含水酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウム水和物など、いろいろな名称が使用されるが、水和酸化ジルコニウムと同じ化合物である。
また、使用目的により本発明の消臭剤組成物を粒状化してもよい。この場合、消臭剤を1成分ごとに粒状化しても、あるいは、消臭剤組成物を粒状化しても構わない。粒状体の製造方法は、通常粉体を粒状化する方法はいずれも用いることができる。例えば、アルミナゾル、粘土などをバインダーとして用い、粒状体とする方法がある。粒径は粒状体の硬さや、密度、粉砕強度のなどにより様々に調整することができるが、取り扱いのし易さから0.1〜3mmとすることが好ましい。
また、上記粘度調整剤としては、分散液の粘度を調整できるものであれば、いずれのものも用いることができる。例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤、アラビアガム、トランガンガム、及びグアーガム等の天然多糖類、各種ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンオキシド、及びポリビニルアルコールなどがある。
また、当該分散液における消臭剤組成物の固形分とバインダー樹脂との混合比は、消臭剤固形分100質量部に対し、バインダー樹脂固形分が10〜300質量部であることが好ましい バインダー樹脂固形分が前記範囲内であれば、繊維、不織布又はシート等に消臭剤分散液を展着させる場合に、十分な固着力が得られ、消臭剤組成物が脱落することはない。また、消臭剤組成物がバインダー樹脂で覆われて消臭性能が低下することもない。
本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性繊維としては、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性繊維は、衣類、肌着、ストッキング、靴下、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、ソファ、カバー、シート、カーシート、カーマット、及びエアーフィルターを始めとして、多くの繊維製品に使用できる。また、本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性塗料としては、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性塗料は、建物の内壁、外壁、及び鉄道車両の内壁などで使用できる。更に、本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性シートとしては、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性シートは、包装紙、紙製衣料、空気清浄フィルター、壁紙、ティッシュペーパー、不織布、紙、フィルター、及びフィルムなどで使用できる。また、本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性樹脂成形品も、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性樹脂成形品は、空気清浄器及び冷蔵庫などの家電製品、ゴミ箱及び水切りなどの一般家庭用品、ポータブルトイレなどの各種介護用品、並びに日常品などで使用できる。
(1)メジアン粒径(d50)
レーザー回折粒度分布計で測定し、結果を体積基準で解析した。なお、粒度分布の含有率%は、この解析方法から全粒子中の体積%であるが、測定粉末の密度が一定であるので、質量%と同じ意味を持つ。測定は、マルバーン社製レーザー回折式粒度分布測定装置「MS2000」(型式名)を使用した。
JIS Z8830「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」(2001年改正版)により、堀場製作所製 連続流動式表面積計「SA−6200」(型式名)を用いて測定した。
カールフィッシャー法により、ガス吸着剤の水分量を測定した。
消臭剤組成物の粉末0.01gをビニルアルコール系ポリマーフィルム製の5L試験袋に入れ、ここに気化させたジアセチル(初期濃度300ppm)3Lを注入し、室温で1時間後の試験袋中の残存ガス濃度をガス検知管で測定した。消臭容量は、試料1g当たりの消臭したガス容量で示した。
10cm×10cm生地をビニルアルコール系ポリマーフィルム製の5L試験袋に入れ、ここに気化させたジアセチル(初期濃度100ppm)3Lを注入し、室温で2時間後の試験袋中の残存ガス濃度をガス検知管で測定した。生地を使用しなかった同様の試験でのジアセチル濃度と比較した消臭率(%)で示した。
ミドル脂臭または加齢臭が強いと判定された40才以上の男性被験者5名に、消臭性加工布を枕カバーとして1週間使用後、官能評価により下記評価基準に従って生地の臭いの判定をし、その平均値を採用した。
<評価基準>
臭わない ・・・・0 点
かすかに臭う ・・・・1 点
やや臭うが弱い ・・・・2 点
はっきりと臭う ・・・・3 点
非常に強く臭う ・・・・4 点
<実施例1>
アミノグアニジン塩酸塩3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積605m2/g、平均粒径が6μmの非晶質珪酸アルミニウム10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記非晶質珪酸アルミニウムを5質量%で精製水に分散させた時のpHは5.0であった。次いで、120℃で30時間加熱処理して、水分2%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色の消臭剤組成物のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
アミノグアニジン塩酸塩2.5gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積489m2/g、平均粒径が6μmの非晶質珪酸アルミニウム10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記非晶質珪酸アルミニウムを5質量%で精製水に分散させた時のpHは6.6であった。次いで、130℃で25時間加熱処理して、水分1.5%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
アミノグアニジン塩酸塩3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積190m2/g、平均粒径が6μmの非晶質珪酸アルミニウム10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記ゼオライトを5質量%で精製水に分散させた時のpHは7.2であった。次いで、100℃で10時間加熱処理して、水分13%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
アミノグアニジン塩酸塩3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積340m2/g、平均粒径が6μmのY型ゼオライト10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記ゼオライトを5質量%で精製水に分散させた時のpHは9.6であった。次いで、120℃で30時間加熱処理して、水分4%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
アスコルビン酸脂肪酸エステル3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積189m2/g、平均粒径が12μmのシリカゲル10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記シリカゲルを5質量%で精製水に分散させた時のpHは3.0であった。次いで、140℃で25時間加熱処理して、水分4%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
フタムラ化学製社製活性炭「太閤CW350A」(商品名)のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
3.消臭性加工布の製造及び評価
実施例1の消臭剤組成物1gをアクリルバインダー5gと混合し、ポリエステル生地に対して消臭剤組成物が3g/m2となるように浸漬加工した後、130℃で2分間乾燥した。得られた消臭性加工布の消臭性能評価を実施した結果を表2に、消臭性加工布の体臭消臭性能評価を実施した結果を表3に記載した。
実施例1の消臭剤組成物を実施例2の消臭剤組成物に代えた以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2及び3に記載した。
実施例1の消臭剤組成物を比較例3の消臭剤組成物に代えた以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2及び3に記載した。
実施例1の消臭剤組成物を比較例4の活性炭に代えた以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2に記載した。
消臭剤組成物を用いなかった以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2及び3に記載した。
Claims (4)
- アミノグアニジン塩酸塩が下記式(1)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されているガス吸着剤を含有し、
前記ガス吸着剤の水分が0.6〜10質量%であることを特徴とする体臭用消臭剤組成物。
xNa2O・Al2O3・ySiO2・nH2O (1)
[式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。] - 上記非晶質ケイ酸アルミニウムのBET比表面積が200m2/g以上である請求項1に記載の体臭用消臭剤組成物。
- 上記アミノグアニジン塩酸塩と非晶質ケイ酸アルミニウムの質量配合比率が、5:95〜60:40である請求項1又は2に記載の体臭用消臭剤組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の体臭用消臭剤組成物を含有することを特徴とする消臭性加工品。
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