JP2017000567A - 体臭用消臭剤組成物、及びそれを用いた消臭性加工品 - Google Patents

体臭用消臭剤組成物、及びそれを用いた消臭性加工品 Download PDF

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Abstract

【課題】ジケトンの化学吸着性能が高く、加工性や耐熱性に優れる体臭用消臭剤、及びそれを用いた消臭性加工品を提供する。
【解決手段】アミノグアニジン塩酸塩が下記式(1)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されているガス吸着剤を含有し、
前記ガス吸着剤の水分が0.6〜10質量%であることを特徴とする体臭用消臭剤組成物。
xNa2O・Al23・ySiO2・nH2O (1)
[式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、体臭用消臭剤組成物、及びそれを用いた消臭性加工品に関する。
近年、日常生活において臭気に対する関心が高まっており、不快臭又は悪臭を低減するために、室内置き型やスプレータイプの消臭性加工品が製品化されている。また、壁紙、カーテン、カーペット、マット、ソファ、フィルター、又は衣類等に消臭効果を付与した様々な物も製品化されている。これらの消臭性加工品には、不快臭又は悪臭の種類によって、特定の消臭剤が用いられている。不快臭の1種であるジケトンは、汗臭、生理臭、口臭、腋臭又は頭臭等の体臭に含まれている臭い成分である。特にジアセチル、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオンなどはミドル脂臭として低減が求められている体臭成分である。
これらの臭い成分を低減するための吸着剤としては、従来から活性炭が多用されてきたが、活性炭は色調が黒色であることや、物理吸着性しか発揮しないことから、様々な用途において汎用的吸着剤としての使用は困難である。物理吸着の欠点は、ガス成分は何でも吸着することから、開放空間では悪臭以外のガスを吸着し続けることで直ぐに飽和してしまうことである。更に、吸着量が飽和したり環境温度が上がったりすると、一旦吸着したガスを放出するために悪臭源にもなることがあり、取り替えられる製品にしか使用することができない。そこで、ジケトンに対して化学吸着性を有する様々な吸着剤が開発されている。
例えば、特許文献1にはアスコルビン酸脂肪酸エステル化合物を含有してなる体臭抑制剤が記載されている。また、特許文献2には、植物抽出物を含む生理臭消臭用組成物が記載されている。特許文献3には、酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素および合成酵素からなる群から選ばれる少なくとも2種の酵素(複合酵素)を担持した担体を含む消臭剤が記載されている。更に、特許文献4には、活性炭をイオン交換樹脂で被覆してなる脱臭剤が開示されている。
特開2014−55124号公報 特開2001−198200号公報 特開2005−246374号公報 特開2011−254853号公報
しかしながら、特許文献1〜4に開示された消臭剤は、ジケトンの消臭効果が不十分であり、色調及び耐熱性に関しても問題がある。一般に、十分な消臭効果を得るためには、消臭剤を多量に使用する必要があるが、これらの消臭剤は色調が濃く、耐熱性にも劣るため、多量に使用すると着色や変色が生じ、加工不良となる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ジケトンの化学吸着性能が高く、加工性や耐熱性に優れる体臭用消臭剤組成物、及びそれを用いた消臭性加工品を提供することである。
本発明者が鋭意検討した結果、アミノグアニジン塩酸塩が特定の非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されたガス吸着剤を含有し、当該ガス吸着剤の水分量が所定の範囲である消臭剤組成物が、ジケトンの消臭剤として優れた性能を有することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は次の通りである。
1.アミノグアニジン塩酸塩が下記式(1)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されているガス吸着剤を含有し、
前記ガス吸着剤の水分が0.6〜10質量%であることを特徴とする体臭用消臭剤組成物。
xNa2O・Al23・ySiO2・nH2O (1)
[式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。]
2.上記非晶質ケイ酸アルミニウムのBET比表面積が200m2/g以上である上記1に記載の体臭用消臭剤組成物。
3.上記アミノグアニジン塩酸塩と非晶質ケイ酸アルミニウムの質量配合比率が、5:95〜60:40である上記1又は2に記載の体臭用消臭剤組成物。
4.上記1〜3のいずれかに記載の体臭用消臭剤組成物を含有することを特徴とする消臭性加工品。
本発明に係る体臭用消臭剤組成物は、化学吸着によりジケトンを吸着し、体臭に対して優れた消臭効果を発現する。また、本発明の体臭用消臭剤組成物の色調は白色又は淡色であることから、紙、繊維又は樹脂成形品などに塗布又は練り込み加工が可能であり、加工性及び耐熱性に優れている。当該消臭剤組成物を用いて、優れた吸着性能を発揮する紙、不織布、繊維、及び樹脂成形品などの消臭性加工品を提供することができる。
本発明の実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない%は質量%であり、部は質量部を示す。
消臭する対象は、ジケトンを含む体臭である。ジケトンとしては、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、及び2,3−ヘキサンジオンなどが例示できる。ジケトン化合物のなかでは、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭に対する影響が大きいことから、ジアセチルが最も対象となる臭気成分である。
本発明の体臭用消臭剤組成物(以下、単に「消臭剤組成物」ともいう)は、アミノグアニジン塩酸塩が、特定の非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されているガス吸着剤を含有し、前記ガス吸着剤の水分が0.6〜10質量%であることを特徴とする。
本発明で用いるアミノグアニジン塩酸塩としては、アミノグアニジン塩酸塩、ジアミノグアンニジン塩酸塩、及びトリアミノグアニジン塩酸塩などが例示できる。これらは単独又は混合して用いることができる。当該アミノグアニジン塩酸塩としては、安全性や入手のし易さなどを考慮するとアミノグアニジン塩酸塩が好ましい。アミノグアニジン塩酸塩の純度は高いほどよく、90%以上であることが好ましい。アミノグアニジン塩酸塩は吸湿性があり、容易に水に溶解した溶液状とすることができるが、消臭剤として用いる場合は、効率的にジケトンを吸着させることができるため、固形物であることが好ましい。
本発明に係る体臭用消臭剤組成物を構成するガス吸着剤は、上記アミノグアニジン塩酸塩が特定の非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されている化合物である。アミノグアニジン塩酸塩が非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されていることにより、高温下においてもジケトンの消臭性能が高い。前記特定の非晶質ケイ酸アルミニウムとは、下記式(1)で表される化合物である。
xNa2O・Al23・ySiO2・nH2O (1)
[式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。]
xの好ましい範囲は、0.1〜0.4である。xの値が0.1未満の場合は、ジケトンの化学吸着性が低下する。一方、0.5より大きくても化学吸着性が低下し、樹脂に配合した時に黄変などの不具合を生じやすい。
yの好ましい範囲は、7〜12である。yの値が5未満、又は15を超えると化学吸着性能が低下する。
nの好ましい範囲は、0.5〜7である。nの値が0.5未満の場合は、安定に製造することはできない。一方、10を超えるものは消臭性能が低下するうえ、樹脂に配合した時に黄変などの不具合を生じやすい。
上記非晶質ケイ酸アルミニウムは、BET比表面積で200m2/g以上であることが好ましく、400〜700m2/gであることがより好ましい。更に、5質量%の非晶質ケイ酸アルミニウムを精製水に分散させた時のpHが2.0〜8.0であることが好ましく、3.0〜7.5であることがより好ましく、3.5〜7.0であることが更に好ましい。5質量%の非晶質ケイ酸アルミニウムを精製水に分散させた時のpHが2.0〜8.0の範囲内であれば、ジケトン消臭性能がより発現しやすくなる。
上記非晶質ケイ酸アルミニウムは、例えば以下のような手段によって合成することができる。アルミニウム塩の水溶液と、ケイ酸アルカリ金属塩の水溶液とを混合し、室温及び大気圧条件下で必要に応じて酸もしくはアルカリを加えて、pH約3〜約7の条件に維持して共沈せしめ、これを、例えば約40℃〜約100℃程度において熟成し、もしくは熟成せずに共沈物を水洗、脱水、及び乾燥することにより合成することができる。
ケイ酸アルミニウムの合成におけるアルミニウムの水溶性塩とケイ酸アルカリ金属塩との使用量は、SiO2/Al23のモル比が6以上、例えば6〜50の範囲、より好ましくは8〜15の範囲となるように選択することができる。
また、他の合成手段としては、例えば、シリカゾルに、アルミニウムの水溶液を加え、次いで、酸又はアルカリにより、系のpHを約3〜7に維持して、十分に均一に混合し、更に、例えば約40℃〜約100℃程度に加温して、熟成し、その後、水洗、脱水、及び乾燥することにより、合成することができる。ここで、前記熟成工程は、必ずしも必要ではない。また、シリカゾルとアルミニウムの水溶性塩の使用量は、上記SiO2/Al23と同じように選択することができる。
上記アミノグアニジン塩酸塩と非晶質ケイ酸アルミニウムの質量配合比率は、5:95〜60:40であることが好ましく、5:95〜50:50であることがより好ましく、5:95〜40:60であることが更に好ましい。当該質量配合比率が前記範囲内であれば、ジケトンを含む体臭に対してより優れた消臭効果を発現する。
上記ガス吸着剤には、上記アミノグアニジン塩酸塩と混合することができる無機粉体を併用することができる。当該無機粉体としては、上記pHの範囲内であれば成分や形状に限定はなく使用することができる。具体的には、ケイ酸塩化合物、4価金属リン酸塩化合物、シリカゲル、ゼオライト、及び5質量%で精製水に分散させた時のpHを2.0〜8.0の範囲内に調整した無機粉体などを例示することができる。特にケイ酸塩化合物、4価金属リン酸塩化合物、シリカゲル、及びpH調整した雲母などが吸着性能を向上できるため好ましい。この5質量%で精製水に分散させた時のpHを上記の範囲に調整した無機粉体とは、雲母、ハイドロタルサイト、セピオライト、アタパルジャイト、ベントナイト、及びゼオライトY型などが例示できる。このpH調整に用いる酸としては、無機酸であることが好ましく、より好ましくは硫酸又はリン酸である。
上記ケイ酸塩化合物としては、精製水に5質量%で分散させた時のpHが2.0〜8.0であるものが好ましい。具体的には、ケイ酸マグネシウムが好ましく、耐水性が向上することから、非晶質ケイ酸マグネシウムがより好ましい。これらは天然物あるいは合成物のいずれでもよい。ケイ酸マグネシウムは下記式(2)で表されるものである。
MgO・zSiO2・mH2O (2)
但し、式(2)において、zは1以上の正数であり、より好ましくはzが1〜20であり、且つ、mが0.1〜20の正数であり、更に好ましくはzが1〜15であり、且つ、mが0.3〜10であり、特に好ましくはzが3〜15であり、且つ、mが1〜8である。
上記4価金属リン酸塩化合物としては、水に対して不溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩化合物であり、精製水に5質量%で分散させた時のpHが2.0〜7.0であるものが好ましい。具体例としては、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、及びリン酸スズなどが挙げられる。これらの化合物には、α型結晶、β型結晶、γ型結晶、及びナシコン型結晶など、種々の結晶系を有する結晶質のものと非晶質のものがあるが、いずれも使用することができる。中でも、α型結晶質化合物は耐水性を向上できる度合いが高く、また、アミノグアニジン塩と混合した混合物の高温雰囲気下でのジケトンの消臭性能が高く、且つ、アンモニア消臭性も有しているため好ましい。
上記シリカゲルとしては、精製水に5質量%で分散させた時のpHが2.0〜7.0であるものが好ましい。シリカゲルは製造方法により表面積、細孔径を調整した様々な特徴を有するものがあるが、上記pHの範囲以内であれば公知のものはいずれも使用することができる。この製造例としては水ガラスに硫酸を添加して得られたゲルを水洗し、乾燥後粉砕することで得られる。
上記ゼオライトとしては、精製水に5質量%で分散させた時のpHが2.0〜8.0であるものであり、pHが7.0以下であることがより好ましい。当該ゼオライトは、天然物あるいは合成物のいずれでもよい。ゼオライトの構造は多様であるが公知のものはいずれのものも使用することできる。この構造としては、例えば、A型、X型、Y型、α型、β型、及びZSM−5等があるが、分散液のpHが2.0〜8.0の範囲外のものは、この範囲内に調整して使用することもできる。
上記アミノグアニジン塩酸塩と非晶質ケイ酸アルミニウムの混合方法の概略について説明する。非晶質ケイ酸アルミニウム又はこの分散液と、アミノグアニジン塩酸塩又はこの溶液若しくはこの分散液とをよく混合し、その後に加熱乾燥することで得ることができる。また、非晶質ケイ酸アルミニウムを室温から60℃程度で撹拌しながら、これにアミノグアニジン塩酸塩の溶液を滴下あるいは噴霧して添加し、良く混合することにより得ることもできる。前記非晶質ケイ酸アルミニウムの分散液及び前記アミノグアニジン塩酸塩の溶液は、水溶液又はアルコールなどの有機溶媒を用いてもよいが、水溶液であることが好ましい。
ここで、非晶質ケイ酸アルミニウムとアミノグアニジン塩酸塩との混合割合は、非晶質ケイ酸アルミニウム100質量部に対してアミノグアニジン塩酸塩が5〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量部であり、更に好ましくは15〜50質量部である。当該混合割合が前記の範囲内であれば、アミノグアニジン塩酸塩が非晶質ケイ酸アルミニウムに担持され、優れた消臭効果が得られる。
当該混合物は、更に乾燥及び加熱処理を行って水分量を制御する。乾燥温度は60〜140℃であることが好ましく、より好ましくは80〜130℃であり、減圧下で行っても良い。乾燥及び加熱処理温度が高くても低くても消臭性が低下し、乾燥及び加熱処理温度が高い場合は消臭剤組成物及び消臭性加工品の着色も生じやすい。乾燥及び加熱処理工程の処理時間は、乾燥温度、処理量及び装置により最適な時間があるので条件により設定すればよいが、ガス吸着剤の水分は0.6〜10質量%である必要があり、1〜7質量%であることが好ましい。ガス吸着剤の水分が0.6質量%未満であると、消臭剤組成物が着色したり、消臭性能が低下したりする場合がある。一方、水分が10質量%を超えると、体臭用消臭剤組成物を用いて消臭性加工品を製造する際に発泡などの問題が生じる場合がある。
上記ガス吸着剤を作製するために、予め非晶質ケイ酸アルミニウムをフィルター、繊維又は紙などに付着させ、これにアミノグアニジン塩酸塩の溶液を滴下又は噴霧することもできる。
本発明の消臭剤組成物は、高温の雰囲気下でジケトンの消臭性能が高いことも特長のひとつである。本発明の消臭剤組成物は、化学吸着によりジケトンを吸着し、40〜90℃の環境下においても吸着状態を保持することができる。そのため、例えば本発明の消臭剤組成物を含有する繊維や樹脂成型品などを加熱した場合でも、一旦吸着したガスを放出することはない。
本発明の消臭剤組成物は、粉末、顆粒、又は粒状のものを加工することで消臭性加工品として使用することができる。例えば消臭剤組成物の粉末、顆粒、又は粒状品をカートリッジに詰めて消臭性加工品とすることが可能である。また、本発明の消臭剤組成物の水溶液、又は消臭剤組成物の粉末を分散させた液を用いたスプレー状の消臭性加工品とすることも可能である。その他に、本発明の消臭剤組成物を各種製品に含有させて消臭性加工品とすることも可能である。
本発明の消臭剤組成物は、本発明で用いるガス吸着剤以外のジケトン消臭剤と一緒に用いても良い。当該ジケトン消臭剤としては、活性炭、ゼオライト、及び各種植物抽出物などが例示できる。また、本発明の消臭剤組成物は、ジケトン以外の臭気成分の消臭剤と混合したり、それらと併用して使用することもできる。
本発明の消臭剤組成物と混合又は併用するジケトン消臭剤以外の例としては、アンモニア、トリメチルアミンなどの塩基性ガスを吸着するための塩基性ガス消臭剤がある。塩基性ガス消臭剤としては、水に対して不溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩化合物が例示できる。当該4価金属リン酸塩化合物の好ましい具体例として、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、及びリン酸スズなどがある。これらの化合物には、α型結晶、β型結晶、γ型結晶、及びナシコン型結晶など、種々の結晶系を有する結晶質のものと非晶質のものがあるが、ガス吸着性を有するものは、いずれも本発明の消臭剤組成物と混合又は併用することができる。
また、本発明の消臭剤組成物は、硫化水素及びメチルメルカプタンなどの硫黄系ガスを消臭するための硫黄系ガス消臭剤と混合または併用して用いることができる。例えば、本発明の消臭剤組成物は、銅、亜鉛、及びマンガンから選ばれる少なくとも1種以上の金属イオンを担持した4価金属リン酸塩化合物、酸化亜鉛、ケイ酸銅又はケイ酸亜鉛と、混合又は併用することができる。当該4価金属リン酸塩化合物に担持する金属イオンの中でも、特に銅イオンが硫化水素などの消臭効果が高いことから好ましい。
4価金属リン酸塩化合物に金属イオンを担持させるには、4価金属リン酸塩化合物を、金属イオンの塩溶液に接触させ、イオン交換などにより担持させればよい。金属イオンの担持量は、4価金属リン酸塩化合物のイオン交換容量内であれば、100%まで所望により自由に調整することができる。
また、酸化亜鉛、ケイ酸銅及びケイ酸亜鉛については、比表面積の大きいものが、消臭性能が高く好ましい。
また、本発明の消臭剤組成物は、酢酸、イソ吉草酸、及び酪酸などを吸着するための有機酸性ガス消臭剤と混合又は併用して用いることができる。例えば、水和酸化ジルコニウム、又は水和酸化チタンと本発明の消臭剤組成物とを混合することができる。
水和酸化ジルコニウムは、オキシ塩化ジルコニウム水溶液などのジルコニウム含有溶液を、水やアルカリ溶液で加水分解することにより作製することができる。なお、水和酸化ジルコニウムは、オキシ水酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、含水酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウム水和物など、いろいろな名称が使用されるが、水和酸化ジルコニウムと同じ化合物である。
また、本発明の消臭剤組成物に、ケイ酸マグネシウム質粘土を添加することが好ましい。ケイ酸マグネシウム質粘土は、ケイ酸マグネシウムを主成分とする粘土鉱物で、孔径約1nm細孔を有することからガス吸着性能を示す。そのため、ケイ酸マグネシウム質粘土を添加した本発明の消臭剤組成物は、塩基性悪臭ガス、酸性悪臭ガス、含硫黄悪臭ガス、アルデヒド系ガスに対する消臭性能を更に向上させることができる。特に、ケイ酸マグネシウム質粘土を添加することによりタバコ臭の主成分の一つであるピリジン及びニコチンなどに対する吸着性能が向上する。本発明に用いるケイ酸マグネシウム質粘土の具体例として、セピオライト、シロタイル、ラフリナイト、及びアタパルジャイト等が挙げられる。
本発明の消臭剤組成物は、本発明の目的を妨げない範囲で、抗菌剤や殺菌剤をさらに含有していてもよい。ジケトンは、汗中に含まれる成分が皮脂、垢などとともに皮膚常在微生物によって分解されることにより生成される。そのため、抗菌剤や殺菌剤の併用はジケトンの発生量を低減することで消臭効果を持続させることに有用な場合がある。抗菌剤や殺菌剤には、イソプロピルメチルフェノール(表示名称:シメン−5−オール)、塩化ベンザルコニウム(表示名称:ベンザルコニウムクロリド)、塩化ベンゼトニウム(表示名称:ベンゼトニウムクロリド)、塩酸クロルヘキシジン(表示名称:クロルヘキシジン2HCl)、グルコン酸クロルヘキシジン(表示名称:グルコン酸クロルヘキシジン)、クロルキシレノール(表示名称:クロルキシレノール)、クロルフェネシン(表示名称:クロルフェネシン)、サリチル酸(表示名称:サリチル酸)、サリチル酸ナトリウム(表示名称:サリチル酸Na)、トリクロロカルバニリド(TCC)(表示名称:トリクロカルバン)、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(表示名称:トリクロサン)、フェノール(表示名称:フェノール)などが例示できる。
上述した本発明の消臭剤組成物は、いずれも通常粉体状で得られ、好ましい平均粒径は0.01〜50μmであり、より好ましくは0.02〜20μmである。平均粒径が0.01〜50μmの範囲内であれば、再凝集することなく、取り扱いが容易である。また、繊維などに後加工する場合に、バインダーなどの表面処理剤に均一に分散することができる。更に、成形用樹脂に消臭剤組成物を添加する場合でも、分散性が良好で、成形機のフィルターが目詰まりを起こすこともない。
また、使用目的により本発明の消臭剤組成物を粒状化してもよい。この場合、消臭剤を1成分ごとに粒状化しても、あるいは、消臭剤組成物を粒状化しても構わない。粒状体の製造方法は、通常粉体を粒状化する方法はいずれも用いることができる。例えば、アルミナゾル、粘土などをバインダーとして用い、粒状体とする方法がある。粒径は粒状体の硬さや、密度、粉砕強度のなどにより様々に調整することができるが、取り扱いのし易さから0.1〜3mmとすることが好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、分散媒に分散させて消臭剤分散液としても良い。当該消臭剤分散液は、予めアミノグアニジン塩酸塩を非晶質ケイ酸アルミニウムに担持させた消臭剤組成物を分散媒に分散させても良いし、アミノグアニジン塩酸塩及び非晶質ケイ酸アルミニウムをそれぞれ分散させて調製することもできる。例えば、当該分散液の製造方法は、水などの分散媒にアミノグアニジン塩酸塩、非晶質ケイ酸アルミニウム、並びに必要に応じて分散剤、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、及び粘度調整剤等を添加し、サンドミル、ディスパー、又はボールミルなどにより撹拌し分散させればよい。
当該分散媒は、水溶性及び親水性を有するものであれば制限なく用いることができる。具体的には、プロトン性溶媒としては水、及びアルコールが挙げられる。また、非プロトン性溶媒としてはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、テトラヒドロフラン、及びアセトンなどが挙げられる。これらを単独で用いても複数混合させても良い。当該分散媒としては、水及び/又はアルコールが好ましく、より好ましくは水である。
上記分散液の製造に使用する分散剤は特に制限されないが、アルケニルコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ジアルキルスルホサクシネート塩、アルキルリン酸エステル塩、リン酸エステル系共重合体、及びポリカルボン酸型高分子界面活性剤などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、及び有機変性オルガノポリシロキサンなどのノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、及び第四アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、アルキルベタイン,及びアミドベタインなどのベタイン型両性界面活性剤、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、及びトリエタノ−ネアミンなどのポリアミンなどが例示できる。
上記分散剤の中でも、酸性官能基を有する分散剤が好ましい。この分散剤は、界面活性効果を有しても良い。また、分散剤は複数使用してもよく、本発明の消臭剤組成物を分散媒に分散できるものであれば限定するものではない。酸性官能基を有する分散剤に、非イオン形の分散剤を使用しても良い。
更に分散剤は、酸性官能基を含む共重合体を含むものがより好ましい。当該共重合体の基本骨格はエステル連鎖、ビニル連鎖、アクリル連鎖、エーテル連鎖及びウレタン連鎖等で構成されているものが例示でき、これら分子中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。これらの中でもアクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアルキド樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂及びポリエステル樹脂が好適である。当該酸性官能基としては、カルボキシル基、スルホン基及びリン酸基などが例示され、これらの中でもリン酸基が好ましい。
上記酸性官能基を有する分散剤の酸価は、5〜150mgKOH/gであることが好ましく、30〜130mgKOH/gがより好ましい。分散剤の酸価が5〜150mgKOH/gの範囲内であれば、分散剤がガス吸着剤粒子の表面によく吸着し、優れた分散安定性が得られる。当該酸性官能基は、樹脂の分子中に全くランダムに配置されていてもよいが、ブロック又はグラフト構造により、酸性官能基が分子中の末端部分に配置されているものが好ましい。ガス吸着剤粒子が吸着したときに、溶媒和によるガス吸着剤粒子の分散安定化構造をとり易いためである。カウンターカチオンとしては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩などが例示でき、特にアルキルアンモニウム塩が好適である。
上記酸性官能基を有する分散剤の好ましい質量平均分子量は800〜100,000の範囲で、より好ましくは800〜10,000である。質量平均分子量が800〜100,000の範囲内であれば、良好な分散効果が得られ、分散液の凝集や粘度の上昇が生じることはない。
消臭剤分散液における分散剤の添加量は、非晶質ケイ酸アルミニウム100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜12質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。当該分散剤の添加量が0.1〜15質量部の範囲内であれば、ガス吸着剤が分散液によく分散し、かつ、消臭性能が低下することもない。
酸性官能基を有する分散剤の具体例として、BYK−Chemie社製のDisperbyk−110、170、180及び190(商品名)、SERVODELDEN BV社製のSER−AD FA192(商品名)、ゼネカ カラーズ製のソルスパース3000、9000、13240、13940、17000、17240、17940、21000、24000、26000及び27000(商品名)、共栄社化学株式会社製のフローレンG−700(商品名)、並びに味の素株式会社製のアジスパーPA111(商品名)などを挙げることができる。
上記消泡剤としては、破泡性、抑泡性、又は脱泡性のものがあるが、いずれのものを用いてもよい。破泡性の例としては、ポリシロキサン溶液をあげることができる。
また、上記粘度調整剤としては、分散液の粘度を調整できるものであれば、いずれのものも用いることができる。例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤、アラビアガム、トランガンガム、及びグアーガム等の天然多糖類、各種ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンオキシド、及びポリビニルアルコールなどがある。
消臭剤分散液における消臭剤組成物の固形分は、1〜60質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜25質量%が更に好ましい。当該固形分が1〜60質量%の範囲内であれば、分散安定性がよく、製造面において好ましい。また、得られた消臭剤分散液のハンドリング性もよい。
上記の消臭剤分散液には、アクリル系やウレタン系などの繊維、不織布、又はシート等の表面処理に通常使用されているバインダー樹脂を混合することもできる。バインダー樹脂を混合する場合は、バインダー樹脂と分散液中の消臭剤組成物の固形分との合計が、分散液に対し5〜50質量%であることが好ましい。
また、当該分散液における消臭剤組成物の固形分とバインダー樹脂との混合比は、消臭剤固形分100質量部に対し、バインダー樹脂固形分が10〜300質量部であることが好ましい バインダー樹脂固形分が前記範囲内であれば、繊維、不織布又はシート等に消臭剤分散液を展着させる場合に、十分な固着力が得られ、消臭剤組成物が脱落することはない。また、消臭剤組成物がバインダー樹脂で覆われて消臭性能が低下することもない。
本発明の消臭剤組成物は、各種樹脂材料と混合し練り込み加工したり、塗工液等に配合し後加工で付着させることで消臭性加工品を得ることができる。消臭性加工品には、消臭性繊維、消臭性塗料、消臭性シート及び消臭性樹脂成形品などが例示できる。
本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性繊維としては、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性繊維は、衣類、肌着、ストッキング、靴下、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、ソファ、カバー、シート、カーシート、カーマット、及びエアーフィルターを始めとして、多くの繊維製品に使用できる。また、本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性塗料としては、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性塗料は、建物の内壁、外壁、及び鉄道車両の内壁などで使用できる。更に、本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性シートとしては、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性シートは、包装紙、紙製衣料、空気清浄フィルター、壁紙、ティッシュペーパー、不織布、紙、フィルター、及びフィルムなどで使用できる。また、本発明の消臭剤組成物を含有する消臭性樹脂成形品も、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能である。例えば、当該消臭性樹脂成形品は、空気清浄器及び冷蔵庫などの家電製品、ゴミ箱及び水切りなどの一般家庭用品、ポータブルトイレなどの各種介護用品、並びに日常品などで使用できる。
本発明の消臭剤組成物は、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、及び2,3−ヘキサンジオンなどのジケトンを含む体臭に対して消臭効果を有する。本発明の消臭剤の適用箇所としては、例えば、腋窩部、体幹部、足裏、頭部などの皮膚の部分、前記体臭が付着することがある箇所などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の消臭剤組成物は、ジケトン化合物に起因する体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭を効果的に抑制することができることから、例えば、皮膚または頭部に用いられる、化粧料、医薬部外品、医薬品などに配合して用いることができる。
かかる化粧料、医薬部外品、医薬品などの剤形は、当該外用剤の用途などに応じて適宜選択することができる。前記化粧料、医薬部外品、医薬品などの剤形としては、例えば、エアゾール剤、ロールオン、スティック、洗浄料、クリーム、シート剤、ローション、乳液、ジェル、及び粉剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の消臭剤組成物が配合された化粧料、医薬部外品、医薬品としては、例えば、デオドラント剤(例えば、デオドラントローション、デオドラントジェル、デオドラントスプレー、デオドラントロールオン、デオドラントペーパー、デオドラントスティックなど)、ボディーローション、化粧水、乳液、スキンケアクリーム、トニック、スティック化粧料、リップクリーム、ボディー用洗浄料(例えば、ボディーシャンプー、固形石鹸など)、シート化粧料(例えば、拭き取り用シート、シートパック剤など)、洗髪用化粧料(例えば、シャンプー、リンスなど)、及び貼付剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の消臭剤組成物を前記化粧料、医薬部外品、医薬品などに配合して用いる場合には、化粧料、医薬部外品、医薬品に通常用いられる原料、例えば、油、界面活性剤、アルコール、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、増粘剤、及び香料などの成分を前記化粧料、医薬部外品、医薬品などに添加して用いることができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するが、これに限定されるものではない。なお、%は質量%である。
1.評価方法
(1)メジアン粒径(d50)
レーザー回折粒度分布計で測定し、結果を体積基準で解析した。なお、粒度分布の含有率%は、この解析方法から全粒子中の体積%であるが、測定粉末の密度が一定であるので、質量%と同じ意味を持つ。測定は、マルバーン社製レーザー回折式粒度分布測定装置「MS2000」(型式名)を使用した。
(2)BET比表面積
JIS Z8830「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」(2001年改正版)により、堀場製作所製 連続流動式表面積計「SA−6200」(型式名)を用いて測定した。
(3)ガス吸着剤の水分
カールフィッシャー法により、ガス吸着剤の水分量を測定した。
(4)消臭剤組成物の消臭容量
消臭剤組成物の粉末0.01gをビニルアルコール系ポリマーフィルム製の5L試験袋に入れ、ここに気化させたジアセチル(初期濃度300ppm)3Lを注入し、室温で1時間後の試験袋中の残存ガス濃度をガス検知管で測定した。消臭容量は、試料1g当たりの消臭したガス容量で示した。
(5)消臭性加工布の消臭性能
10cm×10cm生地をビニルアルコール系ポリマーフィルム製の5L試験袋に入れ、ここに気化させたジアセチル(初期濃度100ppm)3Lを注入し、室温で2時間後の試験袋中の残存ガス濃度をガス検知管で測定した。生地を使用しなかった同様の試験でのジアセチル濃度と比較した消臭率(%)で示した。
(6)消臭性加工布の体臭消臭性能
ミドル脂臭または加齢臭が強いと判定された40才以上の男性被験者5名に、消臭性加工布を枕カバーとして1週間使用後、官能評価により下記評価基準に従って生地の臭いの判定をし、その平均値を採用した。
<評価基準>
臭わない ・・・・0 点
かすかに臭う ・・・・1 点
やや臭うが弱い ・・・・2 点
はっきりと臭う ・・・・3 点
非常に強く臭う ・・・・4 点
2.消臭剤組成物の製造及び評価
<実施例1>
アミノグアニジン塩酸塩3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積605m2/g、平均粒径が6μmの非晶質珪酸アルミニウム10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記非晶質珪酸アルミニウムを5質量%で精製水に分散させた時のpHは5.0であった。次いで、120℃で30時間加熱処理して、水分2%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色の消臭剤組成物のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
<実施例2>
アミノグアニジン塩酸塩2.5gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積489m2/g、平均粒径が6μmの非晶質珪酸アルミニウム10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記非晶質珪酸アルミニウムを5質量%で精製水に分散させた時のpHは6.6であった。次いで、130℃で25時間加熱処理して、水分1.5%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
<比較例1>
アミノグアニジン塩酸塩3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積190m2/g、平均粒径が6μmの非晶質珪酸アルミニウム10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記ゼオライトを5質量%で精製水に分散させた時のpHは7.2であった。次いで、100℃で10時間加熱処理して、水分13%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
<比較例2>
アミノグアニジン塩酸塩3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積340m2/g、平均粒径が6μmのY型ゼオライト10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記ゼオライトを5質量%で精製水に分散させた時のpHは9.6であった。次いで、120℃で30時間加熱処理して、水分4%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
<比較例3>
アスコルビン酸脂肪酸エステル3gをイオン交換水10mlに溶解した水溶液を、比表面積189m2/g、平均粒径が12μmのシリカゲル10gに噴霧した後、室温下で10分間混合した。前記シリカゲルを5質量%で精製水に分散させた時のpHは3.0であった。次いで、140℃で25時間加熱処理して、水分4%のガス吸着剤を含む消臭剤組成物を製造した。得られた白色消臭剤のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
<比較例4>
フタムラ化学製社製活性炭「太閤CW350A」(商品名)のジアセチル消臭量を測定し表1に記載した。
Figure 2017000567
実施例は比較例と比較して、ジアセチル消臭容量が大きく消臭性能に優れることを確認した。
3.消臭性加工布の製造及び評価
<実施例3>
実施例1の消臭剤組成物1gをアクリルバインダー5gと混合し、ポリエステル生地に対して消臭剤組成物が3g/m2となるように浸漬加工した後、130℃で2分間乾燥した。得られた消臭性加工布の消臭性能評価を実施した結果を表2に、消臭性加工布の体臭消臭性能評価を実施した結果を表3に記載した。
<実施例4>
実施例1の消臭剤組成物を実施例2の消臭剤組成物に代えた以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2及び3に記載した。
<比較例5>
実施例1の消臭剤組成物を比較例3の消臭剤組成物に代えた以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2及び3に記載した。
<比較例6>
実施例1の消臭剤組成物を比較例4の活性炭に代えた以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2に記載した。
<比較例7>
消臭剤組成物を用いなかった以外は、実施例3と同様の操作により消臭性加工布を作製した。得られた消臭性加工布の消臭性能を評価し、表2及び3に記載した。
Figure 2017000567
Figure 2017000567
実施例は比較例と比較して、ジケトンの消臭効果が高く、体臭の消臭性能に優れることを確認した。
本発明に係る体臭用消臭剤組成物は、ジケトンに対する消臭効果に優れている。また、この消臭剤組成物の色調は白色であり、紙や繊維などの製品に塗布又は練り込み加工が可能であり、様々な消臭性加工品を提供することができる。

Claims (4)

  1. アミノグアニジン塩酸塩が下記式(1)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムに担持されているガス吸着剤を含有し、
    前記ガス吸着剤の水分が0.6〜10質量%であることを特徴とする体臭用消臭剤組成物。
    xNa2O・Al23・ySiO2・nH2O (1)
    [式(1)において、xは0.1〜0.5の正数であり、yは5〜15の正数であり、nは0.5〜10の正数である。]
  2. 上記非晶質ケイ酸アルミニウムのBET比表面積が200m2/g以上である請求項1に記載の体臭用消臭剤組成物。
  3. 上記アミノグアニジン塩酸塩と非晶質ケイ酸アルミニウムの質量配合比率が、5:95〜60:40である請求項1又は2に記載の体臭用消臭剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の体臭用消臭剤組成物を含有することを特徴とする消臭性加工品。
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