塩化工チルの精製方法およびそれを用いるフルォロェタンの製造方 法
技術分野
本発明は塩化工チルの精製方法およびその方法を用いるフルォロ 明
エタンの製造方法に関する。
背景技術 書
塩化ェチル (C H3 C H2 C 1 ) の製造方法としては、 例えば、 ( 1 ) エチルアルコールと塩化亜鉛の混合物に塩化水素を熱時吹き込 む方法や、 ( 2 ) 塩化アルミニウムを触媒と してエチレンに塩化水.. 素を付加する方法 (化学大辞典 1 (共立出版) ) 等が知られている
また、 例えば、 粗塩化工チルの精製方法としては、 粗塩化ェチル を濃硫酸および水で洗浄後、 アルコールに吸収させ、 これを微熱す ると容易に塩化工チルが離脱し、 これを濃硫酸で乾燥して塩化ェチ ルを得る方法 (化学大辞典 1 (共立出版) ) 等が知られている。
得られた塩化工チルは安定性や品質を確保するため、 一般的には 安定剤が添加され、 安定剤が数百質量 p p m程度添加される。 また 、 塩化工チルは水分やアルコールにより加水分解されることが知ら れている。
ところで、 例えば、 塩化工チルを原料と して製造されるフルォロ ェ夕ン (C H3 C H2 F) は、 例えば、 低温用冷媒ゃエッチングガス として注目されている。
フルォロェタンの製造方法としては、 従来より次のような方法が
知られている。
( 1 ) 塩素化フッ素化炭化水素を触媒の存在下、 水素で還元して 製造する方法 (特開平 7 — 1 2 6 1 9 7号) 等、 ( 2 ) エチレンに フッ化水素を付加する方法 (化学大辞典 7 (共立出版) ) 等が知ら れている。 一方 、 塩化ェチルとフッ化水素を気相でフッ素化触媒を 用いるフルォロェ夕ンの製造法に関しては殆ど知られていない 例えば、 上記 ( 1 ) を用いる製造方法は、 原料である塩素化フッ 素化炭化水素と水素の反応による過剰水素化反応や分解反応によ り
、 八イ ドロカ一ボン ( H C ) 類 、 八ィ ドロク ロ口カーボン ( H C C
) 類、 クロロフルォロカーボン ( C F C ) 類、 ハイ ドロク □ □フル ォロカ一ボン ( H C F C ) 類等の飽和化合物や不飽和化合物等の様 々な不純物が生成し、 分離精製が極めて困難である。
上記 ( 2 ) の方法は引火性、 爆発範囲を有するエチレンを原料と するため、 安全性を確保するための設備費が多額になり、 経済的な 問題を有する。
また、 原料として塩化工チルとフッ化水素をフッ素化触媒の存在 下で反応させる方法は、 例えば、 三価の酸化ク Dムを主成分とする 触媒を用いた場合、 脱ハロゲン反応や脱水素反応等によりァセチレ ンゃェチレン等が生成し、 安全性や経済性に問 があり 、 技術的課 題を残している。
前述のごとく、 反応原料の 1 つである塩化ェチル中には分 る酸分発生等を抑えるために安定剤が含まれる。 例えば 、 安定剤と しては、 一卜口基を有する化合物として 、 ニ トロメタン 、 ニ トロェ 夕ン 、 一卜 □ク レゾール、 ニ トロ トルェン 、 二 卜口フエノール等が
、 また水酸基を有する化合物と しては、 フエノ一ル、 ク レゾ一ル、
2 , 6 一ン ―ブチルー p —ク レゾ —ル、 ァミ ノメチルフェノール等 が挙げられ 、 これらの安定剤が含まれない場合は、 塩化ェチルは安
定性に欠け、 分解による酸分の発生等が進行し、 また含有される水 分により加水分解が生じる。
しかしながら、 塩化ェチル中に含まれる安定剤や水分は、 例えば 、 フルォロェタンを製造する際に用いられるフッ素化触媒の活性劣 化の原因となり、 触媒寿命が短くなる等の故に好ましくなく、 安定 剤や水分が含まれないことが望ましい。
そこで、 反応前に安定剤を除去すればよいが、 例えば従来の分別 蒸留等による除去方法では、 操作が煩雑であり、 多額の費用を要す るという問題がある。 発明の開不
本発明は 、 このような背景の下になされたものであつて、 塩化工 チル中に含まれる安定剤や水分を除去することができ 、 操作が容易 で工業的に実施可能な塩化工チルの精製方法と 、 この精製方法によ り得られた塩化工チルを用いるフルォロエタンの製造方法を提供す ることを課題とする。
本発明者は、 前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、 安定剤 およびノまたは水分を含む粗塩化工チルを平均細孔径が 3〜 1 1 A の範囲であるゼォライ トおよび/または平均細孔径が 3 . 4〜 1 1 Aの範囲である炭素質吸着剤と液相で接触させることにより、 含ま れる安定剤および/または水分を低減することができることを見出 した。 さ らに、 安定剤が低減された塩化工チルをフッ化水素と気相 でフッ素化触媒の存在下に反応させることにより、 効率的な、 かつ 、 触媒寿命を長くする等の利点を有する経済的なフルォロェタンの 製造方法が得られることを見出し、 本発明を完成するに至った。
よって、 本発明は、 例えば、 以下の [ 1 ] 〜 [ 1 4 ] に示される 事項からなる。
C 1 ] 安定剤および zまたは水分を含む粗塩化工チルを平均細孔 径が 3〜 1 1 Aの範囲であるゼォライ トおよび/ "または平均細孔径 が 3. 4〜 1 1 Aの範囲である炭素質吸着剤と液相で接触させ、 粗 塩化ェチル中に含まれる安定剤および/水分を低減させることを特 徴とする塩化工チルの精製方法。
[ 2 ] 前記安定剤がニ トロ基または水酸基を有する化合物である 上記 [ 1 ] に記載の塩化工チルの精製方法。
[ 3 ] 前記ゼォライ トのシリカ アルミニウム ( S i ZA l ) 比 が 2以下である上記 [ 1 ] または [ 2 ] に記載の塩化工チルの精製 方法。
[ 4 ] 前記ゼォライ トが、 モレキュラーシーブス 4 A、 モレキュ ラーシーブス 5 A、 モレキュラーシ一ブス 1 O Aおよびモレキユラ ーシーブス 1 3 Xからなる群より選ばれる少なく とも 1種である上 記 [ 1 ] 〜 [ 3 ] のいずれかに記載の塩化工チルの精製方法。
[ 5 ] 前記炭素質吸着剤が、 モレキュラーシービングカーボン 4 Aおよび またはモレキュラーシービングカーボン 5 Aである上記 [ 1 ] または [ 2 ] に記載の塩化工チルの精製方法。
[ 6 ] 安定剤および Zまたは水分を含む粗塩化工チルを前記ゼォ ライ トおよび または炭素質吸着剤と接触させる温度が一 2 0〜十 6 0での範囲である上記 [ 1 ] 〜 [ 5 ] のいずれかに記載の塩化工 チルの精製方法。
[ 7 ] 安定剤および または水分を含む粗塩化工チルを前記ゼォ ライ トおよび または炭素質吸着剤と接触させる圧力が 0〜 I M P aの範囲である上記 [ 1 ] 〜 [ 6 ] のいずれかに記載の塩化ェチル の精製方法。
[ 8 ] 上記 [ 1 ] 〜 [ 7 ] のいずれかに記載の精製方法により得 られる安定剤および Zまたは水分が低減された塩化工チルを原料と
して用いることを特徴とするフルォロェタンの製造方法。
[ 9 ] 次の 3つの工程を含むことを特徴とするフルォロェタンの 製造方法。
( 1 ) 上記 [ 1 ] 〜 [ 7 ] のいずれかに記載の精製方法により粗 塩化ェチル中の安定剤およびノまたは水分を低減する工程、
( 2 ) ( 1 ) の工程を経た塩化ェチルを、 フッ素化触媒の存在下 に、 気相で 、 フッ化水素と反応させて主としてフルォロェタンを得 る工程、
( 3 ) ( 2 ) で得られたフルォロェ夕ンを含む混合ガスを分離し
、 未反応物の少なく とも一部を反応工程 ( 2 ) に循環する工程。
[ 1 0 ] 記 ( 1 ) の工程を経て塩化ェチル中に含まれる安定剤 の総量が 2 0質量 p p m以下に低減された塩化工チルを用いて工程
( 2 ) を行な Ό上記 [ 9 ] に記載のフルォロェタンの製造方法。
[ 1 1 ] 前記 ( 1 ) の工程を経て塩化ェチル中に含まれる安定剤 の総量が 1 0質量 p p m以下に低減された塩化工チルを用いる上記
[ 1 0 ] に記載のフルォロェ夕ンの製造方法。
、
[ 1 2 ] 記 ( 1 ) の工程を経て塩化ェチル中に含まれる水分が
2 0質量 p P m以下に低減された塩化工チルを用いて工程 ( 2 ) を 行なう上記 [ 9 ] 〜 [ 1 1 ] のいずれかに記載のフルォロェタンの 製造方法。
[ 1 3 ] 前記 ( 2 ) に用いる工程のフッ素化触媒が、 C u、 M n
、 Z ΙΊ 、 P b 、 A g、 B i 、 C o、 F e、 N i および Cからなる群 より選ばれる少なく とも 1種の元素を含み、 反応温度が 1 0 0〜 3 0 0 °Cの範囲である上記 [ 9 ] 〜 [ 1 2 ] のいずれかに記載のフル ォロエタンの製造方法。
[ 1 4 ] 前記 ( 2 ) の工程に用いるフッ素化触媒が活性炭に担持 された担持型触媒である上記 [ 9 ] 〜 [ 1 3 ] のいずれかに記載の
フルォロェ夕ンの製造方法。
本発明によれば、 安定剤および/または水分を含む塩化工チルか ら簡便な方法で効率よく安定剤および水分を除去し、 触媒の劣化等 を防止して、 経済的にフルォロェタンを製造することができ、 得ら れたフルォロェタンは低温用冷媒ゃエッチングガスと して使用する ことができる。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の好ましい態様について詳しく説明する。
前述したように、 塩化工チルの製造方法としては、 例えば、 ( 1 ) エチルアルコールと塩化亜鉛の混合物に塩化水素を熱時吹き込む 方法や、 ( 2 ) 塩化アルミニウムを触媒と してエチレンに塩化水素 を付加する方法等が知られているが、 前述の理由等により数百質量 P p m程度の安定剤が含まれており、 安定剤は微量であっても触媒 活性劣化原因となるため、 フッ素化反応を行なう前にこれをできる 限り低減することが望ましい。
本発明者は、 操作が容易で経済的で工業的に実施可能である塩化 ェチル中に含まれる安定剤を低減する方法を開発すべく鋭意検討し た結果、 安定剤を含む塩化工チルを平均細孔径が 3 〜 1 1 Aである ゼォライ トおよび または平均細孔径が 3 . 4〜 1 1 Aである炭素 質吸着剤と液相で接触させることにより、 安定剤の量を低減するこ とができることを見出した。
本発明の塩化工チルの精製方法に用いられるゼォライ トは、 3 〜 1 1 Aの平均細孔径、 好ましく は 3 . 4 〜 1 0 Aの平均細孔径を有 するものであるのがよい。 平均細孔径が 1 1 Aより大きいゼォライ 卜では、 塩化工チルの吸着量が多くなり、 平均細孔径が 3 Aより小 さいゼォライ トは安定剤を吸着する能力が小さくなり、 好ましくな
い。
また、 ゼォライ トの S i (シリカ) A 1 (アルミニウム) 比は 2以下であることが好ま しく、 S i ZA l 比が 2より大きい場合に は、 安定剤が選択的に吸着されないことがある。 ゼォライ トと して は、 モレキュラーシーブス 4 A (M S— 4 A) 、 モレキュラーシー ブス 5 A (M S— 5 A) 、 モレキュラーシーブス 1 O A (M S— 1 O A) およびモレキュラーシーブス 1 3 X ( S - 1 3 X) からな る群より選ばれる少なく とも 1種であるのが好ましい。 これらのゼ ォライ トを用いることにより、 塩化ェチル中の水分も同時に低減す ることができる。 水分を含有するまま加熱すると加水分解を起こす ため、 水分も低減することが好ましく、 具体的には塩化ェチル中の 水分は 2 0質量 p p m以下が好ましい。
炭素質吸着剤は、 3. 4〜 1 1 Aの平均細孔径を有するものがよ く、 平均細孔径が 1 1 Aより大きい炭素質吸着剤は、 塩化工チルの 吸着量が多くなり、 平均細孔径が 3. 4 Aより小さい炭素質吸着剤 は安定剤を吸着する能力が小さくなり、 好ましくない。 炭素質吸着 剤としては、 モレキュラーシービング力一ボン 4 Aおよび Zまたは モレキュラーシービングカーボン 5 Aが好ましい。
吸着剤の再生を考慮するとゼォライ 卜と炭素質吸着剤はそれぞれ 単独で使用することが好ましいが、 混合して使用することもできる 。 ゼォライ トと炭素質吸着剤を混合する割合は、 特に制限はないが 、 塩化ェチル中の水分をも低減することを考慮すると、 混合比はゼ ォライ 卜に富む比率が好ましい。
安定剤を含む塩化ェチルを、 ゼォライ 卜および または炭素質吸 着剤と液相で接触させる方法としては、 回分式または連続式の公知 の方法を用いることができる。 工業的には吸着剤を固定床にて連続 的に流通させる方法が好ましく、 液体基準の空間速度 (L H S V)
は安定剤の濃度および塩化工チルの処理量により適宣選択できるが
、 通常は 1 〜 8 0 H r — 1 の範囲が好ましい。 また、 塩化工チル中 の安定剤を低減する方法を工業的に実施するためには、 吸着塔を 2 塔設け、 2塔を切り替えて連続的に精製を行なう方法を用いてもよ い。
塩化工チルを液相で精製する際の処理温度としては、 一 2 0〜 + 6 0 °Cの範囲が好ましく、 0〜 5 0 °Cの範囲がより好ましい。 処理 温度が 6 0 °Cより高いと、 装置の加熱や耐圧等の点で設備費が増大 することや分解反応等が起こることがあり、 — 2 0でより低い温度 では、 冷却設備等が必要となることがあり、 好ましくない。 また、 圧力は 0〜 I M P aの範囲が好ましく、 より好ましく は 0〜 0 . 6 M P aの範囲がよい。 圧力が 1 M P aより大きい場合には、 設備の 耐圧等の点で経済的でない。
以上に説明したように、 本発明の精製方法を用いることにより、 塩化ェチル中に含まれる安定剤および Zまたは水分を低減すること ができる。 本発明の精製方法は、 特に、 安定剤がニ トロ基または水 酸基を有する化合物である場合に好ましく用いられ、 ニ トロ基を有 する化合物としては、 ニ トロメタン、 ニ トロェ夕ン、 ニ トロク レゾ —ル、 ニ トロ トルエンおよびニ トロフエノール等が挙げられる。 ま た、 水酸基を有する化合物としては、 フエノール、 ク レゾール、 2 , 6 —ジ一ブチルー p —ク レゾールおよびアミ ノメチルフエノール 等が挙げられる。
安定剤を含む塩化工チルを前記のゼォライ 卜および/または前記 の炭素質吸着剤と液相で、 前記の条件下で接触させ、 安定剤の総量 が 2 0質量 p p m以下に低減された塩化工チルを得ることができる 。 好ましく は、 安定剤の総量が 1 0質量 p p m以下に低減された塩 化工チル、 さ らに安定剤の総量が 5質量 p p m以下に低減された塩
化ェチルを得ることも可能である。
次に、 本発明のフルォロェタンの製造方法について説明する。 本発明のフルォロェタンの製造方法は 、 次の 3つの工程を含むこ とを特徴とする
( 1 ) 前記の精製方法により粗塩化工チル中の安定剤および/ま たは水分を低減する工程、
( 2 ) ( 1 ) の工程を経た塩化ェチルを、 フッ素化触媒の存在下 に 、 気相で、 フッ化水素と反応させて主としてフルォロェタンを得 る工程、
( 3 ) ( 2 ) で得られたフルォロェ夕ンを含む混合ガスを分離し
、 未反応物の少なく とも一部を反応工程 ( 2 ) に循環する工程。
( 1 ) の工程を経て得られた塩化ェチルは、 前記ニ トロ基または 水酸基を有する化合物の総量が 2 0質量 p p m以下に低減された塩 化工チルであることが好ましく、 さ らに好ましく は前記ニ トロ基ま たは水酸基を有する化合物の総量が 1 0質量 p p m以下に低減され ていることがよく、 特に好ましく は前記ニ トロ基または水酸基を有 する化合物の総量が 5質量 p p m以下に低減されていることがよい 。 ニ トロ基および水酸基を有する化合物の総量が 2 0質量 p p m以 下に低減された塩化工チルを原料と してフルォロェタンを製造する と、 製造工程で使用する触媒の長寿命化が図れ、 より効率的かつ経 済的に主と してフルォロェタンを含む混合物を製造することができ る。
製造ェ程で使用する触媒は、 C u 、 M n 、 Z n 、 P b 、 A g 、 B i 、 C o 、 F e 、 N i およびじからなる群より選ばれる少なく とも
1種の元素を含むフッ素化触媒であつて、 これらは担持型触媒また は塊状型触媒であるのが好ましい 例えば、 一般にハロゲン交換反
二
応に用いられる触媒である 価の酸化ク ロムを主成分とする塊状
型触媒や担持型触媒 (例えば、 担体としてアルミナ、 フッ化アルミ 等を用いたもの) を本反応に用いた場合、 前述のごとく脱ハロゲン 反応や脱水素反応等によりアセチレンやエチレンが生成し、 安全性 や経済上の問題があるため、 好ましくない。 本発明では、 特に活性 炭を担体に用いてこれに上記の金属を担持した担持型触媒を用いる のが好ましく、 金属の担持率としては 1 質量%以上が好ましい。 か かる触媒の調製例としては、 通常の方法が適用できるが、 一例を示 すと、 活性炭に塩化コバルト水溶液を含浸したのち、 乾燥し、 不活 性ガス中で熱処理を行なって調製し、 反応を行なう前にフッ化水素 で活性化するのが好ましい。 反応温度は 1 0 0〜 3 5 0 °Cが好まし く 、 1 5 0〜 3 0 0 °Cがより好ましい。 反応温度が 3 5 0 °Cより高 いと副生物であるアセチレン等の生成量が増大することがあり、 1 0 0 °Cより低いと目的とする反応が進行しないことがある。 反応圧 力は 0〜 1 M P aが好ましく 、 I M P a を超えると装置の耐圧等の 設備費増大で経済的でない。 フッ化水素と塩化工チルのモル比 (H F / C H 3 C H 2 C 1 ) は 3〜 2 0が好ましく、 2 0 を超えると循環 フッ化水素が多くなつて経済的でなく、 3未満では触媒寿命が短く なつて経済的でない。
前記の反応工程で得られたフルォロェタンを含む混合物は蒸留精 製工程に導かれ、 蒸留精製工程では主として塩化水素とフルォロェ タンの少なく とも 9 0 %以上が低沸留分と して塔頂から分離され、 主として未反応のフッ化水素と塩化工チルの少なく とも 9 5 %が高 沸留分として塔底から分離される。 塔頂から分離された塩化水素と フルォロェタンは別の蒸留塔にて分離され、 塩化水素は別の用途で 使用され、 目的物のフルォロェタンは精製され、 製品として回収さ れる。 フルォロェタンの精製には、 例えば、 モレキュラーシ一ブス や炭素質吸着剤を用いて水分や微量の有機不純物等を除去する工程
を設けるのが好ましい。 一方、 塔底から分離されたフッ化水素と塩 化工チルの少なく とも一部はそのまま反応工程に循環して再利用す るのが経済的である。
以下、 実施例および比較例により本発明をより詳細に説明するが 、 本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
原料例 1
市販の塩化工チルをガスクロマ トグラフ (カラム : キヤビラリ一 式/ F I D) で分析したところ、 安定剤と してニ トロメタン (C H 3 N 02) が 2 1 2質量 p p m含まれ、 また水分計 (カールフイ シャ 一型) にて水分を分析したところ 5 2質量 p p m含まれており、 塩 化工チルの純度は 9 9. 9 5質量%であった。
原料例 2
市販の塩化工チルを原料例 1 と同様にして分析したところ、 安定 剤としてク レゾールが含まれ、 その含有量は 1 3 8質量 p p mであ り、 また水分が 5 9質量 p p m含まれており、 塩化工チルの純度は 9 9. 9 6質量%であった。
触媒例 1
触媒担体として、 活性炭 (クラレケミカル (株) 製、 クラレコー ル 4 G A) を使用。
塩化第 2鉄 ( F e C l 3 ' 6 H20) 3 2. 0 7 gに純水 2 8. 5 gを加えて、 湯浴上で 5 0〜 6 0 °Cに加熱して溶解し、 溶液を室温 まで冷却した。 これに、 前処理として 1 2 0 °Cで 3時間真空乾燥処 理を行なった前記の活性炭 5 7. 9 7 gを浸潰して、 活性炭に前記 の溶液を全量吸収させた。 次いで、 濡れた状態の活性炭を 9 0での 湯浴上で乾燥し、 乾固した。 その後、 乾固した触媒を乾燥器中で 1 0 0 °Cで 3時間乾燥した。 次に、 触媒をイ ンコネル製反応器に充填 し、 窒素ガスを流しながら温度を 2 3 0 °Cに保持し、 窒素希釈した
フッ化水素 ( H F ) 気流下で、 次いで 1 0 0 %フッ化水素気流下で フッ素化処理 (触媒の活性化) を行い、 触媒の調製を行った。
触媒例 2
触媒担体と して、 活性炭 (クラレケミカル (株) 製、 クラレコー ル 4 G A) を使用。
塩化第 2鉄 ( F e C l 3 * .6 H2〇) 2 4. 2 8 gと塩化第 2銅 ( C u C 1 2 ) 8. 1 2 gに純水 2 8. 5 gを加えて、 湯浴上で 5 0 〜 6 0 °Cに加熱して溶解し、 溶液を室温まで冷却した。 これに、 触 媒例 1 に示した前処理を施した活性炭 5 7. 9 7 gを浸潰して、 活 性炭に前記の溶液を全量吸収させた。 次いで、 濡れた状態の活性炭 を 9 0 °Cの湯浴上で乾燥し、 乾固した。 その後、 乾固した触媒を乾 燥器中で 1 0 0 °Cで 3時間乾燥した。 次に、 触媒をイ ンコネル製反 応器に充填し、 触媒例 1 と同一の条件および操作で触媒の活性化を 行い、 触媒の調製を行った。
実施例 1
内容積 2 0 0 m l のステンレス製シリ ンダーに、 ゼォライ ト [モ レキユラーシーブス 5 A (ユニオン昭和 (株) 製 : 平均細孔径 4. 2人、 S i ZA 1 比 = 1 ) ] を 3 0 g充填し、 真空乾燥後、 シリ ン ダーを冷却しながら、 原料例 1 に示した塩化工チルを 1 0 0 g充填 し、 温度を 2 3 °C (室温) に保ちながら時々撹拌し、 約 6時間後に 液相の一部を採取し、 前記のガスク ロマ トグラフィーおよび水分計 にて分析した。
その結果、 塩化ェチル中の安定剤であるニ トロメタンは 2質量 p p mに低減され、 また含まれる水分は 2質量 p p m以下であること が認められた。
実施例 2
内容積 2 0 0 m l のステンレス製シリ ンダーに、 炭素質吸着剤 [
モレキュラーシービングカーボン 5 A (武田薬品工業 (株) 製 : 平 均細孔径 5 A) ] を 2 0 g充填し、 真空乾燥後、 シリ ンダーを冷却 しながら原料例 2 に示した塩化工チルを 8 0 g充填し、 温度を 2 3 °C (室温) に保ちながら時々撹拌し、 約 5時間後に液相の一部を採 取し、 前記のガスクロマ トグラフィーにて分析した。
その結果、 塩化ェチル中の安定剤であるク レゾールは 3質量 p p mに低減されたことが認められた。
実施例 3
内容積 2 0 0 m l のステンレス製シリ ンダーに、 ゼォライ ト [モ レキユラーシーブス 1 3 X (ユニオン昭和 (株) 製 : 平均細孔径 1 0 人、 S i ZA l 比 = 0. 8 1 ) ] 1 5 g と実施例 2 に記載したモ レキユラーシービングカーボン 5 Aを 1 0 g混合して充填し、 真空 乾燥後、 シリ ンダーを冷却しながら原料例 1 に示した塩化工チルを 1 0 0 g充填し、 温度を 2 4で (室温) に保ちながら時々撹拌し、 約 6時間後に液相の一部を採取し、 前記のガスクロマ トグラフィー にて分析した。
その結果、 塩化ェチル中の安定剤であるニトロメタンは 3質量 p p mに低減されたことが認められた。
比較例 1
吸着剤として炭素質吸着剤 [活性炭 : 粒状白さぎ K L (武田薬品 工業 (株) 製 : 平均細孔径 3 5 A) ] を 2 0 g充填した以外は実施 例 2 と同一の操作および条件で処理し、 分析を行った。
その結果、 塩化ェチル中の安定剤であるク レゾ一ルは 1 2 8質量 p p mであり、 低減効果はほとんど認められなかった。
実施例 4
内容積 2 Lのステンレス製シリ ンダーに前記のモレキュラーシ一 ブス 1 3 Xを 1 . 9 L充填し、 原料例 1 に示した塩化工チルを 2 3
で、 圧力 0. 2 M P aの条件下に液相で 2 L / h rの線速で連続供 給した。 供給開始後、 約 3時間後の出口液中の分析を行ったところ 、 安定剤であるニ トロメタンは 2質量 p p mに低減され、 水分も 2 質量 P P m以下であった。 この出口液を別容器に捕集した。
実施例 5
内径 1イ ンチ、 長さ l mのイ ンコネル 6 0 0型反応器に触媒例 1 で示した触媒 6 0 m l を充填し、 窒素ガスを流しながら温度 1 8 0 °C、 圧力 0. 2 M P aに保持し、 次ぃでH Fを 5 5. 3 8 N L / h rで供給し、 窒素ガスの供給を停止した。 その後、 実施例 4で得ら れた塩化工チルを 4. 6 2 N LZ h rで供給し、 反応を開始した。 反応開始後、 約 6時間後に出口ガス中の酸分をアルカ リ水溶液で洗 浄し、 ガスクロマ トグラフィーにて分析した。 結果を下記に示す。 C H3 C H2 F 1 9. 2 2 4 7 C H≡ C H 0. 0 5 2 6 C H3 C H2 C 1 8 0. 7 1 7 5 その他 0. 0 0 5 2
(単位 : v o 1 % ) その後、 反応を継続し、 約 1 0 0時間後および 2 0 0時間後に前 記と同様に分析したところ、 塩化工チルの転化率、 フルォロェタン の収率、 選択率ともほとんど上記の結果と変わらず、 触媒の劣化は ほとんど認められなかつた。
実施例 6
触媒として触媒例 2で示した触媒 8 0 m l を充填した以外は実施 例 5 と同一の操作および条件で反応を行い、 反応開始後、 約 5時間 後に出口ガスをアルカ リ水溶液で洗浄し、 ガスクロマ トグラフィー にて分析した。 結果を下記に示す。
C H3 C H2 F 1 9. 4 2 6 1 C H≡ C H 0. 0 4 8 7 C H3 C H2 C 1 8 0. 5 1 9 7 その他 0. 0 0 5 5
(単位 : v o 1 % )
比較例 2
内径 1イ ンチ、 長さ l mのイ ンコネル 6 0 0型反応器に触媒例 1 で示した触媒 6 0 m l を充填し、 窒素ガスを流しながら温度 1 8 0 で、 圧力 0. 2 M P aに保持し、 次ぃでH Fを 5 5. 3 8 N L / h rで供給し、 窒素ガスの供給を停止した。 その後、 原料例 1で示し た塩化ェチル (安定剤 : 2 1 2質量 p p m含有) を 4. 6 2 N L / h r で供給し、 反応を開始した。 反応開始後、 約 6時間後に出口ガ スをアルカ リ水溶液で洗浄し、 ガスクロマ トグラフィ一にて分析し た。 結果を下記に示す。
C H3 C H2 F 1 9. 0 8 7 8 C H≡ C H 0. 0 5 4 6 C H3 C H2 C 1 8 0. 8 4 6 8 その他 0. 0 1 0 8
(単位 : v o 1 %) さ らに反応を継続し、 約 1 0 0時間後に前記と同様に分析した。 結果を下記に示す。
C H 3 H 2 F 1 5 7 5 6 8 C H≡ C H 0. 0 4 7 8
C H 3 H 2 C 1 8 4 . 1 7 9 2 その他 0. 0 1 6 2
(単位 : V o 1 % ) 上記の結果から明らかなように、 触媒には安定剤による劣化が認 められる 産業上の利用可能性
本発明は、 高純度のフルォロェタンを経済的に製造し、 得られた フルォロェタンを低温用冷媒ゃエッチングガスとして使用すること を可能にするので、 産業上有用である。