JPH08310980A - フッ素化反応用ハロゲン化炭化水素 - Google Patents

フッ素化反応用ハロゲン化炭化水素

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JPH08310980A
JPH08310980A JP7120234A JP12023495A JPH08310980A JP H08310980 A JPH08310980 A JP H08310980A JP 7120234 A JP7120234 A JP 7120234A JP 12023495 A JP12023495 A JP 12023495A JP H08310980 A JPH08310980 A JP H08310980A
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JP
Japan
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halogenated hydrocarbon
carbon atoms
catalyst
halogenated
raw material
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JP7120234A
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Katsuyuki Tsuji
勝行 辻
Tetsuo Nakajo
哲夫 中條
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ハロゲン化炭化水素をフッ素化してHFCな
どのフッ素を含有するハロゲン化炭化水素を製造する際
に、不純物の含量が少ないハロゲン化炭化水素を原料と
して用いて触媒の劣化を抑制する。また好ましくない不
純物を含有する原料を吸着剤と接触させて簡便に精製す
る。 【構成】 ハロゲン化炭化水素とフッ素化剤とを触媒の
存在下接触させてフッ素化する際に原料として用いる炭
素数が1もしくは2のハロゲン化炭化水素に含有する、
炭素数が3以上のハロゲン化炭化水素の個々の含量が全
ハロゲン化炭化水素の0.001重量%以下であるハロ
ゲン化炭化水素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素化反応の原料とし
て使用するハロゲン化炭化水素に関する。なかでもオゾ
ン層を破壊する恐れの無いハイドロフルオロカーボン
(以下、HFCと略する)を製造する際に原料として用
いるハロゲン化炭化水素であって過度に触媒を劣化させ
る不純物の含有量が少ない、もしくは含まないハロゲン
化炭化水素を開示し、そうした原料を用いて生産性よく
HFCを製造する方法を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】近年オゾン層を破壊する恐れの無い代替
フロンとして注目されている化合物としてはジフルオロ
メタン(HFC−32)、1,1−ジフルオロエタン
(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタ
ン(HFC−143a)、1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(HFC−134a)、ペンタフルオロエタ
ン(HFC−125)などが挙げられる。これらの化合
物は工業的には対応する塩素化炭化水素とフッ化水素
(以下、HFと略する)とを反応させることで製造する
場合が多い。
【0003】すなわち、ジクロロメタンのフッ素化によ
りHFC−32が、モノクロロエチレンもしくはジクロ
ロエタンのフッ素化によりHFC−152aが、ジクロ
ロエチレンもしくはトリクロロエタンのフッ素化により
HFC−143aが、トリクロロエチレンもしくはテト
ラクロロエタンのフッ素化によりHFC−134aが、
テトラクロロエチレンもしくはペンタクロロエタンのフ
ッ素化によりHFC−125が得られる。
【0004】これらの反応は従来から知られているフロ
ンの合成と同様の方法で実施することが可能であり、工
業的には例えば、Cr系のフッ素化触媒を用いて気相
で、あるいはSb系の触媒を用いて液相で行うことがで
きる。目的とする反応の特徴に合った反応方法や反応条
件を選択することで、生産性よく目的化合物を製造する
ことができる。HFCの生産においては気相で製造する
ケースも多く、特に、HFC−134aや125の製造
プロセスにおいては気相で反応する工程を含む場合がほ
とんどである。HFCを気相で製造する場合には従来の
塩素を含んだフルオロカーボン(いわゆるフロンのこ
と、以下、CFCと略す)を製造する場合に較べ触媒の
劣化が速く、触媒の寿命が生産性を大きく左右する。従
って、HFCの製造においては特に、触媒寿命を延長す
ることが生産性の向上をはかる上で重要である。
【0005】触媒の寿命を延長するのに有効な方法とし
ては、まず、触媒自体に劣化しにくい性状を持たせるこ
とが考えられる。こうした思想の触媒改良は従来から盛
んに行われており、特開平2−172932や特開平4
−346943のように様々な触媒が提案されている。
もう1つの有効な手段として使用する原料を厳選する方
法がある。すなわち、触媒を劣化させる要因を極力排除
した原料を使用することで劣化を最小限に留めようとす
るものである。公知の文献には触媒の劣化と原料中の不
純物との関連を取り扱ったものはほとんどなく、たとえ
ば特開平5−148170に原料中に含まれる水分が活
性を低下させるという記述がある程度である。HFCの
主原料である塩素化炭化水素に関しては安定剤として、
製品であるハロゲン化炭化水素に添加した物質が触媒劣
化を引き起こすといった例(特開平5−286875)
はあるが、原料製造の際に副生し、原料製品中に同伴さ
れるハロゲン化炭化水素に関するものはほとんど皆無で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記のよ
うな新しい着眼点から触媒の劣化を防止する方法を検討
し、HFC等を製造する際に触媒を劣化させにくい原料
を発明することを意図した。すなわち、HFCを製造す
る際に用いる主原料であるハロゲン化炭化水素におい
て、触媒を劣化させにくい形態を提供することが本発明
の第1の目的である。さらに、そうした原料を用いてフ
ッ素化反応を行い、触媒を過度に劣化させることなくH
FCを製造する方法を提供することが、本発明の第2の
目的である。第3には、触媒の劣化を促進する不純物を
含有する原料から簡便にそうした望ましくない不純物を
除去する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意検討した結果、特定の不純物の含有量が
少ない、もしくは含まないハロゲン化炭化水素を原料と
して用いると触媒の劣化速度が小さくなることを見い出
し、本発明を完成させるに至った。すなわち、炭素数が
3以上のハロゲン化炭化水素の個々の含量が全ハロゲン
化炭化水素の0.001重量%以下である、炭素数が1
もしくは2のハロゲン化炭化水素を原料として使用すれ
ば、触媒の劣化速度が過度に大きくなく、より長い触媒
寿命が得られる。
【0008】本発明で言う「個々の含量が0.001重
量%以下である」ということは、炭素数が3以上の化合
物の含量がすべて0.001重量%以下であることを意
味する。炭素数3以上のハロゲン化炭化水素の含量は少
なければ少ないほどよく、望ましくは0.0005重量
%以下、さらに望ましくは0.0003重量%以下であ
る。
【0009】炭素数が3以上のHFCの製造においては
主原料もしくは主生成物が炭素数3以上のハロゲン化炭
化水素となるため、本発明はあまり有効でない。本発明
が有効なのは炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化水
素のフッ素化反応においてであり、特には、触媒の劣化
が速い炭素数2の塩素化炭化水素のフッ素化によってH
FCを製造する場合に特に有効である。
【0010】代替フロンとして有望な炭素数が2以下の
HFCとしてはHFC−32、152a、134a、1
25などがあり、それらの製造原料として使用する塩素
化炭化水素としては上述したように、ジクロロメタン、
モノクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1,
2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,
2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロ
エタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタ
クロロエタンなどがある。
【0011】これらの原料塩素化炭化水素について、本
発明は勿論有効であるが、さらに、上記の塩素化炭化水
素からHFCを合成する際の中間生成物であるハイドロ
クロロフルオロカーボン(以下、HCFCと略する)に
ついても本発明は有効である。すなわち、HCFC−3
1、HCFC−151、HCFC−133a、HCFC
−123、HCFC−124などのフッ素を含んだ塩素
化炭化水素をさらにフッ素化する際にも、本発明の如
く、炭素数3以上の不純物量を制限するすることで触媒
寿命を延長することが可能である。また、塩素およびフ
ッ素以外のハロゲン、すなわち、臭素やヨウ素を含んだ
炭化水素についても、本発明は効果的である。これらの
うち、HFC−134aやHFC−125の製造におい
ては他のフッ素化反応に較べて比較的高温で反応を実施
するため触媒の劣化が速く、本発明の効果が特に大きく
現われる。
【0012】炭素数3以上のハロゲン化炭化水素の含量
が多いと触媒の劣化速度が大きくなる理由は必ずしも明
らかではないが、一つの推論として炭素数3以上のハロ
ゲン化炭化水素同士が、もしくは主成分のハロゲン化炭
化水素との間で脱塩酸反応によりカップリングし、コー
キング前駆体が生じて触媒のコーキングを進行させるも
のと考えることもできる。こうした機構で劣化を促進す
る場合には脱塩酸反応を起こし易い物質ほど、含有され
ると望ましくなく、両末端が部分ハロゲン化された炭素
数3の化合物などは最も望ましくない不純物である。
【0013】また、原料とするハロゲン化炭化水素は一
般に蒸留により不純物の濃度を減少させることから、蒸
留で分離しにくい物質ほど不純物として製品中に高濃度
で含有される可能性が高い。従って、炭素数3以上のハ
ロゲン化炭化水素のうち主成分である炭素数が1もしく
は2のハロゲン化炭化水素との間に共沸混合物を形成す
る化合物や以下の式1で表わされる範囲に沸点を有する
化合物などは不純物として含有される可能性が高い。
【0014】式1 b=a±30 a:炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化水素の標準
状態での沸点(単位℃) b:炭素数3以上のハロゲン化炭化水素の標準状態での
沸点(単位℃) 式1中の30という値が小さければ小さいほど主成分で
あるハロゲン化炭化水素に不純物として残留する可能性
は高くなり、b=a±20で表わされる範囲に沸点を有
する化合物はより好ましくなく、b=a±10で表わさ
れる範囲に沸点を有する化合物はさらに好ましくない。
以上のような理由から、望ましくない不純物として、
【0015】 C34-m Clm 、C36-n Cln 、C38-p Clp46-n Cln 、C48-p Clp 、C410-qClq58-p Clp 、C510-qClq 、C512-rClr66-n Cln 、C610-qClq 、C612-rClr 、C614-sCls78-p Clp 、C712-rClr 、C714-sCls 、C716-tClt810-qClq 、C814-sCls 、C816-tClt 、C818ーuClu
【0016】(但し、mは1〜4の自然数を、nは1〜
6の自然数を、pは1〜8の自然数を、qは1〜10の
自然数を、rは1〜12の自然数を、sは1〜14の自
然数を、tは1〜16の自然数を、uは1〜18の自然
数を各々表わす。)といった分子式で表わされる化合物
があげられる。さらに、本発明の効果が大きいトリクロ
ロエチレン、テトラクロロエチレンについて望ましくな
い不純物の例を以下に詳述する。
【0017】まず、トリクロロエチレンの標準沸点は8
6.7℃(以下に示す化合物の沸点も含めてDicti
onary of Organic Compound
s5th ed.から引用した)であるから、含まれ得
る望ましくない不純物としては、 C34 Cl2 、C33 Cl3 、C36 Cl2 、C35 Cl345 Cl、C44 Cl2 、C47 Cl、C46 Cl2 、 C49 Cl、C48 Cl259 Cl、C511Cl
【0018】といった分子式で表わされる化合物を挙げ
ることができる。なかでも、C34Cl2 、C36
Cl2 、C45 Cl、C47 Cl、C49 Cl、
511Clは望ましくない。上記の分子式で表わされ
る化合物からさらに沸点が既知の望ましくない化合物を
構造式で記述すると
【0019】 CCl2 =CHCH3 <76−77℃> CHCl=CClCH3 (E体)<76℃> CHCl=CClCH3 (Z体)<91℃> CH2 =CClCH2 Cl<94℃> CH2 =CHCHCl2 <82℃> CH3 CH2 CHCl2 <88.3℃>
【0020】 CH2 =C=CHCH2 Cl<88℃> CH3 CH=CHCH2 Cl(E体)<85−87℃> CH3 CH=CHCH2 Cl(Z体)<84−85℃> CH3 CH2 CHClCH2 CH3 <95.4℃> CH3 CHClCH(CH32 <90−93℃> < >内は標準沸点 といったものを挙げることができる。
【0021】次に、テトラクロロエチレンについてみる
と、標準沸点は121.20℃であり、含まれ得る望ま
しくない化合物の分子式として以下のようなものがあ
り、 C34 Cl2 、C33 Cl3 、C36 Cl2 、C35 Cl344 Cl2 、C43 Cl3 、C46 Cl2 、C45 Cl3 、 C48 Cl2 、C47 Cl359 Cl、C59 Cl2 、C511Cl、C510Cl2 、 C611Cl、C613Cl C713Cl、C715Cl
【0022】なかでもC34 Cl2 、C36 Cl
2 、C35 Cl3 、C46 Cl2 、C48 Clは
望ましくない。上記の分子式で表わされるもののうち、
さらに望ましくない化合物の構造式としては CHCl=CHCH2 Cl(E体)<112℃> CH2 ClCH2 CH2 Cl<120.4℃> CHCl=CClCH2 CH3 (Z体)<118.5−119℃> CH2 ClCH=CClCH3 (E体)<130−135℃> CH2 ClCH=CClCH3 (Z体)<128−133℃> CH3 CCl=CClCH3 (Z体)<124−127℃> CH3 CH2 CH2 CHCl2 <114−115℃> CH3 CH2 CHClCH2 Cl<125−130℃> CH3 CHClCHClCH3 <113−118℃> CH3 CH2 CH2 CCl2 CH3 <128−129℃> CH3 CH2 CH2 CH2 CHClCH3 <123℃> CH3 CH2 CH2 CHClCH2 CH3 <123℃> < >内は標準沸点 といったものを挙げることができる。
【0023】これら不純物の分析は基本的にはガスクロ
法により行うことができる。ガスクロのカラムとしては
例えば、VOCOL(Supelco社)、AQUAT
IC(GLサイエンス社)やSiliconeDC−5
50等を用いることができるが、主成分の沸点に近い沸
点を有する不純物の定量には別途適切なカラムを用意す
る必要がある場合も多い。
【0024】本発明が有効なハロゲン化炭化水素である
トリクロロエチレンを例に説明すると、上記のカラムで
は主成分のトリクロロエチレン(CHCl=CCl2
と微量成分であるCH2 =CClCH2 Clとを分離す
ることは必ずしも十分ではない。従って、分離が可能な
カラム(この場合はPEG系の充填剤で可能)を探して
使用するか、もしくは、GC−MSで主成分にはなく不
純物に特有のフラグメントピークのm/eでマスフラグ
メントグラフィーを用いて分析することが適切である。
また、検出方法としては本発明の取り扱う0.001重
量%以下の微量領域ではFID(水素炎イオン化検出
器)ECD(電子捕獲型検出器)もしくはMS(質量分
析検出器)が適当である。
【0025】以下に、トリクロロエチレンやテトラクロ
ロエチレンの場合について適切な分析方法の例を示す。 カラム :PEG20M 15% Chromosorb WAW DMCS 80/100 SUS I.D.3mmφ×6m 温度 :120℃恒温 キャリアー:N2 30ml/min 検出器 :FID 注入量 :2μl
【0026】上記の分析条件を中心に温度やカラム長を
若干調整することでほとんどすべての化合物について
0.00005重量%レベルまで定量が可能であるが、
主成分との分離が十分でない化合物についてはGC−M
Sを用いて主成分にはなく不純物に特有のフラグメント
ピークのm/eでマスフラグメントグラフィーを行え
ば、一般には0.0001重量%レベルまでは十分定量
することができる。
【0027】以上述べたようなハロゲン化炭化水素をフ
ッ素化反応用の原料として用いれば、触媒の劣化速度を
抑制し、生産性を上げることができる。つまり、一般に
工業規模でハロゲン化炭化水素のフッ素化を行う場合に
は触媒が劣化して所望の生産量を確保できなくなると、
反応を一旦停止して触媒を交換するか、もしくは再生し
なければならない。従って、触媒の劣化速度が大きいと
生産性が悪く、また、触媒コストや再生のためのコスト
が余計にかかることになる。触媒の劣化速度が大きいこ
とが予想されるプロセスでは反応器を2系列設置して触
媒が劣化した時点で他方に切り換えて運転する等の手段
をとるが、それでも切り換えのための時間のロスや再生
コストのアップは避けられない。以上の理由から触媒の
寿命が長いほど生産性がアップし、また、製造コストも
安価にできる。
【0028】炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化水
素のフッ素化は公知の方法で行うことができる。フッ素
化剤としてはフッ素を含有する他のハロゲン化炭化水素
や、フッ素の無機塩などを用いることもできるが、最も
安価なフッ化水素(以下、HFと略する)を用いること
が望ましい。また、HFCの製造においては触媒の存在
下、100℃以上500℃以下の温度で気相で行うこと
が生産性の観点から望ましい。触媒としては公知のフッ
素化触媒を用いることができるが、クロム系触媒が活性
が高いため望ましい。
【0029】ただし、本発明が有用な範囲としては公知
のフッ素化触媒全般に対してであって、クロム単味の触
媒は勿論、これに2〜11族(新IUPAC命名法)か
ら選ばれる少なくとも1種の金属を添加した触媒や、ア
ルミナ、フッ化アルミおよびこれらに上記の添加物を施
した触媒などのアルミ系触媒や、活性炭に2〜11族
(新IUPAC命名法)から選ばれる少なくとも1種の
金属を担持した触媒を用いる際に有効である。
【0030】反応は固定床、流動床、移動床などの方式
を取り得るが、固定床が一般的である。反応条件は反応
によって適切な条件が変化するが、一般的にはハロゲン
化炭化水素に対するHFのモル比:0.5〜20、温
度:100〜500℃、圧力:大気圧〜20×105
a(ゲージ圧)、空間速度(以下、SVと略する):5
0〜100000h-1である。
【0031】本発明ではさらに、炭素数が3以上のハロ
ゲン化炭化水素の含有量が大きい炭素数が1もしくは2
のハロゲン化炭化水素を、吸着剤と接触させることによ
り炭素数が3以上のハロゲン化炭化水素の含量を減少さ
せて、触媒を過度に劣化させない程度まで、それらの含
量を低下させる方法を提供する。すなわち、吸着処理と
いう使用者サイドで安価に行うことのできる精製法で望
ましくない不純物を低減する方法を提供する。
【0032】該吸着剤としては細孔径が5オングストロ
ーム以上のゼオライトが好ましく、従って細孔を構成す
る酸素環員数が10以上、特に好ましくは12以上であ
るような細孔を有するゼオライトが良い。こうした要件
を満たすゼオライトの例としてフォージャサイト(X、
Y)、L、モルデナイト、オフレタイト、ZSM−1
2,20、βなどがあるが、X型ゼオライトの一種であ
るモレキュラーシーブ10Xや13Xなどは入手が容易
で、かつ有効である。これらのゼオライトの細孔には炭
素数2のハロゲン化炭化水素も入り得るため、吸着剤の
使用開始時には吸着熱による発熱が大きく、初期の接触
方法には注意が必要である。
【0033】ハロゲン化炭化水素の吸着剤との接触は気
相もしくは液相で、回分式もしくは連続式等の公知の方
法で行うことができるが、定常的には液相で連続的に行
うことが望ましい。工業的には、吸着剤を固定床として
ハロゲン化炭化水素を液状で連続的に流通せしめる方法
が有利であり、液体基準の空間速度(LHSV)は不純
物の濃度や吸着剤の性能にもよるが、通常は1〜100
-1の範囲が用いられる。また、吸着塔を2器設け、こ
れを切り換える公知の方法で連続的に精製を行うことが
できる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明をさらに具体
的に説明するが、かかる説明の範囲に本発明は限定され
るものではない。尚、説明中、モル比とはハロゲン化炭
化水素に対するHFのモル比を表わし、SVは標準状態
に換算した値である。
【0035】(原料例1)工業レベルの高純度トリクロ
ロエチレンをGCにより以下の条件で含有するハロゲン
化炭化水素を定量した。結果を表1に示す。 <分析方法> カラム :PEG20M 15% Chromosorb WAW DMCS 80/100 SUS I.D.3mmφ×6m 温度 :120℃恒温 キャリアー:N2 30ml/min 検出器 :FID 注入量 :2μl 上記以外の不純物はGC−MSを用いて各種m/eでマ
スフラグメントグラフィーを実施することにより存否を
確認したが、上記化合物以外の保持時間にピークは検出
されなかった。よって、存在するとしても0.0001
重量%以下である。
【0036】(精製例1および原料例2)モレキュラー
シーブ10X(ユニオン昭和製)100g を充填したガ
ラス製容器を真空にして原料例1のトリクロロエチレン
1kgを入れてから、容器内の気相部にN2 を満たし撹
拌した。1時間後にトリクロロエチレンを全量別の容器
に移し、一部をサンプリングして分析した結果を表1に
示す。
【0037】(精製例2および原料例3)モレキュラー
シーブ13X(ユニオン昭和製)50g を充填したガラ
ス製容器を真空にして原料例1のトリクロロエチレン1
kgを入れてから、容器内の気相部にN2 を満たし撹拌
した。1時間後にトリクロロエチレンを全量別の容器に
移し、一部をサンプリングして分析した結果を表1に示
す。
【0038】(原料例4)原料例1のトリクロロエチレ
ンに1,2−ジクロロプロパンをさらに添加して分析し
た。結果を表1に示す。
【0039】(原料例5)原料例1のトリクロロエチレ
ンに1,1,2−トリクロロエタンとテトラクロロメタ
ンとをさらに添加して分析した。結果を表1に示す。
【0040】(原料例6)原料例1のトリクロロエチレ
ンにテトラクロロエチレンと1,2−ジクロロエタンと
をさらに添加して分析した。原料例1のトリクロロエチ
レンの不純物以外に0.0230重量%のテトラクロロ
エチレンと0.0146重量%の1,2−ジクロロエタ
ンが含まれていた。
【0041】(原料例7)原料例1のトリクロロエチレ
ンに1,2,3−トリクロロプロパンをさらに添加して
分析した。原料例1のトリクロロエチレンの不純物以外
に0.0689重量%の1,2,3−トリクロロプロパ
ンが含まれていた。
【0042】(原料例8)原料例1のトリクロロエチレ
ンに1,2−ジクロロブタンをさらに添加して分析し
た。原料例1のトリクロロエチレンの不純物以外に0.
1032重量%の1,2−ジクロロブタンが含まれてい
た。
【0043】
【表1】
【0044】表中の略号は以下の化合物に対応する 2,3 −C3 ’:2,3−ジクロロプロペン(CH2 =CHClCH2 Cl) 1,2 −C3 :1,2−ジクロロプロパン(CH3 CHClCH2 Cl) 1,1,2 −C2 :1,1,2−トリクロロエタン(CH2 ClCHCl2 ) C1 :テトラクロロメタン(CCl4
【0045】(反応例1) 初期活性評価:水酸化クロムを水素気流中400℃で焼
成して得られた触媒前駆体をインコネル製反応管に充填
しHF気流下350℃、3×105 Pa(ゲージ圧)で
処理して得られたクロム系触媒30mlを用いて、原料
例1のトリクロロエチレンのフッ素化反応を以下の条件
で実施した。尚、安定剤を除去するため、トリクロロエ
チレンはモレキュラーシーブ4Aを充填したカラムを通
して供給した。反応管出口ガスをアルカリおよびトルエ
ンの2相よりなるトラップに吹き込んで酸分を除去し、
トルエンに抽出された成分をガスクロにより分析した。
反応開始5時間後にはトリクロロエチレンの転化率はほ
ぼ90%で安定した。 温度:210℃、圧力:大気圧、モル比:15、SV:
1000h−1
【0046】加速劣化:上記活性評価の後、反応条件を
以下のように変更して8時間その条件で反応を継続した
後、反応を一旦終了した。 温度:320℃、圧力:大気圧、モル比:4、SV:1
000h-1 再活性評価:加速劣化実施後、初期活性評価を行った条
件で再度反応を開始し、転化率が安定するまで反応を行
った。結果を表2に示す。
【0047】(反応例2〜8)加速劣化に原料例2〜8
のトリクロロエチレンを使用する以外は反応例1にした
がって、トリクロロエチレンのフッ素化反応を行い、加
速劣化時に用いる原料を変更した際の触媒劣化程度を測
定した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】 初期転化率との比:再評価時転化率と初期転化率との比
【0049】以上の結果から、炭素数1および2の不純
物は触媒劣化に大きな影響を及ぼさないが、炭素数3以
上の不純物は触媒の劣化を促進することがわかる。
【0050】
【発明の効果】炭素数3以上のハロゲン化炭素の量を低
減した、炭素数1もしくは2のハロゲン化炭化水素をフ
ッ素化反応の原料として用いることが有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 19/043 9546−4H C07C 19/043 19/045 9546−4H 19/045 19/05 9546−4H 19/05 19/055 9546−4H 19/055 21/06 9546−4H 21/06 21/073 9546−4H 21/073 21/08 9546−4H 21/08 21/10 9546−4H 21/10 21/12 9546−4H 21/12 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 63/00 7419−4H 63/00 F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化炭化水素とフッ素化剤とを触
    媒の存在下接触させてフッ素化する際に、原料として用
    いる炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化水素に含有
    する、炭素数が3以上のハロゲン化炭化水素の個々の含
    量が全ハロゲン化炭化水素の0.001重量%以下であ
    ることを特徴とするハロゲン化炭化水素。
  2. 【請求項2】 炭素数が3以上のハロゲン化炭化水素の
    個々の含量が全ハロゲン化炭化水素の0.0003重量
    %以下であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン
    化炭化水素。
  3. 【請求項3】 炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化
    水素がモノクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレ
    ン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、
    テトラクロロエチレン、1,1−ジクロロエタン、1,
    2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、
    1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テト
    ラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン
    およびペンタクロロエタンからなる群から選ばれる少な
    くとも1種である請求項1に記載のハロゲン化炭化水
    素。
  4. 【請求項4】 炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化
    水素に含有する、炭素数3以上のハロゲン化炭化水素が
    式1で表わされる範囲に沸点を有するか、もしくは主成
    分であるハロゲン化炭化水素との間に共沸混合物を形成
    することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化炭化
    水素。 式1 b=a±30 a:炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化水素の標準
    状態での沸点(単位℃) b:炭素数3以上のハロゲン化炭化水素の標準状態での
    沸点(単位℃)
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のハロ
    ゲン化炭化水素とフッ化水素とを触媒の存在下、100
    ℃以上500℃以下の温度で気相にて接触させて、該ハ
    ロゲン化炭化水素をフッ素化することを特徴とするハロ
    ゲン化炭化水素のフッ素化方法。
  6. 【請求項6】 該触媒がクロム系触媒であることを特徴
    とする請求項5記載のハロゲン化炭化水素のフッ素化方
    法。
  7. 【請求項7】 炭素数が3以上のハロゲン化炭化水素を
    含む、炭素数が1もしくは2のハロゲン化炭化水素を吸
    着剤と接触させることにより、炭素数が3以上のハロゲ
    ン化炭化水素の含量を減少させることを特徴とするハロ
    ゲン化炭化水素の精製方法。
  8. 【請求項8】 該吸着剤が細孔直径が5オングストロー
    ム以上のゼオライトである請求項7記載の精製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006030656A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Showa Denko K.K. 塩化エチルの精製方法およびそれを用いるフルオロエタンの製造方法
JP2011508642A (ja) * 2008-01-02 2011-03-17 ツェオシス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ハロゲン化炭化水素の回収方法

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