WO2006003905A1 - 自己修復性材料 - Google Patents

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Takashi Ono
Jean-Marie Lehn
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Mitsui Chemicals, Inc.
Universite Louis Pasteur
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

明 細 書 自己修復性材料 技術分野
本発明は、 自己修復性材料に関し、 より詳細には、 ヒ ドラゾン結合を主鎖また は/および側鎖に有する樹脂を含んで構成される自己修復性材料に関する。 背景技術
重大事故の未然防止や材料寿命の延長、 資源の有効活用などの観点から、 自己 修復性を有する材料の開発が強く望まれている。 これまでに、 モノマー成分を閉 じ込めたマイクロカプセルと触媒を予めマトリックス樹脂中に混在させておき、 クラックが生じた際にマイクロカプセルから修復成分のモノマーが流出し、 触媒 と作用してクラックを埋めて自己修復する樹脂材料 (R. S. Wh i t eら、 N a t u r e 200 1牟 409号、 794ページ参照。)、 加熱により結合が一 度切断され、 冷却により再結合する特徴を持つディールス ·アルダー結合を活用 した自己修復性を有する榭脂材料 (F r e d Wu d l ら、 S c i e n c e 2 002年 295号、 1 6 9 9ページ参照。)、 触媒を混在させることにより自己 修復性を付与させたポリフエ二レンエーテル樹脂 (特開 200 1— 8 1 304号 公報参照。) などが提案されている。 しかし第一の材料の場合、モノマー成分を閉 じ込めたマイクロカプセルをマトリックス樹脂中に混在させるなど製造法が煩雑 であり、 またマイクロカプセルが消費され尽くした段階で、 実質的に自己修復性 は消滅する。また第二の材料の場合、結合を一度切断して再結合させるためには、 望ましくは 1 20°C以上の温度で加熱する必要があり、 少なくとも 90%以上の 結合を再結合するためには 7 5°Cで 3時間加熱する必要がある。 したがって自己 修復の反復性は有限ではないが、 自己修復するためにはある程度の高温に加熱す ることが不可欠であるという課題を有する。 さらに第三の材料の場合、 効果が発 現する樹脂材料としてはポリフエ二レンエーテル樹脂に限定されており、 種々の 樹脂材料に広範に適用できる技術ではない。 一方、 ディールス ·アルダー結合と同様に、 可逆的に解離再結合する特性を有 する共有結合に関する研究も盛んに進められており (J . 一 M. L e h n、 Ch em i s t r y ― A Eu r o p e a n J o u r n a l 1 9 9 9年 5 卷 9号 245 5ページ参照。)、 ヒ ドラゾン結合も可逆的に解離再結合する特 性を有する共有結合であることが知られている。 またこのヒ ドラゾン結合を主鎖 に有するポリマーが報告されており (WO 2004Z003044参照。)、 こ れによるとヒドラゾン結合を主鎖に有するポリマーは、 DMSQ (ジメチルスル ホキシド) などの有機溶媒中において、 ヒ ドラゾン結合が解離再結合することに より、 既に構成されたポリマー中に新たにモノマー成分を導入したり、 入れ替え たりできることが開示されている。 しかし、 これらヒ ドラゾン結合の解離再結合 によるモノマー成分の導入や入れ替えは、有機溶媒中の溶液状態での現象であり、 その濃度も有機溶媒 1 c c当たりポリマー 5〜2 Omgと希薄で、 ポリマー分子 がほぼ全く自由に運動できる状態での現象である。 したがって、 これらは固体状 態の樹脂における現象ではない。
以上のように、 自己修復性に有限性がなく、 加熱などの特定の外的要因を必要 とせず、 常圧、 室温、 空気中でも自己修復性を発揮し、 しかも種々の特性や機能 を任意に織り込むことができる自己修復性を有する材料の開発が望まれてきた。 発明の開示
本発明の目的は、 上記従来技術の問題点に鑑み、 自己修復性に有限性がなく、 加熱などの特定の外的要因を必要とせず、 常圧、 室温、 空気中でも自己修復性を 発揮し、 しかも種々の特性や機能を任意に織り込むことができる自己修復性を有 する材料を提供することにある。
本発明者らは、 前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、 解離再結合 性を有するヒ ドラゾン結合を主鎖または Zおよび側鎖に含有する樹脂が、 固体状 態の樹脂中でありながら、 該ヒ ドラゾン結合の解離再結合によって、 図 1に示さ れるように樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応が、常圧、室温(25°C)、 空気中というたいへん温和な条件でも自発的に進行する性質を有し、 この樹脂を 含んで構成させることにより自己修復性を持つ材料を提供できることを見出し、 本発明を完成した。
すなわち、 本発明の要旨は、 以下のとおりである。
[1] 化学式 (1)
Figure imgf000005_0001
(化学式 (1) において Rは、 水素または炭化水素基である。)
で示されるヒ ドラゾン結合を主鎖または Ζおよぴ側鎖に有する樹脂を含んで構成 される自己修復性材料。
[2] 化学式 (2)
Figure imgf000005_0002
(化学式 (2) において Rは、 水素または炭化水素基である。)
で示されるァシルヒ ドラゾン結合または Ζおよび化学式 (3)
Figure imgf000005_0003
(化学式 (3) において Rは、 水素または炭化水素基である。)
で示されるフエニルヒ ドラゾン結合を主鎖または Ζおよぴ側鎖に有する樹脂を含 んで構成される前記第 1項記載の自己修復性材料。
[ 3 ] 化学式 (3 1)
(31)
一 Y -0
Figure imgf000005_0004
(化学式 (3 1) において Xおよび Yは、 同一でも異なっていてもよく、 炭素数 1から 20のアルキレン鎖、 炭素数 2から 20の一部不飽和結合を有するアルキ レン鎖、 炭素数 1から 20のハロゲン化アルキレン鎖、 繰り返し単位数が 1から 30のエチレンダリコール鎖、 または置換もしくは非置換の芳香族系鎖である。) で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される前記第 2項 記載の自己修復性材料。
化学式 (22)
Figure imgf000006_0001
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される前記第 3項 記載の自己修復性材料。
[ 5 ] 化学式 (23)
Figure imgf000006_0002
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される前記第 3項 記載の自己修復性材料。
[6] 化学式 (24)
Figure imgf000006_0003
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される前記第 3項 記載の自己修復性材料。
[7] 化学式 (25) .
Figure imgf000006_0004
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される前記第 3項 記載の自己修復性材料。
[8] 化学式 (22) 〜 (25) のいずれかで示される繰り返し単位を骨格構造 に有する樹脂から選ばれる 2種以上の樹脂を含有する樹脂混合物を含んで構成さ れる前記第 3項記載の自己修復性材料。
[ 9 ] 沸点が 3 0 0 °C以下の化合物の当該材料中に占める割合が 5 0重量%以下 であり、 実質的に固体状態である前記第 1〜 8項のいずれか 1項に記載の自己修 復性材料。
[ 1 0 ] 酸が含有されていることを特徴とする前記第 1〜7項のいずれか 1項に 記載の自己修復性材料。
本発明の材料は、 化学式 (1 ) で示されるヒ ドラゾン結合を主鎖または Zおよ ぴ側鎖に有する榭脂を含んで構成される自己修復性を有する材料である。 化学式
( 1 ) において Rは、 水素または炭化水素基である。
Figure imgf000007_0001
本発明の材料を構成する樹脂中におけるヒ ドラゾン結合の割合は特に限定され るものではなく、 自己修復性や材料物性、 他の性質 (例えば、 物理的性質、 化学 的性質、 電気的性質) などを勘案して設定することができる。 ただし、 樹脂中に おけるヒドラゾン結合の割合が低減するほど、 一般に自己修復性は低減すること が示唆されるため.留意する必要があり、 化学式 (1 ) で示されるヒ ドラゾンの結 合の樹脂中に占める割合は、 0 . 0 1重量%から 6 0重量%の範囲が好適な例と して挙げることができる。
本発明の材料を構成する樹脂中におけるヒ ドラゾン結合は、 主鎖または Zおよ ぴ側鎖に含有されている。 主鎖とは、 榭脂分子の中で比較的長い分子連結鎖を示 し、 一方側鎖とは、 主鎖から分岐した比較的短い分子連結鎖を示す。 本発明にお いては、 所望の自己修復性を得るために、 ヒ ドラゾン結合は主鎖に含有していて も良く、 また側鎖に含有していても良く、 あるいは両者に含有していても良い。 本発明の材料を構成する樹脂中におけるヒ ドラゾン結合以外の部分は、 本発明の 効果である自己修復性が発現する範疇であれば、 本発明において特に限定される ものではなく、 材料物性や他の性質 (例えば、 物理的性質、 化学的性質、 電気的 性質) などを勘案して任意に設定することができる特徴を有する。 例えば、 フッ 素化炭化水素系を導入した場合には、 疎水性や低誘電性などの性質を樹脂に付与 することが期待でき、 また芳香族系を導入した場合には、 耐熱性や高屈折率性な どを期待できる。 さらには、 水酸基ゃスルホン酸基の導入は樹脂の親水化や水溶 性化など、 またエチレンオキサイド系の導入は、 親水化や柔軟化などが期待でき る。 このように本発明の材料においては、 材料を構成する樹脂中のヒ ドラゾン結 合以外の部分を任意に設定することができ、 それによつて任意の特性や機能を持 たせることができる。 なおこれらは本発明の材料に特性や機能を任意に設計する —例であり、 これらに限定 れるものではない。
ヒドラゾン結合部分を説明する化学式 (1 ) における Rは、 水素または炭化水 素基である。 炭化水素基としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 プチル基 などの炭素数;!〜 4のアルキル基、 フエニル基などのァリール基、 ベンジル基な どのァラルキル基などを好適に挙げることができるが、 これらに限定されるもの ではない。
本発明の材料を構成する榭脂中におけるヒ ドラゾン結合としては、 より好適に は、 化学式 ( 2 ) で示されるァシルヒ ドラゾン結合、 およぴ化学式 ( 3 ) で示さ れるフヱニルヒドラゾン結合を挙げることができるが、 これらに限定されるもの ではない。 ただし、 化学式 (2 ) および化学式 (3 ) において Rは、 水素または 炭化水素基である。 また、 化学式 (3 ) におけるフヱニル基は、 その結合がオル ト位、 メタ位、 パラ位のいずれからも選択することができ、 また本発明の効果を 損なわない範囲であれば、 フエニル基の水素の一部が他の置換基、 例えばフッ素 や塩素、 ァセチル基、 トロ基、 シァノ基などで置換されたものでもよく、 ここ に挙げられたものに限定されるものではない。
Figure imgf000008_0001
本発明の材料を構成する樹脂中におけるヒ ドラゾン結合の製造方法としては、 ヒ ドラゾン結合を既に含有するモノマーを重合する方法、 アルデヒド化合物とヒ ドラジド化合物を用いてヒ ドラゾン結合を作成しながら重合する方法などを挙げ ることができるが、 これらに限定されるものではない。 具体的には、 化学式 (4 ) で示されるジアルデヒ ドとジヒ ドラジドを重縮合する方法、 化学式 (5 ) で示さ れるモノアルデヒ ドモノヒ ドラジド化合物を重縮合する方法、 またアルデヒ ドの 前駆体としてァセタ Dール化合物を用いる方法などを例として挙げることができる。 ジアルデヒ ド化合物 ジヒ ドラジド化合物を重縮合する場合、 ジアルデヒ ド化 合物とジヒ ドラジド化合物の使用モル比によつて樹脂の分子量を制御することが できる。 一般的には、 分子量が高いほど材料の強度などが増大し、 材料としての 全体の機能を高めることができる傾向にある。 このことを勘案すれば、 ジアルデ ヒ ド化合物とジヒ ドラジド化合物の使用モル比 (ジアルデヒ ド化合物 /ジヒ ドラ ジド化合物) は、 0 . 8から 1 . 2 5の範囲で定めることが通常好ましい。
Figure imgf000009_0001
Figure imgf000009_0002
(化学式 (4 ) および (5 ) において Aおよび Dは、
Figure imgf000009_0003
-(CH2)p1— (CH2) Ρ1
-(CH2)p2— Ο— G2— Ο— (CH2)p2 -
などの 2価の有機基を表し、 Bは、
Figure imgf000010_0001
Figure imgf000010_0002
(CH2)q1— μ— (CH2)q1— σ
o
一 (CH2)q2_0— L2— O— (CH2)q2—C- o o
Figure imgf000010_0003
などの 2価の有機基を表す。 )
前記式における Eい E2、 Gい G2、 Jい J 2、. しい L2、 および M2と しては、 炭素数 1から 20のアルキレン鎖、 炭素数 2から 20の一部不飽和結合 を有するアルキレン鎖、 炭素数 1から 20のハロゲン化アルキレン鎖、 繰り返し 単位数が 1から 30のエチレングリコール鎖、 ビスフエノール A型、 レゾルシノ ール型おょぴヒドロキノン型などの芳香族系鎖 (芳香環の水素がハロゲンや炭化 水素などで置換されたものを含む) などを挙げることができる。 また、 p l、 p 2、 q 1および q 2としては、 1から 20の整数を具体例として挙げることがで きる。 また、 R2、 R3、 R4、 R5および R6としては、 メチル基、 ェチル 基、 プロピル基、 プチル基などの炭素数 1〜4のアルキル基、 フエニル基などを 具体例として挙げることができる。 化学式 (4) におけるジアルデヒ ド化合物の具体的な例としては、 化学式 (6) または化学式 (7) に示される芳香族系アルデヒ ド化合物、 化学式 (8) または 化学式 (9) に示される脂肪族系アルデヒ ド化合物を挙げることができる。 また 化学式 (4) におけるジヒ ドラジド化合物の具体的な例としては、 化学式 (1 0) または化学式 (1 1) に示される芳香族系ァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 2) または化学式 (1 3) に示される脂肪族系ァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 ( 14) または化学式 (1 5) に示されるフヱニルヒ ドラジド化合物を挙げるこ とができる。 なお、 化学式 (6) における Eい 化学式 (7) における E2、 化学 式 (8) における Gい 化学式 (9) における G2、 化学式 (1 0) における Jい 化学式 (1 1) における J 2、 化学式 (1 2) における Lい 化学式 (1 3) にお ける L2、 化学式 (14) における Mtおよび化学式 (1 5) における M2として は、 炭素数 1から 20のアルキレン鎖、 炭素数 2から 20の一部不飽和結合を有 するアルキレン鎖、 炭素数 1から 20のハロゲン化アルキレン鎖、 繰り返し単位 数が 1から 30のエチレングリ コール鎖、 ビスフエノール A型、 レゾルシノール 型おょぴヒ ドロキノン型などの芳香族系鎖 (芳香環の水素がハロゲンや炭化水素 などで置換されたものを含む) などを挙げることができる。 また、 化学式 (8) における p 1、 化学式 (9) における p 2、 化学式 (1 2) における q 1および 化学式 (1 3) における q 2としては、 1から 20の整数を具体例として挙げる ことができる。 また、化学式(1 0) における Rいィヒ学式(1 1) における R 2、 化学式 (1 2) における R3、 ィ匕学式 (1 3) における R4、 ィ匕学式 (14) にお ける R5およ-び化学式 (1 5) における R6としては、 メチル基、 ェチル基、 プロ ピル基、 ブチル基などの炭素数 1〜 4のアルキル基、 フエ-ル基などを具体例と して挙げることができる。
Figure imgf000011_0001
Figure imgf000011_0002
Figure imgf000012_0001
(9)
Figure imgf000012_0002
H
Figure imgf000012_0003
H
Figure imgf000012_0004
H2N 2 (12)
Figure imgf000012_0005
H4 4
H 2Nノ N、G― (CH2)q 2—0—し 2-0— (G H 2)q 2— ヽ NH 2 (13)
0 0
Figure imgf000012_0006
(15)
Figure imgf000012_0007
2 本発明の材料を構成する樹脂としては、 好ましくは化学式 (31)
Figure imgf000013_0001
(化学式 (3 1 ) において Xおよび Yは、 同一でも異なっていてもよく、 炭素数 1から 2 0のアルキレン鎖、 炭素数 2から 2 0の一部不飽和結合を有するアルキ レン鎖、 炭素数 1から 2 0のハロゲン化アルキレン鎖、 繰り返し単位数が 1から 3 0のエチレングリコール鎖、 または置換もしくは非置換の芳香族系鎖である。) で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂が挙げられる。 化学式 (3 1 ) において Xまたは Υで表される芳香族系鎖としては、 例えば、 ビスフエノール A 型、 レゾルシノール型おょぴヒ ドロキノン型などが挙げられ、 これらの芳香族系 鎖は、 例えばハロゲン (例えばフッ素、 塩素、 臭素)、 炭化水素基 (例えば、 メチ ル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基などの炭素数 1〜4のアルキル基、 フエ -ル基などのァリール基、ベンジル基などのァラルキル基)、 ァセチル基、 ニトロ 基、 シァノ基、 水酸基、 力ルポキシル基、 スルホン酸基、 リン酸基、 ホスホン酸 基、 ピリジル基、 メ トキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基などの炭素 数 2〜 1 0のアルコキシカルポニル基、 ジメチルアミノ基またはジェチルアミノ 基などの炭素数 2〜1 0のジアルキルアミノ基などから選ばれる少なくとも 1種 以上の置換基で置換されていてもよい。
本発明の材料において、 本発明の効果をより効率的に発現させるために、 酸を 樹脂中に含有させることができる。 酸の種類や量によって本発明の効果の程度を 制御することができ、 これらは特に限定されるものではなく、 目的に適した種類 や量を選択することが望ましい。 酸の種類としては、 酢酸やオクタン酸などの炭 化水素系カルボン酸、 安息香酸やパラトルエンスルホン酸などの芳香族系カルボ ン酸またはスルホン酸、 トリフルォロ酢酸やペンタデカフルォロオクタン酸など のフッ素化炭化水素系カルボン酸等の有機酸や、 塩酸、 硫酸などの無機酸を用い ることができる。また、例えば樹脂の構造中に芳香族スルホン酸を導入するなど、 樹脂自体に酸の機能を持たせる方法を用いることもできる。 樹脂の種類や条件な どによって効果を発現させる効率性は異なるが、 一般的には酸強度が大きいほど 効率が高い傾向にある。 また酸の量としては、 好適な条件の一例として、 ヒ ドラ ゾン結合に 1モル対して、 0 . 0 1ミリモルから 1 0モルの範囲を挙げることが できる。
本発明の材料は、 本発明におけるヒ ドラゾン結合を主鎖または zおよび側鎖に 有する樹脂のみで構成されていても良く、 あるいは本発明におけるヒ ドラゾン結 合を主鎮または/およぴ側鎖に有する樹脂と他の成分で構成された樹脂組成物で あっても良い。 他の成分としては、 例えば他種類の榭脂ゃ無機フィラーなどを一 例として挙げることができる。 本発明の材料における樹脂の割合については、 本 発明の効果が発現する範囲であれば、 特に限定されるものではない。
本発明の材料を構成する樹脂は、 実質的に固体状態でありながら、 ヒ ドラゾン 結合の解離再結合によって、 図 1に示されるように樹脂^子間で交差状に結合が 入れ替わる反応が、 常圧、 室温 (2 5 °C)、 空気中というたいへん温和な条件でも 自発的に進行する。 すなわち、 隣接する樹脂分子間で分子鎖の一部を交差状に常 に交換し合っている。 したがって、 例えば二枚の樹脂フィルムを重ね合わせた場 合に、その界面で隣接する樹脂分子間で分子鎖の一部を交差状に交換する反応が、 常圧、 室温 (2 5 °C)、 空気中でも進行し、 界面において二枚のフィルムを橋渡し するように新たな共有結合が次々と生成し、 いずれは一体化して一つのフィルム へと自発的に変化する。 このように、 本発明の材料中において欠陥や亀裂の原因 となる界面が発生しても、 これらの界面は自発的に消滅して、 均質な一体の材料 となる。 なおこのプロセスは、 樹脂を十分に高温まで加熱して溶融させ、 界面で 樹脂の絡み合いを起こすことにより界面を結合させる場合とは本質的に異なる。 加熱による熱運動によって、 界面の榭脂を完全に絡み合わせることは実質的に困 難であり、 このような方法での一体化では、 界面部分とそれ以外の部分で均質な 材料とは言えない。 一方、 本発明の材料においては、 界面を通して橋渡し状に新 たな共有結合が次々と形成されていき、 このプロセスは界面以外の部分で生じて いるものと同等であり、 全体として均質な方向へと自発的に向かっていく。
本発明の材料を構成する樹脂において、 ヒドラゾン結合の解離再結合によって 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応は、加熱することにより促進される。 促進の程度は樹脂の物性などに影響されるために一概に表現はできないが、 例え ば 8 0 °Cに加熱した場合には、概して 1 0〜1 0 0 0倍程度の促進が期待される。 ヒ ドラゾン結合の解離再結合によって、 図 1に示されるように樹脂分子間で交差 状に結合が入れ替わる反応は、 組成の異なる複数種類の樹脂分子間でも、 あるい は同組成の樹脂分子間でも進行する。 .
本発明の材料は自己修復性を有する材料であるが、 自己融着性も併せ持つ。 す なわち前述のように、 複数の本発明の材料をお互いに接するように配置すること により、 その界面においてお互いを橋渡しするように新たな共有結合が次々と生 成し、 一体化の方向へと向かう。 したがって本発明の材料は、 それ自身が接着剤 的な機能を既に有する材料であるため、 接着剤などの付加的な要素を必要とする ことなく、 複数の材料がその界面において自己融着して一体化する機能を持つ。 本発明の材料を構成する樹脂において、 ヒ ドラゾン結合の解離再結合によって 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応は、 反応によって反応に必須な物質 等が消費されていくタイプではないため、 原理的に無限に進行する特徴を持つ。 本発明の自己修復性材料は、 実質的に固体状態の材料である。 具体的には、 沸 点が 3 0 0 °C以下の化合物が本発明の材料中に占める割合が、 8 0重量%以下、 好ましくは 5 0重量%以下である。 図面の簡単な説明
図 1は、 榭脂分子間で結合が入れ替わる反応の様子を示す模式図である 図 2は、 フィルム (A) の画像を示す図である。
図 3は、 フィルム (B ) の画像を示す図である。
図 4は、 フィルム (F ) の画像を示す図である。
図 5は、 フィルム (F ) の画像を示す図である。
図 6は、 フィルム (G) の画像を示す図である。
図 7は、 フィルム (G ) の画像を示す図である。
図 8は、 フィルム ( I ) の画像を示す図である。
図 9は、 フィルム (K) の画像を示す図である。
図 1 0は、 フィルム (K 2 ) の画像を示す図である。
図 1 1は、 フィルム (A) 〜フィルム (G) の H— NMRプロファイルを示す 図である。
図 1 2は、 フィルム (E) 〜フィルム (J)、 および溶液 (A) の H— NMRプ 口ファイルを示す図である。
図 1 3は、 フィルム (K)、 フィルム (Κ 1 )、 およびフィルム (Κ 2) の Η— NMRプロファイルを示す図で る。
図 1 4は、 フィルム (Μ)、 フィルム (Ν)、 フィルム (ΜΝ 1)、 およびフィル ム (ΜΝ2) の H— NMRプロファイルを示す図である。
図 1 5は、 フィルム (0)、 フィルム (Ρ)、 フィルム (Q)、 フィルム (R)、 フィルム (S)、 フィルム (T)、 およびフィルム (U) の H— NMRプロフアイ ルを示す図である。
図 1 6は、 榭脂ブレンドフィルム (Τ) の画像を示す図である。
図 1 7は、 樹脂ブレンドフィルム (Τ) の画像を示す図である。
図 1 8は、 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (Τ)、 室温で 3日間保持した後の 樹脂ブレンドフィルム (Τ)、室温で 1 0日間保持した後の樹脂プレンドフィルム (Τ)、 室温で 30日間保持した後の榭脂ブレンドフィルム (Τ;)、 一 30°Cで 3 0日間保持した後の樹脂ブレンドフィルム (T)、 およびフィルム (S) の Η— Ν MRプロファイルを示す図である。 本明細書は、 本願の優先権の基礎である特願 2004— 1 9 593 3およぴ特 願 20 04— 36449 3の明細書およびノまたは図面に記載された内容を包含 する。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を実施例により詳細に説明するが、 これらの実施例は本発明の範 囲をこれらに限定するものではない。
本実施例における H _ N M Rの測定は、被検物質を重水素化された D M S O (ジ メチルスルホキシド) に室温において溶解し、 400メガヘルツの分解能を有す る装置を用いて行った。 また、 重水素化 DM S O中における被検物質の濃度は、 重水素化 D'MS O 1ミリリツトル当たり 8〜 1 0ミリグラムとした。 本実施例においては、 H— NMRのスぺクトルによって隣接するモノマーの種 類を同定した。 特にヒドラジド結合の中の炭素原子に結合する水素原子に起因す るシグナルに注目した。 これらのシグナルは、 原理的に隣接するモノマーの種類 によって異なる位置に発現し得る。 本実施例においては、 これらのシグナルはい ずれも 7. 85 p pmから 8. 7 p p mの範囲に発現した。 なお、 ヒ ドラジド結 合のシス . トランス配置により、 一種類の水素原子であっても、 測定温度によつ ては複数に分かれて発現することがある。
本発明における樹脂中のクロ口ホルムの定量は、 H— NMRにより行われた。 また樹脂中の水分の定量は、 カール ·フィッシヤー法により行われた。
本発明における樹脂の分子量は、 ゲル 'パーミエーシヨン 'クロマトグラフィ 一 (GPC) 法により行われた。 分子量はポリスチレン換算の値である。
(合成例 1 )
3 , 6, 9—トリォキサゥンデカンジオイックアシッド( F 1 u k a社) 3 9. 02 gをメタノール 300ミ リ リ ツ トルに溶解させ、 ついで p—トルエンスルホ ン酸 0. 2 gを加えた。 この溶液を 6時間還流させ、 冷却後に減圧下でメタノー ルを除去し、 38. 3 gの透明液を得た。 この液をクロマトグラフィー (固定相 にシリカ、 移動相にジクロロメタンとアセトンの体積比で 20 : 1の混合液) に より精製し、化学式(1 6) で示される化合物を 25. 5 g得た。 この化合物 7. 5 5 gをメタノール 25ミリリツトルに溶解した溶液と、 メタノール 75ミリリ ットルとヒドラジン一水和物 58. 95 gの混合液を用意し、 攪拌状態で後者の 溶液に前者の溶液を滴下しながら室温で加えた。 滴下終了後に一晚攪拌状態で放 置した後、 減圧下でエタノールを除去し、 残った反応液を 1 00ミリリツトルの ジクロロメタンで 4回抽出した。 4回分の抽出液を混合し、 減圧下でジクロロメ タンを除去すると、 オイル状の物質が 9. 43 g得られた。 このオイル状物質を クロマトグラフィー (固定相にシリカ、 移動相にジクロロメタンとメタノールの 体積比で 2 : 1の混合液) により精製し、 化学式 (1 7) で示される白色粉末状 のジァシルヒ ドラジド化合物 5. 28 gを得た。 H3CO ノ OCH3
(16)
o c=
7)
(合成例 2)
t—プチノレヒ ドロキノン (A l d r i c h社) 1 9. 93 g、 メチノレブ口モア セテート (A 1 d r i c h社) 26ミ リ リ ッ トル、 炭酸力リウム 44. 3 g、 ァ セトン 1 50ミリリツトルを混合し、 この懸濁液を 1 2時間還流させた。 冷却後 に濾過し、濾液を減圧下でァセトン除去し、 30. .OCH 6 gの褐色透明オイルを得た。 この液をクロマトグラフィー (固定相にシリカ、 移動相にジクロロメタン) によ り精製し、化学式(1 8) で示される化合物を 20. 5 g得た。 この化合物 1 1. 05 gをメタノール 40ミリ リツトルに溶解した溶液と、 メタノール 1 00ミリ リットルとヒ ドラジン一水和物 57. 4 gの混合液を用意し、 攪拌状態で後者の 溶液に前者の溶液を滴下しながら室温で加えた。 滴下終了後に一晩攪拌状態で放 置した後、 減圧下でエタノールを除去し、 残った反応液を 1 50ミリ リットルの クロ口ホルムで 2回抽出した。 2回分の抽出液を混合し、 減圧下でクロ口ホルム を除去すると、 オイル状の物質が 20 g得られた。 このオイル状物質をクロマト グラフィー (固定相にシリカ、 移動相にクロ口ホルムとメタノールの体積比で 1 0 : 1の混合液) により精製し、 化学式 (1 9) で示される白色粉末状のジァシ ルヒ ドラジド化合物 1 1 gを得た。
3
Figure imgf000018_0001
Figure imgf000019_0001
(合成例 3 )
2—ヒ ドロキシベンズアルデヒ ド (A 1 d r i c h社) 1 4. 8 3 g、 ビス [2 - (2—クロ口エトキシ) ェチル]エーテル (F u 1 k a社) 9. 74 g、 炭酸力 リウム 20. 1 g、 ョゥ化ナトリウム 1. 43 g、 ジメチルホルムァミ ド 6 0ミ リリツトルを混合し、 この懸濁液を 90°Cで 1 1時間反応させた。 冷却後にクロ 口ホルム 300ミリ リツトルに分散させ、 このクロロホルム溶液を純水 300ミ リ リツトルによる洗浄を 5回行った。 洗浄後のクロ口ホルム溶液を硫酸ナトリウ ムで乾燥させ、減圧下でクロ口ホルムを除去し、 1 8. 6 gの褐色透明液を得た。 この液をクロマトグラフィー (固定相にシリカ、 移動相にジクロロメタンとァセ トンの体積比で 20 : 1の混合液) により精製し、 化学式 (20) で示される無 色透明なオイル状のジアルデヒ ド化合物を 9. 6 g得た。
Figure imgf000019_0002
(合成例 4 )
3—ヒ ドロキシベンズァノレデヒ ド (A 1 d r i c h社) 1 2. 2 3 g、 ビス [2 一 (2—クロロェトキシ) ェチル]エーテル (Fu l k a社) 9. 3 7 g、 炭酸力 リウム 1 7. 5 g、 ヨウ化ナトリウム 1. 2 g、 ジメチルホルムアミ ド 60ミリ リットルを混合し、 この懸濁液を 90°Cで 2 1時間反応させた。 冷却後にク口口 ホルム 300ミリ リツトルに分散させ、 このクロ口ホルム溶液を純水 300ミリ リットルによる洗浄を 5回行った。 洗浄後のクロ口ホルム溶液を硫酸ナトリウム で乾燥させ、 減圧下でクロ口ホルムを除去し、 1 7. l gの褐色透明液を得た。 この液をクロマトグラフィー (固定相にシリカ、 移動相にジクロロメタンと酢酸 ェチルの体積比で 3 : 1の混合液) により精製し、 化学式 (2 1) で示される無 色透明なオイル状のジアルデヒ ド化合物を 5. 1 g得た。
Figure imgf000020_0001
(合成例 5 )
化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 146. 5ミ リグラムお よび化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物 1 89. 6ミリグラムをクロ 口ホルム 1 0ミリ リツトルに溶解させ、 均一に攪拌した後に、 内径 50ミリメー トルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流通させながら クロ口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後に 40°C、 1 0ミリバールの 減圧状態に 2時間保持したところ、 化学式 (22) に示される繰り返し単位を持 つ樹脂からなる硬質な透明なフィルム (A) が得られた。 このフィルムの画像を 図 2に示す。 またこのフィルムの H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 1に示 す。 なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ド ラジド化合物おょぴ化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物に起因するシ グナルは検出されなかった。
Figure imgf000020_0002
(合成例 6 )
化学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 1 25ミリグラムおよび 化学式 (2 1) で示されるジアルデヒ ド化合物 200. 9ミリグラムをクロロホ ルム 10ミリリツトルに溶解させ、 均一に攪拌した後に、 内径 50ミリメートル のテフロン製のシャーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流通させながらクロ 口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後に 40°C、 10ミリバールの減圧 状態に 2時間保持したところ、 化学式 (23) に示される繰り返し単位を持つ樹 脂からなる柔軟性のある透明なフィルム (B) が得られた。 このフィルムの画像 を図 3に示す。 またこのフィルムの H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 1に 示す。 なお H— NMRプロファイルから、 ィ匕学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物に起因するシグナルは検出されなかったが、 化学式 (21) で示 されるジアルデヒ ド化合物に起因するシグナルは、 アルデヒ ドを基準として 1モ ル。 /。認められた。
Figure imgf000021_0001
(合成例 7 )
化学式 (17) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 123. 5ミリグラムお よび化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物 1 98ミリグラムをクロロホ ルム 1 0ミリリツトルに溶解させ、 均一に攪拌した後に、 内径 50ミリメートル のテフロン製のシャーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流通させながらクロ 口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後に 40°C、 10ミリバールの減圧 状態に 2時間保持したところ、 化学式 (24) に示される繰り返し単位を持つ榭 脂からなる柔軟性のある透明なフィルム (C) が得られた。 このフィルムの H— NMRプロファイルの一部を、図 1 1に示す。なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物および化学式 (20) で示 されるジァルデヒ ド化合物に起因するシグナルは検出されなかった。
Figure imgf000022_0001
(合成例 8 )
化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 156. 9ミリグラムお ょぴ化学式 (21) で示されるジアルデヒド化合物 203. 3ミリグラムをクロ 口ホルム 10ミリリツトルに溶解させ、 均一に攪拌した後に、 内径 50ミリメー トルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流通させながら クロ口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後に 40°C、 10ミリバールの 減圧状態に 2時間保持したところ、 化学式 (25) に示される繰り返し単位を持 つ樹脂からなる硬質な透明なフィルム (D) が得られた。 このフィルムの H— N MRプロフ ィルの一部を、 図 1 1に示す。 なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (19) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物に起因するシグナルは検出 されなかったが、 化学式 (21) で示されるジアルデヒ ド化合物に起因するシグ ナルは、 アルデヒ ドを基準として 0. 5モル%認められた。
Figure imgf000022_0002
(合成例 9)
化学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 65.. 4ミリグラム、 化 学式 (19) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 75ミリグラム、 化学式 (2 0) で示されるジアルデヒ ド化合物 97. 9ミリグラム、 および化学式 (21) で示されるジアルデヒド化合物 102ミリグラムをクロロホルム 10ミリリット ルに溶解させ、 均一に攪拌した後に、 内径 50ミリメートルのテフロン製のシャ ーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流通させながらクロ口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後に 40°C、 10ミリバールの減圧状態に 2時間保持した ところ、 化学式 (26)、 化学式 (27)、 化学式 (28) および化学式 (29) に示される結合が混在する共重合体樹脂からなる硬質な透明なフィルム (E) 力 S 得られた。 このフイノレムの H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 1に示す。 な お H— NMRプロファイルから、 ィ匕学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド 化合物、 化学式 (19) で示されるジァシルヒドラジド化合物おょぴ化学式 (2 0) で示されるジアルデヒ ド化合物に起因するシグナルは検出されなかったが、 化学式 (21) で示されるジアルデヒド化合物に起因するシグナルは、 全アルデ ヒ ドを基準として 0. 3モル0 /。認められた。 このフィルムのプロファイルは、 フ イルム (A)、 フィルム (B)、 フィルム (C)、 およびフィルム (D) を全て均一 に足し合わせたものに一致する。
Figure imgf000023_0001
Figure imgf000023_0002
Figure imgf000023_0003
(合成例 10 )
フィルム (A) 80ミリグラムを 5ミリ リットルのクロ口ホルムに完全に溶解 させ、 同様にフィルム 78ミリグラム (B) を別の 5ミリ リッ トルのクロ口ホル ムに完全に溶解させた。 両溶液を均一に混合し、 内径 50ミリメートルのテフ口 ン製のシャーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流通させながらクロ口ホルム を蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後 40°C、 10ミ リバールの減圧状態に 2時 間保持したところ、 柔軟性のある透明なフィルム (F) が得られた。 このフィル ムの画像を図 4およぴ図 5に示す。 またこのフィルムの H— NMRプロファイル の一部を、 図 1 1に示す。 H— NMRプロファイルよりこのフィルムは、 フィル ム (A) を構成する化学式 (22) で示される繰り返し単位を持つ樹脂と、 フィ ルム (B) を構成する化学式 (23) で示される繰り返し単位を持つ樹脂がブレ ンドされた状態のフィルムであることが分かる。 なお、 フィルム (F) に含有さ れるクロ口ホルムおょぴ水の量を測定したところ、 それぞれ 8. 7重量%および 4. 1重量%であった。 なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (1 7) で示 されるジァシルヒドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジ ド化合物おょぴ化学式 (20) で示されるジァルデヒ ド化合物に起因するシグナ ルは検出されなかったが、 化学式 (2 1) で示されるジアルデヒ ド化合物に起因 するシグナルは、 全アルデヒ ドを基準として 0. 5モル%認められた。
(合成例 1 1 )
フィルム (A) 80ミリグラムを 5ミ リ リ ッ トルのクロ口ホルムに完全に溶解 させ、 同様にフィルム (B) 78ミ リグラムを別の 5ミ リ リ ッ トルのクロ口ホル ムに完全に溶解させた。 両溶液を均一に混合し、 さらにペンタデカフルォロオタ タン酸 (A 1 d r i c h社) を 1 1. 8ミリグラム加え、 溶解後に攪拌して内径 50ミリメートルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流 通させながらクロ口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後 40°C、 1 0ミ リバールの減圧状態に 2時間保持した.ところ、透明なフィルム(G)が得られた。 このフィルムの画像を図 6およぴ図 7に示す。 またこのフイノレムの H— NMRプ 口ファイルの一部を、 図 1 1に示す。 このフィルム中におけるペンタデカフルォ 口オクタン酸の割合は、 ァシルヒ ドラゾン結合 1モルに対して 0. 058モルに 相当する。 H— NMRプロファイルよりこのフィルムは、 フィルム (A) を構成 する化学式 (2 2) で示される繰り返し単位を持つ樹脂と、 フィルム (B) を構 成する化学式 (23) で示される繰り返し単位を持つ樹脂がブレンドされた状態 のフィルムであるが、 フィルム (F) と比較すると、 フィルム (D) のシグナル S 2に帰属できるシグナル S 3が少し発現していることが認められた。 また、 フ イルム (C) のシグナル S 1に帰属できるシグナルの発現も認められる。 これら はそれぞれ、 化学式 (29) で示される結合おょぴ化学式 (28) で示される結 合に帰属することができ、 これらのことはフィルム (G) を作成中において、 化 学式 (22) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (23) で示さ れる繰り返し単位を持つ榭脂分子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる 反応が一部起こり、 新たな結合が一部形成されていることを示している。 その割 合をシグナル面積比から推算したところ、 全体の 36 %が入れ替わつていること が分かった。 なお、 フィルム (G) に含有されるクロ口ホルムおょぴ水の量を測 定したところ、 それぞれ 8. 6重量%および 4. 2重量%であった。 なお H— N MRプロファイルから、 化学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 ィ匕学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 ィ匕学式 (20) で示され るジアルデヒド化合物おょぴ化学式 (2 1) で示されるジアルデヒ ド化合物のい ずれについても、 これらに起因するシグナルは検出されなかった。
(実施例 1 )
フィルム(G)の一部を 1 0ミリグラム切り取ってガラスのサンプル管に入れ、 フィルムの固体状態のままオイルパスを用いて 1 20。Cで 2分間加熱し、 フィル ム (G) が加熱処理されたフィルム (I ) を得た。 このフィルムの画像を図 8に 示す。 加熱前に比べてやや縮んではいるが、 外見上原型を十分に留めており、 溶 融するような変化は起きていない。 このフィルムの H— NMRプロフアイノレの一 部を、 図 1 2に示す。 フィルム (G) のシグナル S 3に比べて、 フィルム ( I) ではシグナル S 5が明らかに増大しているのが分かる。 これは、 1 20°Cで 2分 間加熱している間に、化学式(22)で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (23) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子とが、 樹脂分子間で交差 状に結合が入れ替わる反応が起こり、 化学式 (29) で示される結合が新たに形 成されていることを示している。その割合をシグナル面積比から推算したところ、 フィルム作成後の 36% (合成例 1 1) から 5 9 %へと増大していることが分か つた。
(実施例 2 )
フィルム (G) の一部を 1 0ミリグラム切り取ってガラスのサンプル管の底に 置き、 フィルムの固体状態のままオイルパスを用いて 1 20°Cで 1 0分加熱し、 フィルム (G) が加熱処理されたフィルム (J) を得た。 このフィルムの H— N MRプロファイルの一部を、 図 1 2に示す。 化学式 (29) で示される結合に帰 属されるシグナル S 6が大幅に増大し、 また化学式 (28) で示される結合に帰 属されるシグナル S 7も明確に増大していることが分かる。 フィルム (J) のプ 口ファイルは、 共重合体樹脂から成るフィルム (E) とほぼ同等であり、 フィル ム ( J) は化学式 (26)、 化学式 (27)、 化学式 (28) および化学式 (29) に示される結合がほぼ同モル比で混在する共重合体樹脂からなるフィルムである ことが分かる。 これは、 1 20°Cで 1 0分間加熱している間に、 化学式 (22) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (23) で示される繰り返し 単位を持つ樹脂分子とが、樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応が起こり、 ほぼ均質な共重合樹脂分子へと変化していることを示している。 その割合をシグ ナル面積比から推算したところ、 フィルム作成後の 36% (合成例 1 1) から 9 8%へと増大していることが分かった。
(比較例 1 )
フィルム (G) の一部を 1 0ミリグラム切り取り、 加熱することなく重水素化 DM S Oに所定の濃度 (榭脂 1 0ミリグラムに対して重水素化 DMS Oが 1ミリ リットル) に溶解し、 この溶液を 1 20°Cで 24時間加熱して、 溶液 (A) を得 た。 この溶液の H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 2に示す。 シグナル S 8 はシグナル S 3とほぼ同等であり、 その他にもほとんど変化は見られない。 した がって、 重水素化 DM S O溶液中においては、 本条件ではほとんど樹脂分子間で 交差状に結合が入れ替わる反応が起きていないことが分かった。
(比較例 2 )
フィルム (G) の一部を 1 0ミリダラム切り取り、 加熱することなく重水素化 DMS Oに所定の濃度 (樹脂 1 0ミリグラムに対して重水素化 DMS Oが 1ミリ リットル) に溶解し、 この溶液を 25°Cで 3日間放置して、 溶液 (B) を得た。 H— NMR測定に供したところ、 比較例 1と同様に、 本条件ではほとんど樹脂分 子間で交差状に結合が入れ替わる反応が起きていないことが分かった。
(実施例 3 )
フィルム (F) の一部を 1 0ミリグラム切り取り、 ガラスのサンプル管の底に 置き、 オイルパスを用いて 1 2 0 °Cで 2 4時間加熱し、 フィルム (F ) が加熱処 理されたフィルム (H) を得た。 このフィルムの H— NM Rプロファイルの一部 を、 図 1 2に示す。 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応が起こっていれ ば、 それに帰属されるシグナルが S 4の位置に発現するはずであるが、 加熱前の フィルム (F ) のスペクトルと同様にシグナルはほとんど認められず、 樹脂分子 間で交差状に結合が入れ替わる反応は、 本条件ではほとんど起こっていないこと が分かった。
(合成例 1 2 )
フィルム (A) 5 8ミリグラムを 5ミリ リットルのクロ口ホルムに完全に溶解 させ、 同様にフィルム ( B ) 5 9ミリグラムを別の 5ミリ リットルのクロ口ホル ムに完全に溶解させた。 両溶液を均一に混合し、 さらにペンタデカフルォロオタ タン酸 (A 1 d r i c h社) を 1 . 2ミリグラム加え、 溶解後に攪拌して内径 5 0ミリメートルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 3 5 °Cにて空気を流通 させながらクロ口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後も、 さらに同条件 で 1時間保持したところ、 透明なフィルム (K) が得られた。 このフィルムの画 像を図 9に示す。 またこのフィルムの H— NM Rプロファイルの一部を、 図 1 3 に示す。 このフィルム中におけるペンタデカフルォロオクタン酸の割合は、 ァシ ルヒ ドラゾン結合 1モルに対して 0 . 0 1モルに相当する。 H— NM Rプロファ ィルよりこのフィルムは、 フィルム (A) を構成する化学式 (2 2 ) で示される 繰り返し単位を持つ樹脂と、 フィルム (B ) を構成する化学式 (2 3 ) で示され る繰り返し単位を持つ樹脂がブレンドされた状態のフィルムであるが、 フィルム ( G ) と同様に化学式 (2 9 ) で示される結合に帰属されるシグナル S 9の発現 が見られ、 フィルム (K) を作成中において、 化学式 (2 2 ) で示される繰り返 し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (2 3 ) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分 子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応が一部起こり、 新たな結合 がー部形成されていることを示している。 その割合をシグナル面積比から推算し たところ、全体の 2 2 %が入れ替わつていることが分かった。なお、フィルム(K) に含有されるクロ口ホルムおょぴ水の量を測定したところ、それぞれ 8 . 5重量% および 4 . 3重量0 /。であった。 なお H— NMRプロファイルから、 ィヒ学式 (1 7 ) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ド ラジド化合物、 化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物おょぴ化学式 (2 1) で示されるジアルデヒド化合物のいずれについても、 これらに起因するシグ ナルは検出されなかった。
(合成例 1 3 )
フィルム (A) 45 · 4ミリグラムを 5ミリリツトルのクロロホルムに完全に 溶解させ、 同様にフィルム (B) 46. 6ミリグラムを別の 5ミ リ リ ッ トルのク ロロホルムに完全に溶解させた。 両溶液を均一に混合し、 内径 50ミ リメートル のテフロン製のシャーレに溶液を移した。 35°Cにて空気を流通させながらクロ 口ホルムを蒸発させ、 約 1時間後に蒸発した後も、 さらに同条件で 1時間保持し たところ、 透明なフィルム (L) が得られた。 H— NMRプロファイルよりこの フィルムは、 フィルム (A) を構成する化学式 (22) で示される繰り返し単位 を持つ樹脂と、 フィルム (B) を構成する化学式 (23) で示される繰り返し単 位を持つ樹脂がブレンドされた状態のフィルムであることが分かった。 なお、 フ イルム (L) に含有されるクロ口ホルムおょぴ水の量を測定したところ、 それぞ れ 8. 7重量0 /。および 4. 4重量0 /0であった。なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示され るジァシルヒドラジド化合物および化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合 物に起因するシグナルは検出されなかつたが、 化学式 (2 1) で示されるジアル デヒ ド化合物に起因するシグナルは、 全アルデヒ ドを基準として 0. 5モル%認 められた。
(実施例 4 )
フィルム (K) を作成後、 常圧、 室温(25°C) で空気中に 92時間放置した。 この間、 外的な刺激は何も加えなかった。 このフィルムをフィルム '(K 1 ) とす る。 このフィルムは、 外見上は全くフィルム (K) と変わることはなく、 流動し たり形が変形したりするなどの変化は全く見られなかった。 また強度等の変化も なかった。 このフィルムの H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 3に示す。 ィ匕 学式(29)で示される結合に帰属されるシグナル S 1 0の強度が、フィルム(K) に比べて増大していることが分かる。 その割合をシグナル面積比から推算したと ころ、 全体の 3 9 %が入れ替わつていることが分かった。 すなわち、 外的な刺激 を何も与えず、 常圧、 室温 (2 5 °C) で空気中に 9 2時間放置した場合に、 化学 式 (2 2 ) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (2 3 ) で示され る繰り返し単位を持つ樹脂分子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反 応が自発的に進行しており、 入れ替わつている割合がフィルム作成後の 2 2 %か ら 3 9 %へと増大した。
(実施例 5 )
フィルム (K) を作成後、 常圧、 室温(2 5 °C) で空気中に 2 2日間放置した。 この間、 外的な刺激は何も加えなかった。 このフィルムをフィルム (K 2 ) とす る。 このフィルムは、 外見上は全くフィルム (K) と変わることはなく、 流動し たり形が変形したりするなどの変化は全く見られなかった。 また強度等の変化も なかった。 このフィルムの画像を図 1 0に示す。 また、 このフィルムの H— NM Rプロファイルの一部を、 図 1 3に示す。 ィヒ学式 (2 9 ) で示される結合に帰属 されるシグナル S 1 1の強度が、 フィルム (K) およびフィルム (K 1 ) に比べ て増大していることが分かる。 また同様に、 化学式 (2 8 ) で示される結合に帰 属されるシグナル S 1 2も明らかに増大している。 その割合をシグナル面積比か ら推算したところ、全体の 5 2 %が入れ替わつていることが分かった。すなわち、 外的な刺激を何も与えず、 常圧、 室温 (2 5 °C) で空気中に 2 2日間放置した場 合に、 化学式 (2 2 ) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (2 3 ) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ 替わる反応が自発的に進行しており、 入れ替わつている割合がフィルム作成後の 2 2 %から 5 2 %へと増大した。
(実施例 6 ) ^
フィルム (K) を作成後にすぐにその一部 1 0ミリグラム切り取ってガラスの サンプル管に入れ、 フィルムの固体状態のままオイルバスを用いて 1 2 0 °Cで 1 0分間加熱し、 フィルム (K) が加熱処理されたフィルムを得た。 化学式 (2 9 ) で示される結合に帰属されるシグナルの強度が、 フィルム (K) に比べて増大し ており、 その割合をシグナル面積比から推算したところ、 全体の 8 0 %が入れ替 わっていることが分かった。 すなわち、 1 2 0 °Cで 1 0分間加熱した場合に、 化 学式 (2 2 ) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (2 3 ) で示さ れる繰り返し単位を持つ樹脂分子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる 反応が進行.し、 入れ替わつている割合がフィルム作成後の 2 2 %から 8 0 %へと 増大した。 結果を表 1に示す。
(実施例 7〜 1 1 )
実施例 6と同様にして、種々の温度、時間の条件で加熱を行い、評価を行った。 結果をまとめて表 1に示す。 温度が高いほど樹脂分子間で交差状に結合が入れ替 わる反応が進む速度が大きく、 また時間が長いほど入れ替わる割合も増大するこ とが分かる。
表 1
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(比較例 3 )
フィルム (K) を作成後すぐに重水素化 DM S Oに所定の濃度で溶解させ、 そ の溶液を 1 0 0 °Cで 4時間過熱した。 これを H— NM R測定に供したところ、 そ のスペク トルは合成例 1 2で示したフィルム (K) のスペク トルとほぼ同等で、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応は、 本条件ではほとんど起こってい ないことが分かった。
(比較例 4 )
フィルム (K) を作成後すぐに重水素化 D M S Oに所定の濃度で溶解させ、 そ の溶液を室温で 14日間放置した。 これを H— NMR測定に供したところ、 その スぺク トルは合成例 1 2で示したフィルム (K) のスぺク トルとほぼ同等で、 樹 脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応は、 本条件ではほとんど起こっていな いことが分かった。
(実施例 1 2)
フィルム (L) を作成後にすぐにその一部 1 0ミリグラム切り取ってガラスの サンプル管に入れ、 フィルムの固体状態のままオイルパスを用いて 1 20°Cで 1 0分間加熱し、 フィルム (L) が加熱処理されたフィルムを得た。 このフィルム を H— NMRで評価したところ、樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応は、 本条件ではほとんど起こっていないことが分かった。
(実施例 1 3 )
フィルム (L) を作成後にすぐにその一部 1 0ミリグラム切り取ってガラスの サンプル管に入れ、 フィルムの固体状態のままオイルバスを用いて 1 20°Cで 1 時間加熱し、 フィルム (L) が加熱処理されたフィルムを得た。 このフィルムを H— NMRで評価したところ、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応は、 本条件ではほとんど起こっていないことが分かった。
(合成例 14 )
化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 92. 8ミリグラムおよ び化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物 1 20. 3ミリグラムをクロ口 ホルム 1 0ミリリツトルに完全に溶解させた。 両溶液を均一に混合し、 さらにぺ ンタデカフルォロオクタン酸 (A 1 d r i c h社) を 24. 4ミリグラム加え、 溶解後に攪拌して内径 50ミリメ一トルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 2 5°Cにて空気を流通させながらクロ口ホルムを蒸発させ、 その状態で約 1 2時 間経過した後、 60 °Cで 1 0ミリパールの減圧状態に 2時間保持したところ、 化 学式 (22) に示される繰り返し単位を持つ樹脂からなる硬質な透明なフィルム (M) が得られた。 このフィルムの H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 4に 示す。 このフィルム中におけるペンタデカフルォロオクタン酸の割合は、 ァシル ヒ ドラゾン結合 1モルに対して 0. 1 0モルに相当する。 なお、 フィルム (M) に含有されるクロ口ホルムおょぴ水の量を測定したところ、それぞれ 4.8重量% および 2 . 9重量0 /0であった。 なお H— NM Rプロファイルから、 ィ匕学式 (1 9 ) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物およぴ化学式 ( 2 0 ) で示されるジアルデ ヒ ド化合物に起因するシグナルは検出されなかった。
(合成例 1 5 )
化学式 (1 7 ) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 8 0 . 8ミ リグラムおよ ぴ化学式 (2 1 ) で示されるジアルデヒ ド化合物 1 2 9 . 9ミ リグラムをクロ口 ホルム 1 0ミリ リツトルに完全に溶解させた。 両溶液を均一に混合し、 さらにぺ ンタデカフルォロオクタン酸 (A 1 d r i c h社) を 2 6 . 9ミリグラム加え、 溶解後に攪拌して内径 5 0ミリメ一トルのテフロン製のシャーレに溶液を移した 2 5 °Cにて空気を流通させながらクロ口ホルムを蒸発させ、 その状態で約 1 2時 間経過した後、 6 0 °Cで 1 0ミリパールの減圧状態に 2時間保持したところ、 化 学式 (2 3 ) に示される繰り返し単位を持つ樹脂からなる柔軟性のある透明なフ イルム (N) が得られた。 このフィルムの H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 4に示す。 このフィルム中におけるペンタデカフルォロオクタン酸の割合は、 ァシルヒ ドラゾン結合 1モルに対して 0 . 1 0モルに相当する。 なお、 フィルム (N) に含有されるクロ口ホルムおょぴ水の量を測定したところ、 それぞれ 3 . 2重量%および 2 . 1重量%であった。 なお H— NMRプロファイルから、 化学 式 (1 7 ) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物および化学式 ( 2 1 ) で示され るジァルデヒ ド化合物に起因するシグナルは検出されなかった。
(実施例 1 4 )
フィルム (M) を辺の長さが 8ミリと 4ミリの長方形に切り取り、 フィルム小 片を作成した。 この小片の重さは 1 . 6ミリグラムで、 厚さは 5 0マイクロメ一 トルであった。 同様にフィルム (N) も同じ形のフィルム小片を用意し、 その小 片の重さは 1 . 1 5ミリグラムで、 厚さは 3 6マイクロメ一トルであった。 これ らの小片を、 下からフィルム (N) の小片、 次いでフィルム (M) の小片、 次い でフィルム (N) の小片、 次いでフィルム (M) の小片、 最後にフィルム (N) の小片の順番となるように、 5枚のフィルム小片をぴったり重ね合わせた。 この 重ね合わせた 5枚のフィルム小片を、 ガラスのサンプル管に入れ、 オイルバスを 用いて 1 0 0 °Cで 1時間加熱した。 この重ね合わせて加熱処理された 5枚のフィ ルム (MN 1) を、 そのまま全て重水素化された DMS Oに所定の濃度で室温に て速やかに溶解させ、 H— NMRの測定に供した。 H— NMRプロファイルの一 部を、 図 14に示す。 シグナル S 1 3の発現が認められた。 これは、 1 00°Cで 1時間加熱している間に、 フィルム (M) とフィルム (N) の界面を通して、 フ イルム (M) に含まれる化学式 (22) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子 と、 フィルム (N) に含まれる化学式 (23) で示される繰り返し単位を持つ樹 脂分子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応が起こり、 化学式 (2 9) で示される結合が新たに形成されていることを示している。 その割合をシグ ナル面積比から推算したところ、 全体の 1 5%が入れ替わつていることが分かつ た。 すなわち、 フィルムの界面を通してフィルム間を橋渡しするように新たな共 有結合がまず形成され、 フィルム界面が一体化し、 さらにはそれぞれの樹脂分子 を構成しているモノマー成分が、 潜り込んでいくように相互に拡散していってい ることが分かる。 全体の 1 5%が入れ替わつているということは、 フィルム界面 を通して、 厚み方向に数ミクロンから数十ミ'クロンも相手側にモノマー成分が潜 り込んでいることが示唆され、 複数のフィルム全体が均質化の方向に向かってい ることが分かる。
(実施例 1 5 )
実施例 14と同様に、 5枚のフィルム小片をぴったり重ね合わせ、 1 20°Cで 1時間加熱した。 この重ね合わせて加熱処理された 5枚のフィルム (MN2) の H— NMRプロファイルの一部を、 図 14に示す。 シグナル S 14の発現が認め られた。 これは、 1 20°Cで 1時間加熱している間に、 フィルム (M) とフィル ム (N) の界面を通して、 フィルム (M) に含まれる化学式 (22) で示される 繰り返し単位を持つ樹脂分子と、 フィルム (N) に含まれる化学式 (23) で示 される繰り返し単位を持つ樹脂分子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わ る反応が起こり、 化学式 (29) で示される結合が新たに形成されていることを 示している。 その割合をシグナル面積比から推算したところ、 全体の 27%が入 れ替わっていることが分かった。
(合成例 1 6 )
化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 9 3. 4ミリグラムおよ ぴ化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物 120. 8ミリグラムをクロ口 ホルム 1ミリリ ツ トルに溶解させ、 攪拌しながら 2時間 60°Cで加熱した後に、 内径 50ミリメートルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 23〜25。じで 真空の条件を溶媒の大半が蒸発するまで保ち、 その後少量のアルゴンを流通させ ながら常圧にて 1時間 60°Cで加熱した。 その結果、 化学式 (22) に示される 繰り返し単位を持つ樹脂からなる硬質な透明なフィルム (O) が得られた。 この 樹脂フィルムの重水素化 DMS〇溶液の H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 5に示す。 なお H— NMRプロファイルから、 ィヒ学式 (19) で示されるジァシ ルヒ ドラジド化合物およぴ化学式 (20) で示されるジアルデヒド化合物に起因 するシグナルは検出されなかった。
(合成例 1 7 )
化学式 (17) で示されるジァシルヒドラジド化合物 75ミリグラムおよび化 学式 (21) で示されるジアルデヒ ド化合物 1 20. 7ミ リグラムをクロロホノレ ム 3ミリリツトルに溶解させ、 攪拌しながら 2時間 60°Cで加熱した後に、 内径 50ミ リメートルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 23〜25°Cで真空 の条件を溶媒の大半が蒸発するまで保ち、 その後少量のアルゴンを流通させなが ら常圧にて 1時間 60°Cで加熱した。 その結果、 化学式 (23) に示される繰り 返し単位を持つ樹脂樹脂からなる硬質な透明なフィルム (P) が得られた。 この 樹脂フィルムの重水素化 DMS O溶液の H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 5に示す。 なお H— NMRプロファイルから、 ィヒ学式 (1 7) で示されるジァシ ルヒ ドラジド化合物に起因するシグナルは検出されなかったが、 化学式 (21) で示されるジアルデヒ ド化合物に起因するシグナルは、 アルデヒドを基準として 1モル%認められた。
(合成例 18 )
化学式 ( 1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 74. 9ミリグラムおよ び化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物 120. 6ミリグラムをクロ口 ホルム 3ミリリツトルに溶解させ、 攪拌しながら 2時間 60°Cで加熱した後に、 内径 50ミリメートルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 23〜25°Cで 真空の条件を溶媒の大半が蒸発するまで保ち、 その後少量のアルゴンを流通させ ながら常圧にて 1時間 60°Cで加熱した。 その結果、 化学式 (23) に示される 繰り返し単位を持つ樹脂樹脂からなる硬質な透明なフィルム (Q) が得られた。 この樹脂フィルムの重水素化 DM S O溶液の H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 5に示す。 なお H— NMRプロファイルから、 ィ匕学式 (1 7) で示されるジ ァシルヒドラジド化合物おょぴ化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物に 起因するシグナルは検出されなかった。
(合成例 1 9 )
化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 93. 4ミリグラムおよ ぴ化学式 (2 1) で示されるジアルデヒド化合物 1 20. 8ミリグラムをクロ口 ホルム 1ミリリツトルに溶解させ、 攪拌しながら 2時間 6 0°Cで加熱した後に、 内径 5 0ミリメートルのテフロン製のシャーレに溶液を移した。 23〜 25°Cで 真空の条件を溶媒の大半が蒸発するまで保ち、 その後少量のアルゴンを流通させ ながら常圧にて 1時間 60°Cで加熱した。 その結果、 化学式 (22) に示される 繰り返し単位を持つ樹脂からなる硬質な透明なフィルム (R) が得られた。 この 樹脂フィルムの重水素化 DMS O溶液の H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 5に示す。 なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (1 9) で示されるジァシ ルヒ ドラジド化合物に起因するシグナルは検出されなかつたが、 化学式 (2 1) で示されるジアルデヒ ド化合物に起因するシグナルは、 アルデヒドを基準として 0. 5モル0 /。認められた。
(合成例 20 )
化学式 (1 7) で示されるジァシルヒドラジド化合物 3 7. 5ミ リグラム、 ィ匕 学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物 46. 8ミリグラム、 化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物 6 0. 3ミリグラム、 および化学式 (2 1 ) で示されるジアルデヒ ド化合物 60. 4ミリグラムをクロ口ホルム 3ミリリ ットルに溶解させ、 均一に攪拌した後に、 内径 50ミリメートルのテフロン製の シャーレに溶液を移した。 40°Cにて空気を流通させながらクロ口ホルムを蒸発 させ、 約 1時間後に蒸発した後に 40 °C、 1 0ミリパールの減圧状態に 2時間保 持したところ、 化学式 (26)、 化学式 (27)、 化学式 (28) および化学式 (2 9) に示される結合が混在する共重合体樹脂からなる硬質な透明なフィルム (S) が得られた。 この樹脂フィルムの重水素化 D M S O溶液の H— NMRプロフアイ ルの一部を、 図 1 5に示す。 このフィルムのプロファイルは、 フィルム (0)、 フ イルム (P)、 フィルム (Q)、 およびフィルム (R) を全て均一に足し合わせた ものに一致する。 なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (1 7) で示される ジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合 物おょぴ化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物に起因するシグナルは検 出されなかったが、 化学式 (21) で示されるジアルデヒド化合物に起因するシ グナルは、 全アルデヒ ドを基準として 0. 3モル%認められた。
(合成例 21 )
樹脂フィルム (o) および樹脂フィルム (P) に関して、 含有されるヒ ドラゾ ン結合が 0. 1 6ミリモルとなるようにそれぞれを分け取り、 両者をひとつの 2 ミリリツトルのクロ口ホルムに完全に溶解させて、 混合液を作成した。 これとは 別に、 濃度約 4 mMのペンタデカフルォロオクタン酸のクロ口ホルム溶液を作成 した。 この溶液を、前述の樹脂混合溶液に添加して、速やかに攪拌した。 この際、 ペンタデカフルォロオクタン酸の添加量が 0. 00 32ミリモルとなるように調 節した。 これは、 溶液中の樹脂のヒ ドラゾン結合全体に対して、 1モル%に相当 する。 攪拌した後にすぐに内径 50ミリメ一トルのテフロン製のシャーレに溶液 を移し、 23〜25°C、 およそ 8ミリパールの減圧状態で 1 8時間保持し、 樹脂 プレンドからなる透明なフィルム (T)を得た。このフィルムは柔軟性があるが、 自立するだけ十分に強度があり、 ハサミなどで容易に切断することができた。 こ のフィルムの画像を図 1 6およぴ図 1 7に示す。 この樹脂ブレンドフィルムの重 水素化 DMS O溶液の H— NMRプロファイルを、 図 1 5に示す。 H— NMRプ 口ファイルより、 樹脂フィルム (O) を構成する化学式 (22) で示される繰り 返し単位を持つ樹脂と、 樹脂フィルム (P) を構成する化学式 (23) で示され る繰り返し単位を持つ樹脂がブレンドされた状態であるが、 樹脂フィルム (R) のシグナルに帰属できるシグナル S 1 5が少し発現していることが認められた。 これは化学式 (29) で示される結合に帰属することができ、 これらのことは樹 脂ブレンドフィルム (T) の作成中において、 化学式 (22) で示される繰り返 し単位を持つ樹脂分子と、 化学式 (23) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分 子とが、 樹脂分子間で交差状に結合が入れ替わる反応が一部起こり、 新たな結合 がー部形成されていることを示している。 その割合をシグナル面積比から推算し たところ、 全体の 6%が入れ替わつていることが分かった。 なお、 樹脂ブレンド フィルム (T) に含有されるクロ口ホルムおょぴ水の量を測定したところ、 それ ぞれ 13重量%および 2. 1重量%であった。なお H— NMRプロファイルから、 化学式 (17) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示され るジァシルヒドラジド化合物、 化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物お ょぴ化学式 (21) で示されるジアルデヒ ド化合物のいずれについても、 これら に起因するシグナルは検出されなかった。
(合成例 22 )
樹脂フィルム (ο) および樹脂フィルム (P) に関して、 含有されるヒ ドラゾ ン結合が 0. 16ミリモルとなるようにそれぞれを分け取り、 両者をひとつの 2 ミリリツトルのクロ口ホルムに完全に溶解させて、 混合液を作成した。 すぐに内 径 50ミリメートルのテフロン製のシャーレに溶液を移し、 23〜25°C、 およ そ 8ミリバールの減圧状態で 18時間保持し、 樹脂ブレンドからなる透明なフィ ルム (U) を得た。 このフィルムは柔軟性があるが、 自立するだけ十分に強度が あり、 ハサミなどで容易に切断することができた。 この樹脂ブレンドフィルムの 重水素化 DMS O溶液の H— NMRプロフアイノレの一部を、 図 15に示す。 H— NMRプロファイルより、 樹脂フィルム (O) を構成する化学式 (22) で示さ れる繰り返し単位を持つ樹脂と、 樹脂フィルム (P) を構成する化学式 (23) で示される繰り返し単位を持つ樹脂がブレンドされた状態であることが分かる。 樹脂ブレンドフィルム (U) に含有されるクロ口ホルムおょぴ水の量を測定した ところ、 それぞれ 1 3重量%および 2. 2重量%であった。 また、 数平均分子量 Mi 335, 000、 重量平均分子量 Mwと数平均分子量 Mnから求められる分 散値 MwZMnは、 3. 0であった。 なお H— NMRプロファイルから、 ィヒ学式 (1 7) で示されるジァシルヒドラジド化合物、 化学式 (19) で示されるジァ シルヒ ドラジド化合物おょぴ化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物に起 因するシグナルは検出されなかったが、 化学式 (21) で示されるジアルデヒド 化合物に起因するシグナルは、 全アルデヒ ドを基準として 0. 5モル%認められ た。
(実施例 1 6 )
作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の一郁 8ミリグラム切り取って小型の ガラス製サンプル管に入れ、 密封した後に、 外部からの刺激を避けるためにアル ミホイルで包装した。 23〜 25°Cの常温で 3日間保持したところ、 フィルムの 外見上はほとんど変わることはなく、 流動したり形が変形したりするなどの変化 は全く見られなかった。 また強度等もほぼ同等であった。 このフィルムを 1ミリ リットルの重水素化 DMSOに速やかに常温にて加熱することなく溶解させ、 H — NMR評価に供した。 H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 8に示す。 作成 直後の樹脂ブレンドフィルム (T) のシグナル S 1 6に比べて、 シグナル S 1 7 が明らかに増大しているのが分かる。 これは、 常温で外部からの刺激がない状態 で保持したにもかかわらず、 化学式 (22) で示される繰り返し単位を持つ樹脂 分子と、 化学式 (23) で示される繰り返し単位を持つ樹脂分子とが、 樹脂分子 間で交差状に結合が入れ替わる反応が起こり、 化学式 (29) で示される結合が 新たに形成されていることを示している。 その割合をシグナル面積比から推算し たところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の 6% (合成例 2 1) から 3 2%へと増大していることが分かった。 なお H— NMRプロファイルから、 化学 式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示されるジ ァシルヒドラジド化合物、 化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物おょぴ 化学式 (21) で示されるジァルデヒ ド化合物のいずれについても、 これらに起 因するシグナルは検出されなかった。
(実施例 1 7 )
実施例 1 6と同様にして、 常温にて 1 0日間保持した。 実施例 1 6と同様に、 フィルムの外見上はほとんど変わることはなく、 流動したり形が変形したりする などの変化は全く見られなかった。 また強度等もほぼ同等であった。 H— NMR プロファイルの一部を、 図 1 8に示す。 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) のシグナル S 1 6に比べて、シグナル S 1 8が明らかに増大しているのが分かる。 その割合をシグナル面積比から推算したところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィル ム (T) の 6% (合成例 2 1) から 57%へと増大していることが分かった。 な お H— NMRプロファイルから、 化学式 ( 1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド 化合物、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物おょぴ化学式 (2 1) で示されるジアルデヒ ド化 合物のいずれについても、 これらに起因するシグナルは検出されなかった。
(実施例 1 8 )
実施例 1 6と同様にして、 常温にて 30日間保持した。 実施例 1 6と同様に、 フィルムの外見上はほとんど変わることはなく、 流動したり形が変形したりする などの変化は全く見られなかった。 また強度等もほぼ同等であった。 H— NMR プロファイルの一部を、 図 1 8に示す。 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) のシグナル S 1 6に比べて、シグナル S 1 9が明らかに増大しているのが分かる。 その割合をシグナル面積比から推算したところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィル ム (T) の 6% (合成例 2 1) から 82%へと増大していることが分かった。 な お H— NMRプロファイルから、 化学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド 化合物、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物および化学式 (2 1) で示されるジアルデヒ ド化 合物のいずれについても、 これらに起因するシグナルは検出されなかった。
(実施例 1 9 )
保持する温度をマイナス 30°Cとした以外は、 実施例 1 6と同様にして 1 0日 間保持した。 実施例 16と同様に、 フィルムの外見上はほとんど変わることはな く、 流動したり形が変形したりするなどの変化は全く見られなかった。 また強度 等もほぼ同等であった。 H— NMRプロファイルの一部を、 図 1 8に示す。 作成 直後の榭脂ブレンドフィルム (T) のシグナル S 1 6に比べて、 シグナル S 20 はほぼ等しいことが分かる。 その割合をシグナル面積比から推算したところ、 作 成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の 6% (合成例 21) に比べて、 7%とほ ぼ同等であり、 この条件では反応が遅いことが分かった。 なお H— NMRプロフ アイルから、 化学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (20) で示されるジアルデ ヒ ド化合物および化学式 (2 1) で示されるジアルデヒ ド化合物のいずれについ ても、 これらに起因するシグナルは検出されなかった。 (実施例 20 )
保持する温度を 8 °Cとした以外は、実施例 1 6と同様にして 1 0日間保持した。 実施例 1 6と同様に、 フィルムの外見上はほとんど変わることはなく、 流動した り形が変形したりするなどの変化は全く見られなかった。 また強度等もほぼ同等 であった。 シグナル面積比から推算したところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィル ム (T) の 6% (合成例 21) に比べて、 7%とほぼ同等であり、 この条件では 反応が遅いことが分かった。 なお H— NMRプロファイルから、 ィ匕学式 (1 7) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、 化学式 (1 9) で示されるジァシルヒド ラジド化合物、 化学式 (20) で示されるジアルデヒ ド化合物おょぴ化学式 (2 1 ) で示されるジアルデヒ ド化合物のいずれについても、 これらに起因するシグ ナルは検出されなかった。
(実施例 2 1 )
作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の一部 8ミリグラム切り取って小型の ガラス製サンプル管に入れて密封し、オイルパス中にて 80 °Cで 2分間加熱した。 実施例 16と同様にして重水素化 D'MS Oに溶解させた後、 H— NMRに供した。 実施例 1 6と同様に、 化学式 (29) で示される結合に帰属されるシグナルが増 大し、 その割合をシグナル面積比から推算したところ、 作成直後の樹脂ブレンド フィルム (T) の 6% (合成例 2 1) から 36%へと増大していることが分かつ た。 なお H— NMRプロファイルから、 ィ匕学式 (1 7) で示されるジァシルヒド ラジド化合物、化学式(1 9) で示されるジァシルヒ ドラジド化合物、化学式(2 0) で示されるジアルデヒ ド化合物おょぴ化学式 (21) で示されるジアルデヒ ド化合物のいずれについても、 これらに起因するシグナルは検出されなかった。
(実施例 22 )
実施例 21と同様にして、オイルバス中にて 80°Cで 1 0分間加熱したところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の 6% (合成例 2 1) から 58%へと増 大していることが分かった。
(実施例 23 )
実施例 21と同様にして、オイルパス中にて 1 00°Cで 2分間加熱したところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の 6% (合成例 2 1) から 5 3%へと増 大していることが分かった。
(実施例 24)
実施例 2 1と同様にして、 オイルパス中にて 1 00°Cで 1 0分間加熱したとこ ろ、 作成直後の樹脂ブレンドフィ.ルム (T) の 6% (合成例 2 1) から 84%へ と増大していることが分かった。
(実施例 25)
実施例 2 1と同様にして、オイルバス中にて 1 20°Cで 2分間加熱したところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の 6% (合成例 2 1) から 8 7%へと増 大していることが分かった。
(実施例 26 )
実施例 2 1と同様にして、 オイルバス中にて 1 20°Cで 1 0分間加熱したとこ ろ、 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の 6% (合成例 21) から 99%へ と増大していることが分かった。 '
(実施例 27 )
作成直後の樹脂ブレンドフィルム (U) の一部 8ミリグラム切り取って小型の ガラス製サンプル管に入れて密封し、 オイルバス中にて 1 00°Cで 4時間加熱し た。 実施例 1 6と同様にして重水素化 DMS Oに溶解させた後、 H— NMRに供 した。化学式(29)で示される結合に帰属されるシグナルが新たに少量発現し、 その割合をシグナル面積比から推算したところ、 作成直後の樹脂プレンドフィル ム (U) には認められなかったのに対し、 2%が交換反応したことが分かった。
(実施例 28 )
実施例 27と同様にして、 オイルバス中にて 1 20°Cで 4時間加熱した。 化学 式 (2 9) で示される結合に帰属されるシグナルが新たに少量発現し、 その割合 をシグナル面積比から推算したところ、 5%が交換反応したことが分かった。
(比較例 5 )
作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T) の一部 8ミリグラム切り取り、 このフ イルムを 1ミリリツトルの重水素化 DM S〇に速やかに常温にて加熱することな く溶解させた。 この溶液をアルミホイルで包装し、 23〜2 5°Cの常温で 1 0日 間保持した後、 H— NMR評価に供した。 化学式 (29) で示される結合に帰属 されるシグナルが若干増大したが、 溶液とせず樹脂フィルムそのままで同条件に て保持した実施例 1 7に比べて、 その程度は低かった。 割合をシグナル面積比か ら推算したところ、 作成直後の樹脂ブレンドフィルム (T ) の 6 %に対して 8 % であり、 実施例 1 7の 5 7 °/0に比べて、 著しく低い。
(比較例 6 )
比較例 6と同様にして 2 3〜2 5 °Cの常温で 3 0日間保持した後、 H— NMR 評価に供した。 化学式 (2 9 ) で示される結合に帰属されるシグナルが若干増大 したが、 溶液とせず樹脂フィルムそのままで同条件にて保持した実施例 1 8に比 ベて、 その程度は低かった。 割合をシグナル面積比から推算したところ、 樹脂ブ レンドフィルム (T) の 6 %に対して 1 1 %であり、 実施例 1 8の 8 2 %に比べ て、 著しく低い。 本明細書中で引用した全ての刊行物、 特許および特許出願をそのまま参考とし て本明細書中にとり入れるものとする。 産業上の利用可能性
本発明の自己修復性材料は、 自己修復性に有限性がなく、 加熱などの特定の外 的要因を必要とせず、 常圧室温空気中でも自己修復性を発揮し、 しかも種々の特 性や機能を任意に織り込むことができる材料であり、 自己修復性が要求される材 科用途として極めて有用な材料である。

Claims

5冃 求 の 範 囲
1 . 化学式 ( 1 )
Figure imgf000043_0001
(化学式 (1 ) において Rは、 水素または炭化水素基である。)
で示されるヒドラゾン結合を主鎖または/およぴ側鎖に有する樹脂を含んで構成 される自己修復性材料。
2 . ィ匕学式 ( 2 )
Figure imgf000043_0002
(化学式 (2 ) において Rは、 水素または炭化水素基である。)
で示されるァシルヒ ドラゾン結合または/およぴ化学式 ( 3 )
Figure imgf000043_0003
(化学式 (3 ) において Rは、 水素または炭化水素基である。)
で示されるフヱニルヒドラゾン結合を主鎖または/およぴ側鎖に有する樹脂を含 んで構成される請求の範囲第 1項記載の自己修復性材料。
3 . ィ匕学式 (3 1 )
Figure imgf000043_0004
(化学式 (3 1 ) において Xおよび Υは、 同一でも異なっていてもよく、 炭素数 1から 2 0のアルキレン鎖、 炭素数 2から 2 0の一部不飽和結合を有するアルキ レン鎮、 炭素数 1から 2 0のハロゲン化アルキレン鎖、 繰り返し単位数が 1から 3 0のエチレングリコール鎖、 または置換もしくは非置換の芳香族系鎖である。) で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される請求の範囲 第 2項記載の自己修復性材料。
ヒ学式 (22)
Figure imgf000044_0001
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される請求の範囲 第 3項記載の自己修復性材料。
5. 化学式 (23)
Figure imgf000044_0002
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される請求の範囲 第 3項記載の自己修復性材料。
6. 化学式 (24)
(24)
Figure imgf000044_0003
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される
第 3項記載の自己修復性材料。
7. 化学式 (25)
Figure imgf000044_0004
で示される繰り返し単位を骨格構造に有する樹脂を含んで構成される請求の範囲 第 3項記載の自己修復性材料。
8. 化学式 (22) 〜 (25) のいずれかで示される繰り返し単位を骨格構造に 有する樹脂から選ばれる 2種以上の樹脂を含有する樹脂混合物を含んで構成され る請求の範囲第 3項記載の自己修復性材料。
9 . 沸点が 3 0 0 °C以下の化合物の当該材料中に占める割合が 5 0重量%以下で あり、 実質的に固体状態である請求の範囲第 1〜 8項のいずれか 1項に記載の自 己修復性材料。
1 0 . 酸が含有されていることを特徴とする請求の範囲第 1〜7項のいずれか 1 項に記載の自己修復性材料。
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