WO2005113220A1 - シーリング剤注入装置、シーリング剤注入方法及びシーリング・ポンプアップ装置 - Google Patents

Abstract

　パンクした空気入りタイヤに対する修理作業を簡単に行え、装置を傾けた状態で使用しても必要な量のシーリング剤を確実に空気入りタイヤに注入でき、加圧によるシーリング剤の詰まりや液漏れを防止する。 　ポンプアップ装置３０は、パンクした空気入りタイヤ３８内に液状のシーリング剤を注入した後、空気入りタイヤ３８内へ加圧空気を供給して内圧を昇圧させる装置である。ポンプアップ装置３０は、シーリング剤を収容したシーリング剤容器３４と、シーリング剤容器３４からシーリング剤を吸い出して空気入りタイヤ３８へ給送するシーリング剤注入用ポンプ４２と、空気入りタイヤ３８に空気を圧送するコンプレッサ４４と、を有する。空気入りタイヤ３８がパンクした場合、シーリング剤容器３４から液状のシーリング剤をシーリング剤注入用ポンプ４２が吸引し、空気入りタイヤ３８内へ注入するので、シーリング剤容器３４内が加圧されることがない。                                                                                 

Description

明 細 書

シーリング剤注入装置、シーリング剤注入方法及びシーリング 'ポンプアツ プ装置

技術分野

[0001] 本発明は、パンクした空気入りタイヤをシールするためのシーリング剤を空気入りタ ィャ内へ注入するために用いられるシーリング剤注入装置及びシーリング剤注入方 法並びに、パンクした空気入りタイヤをシールするためのシーリング剤を空気入りタイ ャ内へ注入した後、空気入りタイヤ内に加圧空気を供給して空気入りタイヤの内圧を 昇圧するシーリング ·ポンプアップ装置に関する。

背景技術

[0002] 近年、空気入りタイヤ（以下、単に「タイヤ」と!、う。）がパンクした際に、タイヤ及びホ ィールを交換することなぐタイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内 圧をポンプアップするシーリング 'ポンプアップ装置（以下、単に「ポンプアップ装置」 という。）が普及している。この種のポンプアップ装置としては、例えば、特許文献 1に 記載されたものが知られている。この特許文献 1記載のポンプアップ装置 20は、図 1 7に示されるように、シーリング剤 6を収容した耐圧容器 4と、加圧空気の供給源であ るエアコンプレッサ 1とを備えている。エアコンプレッサ 1は、ホース 2を介して耐圧容 器 4のガス導入部 3に接続されている。またガス導入部 3は、栓バルブ 5で閉止でき、 かつ耐圧容器 4に収納されたシーリング剤 6の液面上までのびるライザ一チューブと されている。耐圧容器 4は、シーリング剤 6を吐出するための出口バルブ 7を有し、こ の出口バルブ 7にホース 8の一端部が接続されるとともに、このホース 8の他端部には 、タイヤバルブ 10にねじ止めされるアダプタ 9が取付けられている。

[0003] 上記のようなポンプアップ装置 20では、タイヤにパンクが発生すると、アダプタ 9が タイヤバルブ 10にねじ止めされた後、耐圧容器 4のガス導入部 3が栓バルブ 5により 開放される。この状態で、エアコンプレッサ 1を作動し、ガス導入部 3を通してエアコン プレッサ 1から耐圧容器 4内に加圧空気を導入する。これにより、耐圧容器 4内におけ るシーリング剤 6上の気層部の内圧が上昇し、この気層部の静圧により出口バルブ 7 力もシーリング剤 6が押し出され、シーリング剤 6がタイヤバルブ 10を通してタイヤ内 に注入される。この後、耐圧容器 4内のシーリング剤 6の液面レベルが出口バルブ 7 の開口まで下降すると、耐圧容器 4内の加圧空気が出口バルブ 7及びホース 8を通し てタイヤの内部に供給され、タイヤを所定の内圧で膨張させる。

特許文献 1：特許第 3210863号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら、特許文献 1記載のポンプアップ装置 20では、耐圧容器 4内における 気層部の空気圧を上昇させ、この空気の圧力（静圧）により耐圧容器 4力 シーリング 剤 6を押し出しているので、高圧の空気圧に耐えられるように耐圧容器 4の耐圧性を 十分に高くしなければ、シーリング剤を耐圧容器 4内力 タイヤへ十分な供給速度で 供給することができず、又は耐圧容器 4の破損によるシーリング剤の漏洩を確実に防 止できない。

[0005] 本発明の目的は、上記事実を考慮して、シーリング剤容器の耐圧性が低 、場合で も、シーリング剤容器内のシーリング剤を高い供給速度で正常に空気入りタイヤへ供 給できるシーリング剤注入装置、シーリング剤注入方法及びシーリング ·ポンプアップ 装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明の請求項 1に係るシーリング剤注入装置は、パンクした空気入りタイヤ内に 液状のシーリング剤を注入するシーリング剤注入装置であって、シーリング剤を収容 したシーリング剤容器と、前記シーリング剤容器内からシーリング剤を吸引して空気 入りタイヤ内へ給送するシーリング剤ポンプと、を有することを特徴とする。

[0007] 上記請求項 1に係るシーリング剤注入装置では、空気入りタイヤがパンクした場合、 シーリング剤容器力も液状のシーリング剤をシーリング剤ポンプが吸引し、空気入りタ ィャ内へ注入する。

[0008] 従って、シーリング剤容器力 空気入りタイヤへのシーリング剤の供給時に、シーリ ング剤容器が空気及びシーリング剤の圧力（正圧）により加圧されることがない。これ により、シーリング剤容器の耐圧性が低い場合でも、シーリング剤容器内のシーリン グ剤を高 、供給速度で空気入りタイヤへ供給できる。また加圧によりシーリング剤容 器の破損が生じることがないので、シーリング剤容器の破損によりシーリング剤が供 給不能になることもない。

[0009] 本発明の請求項 2に係るシーリング剤注入方法は、パンクした空気入りタイヤ内に 液状のシーリング剤を注入するためのシーリング剤注入方法であって、シーリング剤 ポンプによりシーリング剤容器内からシーリング剤を吸引しつつ、このシーリング剤を 空気入りタイヤ内へ給送することを特徴とする。

[0010] 上記請求項 2に係るシーリング剤注入方法では、空気入りタイヤがパンクした場合、 シーリング剤容器力も液状のシーリング剤をシーリング剤ポンプが吸引しつつ、この シーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入する。

[0011] 従って、シーリング剤容器力も空気入りタイヤへのシーリング剤の供給時に、シーリ ング剤容器が空気及びシーリング剤の圧力（正圧）により加圧されることがない。これ により、シーリング剤容器の耐圧性が低い場合でも、シーリング剤容器内のシーリン グ剤を高 、供給速度で空気入りタイヤへ供給できる。また加圧によるシーリング剤容 器の破損が生じることがないので、シーリング剤容器の破損によりシーリング剤が供 給不能になることもない。更に、装置 (シーリング剤容器)を傾けた状態で使用しても、 シーリング剤ポンプ力もの負圧によりシーリング剤容器を圧縮変形させつつ、シーリン グ剤容器内のシーリング剤を空気入りタイヤに注入できるので、空気入りタイヤへの シーリング剤の供給完了後に、シーリング剤容器内に残留するシーリング剤を十分に 少なくできる。

[0012] 本発明の請求項 3に係るシーリング剤注入方法は、シーリング剤ポンプによりシーリ ング剤容器内からシーリング剤を吸引しつつ、シーリング剤容器をシーリング剤ボン プからの負圧により圧縮変形させ、このシーリング剤容器内からシーリング剤を搾り出 して空気入りタイヤ内へ給送することを特徴とする。

[0013] 上記請求項 3に係るシーリング剤注入方法では、シーリング剤ポンプ力 の負圧に よりシーリング剤容器を圧縮変形させつつ、シーリング剤容器内のシーリング剤を空 気入りタイヤに注入できるので、シーリング剤容器を傾けた状態で使用しても、空気 入りタイヤへのシーリング剤の供給完了後に、シーリング剤容器内に残留するシーリ ング剤を十分に少なくできる。

[0014] 本発明の請求項 4に係るシーリング ·ポンプアップ装置は、パンクした空気入りタイ ャ内に液状のシーリング剤を注入した後、空気入りタイヤ内へ加圧空気を供給して内 圧を昇圧させるシーリング 'ポンプアップ装置であって、シーリング剤を収容したシー リング剤容器と、前記シーリング剤容器カゝらシーリング剤を吸引して空気入りタイヤへ 給送するシーリング剤ポンプと、空気入りタイヤに空気を圧送するエアコンプレッサと 、を有することを特徴とする。

[0015] 上記請求項 4に係るシーリング ·ポンプアップ装置では、空気入りタイヤがパンクし た場合、シーリング剤容器力も液状のシーリング剤をシーリング剤ポンプが吸引し、こ のシーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入する。

[0016] 従って、シーリング剤容器力も空気入りタイヤへのシーリング剤の供給時に、シーリ ング剤容器が空気及びシーリング剤の圧力（正圧）により加圧されることがない。これ により、シーリング剤容器の耐圧性が低い場合でも、シーリング剤容器内のシーリン グ剤を高 、供給速度で空気入りタイヤへ供給できる。また加圧によるシーリング剤容 器の破損が生じることがないので、シーリング剤容器の破損によりシーリング剤が供 給不能になることもない。

[0017] また請求項 4に係るシーリング 'ポンプアップ装置では、所定量のシーリング剤が空 気入りタイヤに注入された後、コンプレッサにより空気入りタイヤ内へ加圧空気を供給 して内圧を昇圧させる。そして、必要に応じて空気入りタイヤを予備走行させた後、通 常の空気圧にまで昇圧させ、パンク修理を終了する。従って、パンクした空気入りタイ ャに対する修理作業を簡単に行える。

[0018] 本発明の請求項 5に係るシーリング 'ポンプアップ装置は、請求項 4記載のシーリン グ ·ポンプアップ装置にお!、て、前記シーリング剤ポンプと前記エアコンプレッサとが 個別に動力源を有することを特徴とする。

[0019] 上記請求項 5に係るシーリング 'ポンプアップ装置では、シーリング剤ポンプとエア コンプレッサとが個別に動力源を有することにより、シーリング剤ポンプ及びコンプレ ッサにそれぞれ適した動力源を設けることができる。

[0020] 本発明の請求項 6に係るシーリング 'ポンプアップ装置は、請求項 4記載のシーリン グ ·ポンプアップ装置にお!、て、前記シーリング剤ポンプと前記エアコンプレッサとが 共通の動力源を有することを特徴とする。

[0021] 上記請求項 6に係るシーリング 'ポンプアップ装置では、シーリング剤ポンプとエア コンプレッサとが共通の動力源を有することにより、装置の部品点数を低減させること ができ、省スペース化や軽量化を図ることができる。

[0022] 本発明の請求項 7に係るシーリング ·ポンプアップ装置は、請求項 4乃至 6の何れか 1項記載のシーリング 'ポンプアップ装置において、前記シーリング剤ポンプとして、 ベーン式ポンプ、往復式ポンプ、スクリュー式ポンプ、及びギヤポンプの何れかを用 いたことを特徴とする。

[0023] 上記請求項 7に係るシーリング 'ポンプアップ装置では、シーリング剤ポンプ力 ベ ーン式、往復式、スクリュー式のポンプ、又は、ギヤポンプであることにより、シーリン グ剤ポンプを、小型でかつ流量が多!、ポンプにすることができる。

[0024] 本発明の請求項 8に係るシーリング ·ポンプアップ装置は、請求項 4乃至 7のうち何 れカ 1項記載のシーリング 'ポンプアップ装置において、前記エアコンプレッサとして 、レシプロ式エアコンプレッサ及びスクリュー式エアコンプレッサの何れかを用いたこ とを特徴とする。

[0025] 上記請求項 8に係るシーリング 'ポンプアップ装置では、コンプレッサがレシプロ式 又はスクリュー式のコンプレッサであることにより、コンプレッサを、小型でかつ高い圧 力で空気入りタイヤに圧縮空気を供給できるコンプレッサにすることができる。

[0026] 本発明の請求項 9に係るシーリング 'ポンプアップ装置は、請求項 4記載のシーリン グ-ポンプアップ装置において、吸入口を通して外部力 流体を吸引しつつ、この流 体を空気入りタイヤへ給送する共用ポンプと、前記吸入口を前記シーリング剤容器 及び外部空間の一方に選択的に連通させる切換手段とを有し、前記切換手段により 前記吸入口が前記シーリング剤容器に連通した前記共用ポンプを前記シーリング剤 ポンプとして用いると共に、前記切換手段により前記吸入口が外部空間に連通した 前記共用ポンプを前記エアコンプレッサとして用いることを特徴とする。

[0027] 上記請求項 9に係るシーリング ·ポンプアップ装置では、切換手段により吸入口がシ 一リング剤容器に連通した共用ポンプをシーリング剤ポンプとして用いると共に、切 換手段により吸入口が外部空間に連通した共用ポンプをェアコンプレッサとして用 ヽ ることにより、切換手段により共用ポンプの吸入口をシーリング剤容器に接続すれば 、共用ポンプをシーリング剤ポンプとして用いることができ、また共用ポンプの吸入口 を外部空間に接続すれば、共用ポンプをコンプレッサとして用いることができるので、 装置の部品点数を低減させることができ、省スペース化及び軽量ィ匕を図ることができ る。

[0028] 本発明の請求項 10に係るシーリング ·ポンプアップ装置は、請求項 4乃至 9の何れ 力 1項記載のシーリング 'ポンプアップ装置において、空気入りタイヤの内圧を検出し て、該内圧の検出値に対応する検出信号を出力する内圧検出手段と、空気入りタイ ャに対して予め指定された内圧の指定値を装置外部からの操作に応じて設定する 内圧設定手段と、前記エアコンプレッサにより空気が圧送されている空気入りタイヤ の内圧を、前記内圧検出手段からの検出信号に基づいて判断し、空気入りタイヤの 内圧が前記指定値に達すると、前記エアコンプレッサ力 空気入りタイヤへの空気の 圧送を停止させる昇圧停止手段と、を有することを特徴とする。

[0029] 本発明の請求項 11に係るシーリング ·ポンプアップ装置は、請求項 4乃至 9の何れ 力 1項記載のシーリング ·ポンプアップ装置において、空気入りタイヤに対して予め指 定された内圧の指定値を装置外部力 の操作に応じて設定する内圧設定手段と、空 気入りタイヤの内圧が前記指定値に達すると、前記エアコンプレッサにより圧送され る空気を外部へ排気して空気入りタイヤの昇圧を停止させる圧力調整弁と、を有する ことを特徴とする。

[0030] 本発明の請求項 12に係るシーリング.ポンプアップ装置は、請求項 10又は 11記載 のシーリング ·ポンプアップ装置において、空気入りタイヤの内圧が前記指定値に達 すると、空気入りタイヤの内圧が指定値に達したことを装置外部へ視覚的又は音声 的に報知する内圧報知手段を有することを特徴とする。

[0031] 本発明の請求項 13に係るシーリング 'ポンプアップ装置は、請求項 4記載のシーリ ング ·ポンプアップ装置において、前記シーリング剤ポンプにトルクを伝達するポンプ モータと、一端部が前記シーリング剤注入ポンプに接続されると共に、他端部が空気 入りタイヤに接離可能に接続される気液共用配管と、前記気液共用配管における前 記シーリング剤ポンプと空気入りタイヤとの中間部力も分岐し、前記エアコンプレッサ に接続される分岐配管と、前記シーリング剤容器、前記ポンプモータ及び前記エアコ ンプレッサが配置された装置の本体部に対して着脱可能とされ、前記シーリング剤ポ ンプ、前記気液共用配管及び前記分岐配管がそれぞれ搭載された着脱ユニットとを 有し、前記本体部に前記着脱ユニットを装着すると、該着脱ユニットの本体部への装 着動作に連動して、前記シーリング剤ポンプ及び前記分岐配管がそれぞれ前記シ 一リング剤容器及び前記エアコンプレッサに接続されると共に、前記シーリング剤ポ ンプに前記ポンプモータがトルク伝達可能に連結されることを特徴とする。

[0032] 上記請求項 13に係るシーリング ·ポンプアップ装置では、本体部に着脱ユニットを 装着すると、この着脱ユニットの装着動作に連動して、吸入ポンプ及び分岐配管が液 剤容器及びエアコンプレッサにそれぞれ接続されると共に、吸入ポンプにポンプモー タが連結されることにより、使用済みの着脱ユニットが取り外された本体部に着脱ュ- ットに装着する装着動作を行うだけで、未使用の吸入ポンプ、分岐配管及び吸入ポ ンプをそれぞれ装置の一部として本体部に組み付け、装置を作動可能な状態にでき る。

[0033] すなわち、従来のシーリング ·ポンプアップ装置では、パンクした空気入りタイヤを修 理するために、装置を作動させると、液剤容器内の収容されていたシーリング剤が気 液共用配管等の構成部品の内部を流通するので、空気入りタイヤの修理完了後に は、気液共用配管等のシーリング剤が流通した装置の構成部品の内部に残留したシ 一リング剤を洗浄等により完全に除去するか、気液共用配管等を含む装置の構成部 品を新し 、ものに交換しなければ、再びパンクした空気入りタイヤを修理するために 用いることができない。このため、従来のシーリング 'ポンプアップ装置では、気液共 用配管等を含む複数の構成部品を 1個ずつ本体部力 分解し、これらの部品に対し て清掃又は交換を行って 、た。

[0034] これに対し、請求項 13に係るシーリング ·ポンプアップ装置では、駆動モータからの トルクにより吸入ポンプを作動させると、この吸入ポンプにより液剤容器内から吸引さ れたシーリング剤が吸入ポンプ及び気液共用配管の内部を流通するが、これらの吸 入ポンプ及び気液共用配管が着脱ユニットに搭載されているので、使用済みの着脱 ユニットが予め取り外された本体部に新 、着脱ユニットを装着するだけで、すなわ ち本体部に対する着脱ユニットの装着作業を 1回行うだけで、これらの吸入ポンプ及 び気液共用配管を含む装置の構成部品を新しいものに交換 (組み付け)できる。

[0035] この結果、これらの吸入ポンプ及び気液共用配管を含む装置の構成部品を 1個ず つ組み付ける場合と比較し、装置を再使用するために交換が必要となる構成部品を 本体部に簡単に組み付けることができ、かつ、これらの構成部品の本体部への組み 付け時間も大幅に短縮できる。

[0036] 本発明の請求項 14に係るシーリング 'ポンプアップ装置は、請求項 13記載のシー リング'ポンプアップ装置において、前記本体部力も前記着脱ユニットを離脱させると 、該着脱ユニットの本体部力 の離脱動作に連動して、前記シーリング剤ポンプ及び 前記分岐配管がそれぞれ前記シーリング剤容器及び前記エアコンプレッサから切り 離されると共に、前記シーリング剤ポンプが前記ポンプモータ力 離脱することを特 徴とすることを特徴とする。

[0037] 本発明の請求項 14に係るシーリング.ポンプアップ装置では、本体部から着脱ュ- ットを離脱させると、この着脱ユニットの離脱動作に連動して、吸入ポンプ及び分岐配 管がそれぞれ液剤容器及び前記エアコンプレッサ力も切り離されると共に、吸入ボン プがポンプモータ力 離脱することにより、パンクした空気入りタイヤを修理した後に、 本体部から着脱ユニットを取り外す離脱動作を行うだけで、使用済みの吸入ポンプ 及び気液共用配管を含む構成部品を本体部力 取り外すことができるので、これら の吸入ポンプ及び気液共用配管を含む装置の構成部品を 1個ずつ本体部から分解 する場合と比較し、装置を再使用するために交換が必要となる構成部品を簡単に本 体部から分解でき、かつ、これらの構成部品の本体部からの分解時間も大幅に短縮 できる。

[0038] 本発明の請求項 15に係るシーリング ·ポンプアップ装置は、請求項 13又は 14記載 のシーリング 'ポンプアップ装置において、前記気液共用配管を通してシーリング剤 及び圧縮空気が空気入りタイヤ側から前記シーリング剤ポンプへ逆流することを阻止 する逆止弁を前記着脱ユニットに搭載したことを特徴とする。

[0039] 本発明の請求項 16に係るシーリング ·ポンプアップ装置は、請求項 13乃至 15記載 のシーリング 'ポンプアップ装置において、前記シーリング剤容器が前記本体部に対 して着脱可能に装着されることを特徴とする。

発明の効果

[0040] 以上説明したように、本発明のシーリング剤注入装置、シーリング剤注入方法及び シーリング 'ポンプアップ装置によれば、シーリング剤容器の耐圧性が低い場合でも、 シーリング剤容器内のシーリング剤を高い供給速度で正常に空気入りタイヤへ供給 できる。

図面の簡単な説明

[0041] [図 1]本発明の第 1実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す概念 図である。

[図 2]本発明の第 1実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す模式 図である。

[図 3]本発明の第 1実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置を構成するシーリン グ剤ポンプの要部断面図である。

[図 4]本発明の第 1実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置を構成するシーリン グ剤ポンプの変形例の要部断面図である。

[図 5]本発明の第 2実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す模式 図である。

[図 6]本発明の第 3実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す模式 図である。

[図 7]本発明の第 3実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置に用いられているシ 一リング剤ポンプ駆動ギアの構成を示す正面図である。

[図 8]本発明の第 1実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置を構成するシーリン グ剤ポンプの要部断面図である。

[図 9]本発明の第 4実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す模式 図である。

[図 10]本発明の第 1実施形態に係るシーリング ·ポンプアップ装置におけるシーリング 剤ポンプとして適用可能なギヤポンプの構成を示す断面図である。 [図 11]本発明の第 5実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す概念 図である。

[図 12]本発明の第 6実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す概念 図である。

[図 13]本発明の第 6実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置における停止制御 回路の構成を示す回路図である。

[図 14A]第 6実施形態における圧力センサに供給される空気圧と圧力センサの検出 信号との関係を示すグラフである。

[図 14B]第 6実施形態における圧力センサに供給される空気圧と反転コンパレータの 反転信号との関係を示すグラフである。

[図 14C]第 6実施形態における圧力センサに供給される空気圧とヒステリシスコンパレ 一タのニ値ィ匕信号との関係を示すグラフである。

[図 15]本発明の第 7実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置の構成を示す側面 断面図であり、本体部に着脱ユニットが装着された状態を示している。

[図 16]図 1に示されるシーリング ·ポンプアップ装置において本体部力も着脱ユニット が離脱した状態を示す側面断面図である。

[図 17]従来のシーリング 'ポンプアップ装置の一例を示す構成図である。

発明を実施するための最良の形態

[0042] 以下、本発明の実施形態に係るシーリング ·ポンプアップ装置について説明する。

[第 1の実施形態]

(シーリング ·ポンプアップ装置の構成）

図 1及び図 2には、第 1実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置（以下、単に「 ポンプアップ装置」という。）が示されている。ポンプアップ装置 30は、自動車等の車 両に装着された空気入りタイヤがパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換する ことなぐタイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を再加圧 (ボン プアップ）するものである。

[0043] ポンプアップ装置 30は、シーリング剤 36を収容したシーリング剤容器 34と、シーリ ング剤容器 34からシーリング剤 36を吸引して空気入りタイヤ 38へ給送するシーリン グ剤ポンプ 42と、空気入りタイヤ 38に空気を圧送するコンプレッサ 44と、を有する。

[0044] 図 2に示すように、シーリング剤ポンプ 42、及び、コンプレッサ 44には、各々に適合 したモータ (動力源) 41、 45が個別に設けられている。

[0045] シーリング剤ポンプ 42の吸引側にはシーリング剤吸引配管 43の下流端が接続され 、シーリング剤吸引配管 43の上流端はシーリング剤容器 34に接続されている。シー リング剤ポンプ 42の吐出側にはシーリング剤供給配管 46が接続され、シーリング剤 供給配管 46の下流端は三方バルブ 48 (図 2参照）に接続されている。

[0046] また、コンプレッサ 44の吐出側には空気供給配管 50が接続され、空気供給配管 5 0の下流端は三方バルブ 48に接続されている。三方バルブ 48の吐出側には共用配 管 52が接続されている。共用配管 52の下流端には、空気入りタイヤ 38のタイヤノ レ ブ（図示せず）に接続可能なアダプタ（図示せず)が設けられて 、る。

[0047] シーリング剤供給配管 46、空気供給配管 50、共用配管 52は、何れも柔軟性を有 するホース状の配管である。

[0048] 三方バルブ 48の流路方向は、シーリング剤ポンプ 42から空気入りタイヤ 38に流れ るシーリング剤流路方向 L、及び、コンプレッサ 44から空気入りタイヤ 38に流れる圧 縮空気流路方向 G、の何れにも切り換え可能となっている。三方バルブ 48には逆流 防止弁が設けられて 、てもよ!/、。

[0049] シーリング剤ポンプ 42としては小型でかつ流量が多!、ポンプを用いており、本実施 形態では、図 3に示すようなベーン式ポンプ 56である。

[0050] なお、シーリング剤ポンプ 42としては、図 4に示すようなスクリュー式ポンプ 58、図 1 0に示すようなギヤポンプ 110であっても良い。特に、ギヤポンプ 110は、高粘度の液 体であるシーリング剤 36に対する給送効率が良ぐ供給速度の制御も容易であるの で、タイヤ 38へのシーリング剤 36の供給に適している。また、第 2実施形態、第 3実 施形態で説明するような往復式 (心肺式)ポンプとすることも可能である。

[0051] またシーリング剤ポンプ 42としては、図 8に示すようにコンプレッサ 44力 圧縮空気 の供給を受けて、シーリング剤容器 34内からシーリング剤 36を吸入すると共に、この シーリング剤 36を圧縮空気により空気入りタイヤ 38内へ給送するベンチユリ一式ボン プ 90を用いてもよい。このベンチユリ一式ポンプ 90を用いた場合には、シーリング剤 容器 34力も空気入りタイヤ 38へのシーリング剤 36の供給と同時に、圧縮空気を空気 入りタイヤ 38内へ供給することが可能になり、シーリング剤容器 34からシーリング剤 3 6が完全に排出された後には、三方弁等の切換手段に対する切換作業を行うことなく 、コンプレッサ 44力 供給される圧縮空気がベンチユリ一式ポンプ 90内を通って空 気入りタイヤ 38内へ供給される。

[0052] (シーリング ·ポンプアップ装置の作用）

以下、本実施形態に係るポンプアップ装置 30を用い、パンクした空気入りタイヤ 38 を修理する作業手順を説明する。

[0053] 空気入りタイヤ 38にパンクが発生した際、まず、作業者は、空気入りタイヤ 38のタイ ャバルブ（図示せず）にアダプタをねじ止めし、共用配管 52を空気入りタイヤへ接続 する。

[0054] 次に、シーリング剤ポンプ 42を駆動させることにより、シーリング剤容器 34から液状 のシーリング剤 36を吸引して空気入りタイヤ 38内へ注入する。また、コンプレッサ 44 のスィッチを ONにし、使用可能状態にしておく。

[0055] 所定量のシーリング剤が空気入りタイヤ 38に注入された後、三方バルブ 48を切り 換えることにより、コンプレッサ 44から圧縮空気を空気入りタイヤ 38に給送し、空気入 りタイヤ 38の内圧を所定圧にまで昇圧させる。

[0056] そして、空気入りタイヤ 38のタイヤバルブからアダプタを取外し、空気入りタイヤ 38 に注入したシーリング剤が未硬化状態である一定の時間内に、空気入りタイヤ 38を 用いて一定距離も亘つて予備走行を行う。この結果、空気入りタイヤ 38の内部にシ 一リング剤が均一に拡散し、シーリング剤がパンク孔に充填されてパンク孔を閉塞す る。

[0057] 予備走行が完了後、作業者は再びアダプタを空気入りタイヤ 38のタイヤノ レブに 接続し、コンプレッサ 44を作動させて空気入りタイヤ 38の内圧を規定内圧にまで昇 圧させる。これにより、空気入りタイヤ 38のパンク修理が完了する。アダプタを空気入 りタイヤ 38のタイヤバルブから取外すことにより、空気入りタイヤ 38を用いた通常走 行が可能になる。従って、パンクした空気入りタイヤ 38に対する修理作業を簡単に行 える。 [0058] 以上説明したように、本実施形態に係るポンプアップ装置 30では、シーリング剤ポ ンプ 42によりシーリング剤容器 34からシーリング剤 36を吸引して空気入りタイヤ 38 へ給送している。

[0059] 従って、シーリング剤容器 34からタイヤ 38へのシーリング剤 36の供給時に、シーリ ング剤容器 34が空気及びシーリング剤 36の圧力（正圧）により加圧されることがない 。これにより、シーリング剤容器 34の耐圧性が低い場合でも、シーリング剤容器 34内 のシーリング剤 36を高 、供給速度でタイヤ 38へ確実に供給できる。また加圧により シーリング剤容器 34の破損が生じることがないので、シーリング剤容器 34の破損によ りシーリング剤 36が供給不能になることもない。

[0060] また、シーリング剤容器 34を耐圧容器にする必要がなぐシーリング剤容器 34をァ ルミパックや、ポリプロピレン、ナイロン、塩ィ匕ビュル等の榭脂製の榭脂パックとするこ とができる。これにより、シーリング剤容器 34を、液状のシーリング剤の保存性に優れ 、柔軟性を有する袋状の容器とすることができる。この結果、ポンプアップ装置 30で は、シーリング剤ポンプ 42からの負圧によりシーリング剤容器 34を圧縮変形させつ つ、シーリング剤容器 34内のシーリング剤 36をタイヤ 38に注入できるので、シーリン グ剤容器 34を傾けた状態で使用しても、タイヤ 38へのシーリング剤 36の供給完了 後に、シーリング剤容器 34内に残留するシーリング剤 36を十分に少なくでき、シーリ ング剤 36の供給不足によってパンク孔のシールが不完全になることを防止できる。

[第 2実施形態]

次に、第 2実施形態について説明する。第 2実施形態に係るポンプアップ装置 60 では、シーリング剤ポンプ及びコンプレッサを駆動する共通の動力源が設けられて ヽ ることが第 1実施形態に比べて異なる。

[0061] 図 5に示すように、ポンプアップ装置 60には、空気入りタイヤ 38にシーリング剤 36 を供給するシーリング剤ポンプ 62と、空気入りタイヤ 38に圧縮空気を給送するコンプ レッサ 64と、シーリング剤ポンプ 62及びコンプレッサ 64を駆動させる共通のモータ 6 6と、が設けられている。本実施形態では、シーリング剤ポンプ 62はレシプロ式のポン プであり、コンプレッサ 64は往復式（心肺式）のコンプレッサである。

[0062] モータ 66の回転軸にはギア 68が取付けられており、ポンプアップ装置 60には、こ のギア 68と嚙み合うシーリング剤ポンプ駆動ギア 72、及び、コンプレッサ駆動ギア 74 が設けられている。

[0063] シーリング剤ポンプ駆動ギア 72の回転軸にはシーリング剤ポンプ 62でレシプロ動 作をさせるためのクランク機構 63が取付けられており、コンプレッサ駆動ギア 74の回 転軸には、コンプレッサ 64で往復動作をさせるためのクランク機構 65が取付けられ ている。

[0064] ポンプアップ装置 60を用い、パンクした空気入りタイヤ 38を修理する際、本実施形 態では、モータ 66を回転させることによりシーリング剤ポンプ 62及びコンプレッサ 64 の何れも駆動状態にしておく。

[0065] そして、三方バルブ 48の切り換えにより、空気入りタイヤ 38へのシーリング剤 36の 注入と、その後の圧縮空気の注入と、を行う。

[0066] 以上説明したように、本実施形態では、シーリング剤ポンプ 62及びコンプレッサ 64 を駆動させる共通の動力源であるモータ 66が設けられている。これにより、ポンプァ ップ装置 60の部品点数を低減させることができ、省スペース化や軽量ィ匕を図ることが できる。

[第 3実施形態]

次に、第 3実施形態について説明する。図 6に示すように、第 3実施形態に係るボン プアップ装置 80には、回転方向が可逆であるモータ 86と、モータ 86の回転軸に取 付けられたギア 68にそれぞれ嚙み合うシーリング剤ポンプ駆動ギア 82、及び、コン プレッサ駆動ギア 84と、が設けられている。その他の構成要素は第 2実施形態と同じ である。

[0067] 図 7に示すように、シーリング剤ポンプ駆動ギア 82は、ワンウェイクラッチによる逆転 防止機構が設けられたギアであり、モータ 86が正回転したときのみ回転力を回転軸 8 3に伝達し、モータ 86が逆回転したときには空回りして回転軸 83に回転力を伝達し な 、ようになって!/、る。シーリング剤ポンプ駆動ギア 82にはラチェットが用いられて!/ヽ てもよい。

[0068] コンプレッサ駆動ギア 84にも同様の機構が設けられており、モータ 86が逆回転した ときのみ回転力を回転軸 85に伝達し、モータ 86が正回転したときには空回りして回 転軸 85に回動力を伝達しな 、ようになって 、る。

[0069] ポンプアップ装置 80を用い、パンクした空気入りタイヤ 38を修理する際、本実施形 態では、シーリング剤ポンプ 62を駆動させてシーリング剤 36を空気入りタイヤ 38へ 注入するときにはモータ 86を正回転させ、コンプレッサ 64を駆動させて圧縮空気を 空気入りタイヤ 38へ注入するときにはモータ 86を逆回転させる。

[0070] これにより、モータ 86を回転させるのに必要な動力が第 2実施形態に比べ著しく低 減し、大幅な省電力を図ることができる。

[第 4実施形態]

次に、第 4実施形態について説明する。図 9には、第 4実施形態に係るポンプアツ プ装置が示されている。ポンプアップ装置 92には、共用ポンプ 94が設けられると共 に、この共用ポンプ 94における流体の吸入口 96を、配管を通してシーリング剤容器 34及び外部空気の何れか一方に選択的に連通させる三方弁 98が設けられている。 また共用ポンプ 94における流体の吐出口 100には耐圧ホース 102の基端部が接続 されている。耐圧ホース 102の先端部には設けられたアダプタ 104が設けられており 、このアダプタ 104がタイヤバルブ 106にねじ込まれることにより、耐圧ホース 102を 通して共用ポンプ 94の吐出口 100が空気入りタイヤ 38の内部へ連通する。

[0071] ここで、共用ポンプ 94は、例えば、モータ 108を駆動源として、シリンダ内でピストン を往復移動させる往復式ポンプにより構成されており、流体としてシーリング剤 36及 び空気の何れでも吸入口 96から吸引し、この吸引した流体を加圧状態としつつ吐出 口 100から吐出可能とされている。

[0072] 上記のように構成されたポンプアップ装置 92を用い、パンクした空気入りタイヤ 38 を修理する作業手順を説明する。

[0073] 空気入りタイヤ 38にパンクが発生した際、まず、作業者は、空気入りタイヤ 38のタイ ャバルブ 106にアダプタ 104をねじ止めし、耐圧ホース 102を空気入りタイヤ 38へ接 続する。このとき、共用ポンプ 94の吸入口 96は、三方弁 98によりシーリング剤容器 3 4へ接続されている。

[0074] 次に、共用ポンプ 94を駆動させることにより、共用ポンプ 94によりシーリング剤容器 34力もシーリング剤 36を吸引し、このシーリング剤 36を耐圧ホース 102を通して空気 入りタイヤ 38内へ注入する。所定量のシーリング剤 36が空気入りタイヤ 38に注入さ れた後、三方弁 98を切り換え、共用ポンプ 94の吸入口 96を外部空間へ連通させる ことにより、共用ポンプ 94の吸入口 96にはシーリング剤 36に代わって空気が供給さ れる。この状態では共用ポンプ 94は圧縮空気を空気入りタイヤ 38に給送し、空気入 りタイヤ 38の内圧を規定圧まで昇圧させる。

[0075] 本実施形態に係るポンプアップ装置 92では、三方弁 98により共用ポンプ 94の吸 入口 96をシーリング剤容器 34に接続すれば、この共用ポンプ 94をシーリング剤ボン プとして用いることができ、また三方弁 98により共用ポンプ 94の吸入口 96を外部空 間に接続すれば、この共用ポンプ 94をコンプレッサとして用いることができるので、第 1実施形態に係るポンプアップ装置 30により得られる効果に加え、装置の部品点数 を低減させることができ、省スペース化及び軽量ィ匕を図ることができる。

[0076] なお、本実施形態では、三方弁 98がシーリング剤容器 34と共用ポンプ 94との配管 途中に設けられているが、このような三方弁は共用ポンプ 94の内部に配設しても良 い。またシーリング剤 36の注入完了後に行われる三方弁 98の切換作業は、ユーザ の判断にて手作業で行っても良いが、タイマに予め設定された時間の経過後に自動 的に切り換わるようなタイマ式の制御でも、また共用ポンプ 94の内部に設けられたデ ジタル式の流量計によりシーリング剤 36の流通量を測定し、この流通量の測定値が シーリング剤の適正注入量に達した時点で、シーケンス制御により三方弁 98を自動 的に切り換えるようにして良 、。

[第 5実施形態]

次に、第 5実施形態について説明する。図 11には、第 5実施形態に係るポンプアツ プ装置が示されている。このポンプアップ装置 120において、第 1実施形態に係るポ ンプアップ装置 30と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。ポンプアツ プ装置 120は、コンプレッサ 44及びシーリング剤ポンプ 42をそれぞれ制御するため の駆動制御ユニット 122が設けられている。この駆動制御ユニット 122は、コンプレツ サ 44及びシーリング剤ポンプ 42への電源供給を制御するための電源回路 124及び 予めタイムアップ時間 TLが設定されたタイマ 126を備えており、タイマ 126は、タイム アップ時間 TLが外部力もの設定操作により任意の時間長に変更可能とされている。 ここで、タイマ 126には、空気入りタイヤ 38内へのシーリング剤 36の注入量に応じて タイムアップ時間 TLが予め設定される。

[0077] ポンプアップ装置 120には、シーリング剤供給配管 46におけるシーリング剤ポンプ 42と共用配管 52との中間部に逆止弁 128が配設されており、この逆止弁 128は、シ 一リング剤 36がシーリング剤供給配管 46内を通ってシーリング剤ポンプ 42側から共 用配管 52側へ流れることのみを許容し、シーリング剤 36及び空気がシーリング剤供 給配管 46内を通って共用配管 52側からシーリング剤ポンプ 42側へ流れること (逆流 )を阻止する。またポンプアップ装置 120には、共用配管 52の途中に分岐管 138を 介して内圧制御ユニット 130が接続されている。

[0078] 内圧制御ユニット 130には、分岐管 138を介して直列的に接続されたリリーフバル ブ 132及び警報器 134が設けられると共に、分岐管 138の途中に圧力計 136が接 続されている。リリーフバルブ 132は、分岐管 138を通して供給される空気の圧力が 予め設定された開放圧 POに達すると、開放状態となって警報器 134を通して空気（ 圧縮空気）を装置外部へ排気する。リリーフバルブ 132は、その開放圧 POが外部か らの設定操作により任意の圧力に変更可能とされている。ここで、リリーフバルブ 132 には、空気入りタイヤ 38の種類、サイズ等に応じて空気入りタイヤ 38毎にメーカ等に より決められている指定圧と略一致する開放圧 POが予め設定される。

[0079] 警報器 134は、リリーフノ レブ 132により圧縮空気が供給されると、その空気圧を利 用して警報音を装置外部へ発生する。また圧力計 136は、分岐管 138内を流通する 空気の圧力（空気圧)を装置外部へ向って表示する。

[0080] 以下、本実施形態に係るポンプアップ装置 120を用い、パンクした空気入りタイヤ 3 8を修理する作業手順を説明する。

[0081] 空気入りタイヤ 38にパンクが発生した際、まず、作業者は、空気入りタイヤ 38のタイ ャバルブ（図示せず）にアダプタをねじ止めし、共用配管 52を空気入りタイヤへ接続 する。

[0082] 次に、作業者は、駆動制御ユニット 122の電源スィッチ（図示省略)をオン状態とす る。これにより、ポンプアップ装置 120では、シーリング剤ポンプ 42が駆動すると共に 、駆動制御ユニット 122のタイマ 126が作動開始してシーリング剤 36の注入時間を計 時する。このタイマ 126により計時されている注入時間がタイムアップ時間 TLと一致 すると、これに同期して、駆動制御ユニット 122はシーリング剤ポンプ 42を停止させる と共に、コンプレッサ 44を作動開始させる。これにより、コンプレッサ 44により発生した 圧縮空気が空気供給配管 50、共用配管 52を通して空気入りタイヤ 38内へ供給開 始され、この後、空気入りタイヤ 38、空気供給配管 50、共用配管 52及び分岐管 138 の内圧が徐々に上昇する。

[0083] 内圧制御ユニット 130のリリーフノ レブ 132は、分岐管 138内の内圧が開放圧 PO に達すると、開放状態となって圧縮空気を警報器 134を通して装置外部へ排気する 。これにより、空気入りタイヤ 38、空気供給配管 50、共用配管 52及び分岐管 138内 の空気圧が開放圧 POに維持される。このとき、開放圧 POが空気入りタイヤ 38の指 定圧に設定されているので、空気入りタイヤ 38の内圧は指定圧に保たれる。またリリ ーフバルブ 132から圧縮空気が供給される警報器 134は警報音を発生する。この警 報音により作業者は、圧力計 136を見続けなくても、空気入りタイヤ 38の内圧が指定 圧に達したことを容易に認識できる。

[0084] 作業者は、警報音を確認した後に、駆動制御ユニット 122の電源スィッチをオフ状 態としてコンプレッサ 44を停止させると共に、アダプタをタイヤバルブ力も取り外し、 共用配管 52を空気入りタイヤ 38から切り離す。

[0085] なお、本実施形態のポンプアップ装置 120では、リリーフバルブ 132として内蔵され た弁体が開放圧 POに達した空気圧により閉鎖位置力も開放位置に駆動する、所謂 メカニカル式のものを用いていた力 このようなリリーフバルブとしては、例えば、開放 圧 POが設定可能な圧力スィッチを備えており、この圧力スィッチにより空気圧が開放 圧 POに達したことを検出すると共に、電磁石等の電気的又は電子的な素子を用い て弁体を閉鎖位置力も開放位置に駆動する、電気的又は電子式のものを用いても 良い。またポンプアップ装置 120では、空気入りタイヤ 38の内圧が指定圧になったこ とを警報音により音声的に作業者へ報知する警報器 134を用いていたが、このような 警報器 134に代えて、ランプの点滅等により指定圧になったことを視覚的に作業者 へ報知するものを用いても良ぐむろん音声的の報知及び視覚的な報知を同時に行 うものを用いても良い。 [第 6実施形態]

次に、第 6実施形態について説明する。図 12には、第 6実施形態に係るポンプアツ プ装置が示されている。このポンプアップ装置 140において、第 1実施形態に係るポ ンプアップ装置 30と共通な部分には同一符号を付して説明を省略する。

[0086] ポンプアップ装置 140は、コンプレッサ 44及びシーリング剤ポンプ 42をそれぞれ制 御するための制御ユニット 142が設けられている。この制御ユニット 142は、コンプレ ッサ 44及びシーリング剤ポンプ 42への電源供給を制御するための電源回路 144、 予めタイムアップ時間 TLが設定されたタイマ 146、空気圧を検出するための圧力セ ンサ 148、及びコンプレッサ 44の作動停止を制御するための停止制御回路 150を備 えている。なお、タイヤ 38に対する内圧警報装置 (TPMS)を備えている車両では、 専用の圧力センサ 148を省略すると共に、受信回路を介して TPMSからの圧力検出 信号を停止制御回路 150へ入力するようにしても良い。

[0087] ここで、タイマ 146は、タイムアップ時間 TLが外部力もの設定操作により任意の時 間長に変更可能とされており、このタイマ 146には、空気入りタイヤ 38内へのシーリン グ剤 36の注入量に応じてタイムアップ時間 TLが予め設定される。

[0088] ポンプアップ装置 140には、シーリング剤供給配管 46におけるシーリング剤ポンプ 42と共用配管 52との中間部に逆止弁 152が配設されており、この逆止弁 152は、シ 一リング剤 36がシーリング剤供給配管 46内を通ってシーリング剤ポンプ 42側から共 用配管 52側へ流れることのみを許容し、シーリング剤 36及び空気がシーリング剤供 給配管 46内を通って共用配管 52側からシーリング剤ポンプ 42側へ流れること (逆流 )を阻止する。またポンプアップ装置 120には、共用配管 52の途中に分岐管 154の 一端が接続されており、この分岐管 154の他端は制御ユニット 142における圧力セン サ 148に接続されている。これにより、圧力センサ 148には、分岐管 154を通して共 用配管 52内を圧送される空気 (圧縮空気)が供給される。

[0089] 圧力センサ 148は、分岐管 154を通して供給される圧縮空気の圧力（空気圧)を検 出して、この空気圧の検出値に対応する検出信号 DSを停止制御回路 150へ出力す る。また停止制御回路 150にはブザー等力もなる警報器 155が接続されており、この 警報器 155は、停止制御回路 150から出力される駆動信号を受けると、警報音を装 置外部へ向って発生する

図 13には停止制御回路 150の回路 (等価回路)の構成が示されている。停止制御 回路 150は、圧力センサ 148における検出信号 DSの出力端子 149に直列的に接 続される反転コンパレータ 156及びヒステリシスコンパレータ 158を備えている。

[0090] 図 14Aには、圧力センサ 148に供給される空気圧と検出信号 DSの出力値との関 係、図 14Bには、圧力センサ 148に供給される空気圧と反転コンパレータ 156の出 力端子 157から出力される反転信号 ISとの関係、図 14Cには、圧力センサ 148に供 給される空気圧とヒステリシスコンパレータ 158の出力端子 159から出力される二値 化信号 BSとの関係がそれぞれ示されている。

[0091] 反転コンパレータ 156は、圧力センサ 148から出力された検出信号 DSを反転及び 増幅することにより、検出信号 DSを図 14Bに示されるような反転信号 ISに変換し、こ の反転信号 ISをヒステリシスコンパレータ 158へ出力する。

[0092] このとき、反転コンパレータ 156に並列的に接続された可変抵抗 160の抵抗値を調 整することにより、反転信号 ISの検出信号 DSに対する増幅率を増減することができ る。この反転コンパレータ 156による増幅率は、空気入りタイヤ 38の種類、サイズ等 に応じて空気入りタイヤ 38毎にメーカ等により決められている指定圧に対応する値に 設定される。

[0093] ヒステリシスコンパレータ 158は、反転コンパレータ 156から出力された反転信号 IS を反転及び増幅することにより、検出信号 DSを図 14Cに示されるような二値信号 BS に変換し、この二値信号 BSを複数のトランジスタ 166, 167等力もなるスイッチング素 子 168へ出力する。スイッチング素子 168は、二値信号 BSの信号値が" 0〃の時にコ ンプレッサ 44へ駆動電流を供給し、また二値信号 BSの信号値力 1"の時にコンプレ ッサ 44への駆動電流の供給を停止する。

[0094] このとき、ヒステリシスコンパレータ 158に並列的に接続された抵抗 162の抵抗値を 適宜選択することにより、二値信号 BSの信号値が変化する際の閾値を設定できる。 従って、反転コンパレータ 156による検出信号 DSに対する増幅率を空気入りタイヤ 3 8の指定圧に応じた値に設定することにより、圧力センサ 148により検出された空気 圧が指定圧に達したタイミングで、ヒステリシスコンパレータ 158から出力される二値 信号 BSの信号値を" 1 "から" 0〃に変化させることできる。またヒステリシスコンパレータ 158の閾値を検出信号 DSに重畳されているノイズ成分の大小に応じて適正に設定 すれば、ノイズ成分の影響によりコンプレッサ 44に誤動作が発生することを防止でき る。

[0095] 警報器 155は、ヒステリシスコンパレータ 158の出力端子 159に接続されており、ヒ ステリシスコンパレータ 158から出力される二値信号 BSの信号値が "0 "から" 1Ίこな ると、これに同期して警報音を発生し、また二値信号 BSの信号値力 "から" ΟΊこな ると、これに同期して警報音の発生を停止する。

[0096] 以下、本実施形態に係るポンプアップ装置 140を用い、パンクした空気入りタイヤ 3 8を修理する作業手順を説明する。

[0097] 空気入りタイヤ 38にパンクが発生した際、まず、作業者は、空気入りタイヤ 38のタイ ャバルブ（図示せず）にアダプタをねじ止めし、共用配管 52を空気入りタイヤへ接続 する。

[0098] 次に、作業者は、制御ユニット 142の電源スィッチ 164をオン状態とする。これによ り、ポンプアップ装置 140では、シーリング剤ポンプ 42が駆動すると共に、制御ュ-ッ ト 142のタイマ 146が作動開始してシーリング剤 36の注入時間を計時する。このタイ マ 146により計時されている注入時間がタイムアップ時間 TLと一致すると、これに同 期して、制御ユニット 142はシーリング剤ポンプ 42を停止させると共に、コンプレッサ 44を作動開始させる。これにより、コンプレッサ 44により発生した圧縮空気が空気供 給配管 50、共用配管 52を通して空気入りタイヤ 38内へ供給開始され、この後、空気 入りタイヤ 38、空気供給配管 50、共用配管 52及び分岐管 138の内圧が徐々に上昇 する。

[0099] 停止制御回路 150は、圧力センサ 148により検出された空気圧が指定圧に達する と、これに同期してコンプレッサ 44への電源供給を停止すると共に、警報器 155を作 動させて警報音を発生させる。これにより、空気入りタイヤ 38が指定圧まで昇圧した タイミングでコンプレッサ 44を自動停止させることができると共に、作業者等へ空気入 りタイヤ 38の内圧が指定圧まで昇圧したことを警報音により報知できる。作業者は、 警報音を確認した後に、アダプタをタイヤバルブ力 取り外し、共用配管 52を空気入 りタイヤ 38から切り離す。

[0100] なお、本実施形態のポンプアップ装置 140では、空気入りタイヤ 38の内圧が指定 圧になったことを警報音により音声的に作業者へ報知する警報器 155を用いていた 1S このような警報器 155に代えて、ランプの点滅等により指定圧になったことを視覚 的に作業者へ報知するものを用いても良ぐむろん音声的の報知及び視覚的な報知 を同時に行うものを用いても良い。

[第 7実施例]」

次に、第 7実施形態について説明する。図 15及び図 16には、本発明の第 7実施形 態に係るポンプアップ装置が示されている。このポンプアップ装置 210は、パンクした タイヤ内にシーリング剤 234を注入した後、このタイヤ内に圧縮空気を供給してタイヤ を所定の基準圧まで内圧を再加圧するものである。

[0101] 図 1に示されるように、ポンプアップ装置 210は、その外殻部として箱状のケーシン グ 212を備えており、このケーシング 212は、装置の高さ方向（矢印 H方向）に沿って 本体ケーシング 214と着脱ケーシング 216とに分割可能な 2分割構造とされている。 本体ケーシング 214は、全体として高さ方向の寸法に対して幅方向（矢印 W方向）に 沿った寸法が若干長い筐体状に形成されており、また着脱ケーシング 216は、全体 として高さ方向に沿って扁平なプレート状に形成されて 、る。

[0102] 本体ケーシング 214内には、圧縮空気の供給源としてエアコンプレッサ 218、この ェアコンプレッサ 218にトルク伝達可能に連結されたコンプレッサモータ 220、シーリ ング剤 234を収容したシーリング剤容器 232、後述するシーリング剤ポンプ 240にト ルク伝達可能に連結されるポンプモータ 236、コンプレッサモータ 220等を制御する ための制御ユニット 222及び電源スィッチ 224が搭載されて!、る。電源スィッチ 224 は、本体ケーシング 214の外側に突出するスィッチレバー（図示省略)を備えており、 このスィッチレバーを"オフ位置〃及び"オン位置〃の何れかの位置に保持可能とされ ている。ここで、エアコンプレッサ 218としては、例えば、シリンダ内をピストンが往復し つつ空気を吸入'排気するレシプロ式のものが用いられる。また制御ユニット 222は 内部タイマ（図示省略)を内蔵しており、この内部タイマには、タイヤの種類、サイズ等 に応じて決められているタイヤ内へのシーリング剤 234の注入量に対応する注入時 間 TLがセットされている。

[0103] 電源スィッチ 224は、スィッチレバー力 オン位置"にある状態では、制御ユニット 22 2へ駆動命令としての接点信号を出力し、また"オフ位置〃にある状態では、制御ュ- ット 222への接点信号の出力を停止する。また電源スィッチ 224は電源ケーブル 226 を備えており、この電源ケーブル 226の先端側を本体ケーシング 214の外部へ延出 させている。電源ケーブル 226の先端部には接続プラグ 228が配設されており、この 接続プラグ 228は車両に設けられたシガーソケットに揷脱可能とされている。この接 続プラグ 228をシガーソケットに挿入することにより、電源スィッチ 224が車両に搭載 されたバッテリに電気的に接続される。この状態で、作業者が電源スィッチ 224のスィ ツチレバーを"オフ位置"から〃オン位置〃へ移動させると、制御ユニット 222には電源 スィッチ 224を介してバッテリからの電源が供給開始される。

[0104] ポンプアップ装置 210では、本体ケーシング 214及び本体ケーシング 214に搭載さ れたエアコンプレッサ 218、コンプレッサモータ 220、シーリング剤容器 232、ポンプ モータ 236、コンプレッサモータ 220、制御ユニット 222、電源スィッチ 224等が装置 の本体部 230を構成している。またシーリング剤容器 232は本体ケーシング 214に着 脱可能に搭載されており、ポンプアップ装置 210をタイヤのパンク修理に用い、シー リング剤容器 232中のシーリング剤 234が消費された後、本体ケーシング 214内から 取り外される。この後、本体ケーシング 214には、所定量のシーリング剤 234を収容し たシーリング剤容器 232が取り付けられる。これにより、パンク修理後におけるポンプ アップ装置 210へのシーリング剤 234の補給が簡単に行えるようになつている。

[0105] 一方、着脱ケーシング 216には、シーリング剤容器 232内力もシーリング剤 234を 吸入してタイヤ内へ供給するためのシーリング剤ポンプ 240、このシーリング剤ポン プ 240の吸入ポート 242をシーリング剤容器 232内へ連通させるための吸入配管 24 6、シーリング剤ポンプ 240の吐出ポート 244をタイヤ内に連通させるための供給配 管 238が搭載されている。供給配管 238には、その先端部に三方管継手 248が配設 されており、この三方管継手 248には、ジョイントホース 250及び分岐配管 252がそ れぞれ接続されている。

[0106] ジョイントホース 250は、その先端側が着脱ケーシング 216の外部へ延出しており、 ジョイントホース 250の先端部には、タイヤのタイヤバルブにねじ止めにより着脱可能 に接続されるバルブアダプタ 251が配設されている。また供給配管 238には、シーリ ング剤ポンプ 240と三方管継手 248との間に逆止弁 254が配設されており、この逆 止弁 254は、供給配管 238を通ってシーリング剤ポンプ 240側からジョイントホース 2 50側への流体 (シーリング剤 234)が流通することを許容する力 ジョイントホース 25 0側からシーリング剤ポンプ 240側への流体 (シーリング剤 234及び圧縮空気）が流 通することを阻止する。

[0107] ここで、シーリング剤ポンプ 240としては、例えば、ギヤポンプ、スクリューポンプ、ベ ーンポンプ、レシプロポンプ等の各種ポンプを用いることができる。ポンプアップ装置 210では、着脱ケーシング 216及び着脱ケーシング 216に搭載されたシーリング剤 ポンプ 240、吸入配管 246、供給配管 238等が装置における着脱ユニット 256を構 成しており、この着脱ユニット 256は本体部 230に着脱可能とされている。

[0108] 図 16に示されるように、本体ケーシング 214には、その下端部における一端側に略 コ字状の断面を有する固定ヒンジ部 258が形成されると共に、他端側にジョイントレバ 一 262が配設されている。固定ヒンジ部 258は、その下端側を本体ケーシング 214の 下面力も着脱ユニット 256側へ突出させており、この固定ヒンジ部 258の下端部には 幅方向内側へ向って開口した挿脱口 260がー体的に形成されて 、る。

[0109] ジョイントレバー 262も、その下端側（先端側）を本体ケーシング 214の下面力も着 脱ユニット 256側へ突出させており、このジョイントレバー 262の基端部は、連結ピン 264を介して本体ケーシング 214の下端部に揺動可能に連結されている。ジョイント レバー 262は、図 15の実線で示される連結位置と 2点鎖線で示される解放位置との 間で揺動可能とされている。ジョイントレバー 262の先端部には、その厚さ方向に沿 つてねじ穴 266が穿設されており、このねじ穴 266内には、装置の幅方向外側から固 定ねじ 68がねじ込まれている。またジョイントレバー 262には、内側の面におけるねじ 穴 266の基端側に係合凹部 270が形成されている。

[0110] 一方、着脱ケーシング 216には、その上端部における幅方向に沿った一端側に固 定ヒンジ部 258に対応する突起状の着脱ヒンジ部 272が形成されると共に、他端側 にジョイントレバー 262の係合凹部 270及び固定ねじ 68にそれぞれに対応する係合 突起 274及びねじ穴 276が形成されている。着脱ヒンジ部 272は、揷脱ロ 260を通し て固定ヒンジ部 258内へ揷脱可能とされている。図 15に示されるように、着脱ヒンジ 部 272が固定ヒンジ部 258に挿入されると、着脱ケーシング 216は、その一端側が着 脱ヒンジ部 272及び固定ヒンジ部 258を介して本体ケーシング 214に連結される。こ のとき、着脱ケーシング 216は、着脱ヒンジ部 272及び固定ヒンジ部 258を中心として 実線で示される装着位置と 2点鎖線で示される挿脱位置との範囲で揺動可能となる。

[0111] 装着位置にある着脱ケーシング 216は、その頂面部分を本体ケーシング 214の底 面部分へ当接させ、また挿脱位置にある着脱ケーシング 216は、その頂面部分を本 体ケーシング 214の底面部分から傾けた状態で離間させており、この状態で、着脱ケ 一シング 216を装置の幅方向に沿って他端側へ移動させることにより、着脱ヒンジ部 272が固定ヒンジ部 258内力も離脱して着脱ケーシング 216が本体ケーシング 214 力 切り離される。

[0112] また着脱ケーシング 216が装着位置にある状態で、ジョイントレバー 262を解放位 置側から連結位置へ揺動させると、係合突起 274がジョイントレバー 262の係合凹部 270内へ挿入される。これにより、着脱ケーシング 216の装着位置力ゝら揷脱位置側へ の揺動が阻止される。このとき、固定ねじ 68の先端部が着脱ケーシング 216のねじ 穴 276と一致し、固定ねじ 68の先端側をねじ穴 276内へねじ込むことが可能になる。 この状態で、固定ねじ 68を、その頭部がジョイントレバー 262に圧接するまでねじ穴 276内へねじ込むことにより、ジョイントレバー 262が連結位置に締結固定される。こ れにより、着脱ケーシング 216が装着位置に拘束されて本体ケーシング 214と一体 化される。

[0113] 図 16に示されるように、シーリング剤容器 232には、着脱ケーシング側の一端部に 他端側に対して断面積が縮小した略円筒状の首部 278が形成されている。この首部 278の先端面にはシーリング剤 234の吐出口 280力開口しており、この吐出口 280 はアルミ箔等の封止部材 282により封止されている。またエアコンプレッサ 218には、 着脱ケーシング 216の一端部に略円筒状のプラグ部 284が設けられている。このプ ラグ部 284の内部には圧縮空気の供給路が貫通しており、この供給路の先端はブラ グ部 284の先端面で開口している。ここで、本体ケーシング 214は、その底面部から 首部 278及びプラグ部 284がそれぞれ着脱ケーシング 216側へ突出するようにシー リング剤容器 232及びエアコンプレッサ 218を支持して 、る。

[0114] またポンプモータ 236には、着脱ケーシング 216側の端部から突出するトルク伝達 軸 288が設けられており、このトルク伝達軸 288の先端部には、所定の径方向に沿つ て徐々に幅が狭くなるようなテーパ部 289が形成されると共に、このテーパ部 289の 先端力も突出する平板状の連結片 290が形成されている。ここで、本体ケーシング 2 14は、その底面部からトルク伝達軸 288が着脱ケーシング 216側へ突出するように ポンプモータ 236を支持して!/、る。

[0115] 一方、着脱ケーシング 216には、シーリング剤容器 232の首部 278に対応する部 位に連結キャップ 292が配設されている。この連結キャップ 292は、本体ケーシング 2 14側へ向って開口するように着脱ケーシング 216により支持されており、その内部に は、シーリング剤容器 232の首部 278が揷脱可能とされた嵌揷穴 294が形成されて いる。連結キャップ 292には、嵌揷穴 294の底面部の外周側にゴム等力もなる液体シ ール用の Oリング（図示省略）が配設されると共に、嵌揷穴 294の底面部中央から着 脱ケーシング 216側へ突出するように中空状の破通管 296が設けられている。この 破通管 296の基端部には吸入配管 246の基端部が接続されており、この吸入配管 2 46を通して破通管 296はシーリング剤ポンプ 240の吸入ポート 242と連通している。

[0116] ポンプアップ装置 210では、挿脱位置にある着脱ケーシング 216を装着位置へ摇 動させると、これに連動して、シーリング剤容器 232の首部 278が連結キャップ 292 の嵌揷穴 294内へ嵌挿されると共に、破通管 296が封止部材 282を突き破ってシー リング剤容器 232内へ挿入される。これ〖こより、首部 278の吐出口 280と連結キャップ 292の破通管 296との隙間が Oリングにより液密状態となるようにシールされると共に 、シーリング剤容器 232の内部空間が破通管 296及び吸入配管 246を通ってシーリ ング剤ポンプ 240の吸入ポート 242に連通する。

[0117] またポンプアップ装置 210では、装着位置にある着脱ケーシング 216を揷脱位置 へ揺動させると、これに連動して、シーリング剤容器 232の首部 278が連結キャップ 2 92の嵌揷穴 294内から離脱すると同時に、破通管 296がシーリング剤容器 232内か ら抜き取られる。これにより、シーリング剤ポンプ 240の吸入ポート 242がシーリング剤 容器 232から切り離される。

[0118] 着脱ケーシング 216には、エアコンプレッサ 218のプラグ部 284に対応する部位に キャップ状のソケット部 298が配設されている。このソケット部 298は、本体ケーシング 214側へ向って開口するように着脱ケーシング 216により支持されており、その内部 にはエアコンプレッサ 218のプラグ部 284が揷脱可能とされた嵌揷穴 300が形成さ れている。ソケット部 298には、嵌揷穴 300の底面部の外周側にゴム等力もなるガス シール用の Oリング（図示省略)が配設されると共に、底面部の中央部分に分岐配管 252内に連通する連通口が開口して 、る。

[0119] ポンプアップ装置 210では、挿脱位置にある着脱ケーシング 216を装着位置へ摇 動させると、これに連動して、エアコンプレッサ 218のプラグ部 284がソケット部 298の 嵌揷穴 300内へ嵌挿される。これにより、プラグ部 284とソケット部 298との隙間が Oリ ングにより気密状態となるようにシールされると共に、プラグ部 284の供給路 286がソ ケット部 298を介して分岐配管 252の内部に連通し、エアコンプレッサ 218のエア吐 出ポート（図示省略)が供給路 286、分岐配管 252、三方管継手 248を通してジョイ ントホース 250へ連通する。またポンプアップ装置 210では、装着位置にある着脱ケ 一シング 216を揷脱位置へ揺動させると、これに連動して、エアコンプレッサ 218の プラグ部 284がソケット部 298の嵌揷穴 300内力も離脱し、エアコンプレッサ 218が分 岐配管 252から切り離される。

[0120] 図 16に示されるように、シーリング剤ポンプ 240には、ポンプモータ 236のトルク伝 達軸 288に対応する部位にトルク伝達部材 304が配設されて 、る。このトルク伝達部 材 304〖こは、トルク伝達軸 288が揷脱可能とされた連結穴 306が形成されると共に、 この連結穴 306内にトルク伝達軸 288のテーパ部 289及び連結片 290にそれぞれ 対応するテーパ受部 308及び連結溝 310が形成されている。ここで、シーリング剤ポ ンプ 240は、トルク伝達部材 304の回転時に作動してシーリング剤 234に対する吸入 •吐出動作を行う。

[0121] ポンプアップ装置 210では、挿脱位置にある着脱ケーシング 216を装着位置へ摇 動させると、これに連動して、ポンプモータ 236のトルク伝達軸 288がシーリング剤ポ ンプ 240の連結穴 306内へ挿入される。この際、トルク伝達軸 288のテーパ部 289及 び連結穴 306のテーパ受部 308の作用によりトルク伝達軸 288の連結片 290が連結 穴 306内の連結溝 310内へ案内され、着脱ケーシング 216が装着位置に達すると連 結片 290が連結溝 310内へ嵌合する。これにより、トルク伝達軸 288がトルク伝達部 材 304にトルク伝達が可能となるように連結される。またポンプアップ装置 210では、 装着位置にある着脱ケーシング 216を揷脱位置へ揺動させると、これに連動して、ト ルク伝達軸 288が連結穴 306内力も抜け出てポンプモータ 236がシーリング剤ポン プ 240から切り離される。

[0122] (実施形態の作用）

次に、本実施形態に係るポンプアップ装置 210を用いてパンクしたタイヤを修理す る作業手順を説明する。なお、本実施形態に係るポンプアップ装置 210は、図 15に 示されるように、本体部 230に着脱ユニット 256が装着されてポンプアップ装置 210と して組み立てられた状態で、車両のトランクルーム等に保管されているものとする。

[0123] タイヤにパンクが発生した際には、先ず、作業者は、ジョイントホース 250のバルブ アダプタ 251をタイヤのタイヤバルブに接続した後、電源スィッチ 224のスィッチレバ 一を"オフ位置"から〃オン位置〃へ移動させる。これに同期し、制御ユニット 222は、ポ ンプモータ 236へ駆動電流を供給開始してポンプモータ 236を駆動開始させると共 に、内部タイマ（図示省略）によりシーリング剤 234の注入時間を計時開始する。制御 ユニット 222から駆動電流の供給を受けたポンプモータ 236は、そのトルク伝達軸 28 8からトルク伝達部材 304へトルクを伝達してシーリング剤ポンプ 240を作動させる。ト ルク伝達軸 288からの伝達トルクにより作動状態となったシーリング剤ポンプ 240は、 シーリング剤容器 232内のシーリング剤 234を吸入配管 246及び吸入ポート 242を 通して吸引し、このシーリング剤 234を加圧状態として吐出ポート 244を通して供給 配管 238内へ送り出す。このシーリング剤 234は供給配管 238及びジョイントホース 2 50を通ってタイヤ内へ注入される。

[0124] 制御ユニット 222の内部タイヤは、ポンプモータ 236の駆動開始からの時間がタイ ャの種類、サイズ等に応じて予めセットされた注入時間 TLと一致すると、カウントアツ プ信号を出力する。カウントアップ信号の出力に同期し、制御ユニット 222は、ポンプ モータ 236への駆動電流の供給を中止してシーリング剤ポンプ 240を停止させた後 、コンプレッサモータ 220への駆動電流の供給を開始してエアコンプレッサ 218を作 動開始させる。このとき、シーリング剤ポンプ 240は、注入時間 TLの間にシーリング 剤容器 232内からタイヤの規定量よりも若干多めのシーリング剤 234を吸入し、この シーリング剤 234をタイヤ内へ注入する。

[0125] 一方、注入時間 TLの経過後、作動状態となったエアコンプレッサ 218は、コンプレ ッサ外部から吸入すると共に圧縮して圧縮空気を生成し、この圧縮空気をエア供給 ポートから吐出する。この圧縮空気は、プラグ部 284の供給路 286、分岐配管 252、 三方管継手 248、ジョイントホース 250を通ってタイヤ内に供給されてタイヤを膨張さ せる。この後、作業者は圧力ゲージによりタイヤの内圧が規定圧に達したことを確認 したならば、電源スィッチ 224を"オフ位置"へ復帰させる。これにより、制御ユニット 2 22はコンプレッサモータ 220への電流供給を中止してエアコンプレッサ 218を停止さ せる。

[0126] 次いで、作業者は、バルブアダプタ 251をタイヤバルブから抜き取りジョイントホー ス 250を離脱させると共に、電源ケーブル 226の接続プラグ 228を車両のシガーソケ ットから抜き取る。この状態で一旦、作業者はポンプアップ装置 210をトランク等に収 納した後、シーリング剤 234が注入されたタイヤを用いて一定距離に亘つて予備走 行する。予備走行完了後に、作業者は、タイヤの内圧を再測定し、必要に応じて再 びバルブアダプタ 251をタイヤバルブにねじ止めし、ポンプアップ装置 210のェアコ ンプレッサ 218を作動させてタイヤを規定の内圧まで加圧する。これにより、タイヤの パンク修理 (応急修理)が完了し、このタイヤを用いて一定の距離範囲内で一定速度 以下 (例えば、 80KmZh以下)での走行が可能になる。

[0127] 上記したようなタイヤの応急修理の完了後に、作業者は、可及的速やかに車両をガ ソリンスタンド、整備工場等の修理施設へ搬入し、この修理施設でパンクしたタイヤの 修理を受ける力、タイヤの交換を受ける必要がある。またポンプアップ装置 210につ いては、タイヤを応急修理した際にシーリング剤 234が流通した吸入配管 246、吸入 ポンプ、供給配管 238、ジョイントホース 250を含む着脱ユニット 256を新しいものに 交換する必要がある。

[0128] 次に、ポンプアップ装置 210の本体部 230に対する着脱ユニット 256及びシーリン グ剤容器 232の交換作業の手順について説明する。

[0129] 先ず、作業者は、固定ねじ 68を抜取り方向へ回転させてねじ穴 276内から抜き取り 、連結位置にあるジョイントレバー 262を開放位置へ揺動させた後、固定ヒンジ部 25 8及び着脱ヒンジ部 272を中心として着脱ケーシング 216 (着脱ユニット 256)を装着 位置から挿脱位置へ揺動させる。この状態で、作業者は、着脱ユニット 256を斜め下 方へ移動させて着脱ヒンジ部 272を固定ヒンジ部 258内から抜き取り、着脱ユニット 2 56を本体部 230から切り離す。この本体部 230から切り離された着脱ユニット 256は 、不燃物等として廃棄しても良いが、修理施設等で回収して吸入配管 246、吸入ポ ンプ、供給配管 238、ジョイントホース 250の内部に残留するシーリング剤 234を清掃 、除去し、必要に応じて Oリング等の消耗部品を新しいものに交換することにより、再 生品として巿場等に再流通させることが好ましい。

[0130] 次いで、作業者は、着脱ユニット 256が取り外された本体部 230内からシーリング剤 容器 232を抜き取り、この使用済みのシーリング剤容器 232の代わりに、所定量のシ 一リング剤 234を収容すると共に、吐出口 280が封止部材 282により封止された新し いシーリング剤容器 232を本体部 230に装着する。シーリング剤容器 232の交換完 了後、作業者は、未使用の着脱ユニット 256を本体部 230に対して挿脱位置にある 場合と略平行となるように傾けた状態としつつ、着脱ヒンジ部 272を固定ヒンジ部 258 内へ挿入し、ヒンジ部 58, 72を中心として着脱ユニット 256を揷脱位置力も装着位置 へ揺動させる。この後、作業者は、解放位置にあるジョイントレバー 262を連結位置 へ揺動させ、ジョイントレバー 262を連結位置に保持しつつ、固定ねじ 68をねじ穴 27 6内へねじ込むことにより、ジョイントレバー 262により着脱ユニット 256を装着位置に 拘束する。これにより、本体部 230に対するシーリング剤容器 232及び着脱ユニット 2 56の交換が完了する。

[0131] 以上説明した本発明の実施形態に係るポンプアップ装置 210では、本体部 230に 未使用の着脱ユニット 256を上記したような手順で装着すると、この着脱ユニット 256 の本体部 230への装着動作に連動して、シーリング剤容器 232の首部 278が連結キ ヤップ 292の嵌揷穴 294内へ嵌挿されると共に、連結キャップ 292の破通管 296が 封止部材 282を突き破る。これにより、シーリング剤ポンプ 240の吸入ポート 242が吸 入配管 246を通してシーリング剤容器 232内へ連通し、シーリング剤ポンプ 240がシ 一リング剤容器 232内からシーリング剤 234を吸入することが可能になる。

[0132] またポンプアップ装置 210では、着脱ユニット 256の本体部 230への装着動作に連 動して、エアコンプレッサ 218のソケット部 298がプラグ部 284の嵌揷穴 300内へ嵌 挿されてプラグ部 284内の供給路がソケット部 298の連通口を通して分岐配管 252 内に連通する。これにより、エアコンプレッサ 218により発生した圧縮空気が供給路 2 86、分岐配管 252、三方管継手 248及びジョイントホース 250を通してタイヤ内へ供 給可能になる。

[0133] またポンプアップ装置 210では、着脱ユニット 256の本体部 230への装着動作に連 動して、ポンプモータ 236のトルク伝達軸 288がトルク伝達部材 304にトルク伝達可 能に連結され、ポンプモータ 236が発生したトルクをトルク伝達軸 288及びトルク伝 達部材 304を介してシーリング剤ポンプ 240へ伝達可能になる。

[0134] 従って、ポンプアップ装置 210では、作業者が使用済みの着脱ユニット 256が取り 外された本体部 230に未使用の着脱ユニット 256を装着する装着動作を行うだけで 、未使用の供給配管 238、シーリング剤ポンプ 240、分岐配管 252及びジョイントホ ース 250をそれぞれ装置の一部として本体部 230に組み付け、装置を作動可能な状 態にできる。

[0135] これに対し、従来のシーリング装置では、タイヤの修理完了後に、シーリング剤が流 通した配管、吸入ポンプ、ジョイントホース等の装置の構成部品（以下、「液路部品」と いう。）の内部に残留したシーリング剤を洗浄等により除去する力 流路部品を新しい ものに交換しなければ、タイヤ修理のために用いることができない。このため、従来の シーリング 'ポンプアップ装置では、流路部品を 1個ずつ本体部から分解し、これらの 流路部品を新し 、もの（清掃品又は未使用品）に交換して 、た。

[0136] 本実施形態に係るポンプアップ装置 210では、ポンプモータ 236からのトルクにより シーリング剤ポンプ 240を作動させると、このシーリング剤ポンプ 240によりシーリング 剤容器 232内から吸引されたシーリング剤 234が、吸入配管 246、シーリング剤ボン プ 240、供給配管 238及びジョイントホース 250の内部をそれぞれ流通する力 これ らの吸入配管 246、シーリング剤ポンプ 240及びジョイントホース 250が全て着脱ュ ニット 256に搭載されているので、使用済みの着脱ユニット 256が予め取り外された 本体部 230に新しい着脱ユニット 256を装着するだけで、すなわち本体部 230に対 する着脱ユニット 256の装着作業を 1回行うだけで、これらの吸入配管 246、シーリン グ剤ポンプ 240及びジョイントホース 250を含む装置の構成部品を新しいものに交換 (組み付け）できる。この結果、これらの吸入配管 246、シーリング剤ポンプ 240及び ジョイントホース 250並びに、これらの付帯する装置の構成部品を本体部 230に 1個 ずつ組み付ける場合と比較し、これらの構成部品を簡単に組み付けることができ、か つ、これらの構成部品の本体部 230への組み付け時間も大幅に短縮できる。

[0137] また本実施形態に係るポンプアップ装置 210では、本体部 230から着脱ユニット 25 6を離脱させると、この着脱ユニット 256の離脱動作に連動して、吸入配管 246及び 分岐配管 252がそれぞれシーリング剤容器 232及びエアコンプレッサ 218から切り離 されると共に、シーリング剤ポンプ 240とポンプモータ 236との連結状態が解除される ことにより、パンクしたタイヤを修理した後に、本体部 230から着脱ユニット 256を取り 外す離脱動作を行うだけで、使用済みの吸入配管 246、シーリング剤ポンプ 240及 びジョイントホース 250を含む装置の構成部品を本体部 230から取り外すことができ るので、これらの吸入配管 246、シーリング剤ポンプ 240及びジョイントホース 250を 1 個ずつ本体部 230から分解する場合と比較し、装置を再使用するために交換が必要 となる構成部品を簡単に本体部 230から分解でき、かつ、これらの構成部品を本体 部 230から分解する時間も大幅に短縮できる。

[0138] また本実施形態に係るポンプアップ装置 210では、供給配管 238にシーリング剤 2 34及び圧縮空気がタイヤ側から吸入ポンプへ逆流することを阻止する逆止弁 254が 配設されていることにより、シーリング剤ポンプ 240又はエアコンプレッサの停止時に 、タイヤ内にー且注入されたシーリング剤 234がタイヤの内圧によりシーリング剤ボン プ 240内へ逆流することを確実に防止できるので、逆流したシーリング剤 234により シーリング剤ポンプ 240に故障が発生することがなくなる。ポンプアップ装置 210では 、シーリング剤ポンプ 240の作動時に逆止弁 254内にもシーリング剤 234が流通する 力 逆止弁 254も着脱ユニット 256に供給配管 238の一部として搭載されているので 、着脱ユニット 256の交換により逆止弁 254も本体部 230に対して簡単に交換できる [0139] また本実施形態に係るポンプアップ装置 210では、ジョイントホース 250を通してタ ィャ側力も逆流したシーリング剤 234が分岐配管 252内へも流入する可能性がある 力 エアコンプレッサ 218としてレシプロ式のものを用いていることから、このエアコン プレッサ 218のエア吐出ポートに配設された排気弁（図示省略）によりシーリング剤 2 34がエアコンプレッサ 218のシリンダ内へ侵入することが阻止される。なお、逆止弁 2 54を省略すると共に、供給配管 238とジョイントホース 250との間に三方管継手 248 に代えて三方逆止弁を配設し、この三方逆止弁によりジョイントホース 250内力 供 給配管 238及び分岐配管 252内へのシーリング剤 234及び圧縮空気の逆流を阻止 するようにして良い。

[0140] また本実施形態に係るポンプアップ装置 210では、本体部 230内に 2個のコンプレ ッサモータ 220及びポンプモータ 236が配設されており、これらのモータ 20, 36によ りェアコンプレッサ 218及びシーリング剤ポンプ 240にそれぞれ独立してトルクを伝達 し、ェアコンプレッサ 218及びシーリング剤ポンプ 240をそれぞれ異なる時期に作動 させていた力 大容量の 1個の共用モータを本体部 230に配設し、この共用モータか らのトルクをギヤ列機構、ベルト ·プーリ機構等のトルク伝達機構を介してエアコンプ レッサ 218及びシーリング剤ポンプ 240にそれぞれ伝達するようにしても良い。このと き、エアコンプレッサ 218及びシーリング剤ポンプ 240へのトルクの伝達及び遮断は 、電磁クラッチ等のトルクの伝達制御機構を用いて制御しても良いが、共通モータと エアコンプレッサ 218との間及び共通モータとシーリング剤ポンプ 240との間にそれ ぞれワンウェイクラッチを介在させ、共通モータが正転方向へ回転する時にはシーリ ング剤ポンプ 240側へのみトルクが伝達され、共通モータが逆転方向へ回転する時 にはエアコンプレッサ 218へのみトルクが伝達されるようにしても良い。

実施例 1

[0141] <第 1の実験例 >

本発明の第 1〜第 3実施形態に係るポンプアップ装置 30、 60、 80を用いてパンク 修理を行い、空気入りタイヤへ供給できたシーリング剤の液量、及び、装置使用時に おける最大電流を評価する実験を行った。装置の印加電圧は 14Vにした。ポンプァ ップ装置 30、 60、 80を用いた場合をそれぞれ実施例 1、 2、 3として、評価結果を表 1 に示す。また、比較のために、従来のポンプアップ装置 20を用いてパンク修理を行つ た場合についても同様に実験を行って評価をした。評価結果を比較例として表 1に 併せて示す。

[0142] [表 1]

[0143] 表 1から判るように、シーリング剤容器力 空気入りタイヤへ供給できたシーリング剤 の液量は、通常使用の場合、すなわち装置の載置状態が正常である場合では、実 施例 1〜3及び比較例とも 95%であったが、装置を寝かせて（つまり横向きに倒して） 使用した場合では、実施例 1〜3では 95%であるのに対し、比較例では 60%しか供 給できな力つた。

[0144] また、何れの場合であってもコンプレッサにより昇圧後の空気入りタイヤの内圧を指 定内圧である 2kgfZcm²にまで上げることができた力 その際の最大使用電流は、 実施例 2の場合、すなわちシーリング剤ポンプ及びコンプレッサを常に同時に駆動さ せている場合では 14Aであり、実施例 1、 3及び比較例では何れも 10Aであった。

[0145] <第 2の実験例 >

第 6実施形態に係るシーリング 'ポンプアップ装置 140 (—体型で内圧調整機構あり )及び従来のシーリング 'ポンプアップ装置をそれぞれ用いてパンク修理を行 、、作 業開始力も完了までの作業時間を測定する実験を行った。この実験にて、従来のシ 一リング.ポンプアップ装置としては、空気入りタイヤ内へシーリング剤を注入するシ 一リング剤注入装置と、空気入りタイヤ内へ圧縮空気を供給するポンプアップ装置と が別体となったもの（2体型で内圧調整機構なし)と、シーリング 'ポンプアップ装置 14 0と同様にシーリング剤注入装置とポンプアップ装置とが一体化されている力 空気 入りタイヤの内圧調整機構を備えて!/ヽな!、もの (一体型で内圧調整機構なし)をそれ ぞれ用いた。

[0146] このとき、作業者としては、シーリング 'ポンプアップ装置を用いてパンク修理を行つ たことがない者を選定し、 1人の作業者に何れかのシーリング 'ポンプアップ装置を用 いて 1回ずつパンク修理作業を実行させた。このようにして各シーリング 'ポンプアツ プ装置により 20回ずつパンク修理作業を行 、、各シーリング 'ポンプアップ装置ごと に作業時間の平均値を算出した。その結果を下記表 2に示す。

[0147] [表 2]

[0148] 上記表 2から明らかなように、シーリング 'ポンプアップ装置に空気入りタイヤの内圧 を指定圧に自動調整するための内圧調整機構 (制御ユニット 142)を設けることにより 、内圧調整機構を備えていないものと比較し、昇圧時間を大幅に短縮することができ 、結果として全作業時間も短縮することができた。

符号の説明

[0149] 30 ポンプアップ装置

34 シーリング剤容器

36 シーリング剤 タイヤ（空気入りタイヤ） シーリング剤ポンプ コンプレッサ

ベーン式ポンプ

スクリュー式ポンプ ポンプアップ装置 シーリング剤ポンプ コンプレッサ

モータ

ポンプアップ装置 モータ

ベンチユリ一式ポンプ ポンプアップ装置 共用ポンプ

モータ

ポンプアップ装置 逆止弁

警報器

シーリング ·ポンプアップ装置 ポンプアップ装置 制御ユニット

タイマ

圧力センサ

停止制御回路

逆止弁

警報器

ポンプアップ装置

エアコンプレッサ 220 コンプレッサモータ 232 シーリング剤容器 234 シーリング剤 236 ポンプモータ 240 シーリング剤ポンプ 254 逆止弁

256 着脱ユニット

Claims

請求の範囲

[1] パンクした空気入りタイヤ内に液状のシーリング剤を注入するシーリング剤注入装 置であって、

シーリング剤を収容したシーリング剤容器と、

前記シーリング剤容器内からシーリング剤を吸引して空気入りタイヤ内へ給送する シーリング剤ポンプと、

を有することを特徴とするシーリング剤注入装置。

[2] パンクした空気入りタイヤ内に液状のシーリング剤を注入するためのシーリング剤注 入方法であって、

シーリング剤ポンプによりシーリング剤容器内からシーリング剤を吸引しつつ、この シーリング剤を空気入りタイヤ内へ給送することを特徴とするシーリング剤注入方法。

[3] シーリング剤ポンプによりシーリング剤容器内からシーリング剤を吸引しつつ、シー リング剤容器をシーリング剤ポンプからの負圧により圧縮変形させ、このシーリング剤 容器内からシーリング剤を搾り出して空気入りタイヤ内へ給送することを特徴とするシ 一リング剤注入方法。

[4] パンクした空気入りタイヤ内に液状のシーリング剤を注入した後、空気入りタイヤ内 へ加圧空気を供給して内圧を昇圧させるシーリング ·ポンプアップ装置であって、 シーリング剤を収容したシーリング剤容器と、

前記シーリング剤容器力 シーリング剤を吸引して空気入りタイヤへ給送するシーリ ング剤ポンプと、

空気入りタイヤに空気を圧送するエアコンプレッサと、

を有することを特徴とするシーリング 'ポンプアップ装置。

[5] 前記シーリング剤ポンプと前記エアコンプレッサとが個別に動力源を有することを特 徴とする請求項 4記載のシーリング 'ポンプアップ装置。

[6] 前記シーリング剤ポンプと前記エアコンプレッサとが共通の動力源を有することを特 徴とする請求項 4記載のシーリング 'ポンプアップ装置。

[7] 前記シーリング剤ポンプとして、ベーン式ポンプ、往復式ポンプ、スクリュー式ポン プ、及びギヤポンプの何れかを用いたことを特徴とする請求項 4乃至 6の何れか 1項 記載のシーリング ·ポンプアップ装置。

[8] 前記エアコンプレッサとして、レシプロ式エアコンプレッサ及びスクリュー式エアコン プレッサの何れかを用いたことを特徴とする請求項 4乃至 7のうち何れ力 1項記載の シーリング ·ポンプアップ装置。

[9] 吸入口を通して外部から流体を吸引しつつ、この流体を空気入りタイヤへ給送する 共用ポンプと、

前記吸入口を前記シーリング剤容器及び外部空間の一方に選択的に連通させる 切換手段とを有し、

前記切換手段により前記吸入口が前記シーリング剤容器に連通した前記共用ボン プを前記シーリング剤ポンプとして用いると共に、前記切換手段により前記吸入口が 外部空間に連通した前記共用ポンプを前記エアコンプレッサとして用いることを特徴 とする請求項 4記載のシーリング ·ポンプアップ装置。

[10] 空気入りタイヤの内圧を検出して、該内圧の検出値に対応する検出信号を出力す る内圧検出手段と、

空気入りタイヤに対して予め指定された内圧の指定値を装置外部力 の操作に応 じて設定する内圧設定手段と、

前記エアコンプレッサにより空気が圧送されている空気入りタイヤの内圧を、前記内 圧検出手段からの検出信号に基づいて判断し、空気入りタイヤの内圧が前記指定値 に達すると、前記エアコンプレッサ力 空気入りタイヤへの空気の圧送を停止させる 昇圧停止手段と、

を有することを特徴とする請求項 4乃至 9の何れか 1項記載のシーリング 'ポンプアツ プ装置。

[11] 空気入りタイヤに対して予め指定された内圧の指定値を装置外部力 の操作に応 じて設定する内圧設定手段と、

空気入りタイヤの内圧が前記指定値に達すると、前記エアコンプレッサにより圧送さ れる空気を外部へ排気して空気入りタイヤの昇圧を停止させる圧力調整弁と、 を有することを特徴とする請求項 4乃至 9の何れか 1項記載のシーリング 'ポンプアツ プ装置。

[12] 空気入りタイヤの内圧が前記指定値に達すると、空気入りタイヤの内圧が指定値に 達したことを装置外部へ視覚的又は音声的に報知する内圧報知手段を有することを 特徴とする請求項 10又は 11記載のシーリング 'ポンプアップ装置。

[13] 前記シーリング剤ポンプにトルクを伝達するポンプモータと、

一端部が前記シーリング剤注入ポンプに接続されると共に、他端部が空気入りタイ ャに接離可能に接続される気液共用配管と、

前記気液共用配管における前記シーリング剤ポンプと空気入りタイヤとの中間部か ら分岐し、前記エアコンプレッサに接続される分岐配管と、

前記シーリング剤容器、前記ポンプモータ及び前記エアコンプレッサが配置された 装置の本体部に対して着脱可能とされ、前記シーリング剤ポンプ、前記気液共用配 管及び前記分岐配管がそれぞれ搭載された着脱ユニットとを有し、

前記本体部に前記着脱ユニットを装着すると、該着脱ユニットの本体部への装着動 作に連動して、前記シーリング剤ポンプ及び前記分岐配管がそれぞれ前記シーリン グ剤容器及び前記エアコンプレッサに接続されると共に、前記シーリング剤ポンプに 前記ポンプモータがトルク伝達可能に連結されることを特徴とする請求項 4記載のシ 一リング'ポンプアップ装置。

[14] 前記本体部力 前記着脱ユニットを離脱させると、該着脱ユニットの本体部力 の 離脱動作に連動して、前記シーリング剤ポンプ及び前記分岐配管がそれぞれ前記 シーリング剤容器及び前記エアコンプレッサ力も切り離されると共に、前記シーリング 剤ポンプが前記ポンプモータ力 離脱することを特徴とすることを特徴とする請求項 1 3記載のシーリング 'ポンプアップ装置。

[15] 前記気液共用配管を通してシーリング剤及び圧縮空気が空気入りタイヤ側力 前 記シーリング剤ポンプへ逆流することを阻止する逆止弁を前記着脱ユニットに搭載し たことを特徴とする請求項 13又は 14記載のシーリング ·ポンプアップ装置。

[16] 前記シーリング剤容器が前記本体部に対して着脱可能に装着されることを特徴と する請求項 13乃至 15の何れ力 1項記載のシーリング 'ポンプアップ装置。