JP4244313B2 - シーリング・ポンプアップ装置及びアダプタ - Google Patents

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本発明は、パンクした空気入りタイヤをシールするためのシーリング剤を空気入りタイヤの内部へ注入した後、又はシーリング剤の注入と同時に、空気入りタイヤの内部に加圧空気を注入して空気入りタイヤの内圧を昇圧するシーリング・ポンプアップ装置及び、このシーリング・ポンプアップ装置に用いられるアダプタに関する。
近年、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を加圧(ポンプアップ)するタイヤのシーリング・ポンプアップ装置(以下、単に「ポンプアップ装置」という。)が普及している。この種のポンプアップ装置としては、例えば、特許文献1に示されるものがある。この特許文献1に示されたポンプアップ装置20は、図5に示されるように、シーリング剤6を収容した耐圧容器4と、加圧空気の供給源であるエアコンプレッサ1とを備えている。エアコンプレッサ1は、ホース2を介して耐圧容器4のガス導入部3に接続されている。またガス導入部3は、栓バルブ5で閉止可能とされると共に、耐圧容器4内に収納されたシーリング剤6の液面上までのびるライザーチューブとして構成されている。耐圧容器4は、シーリング剤6を吐出するための出口バルブ7を有し、この出口バルブ7に耐圧ホース8の一端部が接続されるとともに、このホース8の他端部には、タイヤバルブ10にねじ止めされるねじアダプタ9が取付けられている。
上記のようなポンプアップ装置20では、タイヤ16にパンクが発生すると、アダプタ9がタイヤバルブ10にねじ止めされた後、耐圧容器4のガス導入部3が栓バルブ5により開放される。この状態で、エアコンプレッサ1を作動し、ガス導入部3を通してエアコンプレッサ1から耐圧容器4内に加圧空気を導入する。これにより、耐圧容器4内におけるシーリング剤6上の空間部分の内圧が上昇し、この空間部分の静圧の作用により出口バルブ7からシーリング剤6が押し出され、シーリング剤6が耐圧ホース8及びタイヤバルブ10を通してタイヤ内に注入される。この後、耐圧容器4内のシーリング剤6の液面レベルが出口バルブ7の開口まで下降すると、耐圧容器4内の加圧空気が出口バルブ7を通してタイヤの内部に供給され、タイヤ16を所定の内圧で膨張させる。
特許第3210863号公報(図1)
特許文献1に示されているようなポンプアップ装置によりタイヤ内へ注入されるシーリング剤はかなり高い粘性を有している。また、このようなシーリング剤にポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等を素材とする短繊維を添加することにより、シーリング剤によるパンク穴に対する閉塞性を向上できることが知られている。
一方、タイヤに設けられたタイヤバルブには、通常、その内部にバルブコアが配置されており、このバルブコアは、外部から供給される空気をタイヤ内部へ注入可能とするが、タイヤ内部へ注入された空気(高圧空気)が外部へ洩れることを阻止する逆止弁として構成されている。しかし、このようなバルブコアは、本来的には、低粘性の流体である空気の流通を制御するためのものあり、高粘性のシーリング剤に対する流通抵抗が非常に大きいものになる。このため、エアコンプレッサからの加圧力(空気圧)により所定量のシーリング剤をタイヤの内部へ注入する際には、シーリング剤を高い注入速度で注入することが困難になり、かなり注入開始から完了までかなり長い注入時間を必要とする、という問題がある。
またシーリング剤中に短繊維が添加されている場合には、タイヤバルブを通してシーリング剤をタイヤ内へ注入する際には、短繊維がタイヤバルブにおけるバルブコア内に詰まる現象が生じ易く、短繊維がバルブコア内へ詰まると、シーリング剤がタイヤ内へ注入不能になったり、タイヤ内へのシーリング剤の注入速度が著しく低下するという問題を引き起こす。このようなタイヤバルブ内での短繊維の目詰まりを防止するために、タイヤバルブ内からバルブコアを抜き取った状態で、シーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入した後、タイヤバルブ内にバルブコアを再装着し、バルブコアを通して高圧空気をタイヤ内へ注入することも可能であるが、この場合には、耐圧ホースをシーリング剤の注入完了後にタイヤバルブから離脱させ、タイヤバルブへのバルブコアの再装着後に、耐圧ホースをタイヤバルブに再装着する作業が必要となるので、タイヤに対するパンク補修作業が煩瑣になると共に補修時間が遅延する。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、シーリング剤の空気入りタイヤの内部への注入速度を十分に高いものにでき、またシーリング剤に短繊維が添加されている場合でも、空気入りタイヤに対するパンクの補修作業を簡単なものにでき、かつタイヤバルブ内での短繊維の目詰まりを防止できるシーリング・ポンプアップ装置及びアダプタを提供することにある。
本発明の請求項1に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置は、タイヤバルブを通してパンクした空気入りタイヤの内部にシーリング剤を注入すると共に、加圧空気を注入して空気入りタイヤの内圧を昇圧するシーリング・ポンプアップ装置であって、加圧状態とされたシーリング剤及び空気をそれぞれ先端部から流出させる管状部材と、前記管状部材の先端部が接離可能に接続される管接続部及び、バルブコアが抜き取られたタイヤバルブに接続されるバルブ接続部がそれぞれ設けられると共に、前記管接続部と前記バルブ接続部とを連通する供給路が形成されたアダプタ本体と、前記アダプタ本体に配置されると共に、前記供給路の一部を構成する弁座部及び該弁座部に対して接離可能に支持された弁体が設けられ、前記管状部材の先端部が前記管接続部に接続されることに連動し、前記弁体を前記弁座部から離間させて前記供給路を開放し、かつ前記管状部材の先端部が前記管接続部から離脱することに連動し、前記弁体を前記弁座部に当接させて前記供給路を閉鎖する開閉弁と、を有することを特徴とする。
上記請求項1に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置では、開閉弁によるアダプタ本体における供給路の開放時に、開閉弁における弁体と弁座部との間に形成される隙間の最小幅をシーリング剤に添加された短繊維の最大長よりも長くしたことにより、シーリング剤が開閉弁を通過する際に、このシーリング剤に添加された短繊維が弁体と弁座部との間に形成される隙間を通って流通可能になり、短繊維が弁体と弁座部との間及びタイヤバルブ内に詰まることを防止できるので、弁体と弁座部との間に形成される隙間に詰まった短繊維によってシーリング剤が空気入りタイヤの内部へ注入不能になったり、空気入りタイヤの内部へのシーリング剤の注入速度が低下することを効果的に防止できる。
また請求項1に係るシーリング・ポンプアップ装置では、管状部材の先端部がアダプタ本体の管接続部から離脱することに連動し、アダプタ本体に配置された開閉弁が弁体を弁座部に当接させて供給路を閉鎖するので、タイヤバルブ内からシーリング剤及び空気を空気入りタイヤの内部へ注入した後、管状部材の先端部をアダプタ本体の管接続部から離脱させても、空気入りタイヤの内部に注入されたシーリング剤及び空気がアダプタ本体内の開閉弁により外部へ洩れることを確実に阻止できる。
この結果、空気入りタイヤの内部に加圧状態のシーリング剤及び空気を注入した後、管状部材の先端部をアダプタ本体の管接続部から離脱させるだけで、空気入りタイヤ内からシーリング剤及び空気がタイヤバルブ及びアダプタ本体を通して外部へ洩れることを防止できるので、空気入りタイヤに加圧空気を充填するだけのために、シーリング剤の注入完了後に管状部材をタイヤバルブから離脱させ、バルブコアをタイヤバルブに再挿入する作業等を行う必要がなくなり、シーリング剤及び空気の注入完了後に、管状部材の先端部をアダプタ本体の管接続部から離脱させれば、アダプタ本体をタイヤバルブに接続したまま、空気入りタイヤを使用して走行を行うことができる。
本発明の請求項に係るアダプタは、パンクした空気入りタイヤの内部に、該空気入りタイヤのタイヤバルブに接続された管状部材の先端部から流出する加圧状態のシーリング剤及び空気をそれぞれ注入するシーリング・ポンプアップ装置に用いられるアダプタであって、前記管状部材の先端部が接離可能に接続される管接続部及び、前記タイヤバルブに接続されるバルブ接続部が設けられると共に、前記管接続部と前記バルブ接続部とを連通する供給路が形成されたアダプタ本体と、前記アダプタ本体に配置されると共に、前記供給路の一部を構成する弁座部及び該弁座部に対して接離可能に支持された弁体が設けられ、前記管状部材の先端部が前記管接続部に接続されることに連動し、前記弁体を前記弁座部から離間させて前記供給路を開放し、かつ前記管状部材の先端部が前記管接続部から離脱することに連動し、前記弁体を前記弁座部に当接させて前記供給路を閉鎖する開閉弁と、を有し、前記アダプタ本体を通して空気入りタイヤの内部へ注入されるシーリング剤に短繊維が添加されている場合、前記開閉弁による前記供給路の開放時に、前記弁体と前記弁座部との間に形成される隙間の最小幅をシーリング剤に添加された短繊維の最大長よりも長くしたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置及びアダプタによれば、シーリング剤の空気入りタイヤの内部への注入速度を十分に高いものにでき、またシーリング剤に短繊維が添加されている場合でも、空気入りタイヤに対するパンクの補修作業を簡単なものにでき、かつタイヤバルブ内での短繊維の目詰まりを防止できる。
以下、本発明の実施の形態に係るタイヤのシーリング・ポンプアップ装置について説明する。
(シーリング・ポンプアップ装置の構成)
図1には、本発明の実施形態に係るシーリング・ポンプアップ装置(以下、単に「ポンプアップ装置」という。)が示されている。ポンプアップ装置30は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)するものである。
図1に示されるように、ポンプアップ装置30は、その外殻部として箱状のケーシング32を備えており、ケーシング32内には、加圧空気の供給源としてエアコンプレッサ34が配置されている。またケーシング32内には、内部にシーリング剤36を収容する液剤容器40が配置されている。この液剤容器40内部には、ポンプアップ装置30により修理すべきタイヤの種類毎に規定された量(例えば、200cc)以上のシーリング剤が収容されている。
ここで、液剤容器40はポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂により成形されている。液剤容器40としては、一般的な空気入りタイヤの内圧として規定されている圧力(基準圧)よりもかなり低い耐圧性を有するものを用いることができ、しかも特別な気密構造を有するものを用いる必要もない。また液剤容器40には、その頂板部にエア受入口39が設けられると共に、下端側の隔壁部分である底板部に液剤吐出口38が設けられている。
図1に示されるように、エアコンプレッサ34には、エア吸入部41及びエア供給部43が設けられており、これらのエア吸入部41及びエア供給部43には、エア吸入口42及びエア供給口44がそれぞれ開口している。エアコンプレッサ34は、その作動時にエア吸入口42を通して外部から空気を吸入し、この吸入空気を所定の圧縮比で加圧してエア供給口44を通して外部へ吐出する。エアコンプレッサ34は、大気圧の空気を0.5MPa〜1.0MPa程度まで圧縮できる圧縮能力を有している。エア供給口44には、耐圧ホース、パイプ等からなる共用配管46の一端部が接続されており、この共用配管46の他端部にはエア切換弁48が接続されている。エア切換弁48としては、1個の吸入ポート49及び2個の排出ポート50,51を有する三方(3ポート)電磁弁が用いられている。
ここで、エア切換弁48の吸入ポート49に共用配管46が接続され、一方の排出ポート50には、耐圧ホース、金属パイプ等の十分な耐圧性を有する配管材からなる第1エア配管54の一端部が接続され、また他方の排出ポート51には、一般流体用ホース等からなる第2エア配管56の一端部が接続されている。共用配管46及び第1エア配管54としては、タイヤ204の基準圧に所定の安全係数(通常、2.0〜5.0)を乗じた圧力に耐え得るものを用いる必要がある。またタイヤ204の基準圧としては、車両の種類等に応じて広く範囲で変化するが、乗用車では通常0.20MPa〜0.30MPaの範囲内で適宜設定される。
第2エア配管56の他端部は液剤容器40のエア受入口39に接続されている。これにより、エア切換弁48の排出ポート51は、第2エア配管56を通して液剤容器40のエア受入口39に連通する。また液剤容器40の液剤吐出口38には、低圧流体用ホース等からから注液配管58の一端部が接続されている。
図1に示されるように、ポンプアップ装置30には、2個の吸入ポート61,62及び1個の排出ポート63を有する気液切換弁60が配置されており、この気液切換弁60における2個の吸入ポート61,62には、注液配管58の他端部及び第1エア配管54の他端部がそれぞれ接続されている。また気液切換弁60の排出ポート63にはジョイントホース66の一端部が接続されている。ジョイントホース66の先端部には、タイヤ204のタイヤバルブ200にねじ止め可能とされたアダプタ100が接続されている。またジョイントホース66としては、共用配管46及び第1エア配管54と略等しい耐圧性を有するものが用いられ、具体的には、ジョイントホース66としては、ナイロン等の強化により強化された耐圧ホースを用いることが好ましい。
ポンプアップ装置30には、ケーシング32の外側に面して起動/停止ボタン8及び気液切換ボタン82を備えた操作パネル78が設けられている。また操作パネル78は駆動・制御回路84を内蔵すると共に電源ケーブル(図示省略)を備えており、この電源ケーブルを、例えば、車両に設置されたシガレットライターのソケットに差込むことにより、車両から駆動・制御回路84に電源が供給される。駆動・制御回路84は、起動/停止ボタン8及び気液切換ボタン82に対する操作に応じて、エアコンプレッサ34及び切換弁48,60をそれぞれ制御する。
次に、本実施形態に係るポンプアップ装置30におけるアダプタ100及び、このアダプタ100が接続可能とされたタイヤバルブ200についてそれぞれ説明する。
タイヤバルブ200は、図2(A)に示されるように略パイプ状のバルブ本体202を備えており、このバルブ本体202は、その先端部がタイヤ204のリム206に穿設された円形の開口部208に嵌挿され、その先端側に形成された段差部210と固定リング212とにより開口部208の周縁部を挟持してリム206に固定されている。
バルブ本体202には、その軸心に沿って貫通するように中空穴214が形成されおり、この中空穴214の内部には、図2(B)及び(C)にそれぞれ示されるようにバルブコア216が挿入されている。バルブコア216には、パイプ状の通気管218が設けられると共に、通気管218内に開閉軸220が配置されている。ここで、通気管218の内部には、軸方向へ貫通して空気の流通経路となる通気路219が形成されている。また通気管218の外周面における基端側には、雄ねじ部222が形成されており、この雄ねじ部222がバルブ本体202の中空穴214の内周面に形成された雌ねじ部215(図3参照)にねじ込まれることにより、バルブコア216はバルブ本体202内に固定されている。
バルブコア216の開閉軸220は、通気管218により軸方向(矢印S方向)に沿ってスライド可能に支持されており、その先端部には肉厚円板状の弁体224が連結固定されている。この弁体224は、開閉軸220により通気管218に対して軸方向内側に支持されており、開閉軸220と一体となって通気管218の先端面へ当接する閉鎖位置(図2(B)参照)と通気管218の先端面から離間する開放位置(図2(C)参照)との間で移動可能とされている。弁体224には、通気管218の先端面に面してゴム製のシールリング226が取り付けられている。
図2(B)及び(C)に示されるように、バルブコア216の通気管218内には、コイルスプリング228が挿入されており、このコイルスプリング228は、開閉軸220を常に閉鎖位置側へ付勢している。また開閉軸220には、通気管218の基端部から外側へ突出する押圧突起230が一体的に形成されている。
上記のように構成されたタイヤバルブ200には、タイヤ204の内部に加圧空気を充填する際には、エアコンプレッサからの加圧空気を供給するためのエアーホース(図示省略)の先端部に設けられたプラグが接続されると共に、このプラグ内に配置された押圧部(図示省略)が押圧突起230をコイルスプリング228に抗して押圧することにより、弁体224が閉鎖位置から開放位置へスライドして通気管218の先端部が開放される。これにより、エアーホースから供給される加圧空気がタイヤバルブ200内を通ってタイヤ204の内部へ充填される。このとき、バルブコア216では、通気管218の先端部に形成されたテーパ部221の内周面と開閉軸220の外周面との間に形成される隙間が通気路219における最も幅が狭い部分となっており、この部分の幅W(図2(C)参照)は、通常、2mm以下である。
またタイヤ204内への加圧空気の充填完了後に、エアーホース(図示省略)のプラグをタイヤバルブ200から離脱させると、このプラグの押圧部(図示省略)が押圧突起230から離間し、弁体224がコイルスプリング228の付勢力により開放位置から閉鎖位置スライドして通気管218の先端部を閉鎖する。これにより、タイヤ204内へ充填された加圧空気がタイヤバルブ200内を通って外部へ洩れることが阻止される。
アダプタ100は、図3(A)に示されるように、略パイプ状のアダプタ本体102を備えており、このアダプタ本体102は、その先端部に基端側に対して内外径が縮小された細径部104が形成されており、この細径部104の内周面は雌ねじ部106が形成されている。アダプタ本体102の内周面には、その基端側の部分と細径部104との境界部に段差部108が形成されている。またアダプタ本体102の基端部の外周面には雄ねじ部109が形成されている。アダプタ本体102の内部には、軸方向へ貫通する供給路110が形成されており、この供給路110の内径は、タイヤバルブ200の内径よりも大きくなっている。
供給路110の内部には、図3(A)及び(B)にそれぞれ示されるように円板状の弁体112が配置されている。この弁体112の中心部には、ロッド状の開閉軸114の先端部が連結されており、この開閉軸114は、弁体112から軸方向に沿ってアダプタ本体102の外側まで突出している。またアダプタ本体102の軸方向外側の開口部115には、リング状の弁座部材116が嵌挿固定されている。この弁座部材116の軸方向内側の端面は、弁体112に対応する弁座部118とされており、この弁座部118上には、弁体112に対向して薄肉リング状に形成されたゴム製のシールリング120が配置されている。
弁座部材116の内周面には、図3(B)に示されるように、軸心側へ延出する複数本のステー部128が一体的に形成されており、これらのステー部128は、その先端部に接合されたリング状の軸受部130を弁座部材116と同軸的に支持している。この軸受部130には、開閉軸114が軸方向に沿って摺動可能に挿入されている。これにより、開閉軸114及び弁体112は、アダプタ本体102と同軸的に支持されると共に、軸方向に沿って移動可能とされる。ここで、弁体112は、開閉軸と一体となって弁座部118へ当接して供給路110を閉鎖する閉鎖位置(図3(B)参照)と、弁座部118から軸方向に沿って所定の距離Dだけ離間して供給路110を開放する開放位置との間で移動可能とされている。
図3(A)及び(B)に示されるように、アダプタ本体102の供給路110内には、軸方向に沿って弁体112と段差部108との間にコイルスプリング132が挿入されており、このコイルスプリング132は、弁体112及び開閉軸114を常に閉鎖位置側へ付勢している。また開閉軸114は、その基端部が弁座部材116から軸方向外側へ突出しており、この開閉軸114の基端部には、軸受部134の内径よりも大径とされた円板状の鍔部136が設けられている。ここで、弁体112、弁座部材116、開閉軸114、軸受部130及びコイルスプリング132は、タイヤ204内からシーリング剤及び空気が外部へ洩れることを阻止するための開閉弁として構成されている。
図3(A)に示されるように、上記のように構成されたアダプタ100に接続されるジョイントホース66の先端部には、管継手140が接続されており、この管継手140の先端部の内周面には雌ねじ部142が形成されている。管継手140は、その雌ねじ部142がアダプタ本体102の雄ねじ部109にねじ込まれることにより、アダプタ100に接続されてジョイントホース66をアダプタ100の供給路110に連通させる。
管継手140には、その内周面から延出する複数本のステー部144により押圧部材146が支持されており、この押圧部材146は、管継手140の雌ねじ部142がアダプタ100の雄ねじ部109にねじ込まれて管継手140がアダプタ100に接続されると、これに連動し、コイルスプリング132に抗して鍔部136を押圧して開閉軸114及び弁体112を閉鎖位置から開放位置に移動させ、この位置に保持する。また押圧部材146は、雌ねじ部142が雄ねじ部109から抜き取られて管継手140がアダプタ100から離脱すると、これに連動し、押圧部材146を鍔部136から離間する。これにより、開閉軸114及び弁体112は、コイルスプリング132の付勢力により開放位置から閉鎖位置に移動し、この位置に保持される。
ポンプアップ装置30によりタイヤ204内へ加圧状態のシーリング剤及び空気を注入する際には、図3(A)に示されるように、タイヤバルブ200からバルブコア216が抜き取られた後、アダプタ100を介してジョイントホース66がタイヤバルブ200に接続される。このとき、アダプタ100は、その雌ねじ部106がタイヤバルブ200の雄ねじ部223にねじ込まれることにより、タイヤバルブ200に接続される。これにより、ジョイントホース66は、アダプタ100及びタイヤバルブ200を通してタイヤ204の内部へ連通する。
上記のように構成されたアダプタ100では、図3(A)に示されるように、弁体112が開放位置にある状態では弁体112と弁座部118との間に隙間が形成されることにより、供給路110がシーリング剤及び空気が流通可能となるように開放される。このとき、供給路110では、開放位置にある弁体112と弁座部118との間に形成される隙間が最も幅が狭く、しかもシーリング剤の流れによどみが発生しやすい部分となっており、この隙間の幅は、閉鎖位置から開放位置へ移動する弁体112の軸方向に沿った移動距離Dと等しくなっている。ここで、弁体112の移動距離Dは、後述するシーリング剤に添加された短繊維の長さLの最長値よりも長くなるように設定されている。具体的には、移動距離Dは、短繊維の長さLの最長値よりも20%以上長い距離に設定することが好ましい。
(シーリング剤の構成)
次に、上記のようなポンプアップ装置30に用いられるシーリング剤36について説明する。シーリング剤36は、少なくとも、ゴムラテックスと、短繊維と、凍結防止剤とを含有し、シーリング剤36中の固形分の含有量が5〜70質量%であり、かつ、上記短繊維の含有量が0.1〜5質量%となっている。
ここで、「固形分の含有量」は、以下のようにして求めることができる。まず、シーリング剤36100gを30分間、200℃の状態で放置する。放置後の残留分の質量を測定し、当該残留分の質量をシーリング剤36の質量で除する(残留分の質量/放置前のシーリング剤36の質量)ことで求めることができる。
固形分の含有量が5質量%未満だと、ゴムラテックスの割合が低くなり、十分なシール性を確保することが不可能となる。また、70質量%を超えると、シール性以外の特性を十分に確保することができない。
固形分の含有量は、10〜60質量%とすることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましい。
短繊維は、パンクによりタイヤに発生した穴(欠陥部)に入り込んで目詰まりを生じさせて、この穴を迅速、かつ確実に塞ぐ役割を果たす。シーリング剤36中の短繊維の含有量が0.1質量%未満では、短繊維を添加したことによるシール性を十分に発揮することができない。また、5質量%を超えると、短繊維の絡み合いが発生し、粘性が増加して注入容易性が低下すると共に、既述の役割を十分に発揮することが難くなるため、シール性も低下してしまう。
短繊維の含有量は、0.3〜4質量%とすることが好ましく、0.5〜3質量%とすることがより好ましい。
既述のような役割を十分に発揮させるため、短繊維についても種々の設計をする必要がある。そこで、短繊維の比重(S)、長さ(L)、直径(D)、および長さと直径との比(L/D)は、それぞれ、下記の範囲とすることが好ましい。
(1)比重(S):0.8≦S≦1.4(より好ましくは、0.9≦S≦1.3、さらに好ましくは、1.0≦S≦1.2)。
比重が0.8未満では、短繊維が上に浮いてしまって長期の分離安定性が低くなることがあり、1.4を超えると、短繊維が下に沈んでしまって長期の分離安定性が低くなることがある。
(2)長さ(L):0.05≦L≦10mm(より好ましくは、0.08≦L≦8mm)。
長さが0.05mm未満では、短繊維がパンクによる欠陥部に目詰まりを生じさせてシール性を向上させる効果を十分に発揮させることができない場合があり、10mmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(3)直径(D):1≦D≦100μm(より好ましくは、3≦D≦80μm、さらに好ましくは、5≦D≦50μm)。
直径(太さ)が1μm未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、100μmを超えると、短繊維の相対的な数が減少するためシール性が低下する場合がある。
(4)長さと直径との比(L/D):5≦L/D≦2000(より好ましくは、20≦L/D≦1600、さらに好ましくは、50≦L/D≦1200、特に好ましくは、100≦L/D≦300)。
L/Dが5未満では、上記目詰まりを生じさせてシール性を向上させる短繊維の役割を十分に発揮することができない場合があり、2000を超えると、短繊維の絡み合いによるダマが発生し、シール性および注入容易性の低下を引き起こすことがある。
なお、短繊維は、一の材質からなるものを一定の形状で使用することができるが、既述の範囲で複数の材質からなるものを種々の形状で使用することもできる。
短繊維は、その材質に特に制限はないが、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロンおよびこれらの複合体のいずれかからなることが好ましく、ポリエチレン、ナイロンおよびこれらの複合体のいずれかからなることがより好ましい。かかる短繊維を使用することで、より良好な分離安定性が得られる。
短繊維は、その全量若しくはその一部(好ましくは全量)を、高級アルコール系誘導体および/またはベタイン系活性剤等の溶剤で処理しておくことが好ましい。かかる処理により、溶剤が活剤として作用し、短繊維の分散性を向上させることができる。
当該処理は、シーリング剤36に含有させる前でも後でもよい。処理方法としては、短繊維を上記溶剤に含浸したり、上記溶剤を吹き付けたりして行うことができる。高級アルコール誘導体としては、ポリグリコール系ポリエステル等が好適である。
溶剤の添加量(上記処理により短繊維に吸収される量)としては、短繊維質量の0.2〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜6%であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると、短繊維の十分な分散効果が得られずに当該処理が不十分となることがあり、多すぎても、それ以上の効果の向上が期待できない。
また、シーリング剤36の粘度は、実際の使用条件として想定される条件(50℃〜−20℃)において、3〜6000mPa・sであること好ましく、5〜4500mPa・sであることがより好ましく、8〜3000mPa・sであることがさらに好ましい。
3mPa・s未満では、粘度が低すぎてバルブへの注入時に液漏れが発生することがある。6000mPa・sを超えると、注入時の抵抗が強くなって注入容易性が低下する場合があり、また、タイヤ内面への広がりも十分でなく、高いシール性が得られない場合がある。
凍結防止剤としては、特に限定されず、エチレングリコール、プロピレングリコール等を使用することができる。凍結防止剤の含有量は、5〜50質量%であることが好ましい。5質量%未満では、低温での凍結防止性が十分に得られないことがあり、50質量%を超えると、ゴムラテックス量に対して、グリコール量が多くなるため、パンク補修時に、凝集したゴムラテックスの粒がグリコール中に分散した状態として存在するため、十分なシール特性が得られないことがある。
ゴムラテックスとしては、種々のラテックスを使用することができるが、より良好なシール性を確保する観点から、SBRラテックス、NBRラテックス、カルボキシ変性NBRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックスからなる群から選択されるいずれか1以上とすることが好ましい。
本発明のシーリング剤36では、希薄化のために、水を含有させることができる。さらにシーリング剤36に、通常の分散剤、乳化剤、発泡安定剤、又はアンモニア、苛性ソーダ等のpH調整剤を添加してもよい。また、樹脂系接着剤としては、テルペンフェノール樹脂等のテルペン樹脂を使用することができる。
(シーリング・ポンプアップ装置の作用)
次に、本実施形態に係るポンプアップ装置30を用いてパンクしたタイヤ204を修理する作業手順を説明する。
タイヤ204にパンクが発生した際には、先ず、作業者は、図4(B)、(C)に示されるように、タイヤ204のタイヤバルブ200からバルブコア216を抜き取った後、このタイヤバルブ200にアダプタ100をねじ止めし、ジョイントホース66をパンクしたタイヤ204へ接続する。このとき、エアコンプレッサ34は停止しており、エア切換弁48は吸入ポート49が排出ポート51に連通したポジション(加圧ポジション)になっている。一方、気液切換弁60は、排出ポート63が吸入ポート61に連通したポジションとなって注液配管58を閉止し、注液配管58を通して液剤容器40内のシーリング剤36がタイヤ204側へ流出することを阻止している。このとき、気液切換弁60は第1エア配管54を開放しているが、エア切換弁48により閉止されているので、第1エア配管54内には、エアコンプレッサ34により供給される加圧空気は流通しない。
次いで、作業者は、電源ケーブルを車両のシガレットライターのソケット等へ差し込んだ後、操作パネル78の起動/停止ボタン8を押下する。これに連動し、駆動・制御回路84は、エアコンプレッサ34を作動させて、共用配管46及び第2エア配管56を通して液剤容器40内へ加圧空気を送り込む。
駆動・制御回路84は、エアコンプレッサ34の作動から所定時間が経過すると、気液切換弁60における排出ポート63の連通先を排出ポート62から排出ポート61に切り換える。これにより、液剤容器40の内部が注液配管58及びジョイントホース66を通してタイヤ204の内部に連通し、液剤容器40内からシーリング剤36が自重及び加圧空気の静圧により押し出され、このシーリング剤36が注液配管58及びジョイントホース66を通ってタイヤ204内へ注入される。このとき、タイヤバルブ200内からバルブコア216が抜き取られていることから、タイヤバルブ200内でのシーリング剤36の流通抵抗が十分に小さなものなると共に、シーリング剤36に添加された短繊維がバルブコア216内に詰まることもない。
作業者は、液剤容器40内からタイヤ204内への所定量のシーリング剤36の注入が完了すると、操作パネル78の気液切換ボタン82を押下する。この気液切換ボタン82の押下に連動し、駆動・制御回路84は、気液切換弁60の排出ポート63の連通先を吸入ポート62から吸入ポート61に切り換え、これに同期してエア切換弁48の吸入ポート49の連通先を排出ポート51から排出ポート50に切り換える。これにより、エアコンプレッサ34から供給される加圧空気は、第1エア配管54及びジョイントホース66を通してタイヤ204内へ供給開始され、タイヤ204の内圧を上昇させてタイヤ204を膨張させる。
この後、作業者は、エアコンプレッサ34に設けられた圧力ゲージ(図示省略)によりタイヤ204の内圧が規定圧になったことを確認したならば、起動/停止ボタン8を再度、押下する。これに連動し、駆動・制御回路84はエアコンプレッサ34を停止する。次いで、作業者は、図4(D)に示されるように、ジョイントホース66をアダプタ100から取り外して、アダプタ100をタイヤバルブ200に取り付けたままポンプアップ装置30をタイヤ204側から切り離す。このとき、ジョイントホース66がアダプタ100から取り外されることに連動し、アダプタ100における弁体112が開放位置から閉鎖位置へ移動して供給路110を閉鎖するので、タイヤ204内からシーリング剤36及び空気が外部へ洩れることが防止される。
作業者は、タイヤ204の規定圧での膨張完了後、シーリング剤36が硬化完了前に、シーリング剤36が注入されたタイヤ204を用いて一定距離に亘って予備走行する。これにより、タイヤ204内部にシーリング剤36が均一に拡散し、シーリング剤36がパンク穴に充填されてパンク穴を閉塞する。予備走行完了後に、作業者は、再びジョイントホース66をアダプタ100ににねじ止めし、エアコンプレッサ34を作動させてタイヤ204を規定の内圧まで加圧する。これにより、タイヤ204のパンク修理が完了し、ジョイントホース66をアダプタ100から取り外せば、このタイヤ204を用いて通常の走行が可能になる。
以上説明した本実施形態に係るポンプアップ装置30では、ジョイントホース66の先端部がアダプタ100に接続されることに連動し、アダプタ100に配置された弁体112が弁座部118から離間してアダプタ100内の供給路110を開放することにより、排出ポート63から加圧状態のシーリング剤36及び空気が吐出されると、このシーリング剤36及び空気がジョイントホース66内を通ってアダプタ100の供給路110内へ流入し、弁体112及び弁座部118との隙間を通って供給路110内からバルブコア216が抜き取られたタイヤバルブ200内へ流出する。このシーリング剤36及び空気は、タイヤバルブ200の中空穴214内を通ってタイヤ204の内部へ注入されるので、バルブコア216による抵抗を作用させることなく、アダプタ100内から流出するシーリング剤36及び空気を、タイヤバルブ200を通してタイヤ204の内部へ注入できる。
ここで、アダプタ100における供給路110の内径及び弁体112と弁座部118と隙間の寸法(開口幅=移動距離D)は、タイヤバルブ200の内外径のように予め規格された寸法に制限されることなく、シーリング剤36の粘性、シーリング剤36の注入圧及びシーリング剤36に添加された短繊維の繊維長Lに応じて十分に長いものにすることができるので、高粘性のシーリング剤36がアダプタ100の供給路110を通過する際の流通抵抗を十分に小さいものにでき、かつ短繊維がアダプタ100の供給路110内及びタイヤバルブ200内に詰まることを防止できる。
この結果、シーリング剤36をタイヤ204の内部へ注入する際に、アダプタ100及びタイヤバルブ200内でシーリング剤36へ作用する流通抵抗を十分に小さなものにできるので、バルブコア216が挿入されたタイヤバルブ200を通してシーリング剤36をタイヤ204の内部へ注入する場合と比較し、排出ポート63から吐出される加圧状態のシーリング剤36をタイヤ204の内部へ注入する際の注入速度を増大できる。
またポンプアップ装置30では、ジョイントホース66がアダプタ100から離脱することに連動し、アダプタ100に配置された弁体112が弁座部118に当接して供給路110を閉鎖するので、タイヤバルブ200内からバルブコア216が抜きと取られた状態で、シーリング剤36及び空気をタイヤ204の内部へ注入した後、ジョイントホース66をアダプタ100から離脱させても、タイヤ204の内部に注入されたシーリング剤36及び空気がアダプタ100の弁体112により外部へ洩れることを確実に阻止できる。
この結果、タイヤ204の内部に加圧状態のシーリング剤36及び空気を注入した後、ジョイントホース66をアダプタ100から離脱させるだけで、タイヤ204内からシーリング剤36及び空気がタイヤバルブ200及びアダプタ100を通して外部へ洩れることを防止できるので、タイヤ204に加圧空気を充填するだけのために、シーリング剤36の注入完了後にジョイントホース66をタイヤバルブから離脱させ、バルブコアをタイヤバルブに再挿入する作業等を行う必要がなくなり、シーリング剤36及び空気の注入完了後に、ジョイントホース66をアダプタ100から離脱させれば、アダプタ100をタイヤバルブ200に接続したまま、このタイヤ204を使用して走行を行うことができる。
なお、本実施形態に係るポンプアップ装置30は、気液切換弁60により液剤容器40をタイヤ204の内部へ連通させ、エアコンプレッサ34によりシーリング剤36を加圧してタイヤ204内へ注入した後、気液切換弁60によりエアコンプレッサ34をタイヤ204の内部へ連通させ、エアコンプレッサ34により発生した加圧空気をタイヤ204内へ充填するものであったが、本実施形態に係るアダプタ100は、このような構造以外のポンプアップ装置、例えば、液剤容器を作業者が握りつ潰すことにより液剤容器内のシーリング剤を加圧し、この液剤容器に接続されたジョイントホースを通してタイヤ内へシーリング剤を注入した後、ジョイントホースをエアコンプレッサに繋ぎかえてタイヤ内へ加圧空気を充填するようなポンプアップ装置へ適用した場合でも、シーリング剤の注入速度を増加できると共に、シーリング剤に添加された短繊維がタイヤバルブ及びアダプタ100内へ詰まることを防止できるという効果を得られる。
以上説明した本実施形態に係るポンプアップ装置30を用いてパンクしたタイヤを修理した結果(実施例)と、本実施形態に係るポンプアップ装置30からアダプタ100を省略してジョイントホース66をタイヤバルブ200に直接接続するようにしたポンプアップ装置を用いてパンクしたタイヤを修理した結果(比較例)とを、それぞれ説明する。
この実施例及び比較例では、それぞれエアコンプレッサ34として、20l/minの加圧空気の供給能力を有するものを用いた。またシーリング剤36としては、40wt%のNBRラテックス、35wt%のエチレングリコール、23wt%の水を含み、これに消泡剤、増粘剤、pH調整剤をそれぞれ適量添加し、さらに短繊維を3質量%添加したものを用いた。このとき、短繊維は、その繊維長の最大値が7mmとなるように調整した。
(比較例)
比較例に係るポンプアップ装置によりシーリング剤をタイヤ内へ注入した場合には、バルブコアにおける通気管内の先端部に短繊維が詰まり、シーリング剤が注入不能になるか、注入速度が著しく低下した。
(実施例)
実施例に係るポンプアップ装置では、アダプタにおける弁体の閉鎖位置から開放位置への移動距離を9mmに設定し、これにより、アダプタの供給路における最も幅が狭い部分である開放位置にある弁体と弁座部の間に形成される隙間の幅を9mmとした。この実施例に係るポンプアップ装置によりシーリング剤をタイヤ内へ注入した後、連続して加圧空気をタイヤ内へ充填した結果、シーリング剤及び空気を問題なくタイヤ内へ注入できた。またシーリング剤及び加圧空気の充填完了後に、タイヤバルブに接続されたアダプタからジョイントホースを離脱させ、そのタイヤにより走行を行ったが、タイヤバルブ及びアダプタを通してタイヤ内から空気が洩れることもなかった。
本発明の実施形態に係るポンプアップ装置の構成及びタイヤを示す構成図である。 図1に示されるタイヤにおけるタイヤバルブ及びバルブコアの構成を示す断面図である。 図1に示されるポンプアップ装置におけるアダプタの構成を示す断面図である。 (A)は図1に示されるタイヤバルブの断面図であり、(B)はタイヤバルブ内からバルブコアを抜き取った状態を示す断面図、(C)はバルブコアが抜き取られたタイヤバルブにアダプタを介してジョイントホースを接続した状態を示す断面図、(D)はタイヤバルブに接続されたアダプタからジョイントホースを離脱させた状態を示す断面図である。 従来のシーリング・ポンプアップ装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
30 ポンプアップ装置(シーリング・ポンプアップ装置)
36 シーリング剤
60 気液切換弁
63 排出ポート(吐出口)
66 ジョイントホース(管状部材)
100 アダプタ
102 アダプタ本体
106 雌ねじ部(バルブ接続部)
109 雄ねじ部(管接続部)
110 供給路
112 弁体(開閉弁)
114 開閉軸(開閉弁)
116 弁座部材(開閉弁)
118 弁座部(開閉弁)
120 シールリング
132 コイルスプリング(開閉弁)
134 軸受部
200 タイヤバルブ
216 バルブコア
219 通気路

Claims (2)

  1. タイヤバルブを通してパンクした空気入りタイヤの内部にシーリング剤を注入すると共に、加圧空気を注入して空気入りタイヤの内圧を昇圧するシーリング・ポンプアップ装置であって、
    加圧状態とされたシーリング剤及び空気をそれぞれ先端部から流出させる管状部材と、
    前記管状部材の先端部が接離可能に接続される管接続部及び、前記タイヤバルブに接続されるバルブ接続部がそれぞれ設けられると共に、前記管接続部と前記バルブ接続部とを連通する供給路が形成されたアダプタ本体と、
    前記アダプタ本体に配置されると共に、前記供給路の一部を構成する弁座部及び該弁座部に対して接離可能に支持された弁体が設けられ、前記管状部材の先端部が前記管接続部に接続されることに連動し、前記弁体を前記弁座部から離間させて前記供給路を開放し、かつ前記管状部材の先端部が前記管接続部から離脱することに連動し、前記弁体を前記弁座部に当接させて前記供給路を閉鎖する開閉弁と、
    を有し、
    前記アダプタ本体を通して空気入りタイヤの内部へ注入されるシーリング剤に短繊維が添加されている場合、
    前記開閉弁による前記供給路の開放時に、前記弁体と前記弁座部との間に形成される隙間の最小幅をシーリング剤に添加された短繊維の最大長よりも長くしたことを特徴とするシーリング・ポンプアップ装置。
  2. パンクした空気入りタイヤの内部に、該空気入りタイヤのタイヤバルブに接続された管状部材の先端部から流出する加圧状態のシーリング剤及び空気をそれぞれ注入するシーリング・ポンプアップ装置に用いられるアダプタであって、
    前記管状部材の先端部が接離可能に接続される管接続部及び、前記タイヤバルブに接続されるバルブ接続部が設けられると共に、前記管接続部と前記バルブ接続部とを連通する供給路が形成されたアダプタ本体と、
    前記アダプタ本体に配置されると共に、前記供給路の一部を構成する弁座部及び該弁座部に対して接離可能に支持された弁体が設けられ、前記管状部材の先端部が前記管接続部に接続されることに連動し、前記弁体を前記弁座部から離間させて前記供給路を開放し、かつ前記管状部材の先端部が前記管接続部から離脱することに連動し、前記弁体を前記弁座部に当接させて前記供給路を閉鎖する開閉弁と、
    を有し、
    前記アダプタ本体を通して空気入りタイヤの内部へ注入されるシーリング剤に短繊維が添加されている場合、
    前記開閉弁による前記供給路の開放時に、前記弁体と前記弁座部との間に形成される隙間の最小幅をシーリング剤に添加された短繊維の最大長よりも長くしたことを特徴とするアダプタ。
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