JP2008126580A - シーリング剤注入装置 - Google Patents

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成邦 平田
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隆治 泉本
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Abstract

【課題】シーリング剤が流路内で固化して詰まりが生じることを確実に回避したシーリング剤注入装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るシーリング剤注入装置は、パンクした空気入りタイヤ14内に加圧気体で液状のシーリング剤を注入する装置であって、シーリング剤の流路のうちタイヤバルブ76におけるシーリング剤の流速の上限値を制御する流速制御部17を有する。流速制御部17は、コンプレッサユニット12からの圧縮空気の圧力制御を行うことにより、タイヤバルブ16におけるシーリング剤の流速を制御している。シーリング剤はせん断力を受けて変形することによって固化していく性質を有しており、大きなせん断力を受けたほど固化する速度が速い。
【選択図】図4

Description

本発明は、パンクした空気入りタイヤをシールするためのシーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入するシーリング剤注入装置に関する。
近年、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際に、タイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧をポンプアップするシーリング剤注入装置(シーリング・ポンプアップ装置とも言われる)が普及している(例えば特許文献1参照)。
上記のようなシーリング剤注入装置としては、例えば、液状のシーリング剤を収容する液剤容器と、この液剤容器が取付けられる注入ユニットを備えたシーリング剤注入装置がある。このシーリング剤注入装置では、液剤容器の内部スペースを介してエアコンプレッサ等のエア供給源に接続可能なエア供給路とシール対象物である空気入りタイヤに接続可能な気液供給路とが相互に導通されており、これらのエア供給路及び気液供給路がそれぞれ注入ユニットに配設されている。
このシーリング剤注入装置でパンクした空気入りタイヤを修理する際に、エアコンプレッサ等のエア供給源を作動させると、圧縮空気がエア流入口からエア供給路を介して液剤容器内に導かれ、かつシーリング剤を通り抜けてシール剤境界面の上方側のスペース(空気層)に集合する。これにより、空気層内の圧縮空気によりシーリング剤が加圧され、この加圧されたシーリング剤が気液供給路を通って空気入りタイヤ内へ注入され、規定量のシーリング剤を注入した後、液剤容器及び気液供給路を通してタイヤ内へ圧縮空気を供給してタイヤをポンプアップする。
ところで、シーリング剤が気液供給路などの流路内で固化して詰まりが生じることを確実に回避することができれば一層好ましい。
特開2006−152239号公報
本発明は、上記事実を考慮して、シーリング剤が流路内で固化して詰まりが生じることを確実に回避したシーリング剤注入装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、パンクした空気入りタイヤ内に加圧気体で液状のシーリング剤を注入するシーリング剤注入装置であって、加圧気体の圧力制御を行うことにより、シーリング剤の流路のうち流路断面積最小部におけるシーリング剤の流速の上限値を制御する流速制御手段を設けた、ことを特徴とする。
シーリング剤はせん断力を受けて変形することによって固化していく性質を有しており、大きなせん断力を受けたほど固化する速度が速い。このせん断力は、シーリング剤が空気入りタイヤ内へ注入される際の流路内で加えられており、流路のうち流路断面積最小部において最大となる。従って流路断面積最小部におけるシーリング剤の流速の上限値を制御することにより、シーリング剤が流路内で受ける最大せん断力の上限値を制御することができ、流路内でシーリング剤が固化することを確実に防止できる。
流速制御手段は、連続的に制御していてもよいし間欠的に制御していてもよい。シーリング剤としては、天然ゴム系であっても合成ゴム系であってもよく、特に限定しないが、シーリング剤の種類に応じて、流速制御手段が加圧気体の圧力制御を行うことによりシーリング剤の注入速度を制御することが更に好ましい。
請求項2に記載の発明は、加圧気体を供給するコンプレッサが設けられ、前記流速制御手段として、前記コンプレッサの排気側に圧力調整機構を設けた、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、圧力調整機構で圧力を調整することによって、上記の流路断面積最小部における流速の上限値を制御する。従って、流速制御手段の構成を簡素にすることができる。
圧力調整機構によって加圧気体の圧力は、50〜600kPaの範囲内とされていることが好ましい。50kPaよりも低いとシーリング剤を空気入りタイヤ内へ注入できないことがあり、また、600kPaよりも高いと長時間にわたってその圧力を維持する場合にはそれなりの安全強度を考慮する必要があるからである。
なお、上記の50〜600kPaのうち100〜500kPaの範囲内とされていることが好ましい。100kPaよりも低いとシーリング剤を注入するのに時間がかかり、500kPaよりも高いと故障のおそれがあるからである。また、200〜450kPaの範囲内とされていることが実用上の観点で更に好ましい。
請求項3に記載の発明は、前記圧力調整機構には安全弁が設けられ、前記安全弁の開放圧力が設定されることにより前記上限値が制御される、ことを特徴とする。
安全弁の取付位置は、コンプレッサの吐出圧がかかる位置であればどの位置であってもよいが、コンプレッサとシーリング剤を収容しているボトル等との間、又は、コンプレッサ本体の排気側(吐出側)とされていることが好ましい。
請求項3に記載の発明では、設定された開放圧力で安全弁が弁開放することにより、上限値以上の圧力が流路内に加えられないようになっており、圧力調整機構の構成が簡素である。
請求項4に記載の発明は、前記安全弁に設定される開放圧力は、使用環境の温度変化に応じて変動する、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、通常、シーリング剤注入装置には使用環境の温度を計測する機能が備えられていて、計測された温度値に基づいて圧力調整機構が安全弁に設定する開放圧(設定開放圧)を変化させる。
請求項4に記載の発明により、温度変動によって固化速度が大きく変動するシーリング剤を注入する場合であっても固化速度を高精度で制御することが可能になる。従って、このようなシーリング剤を注入する場合であっても、流路内でシーリング剤が固化することを確実に防止できる。
なお、通常、シーリング剤は温度が高いほど固化速度が速くなるので、請求項4に記載の発明では、温度が上昇するにつれて設定開放圧を低下させる場合が多い。
請求項5に記載の発明は、前記流路断面積最小部が前記空気入りタイヤのタイヤバルブである、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、シーリング剤の注入速度の上限値をこのタイヤバルブにおける流速の上限値で設定する。
請求項6に記載の発明では、前記シーリング剤を注入した後、前記空気入りタイヤ内へ圧縮空気を送給して空気入りタイヤの内圧を昇圧する、ことを特徴とする。
これにより、シーリング剤の注入後、そのまま所定内圧にまで空気入りタイヤをポンプアップすることができ、作業性が良い。
本発明によれば、シーリング剤が流路内で固化して詰まりが生じることを確実に回避したシーリング剤注入装置とすることができる。
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付して、その説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るシーリング剤注入装置が示されている。シーリング剤注入装置10は、自動車等の車両に装着された空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という。)がパンクした際、そのタイヤ及びホイールを交換することなく、タイヤをシーリング剤により補修して所定の基準圧まで内圧を再加圧(ポンプアップ)する、いわゆる一体型の装置である。
図1に示されるように、シーリング剤注入装置10はコンプレッサユニット12を備えており、このコンプレッサユニット12には、その内部にモータ、エアポンプ、電源回路等が配設されると共に、電源回路からユニット外部へ延出する電源ケーブル(図示省略)が設けられている。この電源ケーブルの先端部に設けられたプラグを、例えば、車両に設置されたシガレットライターのソケットに差込むことにより、車両に搭載されたバッテリにより電源回路を通してモータ等へ電源が供給可能になる。ここで、コンプレッサユニット12は、そのエアポンプにより修理すべきタイヤ14の種類毎に規定された基準圧よりも高圧(例えば、300kPa以上)の圧縮空気を発生可能とされている。
また、シーリング剤注入装置10には、コンプレッサユニット12から送り出された圧縮空気の圧力制御を行う圧力調整機構13が設けられている。この圧力調整機構13は、図4に示すように、コンプレッサユニット12の排気側に接続された安全弁15を有する。本実施形態では、安全弁15はソレノイドコイルを備えた電磁弁である。
本実施形態では、安全弁15にかかる圧力が設定開放圧になると安全弁15は弁を開放し、安全弁15にかかる圧力が設定開放圧以下にまで下がると安全弁15は弁を閉じるようになっており、これによって、後述のタイヤバルブ16におけるシーリング剤の流速の上限値が制御されている。
なお、本実施形態では、シーリング剤32の流路のうちの流路断面積最小部はタイヤバルブ16であり、タイヤバルブ16でシーリング剤の流速が最大となっている。また、安全弁15の設定開放圧は温度に応じて変動されるようになっている。
図2に示すように、シーリング剤注入装置10には、シーリング剤32を収容した液剤容器18及び、この液剤容器18が融着される注入ユニット20が設けられている。液剤容器18の下端には、下方に突出する略円筒状の首部26が一体的に形成されている。首部26は、それよりも上側の容器本体部分よりも径が細く形成されている。首部26の開口部分(下端)には、シーリング剤32を液剤容器18内に密封するためのアルミシール30が配設されている。
ここで、液剤容器18は、ガス遮断性を有する各種の樹脂材料やアルミ合金等の金属材料を素材として成形されている。また液剤容器18内には、シーリング剤注入装置10により修理すべきタイヤ14の種類、サイズ等に応じた規定量(例えば、200g〜400g)よりも若干多めのシーリング剤32が充填されている。
なお、本実施形態の液剤容器18においては、図2に示されるように、空間を設けることなくシーリング剤32が隙間無く充填されているが、シーリング剤32の酸化、窒化等による変質を防止するため、出荷時にAr等の不活性ガスをシーリング剤32共に液剤容器18内へ若干量封入するようにしても良い。
シーリング剤注入装置10では、液剤容器18を注入ユニット20の上側に直立した状態にすると、液剤容器18内のシーリング剤32が自重により、液剤容器18のアルミシール30に押し付けられた状態となる。
図2に示されるように、注入ユニット20には、略円筒状に形成されたユニット本体34及び、このユニット本体34の下端部から外周側へ延出するプレート状の脚部36が設けられている。ユニット本体34の上部には、液剤容器18の首部26の一部分が押し込まれた状態で融着されている。
ユニット本体34内には、アルミシール30が突き破られると液剤容器18の内部と連通する略円柱状の加圧給液室40が設けられている。具体的には、加圧給液室40の形状は、図2で示すように、加圧給液室40の中心より図面右側が、図面左側よりも深く成型されている。
注入ユニット20の中央には、下面から加圧給液室40へ向けて垂直方向に延びる断面円形の冶具挿入孔42が形成されている。
また、シーリング剤注入装置10には、図1に示されるように、コンプレッサユニット12から延出する耐圧ホース44が設けられると共に、図2に示されるように、注入ユニット20から延出し、ジョイントカプラ46を介して耐圧ホース44に着脱可能に接続される圧力配管48が設けられている。耐圧ホース44は、その基端部がコンプレッサユニット12内におけるエアポンプに接続されており、その内部をコンプレッサユニット12の作動時にはエアポンプが発生した圧縮空気を耐圧ホース44側へ供給する。また圧力配管48の先端部は、ユニット本体34の周壁部を貫通して、垂直方向に延びる冶具挿入孔42の中間部分に開口している。
冶具挿入孔42には、加圧給液室40側に穿孔部材50の軸部50Aが挿入されている。穿孔部材50は、軸部50Aの上端部に、径方向外側へ拡径する円盤状の穿孔部50Bを備えている。穿孔部50Bの上面には、アルミシール30を突き破りやすくするための刃50Cが複数形成されている。
軸部50Aには、一対のオーリング溝56が形成されており、各オーリング溝56にはオーリング58が嵌めこまれている。
軸部50Aは、全体が冶具挿入孔42に挿入されており、圧力配管48の先端部が、軸部50Aのオーリング58とオーリング58との間で塞がれている。
また、軸部50Aは、オーリング58と冶具挿入孔42の内周面との摩擦により、冶具挿入孔42の内部に保持されている。この状態では、穿孔部50Bがアルミシール30の正面中央に対向しており、穿孔部50Bとアルミシール30との間には若干の隙間を設けている。
また、シーリング剤注入装置10には、基端部がニップル52を介してユニット本体34に接続されたジョイントホース54が設けられている。このジョイントホース54は、図2に示されるように、ニップル52を介して加圧給液室40内の下端側内側面へ連通している。また、図1に示されるように、ジョイントホース54の先端部には、タイヤ14のタイヤバルブ16に着脱可能に接続されるバルブアダプタ76が設けられている。
(冶具)
次に、シーリング剤注入装置10からシーリング剤32を吐出させる際に用いる冶具60を説明する。
図2に示すように、冶具60は、棒状の挿入部60Aと、挿入部60Aの一端に一体的に形成される円盤状のベース部60Bを備えている。
挿入部60Aには、ベース部側とは反対側の先端からベース部側に向けて延びる第1通路62が中心部分に形成されていると共に、第1通路62のベース部側端から外周へ貫通する第2通路64が複数本形成されている。また、挿入部60Aの外周面には、第2通路64の開口部分に空気通路となる環状の溝66が形成されており、溝66の両側には、一対のオーリング溝68が形成されている。なお、オーリング溝68には、オーリング70が嵌め込まれている。
なお、本実施形態の冶具60では、挿入部60Aの先端が斜めに切り落とされたように傾斜しているが、軸方向に対して直角であっても良い。
この冶具60のベース部60Bから第1通路62の先端までの距離L(図2に示すように、第1通路62の開口が傾斜している場合は、開口の内でベース部側の端部までの距離とする。)は、シーリング剤注入装置10の脚部36の下面から、液剤容器18の内部上壁面までの距離Lよりも短く設定されている。
また、冶具60のベース部60Bから第2通路64の中心までの距離Lは、シーリング剤注入装置10の脚部36の下面から圧力配管48の中心部までの距離Lと同一寸法に設定されている。
(圧力調整機構)
次に、圧力調整機構13を説明する。図1、図4に示すように、耐圧ホース44には分岐ホース45が分岐して接続されている。圧力調整機構13には、この分岐ホース45の端部に接続された安全弁15と、安全弁15の開放圧力を設定する制御部17と、制御部17に電気接続されていて周囲の温度を計測する温度計19と、が設けられている。
制御部17には、図5に示すように、温度と設定開放圧との相関関係が記憶されており、図5に示した相関線Sに従って、温度が上がると設定開放圧を低下させている。
(シーリング剤注入装置の作用)
次に、本実施形態に係るシーリング剤注入装置10を用いてパンクしたタイヤ14を修理する作業手順を説明する。
タイヤ14にパンクが発生した際には、先ず、作業者は、ジョイントホース54のバルブアダプタ76をタイヤ14のタイヤバルブ16にねじ止めし、ジョイントホース54を通して加圧給液室40をタイヤ14内へ連通させる。
次いで、作業者は、冶具60の挿入部60Aをシーリング剤注入装置10の冶具挿入孔42に挿入し、冶具60のベース部60Bをシーリング剤注入装置10の脚部36に突き当てる。これにより、挿入部60Aで押された穿孔部材50の穿孔部50Bがアルミシール30を突き破って容器内に押し込まれ、挿入部60Aが容器内に進入する。
その後、脚部36が下、液剤容器18が上になるようにシーリング剤注入装置10を、例えば路面の上等に配置する。
冶具60の挿入部60Aをシーリング剤注入装置10の冶具挿入孔42に挿入すると、図3に示すように挿入部60Aの先端が液剤容器18の内部上壁面近くに位置し、また、アルミシール30に開けられた孔30Aと挿入部60Aとの間の環状の隙間を介して容器内のシーリング剤32が加圧給液室40へ流出する。これにより、容器内上部には、加圧給液室40へ流出したシーリング剤32の容積に相当する空間72が形成され、挿入部60Aの先端に開口する第1通路62の端部を、シーリング剤32の液面よりも上側に位置させることができる。
そして、図3に示す状態、即ち、注入ユニット20の上側に液剤容器18が位置するように注入ユニット20及び液剤容器18を保持しつつ、コンプレッサユニット12を作動させる。コンプレッサユニット12により発生した圧縮空気は、耐圧ホース44、圧力配管48、冶具60の第2通路64、及び第1通路62を介して液剤容器18に供給される。前述したように、第1通路62の端部がシーリング剤32の液面よりも上側に位置しているので、圧縮空気はシーリング剤32の中を泡となって浮上することはない。
圧縮空気が容器内に供給されると、容器内上部に形成された空間72の容積が拡大してシーリング剤32を加圧し、加圧されたシーリング剤32は、アルミシール30に開けられた孔30Aと挿入部60Aとの間の環状の隙間を介して加圧給液室40、及びジョイントホース54を通って空気入りタイヤ14内へ供給される。
その際、安全弁15に設定開放圧以上の圧力が分岐ホース45から安全弁15に加えられると、安全弁15は弁を開放する。従って、分岐ホース45や耐圧ホース44には設定開放圧以上の圧力が加えられることはないので、シーリング剤32が設定開放圧以上の圧力でタイヤ内に注入されることはない。よって、タイヤバルブ16におけるシーリング剤32の流速の上限値を制御できるので、タイヤバルブ16でシーリング剤32が固化してしまうほどの過大なせん断力がシーリング剤32に与えられることはない。これにより、タイヤバルブ16においてシーリング剤32による詰まりが発生することは確実に回避される。
なお、容器内のシーリング剤32が全て排出された後は、加圧給液室40内のシーリング剤32が加圧されてジョイントホース54を通って空気入りタイヤ14内へ供給される。
その後、シーリング剤注入装置10から全量のシーリング剤32が吐出されると、圧縮空気は液剤容器18、加圧給液室40、及びジョイントホース54を介してタイヤ14内へ供給される。
次に、作業者は、コンプレッサユニット12に設けられた圧力ゲージ78によりタイヤ14の内圧が規定圧になったことを確認したならば、コンプレッサユニット12を停止し、バルブアダプタ76をタイヤバルブ16から取り外す。
作業者は、タイヤ14の膨張完了後一定時間内に、シーリング剤32が注入されたタイヤ14を用いて一定距離に亘って予備走行する。これにより、タイヤ14内部にシーリング剤32が均一に拡散し、シーリング剤32がパンク孔に充填されてパンク孔を閉塞する。
予備走行完了後に、作業者は、タイヤ14の内圧を再測定し、必要に応じて再びジョイントホース54のバルブアダプタ76をタイヤバルブ16にねじ止めし、コンプレッサユニット12を再作動させてタイヤ14を規定の内圧まで加圧する。これにより、タイヤ14のパンク修理が完了し、このタイヤ14を用いて一定の距離範囲内で一定速度以下(例えば、80Km/h以下)での走行が可能になる。
以上説明したように、本実施形態のシーリング剤注入装置10では、圧力調整機構13により、設定開放圧以上の圧力が安全弁15に加えられると安全弁15が弁を開放するので、シーリング剤32が設定開放圧以上の圧力でタイヤ内に注入されることはない。これにより、タイヤバルブ16でシーリング剤32が過大なせん断力を受けることがないので、タイヤバルブ16においてシーリング剤32による詰まりが発生することは確実に回避される。また、設定開放圧以上の圧力をコンプレッサユニット12がシーリング剤32に加えることがないので、コンプレッサユニット12に過大な負荷がかかることがない。
また、制御部17によって、安全弁15の設定開放圧は周囲の温度に応じて変更されている。従って、温度変動によって固化速度が変動するシーリング剤32をタイヤ内に注入する場合であっても、シーリング剤32の固化速度の上限値を高精度で制御することが可能になるので、流路内でシーリング剤32が固化することを確実に防止できる。
また、容器内のシーリング剤32を吐出させる際に、シーリング剤32の中に空気を通さないので、タイヤ内に迅速にシーリング剤32を供給できる。
また、保管時では、液剤容器18がアルミシール30で密閉されており、冶具挿入孔42が穿孔部材50で塞がれて、圧力配管48、及び加圧給液室40が密閉されて装置内部の流路への異物の進入が防止され、使用時には、冶具60を冶具挿入孔42に押し込むという簡単な操作でシーリング剤32の流出を可能としている。
なお、本実施形態ではシーリング剤32の流速の下限値を制御していないが、例えばコンプレッサユニット12の出力制御を行ってタイヤバルブ16におけるシーリング剤32の流速の下限値を制御する構成にすることにより、タイヤバルブ16の通過に際にシーリング剤をある程度に固化し易い状態にすることができ、タイヤ内のパンク孔付近のシーリング剤が固化するのにかかる時間を短時間にすることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図6、図7に示すように、本実施形態では、圧力調整機構13に代えて圧力調整機構83が設けられている。圧力調整機構83には、安全弁15に代えて安全弁85が設けられ、制御部17に代えて圧縮スプリング部材86とクラッド材88とが設けられている。
クラッド材88は、熱膨張率が互いに異なる2枚の平板状部材89、90からなり、温度が高くなると安全弁85から遠ざかる配置となるように安全弁85の近くに設置されている。また、圧縮スプリング部材86は、一方の端部がクラッド材88に取付けられ、他方の端部が安全弁85に取付けられていて、圧縮スプリング部材86の押圧力によって安全弁85の設定開放圧が決められている。
使用環境温度が常温のときには、図6に示すように、クラッド材88はあまり変形していない。
使用環境温度が高いときには、図7に示すように、クラッド材88が安全弁85から遠ざかる方向に変形するので、圧縮スプリング部材86による安全弁85への押圧力が低くなり、安全弁85の設定開放圧が常温時に比べて低くなる。
以上説明したように、本実施形態では、第1実施形態で説明した圧力調整機構13に代えて、制御部17や温度計19を備えていない圧力調整機構83を設けても、第1実施形態と同様、安全弁85の設定開放圧を温度変化に応じて制御することができる。しかも、圧力調整機構83は電磁弁ではない。従って、第1実施形態に比べ、構成を簡素にした圧力調整機構83を設けたシーリング剤注入装置とすることができる。
<試験例>
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態のシーリング剤注入装置10の一例(以下、実施例装置という)を用い、シーリング剤32の注入時の最大圧力と、所定量のシーリング剤32をタイヤ内へ注入するのにかかった時間とを測定した。また、従来例のシーリング剤注入装置の一例(以下、従来例装置という)を用い、同様に、シーリング剤32の注入時の最大圧力と、所定量のシーリング剤32をタイヤ内へ注入するのにかかった時間とを測定した。なお、本試験例で用いた従来例装置は、実施例装置で圧力調整機構13を設けていない装置である。
コンプレッサユニット12としては、排気量23L/min(大気開放時)、最大圧力1000kPaのものを用いた。また、液剤容器18としては1000kPaまで耐え得る耐圧ボトルを用いた。液剤容器18に収容されたシーリング剤32は合成ゴム系の液であり、収容量、すなわちタイヤへの注入量は450ccである。
本試験例では、いずれの装置についても、使用環境温度は60°Cであり、タイヤバルブ16は2006JATMA規定のスナップインバルブであり、タイヤサイズは205/55R−16である。なお、実施例装置では、この温度における安全弁15の設定開放圧は350kPaであった。試験結果を表1に示す。
Figure 2008126580
表1から判るように、実施例装置では、シーリング剤32の注入時の最大圧力が安全弁15の設定開放圧と同じ350kPaであり、注入圧力が一定であった。また、注入時間は1分10秒であった。
一方、従来例装置では、シーリング剤32の注入時の最大圧力は800〜900kPaで、注入時間は8分であり、実施例装置に比べて大幅に高くなっていた。この原因は、注入初期段階でシーリング剤32が過度のせん断力を受け、ゲル化物が発生してタイヤバルブ16に付着し、タイヤバルブ16における流路断面積が低減したものと推定される。従って、60℃のような高温ではシーリング剤32が硬化し易いので、常温に比べ、シーリング剤32にかかる最大せん断力を低減させる必要、すなわち、シーリング剤32に加えられる最大圧力を低減させる必要があることが判った。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
第1実施形態に係るシーリング剤注入装置の構成を示す構成図である。 第1実施形態に係るシーリング剤注入装置における液剤容器、注入ユニットの構成、及び冶具を示す側面断面図である。 第1実施形態に係るシーリング剤注入装置で、冶具を挿入した液剤容器、及び注入ユニットを示す断面図である。 第1実施形態に係るシーリング剤注入装置の圧力調整機構を示す模式図である。 第1実施形態で、温度と設定開放圧との関係線を示すグラフ図である。 第2実施形態に係るシーリング剤注入装置の圧力調整機構を示す模式図である(常温状態)。 第2実施形態に係るシーリング剤注入装置の圧力調整機構を示す模式図である(高温状態)。
符号の説明
10 シーリング剤注入装置
12 コンプレッサユニット(コンプレッサ)
13 圧力調整機構(圧力調整機構、流速制御手段)
14 空気入りタイヤ
15 安全弁
16 タイヤバルブ(タイヤバルブ、流路断面積最小部)
32 シーリング剤
83 圧力調整機構
85 安全弁

Claims (6)

  1. パンクした空気入りタイヤ内に加圧気体で液状のシーリング剤を注入するシーリング剤注入装置であって、
    加圧気体の圧力制御を行うことにより、シーリング剤の流路のうち流路断面積最小部におけるシーリング剤の流速の上限値を制御する流速制御手段を設けた、ことを特徴とするシーリング剤注入装置。
  2. 加圧気体を供給するコンプレッサが設けられ、
    前記流速制御手段として、前記コンプレッサの排気側に圧力調整機構を設けた、ことを特徴とする請求項1に記載のシーリング剤注入装置。
  3. 前記圧力調整機構には安全弁が設けられ、
    前記安全弁の開放圧力が設定されることにより前記上限値が制御される、ことを特徴とする請求項2に記載のシーリング剤注入装置。
  4. 前記安全弁に設定される開放圧力は、使用環境の温度変化に応じて変動する、ことを特徴とする請求項3に記載のシーリング剤注入装置。
  5. 前記流路断面積最小部が前記空気入りタイヤのタイヤバルブである、ことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載のシーリング剤注入装置。
  6. シーリング剤を注入した後、前記空気入りタイヤ内へ圧縮空気を送給してタイヤ内圧を昇圧する、ことを特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項に記載のシーリング剤注入装置。
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