JP2010259157A - 給気用プラグ及び弁駆動用電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機のケーシングの気密検査をするための給気用プラグの提供。
【解決手段】ケーシング3を内外に貫通するようプラグ本体4を設ける。プラグ本体4に給気孔5を形成する。弁座14と弁体15とばね16とで浸液阻止構造6を構成する。弁座14を給気孔5の周囲に形成する。弁体15を弁座14に接触離間させて給気孔5を開閉する。弁体15の押圧部17を押圧して給気孔5を開き、ケーシング3に給気して内部の気圧を高める。ケーシング3を水没させて気泡の有無を確認することにより、気密検査をする。気密検査後は、押圧部17の押圧を解除し、ばね16の付勢力で弁体15を弁座14に接触させる。給気孔5が閉じて、ケーシング3への浸液を阻止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機のケーシングの気密検査をするための給気用プラグ及びこれを備えた弁駆動用電動機に関するものである。
一般に、貨物用船舶は、バラスト水を給排水して浮力を調整するための複数のバラストタンクを備え、各バラストタンクに、原油などの貨物の無積載時にバラスト水を給水して、貨物の積載時にバラスト水を排水することにより、船体を安定させている。
バラスト水は、港湾などで海水を取水して使用され、海水の取水口から幹管及びこれから分岐する枝管を介して各バラストタンクに給水又は排水され、また、枝管に設けられた弁を個別に開閉することにより、バラストタンクごとに給水又は排水されるようになっている。
枝管に設けられた弁を開閉するための駆動部には、油圧シリンダによる油圧駆動を採用することが多かったが、その油の漏れ出しを防止すると共に、効率化を図る目的で、弁駆動用電動機の採用が求められている。
この弁駆動用電動機を採用するには、モータなどの電機部品への浸水を防止する必要があるが、これに対して、例えば特許文献1は、そのモータをケーシングに内装すると共に、ケーシング内への浸水を阻止するようにした弁駆動用電動機を開示している。
特許文献1の弁駆動用電動機(駆動部)は、そのモータを、ベースとカバーとからなるケーシングに内装し、ベースのうちの弁板駆動軸やケーブルが貫通する部分をシールすると共に、ベースに隔壁板を組みつけて、ベースと隔壁板との間に有圧の空気室を形成することにより、ケーシング内への浸水を阻止している。
特開平6−288484号公報(段落番号0005、0006)
ところが、ケーシングを密封した構造を採用したとしても、電気配線やバルブ開度の調整をするには、一旦、カバーを取り外してケーシングの内部を開放する必要がある。そのため、電動機への浸水を確実に防止するには、カバーを取り付けた後、気密検査をして、ケーシングが確実に密封されていることを確認することが求められる。
本発明は、電動機のケーシングの気密検査をするための給気用プラグ及びこれを備えた弁駆動用電動機の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る給気用プラグは、電動機のケーシングに設けるプラグ本体と、このプラグ本体に形成して外部からケーシングに給気するための給気孔と、この給気孔からのケーシング内部への浸液を阻止するための浸液阻止構造とを備えたものである。
上記構成によれば、外部から給気孔を介してケーシングに給気することができるので、ケーシングを液槽内で液没させて気泡の有無を確認することにより、ケーシングの気密検査をすることができ、しかも、気密検査後は、浸液阻止構造により、給気孔からの浸液を阻止することができる。これにより、ケーシングの密封が不十分なまま電動機を使用することがなく、電動機の電気部品への浸液を防止することができる。
具体的には、例えば、浸液阻止構造を、給気孔の周囲に形成した弁座と、この弁座に接触離間して給気孔を開閉する弁体と、この弁体を弁座に接触させる方向に付勢するばねとから構成することができ、その弁体に、給排気する際にばねの付勢力に抗して弁体を弁座から離間させるよう押圧するための押圧部を設けることができる。
この構成によれば、押圧部を押圧して弁体を弁座から離間させることにより、給気孔を開いて外部からケーシングに給気することができる。しかも、押圧部の押圧を解除することにより、ばねの付勢力が弁体を弁座に接触させて給気孔を閉じるので、気密検査後に給気孔からケーシングに浸液するのを阻止することができる。
さらに、押圧部を、給気ホースの口金具に設けた突起によって押圧可能とすることができる。この構成によれば、口金具の突起で押圧部を押圧することができるので、プラグ本体に給気ホースの口金具を装着するだけで、給気孔を開いて給気することができ、プラグ本体から給気ホースの口金具を取り外すだけで、給気孔を閉じてケーシングへの浸液を阻止することができる。なお、気密検査後、別部材のピンなどで押圧部を押圧して給気孔を開くことにより、気密検査する際に給気した空気を排出して、ケーシング内の気圧を大気圧程度にまで下げることができる。
また、浸液阻止構造を、給気孔を塞ぐように浸透膜を設けて構成し、この浸透膜を、空気が通過可能かつ液体が通過不能なものとすることができる。この構成によれば、気密検査する際、給気孔から浸透膜を通過させつつ給気し、気密検査後、給気孔から浸透膜を通過させつつ排気することができ、しかも、浸透膜によって給気孔からの浸液を阻止することができる。
また、弁を開閉する駆動力を供給するモータと、このモータを収容するケーシングと、モータの駆動力をケーシングの外部に出力する出力軸とを備えた弁駆動用電動機は、出力軸がケーシングを内外に貫通するので、ケーシングの密封が不十分になりやすく、ケーシングの気密状態の確認が特に求められるので、そのケーシングに上記の給気用プラグを装着するのが好適である。
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、電動機のケーシングを液没させて給気用プラグの給気孔から給気することにより、ケーシングの気密検査をすることができ、気密検査後は、浸液阻止構造により、給気孔からの浸液を阻止することができる。これにより、ケーシングのカバーを取り外して電気配線やバルブ開度を調整した後、ケーシングの密封が不十分なまま電動機を使用することがなく、電動機の電気部品への浸液を防止することができる。
本発明の第1実施形態の給気用プラグの縦断面図 プラグ本体の正面図 本発明の弁駆動用電動機の正面図 A−A断面図 B−B断面図 本発明の第2実施形態の給気用プラグの縦断面図
以下、本発明に係る給気用プラグ及び弁駆動用電動機の第1実施形態及び第2実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
給気用プラグ1は、弁駆動用電動機2のケーシング3を内外に貫通するように取り付けられるプラグ本体4と、プラグ本体4に形成されて外部からケーシング3に給気するための給気孔5と、給気孔5からケーシング3の内部への浸液を阻止するための浸液阻止構造6と、ケーシング3の外側に開口された給気孔5の給気口7を塞ぐ止め栓8とを備えている。
プラグ本体4は、例えば金属製の円筒状とされて、その中央穴が給気孔5とされ、プラグ本体4の長さ方向で中央付近に中央穴を仕切る隔壁9が形成されると共に、この隔壁9の中央に給気孔5の一部を構成する貫通穴10が形成されている。このプラグ本体4は、基端部に形成されたフランジ11がケーシング3の外面に接触するまでケーシング外側から螺合することにより、プラグ本体4がケーシング3に取り付けられる。
フランジ11の周縁には、一対の弓形の切欠12が形成されて、プラグ本体4をケーシング3に螺合するための工具を係合可能とされている。また、フランジ9の裏面側には、ケーシング3のプラグ取付穴の周囲を取り囲んでシールするためのO−リング13が配設されている。
浸液阻止構造6は、給気孔5の周囲に形成された弁座14と、弁座14に接触離間して給気孔5を開閉する弁体15と、弁体15を弁座14に接触させるよう付勢するばね16と、弁体15のうちの弁座14と対向する側の面に突設された棒状の押圧部17とからなり、給排気する際に押圧部17を押圧することにより、ばね16の付勢力に抗して弁体15を弁座14から離間させて給気孔5を開き、給排気後に押圧部17の押圧を解除することにより、ばね16の付勢力で弁体15を弁座14に接触させて給気孔5を閉じるようになっている。
弁座14は、プラグ本体4の隔壁9のうちのケーシング内外方向における内側面に設定されて、給気孔5の一部を構成する貫通穴10を取り囲んでいる。この弁座14には、弁体15との間をシールするO−リング18が配設され、弁座14に弁体15が接触して給気孔5を閉じることにより、ケーシング3の内部への浸液が阻止される。
弁体15は、例えば金属製の略円盤状とされて、プラグ本体4の中央穴のうちのケーシング内外方向で隔壁9よりも内側に収容され、プラグ本体4の内周面に沿ってケーシング内外方向に案内されることにより、弁体14に接触離間する。この弁体15は、その直径がプラグ本体4の中央穴に収容できるだけの大きさに設定されると共に、周縁の一部に気道19が形成され、弁座14から弁体15が離間した給気孔5の開状態で、気道19を介してケーシング3の内部に給気可能とされる。
気道19は、その流路面積が十分に空気を通すことのできる大きさであれば、ケーシング内外方向に直に形成されたものや、スパイラル状に形成されたものなど、どのようなものであってもよく、その条数も1条であっても複数条であってもよい。また、弁体15の周縁に気道19を形成する代わりに、プラグ本体4の内周面に気道を形成することもできる。さらに、弁体15とプラグ本体4の内周面との間に気道を構成する隙間が空く程度に、弁体15の直径をプラグ本体4の中央穴よりも小さく設定することもできる。
ばね16は、その一端が弁体15のケーシング内外方向で内側に取り付けられ、他端をプラグ本体4の中央穴のうちのケーシング内外方向で内側端部付近に設けた座金20で受けることにより、弁体15をケーシング内外方向で外向きに付勢する。
座金20は、空気を通過させる中央穴を有する円板とされ、ケーシング内外方向で座金20の外側に隣接してプラグ本体4の中央穴に取り付けられたC型止め輪21により、座金20のプラグ本体4からの抜け出しが規制される。なお、座金20は、空気を通過させることのできるものであればよく、中央穴を有するものだけでなく、複数の小孔を有する円板や、蜂の巣状の円板なども採用可能である。
押圧部17は、弁座14と弁体15との接触を阻害するのを防止すると共に、隔壁9よりもケーシング内外方向で外側から容易に押圧可能なよう、隔壁9の貫通穴10をケーシング内外方向で内側から外側に貫通している。この押圧部17は、先端が凹状に形成され、ケーシング3の外側からプラグ本体4の給気口7に給気ホースの口金具を装着することにより、その口金具に設けられた突起で押圧される。
押圧部17の断面形状は、弁体15の回り止めとして機能するよう、隔壁9の貫通穴10と共に例えば六角形状に設定され、さらに、貫通穴10の周縁と押圧部17との間に、給気された空気を通すための隙間が空く大きさに設定されている。なお、貫通穴10の周囲の隔壁9は、押圧部17の先端が隔壁9と面一となる位置を超えて、押圧部17が押圧されるのを阻止するストッパーとしても機能する。
給気口7は、ケーシング3の外部に開口され、この給気口7に給気ホースの口金具を装着することにより、口金具の突起で弁体15の押圧部17を押圧して給気孔5を開き、給気口7に給気して、ケーシング3の内部に空気を吹き出すようになっている。
止め栓8は、給気口7に螺合して給気孔5を塞ぐようになっており、弁体15の押圧部17がケーシング3の外部から押されて給気孔5が不意に開くのを防止する。しかも、止め栓8とプラグ本体4の中央穴内周面との間をO−リング22がシールして給気孔5への浸液を阻止することにより、O−リング22と浸液阻止構造6とで、ケーシング3への浸液を二重に阻止する。
次に、給気用プラグ1を用いてケーシング3に給気して弁駆動用電動機2の気密検査をする様子を説明する。
まず、給気用プラグ1の給気口7から止め栓8を取り外して、給気口7に給気ホースの口金具を装着する。これにより、口金具に設けられた突起が弁体15の押圧部17を押圧し、ばね16の付勢力に抗して、弁体15を弁座14から離間させて給気孔5を開く。
この状態で給気ホースから給気することにより、給気された空気が、隔壁9の貫通穴10の周縁と押圧部17の周面との隙間、弁体15の周縁の気道19、及び座金20の中央穴を通過しつつ、給気孔5を通ってケーシング3の内部に吹き出し、ケーシング3の内部の気圧を高める。
次いで、ケーシング3の内部の気圧を高めた弁駆動用電動機2を水槽内で水没させ、気泡の発生の有無を目視で確認することによって気密検査をする。このとき、ケーシング3の密封状態が不十分であれば、気泡が発生するので、ケーシング3の密封状態を容易に判別することができる。
気密検査が終了した後、弁駆動用電動機2を水槽から取り出し、給気口7から給気ホースの口金具を取り外す。これにより、押圧部17の押圧が解除され、弁体15がばね16の付勢力によって弁座14に接触して、給気孔5が閉じられる。このとき、ケーシング3の内部の気圧が高められたままであるので、ピンなどの工具で押圧部17を押圧して給気孔5を開き、ケーシング3から余分な空気を排出させる。
ケーシング3の内圧を大気圧程度まで下げた後、ピンなどの工具による押圧を解除することにより、ばね16で付勢された弁体15が弁座14に接触して、給気孔5を閉じると共に、O−リング18が弁座14と弁体15との間をシールして、ケーシング3への浸液を阻止する。その後、給気口7に止め栓8を螺合して取り付けることにより、ケーシング3の気密検査が完了する。
次に、給気用プラグ1を備えた弁駆動用電動機2について説明する。
弁駆動用電動機2は、例えば貨物用船舶のバラストタンクの給排水用配管に設けられた弁を開閉するためのものであり、ケーシング3と、ケーシング3に収容されて弁を開閉する駆動力を供給するモータ23と、モータ23の駆動力をケーシング3の外部に出力する出力軸24とを備え、そのケーシング3に給気用プラグ1が装着されている。
ケーシング3は、上方が開放された容器状のベース25の上部開口を、伏せた容器状のカバー26で覆ってなり、その内部に、ギヤ室27や電装室28、モータ室29などの空間が形成されると共に、底部を貫通するように、出力軸24を受ける軸受け30が形成されている。ベース25とカバー26とは、ボルト31で取り付けられ、その境界面がシール材32でシールされている。
モータ23は、モータ室29に収容されると共に、その回転軸33がギヤ室27とモータ室29とを仕切る仕切壁をギヤ室27側に貫通するよう配置され、回転軸33の回転がギヤ室27に収容されたギヤ34を回転させるようになっている。これにより、モータ23の駆動力がギヤ34を介して出力軸24に伝達されて、弁を開閉駆動する。
[第2実施形態]
第2実施形態の給気用プラグ35は第1実施形態の給気用プラグ1とほぼ同じ構成であるが、弁座14、弁体15、ばね16及び押圧部17とからなる浸液阻止構造6に代えて、給気孔5を塞ぐように浸透膜36を設けてなる浸液阻止構造37を備えている。
浸透膜36は、空気を通過可能かつ液体を通過不能な周知の膜であり、円形に形成されて、中央穴を有する二枚の円板状の膜保持リング38で表裏から挟持されてユニット化されている。この浸透膜36は、空気を通過可能かつ液体を通過不能な膜であれば、特に限定されないが、例えば、連続気泡を有する超高分子量ポリエチレン多孔質フィルムや、フッ素樹脂多孔質膜を採用することができ、日東電工株式会社製の「サンマップ」(登録商標)や「テミッシュ」(登録商標)を例示できる。
ユニット化された浸透膜36及び膜保持リング38は、その直径がプラグ本体4の中央穴に収容できるだけの大きさに設定され、ケーシング内外方向で隔壁9の内側に隣接するようプラグ本体4に収容される。さらに、ケーシング内外方向で浸透膜36及び膜保持リング38の内側に隣接するよう円盤状のプラグ39を収容することにより、プラグ本体4の内側端部付近に取り付けたC型止め輪21が、プラグ39を介して、浸透膜36及び膜保持リング38のプラグ本体4からの抜け出しを規制する。
本実施形態の給気用プラグ35は、止め栓8を取り外して給気口7に給気することにより、その空気が浸液阻止構造37の浸透膜36を通過してケーシング3に給気され、気密検査が終了した後は、浸透膜36を通過してケーシング3から排出される。しかも、浸透膜36が給気孔5からケーシング3への浸液を阻止することにより、浸液阻止構造37と止め栓8とで、ケーシング3への浸液を二重に阻止する。なお、他の構成は、第1実施形態と同じである。
1、35 給気用プラグ
2 弁駆動用電動機
3 ケーシング
4 プラグ本体
5 給気孔
6、37 浸液阻止構造
7 給気口
8 止め栓
9 隔壁
10 貫通穴
13、18、22 O−リング
14 弁座
15 弁体
16 ばね
17 押圧部
23 モータ
24 出力軸
36 浸透膜

Claims (4)

  1. 電動機のケーシングに設けられるプラグ本体と、該プラグ本体に形成されて外部から前記ケーシングに給気するための給気孔と、該給気孔からのケーシング内部への浸液を阻止するための浸液阻止構造とを備え、
    前記浸液阻止構造は、給気孔の周囲に形成された弁座と、該弁座に接触離間して給気孔を開閉する弁体と、該弁体を弁座に接触させる方向に付勢するばねとからなり、前記弁体に、給排気する際に前記ばねの付勢力に抗して弁体を弁座から離間させるよう押圧するための押圧部が設けられたことを特徴とする給気用プラグ。
  2. 前記押圧部は、給気ホースの口金具に設けられた突起によって押圧可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の給気用プラグ。
  3. 電動機のケーシングに設けられるプラグ本体と、該プラグ本体に形成されて外部から前記ケーシングに給気するための給気孔と、該給気孔からのケーシング内部への浸液を阻止するための浸液阻止構造とを備え、
    前記浸液阻止構造は、給気孔を塞ぐように浸透膜を設けてなり、該浸透膜は、空気が通過可能かつ液体が通過不能とされたことを特徴とする給気用プラグ。
  4. 弁を開閉する駆動力を供給するモータと、該モータを収容するケーシングと、前記モータの駆動力をケーシングの外部に出力する出力軸とを備え、前記ケーシングに、請求項1、2又は3に記載の給気用プラグが装着されたことを特徴とする弁駆動用電動機。
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