WO2005073054A1

WO2005073054A1 - 電動パワーステアリング装置

Info

Publication number: WO2005073054A1
Application number: PCT/JP2005/001554
Authority: WO
Inventors: Souichi Iwasa; Toshio Iida
Original assignee: Jtekt Corporation
Priority date: 2004-01-29
Filing date: 2005-01-27
Publication date: 2005-08-11
Also published as: EP1714851A1; US8602154B2; EP1714851A4; JP2005212623A; US20070158131A1; EP1714851B1; JP4385286B2

Abstract

電動パワーステアリング装置は、操舵補助用の電動モータの出力軸と減速機の入力軸とを同軸上に動力伝達可能に連結する動力伝達継手(21)を備える。動力伝達継手(21)は、第１及び第２の係合部材(41,42)とこれらの係合部材(41,42)の間に介在する弾性部材(43)を含む。弾性部材(43)は、環状をなす主体部(44)と、主体部(44)の周方向に所定の間隔を設けて並ぶ複数の係合腕(45)とを含む。係合腕(45)と第１及び第２の係合部材(41,42)の係合突起(55,56)が主体部(44)の周方向(X1)に係合する。複数の係合腕(45)の動力伝達面(46,460)は、相対的に大きい締め代(d1)を持つ動力伝達面(460)と、相対的に小さい締め代(d2)を持つ動力伝達面(46)とを含む。

Description

明細書

電動パワーステアリング装置

<技術分野 >

本発明は、電動モータにより操舵補助力を発生する電動パワーステアリング装置に関するものである。

ぐ背景技術 >

自動車用の電動パワーステアリング装置（E P S ) には減速機が用いられている。例えばコラム型電動パワーステアリング装置では、電動モータの出力軸の回転をウォーム軸おょぴウォームホイールを介して減速することにより、電動モータの出力を増幅して舵取り機構に伝達し、ステアリング操作をトルクアシストするようにしている。

通例、電動モータの出力軸とウォーム軸とを連結する筒状の継手は、ウォーム軸の端部をスプライン嵌合している。このスプライン嵌合部には回転方向に多少の遊びがあり、この遊びに起因して歯打ち音に伴う異音が発生するという問題がある。

そこで、弾性部材を含む継手を介して電動モータの出力軸とウォーム軸とを動力伝達可能に連結する電動パワーステアリング装置が提供されている（例えば 2 0 0 2年 5月 2 2日に日本国特許庁により公開された特開 2 0 0 2 - 1 4 5 0 8 3公報を参照）。

上記の弾性部材は、出力軸およびウォーム軸のそれぞれの対向端部に一体回転可能な一対の鉄製の係合部材の間に締め代を有して介在している。上記の締め代が大きいと、弾性部材を両係合部材間に組み付け難くなると共に、摩擦抵抗によるロストルクが大きくなり操舵フィーリングが悪くなる。

逆に上記の締め代が小さいと、長期の使用で弾性部材が摩耗して、弾性部材と各係合部材との間に隙間を生じる。この隙間に起因して、継手の回転方向に遊びを生じ、その結果、騒音が発生したり、トルク伝達ムラが生じて操舵フィーリングが悪化したりするとレヽぅ問題がある。

これに対して、各部品の寸法交差にはばらつきがあるため、上記の締め代を適正に設定することは非常に困難であった。本発明の目的は、組み立て易くてロストルクが小さく、しかもガタゃ騒音を長期にわたって抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することである。

<発明の開示 >

上記目的を達成するため、本発明の好ましい態様では、出力軸を含む操能捕助用の電動モータと、上記電動モータの出力軸と同軸上に配置された入力軸を含む減速機構と、上記電動モータの出力軸と上記減速機構の入力軸とを動力伝達可能に連結する動力伝達継手とを備える。上記動力伝達継手は、上記電動モータの出力軸に一体回転可能に連結された環状の第 1の係合部材と、上記減速機構の入力軸に一体回転可能に連結された環状の第 2の係合部材と、上記第 1および第 2の係合部材の間に介在し第 1および第 2の係合部材の間にトルクを伝達するための弾性部材とを含む。上記弾性部材は、環状の主体部と、上記主体部から放射方向に延び且つ上記主体部の周方向に所定の間隔を設けて並ぶ複数の係合腕とを含む。上記第 1および第 2の係合部材は、上記弾性部材の係合腕に上記主体部の周方向に係合する複数の係合突起をそれぞれ含む。上記弾性部材の各係合腕はそれぞれ一対の動力伝達面を含み、上記一対の動力伝達面は、それぞれ第 1および第 2の係合部材の対応する係合突起の動力伝達面に締め代を有して係合する。上記複数の係合腕の動力伝達面は、相対的に大きい締め代を有する動力伝達面と、相対的に小さレヽ締め代を有する動力伝達面とを含む。

本態様によれば、複数の係合腕の動力伝達面が相対的に大きい締め代を有する動力伝達面を含むので、弾性部材を.第 1および第 2の係合部材間に組み込むときに組み込み易い。また、弹性部材によって第 1および第 2の係合部材間の偏心や角度偏差を容易に吸収することができる。さらに、回転時の摩擦抵抗によるロストルクの増大を抑制することにより、操舵フィーリングを良好にすることができる。

しかも、耐久上、弾性部材の各係合腕にへたりが生じたとしても、相対的に大きい締め代を有する動力伝達面に関しては充分な締め代が残っている。したがつて、この充分に締め代の残っている動力伝達面を主に用いてトルク伝達を達成でき、その結果、騷音ゃトルク伝達ムラの発生を長期にわたって抑制することがでさる。

ぐ図面の簡単な説明 >

図 1は本発明の一実施の形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。

図 2は電動パワーステアリング装置の要部の断面図である。

図 3は図 2の II I —I I I線に沿う断面図である。

図 4はウォーム軸の端部を付勢するための付勢部材の斜視図である。

図 5は図 2の V— V線に沿う断面図である。

図 6は動力伝達継手の分解斜視図である。

図 7 Aは非拘束状態の弾性部材の正面図であり、図 7 Bは図 7 Aの 7 B— 7 B 線に沿う断面図である。

図 8は本発明の別の実施の形態の弾性部材の正面図である。

図 9は本発明のさらに別の実施の形態の第 1の係合部材の正面図である。図 1 0は本発明のさらに別の実施の形態の第 1の係合部材の正面図である。図 1 1は本発明のさらに別の実施の形態の第 2の係合部材の正面図である。図 1 2は本発明のさらに別の実施の形態の第 2の係合部材の正面図である。図 1 3は本発明のさらに別の実施の形態の弾性部材の要部の斜視図である。図 1 4 Aは本発明のさらに別の実施の形態の第 1の係合部材の要部の正面図であり、図 1 4 Bは本発明のさらに別の実施の形態の第 2の係合部材の要部の正面図である。

く発明を実施するための最良の形態 >

以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図 1は、本発明の一実施形態の動力伝達継手を含む電動パワーステアリング装置の概略構成図.である。

図 1を参照して、電動パワーステアリング装置 1は、ステアリングホイール等の操舵部材 2に連結しているステアリングシャフト 3と、ステアリングシャフト 3に自在継手 4を介して連結される中間軸 5と、中間軸 5に自在継手 6を介して連結されるピニオン軸 7と、ピニオン軸 7の端部近傍に設けられたピニオン歯 7 aに嚙み合うラック歯 8 aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラ P 霞 005/001554

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ックバー 8とを有している。ピニオン軸 7およびラックバー 8により舵取り機構としてのラックアンドピニオン機構 Aが構成されている。

ラックバー 8は車体に固定されるハウジング 9内に図示しなレ、複数の軸受を介して直線往復動自在に支持されている。ラックバー 8の両端部はハウジング 9の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイ口ッド 1 0が結合されている。各タイ口ッド 1 0は対応するナックルアーム（図示せず）を介して対応する操向輪 1 1に連結されている。

操舵部材 2が操作されてステアリングシャフト 3が回転されると、この回転がピニオン歯 7 aおよびラック歯 8 aによって、自動車の左右方向に沿ってのラックバ一 8の直線運動に変換される。これにより、操向輪 1 1の転舵が達成される。ステアリングシャフト 3は、操舵部材 2に連なる入力側のァッパーシャフト 3 aと、ピニオン軸 7に連なる出力側のロアーシャフト 3 bとに分割されており、これらアッパーおよびロアーシャフト 3 a， 3 bはトーシヨンバー 1 2を介して同一の軸線上で相対回転可能に互いに連結されている。

トーシヨンバー 1 2を介するアッパーおよびロアーシャフト 3 a， 3 b間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ 1 3が設けられており、このトルクセンサ 1 3のトルク検出結果は、電子制御ユニット（E C U : Electronic Control Unit ) 1 4に与えられる。電子芾 (J御ュニット 1 4では、トルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、駆動回路 1 5を介して操舵補助用の電動モータ 1 6を駆動制御する。電動モータ 1 6の出力回転が減速機構 1 7を介して減速されてピニオン軸 7に伝達され、さらに、ラックバー 8の直線運動に変換されて、操舵が補助される。減速機構 1 7は、電動モータ 1 6により回転駆動される入力軸としてのウォーム軸 1 8と、このウォーム軸 1 8に嚙み合うと共にステアリングシャフト 3のロアーシャフト 3 bに一体回転可能に連結されるウォームホイール 1 9とを備える。

図 2を参照して、ウォーム軸 1 8は電動モータ 1 6の出力軸 2 0と同軸上に配置される。ウォーム軸 1 8は、その軸長方向に離隔する第 1および第 2の端部 1 8 a， 1 8 bを有し、第 1および第 2の端部 1 8 a , 1 8 b間の中間部に歯部 1 8 cを有する。ウォームホイール 1 9は、ステアリングシャフト 3のロアーシャフト 3 bの軸方向中間部に一体回転可能に且つ軸方向移動不能に連結されている。ウォームホィール 1 9は、ロアーシャフト 3 bに一体回転可能に結合される環状の芯金 1 9 aと、芯金 1 9 aの周囲を取り囲み外周に歯部 1 9 cを形成した合成樹脂部材 1 9 bとを備える。芯金 1 9 aは、例えば合成樹脂部材 1 9 bの樹脂成形時に金型内にインサートされるものである。

ウォーム軸 1 8の第 1の端部 1 8 aと電動モータ 1 6の出力軸 2 0の対向端部とは、本実施の形態の特徴とするところの動力伝達継手 2 1を介して同軸上に動力伝達可能連結されている。

ウォーム軸 1 8の第 1およぴ第 2の端部 1 8 a， 1 8 bは、対応する第 1および第 2の軸受 2 2， 2 3をそれぞれ介して減速機構 1 7のハウジング 1 7 aに回転自在に支持されている。第 1および第 2の軸受 2 2 , 2 3は例えば玉軸受からなる。

第 1および第 2の軸受 2 2 , 2 3の内輪 2 4， 2 5力ウォーム軸 1 8の第 1 および第 2の端部 1 8 a , 1 8 bに一体回転可能に嵌合されている。各内輪 2 4 , 2 5はそれぞれウォーム軸 1 8の対応する互いに逆向きの位置決め段部 1 8 d , 1 8 eに当接している。第 1およぴ第 2の軸受 2 2 , 2 3の外輪 2 6 , 2 7は、減速機構 1 7のハウジング 1 7 aの対応する軸受保持孔 2 8 , 2 9に回転不能に保持されている。

第 2の軸受 2 3のための軸受保持孔 2 9は第 2の軸受 2 3を径方向ウォームホィール側に偏倚可能に保持することのできる偏倚孔に形成されており、軸受保持孔 2 9の内周面と第 2の軸受 2 3の外輪 2 7の外周面との間に環状の付勢部材 3 0が介在している。

図 2の 1ェェ一 I I I線に沿う断面図である図 3および図 4を参照して、付勢部材 3 0は、有端環状をなす主体部 3 1と、主体部 3 1の端部に互い違いの傾斜状に形成された一対の弾性舌片からなる径方向付勢部 3 2と、主体部 3 1の側縁に複数形成された傾斜状の弾性舌片からなる軸方向付勢部 3 3とを含む。

図 2および図 3を参照して、径方向付勢部 3 2は、軸受保持孔 2 9の内周面の一部に形成された受け凹部 3 4によって受けられ、径方向付勢部 3 2の付勢力が第 2の軸受 2 3を介してウォーム軸 1 8の第 2の端部 1 8 bを径方向ウォームホィール 1 9側に付勢している。これにより、ウォーム軸 1 8とウォームホイール 1 9の間のバックラッシが除去されている。

図 2を参照して、軸方向付勢部 3 3は、ハウジング 1 7 aの端壁 1 7 bとこれに対向する第 2の軸受 2 3の外輪 2 7の端面との間に介在し、端壁 1 7 により受けられた状態で第 2の軸受 2 3を介してウォーム軸 1 8を軸方向電動モータ 1 6側に弾性的に付勢している。

一方、第 1の軸受 2 2の外輪 2 6は、対応する軸受保持孔 2 8に連なるねじ孔 3 5にねじ込まれた予圧調整用およびバックラッシ調整用のねじ部材 3 6によつて、軸方向に位置決めされている。これにより、軸方向付勢部 3 3の付勢力が第 1および第 2の軸受 2 2 , 2 3に一括して予圧を与えることに寄与すると共に、ウォーム軸 1 8とウォームホイール 1 9との間のバックラッシの除去にも寄与することになる。

次いで、図 2、図 2の V— V線に沿う断面図である図 5および分解斜視図である図 6を参照して、動力伝達継手 2 1について詳述する。まず、図 2を参照して、動力伝達継手 2 1は、電動モータ 1 6の出力軸 2 0に一体回転可能に連結された第 1の係合部材 4 1と、減速機構 1 7の入力軸としてのウォーム軸 1 8の第 1の端部 1 8 aに一体回転可能に連結された第 2の係合部材 4 2と、第 1および第 2 の係合部材 4 1， 4 2の間に介在し両係合部材 4 1， 4 2間にトルクを伝達する弹性部材 4 3とを備える。第 1および第 2の係合部材 4 1， 4 2は例えば金属製である。弾性部材 4 3は例えば合成ゴム製又はポリウレタン等の合成樹脂製である。

次いで、図 5および図 6を参照して、弾性部材 4 3は、環状をなす主体部 4 4 と、主体部 4 4から放射方向に延びる複数の係合腕 4 5とを含む。第 1および第 2の係合部材 4 1， 4 2によって拘束されない自由状態の弾性部材 4 3を示す図 7 Aに示すように、主体部 4 4の周方向に関しての各係合腕 4 5の厚み中心 6 0 間の配置間隔（弾性部材 4 3の中心軸線 4 3 0を中心とする中心角 a 1 , b 1で表す）は、相対的に短い配置間隔（中心角 a 1に相当）と、相対的に長い配置間隔（中心角 b 1に相当）を含む。 4

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上記複数の係合腕 4 5には、主体部 4 4の周方向 X 1に対向する一対の動力伝達面 4 6， 4 6を有する係合腕 4 5と、周方向に X 1に対向する一対の動力伝達面 4 6， 4 6 0を有する係合腕 4 5とが含まれる。図 6および図 7 Aの 7 B— 7 B線に沿う断面図である図 7 Bに示すように、各動力伝達面 4 6 , 4 6 0は、軸方向の中央部が膨らむように山形をなして突出している。図 5および図 7 Aに示すように、中心角 a 1に対応して対をなす一部の係合腕 4 5において、相対向する動力伝達面 4 6 0が後述するように締め代を増加され、相対的に大きい締め代 d 1を持つ大きい動力伝達面となる。また、残りの動力伝達面 4 6が相対的に小さい締め代 d 2を持つ動力伝達面となる。

なお、図 7 Aを参照して、係合腕 4 5の動力伝達面 4 6 , 4 6 0は放射方向（主体部 4 4から係合腕 4 5が延びる方向）の中央部が膨らむようにも山形をなしている。

図 6を参照して、第 1および第 2の係合部材 4 1 , 4 2は、それぞれ出力軸 2 0およびウォーム軸 1 8を嵌合させるための嵌合孔 4 9 , 5 0を形成する環状の主体部 5 1， 5 2と、主体部 5 1 , 5 2の互いの対向面 5 3， 5 4にそれぞれ突出形成された複数の第 1および第 2の係合突起 5 5 , 5 6とを備えている。

第 1の係合部材 4 1の複数の第 1の係合突起 5 5は相等しい形状、寸法を有し、主体部 5 1の周方向に等間隔に配置されている。第 2の係合部材 4 2の複数の第 2の係合突起 5 6は相等しい形状、寸法を有し、主体部 5 2の周方向に等間隔に配置されている。

動力伝達継手 2 1の組立状態で、図 5に示すように、第 1および第 2の係合部材 4 1， 4 2の第 1およぴ第 2の係合突起 5 5 , 5 6が周方向に交互に配置され、周方向に相隣接する第 1および第 2の係合突起 5 5 , 5 6間に、弾性部材 4 3 'の対応する係合突起 4 5が挟持される。換言すると、周方向に隣接する第 1および第 2の係合突起 5 5， 5 6が弾性部材 4 3の対応する係合腕 4 5を周方向に挟んで互いに嚙み合わされる。

また、図 5および図 6に示すように、第 1および第 2の係合突起 5 5 , 5 6は、弾性部材 4 3の対応する係合腕 4 5の動力伝達面 4 6又は 4 6 0に対応する動力伝達面 5 7 , 5 8をそれぞれ含む。本実施の形態によれば、図 5に示すように、弾性部材 4 3の係合腕 4 5と第 1 およぴ第 2の係合部材 4 1， 4 2の第 1および第 2の係合突起 5 5， 5 6とを組み合わせたときに、上記した小さい中心角 a 1に対応する一部の動力伝達面 4 6 0が相対的に大きい締め代 d 1を持ち、残りの動力伝達面 4 6が相対的に小さい締め代 d 2を持つことになる。

上記残りの動力伝達面 4 6に関しては締め代がそれほど大きくならないので、弾性部材 4 3を第 1および第 2の係合部材 4 1 , 4 2間に組み込むときに組み込み易い。

また、弾性部材 4 3によって第 1および第 2の係合部材 4 1 , 4 2間の、すなわち出力軸 2 0とウォーム軸 1 8との間の偏心や角度偏差を容易に吸収することができると共に、回転時の摩擦抵抗によるロストルクの增大を抑制して操舵フィ一リングを良好にすることができる。

しかも、耐久上、弾性部材 4 3の各係合腕 4 5にへたりが生じたとしても、相対的に大きい締め代 d 1を有する係合腕 4 5の動力伝達面 4 6 0に関しては充分な締め代が残っているので、この係合腕 4 5の動力伝達面 4 6 0を主に用いてトルク伝達を達成でき、その結果、騒音やトルク伝達ムラの発生を長期にわたって抑制することができる。

なお、ハウジング 1 7 aの位置決め段部 1 7 cと第 1の軸受 2 2の外輪 2 6との間に、例えば数 1 0 程度の隙間を設け、弾性部材 4 3の付勢力を用いて、ウォーム軸 1 8を軸方向に付勢しても良い。この場合、弾性部材 4 3をバックラッシ調整にも寄与させることができる。

上記の実施の形態において、係合腕 4 5の厚み中心 6 0の配置間隔が全て異なる、いわゆる不等ピッチのレイアウトとすることもできる。

本発明においては、一部の動力伝達面 4 6 0が相対的に大きい締め代 d 1を有するようにすれば良いので、例えば、図 8に示すように、弾性部材 4 3が第 1および第 2の係合部材 4 1 , 4 2に拘束されない自由状態において、弾性部材 4 3 の係合腕 4 5の厚み中心 6 0間の配置間隔（中心角 c 1に相当）は均等とし、一部の係合腕 4 5 1が上記周方向 X 1に関して相対的に大きい厚み e 1を有し、残りの係合腕 4 5 2が相対的に小さい厚み f 1を有するようにしてもよい。すなわち e 1〉 f 1。この場合、相対的に大きい厚み e 1を持つ係合腕 4 5 1が相対的に大きい締め代を有する一対の動力伝達面 4 6 0を有することになる。

図 8の実施の形態においては、複数の係合腕 4 5 1 , 4 5 2の配置間隔は全て等しくてもよいし、一部の配置間隔が図 7 Aの実施の形態と同様に異なつていてあよい。

また、図 9に示すように、第 1の係合部材 4 1において、各第 1の係合突起 5 5の厚み中心 6 1間の配置間隔（第 1の係合部材 4 1の中心軸線 4 1 0を中心とする中心角 g l , h iで表す）、相対的に長い配置間隔（相対的に大きな中心角 g lに相当）と、相対的に短い配置間隔（相対的に小さい中心角 h 1に相当）を含むようにしてもよい（すなわち、 g l〉h l )。また、図 1 0に示すように、上記厚み中心 6 1間の配置間隔（中心角〗 1に相当）は均等にし、一部の第 1の係合突起 5 5 1が第 1の係合部材 4 1の周方向に関して相対的に大きい厚み m l を有し、残りの第 1の係合突起 5 5 2が相対的に小さい厚み n 1を有するようにしてもよい。

図 9、図 1 0の各実施の形態では、複数の係合腕 4 5の厚みは互いに等しく、且つ複数の係合腕 4 5の配置間隔は互いに等しいことが好ましい。また、第 2の係合部材 4 2の係合突起 5 6の厚みは互いに等しく、且つ第 2の係合部材 4 2の係合突起 5 6の配置間隔は互いに等しいことが好ましい。

さらに、図 1 1に示すように、第 2の係合部材 4 2において、第 2の係合突起 5 6の厚み中心 6 2間の配置間隔（第 2の係合部材 4 2の中心軸線 4 2 0を中心とする中心角 p 1 , r 1で表す）力相対的に長い配置間隔（相対的に大きい中心角！） 1に相当）と、相対的に短い配置間隔（相対的に小さい中心角 r 1に相当）とを含むようにしてもよレ、' (すなわち、 p l > r 1 )。また、図 1 2に示すように、第 2の係合突起 5 6の配置間隔（中心角 w lに相当）は均等にし、一部の第 2の係合突起 5 6 1が第 2の係合部材 4 2の周方向に関して相対的に大きい厚み y 1 を有し、残りの第 2の係合突起 5 6 2が相対的に小さい厚み _Z 1を有するようにしてもよい（すなわち、 y l > z l )。

図 1 1、図 1 2の各実施の形態では、複数の係合腕 4 5の厚みは互いに等しく、且つ複数の係合腕 4 5の配置間隔は互いに等しいことが好ましい。また、第 1の 5 001554

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係合部材 4 1の係合突起 5 5の厚みは互いに等しく、且つ第 1の係合部材 4 1の係合突起 5 5の配置間隔は互いに等しいことが好ましい。

図 9において、各第 1の係合突起 5 5間の配置間隔が全て異なる不等ピッチのレイアウトとしたり、図 1 1において、各第 2の係合突起 5 6間の配置間隔が全て異なる不等ピッチのレイアウトとしたりしても良い。

本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、少なくとも一部の係合腕 4 5の少なくとも 1つの動力伝達面 4 6が、図 1 3に示すように、第 1および第 2の係合部材 4 1 , 4 2が軸方向に近づくにしたがって周方向に圧縮され得るカム面 4 6 Aを含んでいてもよい。

また、図 1 4 Aまたは図 1 4 Bに示すように、第 1および第 2の係合突起 5 5 , 5 6の動力伝達面 5 7 , 5 8の少なくとも一方が、第 1および第 2の係合部材 4 1， 4 2が軸方向に近づくにしたがって弾性部材 4 3の係合腕 4 5を周方向に圧縮可能なカム面 5 7 A, 5 8 Aを含んでいてもよい。図 1 3、図 1 4 Aおよび図 1 4 Bの各実施の形態では、第 1および第 2の係合部材 4 1， 4 2によって弾性部材 4 3を軸方向に圧縮したときに、弾性部材 4 3と各係合突起 5 5， 5 6とを周方向に関して確実に圧接させることができるという利点がある。

また、上記の実施の形態において、減速機構としてウォームギヤ機構を用いた力 S、傘歯車機構その他の公知の歯車機構を採用することができ、減速機構の入力軸として、傘歯車機構その他の歯車機構の駆動歯車の回転支軸を採用することができる。

以上、本発明を具体的な態様により詳細に説明したが、上記の内容を理解した当業者は、その変更、改変及び均等物を容易に考えられるであろう。したがって、本発明はクレームの範囲とその均等の範囲とするべきである。

本出願は 2 0 0 4年 1月 2 9日に曰本国特許庁に提出された特願 2 0 0 4 - 2 2 1 1 8号に対応しており、この出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。

Claims

請求の範囲

1 . 出力軸を含む操舵補助用の電動モータと、

上記電動モータの出力軸と同軸上に配置された入力軸を含む減速機構と、上記電動モータの出力軸と上記減速機構の入力軸とを動力伝達可能に連結する動力伝達継手とを備え、

上記動力伝達継手は、上記電動モータの出力軸に一体回転可能に連結された環状の第 1の係合部材と、上記減速機構の入力軸に一体回転可能に連結された環状の第 2の係合部材と、上記第 1およぴ第 2の係合部材の間に介在し第 1およぴ第 2の係合部材の間にトルクを伝達するための弾性部材とを含み、

上記弾性部材は、環状の主体部と、上記主体部から放射方向に延び且つ上記主体部の周方向に所定の間隔を設けて並ぶ複数の係合腕とを含み、

上記第 1および第 2の係合部材は、上記弾性部材の係合腕に上記主体部の周方向に係合する複数の係合突起をそれぞれ含み、

上記弾性部材の各係合腕はそれぞれ一対の動力伝達面を含み、上記一対の動力伝達面は、それぞれ第 1および第 2の係合部材の対応する係合突起の動力伝達面に締め代を有して係合し、

上記複数の係合腕の動力伝達面は、相対的に大きい締め代を有する動力伝達面と、相対的に小さい締め代を有する動力伝達面とを含む、電動パワーステアリング装置。

2 . 上記第 1および第 2の係合部材によって拘束されない自由状態での上記複数の係合腕の配置間隔は、上記主体部の周方向に関して相対的に長い配置間隔と、上記主体部の周方向に関して相対的に短い配置間隔とを含む、請求の範囲第 1項に記載の電動パワーステアリング装置。

3 . 上記複数の係合腕は、上記第 1およぴ第 2の係合部材によつて拘束されない自由状態で、上記主体部の周方向に関して相対的に大きい厚みを有する係合腕と、上記主体部の周方向に関して相対的に小さい厚みを有する係合腕とを含む、請求の範囲第 1項または第 2項に記載の電動パワーステアリング装置。

4 . 上記第 1および第 2の係合部材の少なくとも一方の係合突起の配置間隔は、上記'第 1および第 2の係合部材の少なくとも一方の周方向に関して相対的に長い配置間隔と、上記第 1および第 2の係合部材の少なくとも一方の周方向に関して相対的に短い配置間隔とを含む、請求の範囲第 1項に記載の電動パワーステアリング装置。

5 . 上記第 1および第 2の係合部材の少なくとも一方の係合突起は、上記第 1および第 2の係合部材の少なくとも一方の周方向に関して相対的に大きい厚みを有する係合突起と、上記第 1およぴ第 2の係合部材の少なくとも一方の周方向に関して相対的に小さい厚みを有する係合突起とを含む、請求の範囲第 1項又は第 4 項に記載の電動パワーステアリング装置。

6 . 上記複数の係合腕の動力伝達面の少なくとも 1つは、第 1および第 2の係合部材が互いに軸方向に近づくにしたがって弾性部材の周方向に圧縮される量が增加するカム面を含む、請求の範囲第 1項に記載の電動パワーステアリング装置。

7 . 上記第 1および第 2の係合部材の少なくとも一方の係合突起の少なくとも 1 つは、第 1および第 2の係合部材が互いに軸方向に近づくにしたがって弾性部材を周方向に圧縮する量を増加させるカム面を含む、請求の範囲第 1項に記載の電動パワーステアリング装置。