JP2005212622A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータの出力軸と減速機のウォーム軸を動力伝達継手により連結する。動力伝達継手は第1及び第2の係合部材とこれらの間に介在する弾性部材43を含む。弾性部材43は環状をなす主体部44と主体部44から放射方向に延びる複数の係合腕45とを含む。各係合腕45はそれぞれ周方向Xに対向する動力伝達面46を有する。動力伝達面46は軸方向の中央部が膨らむように山形をなして頂部47を突出させる。頂部47は動力伝達面46が非拘束のときに窪み部48を形成する。非拘束のときの動力伝達面46の頂部47は窪み部48を挟んで一対の部分47a,47bに分割される。動力伝達面46が第1および第2の係合部材に押圧されるときに、一対の部分47a,47bの肉を窪み部48に逃がす。
【選択図】 図7
Description
通例、電動モータの出力軸とウォーム軸とを連結する筒状の継手は、ウォーム軸の端部をスプライン嵌合している。このスプライン嵌合部には多少のガタがあり、このガタに起因して歯打ち音に伴う異音が発生するという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、騒音の発生および操舵フィーリングの悪化を長期にわたって抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、操舵補助用の電動モータの出力回転を減速機を介して減速して舵取り機構に伝達する電動パワーステアリング装置において、上記電動モータの出力軸と減速機の入力軸とを動力伝達可能に連結する動力伝達継手を備え、動力伝達継手は、上記出力軸および入力軸にそれぞれ一体回転可能に連結される第1および第2の係合部材と、第1および第2の係合部材の間に介在し、両部材に相対回転不能に連結されて両部材間にトルクを伝達する弾性部材とを備え、弾性部材は第1および第2の係合部材にそれぞれ弾性的に係合する山形をなす複数の動力伝達面を含み、弾性部材の少なくとも1つの動力伝達面は非拘束のときに山形の頂部に窪み部をすることを特徴とするものである。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結される中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されるピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン歯7aに噛み合うラック歯8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー8とを有している。ピニオン軸7およびラックバー8により舵取り機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン歯7aおよびラック歯8aによって、自動車の左右方向に沿ってのラックバー8の直線運動に変換される。これにより、操向輪11の転舵が達成される。
トーションバー12を介するアッパーおよびロアーシャフト3a,3b間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ13が設けられており、このトルクセンサ13のトルク検出結果は、ECU(Electric Control Unit :電子制御ユニット)14に与えられる。ECU14では、トルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、駆動回路15を介して操舵補助用の電動モータ16を駆動制御する。電動モータ16の出力回転が減速機17を介して減速されてピニオン軸7に伝達され、ラックバー8の直線運動に変換されて、操舵が補助される。
図2を参照して、ウォーム軸18は電動モータ16の出力軸20と同軸上に配置される。ウォーム軸18は、その軸長方向に離隔する第1および第2の端部18a,18bを有し、第1および第2の端部18a,18b間の中間部に歯部18cを有する。
ウォーム軸18の第1および第2の端部18a,18bは、対応する第1および第2の軸受22,23をそれぞれ介して減速機17のハウジング17aに回転自在に支持されている。第1および第2の軸受22,23は例えば玉軸受からなる。
図2のIII −III 線に沿う断面図である図3および図4を参照して、付勢部材30は、有端環状をなす主体部31と、主体部31の端部に互い違いの傾斜状に形成された一対の弾性舌片からなる径方向付勢部32と、主体部31の側縁に複数形成された傾斜状の弾性舌片からなる軸方向付勢部33とを含む。
一方、第1の軸受22の外輪26は、対応する軸受保持孔28に連なるねじ孔35にねじ込まれた予圧調整用およびバックラッシ調整用のねじ部材36によって、軸方向に位置決めされている。これにより、軸方向付勢部33の付勢力が第1および第2の軸受22,23に一括して予圧を与えることに寄与すると共に、ウォーム軸18とウォームホイール19との間のバックラッシの除去にも寄与することになる。
図6を参照して、第1および第2の係合部材41,42は、それぞれ出力軸20およびウォーム軸18を嵌合させるための嵌合孔49,50を形成する環状の主体部51,52と、主体部51,52の互いの対向面53,54にそれぞれ突出形成された複数の第1および第2の係合突起55,56とを備えている。
動力伝達継手21の組立状態で、図5に示すように、第1および第2の係合部材41,42の第1および第2の係合突起55,56が周方向に交互に配置され、周方向に相隣接する第1および第2の係合突起55,56間に、弾性部材43の対応する係合突起45が挟持される。換言すると、周方向に隣接する第1および第2の係合突起55,56が弾性部材43の対応する係合腕45を周方向に挟んで互いに噛み合わされる。
本実施の形態によれば、非拘束状態のときに弾性部材43の山形をなす動力伝達面46の頂部47が、図7Bに示すように、窪み部48を挟んだ一対の部分47a,47bに分割されるようにしたので、図8に示すように、上記頂部47が対応する係合部材41,42の動力伝達面57,58に押圧されるときに、上記一対の部分47a,47bの肉を窪み部48内へ逃がすことができる。肉が逃げ込んだ窪み部48は、ほとんど消滅する状態となる。
なお、ハウジング17aの位置決め段部17cと第1の軸受22の外輪26との間に、例えば数10μm程度の隙間を設け、弾性部材43の付勢力を用いて、ウォーム軸18を軸方向に付勢しても良い。この場合、弾性部材43をバックラッシ調整にも寄与させることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、少なくとも一部の係合腕45の少なくとも1つの動力伝達面46Aが、図9に示すように、第1および第2の係合部材41,42が軸方向に近づくにしたがって周方向に圧縮され得るカム面に形成されていても良い。また、図示していないが、第1および第2の係合突起55,56の動力伝達面57,58の少なくとも一方が、第1および第2の係合部材41,42が軸方向に近づくにしたがって弾性部材43の係合腕45を周方向に圧縮可能なカム面に形成されていても良い。これらの場合、第1および第2の係合部材41,42によって弾性部材43を軸方向に圧縮したときに、弾性部材43と各係合突起55,56とを周方向に関して確実に圧接させることができるという利点がある。
また、上記の実施の形態において、弾性部材43の一部の係合腕45の周方向の厚みを残りの係合腕45と異ならせたり、一部の係合腕45の周方向の配置間隔を残りの係合腕45の配置間隔と異ならせたりすることもできる。
2 操舵部材
3 ステアリングシャフト
5 中間軸
7 ピニオン軸
8 ラックバー
10 タイロッド
11 操向輪
A 舵取り機構
16 電動モータ
17 減速機
17a ハウジング
18 ウォーム軸(減速機の入力軸、入力軸)
18a 第1の端部
18b 第2の端部
19 ウォームホイール
20 モータの出力軸(出力軸)
21 動力伝達継手
30 付勢部材
31 主体部
32 径方向付勢部
33 軸方向付勢部
34 受け凹部
35 ねじ孔
36 (予圧調整用兼バックラッシ調整用の)ねじ部材
41 第1の係合部材
42 第2の係合部材
43 弾性部材
44 主体部
45 係合腕
46,46A 動力伝達面
47 頂部
47a,47b (分割された)一対の部分 48 窪み部
49,50 嵌合孔
51,52 主体部
53,54 対向面
55 第1の係合突起
56 第2の係合突起
57,58 動力伝達面
Claims (3)
- 操舵補助用の電動モータの出力回転を減速機を介して減速して舵取り機構に伝達する電動パワーステアリング装置において、
上記電動モータの出力軸と減速機の入力軸とを動力伝達可能に連結する動力伝達継手を備え、
動力伝達継手は、上記出力軸および入力軸にそれぞれ一体回転可能に連結される第1および第2の係合部材と、
第1および第2の係合部材の間に介在し、両部材に相対回転不能に連結されて両部材間にトルクを伝達する弾性部材とを備え、
弾性部材は第1および第2の係合部材にそれぞれ弾性的に係合する山形をなす複数の動力伝達面を含み、
弾性部材の少なくとも1つの動力伝達面は非拘束のときに山形の頂部に窪み部を形成することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1において、上記弾性部材は、環状をなす主体部と、主体部から放射方向に延び周方向に対向する一対の動力伝達面をそれぞれ有する複数の係合腕とを含み、
第1および第2の係合部材は、互いの間に弾性部材の対応する係合腕を周方向に挟んで互いに噛み合わされる第1および第2の係合突起をそれぞれ複数含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1又は2において、上記窪み部に溜められた潤滑剤を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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2004
- 2004-01-29 JP JP2004022117A patent/JP2005212622A/ja active Pending
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