WO2005045802A1

WO2005045802A1 - 内装材およびパネル構成体、並びに内装材の製造方法

Info

Publication number: WO2005045802A1
Application number: PCT/JP2004/016236
Authority: WO
Inventors: Kanichi Sato
Original assignee: Komatsu Ltd.
Priority date: 2003-11-11
Filing date: 2004-11-01
Publication date: 2005-05-19
Also published as: JPWO2005045802A1; JP4163214B2; US7824587B2; KR20060085942A; US20080191384A1; CN1879145B; SE0600929L; DE112004002163T5; US20070085364A1; CN1879145A; SE530164C2

Abstract

　本発明により、作業機械における運転室の内装材であって、前記内装材は少なくとも構造部材と吸音層とを具備し、前記構造部材は、基部の内側表面に外装材の内側表面と密接する１以上のリブを有し、同リブが外装材に密接することにより密閉した空洞部が形成されてなり、前記構造部材の外側表面には前記吸音層が設けてなる、ことを特徴とする内装材が提供される。これにより、作業機械において、運転室の外部から入る騒音を効果的に抑えて、運転室内における作業環境を向上させることができる。

Description

明細書

内装材およびパネル構成体、並びに内装材の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、土木建設用、農業用、その他の産業用の機械や車両等の作業機及び作業車両等に使用される運転室の内装材とその製造方法に関するものである。背景技術

[0002] 一般に、作業機械には、油圧ショベルなどの土木建設機械、トラクタなどの農業機械、荷役機械、その他産業用機械或いは車両など各種の作業を行う機械や車両 (以下、作業機械という。）がある。これらの作業機械に設けられている運転室は、騒音' 振動などが激しぐ作業環境が悪い状態にある。

[0003] 例えば、土木建設車両の一つに、図 8に示したような油圧ショベル 100がある。この油圧ショベル 100は、下部走行体 101上に旋回機構 102を介して上部旋回体 103 が旋回自在に設置されている。この上部旋回体 103には、作業機 104、エンジン 10 8など動力部、運転室 110などを装備している。また、この種の作業機 104としては、一般的に、起伏動作可能に設けられたブーム 105、該ブーム 105の先端に上下回動可能に設けられたアーム 106、該アーム 106の先端に設けられたパケットなどのァタツチメント 107などが取付けられている。

[0004] 前記運転室 110は、一般に、ボックス型に形成されており、前面に前窓が設けられ、後部には可能な範囲で大きな窓が設けられている。さらに、この運転室 110には、図 8に示すように作業機 104が設置されている側（車両進行方向の右側）の上半部にも窓が設けられており、その反対側（車両進行方向の左側）にはドア 111が設けられている。オペレータは、このドア 111を開閉することにより、運転室 110に出入りする。

[0005] 上記油圧ショベル 100では、運転室 110の後方に車載のエンジン 108などの駆動機が配設されている。また、運転室 110の前側部に配置されている作業機 104は、掘削ゃ揚土などの作業を行う。そのため、オペレータが操縦を行う運転室 110内は騒音や振動などが激しぐ作業環境が非常に悪い状態にある。そのため、従来からオペレータの作業環境を改善するために、運転室 110内への騒音を抑えて運転室内の居住性を快適化することが求められている。

[0006] 一方、例えば乗用自動車では、エンジン部から室内への騒音を防止するための遮音手段が設けられている。遮音手段としては、一般的に仕切り部品に遮音材を貼着するなどの処置がなされている。このような遮音材の取付方法として、例えば特開 20 03— 10967号公報 (特許文献 1)には、遮音性車体部品の製造方法が開示されている。この遮音性車体部品の製造方法では、ダッシュロアのような車体部品に遮音材を充填するために、成形された車両部品の内部に予め発泡前の遮音材を挿入しておき、この挿入した遮音材の一部を溶接時に熱で発泡させ、その後遮音材全体を加熱発泡させている。また、この遮音材の係止手段と補強を兼ねるために、複数のリブがダッシュロアの内部にダッシュロアの延在方向に沿って並設されている。

[0007] また、例えば特許第 3280845号公報 (特許文献 2)では、乗用自動車用の内装材が提案されている。この自動車用内装材では、乗用自動車の走行時の唸り音などを防音する手段として、自動車のピラーパネルやサイドルーフなどの構造部材に隣接して生じる空間を覆う内装材の内面側に接した扇状の連続する補強リブを複数設けるとともに、各補強リブの間にさらに補強リブよりも小さい別のリブを設けている。

特許文献 1：特開 2003— 10967号公報

特許文献 2：特許第 3280845号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] 前述のように、居住の快適性を求められる乗用自動車において、特許文献 1のような遮音のために車両部品に遮音材を充填する方式を採用した場合、ダッシュロアのようなそのスペースが比較的に小さく形成される部位に対しては有効な手段となっている。し力しながら、車体全体が乗用自動車に比べて激しく振動し、搭載エンジンからの騒音 '振動が大きい油圧ショベルのような建設機械などでは、その構造上力も運転室を形成する各パネル構成体が全体的に大きく、また車体の組み立て構造が乗用自動車とは異なっている。そのため、建設機械などの作業機械に上記特許文献 1 の方式を採用することは難しくなつて、る。 [0009] また、特許文献 2のように、振動の発生を抑えるのに内装部材あるいは外装部材に直接的に 2種類のリブを交互に設ける場合、このようなリブの敷設のみによって、作業機械に生じるような大きな騒音を抑制することは困難である。

[0010] すなわち、騒音'振動などが激しい作業機械の場合、運転室の外部を覆うパネル構成体において、遮音性の高い材料を内部に充填したり、また内部にリブを設けるといつた乗用自動車に採用されるような方策だけでは、パネル構成体の製造に手数を要する割に騒音の減衰効果を十分に期待することができないといった問題があった。

[0011] 本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、本発明の目的は、作業機械において、運転室の外部力も入る騒音を効果的に抑えて、運転室内における作業環境を向上させることができる運転室の内装材およびパネル構成体を提供すること、またその内装材を製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0012] 上記目的を達成するために、本発明は、作業機械における運転室の内装材であつて、前記内装材は少なくとも構造部材と吸音層とを具備し、前記構造部材は、基部の内側表面に外装材の内側表面と密接する 1以上のリブを有し、同リブが外装材に密接することにより密閉した空洞部が形成されてなり、前記構造部材の外側表面には前記吸音層が設けてなることに主要な特徴を有する。

[0013] また、本発明の内装材では、進入してくる音 (音波）をより効果的に吸音するために、前記構造部材の内側表面及び前記リブの表面の一部又は全部に吸音層を有していることが好ましぐ例えば、前記構造部材の外装材と対向する内側表面に吸音層を有していることが好ましい。

[0014] さらに、本発明において、内装材の遮音性を考慮すると、前記構造部材は、ポリウレタン，ポリプロピレン， ABS榭脂， AES榭脂のうちのいずれか一つで形成されてなることが好ましぐまた前記吸音層は、低反発ウレタン，半硬質ウレタン， PET (ポリエチレンテレフタレート）榭脂，ポリスチレン榭脂のうちのいずれか一つ以上からなる連続気泡体および Zまたは繊維集合体であることが好ましい。

[0015] さらにまた、本発明では、前記吸音層の構造部材側とは反対の面には、表皮材が装着されてなることが好ましぐ特に、前記表皮材には防汚処理がなされてなることが好ましい。

[0016] そして、本発明によれば、前記本発明の内装材と外装材とを具備するパネル構成体を提供することができる。

[0017] 次に、本発明に係る内装材の製造方法は、基部の内側表面力立設して外装材の内側表面に密接するリブを有し、同リブが外装材に密接することにより密閉した空洞部を形成する構造部材と、同構造部材の外側表面に設けられる吸音層とを少なくとも具備する、作業機械における運転室の内装材の製造方法であって、前記構造部材を射出成形法により 1以上のリブを有する所望形状に成形すること、前記構造部材の成形時または成形後に同構造部材に前記基部の外側表面側から内側表面側に貫通する孔部を少なくとも 1以上設けること、前記孔部を設けた構造部材を金型に取り付けること、同金型を用いて構造部材の外側表面側に吸音層の構成材料を射出することにより、同構造部材の外側表面に吸音層を成形すると同時に、前記孔部を通して前記構造部材の内側表面及び前記リブの表面の一部又は全部に吸音層を形成することを含んでなることに主要な特徴を有する。

[0018] また、このような本発明の内装材の製造方法においては、前記吸音層を射出成形する際に、前記金型の構造部材の外側表面側に対向する側に予め表皮材を取り付けておくこと、前記金型に取り付けた構造部材と表皮材との間隙に前記吸音層の構成材料を射出することを含んでなることが好まし、。

発明の効果

[0019] 本発明の作業機械における運転室の内装材は、少なくとも構造部材と吸音層とを具備し、この構造部材の基部の内側表面には外装材の内側表面に密接する 1以上のリブを有し、且つリブが外装材に密接することにより密閉した空洞部が形成されるものであり、また構造部材の外側表面には吸音層が設けられている。

[0020] すなわち、本発明の内装材は、外装材に密接するリブによる外装材の振動を抑える機能と、構造部材の密閉した空洞部に侵入した音を乱反射させて減衰させた後に吸音層で吸音する機能とを同時に有することにより、極めて優れた遮音効果を得ることがでさる。

[0021] また、本発明の内装材が、構造部材の内側表面及びリブ表面の一部に吸音層を有する場合、構造部材の密閉した空洞部に侵入した音を空洞部内で乱反射を繰り返して減衰させるとともに、構造部材の内側表面上の吸音層で吸音することができるため、非常に優れた遮音効果を得ることができる。

[0022] さらに、本発明において、構造部材が、ポリウレタン，ポリプロピレン， ABS榭脂， A ES榭脂のうちのいずれか一つで形成されていれば、これらの材料は成形の容易性に優れて、るので、内装材の形状が複雑なものであっても構造部材の成形を容易にかつ安定して行うことができ、また上記成形材料により成形された構造部材は剛性が高いため、所定形状を安定して維持することができる。

[0023] また、内装材の吸音層が、低反発ウレタン，半硬質ウレタン， PET榭脂，ポリスチレン榭脂のうちのいずれか一つ以上力もなる連続気泡体および Zまたは繊維集合体であれば、構造部材の形状に合わせて容易に形成でき、また連通気孔'通気空間の形成も容易である。そのため、吸音層に複雑微小な空間が形成できて僅かな肉厚であっても吸音を非常に効果的に行うことができ、内装材の遮音性をより高めることができる。

[0024] そして、本発明のパネル構成体は、前述のような優れた遮音効果を持つ内装材を具備しているため、例えば作業機械の運転室に取り付けることにより、外装材の外側から侵入してくる騒音を効果的に抑えることができ、運転室内の作業環境を向上させることがでさる。

[0025] 次に、本発明の作業機械における運転室の内装材を製造する方法によれば、既述したような特徴的構成を有することにより、本発明に係る運転室の内装材が複雑な構造を有するものであっても容易にかつ安定して製造することができる。特に、本発明の製造方法において、構造部材をリブとともに射出成形法により成形した後に、構造部材に基部の外側表面側から内側表面側に貫通する孔部を少なくとも 1以上設けて力構造部材の外側表面側に吸音層の構成材料を射出することにより、構造部材の外側表面に吸音層を成形すると同時に孔部を通して構造部材の内側表面及びリブ表面の一部又は全部に吸音層を効率的に形成することができる。

図面の簡単な説明

[0026] [図 1]図 1は、本発明に係る内装材を具備するパネル構成体の断面模式図である。 [図 2]図 2は、本発明に係る別の態様の内装材を具備するパネル構成体の断面模式図である。

[図 3]図 3は、遮音試験の方法を説明する概略説明図である。

[図 4]図 4は、遮音試験の結果を表すグラフである。

[図 5]図 5は、本発明に係るさらに別の態様の内装材を具備するパネル構成体の断面模式図である。

[図 6]図 6は、内装材を具備するパネル構成体のより具体的な一例を表す断面模式図である。

[図 7]図 7は、内装材及びパネル構成体を製造する方法を説明する説明図である。

[図 8]図 8は、油圧ショベルを概略的に示す概略図である。

[図 9]図 9 (a)は、内装材の具体的な適用例を表す外観斜視図であり、図 9 (b)は、内装材を背面側から見た背面図である。

符号の説明

1 パネル構成体

Γ パネル構成体

1" パネル構成体

2 外装材

2" 外装材の内側表面

3 内装材

3' 内装材

3" 内装材

4 構造部材

4a リブ

4' 構造部材の内側表面

5 吸音層

6 表皮材

7 吸音層 9 パネル構成体

10 内装材

11 構造部材

11a リブ

1 Γ 構造部材の基部

12 孔部

13 吸音層

14 表皮材

15 空調ダクト

16 空洞部

18 蓋体

19 固体伝播音

20 空洞部に侵入した

50 金型

51 上型

52 下型

54 金型

55 上型

56 下型

発明を実施するための最良の形態

[0028] 以下に、本発明に係る作業機械における運転室の内装材およびパネル構成体、並びに内装材の製造方法の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

先ず、本実施形態に係る作業機械における運転室の内装材について説明する。ここで、図 1は、本実施形態に係る内装材およびその内装材を具備するパネル構成体の断面模式図である。

[0029] 図 1に示した作業機械の運転室に用いられるパネル構成体 1は、運転室側に配される内装材 3と、内装材 3のリブ 4aと密接して設置される外装材 2とが一体化されて構成されるものであり、これらの外装材 2と内装材 3とは、例えば内装材 3の周壁部 (不図示)の先端で接合または接着されて、互、が容易に分離しな、ように組み立てられている。このようなパネル構成体 1は、例えば作業機械における運転室の側部または周囲に配されるものであり、運転室を構成するフレームに沿って取付けられるようになつている。本実施形態において、外装材 2としては、例えば熱間圧延鋼板を用いることがでさる。

[0030] 図 1に示したパネル構成体 1を構成する内装材 3は、構造部材 4と吸音層 5と表皮材 6とを具備している。このとき、構造部材 4の内側表面 4Ίこは、外装材 2の内側表面に密接する少なくとも 1以上のリブ 4aを有しており、そのリブ 4aが外装材 2に密接することにより密閉した空洞部 8が形成されている。なお、構造部材 4の基部から立設しているリブ 4aの先端は外装材 2に密接していれば良ぐ例えばリブ 4aが外装材 2と固着せずに単に当接した状態で密接していても、またはリブ 4aが接着剤などで外装材 2に接着された状態や、リブ 4aがゴムゃ榭脂材料などの弾性体を含む振動減衰効果を持つ材料を介して外装材 2に接合された状態で密接していても良い。また、構造部材 4は、その内側表面 4'の形状についても特に限定されず、内側表面 4'の形状が平面状であっても曲面状であっても良い。

[0031] 本実施形態にぉ、て、構造部材 4の材質は特に限定されな、が、例えば構造部材 4は、ポリウレタン，ポリプロピレン， ABS榭脂， AES榭脂のうちのいずれか一つで形成されていることが好ましい。これらの材料は成形容易性に優れているので、構造部材 4が上記材質力なるものであれば、内装材 3の形状が複雑なものであっても成形が容易であり、また成形された構造部材は剛性が高いため、所定形状を安定して維持することができる。さらに、上記の成形材料は断熱性にも優れているため、断熱効果も期待でき、作業機械の運転室において外部と遮断する内装材として非常に効果的に用いることができる。特に、構造部材 4が硬質発泡ポリウレタン力もなるものであれば、以下で詳しく説明するように、構造部材の固体伝播を効果的に抑えることができるので、優れた遮音効果を得ることができる。

[0032] また、上記内装材 3において、吸音層 5は構造部材 4の外側表面に設けられており、さらにこの吸音層 5における構造部材 4側とは反対の面には表皮材 6が形成されている。この吸音層 5の材質は特に限定されないが、例えば吸音層 5は、低反発ウレタン，半硬質ウレタン， PET榭脂，ポリスチレン榭脂のうちのいずれか一つ以上からなる連続気泡体および Zまたは繊維集合体の層であることが好まし、。このような連続気泡体や繊維集合体は、構造部材 4に対応して成形が容易で、また連通気孔'通気空間の形成が容易である。そのため、吸音層 5には複雑微小な空間が形成されるため、僅かな肉厚であっても侵入してきた音を非常に効果的に吸音することができる。なお、本実施形態において、吸音層 5の肉厚は特に限定されるものではなぐ目的に応じて適宜設定することができる。

[0033] また、上記表皮材 6としては、例えばビニルレザー、表面にレザー状のシートを持つポリオレフイン系材料 (例えば、商品名「ぺフ」東レ株式会社製)、撥水性と通気性を備えて表面の触感が良好な高密度繊維織物など力適宜選択して使用することができる。なお、前記レザー状のシートを持つポリオレフイン系材料を用いる場合は、その表面にシボ模様などを付けたりエンボス加工による模様を付けて装飾性を高めることができる。また、繊維織物の場合は色調や特有な外観をもって装飾性を高めることができる。さらに、この表皮材 6に防汚処理がなされていれば、内装材の汚れを防ぎ、内装材 3の表面を清浄に保つことができる。なお、表皮材 6は、吸音層 5上に形成されるだけでなぐ例えば構造部材 4の周壁部外面にも設けることができる。

[0034] 上記のようにして構成されるパネル構成体 1にお、て、騒音が外装材 2の外側から内装材 3を介して運転室内側に透過侵入する場合、まず音の一部は外装材 2の外側表面で反射し、その他は外装材 2の全面を透過して構造部材 4に侵入することになる。このとき、内装材 3では構造部材 4のリブ 4aが外装材 2に密接しているので、外装材に音が侵入した際の外装材 2の振動を効果的に抑えることができ、優れた遮音効果を得ることができる。

[0035] 一方、外装材 2を介して構造部材 4に侵入した音の一部は、外装材 2に密接して、るリブ 4aの内部を伝って固体伝播し、またその他の大部分の音 20は外装材 2を介して密閉した空洞部 8に侵入する。このとき、リブの内部を伝わる固体伝播音 19は、リブ内を固体伝播していく間に徐々に減衰していき、構造部材の外側表面に設けられた吸音層 5で吸音される。

[0036] 一方、外装材 2を介して密閉した空洞部 8に侵入した音 20は、空洞部 8内で構造部材 4の内側表面 4'及びリブ 4aの表面、さらに外装材 2の内側表面 2'で繰り返し乱反射 (反響)することにより次第に減衰して、き、その後吸音層 5で吸音される。

[0037] すなわち、本実施形態の内装材 3によれば、外装材 2に接するリブ 4aにより外装材 2の振動を抑えることができ、また、構造部材 4のリブ 4a内を固体伝播する音 19を減衰させて吸音層 5で吸音することができ、さらに、構造部材 4の密閉した空洞部 8に侵入した音 20を乱反射させて減衰させた後に吸音層 5で吸音することができる。これにより、外装材 2の外部から侵入する騒音の音圧レベルを内装材 3によって著しく低減させることができるため、例えば従来用いられている遮音手段 (例えば、特許文献 1) や防音手段 (例えば、特許文献 2)に比べて、非常に優れた遮音効果を得ることができる。

[0038] 特に、構造部材 4力固体振動を効果的に減衰させることのできるダンピング特性に優れた材料、例えば前述のように硬質発泡ポリウレタン力なるものであれば、リブ 4a内を固体伝播する音 19の減衰を促進できるため、内装材 3の遮音効果をより高めることがでさる。

[0039] 一方、本発明によれば、本実施形態に係る別の態様の内装材として、例えば図 2に示したように、構造部材 4の内側表面 4'及びリブ 4aの表面の一部に吸音層 7を有する内装材^を提供することができる。また、さらに別の態様の内装材として、例えば図 5に示したように、構造部材 4の内側表面 4'及びリブ 4aの表面の全部に吸音層 7を有する内装材 3〃を提供することができる。

[0040] 例えば、図 2に示したパネル構成体 Γは、構造部材 4の外装材内側表面と対向する内側表面 4'上に吸音層 7を付設した内装材^を具備し、それ以外については図 1 に示したパネル構成体 1と同様の構成を有するものである。このような内装材 3Ίま、空洞部 8内で構造部材 4の内側表面 4'上に吸音層 7を有することにより、騒音が外装材 2の外側力構造部材 4の密閉した空洞部 8に侵入したときに、空洞部 8に侵入した音 20を空洞部 8内で乱反射を繰り返させて減衰させるとともに構造部材 4の内側表面 4'上の吸音層 7で吸音できるため、非常に優れた遮音効果を得ることができる。 [0041] さらに、図 5に示したパネル構成体 1〃は、構造部材 4の内側表面 4'及びリブ 4aの表面の全部に吸音層 7, 7aを付設した内装材 3"を具備し、それ以外については図 1のパネル構成体 1と同様の構成を有するものである。このような内装材 3 は、上記内装材^よりも空洞部 8内に形成される吸音層の領域がさらに広くなるため、空洞部 8に侵入した音をより効率的に吸音層 7, 7aで吸音でき、より一層優れた遮音効果を得ることができる。

[0042] すなわち、上記のように構造部材 4の内側表面 4'上に吸音層 7を付設することにより、内装材による遮音効果を高めることができ、さらに構造部材 4の内側表面 4'及びリブ 4aの表面の全体に吸音層 7を付設すれば、遮音効果が一層高まり、極めて優れた遮音効果を有する内装材となる。

[0043] ここで、本実施形態に係る内装材の遮音特性を調べるために、 JIS A1416 (IS01 40-3)の実験室における建築部材の空気音遮音性能の測定方法に従って、以下のような遮音試験を行った。

[0044] 今回行った遮音試験の方法について簡単に説明すると、例えば図 3に示したように、無響室 Aと残響室 Cとの間にコンクリートブロックによって無響室 Aと残響室 Cとを仕切る遮音壁 Bを設け、この遮音壁 Bにテスト用のパネル構成体 1を取付ける。そして、残響室 C側に音源（図示せず)を配置し、無響室 A側でテスト用パネル構成体 1に対向させて複数のマイクロフォン Gを配置し、パネルのはめ込み箇所での周囲を目地詰めして音漏れ防止を施した。この状態で、音源として周波数に反比例して高い周波数ほど弱くなるような lZf雑音 (ピンクノイズ)を用いて透過損失の測定を行った。

[0045] 今回の遮音試験では、テスト用のパネル構成体として、図 1に示したパネル構成体 1と、図 2に示したパネル構成体とを使用して測定を行った。なお、今回使用したパネル構成体 1 (図 1)では、外装材 2として厚さ 4. 5mmの熱間圧延鋼板を用いた。また、内装材 3は、構成部材 4の基部の厚さが 10mm、リブ 4aの高さが 20mm (実質的に空洞部 8の高さ）、吸音層 5の厚さが 10mmとなるようにし、さらに表皮材 6として商品名「ぺフ」（東レ株式会社製)を設けたものを用いた。

[0046] また、パネル構成体 Γ (図 2)としては、上記パネル構成体 1の材質および寸法に加えて、構成部材 4の内側表面 4'上に 5mm厚の吸音層 7を設けたものを用いた。また、比較のために、厚さ 4. 5mmの熱間圧延鋼板の一方の面に PET繊維材にて形成された 20mm厚の吸音材を添付した試料と、厚さ 4. 5mmの熱間圧延鋼板単体の試料 (吸音材が添付されてなヽ鋼板)とにっヽても併せて遮音試験を行った。

[0047] これらの遮音試験の結果を図 4のグラフに表す。さらに、遮音試験により得られた遮音効果の結果を検証するために、質量則計算式に基づいて厚さ 4. 5mmの熱間圧延鋼板における透過損失を算出した計算値も図 4に併記する。

[0048] 図 4に示した試験結果から明らかなように、図 1のような内装材 3により空洞部 8が形成されて!/ヽるパネル構成体 1は、鋼板単体及び吸音材を添付した鋼板に比べて遮音性に優れており、また、 1Z3オクターブ中心周波数が約 400— 4000Hzの領域にお V、て、質量則計算式によって得られた計算値 (破線で表示)よりも高、透過損失を有することが判明した。さらに、図 2のような構成部材 4の内側表面 4'上に吸音層 7を設けたパネル構成体 Γにおいては、図 1のパネル構成体 1よりもさらに優れた遮音特性を有することも確認された。

[0049] 以上の試験結果から、図 1のような外装材 2に密接する 1以上のリブ 4aを有することにより密閉した空洞部 8が形成されてなり、且つ吸音層 5が設けられている内装材 3を用いてパネル構成体 1を構成することにより、外装材 2の外側から侵入してくる騒音を従来よりも効果的に遮音できることが確認された。また、図 2のように構造部材 4の内側表面 4'上に吸音層 7を設けることにより、内装材の遮音効果が向上することも確認された。このような結果から、例えば図 5に示したように構造部材 4の内側表面 4'及びリブ 4a表面上に吸音層 7を設けることにより、より優れた遮音特性を得ることが可能となると半 lj断することができる。

[0050] 次に、本発明に係る内装材およびパネル構成体のより具体的な実施形態を、図 6を参照しながら詳細に説明する。ここで、図 6は、作業機械の運転室に用いられるパネル構成体の一例を模式的に示す断面模式図である。

[0051] この図 6に示したパネル構成体 9は、内装材 10に熱間圧延鋼板からなる外装材 2が取り付けられることにより構成されている。このとき、内装材 10は、運転室の内装に必要とする外形寸法で形成されており、所定部位に空調ダクト 15がー体に組み込まれた構造を有する。この内装材 10では、その基本的骨格を形成する構造部材 11が発泡硬質ポリウレタンにより成形されており、また複数のリブ 1 laが構造部材 11の内側表面に基部 1 Γに対して垂直に一体成形されて!、る。このリブ 1 laの先端が外装材 2 と密接していることにより、密閉した空洞部 16が形成されている。

[0052] さらに、構造部材 11には、例えば内装材 10の製造工程において構造部材 11の内側表面に吸音層 13を効率的に形成できるように、基部 1 の外側表面側から内側表面側に貫通する複数の孔部 12が設けられている。なお、この内装材 10には、空調ダタト 15を形成するために、ダクト形成部の開放された部分を閉じる部材として、蓋体 1 8が設置されている。

[0053] 上記の構造部材 11には、構造部材 11の外側表面 (構造部材 11の外装材 2側とは反対の面)と内側表面 (構造部材 11の外装材 2と対向する面)とに吸音層 13が所定の厚さで一体に形成されている。この吸音層 13としては、例えば低反発ウレタンや半硬質ウレタン， PET榭脂、ポリスチレン榭脂のうちのいずれか一つからなる連続気泡体の発泡層を用いることができる。さらに、この吸音層 13の運転室側の表面には、表皮材 14が設けられている。この表皮材 14としては、例えば商品名「ぺフ」（東レ株式会社製)を用いることができる。

[0054] そして、上記のようにして構成される内装材 10は、前述のように、リブ 11aによる外装材 2の振動を抑える機能と、リブ 11a内を固体伝播する音を減衰させて吸音層 13 で吸音する機能と、空洞部 16に侵入した音を乱反射させて減衰させるとともに吸音層 13で吸音する機能とを有する。このため、例えば外装材 2の外側力騒音が侵入してきても、騒音の音圧レベルを内装材 10で効果的に低減させることができる。

[0055] したがって、例えば上記のような内装材 10を具備するパネル構成体 9により外装される作業機械の運転室にあっては、窓ガラスなどが取り付けられる開口部以外の運転室外壁を上記パネル構成体 9によって囲うことができる。これにより、例えばェンジンなどの駆動、掘削ゃ揚土などの作業により騒音の激しい場所であっても、内装材 1 0の優れた遮音効果により、外部から運転室内へ侵入する騒音を極めて小さくすることができる。その結果、運転室内のオペレータに与える騒音による影響を著しく低下でき、その作業環境を飛躍的に向上させることができる。

[0056] さらに、本実施形態に係る上記内装材 10は、上記のような優れた遮音効果が得られるだけでなぐ構造部材 11を任意の形状に成形できるので、パネル構成体 9の形状を設置する作業機械に応じて自在に設計することができる。さらに、内装材 10の運転室側表面には表皮材 14を配して、るため、装飾性や感触を高めて良好な居住性を図ることができるといった効果も併せ得られるものである。

[0057] ここで、上記で説明した本実施形態に係る内装材が実際に適用される具体的な適用例について、図 9を参照しながら説明する。なお、図 9 (a)は、本実施形態に係る内装材の具体的な適用例を表す外観斜視図であり、図 9 (b)は、内装材を背面側から見た背面図である。

[0058] 図 9に示した内装材 35は、建設機械における運転室の運転席右側に配されるものであって、運転席側に配される表皮材 39と構造部材 36との間に吸音層（不図示）を有している。この内装材 35の運転席側に配される表皮材 39には、例えば触感が良好で意匠効果の高いものが使用される。

[0059] また、上記構造部材 36では、複数のリブ 31aが内装材 35に取り付けられる外装材（不図示）と密接するように設けられている。このようにリブ 31aを設けることにより、外装材を取り付けた際に密閉した空洞部を容易に形成できるとともに、内装材 35に全体形状を安定して維持できる強度を持たせることができる。

[0060] さらに、この構造部材 36では、図 9 (b)に示されるように空調ダクト 37が形成されている（なお、図 9 (b)では、蓋体が取り付けられてない状態で表されている）。この空調ダクト 37には、空調機（不図示）との接続ダクト取付口 29およびエア吹出し口 30 30 ' 30 が任意の位置に設けられている。これらエア吹出し口 30 3(Τ 30 には、一体的にあるいは別途作製されたル（不図示）が設けられている。また必要に応じて、構造部材 36に閉空間 38を形成することができる。

[0061] さらにまた、上記内装材 35には、例えばモニター組込み部 31などの付属機器の取付部、灰皿組込み部 32、カップホルダー取付部 33などを任意の位置に一体的に形成することができる。

[0062] そして、このような内装材 35を作業機械の運転室に取り付けることにより、前述のように、内装材 35の優れた遮音効果により外部から運転室内へ侵入する騒音を極めて小さくして、運転室内の作業環境を飛躍的に向上させることができる。 [0063] 次に、上記本実施形態に係る内装材 10及びパネル構成体 9を製造する方法について、図 7を参照しながら詳細に説明する。ここで、図 7は、内装材 10及びパネル構成体 9を製造する方法を概略的に説明する説明図である。

[0064] 先ず、図 7の（a)に示したように、内装材 10の構造部材 11を成形するための金型 5 0を準備する。この金型 50は、上型 51と下型 52と力もなり、 1以上のリブ 11aを有する所定形状の構造部材 11が成形できるように高精度に設計されたものである。この金型 50を用いて、射出成形法により上型 51と下型 52とにより形成される空間（キヤビティ）に構造部材 11の構成材料 (榭脂材料)を射出して、リブ 11aを有する構造部材 11 を成形する。

[0065] 例えば構造部材 11を硬質発泡ポリウレタンで形成する場合につ!ヽてより具体的に説明すると、先ず原料タンクに別々に収容されているイソシァネート、発泡剤を含んだポリオールの反応性榭脂材料を、それぞれ所定量で金型 50の直前に設けた混合室 (不図示）に導入して混合する。低圧で反応性榭脂材料を金型 50に注入する場合には、例えば混合室内に攪拌羽根を電動モータで回転する機構を設けて、反応性榭脂材料を攪拌しながら混合させる。

[0066] 一方、高圧で注入する場合には、攪拌する機構を必要とせず、反応性榭脂材料を衝突混合させる。その後、その混合した反応性榭脂材料を混合室カゝら金型 50のキヤビティ内に低温で射出する。このとき、発泡剤として水を予め含んだポリオールを混合室へ導入することも可能であり、また必要に応じて、反応性榭脂材料に触媒、硬化剤、発泡剤等をさらに添加することができる。

[0067] そして、金型 50内に導入した反応性榭脂材料をキヤビティ内で反応させることによつて、その反応熱で反応性榭脂材料を低圧で発泡させることができ、これにより、硬質発泡ポリウレタン力なる 1以上のリブ 1 laを有する構造部材 11を作製することができる。

[0068] このとき、前記で説明した空調ダクト 15を形成するために用いる蓋体 18も同時に成形できるように金型 50を設計することにより、 1回の射出成形工程で構造部材 11と蓋体 18と効率的に成形することができる。

[0069] その後、成形体を金型 50から取り出し、不要部分を切断することによって所望形状の構造部材 11と蓋体 18とを得ることができる。なお、この得られた構造部材 11には、以下で説明する吸音層の成形を行う前までに、予め基部の外側表面側から内側表面側に貫通する孔部 12を少なくとも 1以上設けておく。ところで、孔部 12は、構造部材 11の成形時に設けるようにしてもよい。例えば、上型 51 (あるいは下型 52)に、端部が下型 52 (ある、は上型 51)へ密接する凸部を、構造部材 11のリブ 1 laを設けない部分に、設けるようにする。

[0070] 次に、表皮材 14を真空成形等の熱成形法により所定の厚さで作製する。この表皮材 14の作製方法は特に限定されず、従来と同様の方法を用いて行うことができる。

[0071] 続いて、図 7の (b)に示すように、吸音層 13を成形するために所定形状に設計された上型 55と下型 56と力もなる金型 54を準備し、上型 55には先に成形されたリブ 11a を有する構造部材 11を取り付け、また構造部材 11の外側表面側に対向する側の下型 56には表皮材 14を取り付ける。このとき、例えば上型 55にマグネットを付けておき、構造部材 11に金属製のクリップなどを付けておくことにより、構造部材 11を上型 55 に容易に取り付けることができる。一方、吸音層 13の下型 56への取り付けについては、例えば下型 56に外部力も表皮材 14に接する面まで貫通する開口部を必要に応じて単数または複数設けて吸引機構と接続しておき、開口部内部の空気を吸引することによって、高い密接性で吸音層 13を下型 56へ取り付けることができる。

[0072] 上記のようにして上型 55と下型 56とにそれぞれ構造部材 11と表皮材 14とを取り付けた後、図 7の (c)に示すように、吸音層 13の構成材料 (榭脂材料)を構造部材 11と表皮材 14との間に形成されているキヤビティ内に射出して、構造部材 11と表皮材 14 との間に吸音層 13を成形する。このとき、同時に構造部材 11に設けた孔部 12を通して構造部材 11の外側表面側力内側表面側に榭脂材料を導入することにより、構造部材 11の内側表面上にも吸音層 13を成形することができる。なお、例えば構造部材 11の内側表面及びリブ表面の全部に吸音層 13を成形する場合には、上型 55に形成されるキヤビティの形状を変更すれば良ヽ。

[0073] このようにして吸音層 13の射出成形を行うことにより、構造部材 11と吸音層 13と表皮材 14とが一体ィ匕された成形品を得ることができる。その後、例えば表皮材 14が吸音層 13からはみ出している部分を吸音層 13側に折り曲げて接着することによって、上記本実施形態に係る内装材 10を得ることができる。このようにして内装材 10を製造することにより、例えば構造部材 11や吸音層 13が複雑な形状を有する場合であつても、安定してかつ低コストで内装材 10を得ることができる。

[0074] そして、上記のようにして得られた内装材 10は、空調ダクト 15を形成するために、先の構造部材 11の成形時に同時成形した蓋体 18をダクト形成部の開放された部分に接着剤などを用いて組み合わせる。その後、内装材 10の周壁部の先端と外装材 2 とを接着剤などによって固着することにより、内装材 10と外装材 2とを一体化することができる。

[0075] このとき、必要に応じて、例えば内装材 10の周壁部の先端で予め外装材 2側に設けてお!ヽた取付座とファスナーを用いて結合させるようにすれば、内装材 10と外装材 2との接合をより強化することができる。またその他に、例えば外装材 2にクリップの取付座片を付設しておき、前もって構造部材 11に取り付けてお、た金属製のクリツプと嵌め合わせることによつても、内装材 10と外装材 2とを一体ィ匕させることができる

[0076] このとき、構造部材 11の内側表面から立設したリブ 11aは、外装材 2に密接していれば良ぐ目的に応じてリブ 11aを外装材 2に接着剤などで固着しても、また単に当接させて!/ヽる状態にしても良ヽ。以上のようにして内装材 10と外装材 2とを一体化することにより、遮音性に優れたパネル構成体 9を容易にかつ安定して製造することができる。

[0077] なお、上記では、構造部材 11に孔部 12を設けることにより、構造部材 11の内側表面上に吸音層 13を形成する場合を説明している。し力しながら、その他の方法として、例えば構造部材 11を成形した後に、スプレーなどを用いて構造部材 11の内側表面及びリブ表面の一部または全部に吸音層 13をコーティングすることによって、吸音層 13を形成することもできる。さらに、例えば吸音層 13が連続気泡体である場合には、現場発泡を利用することによって吸音層 13の形成を行うこともできる。一方、例えば図 1に示したパネル構成体 1のように、構造部材 4の内側表面にもリブ表面にも吸音層を形成しない場合は、孔部 12を形成する工程を省略することができる。

産業上の利用可能性本発明の内装材は、土木建設用、農業用、その他の産業用の機械や車両等の作業機及び作業車両等の運転室に適用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 作業機械における運転室の内装材であって、前記内装材は少なくとも構造部材と吸音層とを具備し、

前記構造部材は、基部の内側表面に外装材の内側表面と密接する 1以上のリブを有し、同リブが外装材に密接することにより密閉した空洞部が形成されてなり、前記構造部材の外側表面には前記吸音層が設けてなる、

ことを特徴とする内装材。

[2] 前記構造部材の内側表面及び前記リブの表面の一部又は全部に吸音層を有してなる請求の範囲第 1項記載の内装材。

[3] 前記構造部材の外装材と対向する内側表面に吸音層を有してなる請求の範囲第 2 項記載の内装材。

[4] 前記構造部材は、ポリウレタン，ポリプロピレン， ABS榭脂， AES榭脂のうちのいずれか一つで形成されてなる請求の範囲第 1項記載の内装材。

[5] 前記吸音層は、低反発ウレタン，半硬質ウレタン， PET榭脂，ポリスチレン榭脂のうちのいずれか一つ以上力なる連続気泡体および Zまたは繊維集合体である請求の範囲第 1一 3項のいずれかに記載の内装材。

[6] 前記吸音層の構造部材側とは反対の面には、表皮材が装着されてなる請求の範囲第 1項記載の内装材。

[7] 前記表皮材には防汚処理がなされてなる請求の範囲第 6項記載の内装材。

[8] 請求の範囲第 1一 3項のいずれかに記載の内装材と外装材とを具備するパネル構成体。

[9] 基部の内側表面から立設して外装材の内側表面に密接するリブを有し、同リブが外装材に密接することにより密閉した空洞部を形成する構造部材と、同構造部材の外側表面に設けられる吸音層とを少なくとも具備する、作業機械における運転室の内装材の製造方法であって、

前記構造部材を射出成形法により 1以上のリブを有する所望形状に成形すること、前記構造部材の成形時または成形後に同構造部材に前記基部の外側表面側から内側表面側に貫通する孔部を少なくとも 1以上設けること、前記孔部を設けた構造部材を金型に取り付けること、

同金型を用いて構造部材の外側表面側に吸音層の構成材料を射出することにより、同構造部材の外側表面に吸音層を成形すると同時に、前記孔部を通して前記構造部材の内側表面及び前記リブの表面の一部又は全部に吸音層を形成することを含んでなる、

ことを特徴とする内装材の製造方法。

前記吸音層を射出成形する際に、

前記金型の構造部材の外側表面側に対向する側に予め表皮材を取り付けておくこと、

前記金型に取り付けた構造部材と表皮材との間隙に前記吸音層の構成材料を射出することを含んでなる、

請求の範囲第 9項記載の内装材の製造方法。